競バカたちが集まって 2008『南の楽園編』
おバカどもの馬券奮戦記です!

登場人物

500円のタク
この話の主人公。会社員。1レース500円、G1レースは1万円で勝負する天才馬券師。
2005年は圧倒的勝利。2006年もディープインパクトをけり続けたがわずかなマイナス。座右の銘は『本命は切り』ハード&クール、そしてセクシーな44歳。

マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓は北。愛称はけいちゃん。趣味は競馬と自動車競技ジムカーナ。

ダイ
全レース万馬券狙いのような激しい馬券を買う男。カミさんのサイフから金をちょろまかして、いつもカミさんと戦っている。

シェフの前田
鉄馬のシェフ。腕は抜群。悪い友達(タクやダイのことです)に感化されて、どんどんダメ人間になっていくマスターの代わりに鉄馬の屋台骨を支えている。

イサム
タクとマスターの旧友。競バカのレギュラーになりたがっている。現在、毒猫に噛まれて病院で寝ています。(命に別状はないです。)

 

 

6月2日(金)、開店直前の鉄馬。ダイが来た。いつものようにカウンターの端で『紙パック焼酎の水道水割り』を飲む。

そこにお客さんがやってきた。年の頃なら三十代なかばくらいの男と女だ。カウンターにすわってビールを頼むと話し出す。
男「いいじゃないか。」
女「だめよ。」
男「頼むってば。」
女「だめだってば。」

男が口説いているのか。マスターはバーテンダーに徹している。
「兄さん、夜も早いうちから頑張るね。口説きはねばりが大事だぜ。」
マスター「ばか、ダイ、余計なことを。」
女「そうじゃないんです。」
「ボク、マゾなんです。だから、彼女に責めてくれるように頼んでいるんです。」

(間)

マスター「ここまであっけらかんと、きっぱりと言われると、リアクションに困るな。」
ダイ「ああ。」
女「でも、私そういうのイヤなんです。」
ダイ「彼は、なんだな、その・・・、マゾだって事を隠してつきあい始めたのかい?」
男「いえ、違います。彼女とはつきあい始めて3年になります。今年の春に、ある出来事でマゾに目覚めたんです。」
マスター「もし、よかったら後学のために、その『出来事』ってのを教えてもらえませんか。」
男「ボク、『スタッフ・ユニバース』って言う自主映画制作サークルに入っているんです。そこで『正義の味方でマゾ』という役をやってから、マゾに目覚めてしまったんです。」
マスター「そのサークルで監督してる人って、もしかしてタクジって名前じゃないですか?」
男「はい。」
マスター「そのタクジって人、この人に似ていませんか?」とタクの写真を出す。
男「似ています。特にこの、『面白ければ、人の迷惑なんか知ったこっちゃない』っていう目がそっくりです。」
ダイ「もしかして、アンタの名前は鷹巣山さん?」
男「はい。そうです。」

*注:えー、何をやっているかと言うと、思い切り『内輪ネタ』です。説明するほどの事でもないので、分からない方は聞き流してください。

ダイ「姉ちゃん、こいつも『縛らせてくれ』とか、『叩かせてくれ』とか言ってる訳じゃないんだから、アンタに害はないだろう。責めてやるぐらい、やってあげてもいいんじゃないのかい。」
女「でも、どうしてもと言われて1回だけ、そういうのやったんですけど・・・、なんかこの人、目が潤んで、鼻の穴ひろげて、変になっちゃうし、怖くて、気持ち悪くて。」
男「ねえ、それぐらい良いじゃないですか。SMは愛なんですから。」
マスター「こういう趣味の問題は、個人差が大きいからなー。」
ダイ「大丈夫だ。オレにまかせろ。兄さん、SM業界には、『放置プレイ』と言うのがあるだろ。」
男「はい。」
ダイ「これは、彼女の『放置プレイ』なんだぜ。お前は責めてほしい。しかし彼女は責めない。そしてお前は、彼女に『責めてくれ』と懇願する事すら許されない。お前は、マゾという人格の本質を表面に出すことすら禁じられて、ノーマルという仮面をつけて生き続けるしかないんだぜ。お前の魂は、永遠の煉獄に閉じ込められ続けるんだぜ。」
男「ああ!そうだったのか!君はこんなにも激しくボクを責め続けてくれていたんだね!」目が潤んで、鼻の穴がひろがって、震えながら「あみょー!あみょー!」
女「あの・・・、私、そういうつもりじゃないんですけど。」
ダイ「大丈夫だ、気にするな。」
(厨房から出てきた)シェフの前田「この人は、気持ち良くなると『あみょー』って言うんですね。」
マスター「何が何だかさっぱり分からないけど、『気持ち良さそう』という1点においては、うらましいかも・・・」
シェフの前田「でも、この人ずっとこのままなんですか?」
マスター「そうだな、年がら年中このままじゃ、仕事にならないし。飯も食えないな。」
ダイ「そりゃ、もっともだな。」(女に)「姉ちゃん、この兄さんの給料日は何日だい?」
女「たしか25日です。」
ダイ「兄さん、前言を撤回するぜ。この放置プレイは、毎月給料日の25日だけとするぜ。」
男「はあああああ・・・。」快感が抜けてぐったりするが、まだ余韻でひくひくしている。
マスター「毎月25日でいいのかな?会社にいる時もあるぜ。毎月第一日曜日とか、基本的に自宅にいる設定の方がいいんじゃないか。」
ダイ「大丈夫だ。目が潤んで、鼻の穴ひろげて、『あみょー、あみょー!』って言っても、会社の人は『ああ、この人はお給料日だからうれしいんだな。』って思ってくれるぜ。」
マスター&シェフの前田「そーかなー。」

<予想コーナー>

タク「メイショウサムソンは切って、エイシンデピュティを買うつもりだったんです。(本当です)それなのに最後の最後でアルナスラインとアサクサキングスの単に換えてしまいました。」
BGM:萩原健一『愚か者よ』

第49回 宝塚記念(GI)
1着 エイシンデピュティ

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