7 動物のしつけ
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条件付け
・古典的条件付けのパブロフの犬の実験では、犬に餌を与える時に同時にベルの音を聞かせる実験を繰り返し、犬はベルの音を聞いただけで唾液を流すようになった。
・固体の自発的な行動の結果によって特定の反応が強化されていくような条件付けをオペランド条件付けという
・条件付けで1つ重要な事は動機付けで、パブロフの実験では必ず犬が空腹の時間に行われた。満腹の犬では実験は成功しなかったと思われる。条件付けは、その個体がその行動をしたいという動機付けが無ければ成立しない
・報酬は餌とは限らない。報酬とはその個体にとっての快感で、空腹の時には餌が快感になる
・このような条件反応も、同じ条件付けが繰り替えされなければ次第に忘れられる

学習
・模倣に似てはいるが、鳥の群れなどで一羽が飛び立つと群れ全体が飛び立つ現象は、誘発されただけで学習ではない
・学習能力の範囲には限界がある。普通には生得的な行動の変形が学習の限界で、生得的な行動を根本から変えることはないし、させることも出来ない。犬のトイレのしつけが困難なのは、臭いで獲物に存在を知られるのを避けるため一箇所で排泄しないという生得的な傾向を持っているから
・遊びを通して、子猫が獲物を捕食する行動を、子犬が成犬同士の闘争の行動パターンを、試行錯誤によるオペラント条件付けによって学習している

刷り込み
・ガンやカモ、鶏の雛は、孵化して最初に目にした動くものに刷り込まれ。その対象を親とみなし、その後を追いかけるようになる
・この刷り込みが起こる期間は非常に短く、鶏では孵化後3日まで、マガモでは孵化後1日以内で、それ以降になると刷り込みは起こらない
・この様な対象刷り込みが親と一緒にいる期間に限られず、成長してからの繁殖行動の対象にまで影響を及ぼすことがある。このような場合は性的刷り込みと呼ばれ、動物園でツルの雛を保護して給餌する飼養係がツルの衣装を着たりするなどして配慮している
・運動パターンの刷り込みで、例えば小鳥のさえずりの学習で、学習するのは同種のさえずりだけで、近縁であっても他種のさえずりであれば、それを学習することは無い
・刷り込みは学習の1特殊形態である。報酬が無くても起こる

社会化
・社会化の過程は様々な学習の積み重ねで、学習の一種である刷り込みが一部の種では重要となるが、大抵の種ではもっと穏やかで変更可能な学習によって社会化が起こる
・社会化が起こる適切な時期はあるが、その開始と終結は徐々に進行するもので感受期という用語が使われている。また、感受期に社会化に例え失敗しても後から訓練によって学習し直せる事が出来る

犬の社会化
・犬の社会化は、3週齢前後から12週齢前後までの感受期に起こる
・子犬は感受期の最初のうちに、犬としての自覚と社会行動パターンを身に着けるので、それが済んでから人間との付き合い方を学ばせるのが好ましい
・感受期の初期には、同腹の兄弟姉妹や母犬との社会関係が社会化にとって重要な役割を果たしているので、6〜8週齢前後までは母犬や兄弟姉妹から引きはなすべきではない

猫の社会化
・猫は基本的に単独性の動物であり、群れ生活する犬ほど社会行動が複雑ではないので、さほど複雑な社会化は起こっていないと考えられている
・社会化は2週齢で既に開始され、6〜7週齢にピークになり、8週齢には終わり始めている
・2週齢で母猫から引き離された子猫が、成猫になってから他の猫にも人間にも恐怖を示し、適切な社会関係を持つことが出来なかったという報告がある
・子猫を母猫や兄弟姉妹から引き離して新しい家庭で飼うのは、7週齢以上になって離乳してからが好ましいが、離乳以前に複数の人間と馴染んだ経験の無い子猫は、人間への社会化が不十分な事がありえる

犬のしつけ
・犬のしつけとは、1つは飼い主と犬との間に適正な社会関係を築き、飼い主が犬を常にコントロール出来るようにし、家庭犬としてのマナーを身につけさせる学習。もう1つは、犬の社会化で、見知らぬ人やよその犬猫など他の動物に出会っても、平和的かつ友好的に共存していけるように犬に好ましい社会的反応性を見に付けさせる学習
・しつけは、飼い主やその家族が行って初めて意味があり、その機能を発揮する。従って、愛玩動物飼養管理士が一般の飼い主にしつけの指導を行う場合は、犬を直接しつけるだけでなく、飼い主に対してしつけの方法を理解させる
・犬のしつけのレッスンは、一般に、飼い主が要求した時に、犬が正しく反応した場合、直ぐにほうび(報酬)を与える、という一連の流れから成り立っている
・犬に指示語の意味を教える際、効率的に教える為には、その反応を生じやすくする方法として、補助的な刺激を用いて覚えやすくする。例えば、「おいで」と言ってリードを引き寄せて教えるが、犬が怖がったり嫌がったりすることが無いように優しく誘導する
・しつけのレッスンを行う場所は、犬にとって周囲に気になる刺激が少なく、犬が集中しやすく落ち着いたところ、すなわち犬がいつも居る場所で教えるのが一番いい
・犬の反応性の確実性は、場所や指示する人が変わると低下する。よって、犬のしつけは基本的に家族全員で行い、いつも行っている場所で出来るようになったら場所を変えて段階的にレッスンを進めていく

犬のほめ方と叱り方
・服従レッスンのような学習では、同じ反応に対し、いつまでも毎回ほうびを与えない。ほうびは時々与えた方が、犬の反応をより強化出来る。毎回ほうびを与えると犬はすばやく学習するが、そうしなくなるのも早く、ほうびが無いと次第にやらなくなる。
・悪い事をした時は直ちに罰すると犬も理解できるが、遅れると罰は機能しない。また、罰は悪い事をした度に毎回与える必要がある
・叱って何かを止めさせる時は、犬がその行動を止めるまで毎回叱り続けることが大事で、一回だけ叱り、犬がそれを止めていないのにあきらめてそのままにしておくのは良くない。さらに体罰は思ったほど効果が無く副作用も多いのでお勧めではない。実際的な罰は言葉による叱責の方が効果的であり実用的である

猫の適切な飼養
・猫は犬と違い、平面だけでなく高さのある空間が必要。狭い居住スペースでも高さを利用して生活空間を広げ、快適に過ごさせる事が出来る
・猫は本来の排泄行動以外にも、主に尿や便など排泄物を使ってマーキングをする
・屋内飼養が望ましい
・猫に玩具は必要であり、十分な運動は身体的にも精神的にも充実する

猫の習性としつけ
・外で排泄することが習慣となってしまった成長した猫の場合は、なかなか室内のトイレで排泄しようとはしない。始めは屋外での排泄場所と同じ砂を準備し、排泄できるようになってから市販の製品にならす。猫に理解させようと予め排泄物を置くことは逆効果で、猫は汚れているトイレを使いたがらない
・性成熟に達した雄が部屋のあちこちに排泄する場合はマーキングで、尿スプレーと呼ばれるこの行動は、去勢することで約90%の猫で改善される
・猫は綺麗好きなので清潔にしようと体を舐め、自分の毛や毛に付着したものを飲み込むので、全身のブラッシングをこまめに行い、常に清潔に保つ事が重要
・猫が便に砂をかけないで立ち去るのもマーキングの一種で、猫は自分の住処に近い場所ほど便をきちんと隠し、住処から遠いほどそのままにしておく傾向がある。住処の中なら確実に隠す
・爪とぎには武器である爪の手入れであるとともに、マーキングの意味やストレスや緊張した時の転位行動としての爪とぎがある

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