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催眠療法とは
催眠療法は、潜在意識へのアクセスを可能にするものです。
たとえどのような変化であっても、それを永続させるためには、潜在意識への働きか
けが不可欠です。
なぜなら、私たちの潜在意識には、私たちの信念、感情、イマジネーション、そして
思考がどっかりと腰をおろしているからです。
そこはあなたという人間をつくっている原材料が存在する場所なのです。
そして、潜在意識に到達する最善の方法は「変性意識状態」になることです。
その意識状態にあるとき、私たちは容易に潜在意識とつながることができます。
この「変性意識状態」とは、まさしく「催眠状態」に他なりません。
潜在意識は私たちの感情とイマジネーションのすみかです。
従って、それは私たちのフィーリングととても関りの深い、私たちの心の一部です。
あなたがこれまで五感を通して感じて体験したことのすべてが、あなたの潜在意識に記録されています。
ただし、その状態のほとんどは顕在意識に認識されません。
それらは内側の情報ファイルの中にしっかり保存されていて、必要に応じて取り出されては、あなたの行動に
影響を及ぼしています。
心のこの部分は、良くも悪くも、とても子どもっぽい側面をもっています。
それは、言われたことを何の疑いも抱かずに受け入れ、その情報をもとに結論を下します。
潜在意識は、あらゆる暗示的な言語を、それが道徳的、あるいは肉体的な脅威をつきつけてこない限り、
無差別に受け入れる傾向があります。
潜在意識は、演繹的推理よりも帰納的推理を得意としています。
つまり、特殊な事柄から一般的な結論を導き出す推理を得意とするのです。
例えば、ある母親が子どもに、「病気になるのは悪い子たちだけだ」と言い続けたとします。
するとその子どもは、誰もがかかるような病気、例えば麻疹にかかったときでも、とっさに「私は悪い子なんだ」
という結論に至ってしまうのです。
潜在意識のもつこの特徴は、私たちに様々なトラブルをもたらしがちです。
潜在意識はとても感情的で非合理的なのです。
理論は潜在意識の専門外です。
そのため、あなたがもし「私は悪い子だ」という考えを本来の自分と同一化し(思い込み)、それを野放しに
していたら、あなたの行動はそれによる支配を受けてしまいます。
潜在意識と顕在意識の間には、両者を隔てている保護フィルターである、「クリティカル・ファクター」と呼ば
れるものがあります。
とても薄い膜のようなものだとイメージするといいかもしれません。
それは、潜在意識と顕在意識の境界線としての役割に加えて、文字通り、その二つの意識間のフィルター
としての機能も果たしています。
クリティカル・ファクターには、潜在意識内のプログラムが損なわれないように保つ働きと、顕在意識を膨大な
量のメッセージに圧倒されないように保護する働きがあります。
そして、もう一つ、暗示に対して極めて無防備な潜在意識が、外部から与えられるすべての指令に従ってし
まわないよう監視する働きをも兼ね備えています。
私たちのクリティカル・ファクターは、私たちが6歳の頃に形成され始めます。
換言すれば、私たちの潜在意識は、誕生からほぼ6年の間、大きく開け放たれた状態にあるのです。
子どもたちが暗示の影響を特別に受けやすいのはそのためです。
そして、このフィルターが完全にその機能を発揮するようになるのは12歳あたりからですが、その頃までには
心のプログラミングのほとんどができあがっています。
クリティカル・ファクターは、潜在意識の見張り番として、そこへの入り口を固くガードしています。
そのため、既にプログラミングされているものと調和しない情報がその中に入るのは、至難の業です。
私たちが劇的な変化をとげたり、子ども時代に受け入れたプログラムによる影響から抜け出すことが困難
なのは、そのためです。
クリティカル・ファクターを通過することを許されるのは、既に潜在意識に刻まれている信念システムや同一
化された情報と調和するメッセージのみなのです。
アーネルト・ロッシ博士は、私たちの内側で90分〜120分周期で発生している自然なリズムを発見しま
した。
ウルトラディアン(超概日性)・リズムと呼ばれるものですが、急速眼球運動を伴うレム睡眠の発生時期も、
このリズムと一致しています。
ただし、このリズムは私たちが目覚めているときにも一定の周期を持って続いているのです。
通常の睡眠と覚醒のリズムであるサーカディアン(概日性)・リズム(24時間周期)とは異なり、ウルトラディ
アン・リズムは1日に12回以上もの周期的現象を発生させます。
その現象は一度発生すると20分ほど続きますが、その状態にあるとき、私たちの心と肉体の結びつきは
深まり、私たちが白昼夢や空想にふける確立が高まります。
そしてそれは、私たちの心の中で潜在意識がより支配的になっているということであり、その時、私たちは
「非意図的催眠」を体験していると考えられます。
この現象をロッシ博士はウルトラディアン治癒反応と呼び、もし私たちがその発生時期を正確に知ることが
できるようになったならば、肉体からのメッセージを解釈したり、蓄積した緊張を取り除くために、あるいは若
さを維持したり、自然治癒力を向上させたり、創造的な洞察をめぐらしたりするためなどに、この現象をダイ
ナミックに活用できるようになるだろうと指摘しています。
一方、意識的にトランス状態をつくりだそうとする時、それは「意図的」な催眠状態です。
催眠療法によって、その状態をつくりだしていくことが可能になります。
そして、これまでの人生で無意識のうちに受け入れてきたネガティヴなプログラミングの悪影響を、排除して
いくことができるのです。
そのとき、潜在意識の活動が優位になるとともに、私たちは幾つかの重要な催眠現象にアクセスできるよう
になります。
催眠は、潜在意識への直接的な経路を開き、潜在意識の暗示受容度を高めます。
それはまた、催眠療法などで特に意図的につくりだされた場合には、とても快適で心地よい体験でもあり
ます。
催眠状態に入ることで、私たちの心は理論的、批判的、分析的なモードから、ホリスティックで、より研ぎ
澄まされ、拡大された、かつ創造的なモードに変化します。
催眠療法によって催眠状態に誘導することで、潜在意識とアクセスし、望ましい暗示の言葉を入れたり、
対話したり、あるいは昔の記憶にアクセスして、そのときの子どもの自分や前世の自分がどのような状態で
あったかを再体験したりします。
意識がはっきりとある状態ですから、催眠からさめた後もすべて覚えています。
言いたくないことは言わなくてもよいですし、セラピストにコントロールされることもありません。
感情があふれてきたら、抑える必要はありません。
そのまま感じてみましょう。
あなたを催眠状態に導く方法は限りなくありますが、(私も催眠へ導入する際に用いている技法ですが)
体内に意識を向け、様々な部分を次々とリラックスさせていくプロセスは、とても有効です。
それによってあなたの注意が内側に向かい、潜在意識への経路が大きく開かれると共に、あなたの身体に
たまったストレスや緊張が、効果的に軽減されることになるからです。
催眠状態はとても主観的な体験であり、それをどう感じるかは人によって様々です。
視覚的なヴィジョンを体験する人もいれば、ヴィジュアルなイメージは浮かばなくても感覚的に何かを感じる
人もいますし、その体験のしかたは人それぞれで、一言で描写することは不可能です。
「意図的催眠」は累積現象を伴います。
つまり、あなたが到達する催眠状態は、誘導を重ねるたびにどんどん深まっていきます。
催眠状態の深さは無限です。
催眠状態を体験すればするほど、あなたが到達できるトランス状態の深さは増していくはずです。
もちろん、毎回、催眠療法を受ける必要はありません。
自己催眠であっても適切に実行していけば、効果をあげることができるようになります。
心の潜在領域への探検の旅を開始するには、はじめはかなりの勇気がいることだと思います。
しかし、あなたの潜在意識は、他の様々な資質と共に、そのポジティヴな勇気という資質も持っているのです。
内側の世界、心の中の世界を探検していくことで、私たちは貴重な宝物を果てしなく発見し続けることがで
きるでしょう。
参考文献:『あなたの人生を変える催眠療法』(リンダ・ローズ著、矢澤フレイ伸恵訳、2001年、雷韻出版)
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