| ジャンル:恋愛小説長編 メールマガジン『サウダージ』連載作品 (vol98〜121掲載) |
| Title:Love Can Go The Distance |
| 連載日時:2002年2月15日〜7月19日 |
| ● ストーリー ● 偶然に扉を叩いたバーで「僕」は聞き覚えのある名前と見覚えのある笑顔に再会する。 それはあの頃、「僕」を唯一の親友と呼んでくれた高坂の恋人だった。 幾重にも折り重なった偶然は、必然へとその姿を変えるのか? やがて「僕」は彼女の笑顔に隠された影に気付く・・・。 互いの距離がどんなに離れてしまっていても、想いはそれを乗り越えられるのか・・・? 2002年2月に執筆された書き下ろし長編。 |
| ●著者のひとこと● まず始めに、この物語は2002年の1月に描かれたショートショート、『Love Can Go The Distance』をベースに、それの裏ヴァージョンという意味合いで描いた物語です。SSの方だと明らかに主人公は女の娘であり、彼女の視線から描かれた世界だったのですが、小説として描いたのはそんな女の娘に想い寄せる男の子の視線で描いてみました。根底にあるテーマは同一なのだけれど、視線が異なることによって、それはまったく違った雰囲気を持つものになったと僕は思っています。この物語を描くにあたって僕がその主題としたもの、それは相手を想い続ける気持ちはどんな距離でも乗り越えられるという、タイトルそのものです。幸か不幸か、恐らくは幸いに違いないのだろうけれど、僕はこれまでの短い人生の中で、この物語のヒロインである真帆のような経験をしたことはありません。それでも恋が最高潮の時に、神様の悪戯によって引き裂かれてしまうことを想像すると、とても心が切り刻まれるような、そんな思いが溢れてきました。もちろん、それは頭の中での想像だけなので、実際はその何倍もの痛み、哀しみ、苦しみに包まれるでしょうけれど。そしてそれら全ての感情は、幸せの最高潮だった頃へと独りでに己を回帰させてゆくのだと思います。それはもちろん感情だけではなくて、共通の知人との再会であったり、音楽であったり、場所や景色であったりと、過去へと通じる扉の鍵は何処にでも落ちているのだと思います。 この物語は、描いた僕は言うのも何なのだけれど、実に曖昧で中途半端な幕切れで終わりを迎えます。最後にヒロインは何を伝えようとしたのか? そして何を言ったのか・・・? それら全ての疑問はこの物語をお読み下さった読者のみなさまのご想像にお任せします。恐らく、happy endで終わる人もいれば、bad endで終わる人もいると思います。それでも僕は良いと思っています。それに僕は、こういう終わり方をさせなかったら、何処にも、そして誰にも救いがないと感じていたからであり、こういう終わらせ方で主人公もヒロインも、場合によっては救われるのではないかと思っているからです。ただひとつ断っておきたいのは、happy endな終わらせ方を想像したからと言って、彼らが救われるワケではないということです。何を持って彼らが救われるのか? それは結果ではなくて、この類の自由度の高い幕切れを用意したことによってのみ、救われるのだと僕は思っています。 最後に、この物語の中で僕はある試みを施しています。それは冒頭の部分で主人公とヒロインが再会するシーンです。主人公の視線で描かれたこの場面は、以前に僕が描いた物語の中のワンシーンと同一の場面なのです。バーのマスターとなにやら深刻そうな話をする恋人同士らしき2人・・・。僕の物語には主人公とヒロインがバーに立ち寄るシーンが数多く登場してきました。もちろん、大抵の場合、主人公とマスターは顔なじみだったりするので、どの物語とリンクしているのか? 恋人同士らしき2人の名前は? 必然的に明らかになるこの物語のヒロインが仕事をしているバーの名前とそのマスターの名前は、敢えてここでは言明しません。しかし、こうした試みを施したことによって、これまで全てが独立していた僕の作品たちが、もちろん別の登場人物たちが時間的にも空間的にも融合するという初の試みなワケです。 もし、時間的空間的に融合した物語のタイトルと、この物語の主人公の目に映る恋人同士らしき2人の名前、そして店の名前とマスターの名前が分った読者の方は、遠慮なく掲示板にでもご報告ください。とは言っても、何か出るワケではないですが・・・。 ●登場曲目紹介 ● 登場曲の解説はこちら 『Love Can Go The Distance』 By:山下達郎 『Kind of Blue』 By:Miles Davis 『China Girl』 By:David Bowie 『For You』 By:山下達郎 『Desafinade』 By:Stan Getz 『The Girl From Ipanema』 By:Stan Getz 『夕立ち』 By:スガシカオ 『Your Eyes』 By:山下達郎 |