平成13年5月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 萩原英子

平成13年(ネ)第2095号 圏央道工事差止請求控訴事件

(原審 東京地方裁判所八王子支部平成12年(ワ)第2767号)

 

判  決

 

当事者 別紙当事者目録記載のとおり

 

主  文

本件各控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴代理人らの負担とする。

 

事実及び理由

第1 当事者の求めた裁判

1 控訴の趣旨

 (1)原判決を取り消す。

 (2)本件を東京地方裁判所八王子支部に差し戻す。

2 本訴請求の趣旨

 被告訴人らは、控訴人らに対し、東京都八王子市下恩方町北浅川橋梁工事部分から同市南浅川町内インターチェンジ工事部分までの一般国道468号新設工事(一般有料道路「首都圏中央連絡自動車道」新設工事)及びこれに伴う付帯工事(八王子ジャンクション及び八王子南インターチェンジを含む。)をしてはならない。

 

第2 本件事案の概要

 本件訴えは、別紙当事者目録に控訴人として記載された動植物その他のものを当事者(原告)とし、被控訴人らが施工する上記第1の2項記載の工事により上記のものの生存や繁殖、生態系の維持が脅かされているとして、上記のもの生存の権利等に基づき、被控訴人らに対し上記工事の差止めを請求するというものである。

 原審は、自然物には当事者能力は認められず、本件訴えはいずれも不適法で

 そして、本件訴えに係る訴状及び本件控訴に係る控訴状には、自然環境の持つ価値には、人間や自然保護団体の権利や利益に還元できない自然環境そのものが有している部分があり、これは自然そのものが主体となってはじめて主張できるものであって、ここから自然物の生存の権利が派生し、その実定法上の効果として自然の当時者能力が認められるべきであるなどと記載されている。

 

第3 当裁判所の判断

 当裁判所も、別紙原告目録に控訴人として記載された動植物等の自然物は、いずれも当事者能力を有していないものと判断する。すなわち、民事訴訟法28条において、訴訟上の当事者能力は、民事訴訟法、民法その他の法令に従う旨定められているところ、わが国の法令上、上記の自然物について、権利義務の主体たり得ることを認むべき根拠を見出すことはできないし、当事者能力を認めたものと解される規定もない。

 したがって、本件訴えは、いずれも当事者能力を欠く者を当事者として控訴代理人らによって提起された不適法なものであり、これを補正することができないことは明らかである。

 

第4 結論

 よって、原判決は相当であるから、口頭弁論を経ないで本件各控訴をいずれも棄却することとし、主文のとおり判決する。

 

東京高等裁判所 第15民事部

 

裁判長裁判官  近藤 嵩晴

裁判官  宇田川 基

裁判官  加藤 正男

 

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