
モンテヴェルディ室内合唱団
第10回演奏会

2001年1月20日(土)
18:30
大阪市立婦人会館
ホームページ http://monteverdi.homepage.com

§プログラム§
☆ ミサ「戦い」 --- Messe "La Bataille"
クレマン・ジャヌカン (Clement Janequin)
キリエ Kyrie
グローリア Gloria
(挿入曲)パヴァーヌ「戦い」 Pavan "La Bataille"
(ティールマン・スザート) (Tielman Susato)
クレド Credo
(挿入曲)シャンソン"私をおこして"Chanson "Reveillez moy"
(ガルニエ) (Garnier)
サンクトゥス〜ベネディクトゥス Sanctus - Benedictus
アニュス・デイ Agnus Dei
〜 休憩 〜
☆「愛する女の墓に流す恋人の涙」 〜 マドリガーレ集第6巻より
--- Lagrime d'Amante al Sepolcro dell'Amata
クラウディオ・モンテヴェルディ (Claudio Monteverdi)
灰となった亡骸よ Incenerite spoglie
おまえたちよ 語ってくれ Ditelo voi
夜には太陽が Dara la notte il sol
だが おまえを抱き上げる Ma te raccoglie
おお 金の髪 O chiome d'or
さて 愛する亡骸よ Dunque amate reliquie
☆ミサ「西風」 より --- From The Western Wind Mass
ジョン・タヴァナー (John Taverner)
キリエ(グレゴリオ聖歌) Kyrie (Gregorian Chant)
グローリア Gloria
(挿入曲)三声の変奏曲「西風」 Three part variation 'Westron wynde'
クレド Credo

ポリフォニーからにじみ出る「いろ」
ものの本によれば、いわゆるルネサンス時代においてもその音樂は中世以来の伝統により、少なくとも表向きには三度の響きを避けることになっていたそうですが、そうはいってもそこはそれ、「子供二人いれば同じ旋律をうたわない」ケルトの血を受け継ぐ彼等のこと、愛の歌をうたうにナカ抜け五度じゃ興ざめだ、勝てる戰も腰くだけ、というわけで、今回は西欧でも「先進」とされた地域から曲を集めてそのにじみ出る「いろ」を楽しもうという次第。
まず1番手。フランドルのお膝もとフランス。クレマン=ジャヌカンは、ボルドーの田舎司祭であった頃、アテニャンの出版事業の第二弾として彼単独のシャンソン作品集を出版させてもらえる(1528)栄誉に浴したほどの才能を示しており、その中にはあまりにも有名な「鳥の歌」が挿入されているほか、1515年、フランス王フランソワ一世のミラノ奪回戦争(マリニャーノの戦い)での大勝をあらわしたシャンソン「戦争」(La Guerre)が載せられています。これらは、ジャヌカンより歳の若い先駆者セルミジの始めた標題シャンソンの流れを組むもので、ことに「鳥の歌」では依然としてフランドル由来の伝統的なポリフォニー技法が目立つその一方で、その後1532年に出版された、「戦争」の、自身によるパロディミサ=Missa La Bataille=においては、導入とカデンツこそ、完全五度の二音のみという伝統を踏襲しているものの、その中味は旋律展開といえるものが殆どない、同音進行主体のものであります。これは、必然的に(長)和音の継続を招来し、その結果として調性的に安定なものにきかせることになります。この安定な「大気」のなかで「ことば」が明瞭にきこえる、つまり言葉が音楽の進行を支配するかのようにみえる傾向は、テクストとシラブルの結びつきに対する自覚が早くから見られ、やがてル=ジューヌらのアカデミー運動に結び付くフランスならではと理解することができます。
さて、次にイタリアですが、いわゆるルネサンス時代においてイタリア人がイタリアの音楽の担い手として自立したといえるのは概して遅く、16世紀後半、マドリガーレ様式の確立に至ってといえるかと思いますが、それはまたイタリア固有の「うた」が"芸術"の先端に至ったときでもあります。彼等も同音進行を用い、言葉を際だせた表現を用いましたが、それを殊に多用したひとりがモンテヴェルディです。その傾向はマドリガーレ集第4巻、5巻に顕著なのですが、Sestinaが収録されている第6巻になると、単純な模倣による部分、と組み合わされ、ことにSestinaでは模倣部分にも旋律的短音階を積極的に用いることで、より調性的に安定感を増した、滑らかなものとなっているようです。後世このイタリアマドリガーレが輸入され大流行したイギリスは、三和音に限って言えば他のどこよりもはやくその効果を嗜む趣味を身につけており、それをフランドルに伝えた西洋音楽の大先輩といってもよいところです。中世に書かれたキャロルはいまでも歌われますし、オブレヒトやジョスカンがややスかした響きの曲を書いていたころ、無名の作者たちが後期ロマン派の作品といっても通用しそうなモダンな響きの作品をたくさん遺しております。
彼等の後継者にあたるタヴァーナーもまた、直接四度跳躍せず、必ず三度を経由しつつ、六の和音を辿るディスカントの響きを随所にならしている一方、伝統に反して定旋律パートを固定せず、フランドル由来の縮小三拍子系の節をコーダにおくなど、イロモノベッタリ演歌調になっても不思議では無いWestron Wyndeの大変奏曲にドライな風を吹き込むことに成功しています。ドライといえばこの人の人生もまたドライそのもので、タイやシェッパードが追随した西風のほか、皆がアレンジしたin nomineを含むGloria tibi trinitasのような大作を残しながらあっさり作曲稼業を廃業し後半生をスリリングな政治ゲームに費やしたのでした。イギリス自身もまた、自らの宗教とともにその偉大なる音楽的遺産をあっさり忘れ、その後はひたすら音楽消費国に徹した、まことに不可思議成る所であります。(石堂能成)
§メンバー§
ソプラノ 富山直美 宮西美智子 .
アルト 久保佐知恵 首藤玲子 .
テノール 岩井俊幸 森 克之 .
バス 石堂能成 今西良之(休団中) 川人伸二 鈴木信司.
リコーダー 鈴木伸子(賛助出演) .
§団員募集のおしらせ§
各パート団員を募集しています。興味がおありの方は是非ご連絡下さい。
練習日:原則として毎週土曜日 18:30 - 21:00、日曜日に練習することもあります。
場所 :難波市民学習センター(JR難波下車、OCAT内)他
大阪市立婦人会館、クレオ西、クレオ東等
お問い合わせ:鈴木 信司shinji.suzuki@nifty.ne.jp
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