讃岐うどんツアー2005
2005.7.2〜2005.7.4
近頃、少しは落ち着きつつあるが、世は讃岐うどんブームである。
私はラーメン好きではあるが、大きく見れば麺好きともいえる。
麺の中で最も好きなのがラーメンだとすれば、次に好きなのがうどんの麺。
要するに、ラーメン好きが極端なだけで、実は私はうどんにも興味があるのだ。
そしてそのうどんの中でも「讃岐」の地は私の中ではある意味で「聖地」的な存在である。
今回、たまたまなのだが妻の手元に松山までの航空チケットの余りが1枚あったので、
そのチケットをどうしようか、というところから話がはじまって、
結論としてうどんの聖地「讃岐うどんツアー」に行くことが急遽決まったのである。
ちなみに讃岐だったら高松空港がいいのだが、
事情により松山空港までのチケットはチケットとして到着地の変更はできないのだ。
まあ、不便ではあるが仕方ない。
松山行きのANA583便は7:25に羽田空港を出発することになっている。
そんなわけで自宅を5:30頃に出発し、羽田空港へと向かい、6:30頃に空港着。
そしてほぼ定刻に羽田を発った飛行機は8:45頃に松山空港に到着した。
空港に降り立ち、まず向かったのはレンタカーのカウンターである。
やっぱり交通の便の悪い場所が多いのだから、移動手段としては車が適切。
そしてまるっきり土地勘がわからないのだから、カーナビは必須。
ということで私は数週間前にカーナビつきのレンタカーを手配していたのだ。
そしてレンタカーを借りる手続きを済ませ、
カーナビで設定した目的地@香川に向けていざ出発。
讃岐うどんツアー1軒目は「釜玉うどん」発祥の店といわれる「山越うどん」。
実は釜玉うどん、我が家ではマイブームなのである。
さすがに人気店だけあって行列必至の店なのだが、思ったほどではなく20人ほどの行列。
入口付近にはお品書きがあるのがありがたい。

入口を入ると目の前にカウンターがあって、そこでどのうどんにするかを注文。
うどんを受け取ったらその先の天ぷらなどをセルフで乗せて会計を済ませ、
次にだしを自分でかけて、その先の長いすでいただくという仕組みである。
こうしていただいた元祖釜玉うどん、いりこだしと玉子の掛け合いが絶妙で、
またかき混ぜた玉子のふわっとした食感がなかなか美味しかった。
なお、麺のコシは思ったほど強くはなく、こちらもふわっとした感じだったが、
これはこれで釜玉向きなのかもしれない。

山越うどん 香川県綾上町羽床上602−2 |
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次に向かったのが「たむらうどん」。
特に大きな看板があるわけじゃなし、うっかりすると見落としそうになってしまう店構えである。
道をはさんで向かいにある駐車場に車を停めていざ店内へ。

手前にある食事スペースの奥で麺を打っているのが見えるが、
他の客の動きを見てみると、どうやら注文はその中でするらしい。
ここは完全セルフなのだ。山越もセルフに近かったが、
それでも流れができているから比較的注文しやすかった。
けれどもここは完全セルフ、いまひとつわからない。
仕方なく恥を承知でいろいろと聞きながら、まず「小か大」かをおじさんに言って、
おじさんが容器に入れてくれたものにだしをかけて、
そこに薬味とか天ぷらを乗せるという工程を経てようやくありつくことができた。
そうしていただいたうどんの小、ちくわ天乗せ。
麺のコシはしっかりしているし、おだしは美味しいし、天ぷらもいける。
シンプルだけどさすが名店!
イメージ通りの讃岐うどんをいただけて大満足であった。
これが一玉100円だもんなぁ。

たむらうどん 香川県綾歌郡綾南町陶1090−3 |
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さてこの段階でうどんを2杯。
私はまだまだいけるのだが妻がちょっと満腹のようなので、
ここでラーメンをはさむことにする。
讃岐のラーメンといったら「はまんど」である。
たむらうどんからはけっこう離れてはいるが、
やっぱり讃岐まで来たからには行かないわけにはいかない。
実ははまんど、ずいぶん前から個人的に「日本国内の行ってみたい
店ベスト10(?)」に入っているわけで、いくらうどんツアーとはいえ、
自分の中ではどうしても外せないのである。
以前、武蔵浦和のラーメンアカデミーに出店するということを知った時には
そりゃ喜んでいただきに行ったものである。残念ながらすでに退店してしまっているが、
アカデミー店のはまんどもかなり好きな味だっただけに、
本店に行くとなったら期待はどんどん膨らむのは当然である。
わかりにくい場所にあるらしいが、ナビつきのレンタカーがあればまったく問題なし。
ということでナビに案内してもらって店に到着したのが昼過ぎ、外に行列はなし。
テレビなどの映像で見たとおりの店構えを見るとちょっとだけ感動してしまう。

いただいたのは基本と思われるはまんどラーメン+地鶏の産み落とし玉子。
スープはほぼ透明で表面には適度な背脂が浮いている。麺は中太の平ストレート、
具はロースのチャーシュー数枚にメンマに刻みネギ、そして味玉。
さっそくスープをいただく、讃岐うどんのいりこだしを思わせるような魚系に
動物系を合わせたスープは見た目とは違ってすっきりしており、なかなか味わい深い。
ただし若干動物系が強めに感じられ、魚系とのバランスがいまひとつ。
次に麺、これまた讃岐うどんを彷彿とさせるような滑らかな舌触りと強いコシで、これはかなりうまい。
丁寧に作られたチャーシューは、肉感が残っていてジューシーでうまい。
そしてさすがに地鶏ならではの玉子、黄身の味がとっても濃くてこれもかなりうまい。
ということでスープのバランスにいまひとつ不満は残ったものの、
全体としてはかなり好みの一杯であった。うどんの聖地、讃岐ならではラーメン。
もしもまたこちらに来るようなことがあれば、その時はきっとまた足が向くことだろう。

はまんど 香川県三豊郡三野町大見竹田3873-1 |
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次に再びうどん、向かったのは讃岐うどんの名店「宮武」。
ちょっと離れたところにある駐車場に車を停めて歩いてゆくと、
表通りからはちょっと奥まったところに「うどん」の暖簾が下がっているのが見えてくる。

行列こそないものの、時間が3時頃とはいえ広い店内はほぼ満席。
こちらではまず厨房のところで注文をすることになっており、
私は「ひやひやの小」を注文することにした。
つまり冷たい麺に冷たいだし、麺は小で、ということである。
そして出てきたうどん、麺は手打ち感たっぷりに太さがまちまちで、
手もみしているのか、ねじれた麺が多い。
だしをいただいてみると、いりこのうまみが口に広がる。
麺はコシがやたらと強く、たまにアルデンテのものも含まれているが、
歯ごたえ・のど越しとも抜群。さすがに名店といわれるだけある。

宮武 香川県仲多度郡琴平町上櫛梨1050-3 |
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胃袋に余裕はあったが、このあとホテルに行かなきゃいけないし、
温泉にも入りたいし、またホテルの夕食もおそらくたくさん出るだろうということで
うどんツアー1日目のうどん食べ歩きは以上で終了。
今日の宿泊先は香川県内ではない。
妻のリクエストもあって、お隣の徳島県に宿をとっている。
宿泊先のホテルは「新祖谷温泉ホテルかずら橋」、
「大歩危小歩危」とか「かずら橋」とかの名所に近いことと、
ケーブルカーでのぼったところにある天空露天風呂が売りのホテルである。
香川県内を縦断して吉野川方面へと向かう。
しだいに「大歩危小歩危」「かずら橋」の表示が頻繁に見られるようになってくると、
目的地はもうすぐである。
ちなみに「大歩危」「小歩危」とは風光明媚な峡谷で、
激流の中のボート下りなどが名物である。
ちょっとだけ「大歩危小歩危」に立ち寄っていよいよホテルへ。
「大歩危小歩危」からはだいたい20分くらいである。
ホテルに到着したあと、まずは名物の天空露天風呂にはいることにした。

ちょっとした小屋のようなケーブルカーでのぼると、
そこには眺望のよい露天風呂がある。
想像していたよりも小さめだったし、また天候もよくなかったので
期待していたほどの絶景でもなかったが、なかなかいい温泉だった。
その後しばらくして夕食。
囲炉裏端での山菜類を中心とした地のものがたくさん出てくる。
これもあまり期待してなかったこともあるが、なかなかのものだった。
特に鮎の塩焼き、これがうまかった。


ちなみにこの辺での名物はうどんではなく「祖谷(いや)そば」だという。
夕食でたらふく食べたあとに出てきた名物の「祖谷そば」、
麺は幅広であまり歯ごたえはなかったが、甘めのやさしい出汁が
癒し系のそばに仕上げてくれている。これもうまかった。

翌朝、早起きして雨の降る中を名所のかずら橋へと向かう。
これが思ったよりも長く、またかずらで編んだ橋の足下の木と木の間隔が広く、
また雨でつるつるすべることもあってなかなかスリリングだった。
かずら橋から戻って最後の温泉を楽しんだあとチェックアウト。
そして今日もまたうどんを食べるために香川県内を走り回る。
まず向かったのは高松市内にある「池上」。
ちょうど1週間ほど前に日テレのズームインスーパーで取材があったので、
混んでいるかと思いきや、びっくりするほどの行列ではなかった。

こちらの名物はもちろんうどんだが、いちばんの名物は「ルミばあさん」である。
先日の特集では彼女の波瀾万丈に満ちた人生とうどん作りに対する情熱が
ひしひしと伝わって来るような場面がたくさん映し出されていたわけで、
混んでいようが、とにかくルミばあさんのうどんが食べたいと
妻と私の意見が一致したからこその訪問である。
店にはいるとズームインスーパーのマスコット「ズーミン」が置いてあった。
そしてその右側には特集でも登場したお弟子さん2人が麺を打ち、
その先にはルミばあさんが麺を茹でている。
そのうどんは器に盛られたものに出汁醤油をかけ、
ねぎや天ぷらを乗せていただくというものであるが、
その麺たるや、ふわっとした食感がとても印象に残る逸品であった。
決してコシが失われているわけではない、滑らかで歯ごたえがあるのに
ふわっとしていて、とにかくうまいのだ。もちろん天ぷらだってうまい。
これで一玉わずか70円、驚くしかない。

池上 香川県高松市鶴市町1009 |
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ルミばあさんのうどんをいただいたあと向かったのは、やはり人気店の「おか泉」。
素朴な池上のあとに訪問すると、その店舗の造りはいかにも近代的で、
ちょっとしたうどんレストランという感じで、セルフ色は一切ない。
入って右側には大きな土産物コーナーもある。
私がいただいたのは「冷天おろし」、妻は「肉うどん」。
店舗が店舗だけに、これまで訪問した店に比べると手打ち感は薄れているが、
もちろんこちらも手打ちうどん、さすがに人気店だけのことはある、
滑らかでコシの強い麺はかなりうまい。
ちなみに肉うどんとは甘辛く煮込まれた牛肉が乗っているもので、
だし汁と肉の甘さが意外なうまさを堪能させてくれる。

そして「冷天おろし」、上に乗っている天ぷらはどれも美味しく、
なかでも海老の大きさには驚かされる。
ただ、これまでの店のように「小」というわけにも行かないようで、量は多い。
また大きな海老がボリューム満点で、食べ歩きには適さない。
実はそのおかげで2軒目にしてかなり腹がふくれてしまった。
うまかったけどその意味でのダメージは大きい。あと850円はちょっと高いかなぁ。
おか泉 香川県綾歌郡宇多津町浜八番町129−10 |
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うどんにはいろいろな食べ方がある。
だしをかけていただくもの、だし醤油をかけるもの、生醤油をかけるもの、
そしてもうひとつ代表的なのが釜揚げうどんであろう。
次はその釜揚げの名店「長田」から出た「長田in香の香」へ向かう。

こちらもまたうどんレストラン的なきれいで広い店であるが、
造りは素朴で、ちょっとした食堂という感じがする。
いただいたのはもちろん「釜揚げうどん」の小。
注文したあとで席に座って待っていると運ばれてくるシステムだが、
つけだれは至るところにおいてある茶色いとっくりから自分で注ぎ、
そこに薬味を入れるということで、セルフ的な要素もある。
そして運ばれてきたうどんをたれにつけていただく。
さすがに釜揚げならではの熱々の麺はもちっとしていてなかなかいける。
つけだれは醤油が強めだが、相手が釜揚げなので味のバランスとしては
ちょうどいい感じで、決してしょっぱくはない。
ちなみに「大」となると、麺がたらいみたいなのに入れられてくる。

長田in香の香 香川県善通寺市金蔵寺町1290−1 |
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次は生醤油うどんの名店「小縣家」、近くには先ほどの「長田in香の香」の
本家ともいえる「長田うどん」があり、けっこうな激戦区となっている。
小縣家の店舗はかなり大きめで、表通りにどーんと立つ別館と
その裏手にある本館とが敷地内に並んで建っている。
私が入ったのは本館の方で、一瞬入口がどこか悩んでしまいそうになる。

さて、入店後にしょうゆうどんを注文するとまず運ばれてくるのは大きな大根とおろし金。
つまり、自分で大根をおろしながら待つというシステムなのである。
そして出てきたうどんに自分でおろした大根を乗せて、ねぎと白胡麻をふりかけ、
その上からスダチを搾りかけるというもの。
一見すると何の変哲もない感じだが、シンプルに麺のうまさと食感が味わえるのがいい。
季節によって大根が辛くなるというが、今日はちょうどいい感じだった。
小縣家 香川県仲多度郡満濃町吉野1298−2 |
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ということで今日4杯目が終了。
本当はもう一軒行きたいところだったが、2軒目の海老が
腹でふくれてしまったようでかなり満腹にちかい状態。
今日はこのあと帰ることだし、うどんはこれで打ち止めにすることにした。
高松空港近くでレンタカーを返し、空港へと向かう。
時間的にはかなり余裕があったので土産物などを物色しながら
帰りの飛行機の時間を待つ。
19:15発羽田空港行きANA640便、これが帰りの飛行機のはずだった。
「はずだった」という表現を使ったのは、実はこの飛行機が飛ばなかったのである。
搭乗時間になり、機内へ乗り込む。ここまではいい。
いよいよ飛行機が動き出す、ここまでもいい。
問題はそのあと、突然飛行機はバックするのをやめて止まってしまったのだ。
そしてそのあとのアナウンスは「左側のエンジンがかからない」、
つまりエンジントラブルで、乗客を座席につかせたままで点検するという。
かなり時間がかかった、そして点検終了のアナウンスが入るが、
すぐに飛ぶことはできないという。
なぜならこの間に空港周辺には濃霧が立ちこめてきたのである。
エンジンはかかるが視界不良で飛べない、
だからいったん飛行機を降りてロビーで待ってくれという機内放送が入った。

結局ANA640便はフライトができる最終の22時を過ぎても
濃霧が晴れないことから、この日に飛ぶことはできなかった。
私たちはその時を待つことなく、早めに翌日の便を手配するためにカウンターに並ぶ。
このような事態であるにもかかわらず、対応する職員の姿はまばらで、
しかも対応しているのは研修生の名札つき。
時間がかかったのはいうまでもないが、まだ私たちは列の最初の方だったから
ましな方だったのかもしれない。後ろの人はどれくらい待ったことやら…。
ということで空港近くのグランドホテルに宿泊、もちろんANAが手配したので無料。
時間が遅かったから売店も何もなく、近くにも店がなかったので
夕食は加ト吉の冷凍食品の自動調理販売機で済ませた。
翌朝、目覚めると霧は晴れていた。
1階のレストランで朝食を取ろうと降りてみると、開店時間なのにすでに満席。
こんなに客が入ることは滅多にないのか、フロアのおねーちゃんはてんてこ舞い。
結局そこにも列ができてしまったほどである。
朝食後、空港へと向かう。
昨日も見た土産物屋をめぐったあと、せっかくの「讃岐うどんツアー」なので、
最後に空港でもう一杯いただくことにした。
さすがにうどんの地だけに「かな泉」「さぬき麺業」など
いくつもの店舗が空港内に入っている。
入店したのは「さぬき麺業」、私はぶっかけうどん+いなり寿司、妻は生醤油うどん。
ちなみに妻が生醤油うどんにしたのは、昨日私が一人で小縣家に行ったあと、
戻ってきたときのうどん・大根おろし・すだちの香りが
何ともそそられるものだったからだという。
さてぶっかけうどん、水で絞めたうどんの上からだし醤油をかけたもので、
今回のツアーの中で何杯かいただいたものだが、
こちらのはだし醤油がちょっと上品な感じである。
ただしやはりうどんの聖地讃岐の空港だけのことはある、
麺のツヤもコシものど越しも最高であった。
さぬき麺業 高松空港店 香川県香川郡香南町 |
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ということで、最後にトラブルに見舞われた「讃岐うどんツアー」が終了。
期待していた以上にうどんが美味しく、決して食べ飽きることもなかった。
またホテルも温泉もよかったので、いずれまた来たいと思う。
ただし今度は、エンジントラブルに見舞われようが、
濃霧で視界不良のために飛行機が飛ばなかろうが、
まったく問題のないような余裕のある日程で計画したい。
なぜならば、羽田空港に帰った私を待っていたのは、
うどんツアーの疲れを癒す休息のひとときではなく、
遅れてでも出勤しなければならないという現実だったのだ…。