■ 20081227/2008年「レコード大賞」(とMFP)の発表。
さて、今回は記念すべき「第10回」の大賞となります。ちなみにこれまでの輝かしい受賞者の数々。
1999年 椎名林檎《翳りゆく部屋》
2000年 慎吾ママ《慎吾ママのおはロック》
2001年 ピチカート・ファイヴ《さえらジャポン》アルバム
2002年 RIP SLYME《TOKYO CLASSIC》アルバム
2003年 クレイジーケンバンド《777》アルバム
2004年 大塚愛《さくらんぼ》
2005年 YUKI《長い夢》
2006年 Def tech 《Power in da Musiq 〜Understanding》
2007年 くるり《ワルツを踊れ〜Tanz Walzer》アルバム
第10回 2008年レコード大賞 チャットモンチー 《風吹けば恋》
ここ でも書きましたが、この自由さ、この大胆さ。42歳のオヤジとして、もうこう言ってしまいます。「若いって素晴らしい」。ワタシのようにいっしょうけんめいロックを「勉強」してきた世代としては、ロックの定型句からどんどん外れていく奔放な音づくりはとっても驚きでした。
でもいいのです。「ロックの定型句」なんかはクソの役にも立たない。自由で大胆で奔放で、でもサビに行くとめちゃくちゃポップ。カラオケでは歌いにくいことこの上なしですが、そんなことがどうでもよくなるほど素晴らしい作品。「♪私の両足」の「♪ドレミファソラシド」に失神だ!
第2位 アンジェラ・アキ 《手紙 拝啓十五の君へ》
これも若い頃にはぜったい選ばなかった曲ですね。そもそもアンジェラ・アキの歌唱力は見事で、毎年『紅白歌合戦』で感心していたのですが、くわえて今回は歌詞で泣かせてくれました。感化されてこのような文章 も書いてしまいました。
大賞でも良かったのですが、唯一の難点は転調してからの大サビ。CDでは急にゴスペル調になっていてめちゃめちゃダサい。そもそも《サクラ色》なんかもそうなんですが、大サビは不必要だと思うなぁ。転調なしのシンプルなアレンジで聴きたかった。
第3位 沢田研二 《ROCK'N ROLL MARCH》
映像は《ROCK'N ROLL MARCH》と同じアルバムに収録されている《我が窮状》。2008年12月3日という日付を、ワタシは一生忘れないでしょう。ワタシの音楽人生、いや人生そのものに決定的な影響を与えました。前回述べたように「進歩史観主義者」ではありますが、そろそろ揺るぎのない一つの視点をもってもいい年頃かも知れません。ワタシの場合、それは沢田研二です。
パ・リーグMFP (Most Funky Player) 片岡易之(埼玉西武ライオンズ)
ミスター・ギャンブルスタート! 永遠に記憶されるこの走塁。なおセ・リーグはぎりぎりまで迷いましたが該当者なし! あと一歩だったよ、栗原健太、村田修一。来季もかんばれ。
2008年総括
あと数日で後厄が終わります。人生の中でいちばん輝かしいときは終わりを告げ、少しずつ終わりを意識していく年代に突入した感じがします。 それをポジティブに受け止めるためには、下を見て、チャットモンチーや片岡易之や十五歳のときの自分のまぶしさにジェラシーしながらその活力を吸収することと、反面、沢田研二という圧倒的な上を見ること、この両方が必要な気がします。それが適切なバランスという気がします。
うん。このバランス。これはとてもタフな感じがする。なんだかこれから迷わず生きていけそうな感じがする。走れカタオカ、歌えジュリー。そして地味でもいいから一歩一歩確実に日常と格闘せよ、スージー鈴木。
お疲れ様でした。よいお年を。
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■ 20081221/「進化」が止まった大会〜M-1観戦記。
うーむ。
ワタシがM-1に過剰な期待をしつづけてきたのは、あの番組に「停滞」「退化」ということが存在せず、たえず前向きに「進化」してきたからだと言えます。
ワタシが(勝手に、過剰に)捉えてきたあの番組の「進化」とは、つまりはこういうこと で、アクションやパッションに依った「パンク」な笑いから、もっと多面的で複雑な笑いへのベクトルです。
某大学の講義では、それを「ムービーの笑いからテキストへの笑い」と論じて、ナイツを優勝に、そしてキングコングの衰退を予言しました。
申し訳ない。そのような話はちょっと早すぎた、もしくは捉え間違いだったようです。NON STYLE優勝。
もしかしたらワタシがM-1、ひいてはお笑い、否、文化全般に対して、必要以上に「進歩史観主義者」だったのかも知れません。いわく、新しい方法論を持っている表現者こそがエラいという価値観。
もう40を超えていますから、たいていの方法論には既視感があります。NON STYLEはB&Bで、オードリーはのりおよしおで。
今回のM-1とは無関係ですが、「青春コント」の"しずる"なんかは80年代に「お笑いスタ誕」で死ぬほど見たパターンですし、一瞬敗者復活枠に出場が噂されたチーモンチョーチュウも、いたいたあーいうの、っていう感じ。
ナイツに期待したのは、大げさに言えば、コトバの力によって漫才における知性を復権してくれること。「ムービーの笑い」の極めつけであるアンタッチャブル(2004)から少しずつテキストの笑い、コトバの知性を問う笑いにシフトしてきた流れの決定打としてのナイツ。40男がいままでに観たことのない漫才としてのナイツ。
早すぎたか……もしくは捉え間違いだったか……。
ただしナイツも、もう少し冒険してもよかったのではと思います。だって「ヤホー」のスマップネタは、ちょうど1年前の敗者復活で観たネタだったわけで。
というわけで、今回はちょっと中入りというか、自身の過剰な進歩史観をちょっとブレイクさせるための踊り場的な大会だったかと思っています。
まぁ、しょうがないか。M-1という番組がはじまって、ぐんぐんぐんぐん漫才というジャンルの可能性が広がっていった。物事に永遠や無限はないわな。ここらでひと休みだ。
ただ言っておきますが審査結果に不満はありません。ダイアン、U字工事、よくがんばった。モンスターエンジン、いい声してた。笑い飯、キングコング、もういいよ。ザ・パンチ、君たちはここに来なくてよかった。敗者復活では、とろサーモン、磁石、イシバシハザマの健闘。
お疲れ様でした。俺。また来年。
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■ 20081213/恒例!M-1順位予想。
さて、恒例の。昨年はコレ (トータルテンボスの躍進と、サンドウィッチマンを予測しているものの、ちょっとハズしましたね)。一昨年はコレ (上位3組については完全正解)。コレ が05年(まったく無名のブラックマヨネーズを2位にしていることに注目!)。
では今年。
[登場順]
ダイアン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
笑い飯(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
モンスターエンジン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
ナイツ(マセキ芸能社)
U字工事(アミーパーク)
ザ・パンチ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
NON STYLE(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
キングコング(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
敗者復活戦勝者(12/21(日)番組中に決定)
[予想]
1.ナイツ(マセキ芸能社)
2.ダイアン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
3.敗者復活戦勝者(12/21(日)番組中に決定)
4.キングコング(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
5.U字工事(アミーパーク)
6.NON STYLE(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
7.笑い飯(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
8.モンスターエンジン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
9.ザ・パンチ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
ナイツについては06年のチュートリアルぐらい堅いですね。登場順もあまりにラッキーだし、なんといってもいい具合で旬を迎えている。あと半年後にM-1だったら「ヤホー」ネタが消費されてしまって使えなかったでしょう。ダイアンは怒濤のトップバッターというクジ運の悪さもあるけど、なんとか最終決戦に残って、そこで爆発しそう。ダイアンを推し続けてきたワタシとしてはいよいよ念願の時来る。
逆にキングコングは昨年が限界。あのような直線的な、パンクな方法論 は今年は×。U字工事あたりが伸びてくるのいいなという、一種の願望で5位に。モンスターエンジンの漫才は観たことないので適当。ザ・パンチは残念ながら去年のザブングルと同じく、「しゃべくりの頂上決戦」M-1に出てきちゃいけない芸風。
敗者復活についても予想。今回は厳選してこの4組のみを。意外にもあまり予想されていないけれど、とろサーモンの可能性がもっとも高いと見る。いつかの漫才小説 でも「さばサーモン」を1位にしていたし。ちなみに上の「3位.敗者復活戦勝者」という強気の予想はとろサーモンのときを想定したもの。イシバシハザマは最近急にスピード感を増してきたので急遽ノミネート。M-1向きじゃないけどね。
[敗者復活予想]
1.とろサーモン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
2.オードリー(ケイダッシュステージ)
3.ギャロップ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
4.イシバシハザマ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
とにかく最近涙もろい。ほんとうに馬鹿みたいな話なのだが、木曜、大阪の宴席でM-1の話を死ぬほどした翌日。早朝の新大阪駅で、突然「あと10日でM-1だ!」と想い、なぜだか涙がこぼれてきた。ほとんどの人には分からない感情だろうが、そんな、なんだか異常な感情に包まれはじめている。がんばれナイツ、ダイアン、とろサーモン。
12/21日(日)よる6:30生放送。
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■ 20081207/沢田研二の相対性理論。
「何をくよくよと考えていたのだろう。沢田研二がいるじゃないか。」
コンサートが始まる前から、なんだか不思議な心持ちだった。コンサートが始まりその不思議な心持ちが感動に変わり、4曲目で涙がとまらなくなった。
《#4.A・C・B》
A・C・Bの頃も 醒めていたよ 歳は食ったけれど 相変わらずで
2000年でも くたばってなかった 驚いているのは この僕なんだよ
おめでとうなんだね 黙々と続けることしか 信じられないんだ
この曲を聴いたのは8年前の『ミュージック・フェア』 。このオンエアは、たしか小林信彦も絶賛していたはず。そして「2008年でも、くたばってなかった」ジュリー。
沢田研二は自分を絶対化したことがないと思う(絶対化は、この場合、神聖化とか「俺様化」みたいな意味合い)。少なくとも彼の発言から、自分を絶対化しているという趣旨のコトバを聴いたことがない。素直で、純で、謙虚。その輝かしい芸能生活とは逆に、自らを相対的に捉えられるめずらしい人。
その背景には、さまざまなソングライターの曲を歌いつづけてきたという経緯があるはず。座標軸に佐野元春、大沢誉志幸、大野克夫、井上陽水、加瀬邦彦……が散らばっていて、そのちょうど中間に沢田研二がいる。そしてそれはとても原点に近いところだ。
音楽のカテゴリーでもいい。ロック、シャンソン、フォーク、演歌と散らばっていて、その中間、原点に沢田研二。「歌謡曲」とも「ポップス」「ロック」と近いけど少しだけずれてる。
何が言いたいかというと、沢田研二こそが日本の音楽シーンのど真ん中だということ。沢田研二に関係するさまざまなミュージシャンやカテゴリーとの、一種の相対性の中でど真ん中にいるということ。
絶対性の殻を閉ざすのではなく、相対性の中で様々な人やカテゴリーの影響を吸収しつづけ、どんどんタフになって、ど真ん中に大きな存在感を築いたジュリー。
沢田研二という音楽、沢田研二というカテゴリー、さらにいえば沢田研二というムーヴメント、考え方。これが日本の音楽というふわふわした多角形の中の中心だということに気づいたのだ。
「何をくよくよと考えていたのだろう。沢田研二がいるじゃないか。」……42年間、ずっと日本の音楽のことばかり考えてきて、やっとたどり着いた結論。
《#13.君をのせて》(1971・岩谷時子/宮川泰)
《#24.風は知らない》(1969・岩谷時子/村井邦彦)
《#26.いくつかの場面》(1975・河島英五/河島英五)
このあたりの曲で涙はとめどなく出つづける。ほぼMCなしで、昔からのキーで、平日の昼間から夜中にかけて80曲を歌いきる。とんでもない設定のコンサート。
途中休憩をはさみ、第2部ではワタシの気持ちもすこし落ち着いたが、それでも《#76.ヤマトより愛をこめて》(1978・阿久悠/大野克夫)は良かった。泣けた。
で、「絶対化」の話に戻す。このコンサートが終わってからCD店に足を運んでみた。正直、吐きそうになった。小物たちの「絶対化」の吹きだまり。その陰惨な光景。
ちょっと数年ヒットを出したからといって、なんの冒険もせず、自分の世界に安住してしまう若者たち。そのスタミナのなさ。下劣だ。
これは音楽以外にも話がひろがる。君たちなんでそんなに偉いんだ? たかが野球選手、たかが評論家、たかが学者、たかがサラリーマンの分際で。
「何をくよくよと考えていたのだろう。沢田研二がいるじゃないか。」……これは自分の生き方への結論でもある。あんな風に、前向きに、おごらず、相対性をたいせつにしながら歩いていく。いつかど真ん中にたどり着くことを信じて。
自分を「絶対化」してしまってる連中よ、あと18年後、60歳になって勝負をしようじゃないか。生きてれば。
そして、ずんずん歩いていくときのBGMは、《#70.ROCK'N ROLL MARCH》(2008・GRACE/白井良明)だ。
このリスト から無断引用。多謝。
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■ 20081130/「知性」とはなにか。
『東大合格生のノートはかならず美しい』っていうタイトルの本があるらしい。いや実際に本屋で見ました。これ、やだなぁ。積極的にやだなぁ。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』あたりから始まっている、一見分かりやすそうで素人を騙せそうな長文タイトルも嫌ですが、それ以前にこのタイトルがメッセージしている内容自体が嫌だ。
読まなくても内容がプアーであることは容易に想像できる。いや確信をもってプアーだと言い切れる。なぜならば、こんなタイトル付けるやつが書いてんだから。
そういえば、氾濫しているクイズ番組の大半が嫌です。「知的バラエティ」みたいな顔つきをしていることが、ちょっと悪質な感じがするのです。
この景気不透明な中、信じるべきは学力だということで、さびしい財布からお金を握りしめて『東大合格生〜』の本を買う親がいるとして。
我が子が勉強に興味を持ってくれればと思い、無理矢理クイズ番組を見せている親がいるとして。
ワタシはそれを悲劇だと思います。
要するに「知性」とは何かということ。いや、こんな難しいテーマをここで持ち出すのはまったく本意ではないですが、「知性」とはなにか。
それはワタシにはよく分かりませんし、決めつける必要もないとも思いますが、とりあえず、これは「知的」ではない、というファールゾーンは分かるつもりです。
『東大合格生〜』という本を書くことは、ぜったいに「知的」じゃない。ベンチ前にぽとりと落ちるフライ。だって「知性」は、切実な思いを持つ親や受験生を騙さないだろう?
あ、齋藤孝なんかは内野2階席に飛び込む大ファールだ。
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■ 20081123/手紙〜拝啓、十五歳の鈴木君へ。
若干ベタな気もするが、アンジェラアキの《手紙〜拝啓十五の君へ》という曲がよかった。ゴスペルっぽい編曲になる#1よりも#4のほうが大当たり。歌も上手いし、そのうえ外見的に趣味だ。
歌詞はこれ 。少し大人になった自分が十五歳の自分と手紙をやりとりするという内容。
十五歳。中学3年生か。あのころの自分に伝えておきたいことって何だろうとちょっと考えてみた。
「拝啓 ありがとう 十五のあなたに伝えたいことがあるのです。」
受験勉強の最中だろうか? そんなにハードに勉強した記憶はないけど、それでいいと思う。案外楽しい高校生活が過ごせるから。「ひとつ上」の高校に無理して頑張って入る必要はない。
ギターに関しては、来年エレクトリックギターを手に入れることができるので、それを目指して頑張るように。あ、その変なピックの持ち方は早めに直したほうがいい。
その、友だちからカセットでダビングされたビートルズ『オールディーズ』のテープが、人生をある方角に変えることになる。 これも来年のことだけど、高校に入って『ラバーソウル』のLPを買って、繰り返し繰り返し聴く。それまではシングルとテープで我慢して妄想をふくらませておくように。あ、心斎橋ヤマハで買った《Bad Boy》《Good Day Sunshine》が入った4曲入りコンパクト盤は宝物になるから大事に扱うこと。
でもビートルズとか、そんな古いのばかり聴かずに同時代のサザンオールスターズや山下達郎なんかも併せて聴いておいた方がいい。大学に入って、リアルタイムで聴いているはずのアルバムを後追いで研究するっていう、なんだか損したような気分になることをしなきゃならなくなるから。
あぁ、そうそう。大学にいくことは薄々分かってはいるだろうけれど、実はいろいろあって東京の大学に行くことになる。これから3年間のうちに、難波や天王寺だけでなく、梅田や京都、神戸にも自分の足で行っておいたほうがいいな。「関西を知らない関西人」になって強烈に後悔することになるから。
余談だけれど、14年後ぐらいに神戸でとても大きな地震が起きる。ガタガタになる前の神戸を見ておくべきだ。ちょうど「ポートピア」もやってるだろう?
あとは、野球か。いまの君は音楽ばかりで、野球なんてぜんぜん興味ないはずだけれど、会社にはいってから(サラリーマンになるのです!)真剣に野球に向き合うようになるから、そのつもりで少しでも観ておいた方がいい。いまのうちに行っておくべきだ。大阪球場、藤井寺球場、日生球場、西宮球場。
とにかく、来年。街中の府立高校に入学して、図書館からパクった、渋谷陽一『ロックミュージック進化論』をしのばせて、レコード屋や楽器屋、上本町や難波を我が物顔で歩けるようになる。そこから何かがググっと始まりだす。逆に言えば、いまはまだ何もはじまっていない。
だから焦ることはない。いい音楽、いい本、いい映画を、ひとつでも多く見ておけばいい。
東大阪の小さな街に住んでいる鈴木君。十五のあなたに伝えたいこと。敬具。
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■ 20081116/脳からひとつかみ。久々。
「MAZDA Zoom−Zoomスタジアム広島」。たぶん「クリネックススタジアム宮城」→「Kスタ宮城」のように「Mスタ広島」「Zスタ広島」と略されるだけだと思う。
日本シリーズ、優秀選手賞に片岡の名前がないのはおかしい。ミスター・ギャンブルスタート。なんど見ても惚れ惚れするこの走り。
上映像、長すぎるぞ、という方はこちら をどうぞ。いちばん大事なシーンから始まります。
本日終了のアジアシリーズ。実は統一ライオンズを応援しに、金曜はドームまで行きましたが。今日も石井義の脚が稼いだ勝利。びっくりの結末。
と言うわけで、毎年恒例のMFP(=Most Funky Player) 、パ・リーグは片岡でいいかな。セはまだ考え中。
昨日のNHK-BSの『お宝TV』。『岸辺のアルバム』の特集、感動。でもゲストが変で、わけのわからん経済評論家と、梨元勝の娘と山田邦子。山田邦子、うるさい。
『爆笑レッドカーペット』と『エンタの神様』、登場人物が相当似てきているのに、なぜ前者がOKで後者が最悪なのだろう。
ひとつの答え。『レッド…』で好きなのは、ネタ終了後に芸人が必死にアピールしながら消えていくところ。『エンタ…』で嫌いなのは芸人登場前(具体的には芸人の名前のコールとネタの間の数秒間)の恐ろしく安い映像編集。
ネタ後の必死のアピールには、なんとか売れたいという芸人の心の声がある。それを尊重する『レッド…』と、芸人を虫けらのように扱う『エンタ…』の差異。
そういえば『人生が変わる1分間の深イイ話』『誰も知らない泣ける歌』とおそろしく貧乏くさい番組ばかりの日本テレビはちょっとヤバいと思う。『誰も知らない…』で我がライフタイム・フェイバリット、ユーミンの《瞳をとじて》をめちゃくちゃ安っぽく取り上げたときは殺意を覚えました。マジで。
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■ 20081109/小室哲哉について考えたこと。
19991230/90年代の簡単な総括。
で、遅ればせで邦楽の「90年代」を総括すれば、これはどう考えても簡単で明快な話なんですが、作り手側としては小室哲哉、聞き手側としてはカラオケボックス。もうこの2つに象徴される10年間だったと思うのですよ。あんまり異論も無いと思うけど。
特に、94〜96年ごろの小室氏は凄かった。私の小室系ベスト3は《WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーブメント/H Jungle with T('95)》《survival dAnce/trf('94)》《I'm proud/華原朋美('96)》。どの曲をとっても、当時の自分と当時のボックスの中での盛り上がりが、ある種甘酸っぱく想起できる。
そもそも、小室氏をかなり優秀なポップスクリエーターと思ってて(80年代の《My Revolution/渡辺美里》と《Self Control/TM Network》の完成度!)、90年代中盤の頃の上に挙げた作品には「何が何でも売ってやる!」という、非常に好ましい(マジで)意気込みが充満していた。広告業界やラジオ業界では揶揄する声が当時から大きかったが、私は心の中で「そりゃ負け惜しみやろー」とつぶやいてた。
しかし。やっぱりGlobeという、彼が参画するグループを結成してから、おかしくなってきた。「売り」よりも「表現」が前に出てきた。具体的に言えば世の中をスウィングさせる「サビ」を排して、素人的/カラオケ的には、なんともつかみどころのない作品ばかりに。(そしてソレはひどく退屈な作品ばかり)
小林某や、伊秩某などは、いきなり「表現」しだしたから、小室氏ほど世の中をスウィングさせれなかったと思うが、ともかく90年代は「小室系をカラオケで歌う」時代で、特にそのヤマは94年から96年の3年間であった。ということ。
20000104/グッチ裕三で謹賀新年。
ども。あけまして。紅白は感慨深いものがありましたねぇ。安室バックの黒人軍団のトホホさ。生っぽい演奏でボロを出したglobe。音はずしまくりの鈴木あみ(そもそもリズムセクションのみのあのカラオケは歌いにくそう!)。皮肉ながら前項を証明するような、小室系が90年代とともに終わった感じがしました。
20000523/17歳の音楽。
転じて、今。犯罪を犯した17歳たちにとって、「欲求不満解消装置」としての音楽はあったのか? どうも最近の音楽シーンには、そういう聴き方に耐えられる痛快な音がないんじゃないか?
一時期、TRFとかをガンガンかけてるシャコタン車がよくいたけど、初期の小室系は、まだ「欲求不満解消装置」として機能していたと思う。でも最近の音は、妙にかしこまってて、いけない。
20001229/2000年の「レコード大賞」。
と書いたように、90年代が小室系の暴走の中、異常に複雑化した音楽傾向があって、今年やっと単純化への揺り戻しが来た。
20050411/ワタシたちにとってのダンスフロアはカラオケボックスだ。当たり前だ。
90年代初頭の小室ミュージックはそのことを重々知ってて、カラオケボックスにフィットするダンスビートを生み出してきた(最高傑作はTRF《サバイバルダンス》と思う)。適度にメロディアスで適度にダンサブルで、で、歌いやすい!
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ま、いろいろあったらしいが、彼の女性関係や金銭感覚についてはまったく興味がない。ただし80年代中盤から10年ぐらいの間に彼がもたらした音楽革命。「ダンスフロア」としてのカラオケボックスに響き渡った、16分音符を多用したリズムと、やたらに跳躍の多い幾何学的なメロディは、確かに日本の音楽シーンを面白くした。
<極私的小室系ベスト5>
5位:FACES PLACES (globe)
4位:EZ DO DANCE (TRF)
3位:SELF CONTROL (TM NETWORK)
2位:WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーブメント(H Jungle with T)
1位:MY REVOLUTION (渡辺美里)
高田馬場の大学の合格発表を見に夜行で東京へ。早朝、まだとても汚かった品川駅の地下通路で歌ったメロディ。「♪さよなら Sweet Pain 頬づえついていた夜は昨日で終わるよ」。ゆるやかな符点二分音符にはじまり、16分音符で転げ落ちていくような、とってもトリッキーで新鮮なメロディ。
22年前。ワタシの東京生活は「小室系」で始まった。
追伸:久保こーじは何してる? 西武片岡の激走、久々に楽しいシリーズでした。
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■ 20081102/比べなくっていいじゃない。
はい。地味なネタで。
通勤の電車の中、「トレインチャンネル」とやらで見せられる『ダーリンは外国人』(小栗左多里)のアニメがどうにもこうにも違和感がありまして、でも、なんで違和感が発生するのかが分からないまま、相当の時間が過ぎていきました。
この漫画、最低のラインは超えています。最低のラインより下にあるのは、露骨な白人・アメリカ・欧米礼賛の低IQ作品ということで、分かりやすく音楽でいえばサーカス『アメリカンフィーリング』や八神純子『パープルタウン』のようなものです。いや古いな。
wikipedia によれば、あの旦那、トニーはハンガリーとイタリアの血だそうで、いわゆるWASPではないことも最低のライン越えに貢献していそうです。
で、違和感の素を、探し当てて掘り出してみると、白人・アメリカ・欧米礼賛の一歩手前というか、そもそも「日本と外国を比較すること自体に関する違和感」であることが判明。
つまり、コトバ、食事の作法、ファッション、行動形態、ひいては生活全般……なぜ外国(といっても今回の場合も欧米)と比べて、さも日本人が特殊であるかのような「発見」をして、ちょっと勉強したような気にならなきゃいけないのか、ということです。
どうして「どうして日本人は…?」 というこの絶妙な一文にありますように、日本人の比較好き、ひいては欧米と比較してら自らの特殊性を恥じるというマゾヒスティックな感性。別にワタシ、右翼ではありませんが、心に浮かぶのはこの一言。
そんなに比べなくっていいじゃない。
いや、ウルグアイ、マダカスカル、ブルネイも含めて比べて、その上で「どうして日本人は…?」ならいいんだけど、一部の「先進国」と比べて、あーだこーだいうのは、20世紀に捨てていっていいと思う。
そもそも外国人の恋人、欲しくないし。全然。
一気に読了。凄絶な中学時代の中で、落語と出会う瞬間の感動。中学時代に東京の『ぎんざNOW!』にまで出ていたのにはびっくり。
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■ 20081026/爆笑問題太田とますだおかだ増田との間に。
太田光の共著、『禁煙バトルロワイヤル』を購入。可もなく不可もなく。
百二十歩譲って 、太田光が社会や政治について喋るのは認めても、喫煙擁護派として本を出すのはあまりにもかっこ悪いと思う。今後たばこ会社の安易なPRなどに使われないことをいのるばかりだ。
なまじ頭がいいから、いろいろ論評できるのである。そんな太田のインテリジェンスにつけこんで商売しようという連中によって、太田が陳腐化していかないことを祈るのみである。
ワタシは勝手に「東の爆笑問題、西のますだおかだ」という図式をもっていて、知る人ぞ知る自作の漫才小説 でも二組を対決させたりしている。でも大きく違うのは、アカデミズムやエスタブリッシュ(意味知らん)な方角から要請される爆笑問題(太田)と、そうではなく健全な位置を守りとおしているますだおかだ(増田)という差異。
最近のますだおかだの安定感は目をみはるものかある。ポッドキャスト も抜群に面白いし、岡田がピンでも笑わされる(岡田は、実は漫才がとてもうまい)。
太田光にこんなことを言ったら殺されそうだが、やはりお笑いに対する愛の差なんじゃないか。
太田はビートたけしチルドレンで、増田は島田紳助チルドレン。太田は映画や社会派の面まで含めて未だにビートたけしを追っているが、増田はいまの(お笑い界というより芸能界の中心を目指している)島田紳助を見放している気がする。紳助を見放して、漫才/お笑いそのものの追求に入った段階で、太田を超えたと見る。憶測だけれど。
政治や社会について語ることなんて、お笑いに比べたらちっともカッコよくない。M-1の王者となり、中堅の雄となりながらも『爆笑!レッドカーペット』に出て漫才をするほうが全然カッコいい。
ましてやタバコを吸うことなんて、ちっともカッコよくない。
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■ 20081018/白夜書房の本を3冊も買っていた。
余談(1)クライマックス・シリーズ(コトバとして長い。「エクスタシー・シリーズ」 のほうがいい=笑)はダルビッシュと川上憲伸の神がかった投球を堪能。たとえばパ・リーグの2000年、オリックスの戎(懐かしい)、2001年千葉ロッテ、ミンチーと、3点台で最優秀防御率投手が出ていたころと比べると、野球が筋肉質というか、締まったものになっていると思う。長生きはしてみるものだ。
余談(2)個人のブログとかでどうしたわけか「金で有名選手をかき集める某球団」的なフレーズで、実際の球団名(巨人)を隠すという感覚はなんなんだろう? 別に大して影響力はないんだし、「巨人」とアケスケに書いたところでナベツネから抗議のメールが来るわけでもないんだから、もってまわった言い回しで「某球団」「某氏」……「某」というコトバを使わない方がいい。
さて本論。ネットなどで情報を仕入れてアマゾンで本を買う。当然出版社などはチェックせずに。今回気づいたら白夜書房の本を偶然に3冊も買っていた。びっくり。
ナイアガラ関連、Jポップ史関連の本で、たまに見かけてきた名前、朝妻一郎。その氏の過去の原稿や書き下ろしなどを総合して彼の半生を示す新刊。
「音楽出版社」「著作権」「原盤」など、未だに分かったようで分からないコトバが、とてもよく分かる。日本の音楽ビジネスの最前線で生きてきた人。載っている対談が大滝詠一と秋元康とのものということが彼の活動の幅広さを端的に示している。タイトル、装丁、デザイン、最高。良くできている。
これは「野球小僧」の連載を本にしたもの。一時期仲良くさせていただいた高橋氏の「インタビュー・ドキュンタリー」とでもいうべき文体が生きている。スージー鈴木が「野球小僧」創刊のあの熱気の中に少し足を突っ込んでいたあの頃(創刊号で確か8ページの原稿書いています)、あれから10年かぁ。ここでも巻末の対談はなぜか大滝氏。
テレビ番組における、芸人のちょっとした笑えるトークをご丁寧に完全に記録した本(うーむ。伝えにくいぞ)。気の遠くなるような作業の集大成。この本を読んでいえることは、ワタシが知らない間に、本気で面白いトークがテレビで流されているということ。「最近のテレビはつまらない」と安易に言わない方がいい。
音楽、野球、お笑い。男の三大欲求を受け止めてくれる出版社、白夜書房。元気だ。
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■ 20081012/期首特番を一気に愉しんだ。
いい期首特番がヤマほどありました。
懐かしの『夜もヒッパレ!』の流れを汲む『TOKIOロック祭ザッツ宴会テイメント』。この番組でいつも思うのは、とても分厚い台本と楽譜があるんだろうなということ。
『エンタの神様』では放送作家が芸人のネタに手を入れるらしく、その理由として「アメリカの『サタデーナイト・ライブ』を目指しているから」 という言いぐさがあるらしいけど、ワタシはこの話が嘔吐するぐらい嫌いです。だって話のスケールが違いすぎるから。
『サタデーナイト・ライブ』が本当に面白いかは別として、もし時間と金をかけた完全なる構成の代表を『サタデーナイト・ライブ』とするのなら、その番組にいちばん近いのは『エンタの神様』ではなく『ザッツ宴会テイメント』です。堺正章と井上順のやりとりにTOKIOのメンバーが「勉強になるなぁ」と言ってたのはよかった。
『キングオブコント』 は賛否両論、いや否ばかりの論調ですが、バナナマンとロバートはとても光っていました。とくにロバートのネタは『はねるのトびら』全盛期のロバート秋山の奇才ぶりが光っていました(「I don't like Honolulu Marathon」がツボ)。バナナマンとロバートの決勝戦が観たかった。
『爆笑!レッドカーペット』スペシャルのハイクオリティぶりは相変わらず。期待通り。また特番ではないけれど昨日やってた『日めくりタイムトラベル』も確実にハイレベル。なんだテレビ界もやればできるじゃん!
オリックス対北海道日本ハムのパ・リーグCS第1ステージ。大人と子供の野球。それ以前に、まずもってあの殺風景な京セラドーム大阪に寂しい客席。会場の風情がポストシーズンになっていない。あまりこういうことをいうのは趣味ではないけど、メジャーのポストシーズンの風景が羨ましく思った。
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■ 20081004/マリーンズ、今季の戦犯はこいつだ。
73勝70敗1分。3位日ハムには0.5差。首位西武には5差と、一時期の激敗ぶりから考えればよくここまで持ち直したと思う。
正直言えば、西武、オリックス、日ハムとは地力が違う(当然こちらのほうが弱い)感じがするし、もし3位にすべりこんでこのままCSに行ったとしても、オリックスの小松と金子に簡単にしとめられていたと思う。だから、今年はまぁこんなもんでしょう。あきらめました。
ワタシが選ぶマリーンズMVPは大松。イ・スンヨプ以来の大砲の快感を幕張に持ち込んでくれました。あまりに美しい弾道。新人王は唐川、ベストナインは清水→橋本→ズレータ(しょうがない)→オーティズ→今江→西岡→大松→早川→サブロー。DHに里崎か。
で、戦犯探し。ま、前半戦の壊滅的な投手陣、小林宏、成瀬、久保の先発と中継ぎ陣全員が戦犯になるでしょうが、あえて言わせてもらいますと、戦犯はこれ。
なんか、みんな変な気を遣ってあえて言わなかった感じもするのですが、ユニフォーム、ダサ過ぎました。とくにビジター。漂白失敗。こんなユニフォーム、あっちゃいけないでしょう!!?
さらにいえば、このビジター用と、新しいほうのホーム用、背番号の書体がめちゃくちゃイモくさい。これも嫌な理由の一つ。
ユニフォームのせいで今季CS出場できなかった、なんて暴論はいいませんが、かっこ悪いユニフォームを着ていることの「気後れ感」が全選手分積もり積もって、なにか悪影響があったかも知れません。デサント、しっかりせえよ。
ビジターについては、ほんとうは90年代後半のグレー地に「Marines」胸表記がベストなのですが、黒が定着したんで、07年までのに戻すのがベターかな。
ま、それ以前に、ビジターのときの外野席見ても漂白失敗ユニフォームの着用率、めっちゃ低いもんね。あれは無言の抵抗と見るべきではないかなぁ? デサントさんよ。
というわけで、スージー鈴木、ストーブリーグに突入。あ、WBC監督問題、未だ結論見えず。もし仰木彬が生きていれば 、何の問題もなかった。「仰木ジャパン」、これ最強だったろうなぁ。
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