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・ROのDIに対するアドバンテージ ROは生産する清純な水に対して4から8倍(水圧、季節により変動)くらいの捨て水が発生する。まずもってこれが絶対的な欠点であることはご承知おき戴きたい。たかが熱帯魚を飼うのにこんなに捨て水をしなくてはならないのは世間一般の人の感覚から見れば異常であるかもしれない。だけども一匹数万円、水槽の中身全部で数十万円というレベルのものを飼うのにこれだけの設備投資をしない、ランニングコストをかけないのもまた逆に疑問を感じざるを得ない。 ROにくらべてDIは確かに捨て水を生じない。であるが、DIにはDI特有の幾つかのデメリットが有る。 まずは、DIでとれるものはイオン性のものしかないと言うことである。水道水中に混在されると思われる非イオン型の汚濁、細菌などの生物的の汚濁などの除去能力はDIには無い。ROと比べると、幼魚、稚魚の奇形の防止と言う意味ではDIの果たす効力はかなり小さい。 次に考えられるデメリットはDIで出来る水の質がコンスタントでは無いと言うことである。DIは導入初期は100%のイオン交換率でほぼ0マイクロジーメンスの水がきっちり出来るのであるが、経時的に、しかも一般に考えられるよりもかなり速いスピードで、イオン交換能力は劣化していき、ついには交換能力がゼロになる。例えば原水が300マイクロジーメンスだとすると、生産水の出来映えが0〜300マイクロジーメンスの間を水質が短時間で変化するわけである。300マイクロジーメンスまで行かないで50マイクロジーメンス程度で再生するにしてもかなりの変動になる。これでは魚が落ち着かない。 DIやROで生産してやった水をそのまま飼育水槽に注入は出来ない。なんらかの添加剤を加え浸透圧を上げてやる必要が有ります。DIのように生産された水の性質が一定しないと添加する物質の量が一定にはならず、その都度添加量に複雑な計算が必要となり、神経を使わなくてはなりません。ROの様にコンスタントな水が出来ると、毎回同じ量の添加剤を加えればよいわけで非常に簡単なプラクティスとなります。(添加剤の添加は浸透圧以外の理由が有ることはもちろんである。) ちょっと説明の仕方をかえてみることにする。最近、電気伝導度が魚にとってさも重要なファクターのように言われているのだが、実はさにあらず。魚にとって一番問題なのはなんと言っても浸透圧であることは疑いの余地はない。とは言え浸透圧を測定するモニターは一般的ではない(根性が有れば凝固点降下を測定すればわからないことはないが)。ROのように元の水のパラメーターがコンスタントである(定常的に含有物がないが故に)と、同じ種類の添加剤を加えて行くうちに上昇する電気伝導度と浸透圧の関係は比例関係にあると考えて差し支えないことになる。DIの水のように元の水の浸透圧や電気伝導度がコンスタントでない場合は添加物をどのくらい加えて良いのか判断が(電気伝導度を相関尺度として)簡単にできなくなる。たとえば、再生若しくは導入直後の0マイクロジーメンスの1トンのDI処理水に100グラムの添加剤を足してやったところ、電気伝導度が100マイクロジーメンスになったとする。ところが劣化して50マイクロジーメンスまでしか処理できなかったDI生産水1トンに仮に30グラムの添加剤を加えて100マイクロジーメンスとなっても、この両者は同じ浸透圧を示すとは限らない。DIは魚にとってもっとも大事な浸透圧のコントロールが容易には出来ないわけである。もちろん、DIでは非イオン性物質の除去ができない訳であるから、浸透圧のコントロールがまるで出来ないのは当たり前と言える。浸透圧への寄与はイオン性の溶質だけでなく非イオン性の溶質のそれも有るからである。 さらにもう一つDIの弱点が有る。先述のようなDIの処理能力の劣化は比較的早いスピードで起こる。例えば、私が以前使っていた国産の樹脂は10リットル(かなり昔の話でまだ高価なときであったが、樹脂だけで15万くらいはしたと思う)でわずか2トン程度の処理しかできなかった。で、樹脂の再生料が一回一万円であった。ミックスベット(陽陰混合型)でなければ樹脂の再生は自分で出来なくも無いのであるが、それにしても頻繁に再生をするか莫大な量の樹脂を使うことを余儀なくさせられる。ROの捨て水の水代を考えても結局ROのコストパフォーマンスはDIよりも上であろう。私自身樹脂を取り扱うことは出来るのであるが、あえて販売しないのはDIにはこういったデメリットがあるからなのである。 余談であるが、DIのカートリッジを時々依頼されてお分けすることが無いわけではない。が、あくまでこれはROの後処理用として使うものである。例えば、海水の無脊椎飼育用途にリンをより高度に除去したい場合などに使うもので、ROの処理水をさらにDIで処理するかたちになる。 |
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