スイスの休日

仕事のメンバーでヨーロッパに出張したのは、1996年秋のこと。何と言っても楽しみは休日の観光だ。下っ端の小生は、仕事では役立たずだったが、
「お前、山やっているから、スイス観光をアレンジしろ」
というわけで、スイスアルプスの観光をプランし、案内することになった。インターラーケンをベースに2日間、風光明媚なスイスアルプスを満喫した。

第1日:グリンデルワルト、クライネシャイデック、ユングフラウヨッホ

山岳鉄道で標高3400mのユングフラウヨッホまで登る。お決まりの観光コースで、日本人も多い。一番多いのでは?と思わせるほどだ。アイガーの北壁は覆いかぶさるように迫って、クライネシャイデック。列車を乗り継ぎ、更に登っていく。高度を上げたアイスメーア駅からは雄大な山並みと氷河が望めた。トンネルを抜けて辿り着いたユングフラウヨッホは雲の中、小雪交じりの風に身体が縮んだ。
列車でクライネシャイデックまで下りれば、陽射しが降り注ぐ。アイガー、メンヒは見えるけど、ユングフラウは相変わらず雲の中。

シュレックホルン(左)とラウターアールホルン(右) クライネシャイデックとアイガー北壁 メンヒ。右にあるユングフラウは雲の中

更に列車で下りる。グリンデルワルトの一つ手前の駅で下りて歩こうということになる。陽射しがさんさんと降り注ぎ、緑の牧草地が輝く。典型的なアルプスの風景。グリンデルワルトの街に入れば、賑やか。だが、日本の喧騒とはどこか違う落ち着いた雰囲気があった。
日本語OKの案内を出している店が目に付く。ちょっと恥ずかしい。英語が苦手な国民だということが知れ渡っているから。でも、仕方ない。
「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」
小さな男の子が口にしている。ご丁寧にも”ラ”がフランス語なまりだ(笑)。バタバタしているのは大抵日本人。これも仕方ないか。
街路を抜ければ再び牧草地。迫る山並みを背景に、青々とした牧草とコテージ。いつまでもここに居たいけど、日が翳れば寒くなる。そろそろ、という訳で引き返して、列車に乗ってインターラーケンに下りた。

グリンデルワルト付近を歩く グリンデルワルト付近の風景

夜はみんなで”チーズフォンデュの鍋パーティー”をやった。我々アジア系は子供っぽく見えるせいか、店員がいろいろとサービスしてくれた。異様に盛り上がって、周囲の欧米人の注目を集めてしまった。

第2日:ブリエンツ、ロートホルン

2日目、この日も晴天だ。昼にインターラーケンからブリエンツ湖上を船でブリエンツへと移動。氷河が削ってできた湖であることがよくわかる。着いたブリエンツは観光地ではなく、落ち着いていた。いかにも”アルプスの村”という雰囲気だ。
さて、ここからミニSLに乗ってロートホルンへと登っていく。かなりの急傾斜をゆっくりゆっくりと登っていけば、やがて眼下に青いブリエンツ湖が広がる。氷河が刻んだU字谷に沿って、ゆっくりゆっくりと登っていく。1時間以上かけて、ロートホルンに到着した。標高は2200m余りだったか。かなり肌寒い。傾きかけた太陽の光が湖面に反射していた。素晴らしい光景だった。

ロートホルンに登る観光列車(後部に蒸気機関車を連結) ブリエンツ湖を眼下に登っていく 氷河地形の中を登っていく 光るブリエンツ湖

展望台にはまずまずの人がいたけど、不思議と日本人はいなかった。メジャーなところから少し外れただけで誰もいないのは、日本人の指向なのか。目の前には、ベルナー・オーバーラント山群が広がっていた。アイガーが堂々とした姿を見せ、その後方にメンヒ。ユングフラウはこの日も雲を被っていた。

ロートホルンはベルナー・オーバーラント山群の展望台

名残惜しい展望を後にして、ミニSLでブリエンツへ下山。鉄道を使ってインターラーケンに戻った。

仕事仲間ということで、普段は色々とあるけど、純粋に楽しんでもらえたのはよかった。束の間の休日だった。個人的には、スイスアルプスに接して、氷河地形に魅力を覚えた。

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