会報on-line 第62号
『その年の冬は暖かかった』 スタッフ・解説

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『その年の冬は暖かかった』
 1984年 カラー16_ 120分

 84年 ナント大陸映画祭
     審査員特別賞
 84年 大鐘賞 編集賞
      主演女優賞(李美淑)
 85年 百想芸術大賞・映評賞
     女性演技賞(李美淑)

 製作 キム・ファンク
 監督 ペ・チャンホ
 原作 パク・ワンソ
 脚本 イ・ムヌン
 撮影 チョン・グァンソク
 音楽 チョン・ミンソプ
 キャスト オモク  … イ・ミスク   スジ  … ユ・ジイン
      イルファン… アン・ソンギ  イルジェ… ハン・ジンヒ

【解説】 (『韓国映画200選』より/てじょん訳)

 6・25動乱(朝鮮戦争)の渦中で決別した幼い姉妹が成長しながら経験した
数奇な流転の事情を書き綴ったパク・ワンソ(朴婉緒)の同名小説を、80年代に
最も注目された新鋭監督ペ・チャンホが映像化した、彼の五本目の作品だ。
 パク・ワンソの原作は、性格の対照的な姉妹が激動する時代状況において変貌する生
の歴程を心理的陰影を加えて見守ったものだったが、イ・ムンウン(李文雄)の脚本は、
紆余曲折のストーリーテリングに力点をおいた悲嘆調のメロドラマに変えてしまった。
 しかし、ペ・チャンホ監督の粘り強く集中力のある演出は、物語をダイナミックに
追っていきながら、ドラマのボルテージを高めてくれている。陰鬱だった過去を回想
するモノクロ、ストップモーションとスローモーションを駆使した分析的映像等、
到る処に彼の才知あふれる演出技巧が光る。ただ、物語をあわただしく並べた反面、
これを一貫した主題の中に収められない物足りなさが残る。
 撮影はペ・チャンホ監督との呼吸が合ったチョン・グァンソク(鄭光石)で、
堅固で折り目正しい映像を作り出している。チョン・ミンソプの音楽も、劇的な
雰囲気を生み出している。
 配役は、姉役のユ・ジインと妹役のイ・ミスク(李美淑)が個性的対決を見せてくれ
ているが、逆境に苦しめられ、貧しさに打ちひしがれる女としてのイ・ミスクの好演が
断然目立っていた。その他に、アン・ソンギ、ハン・ジンヒが共演する豪華キャストだ。
 この映画は、フランス・ナントで開かれた第3回大陸映画祭で審査員特別賞を
受賞した。84年、「世耕(セギョン)興業」作品で、上映時間は2時間。

【ものがたり】  (『韓国映画の全貌』より)(途中まで)

 朝鮮戦争で両親を失った幼い姉妹は、戦火を逃れて避難をしていた。が、7歳になる
姉のスジは足手まといになる5歳の娘オモクを荒野の廃屋に置き去りにしてしまう。
 長い歳月が流れスジは幸福な家庭に育っていた。ある日、ふとしたきっかけで妹の
オモクが孤児院にいることを知るが、貧しい身なりの妹の姿を見て、姉だと告白できず
に帰る。オモクは同じ孤児院のイルファンに助けられ、貧しいながらも工場で懸命に働く。
工場の主任イルジェはスジの恋人だが、ある事件をきっかけに二人はコンサート会場で
鉢合わせをする。が、スジは何も言えなかった。オモクとスジは各々の相手と結婚、
イルジェはベトナム戦争で金持ちになり、イルファンは片足を失う。……
 

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