報告メモ・弁護士法72条とADR
2000/6 弁護士 谷 英樹
1 問題の所在
・弁護士法72条
「弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。」
・裁判所以外の機関ないし団体で調停ないし仲裁を行う場合、調停者・仲裁人は弁護士でなければならないのではないかという問題がある。
・現状
仲裁:仲裁センターや工業所有権仲裁センター
調停:弁護士が弁護士業務として(民事ないし家事調停委員として担当するのは別である)行うことはほぼ皆無といってよい。
・必要性
2 最近の議論の状況
3 非弁活動禁止の保護法益
非弁活動禁止(弁護士法72条)の保護法益については、次の二説がある。
@ 法律秩序のと国民の公正な法律生活
A 弁護士制度の維持確立
4 解釈論的アプローチ
(1) 「業として」
法律事務を取り扱う行為が「業として」なされることを要件としているかについては、説が別れる。
@ 「法律事務を取り扱う行為」についても「業として」なされることを要件とする(一罪説)。
A 「業として」は、「法律事件に関する法律事務を取り扱いを周旋する行為」のみにかかり、「法律事務を取り扱う行為」については「業として」なされることを要件としない(二罪説)。
(2) いわゆる「事件性」
実定法上「事件」と呼ばれている案件およびこれと同視しうる程度に法律関係に争いがあって、「事件」と表現されうる案件でなければならないか。
いずれにせよ、「事件性」が必要としても、調停、仲裁は「事件」に該当する。
(3) 「調停」は、「和解」または「その他の法律事務」に含まれるか
・和解とは、争っている当事者に互いに譲歩することを求め争いをやめさせること。
・調停の本質
・調停で使われる規範はなにか。
(4) 仲裁
文言上困難か
5 立法論