圏央道工事差し止め訴訟
自然物の原告認めず 地裁八王子支部
読売新聞 2001年3月29日
八王子市の高尾山を貫く圏央道(首都圏中央連絡自動車道)高尾山トンネルの建設などに反対する地元住民ら1060人が国を相手取り、工事の差し止めを求めている民事訴訟で、地裁八王子支部は28日までに、住民側が高尾山や高尾山に住むオオタカ、ムササビなどを原告とする訴えを却下した。同訴訟は今後、原告を住民に限定して続けられる。
原告側は、圏央道工事で生存や、繁殖、生態系の維持を脅かされているとして、自然物の原告に加えていたが、第1回口頭弁論で自然物の原告分を分離。判決では「民事訴訟法、民法などに、自然物の当事者能力を認めた規定はない」などと原告適格を認めなかった。原告団の橋本良仁事務局長(55)は「即時抗告することになるだろう」と話している。
自然物原告却下を原告団が批判
圏央道工事差し止め訴訟読売新聞 2001年3月30日
圏央道(首都圏中央連絡自動車道)高尾山トンネルの建設などに反対する住民らが国に工事差し止めを求めた民事訴訟のうち、高尾山やオオタカ、ムササビなどを原告とする訴えを地裁八王子支部に却下されたのを受けて、原告団は29日、記者会見を開いた。
この中で原告団の関島保雄弁護士は「法に自然物の当事者能力を認める規定がないことを根拠にした形式的な判断。米国では原告として認める判決が出ている」と批判。来週にも東京高裁に控訴し、改めて自然物の原告適格性を争う意向を示した。また、今後も原告を幅広く募り、6月の第2回口頭弁論までに追加提訴する方針も明らかにした。
自然物却下判決に「弁論なく大変遺憾」
住民側が会見
朝日新聞 2001年3月30日
「高尾山天狗裁判」でオオタカなどの自然物5件による訴えを却下した地裁八王子支部の判決について、東京の住民側は29日、八王子市で会見し、「何の弁論もないまま言い渡された判決で、大変遺憾」などとする声明を出した。
声明は「アメリカでは法律の規定がなくても、1970年から裁判所が自然物の訴訟当事者能力を認めている判例が多数ある」と指摘。今回の却下判決について「裁判所がいまだ旧来からの殻を脱却できず、自然物の当事者能力を認めるに至らなかったもの」と述べている。
原告団と弁護団は会見で「住民側の審理には支障はなく、原告の自然保護団体が自然物の代わりを務めていきたい」などと発言。自然物が原告の訴えについて、来週にも控訴する方針を固めた。
裁判では、八王子市内の住民ら1060人と自然保護の6団体が国に首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の建設工事の差し止めを求め、6月25日に第2回口頭弁論が開かれる。
オオタカなど原告の訴え却下
天狗裁判
毎日新聞 2001年3月30日
八王子市の高尾山(標高599m)をトンネルで貫通する首都圏中央連絡道路(圏央道)の建設差し止めを住民らが求めた「天狗裁判」で、東京地裁八王子支部(曽我大三郎裁判長)は29日までに、オオタカなどの5自然物を原告とする訴えを却下した。判決は「民事訴訟の当事者能力で、自然物に当事者能力を認めたと解する規定はない」とした。
会見した弁護団は「原告の主張を十分聞く機会も与えないまま、いきなり却下するのは大変遺憾」とし、控訴する。
自然物を原告とした訴訟にはアマミノクロウサギ(鹿児島地裁で却下)、ムツゴロウ(長崎地裁で係争中)などがある。
自然物の訴え地裁支部が却下
圏央道差し止め訴訟
東京新聞 2001年3月30日
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)建設工事により、建設予定地の自然や景観が破壊されるとして、八王子市の住民ら約1000人が国と日本道路公団を相手取り、同市内での工事差し止めを求めた訴訟で、地裁八王子支部は29日までに、住民側が原告に加えていた高尾山やオオタカ、ムササビなど自然物5件について原稿適格を認めず、訴えを却下した。自然物の訴訟は住民の訴訟と分離して審理されており、住民による訴訟は継続する。
判決理由で曽我大三郎裁判長は「自然物に民事訴訟の当事者能力はなく訴えは不適法」とした。
これに対し、住民側は同日、市内で記者会見し「裁判所は自然物についても実態審理をすべき」として、近く控訴する方針を明らかにした。
自然物の訴え却下
高尾山天狗裁判原告団、控訴へ
しんぶん赤旗 2001年3月30日
高尾山(東京・八王子市)の貴重な自然がトンネル建設で破壊されるとして、高尾山やムササビ、オオタカなど自然を原告に加え、圏央道(首都圏中央連絡道路)トンネルの建設差し止めを国と日本道路公団に求めている「高尾山天狗(てんぐ)裁判」で、東京地裁八王子支部(曽我大三郎裁判長)は29日までに、自然物が原告と却下する判決を出しました。
判決は「自然物に当事者能力を認めた法例はなく、(自然物を原告とした部分は)当事者能力がない者の訴えであり不適法」だとしています。訴訟のうち自然を原告とした部分は、今年1月の第1回口頭弁論で分離されていました。
記者会見で弁護団の関島保雄事務局長は「『法の規定がない』という形式的な理由で却下した不当な判決だ。アメリカでは1970年代に自然を訴訟当事者として認めた例もある」と批判しました。
原告団では、夏には第2次提訴したいとし、来週にも控訴する方向で検討するとしています。