ジャンル恋愛小説長編   メールマガジン『サウダージ』連載作品 (vol.39〜53掲載)
Title:    HEART BEAT  
      −takamura4部作:第3部− 
連載日時2001年2月23〜4月13日
●  ストーリー  ●
『奇妙な夏の物語』から1年・・・。
細やかながらも幸福な時間を過ごす「僕」たち。
そしてある出来事を機に意外な方向へと向かい始める・・・。
あの頃の「僕」たちが探し続けた“きらめき”はいったい、どこへ埋もれてしまったのだろう・・・?
友情と同情と愛情のトライアングルが今、奇妙な音を立てて響き始める。
そして開かれた『間違った地図』の上での旅が今、始まろうとしていた。

1995年11月に執筆された、紙上未発表作品のリニューアル版。
●著者のひとこと●
 この物語は、1994年の秋頃から執筆を始めて、そして実に1年という歳月を費やして完成したという、圧倒的なヴォリュームを持つ作品です。舞台に登場する人物はみな、『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』そして『SHAME』と同じであることから、takamura4部作の第3部としての位置付けを有しています。この物語の幕開けは、細やかながらも幸福に包まれていました。しかし「僕」の親友である勇祐の自死によって、「僕」たちは『間違った地図』の上での旅が始まります。「何も変わりたくない」と願う「僕」。それでも世界は動き続け、そんな世界の流れの中で自分を見失い、そして変わってゆく自己を認めざるを得ない「僕」。
 そして一連の物語の転換点となった勇祐の自死。恐らく読者のみなさんが最も注目する彼の行動のその理由は果たして何だったのか? 
 僕はそこに「終わり行く青春」の象徴を持たせました。「青春」という言葉には明るく希望に溢れる若々しいイメージがあると思います。しかし僕はここではその逆の意味を持たせました。もし仮に、青春が挫折という精神の屈折によって彩られるものだとするならば、それは見た目に現れた純粋性に対する諦念や、志を曲げての社会への順応ということではなく、1人の人間の心の奥深いところで何かが失われ、そしてそこに残った空洞を最後まで埋めることが出来ない精神の在り様だと考えました。そして理想の自分に現実の自分が追い付けなくなった時、彼の選ぶ道は1つしか残されていなかったのでしょう。そしてそれからの「僕」たちはそれぞれに、『間違った地図』での旅を始めます。
 この『間違った地図』とは一体何なのか? 時として人は、全く想像もしていない人との恋愛状態に陥るコトがあると思います。本人の心では全く別の人を想っていても、周囲の状況や成り行きで本人の想いとは別の方向へと進んでゆく。それを僕は悪いコトだとは言いません。しかしその旅が終わった時、一体何が待ち受けているのか? そして一体何が残るのか? 
 この物語を描き始めた頃、僕は『間違った地図』を広げて、そしてその地図の上での旅を始めました。そしてその旅が終わりを迎えた時、そこに残されたものは限りない喪失と、残酷な時間だけでした。
 そんな状況の下で描かれたこの作品には、当時の僕の心境と感情の変化が大きく影響していると思います。また僕は「物事には入り口と出口がなければならない」と思います。そしてこの物語の中でも、登場人物たちには形はどうあれ、それぞれの「新しい居場所」(出口)を見つけていきます。そしてそんな出口の中にも、「新しい未来」や「過去への回帰」という、正に青春というイメージがぴったりなものが用意されています。
 長くなりましたが最後に、この物語は僕の「終わり行く青春という名の時代」に捧げる作品でもあります。
 なお、「オンライン版」に挿入しました写真(一部除く)は、YUKAさまより頂きました。


●登場曲目紹介 ●  登場曲の解説はこちら
『SATURDAY IN THE PARK』 By Chicago
『Jumping With The Symphony Sid』 By Stan Getz
『恋とはどんなものかしら』 By Bill Evans
『THE DAYS OF WINE AND ROSES』 By Bill Evans
『STARDUST』 By John Coltrane
『Kind of Blue』 By Miles Davis
『the sun doesn't shine forever』 By DURAN DURAN
『Intermezzo』 By Johannes Brahms
『The Nyron Curtain』 By Billy Joel
『Good Night Saigon』 By Billy Joel
『HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN?』 By CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL(C.C.R.)
『change of heart』 By Cindy Lauper
『Something in Blue』 By Thelonious Monk
『White Christmas』 By Bing Crosby
『TIME AFTER TIME』 By John Coltrane
『As Time Goes By』 By Henry Mancini
『Dear Heart』 By Henry Mancini
『A CHRISTMAS LOVE SONG』 By THE MANHATTAN TRANSFER

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