競バカたちが集まって 2008『南の楽園編』
おバカどもの馬券奮戦記です!登場人物
500円のタク
この話の主人公。会社員。1レース500円、G1レースは1万円で勝負する天才馬券師。2005年は圧倒的勝利。2006年もディープインパクトをけり続けたがわずかなマイナス。座右の銘は『本命は切り』ハード&クール、そしてセクシーな42歳。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓は北。愛称はけいちゃん。趣味は競馬と自動車競技ジムカーナ。ダイ
全レース万馬券狙いのような激しい馬券を買う男。カミさんのサイフから金をちょろまかして、いつもカミさんと戦っている。
1月11日(金)、開店直後の鉄馬。カウンターにはタクとダイ。ちなみにダイは昨年末に何度もカミさんの金を抜いたため、大晦日にカミさんに除夜の鐘のかわりに108発殴られて、元旦から鉄馬で寝泊りしているのだ。
タク、江のスポを広げながらも渋い顔「はあ。」ため息をつく。
ダイ「タク、3連休前夜だってのに元気がねえな。金杯でやられたって、年の初めからそんなにぶっこんだりしないだろ。なんでそんなに落ち込んでるんだ?仕事で悩みでもあるのか?」
マスター「ダイ、それは違う。こいつは仕事のことで悩んだりしない。長いつきあいのオレなら分かる。この落ち込み方は、また女にフラれたな。」
タク「そうじゃねえよ。あのなー、オレがため息をついている訳はな、いとこの和歌子ちゃんが結婚するんだよ。」
ダイ「そりゃ、めでてーじゃねえか。」
タク「めでたかねーよ。だってお祝いのご祝儀を払わなきゃなんねーだぞ。」
どだだだがらがらがっしゃーん。(鉄馬中のみなさんがこけます。)
マスター「お前なー、いい年して何言ってんだよ。同世代のオレたちが、家族を持ち、住宅ローンや教育資金に頭を悩ませていると言うのに、お気楽ご気楽、もらった給料は全部自分のお小遣いになっちゃう奴がセコイこと言うなー。」
タク(涙目で)「そんなこと言ったって、お給料安いから、ご祝儀出す余裕なんて無いもん!」
ダイ「スポーツクラブを地元と上野にダブって入会して、通勤はグリーン車、『発泡酒・第3のビール』全盛のこのご時世にスーパードライばっかしという贅沢者が何を言っているんだ。」
タク「うるさい。スポーツクラブは健康維持のため、グリーン車はなあ、朝は睡眠不足のフォロー、夜は神田あたりで飲むより缶ビール飲んでいるうちに家に近づくし安上がりなんだよ。それになあ、オレは車持ってないし、オレの仕事は汚れる事もあるから背広はよれよれ、革靴はボロボロなんだよ。自慢じゃねえが、オレのマンションは築が古いし、クーラーもないんだぜ。だから、結婚のご祝儀出すほどの余裕はないんだよ。」
マスター「そんなごたくは、どうでもいい。お前、いい歳したおやじが冠婚葬祭で不義理をしたらカッコ悪すぎるぞ。」
タク「んなこと分かってるよ。いやだけど、仕方がないからご祝儀出すよ。3千円。」
どだだだがらがらがっしゃーん。(また鉄馬中のみなさんがこけます。)
マスター「お前なー、『仕事がらみのよく知らない人へのお香典』じゃないんだから、なんだその3千円ってのは。」
ダイ「そのいとこの和歌子ちゃんは、いくつなんだ?」
タク「和歌子ちゃんはオレの父親の弟の娘なんだ。もともと父親の兄弟が年が離れていて、父は早く結婚して、オジさん(弟)は晩婚だったから、いとこでもずいぶん年が離れてるんだ。確か26歳だったかな。」
マスター「一歩間違えたら、親子ぐらいじゃないか。てめー、26歳のいとこがめでたい門出を迎えると言うのに、43歳のいとこが3千円ですむと思うのか。」
タク「分かったよ。じゃあ、5千円。」
マスター「そうじゃない。そんな千円札の話を言ってんじゃねえんだ。」
タク「なんで、そんなにお金ださなきゃいけないんだよ。じゃあ1万円出せばいいんだろ。」
ダイ「いや、そういう問題じゃないぜ。」
タク「えーん、えーん。本当にやだけどしょうがない、2万円。」
マスター「こまかいきざみで増やすな。10万円だ。」
ダイ「そんなとこだろう。」
タク「えーん、えーん。じゅうまんえーん。」
マスター「てめー、インチキするなよ。必ずここに来て、オレの目の前でご祝儀袋に金を入れろ。」
ダイ「オレも立ち会うぜ。」
タク、ポケットからハンカチを出して目頭をおさえて「えーん、えーん。10万円ってことは和歌子ちゃんに5万円。これはしょうがないけど。なんで見も知らずの野郎に5万円もやらなきゃいけないんだー。」
マスター「あんまり新郎と新婦を分けて考える奴はいないけどな。」
タク「ちくしょう、間違ってるぞ。ラブラブで結婚するだけで幸せなやつらに、なんでお金までやんなきゃいけないんだ。これじゃあ『盗人に追い銭』じゃないか。こんな『結婚ご祝儀』なんて制度は間違ってるぞ。こうなったらオレは、『結婚ご祝儀全廃』を法案に次の衆院戦に出るぞ。」
マスター「勝手にやれ。」
ダイ「10万円ぐらい、馬券で獲ればいいじゃねえか。」
タク「馬券なんて当たるかー。」
どだだだがらがらがっしゃーん。(またまた鉄馬中のみなさんがこけます。)
マスター「お前、『オレたち3人とゲストが馬券を当てるために右往左往する』という『競バカの根底』を主人公が否定しちゃダメだろうがー。」
タク「へん。みんなだってうすうす気がついているんだろう。胴元(JRA)が25%も抜いているんだから、長くやってたら絶対儲かる訳ねえんだよ。」
ダイ「そんなことはないぜ。1発超大穴を獲れば、宝くじみたいに2億円とは言わないが4,5千万円はいけるぜ。」
タク「お前は勝手に無茶な夢を追っていろ。それよりオレの10万円をどうしてくれるんだー。えーん。」
マスター「知らないよ、そんな事。」<予想コーナー>
タク「シンザン記念はラインブレアーの単。」シンザン記念
1着:ドリームシグナル
ラインブレアーは10着タク「やっぱ当たらねえよー。」