ジャンル恋愛小説短編 メールマガジン『サウダージ』連載作品(GW LIMITED EDITION掲載)
TitleRainy Blue   
連載日時2002年5月5日
●  ストーリー  ●
何も告げずに、まるで幻のように消えてしまった彼。
悲嘆の淵に沈みながら、何もかもを失ってしまった後で気付く想い・・・。
細かな雨に包まれながら「私」が見上げた空には・・・。

2002年5月に書き下ろされたショートストーリー。
●著者のひとこと●
 この物語は、僕自身のまったく個人的な想いから描かれた作品です。ただひとつ断っておきたいのは、この物語はもちろん、その全てがフィクションであるということです。そしてこの物語には、その核心的な風景が描かれていません。物語の中の2人が、どのような経緯でここに描かれている状況になったのか? 本来、ストーリー構成上、最も重要な部分だと思うのですが、敢えてその部分を描いていません。何故、そのようなストーリー上、最も重要な部分を描いていないのか・・・? 読者のみなさまは疑問に思われるでしょう。この物語を描く上で最も僕が危惧したのは、その部分を描いてしまう(文字にしてしまう・言葉にしてしまう)ことによって、全てが嘘っぽくなってしまうことでした。この物語に対する僕の想いはたったひとつしか無く、例えそれをどれだけリアルに文字にしたところで、それはやはり僕の想いを100%再現することは出来ないと思ったからです。まったくの個人的な想いで描く作品として、そしてこれまでになく僕の特別な想いを込める作品ですので、100%な姿として、完全なものを再現出来ない以上は、その部分は描くべきではないと考えました。もちろんそれはストーリークリエイターとしては、甚だ無責任で、かつ投げやりな感も否めません。
 限りなく100%に近いものを描くことは可能だったと、それは今でも思っています。しかし、それを言葉にしてしまうと、その風景には限定的な要素が多分に加わってしまい、ひとつの特定な風景しか存在しなくなってしまいます。だとするならば、やはり100%再現出来ない以上、その特定されてしまった風景は、僕の想いや心境、そして僕の頭の中で描いた風景とは異なってしまうと思います。この物語の中で、著者である僕によって描かれていない部分は、お読みになられた読者のみなさまがさまざまに想像してくださって結構だと思います。
 この物語の終幕で描いた風景には、それがいかなる状況だったとしても「前を向いて、そして何時も自分は自分らしく輝き続けていって欲しい」という、僕なりのメッセージが込められています。そしてこの「いかなる状況だったとしても」という部分において、この物語のストーリー上重要な部分を特定的にしたくはなかった、と言う意味合いも含まれているのですが。
 最後に、この物語は僕の個人的な想いだけで描かれているために、お読み下さった後で、みなさまの心には何も残らないかもしれません。それはこの物語が描かれた特殊な背景を思うと、それは仕方ないことなのかもしれません。この物語は「喪失の物語」であり、そして何より、そこからの「再生への物語」なのですから。
 またこの物語は、僕の100%個人的な作品ではあるけれど、僕を支えてくださっている全ての読者のみなさまへの感謝の意を込めて描いたものです。


●登場曲目紹介 ●  登場曲の解説はこちら
『Rainy Blue』  By:徳永英明


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