ジャンル恋愛小説長編 メールマガジン『サウダージ』連載作品 (vol68〜87掲載)
Titlewater color   
連載日時2001年7月13日〜11月23日
●  ストーリー  ●
新しい夏が街に訪れる頃、「僕」の奇妙な物語の幕が上がる。
大学の研究室で知り合った香弥・・・。
「海や雨や涙に色があるとしたら、それは何色なの?」
香弥が言ったその言葉は「僕」の心の片隅に、ずっとずっと残りつづけていた。
彼女のその言葉の本当の意味はいったい・・・?
「僕」と香弥のやり場のない想いは、風になってベイエリアを駆け抜けていく。
そして夏の終わりを告げる花火は、「僕」にそっと恋の終わりを告げていた・・・。

2001年7月に執筆された書き下ろし長編。
●著者のひとこと●
 恋愛に終幕が訪れる時、当事者同士の心の問題とは別に、それとは全く無関係に終わりを迎えるケースもあると思います。どんなに2人の心が強く結びついていたとしても、周囲の外圧によって歪められてしまったり、周囲の冷ややかな態度を2人が乗り越えられなかったり・・・。今回の物語はそういった周囲によって潰されてしまう2人の想いを描いてみました。ある意味でこの物語に登場する2人は、それを乗り越えられる程強くはなかったし、それだけ大人ではなかったのかもしれません。そしてこれまでの僕が描いた物語には見受けられなかったファクターだとも思っています。
 そして更に僕がこの物語で試みたのは、2人の恋に対する感情の変化と季節のリンクです。春に出逢って夏に燃え上がる。そして秋が訪れ、それが深まり、街に氷の風が吹き始める頃・・・、というように、季節の変化にともなって2人の感情にも浮き沈みをつけてみました。そして2人は、幸せに包まれていた夏の夢を、ずっとずっと見続けていたいと願います。窓の外が深まる秋になっても、そして冬の前触れの氷の風が吹き抜ける季節になっても・・・。でも、その夢を見続けたいと思う気持ちが、2人の夢を終わらせてゆきます。そして2人の中であの夏は、忘れるコトの出来ない“永遠の夏”へと変わってゆきます。そして夏が来る度に「僕」たちは、その輝きを失うことのないあの“永遠の夏”を思い出しながら、ゆっくりと大人への階段を上ってゆくのかもしれません。

 最後に余談ですが、この物語の執筆を終えた時、ずいぶんと長い物語だなと思いました。事実、そのヴォリュームはこれまでに僕が描いたどの物語よりも、郡を抜いています。それだけこの物語は僕に描かれるコトを望んでいたのかもしれません。構想を練り始めたのが丁度去年の今ごろ、2000年の11月末から12月の始め頃でした。そして完成したのが今年、2001年の7月です。作者の僕が言うのも何なのだけれど、作家デビューして10年目という節目の年に、これだけの物語を描くコトが出来て、僕自身嬉しく思っています。そしてこれは言い過ぎだし、自画自賛になってしまうのだけれど・・・。『HEART BEAT』と『JASMINE GIRL』が20世紀のtakamura-worksが目指した世界ならば、この物語は21世紀takamura-worksの指針と言うか、目指すべき方向性を示す作品になれば・・・と思っています。


●登場曲目紹介 ●  登場曲の解説はこちら
『シャ・ラ・ラ』  By:SOUTHERN ALL STARS
『夏をあきらめて』  By:SOUTHERN ALL STARS
『栞(しおり)のテーマ』  By:SOUTHERN ALL STARS
『夏が来た!』  By:渡辺美里
『夢で逢えたら』  By:RATS & STAR
『Ya Ya(あの時代(とき)を忘れない)』  By:SOUTHERN ALL STARS
『Yes No』  By:OFF COURES
『YOU』  By:SOUTHERN ALL STARS
『最後の言い訳』  By:徳永英明
『真夏の果実』  By:SOUTHERN ALL STARS
『ONE DAY』  By:桑田佳祐
『Walking in the Rain』  By:尾崎亜美
『ガラス越しに消えた夏』  By:鈴木雅之
『Oh! クラウディア』  By:SOUTHERN ALL STARS

『告白』  By:竹内まりや
『さよなら夏の日』  By:山下達郎

『もう一度』  By:竹内まりや
『SAUDADE〜真冬の蜃気楼〜』  By:SOUTHERN ALL STARS
『トワイライト・アヴェニュー』  By:STARDUST REVUE

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