「猟奇的な彼女」 ★★★★★
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★祝辞
いよいよ「猟奇的な彼女」25日公開です。楽しみ楽しみ。
この映画、昨年の「コリアシネマウィーク」で見てすっかり気に入りました。
日本で公開されるのは慶祝です。ぜひヒットしてほしいものです。
★タイトルについて
この「猟奇的」という言葉は「猟奇趣味」とか「猟奇事件」とか、日本語ではちょっとおどろおどろしい感じがしますね。広辞苑を引いてみると、「怪奇・異常なものに興味をそそられてあさり求めること」とあります。このままだと、オカルトかホラー映画になってしまいそう。
しかし、この映画の"Yeop-ki-jeog-in Keu-nyeo"では、「外見とミスマッチな」というくらいの意味で使われているようです。英題は"My
Sassy Girl"、「僕の生意気な彼女」となっていました。映画評の中で、"strange"「ちょっと変わった」と当てたものがありましたが、なるほどそんな感じです。
★「地上最強のキュートで凶暴な彼女」
この映画のコピーが、「地上最強のキュートで凶暴な彼女」、なるほどこの「彼女」は「キュート」な外面と「凶暴」な行動、二つを合わせ持つのです。このミスマッチさが、「猟奇的」すなわち「ストレンジ」といわれるゆえんでしょう。
とてもぞんざいな言葉遣いとふるまいをするのに、その可愛らしさゆえにどこか憎めない。このピミョーな役を演じているのが、チョン・ジヒョン。
映画『イル・マーレ』で、時を隔てた恋人と文通をする、アンニュイな魅力を持つ美人を演じて評判になりました。同映画については、現代語学塾でシナリオ講座があり、それをまとめたものがこのHPにもあります。おひまでしたらご覧下さい。
連載 「イル・マーレ」を読む
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★「パンマル」の面白さ
さて、この映画の台詞で面白いのが、「パンマル」です。韓国語をご存知のみなさんには今さらでしょうが解説しておくと、対等あるいは目下に対してのぞんざいな言い方です。「友達言葉」というか「タメ口」というのが近いでしょう。
今月号の『韓国語ジャーナル』(アルク社)は、彼女のインタビューと共に、映画の場面のスキットがいくつか対訳で載っています。最新刊ですから、まずみなさんにも買って読んでいただきたいのですが、ここではほんのわずかだけその片鱗を引用してみましょう。
「韓国語ジャーナル」HP http://www.alc.co.jp/kj/
"Baskin 31 Robbins" e-seo
Keu-nyeo: Mweo meog-eul-lae?
Kyeon-u: Che-ri jyu-bil-le ... a ... Mang-go-thaeng-go meog-eul-kka?
Syu-thing su-tha meog-eul-kka? a ... Ja-mo-kha-a-mon-deu-hweo-ji-do
joh-eun-de, a, a-ni-da ... Jeo-neun keu-nyang reo-beu-mi ju-se-yo.
Keu-nyeo: Ya, jug-eul-lae? Kheo-phi ma-syeo.
(jeom-weon-e-ge) Kheo-phi tul.
Kye-san ni-ga hae-ra.
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「サーティーワンアイスクリーム」で
彼女:何飲む?
キョヌ:チェリージュビレ……あ、マンゴテンコ食べようか、
シューティングスター食べようか、あ、ジャモカアーモンドファージも
いいけど、いや、ちがう……僕はやっぱりラブミーください。
彼女:おい、死にたいか? コーヒー飲みな。
(店員に)コーヒーふたつ。
勘定おまえがしな。
【文型】
Mweo meog-eul-lae? 何飲む?
Ya, jug-eul-lae? おい、死にたいか?
〔〜lae?〕「〜するか?」 というぞんざいな質問
Kheo-phi ma-syeo. コーヒー飲みな。
Kye-san ni-ga hae-ra. 計算おまえがしな。
〔〜a/eo.〕〔〜ra.〕「〜しろ、〜しな。」 というぞんざいな命令
このワンシーンだけでも笑えてしまいます。
彼女はまったくパンマルの、ぞんざいな言葉遣いです。ここは二人が初めて会うシーンなのですが、ふつうは、若い女性が初対面の男性にこんな言葉を使うことはありません。しかし、キュートな彼女が話すと、楽しいんですね。それと合わせて楽しいのが、彼氏のキョヌのなんともお間抜けなくらい、優しいというか優柔不断なところ。
彼女の果断さとのミスマッチ、ギャップが、とても愉快なんですね。
★ほんとはナイーブな彼女、そしてラストは……?
こうして彼女は、わがまましほうだい、男のほうはくたくた、ぼこぼこになりながらひたすら耐えている。これは最近の男女平等、いや女性上位の風潮の現われでしょうか。とにかく男女逆転の笑えるシーンが続出。見ている観客の中で「わ〜、彼氏、たいへん。かわいそー」なんて言う女の子もいるくらい。
ただし、そうしたギャグの笑えるコメディだというだけなら、この映画がこんなに好きにならないし、みなさんにも勧めません。せいぜい★三つくらい。
ところが映画を見ているうちに、彼女は実はとても内面的にナイーブな女の子だということがわかってきます。過去の失恋の痛手、そして、虚勢を張っているとも言えるくらい、わがままにふるまいながら、心の中はとても淋しいということが。
もちろん、主人公のキョヌ君もそれに気づいていきます。でも彼氏は黙って、彼女のそのわがままにつきあっていく。このへんからぐいぐいと、映画に引き込まれてこの二人に感情移入していってしまいます。やがて映画は上質なラブロマンスへ。
でも、ただそうしたちょっと楽しい抒情的なラブコメというくらいなら、まだまだ★四つくらいのご推薦でしょう。
この映画のほんとに素晴らしいのは、ラストの数分間です。
こんなにウィットのあるラストは、めったにないんじゃないかな。
もちろん、ネタばれになるので言いません。あとは劇場で見てください。
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★上映劇場と舞台挨拶のお知らせ
すでに掲示板「夜行列車」などでもお知らせしていますが、初日に舞台挨拶があるようです。ぜひ、「史上最強にキュートな彼女」を見に行ってみてください。
でも、つまらない野次などかけると、ぼこぼこにされてしまうかも……?
【上映劇場】★シャンテ・シネ 入替制 2館上映
@10:40 / 1:20 / 4:00 / 6:40〜8:55終
A11:00 / 1:40 / 4:20 / 7:00〜9:00終
日比谷東宝映画街 日比谷駅・有楽町駅
TEL 03-3591-1511 http://www.chantercine.com
★シネマスクエアとうきゅう
(日9:20) 11:50 / 2:20 / 4:50 / 7:20〜9:40終
歌舞伎町シネシティ TOKYU MILANOビル3階 新宿駅
TEL 03-3202-1189
【舞台挨拶】主演女優チョン・ジヒョン&男優チャ・テヒョン〔予定〕
1月25日(土)初日初回
★シャンテ・シネ
@10:40上映前 A11:00上映前
それぞれ一週間前から日時指定の自由席券を販売
★シネマスクエアとうきゅう
11:50上映終了後 自由席
「猟奇的な彼女」公式HP http://www.ryoukiteki.com