声  明   地裁判決

高尾山天狗裁判原告団
高尾山天狗裁判弁護団

 

 東京地方裁判所八王子支部民事第2部は、平成13年3月26日、高尾山天狗裁判の内、自然物である高尾山、ムササビ、ブナ、八王子城跡、オオタカについて訴えを却下しました。
 判決の理由は、民事訴訟の当事者となるという当事者能力は、民事訴訟法、民法その他の法令に従って定められるところ、自然物については当事者能力を認めたと解すべき法令の規定はないから、当事者能力を欠く不適法な訴えである、として訴えを却下しました。

 裁判所は、自然物については、第1回口頭弁論期日において弁論を分離して、この間何の弁論もないまま原告らの主張を十分訊くという機会を与えないままいきなり訴え却下する判決を言い渡したといういことで大変遺憾であります。

 高尾山天狗裁判は1060名の人間と6名の自然保護団体の他に5名の自然物を原告とする裁判です。
 我々が自然物を原告にしたのは、高尾山を中心とする貴重で美しい自然の宝庫を圏央道工事によって破壊させてはならないという思いからであります。
 自然物を原告とする裁判は奄美大島のクロウサギ裁判や、オオヒシクイ裁判等を始めこの間裁判所はことごとく自然物の当事者能力を否定し訴えを却下してきました。

 しかし、それでも私たちは、人間の傲慢さによる自然破壊を防ぐため、自然物の声を裁判所に反映させ、人類も自然とともに生きなければ、地球規模の破壊から人類を救うことが出来なくなるという思いで、高尾山天狗裁判では自然物を原告にしました。

 多くのマスコミも、この高尾山天狗裁判に注目をしてきました。
 それは、今日の高速道路をはじめとする公共事業により貴重な自然が破壊され、諫早湾の干拓工事のように公共工事の必要性についても疑問が出されている中で、首都東京で都民を始め年間250万人もの人々が登山する高尾山を守ろうとする自然保護の裁判であるからです。

 私たちは、アメリカでは法律の規定がなくても1970年代から裁判所が自然物の訴訟当事者能力を認めている判決が多数あることを例に出して、日本においても裁判所が勇気を持てば自然物の当事者能力を認めることが出来るはずであると主張してきました。

 今回の判決は、裁判所が、今だ旧来からの殻を脱却できず、自然物の当事者能力を認めるに至らなかったものであります。
 しかし、私たちはこの判決に屈することなく、裁判所に自然物の当事者能力を求める闘いを続ける覚悟です。

 

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