一級建築士事務所 匠拓
建築豆知識

外断熱、内断熱
断熱材性能比較
在来工法について

個人的に集められる資料を基に、断熱材についてまとめてみました。
一口に断熱材といっても様々な種類があり、断熱材に何を選ぶかは、断熱性能だけでなくそれぞれの特徴を踏まえた上で比較検討する必要があります。

1.鉱物繊維系断熱材

グラスウール・ロックウール
断熱性能(熱伝導係数:数値が小さいものほど性能が良い) 0.035〜0.04W/mK
建築材料としては一番流通し使用されている断熱材。建築現場で使用されるのは比較的安価に流通しているものが多い。ガラス繊維・鉱物繊維が綿状・ボード状に加工されているため断熱材自体が軽く施工性が良い。低価格の製品は非常に安い(m2単価で500円程度)ガラス繊維・鉱物繊維が細かく空気中に飛散し、それを吸う事で発ガン性の懸念がある。放湿性がなく湿気を含むと急激に断熱性能が落ちるため、断熱材を湿気から守る防湿工事は必須。防湿層が不完全だとカタログ上の断熱性能は発揮できない(製品の製造方法によるが3割から5割程落ちる)。綿状・ボード状に加工する際ホルムアルデヒドを含む接着剤を使っているものがある(建築基準法の規定で表示あり)。グラスウールの主原料は建築解体現場から出た廃ガラス、ロックウールは製鉄時に出る鉄鋼スラグを主原料としている。建物解体時には産業廃棄物として処理する必要がある。

2.発砲樹脂系断熱材

押し出しポリスチレン系
断熱性能(熱伝導係数:数値が小さいものほど性能が良い) 0.028〜0.046W/mK
ポリスチレン樹脂(液体)と発泡剤を製造機に入れ加圧し型の中を押し出しながら発泡させて製品を作る。防水性能がある。ボード状に加工されており、軽量で運びやすい。水蒸気吸わないので断熱性能は落ちにくい。木造軸組工法の場合施工個所に合わせて細かい加工が必要となり、施工性を考えると外断熱工法や2X4工法向きの断熱材料。断熱材に透湿放湿性能はない。ポリスチレン樹脂・発泡材・難燃材などが空気中へ拡散する懸念がある。火災時に燃焼するとスチロールガスが放出される。建物解体時には産業廃棄物として処理する必要がある。

ビーズ法フォームポリスチレン
断熱性能(熱伝導係数:数値が小さいものほど性能が良い) 0.034〜0.043W/mK
ポリスチレン樹脂(液体)に発泡剤・難燃剤を加えてビーズ状にしたポリスチレン樹脂を蒸気過熱し発泡成型加工したもの。発泡時にフロンを使っているものや、防蟻材としてホウ酸を混入してるものがある。防水性能がある。ボード状に加工されており、軽量で運びやすい。水蒸気吸わないので断熱性能が落ちにくい。廃材などは蒸気加熱することでリサイクルできる。木造軸組工法の場合施工個所に合わせて細かい加工が必要となり、施工性を考えると外断熱工法や2X4工法向きの断熱材料。断熱材に透湿放湿性能はない。ポリスチレン樹脂・発泡材・難燃材などが空気中へ拡散する懸念がある。火災時に燃焼するとスチロールガスが放出される。建物解体時には産業廃棄物として処理する必要がある。

高発泡ポリエチレン
断熱性能(熱伝導係数:数値が小さいものほど性能が良い) 0.038〜0.042W/mK
エチレン樹脂に発泡材・難燃剤を加えて発泡成型し板状に加工した物。防水性能がある。ボード状に加工されており、軽量で運びやすい。柔軟性があり施工しやすい。水蒸気吸わないので断熱性能が落ちにくい。断熱材に透湿放湿性能はない。エチレン樹脂自体に発ガン性物質の疑いはあるが成型した製品から拡散される量は比較的少ない。燃焼時はCOが発生する危険がある。建物解体時には産業廃棄物として処理する必要がある。

硬質ウレタンフォーム
断熱性能(熱伝導係数:数値が小さいものほど性能が良い) 0.023〜0.026W/mK
ポリイソシアネート・ポリオールに発泡材・難燃剤を加え板状に加工成型したもの。もしくは建築現場にて建物に直接断熱材を吹き付け作業する。防水性能がある。ボード状に加工されており、軽量で運びやすい。水蒸気吸わないので断熱性能が落ちにくい。吹き付け作業で施工すると均一な断熱層が得られる(施工不良がおきにくい)。断熱材に透湿放湿性能はない。合成樹脂・発泡材・難燃材などが空気中へ拡散する懸念がある。燃焼時に青酸ガスを発生する危険がある(青酸ガスが出ないように対策した製品もある)。建物解体時には産業廃棄物として処理する必要がある。

 NEXT
仕事の考え方