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・ヤット・サニー作出の魚の飼い方 ヤット・サニーの魚は非常に秀逸である。しかし、それに見合うだけ高価である。しかも、非常に飼いにくい、大きくならないと飼育に悩んでいる方も多いと聞く。そこで、まず、何故飼いにくいのか、それから次に対応策を考えてみよう。 ヤット・サニーの魚は遺伝的に近い魚同士の交配を重ねて作り上げられたという推測はまず間違っていないところである。遺伝的に濃いと、温度・水質の変化、病原菌などの環境的外圧からのプレッシャーへの耐性の減少が出現する。これを内婚弱性と言う。 これをカバーするために、サニーのファームではいろんな対策が使われているはずで有る。噂ではヤット・サニーはROを使っているとのことであるが、定かではない。ピーシーズのセミアニュアル(1999年3月)を見る限りROの使用は確認できないのであるが、いずれにせよ水処理設備は凄いものを持っている。原水をそのまま直で水槽に入れると言うことは無く、高度に処理された水を使っているはずである。 そしてもう一つの飼育の特徴は薬剤の使用であろう。遺伝的な濃さ故に病気にセンシティブな側面があるので薬剤の使用は避けられないところである。特にディスカスのトラブルの最大の原因である鰓吸虫については完全に駆除されているものと思われる。一般に海外で使用されている駆虫用の薬剤はイミダゾール系の薬物であるのだが、国内では観賞魚用として市販されていない。細菌感染についてはテトラサイクリン系などの抗生物質が汎用されているが日本ではこれも観賞魚用としては市販されていない。 こんな環境で飼育された魚が国内に持ち込まれ、他の産地の魚と混泳でもさせられようものなら一発で鰓吸虫を移されてしまう。もちろん他の病原菌の保菌も然りである。ディスカスの話ではなくウナギの話であるが、最近資源が枯渇しており、在来の日本種だけでは足りず、ヨーロッパ種のシラスウナギ(ウナギの稚魚)を輸入することが多くなったが、この外来品種が輸入され始めた当初はシラスが全滅ということも少なからずあった。これは、日本特有の細菌感染症(具体的な病名は失念しました)に対する抗体をヨーロッパ種が持っておらず、日本に持ち込まれるとたちどころに感染症に罹患してしまっていたからなのである。ヤット・サニーの魚を日本国内に持ち込むのはこのシラスウナギと同じような状況である。 サニー専用の水槽を設けているSHOPならまだましであるが、他のブリーダーの魚と混ぜられてしまうような店ではその店での在庫魚からの病原感染が起こりうるので、ヤット・サニー専用の水槽を設置していないお店からは絶対ヤット・サニーの魚は買わないようにしていただきたい。これがサニーの魚を上手く飼うためのまず一番大事な一歩である。出来ればサニーのところから入ったまま、パッキングされたまま売ってもらう方がもっと良い。 次の対応策は水処理である。先に述べたようにヤット・サニーがROを使っているかどうかははっきり解っていないが、前章で述べたように、ROを使って水を綺麗にしてやる=生体に環境的圧力となる汚濁を除いてやることは、他の負荷(例えば、個体にとって未知な病原菌と戦わなくてはならない、若しくは今までとは異なる環境にて生活せざるを得ないなど)に対する抵抗力を増加する。そういった意味で、脆弱な個体にとっては、水処理は是非とも必要なことである。特に界面活性剤(洗剤、石鹸)が多く含まれているような元の水を水道水に使われている場合はきっちり処理してやらないと上手く飼えない。もちろん水換えの方法や濾過も出来たらヤットのファームで行われているようにするのが良いであろう。具体的にどのようにされているかは見たことがないのであるが、多分、香港流の頻回少量の水換えと貧濾過であると推測される。貧濾過が出来るためには水が十分きれいでないといけないので、この意味でもきっちりとした水処理が必要である。 そして最後に気を付ける点は餌である。実はこれが一番大事な点かも知れない。餌を考える上で二つの留意点がある。一つは餌から病原体を持ち込まないと言うことである。もう一つは大事なことは加熱処理で失われるビタミン類を含めてビタミン、ミネラル他の栄養補給をしてやる必要があることである。 一般に使われているディスカスハンバーグは病気になるために存在する餌だと言われても仕方がない。特にハツ、レバーなどの内臓を使う場合はそれが様々な病原菌の持ち込む諸悪の根元である。人間以外の生き物は食物を加熱したりしないよって説もお有りだろうが、それは水槽という非常に閉鎖的な環境では通用しない理屈だと思って欲しい。水槽に入れるすべての食材は加熱処理することが望ましい。他の病害虫、病害菌を持ち込まないことで、サニーの魚が本来耐えるべき病害(鰓吸虫など)に対する抵抗を増やすべきである。 そして加熱で損失されるビタミンを含め、ビタミン、ミネラル等をしっかりと餌に添加してやることも肝心である。これは一つには魚の病気に対して使える薬剤が日本では外国に比べて大幅に限られているので、病気にさせない抵抗力を備えさせると言う予防が非常に肝心だからである。魚に基礎的な抵抗力を持たせるのが大事なことなのである。いったん魚が病気になってしまうと国内で使える薬では太刀打ちできないことも多いので予防は是非とも必要なプロセデュアーである。 このようにヤット・サニーの魚を飼うにはいろんな留意点が存在する。もちろんこれらはヤット・サニーの魚だけではなく他のディスカスを飼う場合にも同じく注意されたい点である。 |
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