黄鉄鉱(Pyrite)

金色というよりは真鍮色の結晶です。ある教授がこの石を「金(きん)だよ」と言って飲み屋の主人に高く売りつけたところ、すぐにバレてしまって、出入り禁止になったとか(笑)。英名の中で”Pyr”の部分はギリシャ語の「火」に由来するそうです。輝きが火を連想させているのでしょうか?
鉄と硫黄の化合物なので、火山国の日本では多く産出します。しかし、製鉄の原料には使えずに、せいぜい硫酸を作る程度の利用価値しかありませんでした。今では、硫黄も重油ボイラーの脱硫装置から得られますので、実用価値はまったくありません。
しかし、利用価値がなくても結晶の美しさは一級だと思います。展示即売会では、あちこちの業者が売りに出しています。が、写真のような形をした結晶は実は少数派でして、多くがサイコロのような立方体です。人工的にカットして作ったのかと見まがうほどです。最初は、立方体の結晶を手に入れていたのですが、なんだか飽きてしまって・・・そんなわけでこの五角形の面をもつ結晶を手に入れたのでした。
金色をしているからと言っても、顔料にはなりません。砕いて粉々にすると、真っ黒になってしまいます。平らな結晶面が金色に見せているだけなのです。