愛知県議会の話題から
2009年6月定例議会の一般質問(6月23日)で高木ひろし県議は,焦点となっている木曽川水系連絡導水路、名古屋高速問題を取上げました。質問要旨を掲載します。答弁等は「愛知県議会ホームページ」http://www.pref.aichi.jp/gikai/ で、録画を再生してご覧下さい。また、議事録は1ヵ月後ぐらいにはアップされます。
【徳山ダムにかかわる木曽川水系連絡導水路について】
「ダム」をとりまく状況は、大きく様変わりしてきている。
その背景には、「水資源開発」の経済面の問題と、河川管理に関する環境面の考え方の大きな変化がある。
右肩上がりの経済成長に対応すべく多め多めに(鈴木礼二前知事)水需要予測を見込んで計画されてきたダムは、90年代に入ってその実需要との乖離があまりにも過大となり、見直しと中止が相次ぐ事態となった。計画がとりやめとなったダムは全国で100以上にも及んだ。
計画から完成まで数十年を要し、何千億円という予算を必要とするダム計画のような大型公共事業については、需要の変化に適切に対応した見直しをかけ、財政負担と投資効果、失われる自然環境面の価値を天秤にかけて、「費用」が「便益」を上回ると判断されれば、一端決まった計画でも、動き出した事業でも、立ち止まって見直すことが当たり前となった。
愛知県内でも、矢作川水系に関しては県が必要性を力説していた河口堰やダムの計画が白紙になっている。近年では、熊本県の川辺川ダムについて、蒲島知事は中止の決断を下し、淀川水系の大戸川ダムなどいくつかのダム計画が中止・見直しに動き出している。これらの例では、かつては地元の利水や治水の立場で建設要望の先頭に立っていたはずの知事が、逆に市民・県民の声を背景に事業主体である国に中止の決断を迫る調整役となっている点が特徴だ。
本県経済や県民生活にとって極めて重要な存在である木曽川水系(木曾川、長良川、揖斐川)については90年代に入って、特筆すべき大きな出来事が続いた。94年8月に「百年に一回」といわれるほど酷い木曽川の異常渇水があった。95年には、県内外から大きな批判を浴びるなか長良川河口堰が本格運用を開始し、翌96年には木曽川最後のダムとされる味噌川ダムが長野県木曾村に完成した。2000年には、当初計画から20年遅れ、2000億円以上の費用がかさんだ徳山ダムの本体工事が揖斐川上流で始まり、昨年2008年に6億トンの水が貯められた。そして、その徳山ダムから木曽川へと43キロメートルの導水路建設が本年から始まることになっている。この導水路の目的は、愛知県と名古屋市が徳山ダムにもつ毎秒4立米の利水と、94年のような木曽川の異常渇水時に「河川環境改善のため」の毎秒16立米の緊急水を流すためのものとされている。
その木曽川水系連絡導水路事業について5月14日、名古屋市の河村市長が「撤退」の意向を表明し、本年度の第1回分の市の負担支出を止めた。このことは事業を国から継承した水資源機構や利水・治水面で負担を分担する本県と岐阜、三重の各県をはじめ各方面に強い衝撃を与えている。本当に名古屋市が撤退するならば、890億円という導水路事業費全体の費用分担見直しが不可避となるだけでなく、もうひとりの利水者たる愛知県の動向によっては、導水路事業そのものの実施意義が問われ、徳山ダム運用の基本方針にも影響を及ぼす議論に発展すると思われるからだ。
そこでこの議論をいたずらに感情的、政治的なものとせず、県民の根本的利益と木曽川水系流域全体の今後のあるべき協力体制の構築に向けた、冷静で建設的なものとするため、県の基本的考えを改めておたずねする。
論点は3つに大別されると思う。本県や名古屋市にとって確保しようとする利水権の必要度がどの程度あり、それが新規投資額に見合うのかどうかという経済性の問題。第2に、河川環境改善のための緊急水なる『治水』の新しい概念が、本当に木曽川の生態系を守るために有効なのかという問題。最後の問題は、徳山ダムが既に完成してその水利権に見合う負担も始まっている現在、これと一体のものである連絡導水路事業から撤退するということができるのかという問題だ。
1、経済性の問題。773億円を投じて得られる水利の価値は?
愛知県の負担は、徳山ダム分517億円(利水分451億、治水分66億)、導水路分256億円(利水分124億、治水分132億円)あわせて計773億円(いづれも国補助金を除く)。これらを今後20年以上にわたって企業庁の水道事業会計と県一般会計で払い続けることになる。県独自の新規事業を凍結ないし延期したり、職員の給与さえ抑制せざるをえないような危機的財政状況の中、国の事業への負担についても改めてその有効性、必要性が厳しく見直されるのは当然である。
導水路を通じて県水道に供給されるのは毎秒2.3立米となっているが、これとても94年のような異常渇水時には0.85立米、3割しか流れてこないという。一方で、県には、長良川河口堰で確保されているが未だ利用されていない水量が毎秒8.39立米もあるというなかで、新たに772億円を投じる必要性、投資効果をどのように説明するのか?
2、徳山ダムと導水事業の必要性を根拠づけている、木曽川水系の水資源開発基本計画(フルプラン2004)における水需要の伸びが、過大に見積もられているのではないか、という問題。
2005年度の名古屋市を含む愛知の1日平均取水量は、上水、工水合わせて毎秒29、16立米、最大でも33、27立米だったのに対し、2015年の需要が42.53立米に、10年で1.5倍に増えるという予測だ。ここ数年の実績はほとんど横ばい、今後は人口も減少するというのに、なぜこんな需要予測が成り立つのか?
県の計画も同じような見通しに立っていると思うが、その根拠を示して欲しい。
(うがった見方をすれば、2015年での、徳山ダムを含む木曽川水系トータルの供給可能水量に合わせて需要量をはじいているのではないか、と思える。)
3、最近の気候変動や少雨傾向から、94年に起きたような異常渇水に備える必要が、徳山ダムや導水路では盛んに説かれる。94年8月には愛知県の水源である木曽川の牧尾、阿木川、岩屋の3ダムすべてが空になり、愛知用水から利水する尾張東部の住民39万戸において19時間断水という緊急事態が現出した。この際には、木曽川自流水から最大毎秒77立米を取水する権利を持つ農業団体が6割の節水で協力し、木曽川に31のダムを持つ関西電力などの発電ダムから緊急放流するなどの措置がとられ、ようやく乗り切ったという。ここから、愛知県としてはどのような教訓を学ぶべきなのか?
新規水源、新規水源とさらなる開発投資を求めることには明らかに限界があり、環境にも逆行している。農業や、発電などの既得利水権、生活用水を中心とする新規利水者である水道事業者を含めて、限りある水資源をめぐり公共的な立場から調整、協力しあう仕組みをしっかりと構築すべきではないか?その調整役たるべき知事の考えを問いたい。
4、環境面の問題について。長良川河口堰では、サツキマスなど水棲動物の環境に大きなダメージを与えた水資源機構(当時は公団)が、徳山ダムからの導水は、木曽川の自然生態系を守るための事業だと言う。ずいぶん矛盾しているようにも思えるが、COP10の開催も控えた本県にとって、この事業の自然環境、生態系にもたらず効果というものにも充分な注意を払わなければならない。木曽川におけるヤマトシジミの棲息環境やアユ・ウグイの産卵環境を守るという目的に、この導水事業がどれほど役立つのか。また、逆に違う水系からの底水の注入が長良川、木曽川の生態系にどのような影響を及ぼすのか、県としての認識をうかがう。
5、水資源を含めて開発されつくしてしまった感のある木曽川の将来を考えた時、非常に重要なことは水源となる森林地区の育成・保全である。昨年8月、全国源流シンポジウムが味噌川ダムのある長野県木祖村で開催された。味噌川ダムの最大の受益者は愛知県と名古屋市であり、「限界集落」や人手がなく「荒れる森」に悩む源流の里に対して何ができるのか、真剣な取り組みが必要だ。
愛知県は岐阜県からの呼びかけに応えて「木曾三川水源造成公社」を設立し、40年間に1万ヘクタールを超える造林を岐阜県内で行い水源を養ってきた。誇るべき先人の偉大な功績だが、阿木川、牧尾、味噌川の3ダムのある長野県については、その水源林や水源の里に対し愛知県はどのような貢献をしてきたのか?取り組みを問う。
6、名古屋市は名古屋市として、利水者としての参加・負担の意味を、経済面を中心に吟味、検討を始めようとしている。県もいっしょになって、より広い視野でこの議論に応じるべきではないか?結論を急がず、市民、県民に水資源の大切さ、河川環境や水源林の現状などに関心を持ってもらうまたとない機会と捉えて議論を巻き起こしてはどうか?
これまでも、長良川河口堰からの三重県の利水権一部返上、徳山ダムからの名古屋市の利水権半分返上など、木曽川水系の水資源計画はたびたびの変更を経てきた。いずれの場合も愛知県は調整役を演じてきた。
「撤退ルール」(水資源機構法施行令第30条)による名古屋市の負担額がどれほどになるのか、いろいろな試算がある。しかし、いずれにしても名古屋市が導水路事業から「撤退」した場合、残る利水者として愛知県のみが残れば大幅な負担増は避けられないと思われる。県としてはどう対応するべきと考えているか?
【名古屋高速道路について】
A、今議会に議案として提出されています名古屋高速道路の料金引き下げ社会実験について、うかがいます。
1、まず今回の名高速の料金引き下げは、政府が緊急経済対策として3月末から始めた高速道路料金の「土日祝日、1000円乗り放題」に、取り残されてはかなわないと夏休みに間に合うよう、国の交付金を活用して大急ぎで実施するものと理解しますが、まず、国の「土日祝日、ETC、普通車、1000円乗り放題」という政策が、交通政策上、また環境政策上、どのような効果を持つと評価をしているのか、県のお考えをお聞きしたいと思います。
その評価の上に立って、今回提案されている名高速の「土日祝日、ETC、普通車、3割引」という料金引き下げの狙いについてご説明いただきたいと思います。
私の考えを述べさせていただければ、今回の「1000円高速」と言う国の政策は、「高すぎる日本の高速料金」という批判に正面から応えるものではなんらなく、マイカーユーザーの歓心を買うための「選挙対策的な一時的人気とり」以外の何者でもないと思います。そもそもいくら景気刺激策とはいえ、民間会社となったNEXCOの料金を、5000億円もの税の投入によって引き下げるということ自体、民営化の趣旨とまったく矛盾していますし、乗客をマイカーに奪われた長距離バスの売上が3割以上ダウンしたり、本四架橋の1000円化で瀬戸内海のフェリー会社が閉鎖してしまうなど、公共交通政策に対するマイナスの影響がでています。また、休日の高速道路が大渋滞を起こすなど、低炭素社会をめざすという環境政策上の問題も明らかです。
そんな国の高速道路網とネットワークしている名高速としては、料金体系上の影響を受けざるを得ないことは理解しますが、阪神高速や首都高にそのまま「右に倣え」では、いかにも能がないのではないでしょうか。
名高速としての現状を踏まえ、どのような交通政策、料金政策を進めるべきか。昨年6月に開かれた名古屋高速道路公社運営会議である委員は、次のように述べています。
「名古屋では都心への車の流入をできるだけ減らすような交通体系が大事だ。また、環境対策上、大型車は市街地の街路ではなく名高速に乗ってもらうようにしなければならない」と。すなわち、マイカーはなるべくパークアンドライド等で、市内の公共交通機関にシフトし、トラック・バスなどの貨物車・大型車の名高速利用を促進すべきだと言う。まさにそのとおりだと思う。名古屋高速の普通車750円も高いが、大型車1500円は法外で、トラックが少ないわけがここにある。この考え方に立てば、料金引き下げ実験を行うなら、大型車の料金こそ安くすべきで、マイカー・普通車だけの料金割引はむしろ逆方向だと言うことになる。物流コストの削減で、苦境にある中部経済を後押しする効果も見込める。
そこでおたずねする。運輸業界などからも要望のあるトラック・バスなど大型車の料金引き下げを検討する考えはあるのでしょうか。
B、名古屋高速道路公社の経営上の問題点について
私たち民主党は6年前、名高速の料金が650円から750円へと値上げされる際、これに反対し、抜本的な経営改革によって料金の引き下げが可能であると主張してきました。今回の名高速の「土日祝日、ETC普通車、3割引」は、極めて部分的ではあるが料金引き下げの方向に沿うものとして反対はしません。しかし、名高速公社の経営内容には依然として大きな問題が残されているので、この際いくつかの点に絞って県の考えを質しておきたい。
1、2004年時点の残事業費は約5000億円だったが、鋼鉄製橋梁の談合摘発で落札率は70〜80%に急落し、相当な建設費の節減ができたはずだ。効果はどうなっているのか?
2、公社の毎年の管理費132億円の太宗を占めるのは、@料金収受業務の委託やA土木維持補修工事の発注、それにB250人の役員・職員の人件費であります。
料金収受業務については3区間に分け、土木維持補修工事については南北2区に分け、委託・発注しているのであるが、これが随意契約によってファミリー企業が独占していると批判され、2004年から競争入札に変えると約束してきたはずだ。ところが、今日に至るも結局、随契の時と同じ5業者が同じ区間をずーっと独占している。競争性は一向に高まっておらず、価格も高止まりのままだ。これは一体どうなっているのでしょうか。
人件費も、他の県関係団体に比べ、役員報酬、退職金で大きな格差がある。理事に、国交省、財務省、総務省からの「天下りポスト」が3人分用意されているという慣行も、公社発足以来ずーっと変わっていないという。こうした相変わらずの「天下り・利権構造」ともいうべき実態をみるとき、2004年の料金値上げの際約束された「経営改善計画が順調に進んでいる」などといえるのでしょうか?
3、名古屋高速道路公社の共同出資者である名古屋市の河村市長は、選挙時のマニフェストで「通行料金100円引き下げ」をかかげています。私も、今指摘したような「天下り・利権構造」を抜本的に改める公社経営を実現すれば、「土日祝日、普通車」に限定しない料金引き下げが可能だと思いますが、知事の考えをお聞きしたい。
2008年6月議会質問 歩車分離信号を増やし、歩道橋を撤去せよ
2006年9月議会 3つの争点 県民どう見る?
【選挙公報】 次々回選挙から発行へ、合意勝ち取る
愛知県議会議員選挙には、選挙公報がない――有権者から見てこんな非常識な実態が、次々回(平成23年)からやっと改められる手がかりが、3党合意で勝ち取られた。
民主党県議団は今議会に向けて、全国32都道府県や県内のほとんどの市で発行されている選挙公報を発行するための条例提案を準備してきた。しかし、自公両党は「議案提案は全会一致の慣例」と独自提案そのものに強く抵抗し、先送りを主張。理由は「特例が10選挙区もある次回は行政区と選挙区がずれて、配布事務が煩雑になる」などだが、ホンネは「新人に有利なだけ」とベテラン現職の自己保身もちらつく。
議運理事会を舞台にした激しいやり取りを通じ、結局議長が「改選後の議会の特別委に付議し、3党の団長が『平成23年選挙での発行に向けて、前向きに議論する』と合意した」と報告して収拾。来年県議選での発行は見送られたが、民主党は今後も、インターネットの活用なども含め、有権者本位の選挙改革に積極的に取り組む方針だ。
【議員定数】 民主=最大4減を譲らず 自公=党利党略で2減強行
行政改革や市町村合併により議員数の削減が課題となる中、議員定数を議論してきた県議会の特別委員会は、自民・公明による2減案と民主党の4減案が対立してまとまらず。両案を本会議で採決した結果、新城市と南・北設楽を合区して定数を1に、名古屋市千種区を定数3から2にして総定数を104とする「2減」が決まった。
民主党の主張は、@選挙区特例との関係から今回最大の削減幅である4減(名古屋市内は南、千種、北の各区を1減)とすべきA南区より人口の多い千種区だけを、3から2とする自公案は極めて不合理で、千種区民の理解を得られない、というもの。この民主党の条例案は否決となったが、愛知県議会で単独会派による条例提案は32年ぶりだった。
【県大夜間部廃止】 勤労学生を「切り捨て御免」でよいか?
県が3月に決めた県立3大学の改革基本方針で、『県立大学の夜間主コースを平成21年度から募集停止』と決定した問題をめぐり、今議会には存続を求める県大教員やOBなど1万名の署名と請願が提出された。この請願の紹介議員となった民主党は10月4日の総務県民委員会で、「大学側の合意も不十分」、「働きながら安い学費で学べる大学教育の貴重な機会を奪うことになる」と賛同理由を主張したが、自民・公明は「社会人学生が減り、夜間教育の必要性は薄れた」と県側の言い分を鵜呑みにして反対し、賛成少数で不採択となった。
県立3大学は来年4月から、公立大学法人へと移行することが決まっているが、県側には運営予算を増やさないという財政事情があり、学費が半額(年額27万円)に抑えられている夜間学生枠(募集定員180人)が犠牲にされた格好。外国語学部の同コースには、多文化共生社会を目指す社会人の語学教育へのニーズも強まっており、新しい県立大学の在り方にも大きな問題を残している。
2006年6月議会(代表質問) 6月21日
どうする地方分権改革
●政府は、財政再建を優先させ、交付税の大幅削減をもくろんでいる。知事はどう分権を進めるべきと考えるか?
知事 国と地方の税収割合は当面1対1とすべきで、税源移譲は地域偏在性の少ない消費税で行なうべきだ。交付税は地方固有の財源であり、その一方的削減は財政再建の犠牲を地方にしわ寄せするものだ。国の一般会計を通さない「地方共有税」として別会計で扱うよう、強く求めていく。
公共工事の無駄なくせ
●鋼鉄製橋梁工事の談合にメスが入り、一般競争入札拡大などの改善により、落札率が50%台に急落した。公共工事全体の談合を根絶し、税の無駄遣いを徹底して無くすべきだ。名古屋高速道路では、日本一高い料金の引き下げに向けよ。
知事 談合防止のためさらに対応を厳しくし、10月からは電子入札も取り入れる。名古屋高速については、ETC割引の拡充による利用者への還元や渋滞対策、自己対策などに活かすよう指導する。
万博の成果を県民に還元
●「愛・地球博」の成果や教訓を県民に還元すべきだ。会場(長久手、瀬戸)跡地や、様々な環境技術の実用化、環境アセスメント手法の一般化などだ。剰余金129億円はどう分配するのか。
知事 市民万博という形にふさわしく、10億円分はNPOなど市民活動支援に充てたい。万博の理念継承にふさわしい配分について検討委員会で調整している。
医療制度改悪と県の責任
●医療費抑制を主眼とした医療制度改悪が強行され、療養病床数の大幅削減と転換が県の責任となる。医師不足も深刻だ。県内の実態を知事はどう考えるか?
知事 療養病床削減は、実態を踏まえず不十分。全国知事会の代表として5月にも国に改善策を求めてきた。県内の2割の病院から医師不足の声が上がっている。医師会に委託してドクターバンク事業を本年度から始めるとともに、国に抜本対策をは対策を働きかける。
「引きこもり」対策急げ
●アイメンタルスクール事件が起きるまで、県はまったく実態を知らず、若者の引きこもり対策も無策だった。対応を急ぐべきだ。
知事 これまでの県のひきこもり対策や、民間団体との連携は不十分だったと反省している。7月から全保健所に相談窓口をつくり、民間を含む関係機関で協議会を立ち上げ、支援ネットワークを作る。
県大の夜間なぜ廃止する
●県立3大学の改革計画を3月に発表したが、県大の「夜間主コース」の募集停止をどういう理由で決めたのか。
知事 県立大学の夜間教育は大きな役割を果たしてきたが、環境の変化で社会人、勤労学生の入学者が減り、必要性が低下した。限られた教育資源を有効活用する観点で、学部・学科の再編や大学院の充実などで魅力アップを図っていきたい。
駐車違反取締りはきめ細かく
●6月から駐車違反取締りが強化され、民間監視員制度も名古屋市内から始まったが、きめ細かい対策が必要ではないか?
警察本部長 運送業者には、繁華街に荷捌き用の専用ベイやパーキングメーターを設置したり、障害者などの福祉車両には申請があれば駐車禁止除外の取り扱いをするなど、駐車取締りにの円滑化、適正化に努力していく。
2006年2月議会
☆3月2日 本会議 一般質問(午後2番目)
【ポイント1】県の「新しい政策の指針」は総花的で新味に欠ける。民主のビジョンで強調する「人づくり=人的資源立県」の視点が弱いのではないか?
神田知事が、3期目を目指してポスト万博のビジョン(新しい政策の指針)を発表、3月中に決定する。民主党はこれに対抗して「持続する愛知――人的資源立県への大胆な改革」を2月に発表した。自民も同様のビジョンを準備しているようだが、まだまとまっていない。この議会で民主が先に出し、知事の「指針」と比べることで、来年の知事選、県議選への「先手」をとろうという狙い。
知事は「人づくりは、『指針』でも重視している」「『格差』が拡大しすぎることは好ましくない」と認めたが、民主党の提言への評価はなし。多数派自民の目を気にしすぎか?3期目に意欲あるのなら、いささかリーダーシップが物足りない。
【ポイント2】障害者自立支援法が成立したが、障害者の就労は極めて厳しい。県はどう実効ある対策を採るのか?
小泉改革がもたらした「格差」の象徴的問題として、「障害者自立支援」がある。愛知県の障害者雇用率は、個々2,3年全国平均より下がった。雇用全体の状況は改善されたが、障害者は置いていかれている。2年前、高木の質問が契機となり、県の入札や物品調達で「障害者雇用優良企業」を優遇する制度を導入したが、成果はまだまだ。もっと県が率先垂範して障害者の雇用の場を作り出す努力せよ、と迫る。
健康福祉部と産業労働部が、答弁をめぐっていつもながらの縦割り行政の弱さを露呈。授産所、作業所から本格的就労への道は遠い。知事は「訓練が大事。在宅就労(パソコン活用のテレワーク)を進める新事業を始める」とフォローするが、これまたひ弱だ。圧倒的な企業の合理化圧力の壁に対して、県の積極姿勢が望まれる。
【ポイント3】県営住宅の競争率が上がっている。新規供給は増えず、建て替えも遅々として進まない。総合的な公的住宅プランが必要ではないか?
格差の広がり、貧困率の増加は、県営住宅の競争率が年々上がっていることに端的に現れている。供給量を増やすため、民間の住宅ストックの活用や、PFI手法が必要ではないか、と提起したが、これまた「住生活基本法」など国の政策待ち。わずかな成果は、ホームレスと子育て世帯に入居優先枠を設けたこと。今後、本格的に「住宅福祉としての公的住宅の在りかた」を追求していきたい。
☆3月8日(水)本会議 議案質疑(午後3番目)
【ポイント】PSEマークのない中古電気製品が4月から販売できなくなり、大量のゴミとなる恐れがある。県が進める「循環型社会形成推進」と逆行する。国に物申すべきではないか?
この私の質問以降、リサイクル業者や音楽愛好家らが署名や要望書を出し、大騒ぎになった。「製品の安全」のためという電気用品安全法の適用を、中古業者にも拡大した経済産業省の明らかなミスだ。県の産業保安課が取り締まり責任を負わされており、国に黙って従っている場合ではないが、国に対して、まだまだ弱腰だ。環境部長は「再使用はできなくても、廃家電製品からリサイクル資材を取り出せる」などと苦しい言い訳。まだ使える(危険性が高いとは思えない)電気製品が買い取りも、販売もできなくなるのは「もったいない」ではないかと聞いているのに。
2005年6月県議会 【6月24日】 一般質問(高木ひろし)
6月議会は、「指定管理者制度」の県施設への本格的導入の条例案が最大のテーマ。行政改革の発展形として、外郭団体への「任意委託」から、民間事業者との競争による「指定管理者」選定により、県民サービスの向上や行政コスト削減を図ろうとするものだが、本当に公正な形でそれが貫けるのか、が論点だ。このほか、熊本地裁判決4周年を迎えたハンセン病患者・元患者らの社会復帰、人権回復の課題と、底知れぬ広がりを見せる橋梁談合事件への対応を県当局に問いただした。
@ハンセン病療養所入所者の社会復帰のために
Q らい予防法が廃止されて9年経つが、全国15箇所のハンセン病療養所に依然として3300人の年老いた元患者がとどまっている。引き取り手のない何万という遺骨が療養所内にはある。この間に社会復帰した方は全国で140人だ。愛知県出身の各療養所入所者と、療養所を退所し愛知県に帰ってこられた方の状況は?
【答弁】健康福祉部長 長島愛生園66名、駿河療養所36名、多磨全生園5名、ほかの6療養所17名、計144名です。平成8年の法廃止以降では、本県出身で9名の方が社会復帰、このうち愛知県への社会復帰は計5名です。
Q 3月に「ハンセン病問題に関する検証会議」の最終報告書が公表された。膨大なハンセン病に関わる歴史資料を分析し、841名にも上る患者・元患者とその家族への面接調査などによって被害の実態を解明し、再発防止と人権被害回復に向けた提言をまとめている。弁護士でもある神田知事はこの「ハンセン病問題検証会議の最終報告書」について、どのような感想をお持ちになったか。
【答弁】神田知事 報告書ではハンセン病の隔離政策がなぜこれほど長く維持されたのか、行政や医学のみならず、法曹やマスメディアや教育など各界の関わりに及んでその理由を分析しています。私自身、法曹界に身をおいていた当時にはハンセン病の問題に意識もなかったことを反省します。こうした無関心こそが、差別や偏見を温存してきたのです。療養所の皆さんから直接ご要望を聞きましたが、もっとも求めておられるのは偏見をなくす啓発です。県はこの点、十分力を入れていきたい。
Q ハンセン病療養所入所者の社会復帰の条件を整え、ふるさと愛知へ帰ってきていただくために、県としては医療や住宅などの面でどのような対応をしようとしているのか。
【答弁】健康福祉部長 今回の検証会議の提言でも、社会復帰のための環境整備と受け皿づくりが不十分と指摘されている。入所者、既に社会復帰された方からも具体的な対策について意見・要望を聞いて環境整備を進める。全ての入所者と個別面談の機会を設け意向確認に努める。社会復帰の意向があった場合は、療養所の医療ソーシャルワーカーや関係機関・団体の協力を得て、本人の希望に沿って対応する。
A鋼鉄製橋梁の談合、県はどう対応?
Q 公正取引委員会は、国土交通省発注の鋼鉄製橋梁工事で長期にわたる談合が行われていたとして、有力メーカー26社を刑事告発し、現在その捜査が続けられている。その捜査は道路公団(JH)発注の工事にも及んでいる模様で、3500億円に上る鋼鉄製橋梁の公共工事全体が、業界ぐるみの談合組織によって取り仕切られていた。
談合が無く公正に競争が行われれば入札価格は2割近く下がるといわれ、年間数百億円にも上る税金が不当に支払われたことになる。今回の談合事件の特徴は官庁・公団の幹部OBがその仕切り役となって極めて組織的に行われていたことだ。
愛知県建設部が直接発注した鋼鉄製橋梁工事の件数と総契約金額、落札率はいくらか?名古屋高速道路公社についてもどうか?
また、県は、告発、起訴された26社の落札工事についてどのように処置しようとされるのか?
【答弁】建設部長 平成12年から16年10月までの県発注の鋼鉄製橋梁工事は253件、総契約金額にして349億円。平均落札率は96.7%だった。名高速については106件で、1256億円。落札率は12年が97.4%、16年は91.3%だった。(質問者注:16年12月発注分含む)。談合を告発された企業については5ヶ月ないし8ヶ月の指名停止処分とし、県発注工事で談合が確認されれば、契約金額の10%を損害賠償請求する。
Q 国においては談合組織に加わっていた橋梁メーカー47社に、国土交通省OB197人が天下り、内27人が役員に就任していた。 これらの橋梁メーカーに再就職した県建設部OBがいらっしゃるのか?
【答弁】建設部長 47社の橋梁メーカーに再就職している建設部職員OBは現在、4名いる。
Q 本県においては2001年(平成13年)に、入札監視委員会から、「入札・契約制度の改善について」という提言を受け、談合根絶に向けた改革を進めてきたはずであります。以後3年経つが、改革の成果はどのように現れてきているか?
落札率はどれぐらい下がっているのか?
なお、名古屋高速道路については、今後も清洲線、東海線など大型工事を控えている。談合が防げるよう、県はどのように公社を指導されるのか?
【答弁】建設部長 公募型指名競争入札を段階的に拡大し、16年度からは1億5000万円以上の工事で行い、電子入札も18年度県内市町村と共同で導入できるよう準備している。平均落札率は12年度の97.1%から16年度の95.5%に下がり、成果が現れている。名高速についても県と同様に、談合防止に努力する。
B指定管理者制度導入条例について
Q 指定管理者制度導入の条例案では、すべての県施設の中から99施設と県営住宅302団地を、公募を原則とする指定管理者制度の対象とした。
女性総合センター(ウィルあいち)、弥富野鳥園、県営住宅などの施設のほとんどは、公社など県関係団体が現在まで委託管理を担当している。これら団体が民間事業者との競争に耐えうるような行革が進んできているのか?
【答弁】総務部長 第3次行革大綱に基づき、県関係団体の統廃合を進め、職員数で20%、補助金総額でも20%を削減してきた。経営評価や経営改善計画も策定し、着実に実施してきている。
Q 公募において、選定基準と選定プロセスの公正さと客観性、透明性が十分に担保されなければなりません。どのような選定委員会の構成をお考えなのか?
【答弁】総務部長 選定はまず各部局で実務的、専門的な審査をしたうえ、数名で構成する「選定委員会」で最終選定を行なう。選定委員会は公正中立、透明性を確保するため、民間の会計や法律専門家を加えたい。
★高校奨学金の学力要件を撤廃(2004年12月議会)
民主党や部落解放県共闘会議などが求めてきた高校奨学金の成績条項撤廃が、9月県議会の条例改正で実現した。四人世帯で年収630万円までの家庭の生徒は、中学の成績に関わらずすべてが対象となる。経済的理由で高校進学が困難になる生徒が増えるなか、この奨学金改革は画期的な成果だ。
貸与される奨学金の月額は、私学で3万円または1万1千円。公立で1万8千円または1万1千円(選択)。無利子で、生徒が卒業、就職してから長期返済すればよい。中学3年生を対象に、この十月から各中学校で予約採用が始まる予定だ。
これまでの高校奨学金で最も利用者が多かったのは日本育英会奨学金だったが、中学の成績が5段階評価で平均3・5以上(上位3割)の生徒しか対象とならなかった。三年前から国庫補助事業で成績に関係のない高校奨学金が始まったが、「生活保護基準の1・5倍以下」という厳しい所得条件のため利用が少なかった。
愛知県はこの九月議会の条例改正でこの二つの制度を統合し、四人家族で年収630万円程度という一番多い所得階層をカバーする一方、成績の条件をなくす新奨学金を創設することにした。
★名高速が2月から「ETC2割引」始める
万博の団体バスも4割引
値上げに強い批判を浴びている名古屋高速道路は12月末、路線バスや愛知万博の駐車場シャトルバスや団体バスの通行料を4割引とするほか、ETC導入促進策として回数券割引に匹敵する18.8%の割引を2月から実施することを発表した。
名古屋高速道路は経費節減と渋滞緩和を狙って、ETC(自動料金収受装置)ゲートの増設、専用化を急ピッチで進めているが、回数券(100回券)の割引率が18.8%であったのに対し、ETCでは5万円前納でも13.8%しかなく、ETC導入メリットがないと批判されてきた。今回の割引は、その差額5.8%分を名高速が上積みすることにしたもの。これにより現在まだ2割程度のETC普及が加速する効果が期待されている。
また、吹上東出口を利用したUターン利用を無料にする乗り継ぎ(ETC車のみ)も同時に実施する。これは通行量が少ない東西の中央線(万場線)を活用して、環状線の渋滞個所を回避できるようにする新サービスだ。
監査機能の強化めぐり、知事に再質問(2004年6月16日、高木議員代表質問)
Q.本県経済の現状と県民生活について
名古屋、愛知の経済の活況が、最近、マスコミで取り上げられ、大きな注目を集めているが、企業収益好転の背景には高い輸出依存度の一方で、合理化による労働コストや下請けコストの削減が厳しく、県民生活、国内消費の回復に支えられた経済の好循環にはなっていない。
知事は、本県経済の現況をどのようにとらえているのか、また、県民生活の実感が伴うような景気の回復にどう結びつけていくべきなのか。
また、「アフター5」ともいわれる、二○○五年「愛・地球博」以降のこの愛知が、その成果を生かしてどう持続的発展へと結びつけるビジョンを描いておられるのか。
知事 確かに全体としては、改善の動きが続いている。しかし中小企業の回復は遅れており、年功序列型の賃金体系見直しや、パート化などの構造調整も進んでいて、所得や雇用の上昇に結びついていない。県としては中小企業の新事業展開への支援や新たな雇用機会の創出などに務め、県民生活の向上を図っていきたい。
2005年以降の県のビジョンは、「新しい政策の指針」として現在策定中だが、モノづくりを中心とする「産業活性化計画」や、「雇用創出プラン」そして、「国際交流大都市圏構想」の具体化を柱にと考えている。
Q.いわゆる「三位一体の改革」の進め方について
国から地方への税財源の移譲は、昨年一年の経過を振り返る限り全く看板倒れ。地方の財政実態を無視した地方交付税の大幅な削減など、「国の財政再建が優先され、地方分権推進のための改革には程遠い内容」だ。分権自治の拡大に結びつく補助金改革とは、具体的な各論が大事だ。一方、2.5兆円の義務教育費国庫負担をどうするかが、今年度の焦点。教育水準の格差や水準低下につながるような扱いは避けるべきである。
知事は、昨年の国の対応の問題点を踏まえ、今年度は県としてどのような補助金改革と税源移譲に向けた活動を展開されるつもりなのか、また、「交付税改革」についてはどうあるべきと考えるか。
知事 補助金改革と税源移譲は、地方の自主性の拡大こそ目的だ。たとえば、NPO法人が保育所の施設整備補助金の対象外とされるなど、実態と乖離し、使い勝手が良くない補助金が多くある。義務教育費国庫負担については、わが国の教育の根幹にかかわるもので、十分な議論が必要で、まず、地方の足並みをそろえることが大事だ。
交付税は、教育、福祉など国が法令で一定の行政サービス水準の確保を求めている以上、この機能の堅持が必要。地方団体の財政運営や住民サービスに及ぼす影響を十分議論したうえで、改革が行なわれる必要がある。
Q.市町村合併について
本県の市町村合併は、10の地域で法定合併協議会が設置され、真剣な議論が進んでいると理解しているが、このたび、現行法の一年延長と、知事による合併構想とその構想地域に対する勧告権限が盛り込まれた「市町村の合併の特例等に関する法律」が国会で成立した。
知事は、現在の県内の市町村合併の進捗状況をどのように評価し、合併の見込みをどのように認識しているか、また、合併新法のもとで、残る55市町村の合併促進に向けて、知事はどのようにイニシアチブを発揮されるか。
知事 合併協議会のある地域では、格差はあるものの、論議の盛り上がりを肌で感じている。合併新法のもとでも、引き続き全力をあげ支援する。
Q.県の行政改革の更なる前進に向けて
1)名古屋高速道路公社について
民主党愛知県議員団は、行政改革を徹底させる立場から、昨年一年、県の外郭・関係団体の総点検作業に取り組んできた。名古屋高速道路公社に関しては、料金改定問題とからんで改革の考え方を提起したつもりだ。
知事は、名古屋高速道路公社事業の根拠となる平成十二年改定の現整備計画の変更を、どのような考え方で進め、いつ議会に提起されようとしているのか、明らかにしていただきたい。
知事 名古屋高速の現在の整備計画は、全体延長81.2km、完成年度17年度、概算事業費は1兆7000億円となっており、早急に見直しが必要と考えている。事業費は、環境対策費など追加もあるが、建設コストの縮減もある。料金を750円で維持することなどを含め、計画の見直しを進め、9月議会には提案する。
2)県関係団体の経営改善計画について
県は、名古屋高速道路公社を含む21の県関係団体について、外部の監査法人による経営評価を行い、これを受けた各団体からの経営改善計画が一応出揃っている。知事は、県が出資したり、職員を派遣したり、業務を継続的に委託したりしているこれら関係団体の経営改善計画をどのように評価しておられるのか。
知事 各団体の経営改善計画には、施設の利用率向上や支出削減のための具体的数値目標や、人事・給与制度の見直しも含んでおり、自主性・自立性を重視した経営を目指すものと評価している。この着実な実行を図りつつ、更なる経営改善を求めていきたい。
3)県の監査機能強化について
平成11年度から、包括外部監査が行われているが、これは従来の監査委員による監査だけでは不十分との認識に基づくもの。今後、地方分権の進展に伴い、自治体独自の監査機能の確立がより厳しく求められてくる。
先の5月臨時議会では、県監査委員4名のうち、議員から選任する2名について知事から提案があったが、県の監査機能を一層充実強化するために、2名の議員がいずれも自民党ということは望ましくないと判断し、民主党愛知県議員団は同意しなかった。
知事は、地方分権を進める上で求められる県の監査機能充実・強化について、どのような考えをお持ちか。また、また、2名の議員選出監査委員は同一会派に偏るべきでないという民主党の提案について、どのように受け止められたのか。
知事 監査制度については、行政運営全般に対する「行政監査制度」や外部監査が導入され、県民の県政に対する信頼向上のため重要だと考えている。議員から選ぶ監査委員については、議員はそれぞれ所属会派に関わらずふさわしい資格を備えており、今回は複数の会派から(3名の)推薦が出たため、大変苦慮したところである。私としては、議会の議決案件であることからその同意の可能性も考慮して提案した。
★知事が私たちのこうした反対を押し切って監査委員に選任した自民党2議員のうちの一人、結城秀治氏は7月末、衆議院選挙の選挙違反で逮捕、辞職した。8月17日にはこの後任監査委員を選ぶ臨時議会を開かざるを得ない展開となり、知事の政治責任が厳しく問われる結果となった。
Q.NPOとの協働促進について
これからの県行政のあるべき姿について、知事は「市民との連携・NPOとの協働」の必要性を強調してこられたが、このたび「あいち協働ルールブック2004」を公表した。知事は、この意義をどのように考え、具体的に県がNPOとの協働をどのような姿、どのようなレベルに引き上げていこうとされているのか。
知事 地域のさまざまなニーズに行政が応えていくために、NPOとの協働は時代の要請だ。今回、全国に先駆けて、そうした協働のルールを同意できたことは大きな意義がある。今後はルールブックに基づき、NPOとのよりよき協働の拡大を図り、地域づくりにつなげていきたい。
Q.「環境先進県・あいち」をめざす上での諸課題について
1)産業廃棄物対策について
この3月、岐阜市内の山林に膨大な量の産業廃棄物が不法に積み上げられていた事件が報じられ、本県でも大きな関心を呼んでいる。本県においても、「産廃の山」が現存し、うち16か所は業者の倒産や死亡等により、撤去が全く進んでいないと聞いている。
知事は、昨年新たに制定した「廃棄物の適正な処理の促進に関する条例」などを有効に機能させながら、どのように、こうした産廃の不法投棄や不適正な保管を防止し、また解決すべきとお考えなのか、伺う。
知事 撤去が進んでいない16箇所については、行為者の告発も視野に入れ、厳しく対応していく。今後はこのような不適正処理が生じないよう、「廃棄物の適正な処理に関する県条例」の土地所有者や排出事業者の義務規定を活かし、防止に努めたい。警察や市町村と連携した監視パトロールや通報体制の整備にも努める。
2)自動車排ガスによる大気汚染改善策について
自動車NOx・PM法が一昨年十月から施行され、県内六十一市町村の対策地域で車種規制が始まったが、「車庫とばし」や規制地域外への登録変更などによる規制逃れの動きや、県外からのトラックの流入増などから、大気汚染防止効果が本当に上がるのかという疑問の声が出ている。
首都圏での登録から七年以上経過したディーゼル車の運行全面禁止や兵庫県での条例に基づく阪神東南部地域乗り入れ運行規制の開始の動きがある中で、本県だけが、規制を免れた他県の大型トラック・バスの自由な運行を容認していてよいとは思えない。
「あいち新世紀自動車環境戦略」という先進的な方針をいち早く打ち出した愛知県として、自動車NOx・PM法に基づく車種規制に加え、被害が最も深刻な二十三号線などの地域を指定した独自の運行規制を早急に条例化すべきと考えるが、知事の所見を伺う。
知事 国道23号などにおける二酸化窒素や浮遊粒子状物質の環境基準を早期に達成できるよう、エコカーの大量普及や自動車NOx・PM法による車種規制などの総合的対策を推進している。
自動車環境戦略特別チームにおいて、地域の実情を踏まえた大型車の走行車線の制限や、信号制御の最適化などの改善方法を導入した場合の効果の検討を進めている。国が実施する伊勢湾岸自動車道を活用した国道23号線の交通渋滞緩和などに向けた社会実験にも協力していく。走行規制については今後の課題としたい。
Q.徳山ダムの事業費負担について
国土交通省は、水資源機構が建設中の徳山ダムの事業費が増えたとして、利水、治水、発電の用途割合を大幅に変更して、新たな負担を岐阜県、愛知県、三重県と名古屋市に求めてきている。本県は水道用水として確保していた利水量を4割返上し減らしたにもかかわらず、49億円もの追加負担を迫られている。
知事は、徳山ダム建設にかかわる県の負担額についてどのように判断され、対処されるおつもりなのか。
また、こうした長い年月と巨額の費用を要する公共事業の進め方について、今回の徳山ダムの経過からどのような教訓、反省を汲み取っておられるのか。
知事 県の負担額については、中部地方整備局に対して算定根拠の開示を求め、内容の精査・検討を勧めてきた。本県が負担するのは、利水と治水のうち渇水対策となる。利水については関係県市の減少比率に応じて負担割合を公平に減少するものとなっている。治水は本県が主として取水する木曽川へ渇水対策容量の大半が補給されることが明確化されることにあわせ、受益と負担の公平性の観点から算定されたものだ。これによって平成6年のような異常渇水状況にも対応することができる。
このように国の提示した負担額は理解できるもので、近々、3県1市で最終的合意を図りたい。
この度の徳山ダムの事業費の増額は唐突であり、経過や理由に対する情報公開と説明は不十分だったことは否めない。こうした公共事業の推進にあたっては、さまざまな状況変化に適時的確な計画の見直しを行なうとともに、十分な透明性を確保することが重要な教訓だと考えている。
Q.安全なまちづくりー防犯対策について
平成15年中に県内で発生した刑法犯は、22万5000余件、自動車盗の発生件数は依然として全国ワースト1など、県内の治安回復は厳しい事態が続いている。全国の警察では捜査費などの不正経理や裏金作りが発覚し、警察に対する市民の視線は極めて厳しい。
県民の身近で発生する街頭犯罪や侵入犯罪を減少させ、まちの安全と安心を確保するため、どのように取り組まれるのか、このたび着任された警察本部長に所信を伺う。
警察本部長 街頭犯罪や侵入犯罪の抑止・検挙に向けて、昨秋以降、特に対策本部を作り、組織を挙げて取り組んでいる。また、暴力団や外国人犯罪者集団らによる組織犯罪、暴走族などの非行集団対策についても重点的な取締りを推進している。4月に施行された「安全な街づくり条例」に基づき、県民、行政、警察が一体となって取り組んでいきたい。
《再質問》 監査委員選任に関して再度問う。民主党が知事提案に反対したのは今回が始めてであり、重く受け止めてもらいたい。議員から選ぶ2名の監査委員は、別の会派であるほうがより多角的で、客観的な監査機能の強化が期待できるという私たちの提案に、知事は答えていない。あと2年度、計4人の監査委員を知事は選任することになるが、今後の選任に当たってはどのような考え方で臨むのか?
知事 監査委員が同一会派でなければならないとは考えていない。今後の選任については、いま答えることはできない。
【評価】◎補助金改革と税源移譲に向けた愛知県の取組みは具体的で、評価できる。今年度の焦点である「義務教育費」についての答弁は微妙な言い回しだが、国の削減への充分な警戒感と地方の意見をまとめようとする意欲は、買える。
○名古屋高速公社改革問題は、民主党県議団が昨年来、特に力を入れてきたテーマで、知事が9月に「整備計画」の全面見直しに言及した以上、これからが正念場となる。
▲監査委員に知事が自民議員2名を選任した問題では、分権の中で県の監査機能の強化についての認識を問うたが、知事答弁に意気込みは感じられない。あいかわらず、自民党を中心とした議会運営に安住する姿勢で、極めて残念だ。異例の再質問で、民主党の意図を再度強調し知事に迫ったことの意義は小さくないと思う。今後さらに、自民党との緊張感ある議会論戦を心がけたい。
△大気汚染改善策については、知事の看板のひとつである「新世紀自動車環境戦略」にかかわるテーマだけに、もっと積極的な姿勢を見せて欲しかった。NOx・PM法の規制地域となった県内トラック業者も大変な状況にあり、、小手先の策だけで済ますわけにはいかない。
△徳山ダム事業費は、今議会の論議の焦点だ。知事は結局数百億円の県負担にOKを出したが、導水路事業はこれからで、この巨額負担を県予算や水道会計でどう吸収するか、今後に問題を残した。国を相手に、ダムなどの大型公共事業の進め方を正面から論じることもなかった。愛知万博計画については、新住事業の中止、自然を守る会場の変更・規模の縮小など大胆な見直しをやり遂げた知事だったが、残念だ。(高木記)
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