・浄水器選びのポイント

 一般的に、ディスカス他熱帯魚を飼育する上でどのような場合にどのような浄水器が必要になってくるのだろうか?

1)絶対的に水が悪い。     

 水が悪くて育成も困難である場合にはROが必要です。何となれば、そのような場合、水がどうしようもなく悪いので、プレフィルターでは対処できない。DIでも改善は出来るがDIでも浄化出来ないものは多い。

2)汲み置きできない。

 汲み置き水槽の置き場所が無くて汲み置き出来ない。時間的な余裕がないので汲み置きするのが面倒くさい。プレフィルターが最適。但し水の汚れがさほどひどくない場合に限る。ROには汲み置き容器がほぼ絶対的に必要であるので、この用途にはプレフィルターのほうが適している。DIも汲み置く必要が無いかも知れないが、直接水槽の中には注入不可(浸透圧が低いので魚に過大なストレスとなる)であろう。 

3)繁殖するが奇形が多い
 繁殖は出来るが鰭が癒着したり、欠落したりする。プレフィルターでも対応可能な場合もあるが出来たらROのほうが望ましい。奇形をもたらすものはイオン性のものではなく有機物+界面活性剤の組み合わせであるだろうからDI単体では期待できない。

4)難種の飼育、繁殖をする
 原種や、遺伝的に血の濃い魚などの飼育難種のものを飼育、繁殖する。     プレフィルターでも対応可能な場合が多い。上記3)とくらべてプレフィルターの有用性がより高いと思える。ただし、実際の成功の可否は水作りや育成技術によるところも大きい。繁殖になるとより高度の水処理と水づくりが必要になるのでROが最適。

5)水換え間隔を少し延長できる
 他のいろんなファクターもあるのでケース・バイ・ケースであるし、極端に劇的な効果は望めないことも有るだろうが、一般的に浄水器を使わないよりも使ったほうが魚にとって環境的な負担(水道水に含まれるいろんな不純物による)を減らせ、結果的に水換え間隔を間遠に出来る。
 プレフィルターでも可であるが、ROやDIを使うほうがより効果的。但し、ROやDIの使用にはある程度水づくりの知識が必要。

6)硬度を下げる

 硬度を下げるのはROやDIで可能。但し、ROで硬度を下げるのはやめた方が良。何故なら、硬水でROを使うとRO膜表面にカルシウム、マグネシウムが付着してしまい、使用時間の増加とともに浄水効率を落としてしまう可能性が有る。それ故、ROは硬度を落とす用途では使わないほうが無難であろう。それに、ディスカスを飼育する際は生息域の硬度が低いからと言ってむやみに硬度を落とす必要ないだろう。むしろ、或る程度硬度が有った方が飼育は楽である。

↓用途
PF(プレフィルター) RO(逆浸透膜) DI(イオン交換樹脂)単体
絶対的に水が悪い

×

スペースが無く汲置きが出来ない

×

×
繁殖の際に奇形が多い

×〜△
難種の飼育

△〜○

△〜○
難種の繁殖

△〜○
水換え間隔を延長できる

硬度を下げる

×

 と、浄水器購入のポイントはざっとこんなところであろう。だが、肝心な留意点が二つ有るのでお留めおき戴きたい。一つは、浄水器を買うのは飼育法全体を考える上でむしろ一番最後の手段だということである。給水環境を整えてやることは観賞魚を飼育する上で確かにもっとも重要なことある。だが、それよりも先にやらなくてはいけないことも沢山あるということを知っておいてほしい。餌の改善、飼育密度の改善、濾過の改善、病気の治療など、それらをなおざりに出来るほど浄水器は魔法の道具では無いことをご存じ戴きたい。

 もう一つ大事なことは、浄水理論に素人な、いわゆる「ショップの親父、店員さん」に勧められてむやみに浄水器を買わないようにしてもらいたいということである。特にROやDIはそれなりに知識をもっている人から買ったほうが賢明である。そういう人からきっちりとした予備知識を授かっておかないと魚の鰭が溶けたり、体に穴が開いたりする(理由は後述)。浄水器を使うためにはある程度飼育者の側の学習が必要なのである。