競バカたちが集まって 2007『スターゲイザー編』
おバカどもの馬券奮戦記です!

登場人物

500円のタク
この話の主人公。会社員。1レース500円、G1レースは1万円で勝負する天才馬券師。
2005年は圧倒的勝利。2006年もディープインパクトをけり続けたがわずかなマイナス。座右の銘は『本命は切り』ハード&クール、そしてセクシーな42歳。

マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓は北。愛称はけいちゃん。趣味は競馬と自動車競技ジムカーナ。

ダイ
全レース万馬券狙いのような激しい馬券を買う男。カミさんのサイフから金をちょろまかして、いつもカミさんと戦っている。

カミさん
ダイのカミさん。金をちょろまかすダイといつも戦っている。スピード、スタミナ、テクニックに秀でた優れたファイター。

ジータちゃん
ダイの愛娘。けなげな良い子

 

 

このコントは前回の続きです。

4月9日(月)、午前9時。F沢駅南口ロータリー。ダイはカミさんから盗んだハーレーダビッドソンを停めて、公衆電話から会社に電話する。
注1:ダイはお小遣がないので携帯電話を持っていないのだ。ちなみに現在はカミさんが鉄馬で働いているので、家に帰れないダイは居酒屋『ろくでなし』にダンボールで泊まっているのだ。
ダイ「おう、おはよう。杉崎だ。すまんが今週はちょっと訳ありで、休みをとる。」
電話(後輩)「マジですか?火曜日の会議どうするんですか?」
ダイ「お前にまかす。オレはお前を信じているぜ、ファイヤー!」
電話(後輩)「そんな。ちょ…」
ダイ、電話を切る。「さて、金がないが、中山グランドジャンプのタネ銭はどうするかだが、これを売っぱらうか。」

ハーレーダビッドソンに乗ってバイク買取の専門店に行く。
ダイ「何てこった!」
入り口に模造紙の大きさでダイの顔がデカデカと貼ってある。
『この男が黒いハーレーダビッドソンを売りに来たら、ご通報ください。お礼に30万円差し上げます。杉崎 電話**−****』
ダイ、あわてて顔を隠して店から離れる。「てめえの亭主を賞金首にするたあ、ふてえアマだ。」

10日(火)、午後4時。開店準備中の鉄馬。カミさんが来る。
注2:カミさんは、火・木・土曜日に鉄馬に来ているのだ。ちなみにこの設定は、話の都合で今後どんどん変わると思われるのだ。
カミさん「北さん、お願いがあるんですが。」
マスター「何ですか?」
カミさん「あのバカ(ダイのこと)が来たら、これを渡して欲しいんです。」と封筒を渡す。
マスター、封筒を見る。『果たし状』と書いてある。
カミさん「すみませんが、もうひとつお願いがあるんです。今度の金曜日、ロジータをここに泊めていただけないでしょうか?勝手なお願いだとは思いますが、どうかお願いします。」いきなり、土下座。
「杉崎さん。」マスターもカミさんの並々ならぬ決意を感じて、いやとは言えないのであった。

11日(水)、開店直後の鉄馬。カウンターにはタク。そこにダイが来る。
マスター「ダイ、カミさんからだ。」と、果たし状をわたす。
ダイ、封筒を開けて中身を読む。「野郎!」
タク&マスター「どうした?」
ダイ、わなわな震えながら「あの野郎、あろうことか、オレの裏ビデオコレクションを全部捨てやがった。(泣きながら)オレの…、オレの青春のすべてを捨てちまったんだ!」
注3:ダイの裏ビデオマニアのことは、バックナンバーで『先輩』『記憶』などビデオファイター編をご覧下さい。

タク「これで文無しのお前が、金を作る手段が無くなっちまったな。」
マスター「まさに経済封鎖。」
ダイ「金が欲しければ、13日(金)の夜、家に獲りに来いとは。許せぬ!日ごろの暴力、小遣いもくれぬ待遇。その上、オレの青春の記録まで捨てるとは。オレは、オレは…、全てをかけて奴を倒す!」

13日(金)、午後3時。開店前の鉄馬。マスターとシェフの前田とタク(今日は会社を休んでいます)は楽屋(コント出演者の控え室。実はそういうものがあるのです。)に子供用の布団をしいている。
そこにロジータちゃんが来る。「北さん、前田さん、タクさん、今日はご迷惑をおかけします。よろしくお願いします。ペコリとおじぎ。
タク「いいんだよ。むさくるしいところだけど、今日はここを自分の家だと思ってのんびりしてね。」
マスター「てめー、なにがむさくるしいだ。でも、本当に気を使わないでいいんだよ。」
ロジータちゃん、背負ってきたちいさいリュックから着替えとお弁当と飲み物とミッフィーちゃんのぬいぐるみと絵本を出した。「晩ご飯は、お母さんがお弁当を作ってくれました。私は独りで寝られますから、皆さんはどうぞお気をつかわず、お仕事をしてください。」
シェフの前田、涙ぐみながら「ロジータちゃんは、ミッフィーちゃんが好きなの?」
ロジータちゃん、ぬいぐるみを抱きしめながら「大好き。」
マスター「決めた。今日は店、休み。みんなでパーティーしよう。おいしいケーキ作って、みんなでミッフィーちゃんのDVD観よう。」
ロジータちゃん「わーい。」

その日の午後7時、ダイの家(マンション6階)。すでに完全武装でダイを待つカミさん。「!」
(「来る。奴が来る。どこからだ?玄関か、ベランダか?」)
カチャリとドアが開く。
カミさん「来たか。うっ、煙。バルサンか!」いきなり大量の殺虫剤の煙。
注4:良い子のお友達は、夫婦喧嘩でバルサンを使っちゃいけないよ。
「はっ!」カミさん、窓から飛び降りる。
注5:マンションの6階ですが、この人たちは大丈夫なのです。
ダイ「ワハハ、出てきたか。」
カミさん「勝負!」
ダイ「どりゃ!」カーネルサンダース人形を投げる。
カミさん「ダンベル手裏剣!」カーネルサンダース木っ端微塵。「連打!」十数発のダンベル手裏剣。
ダイ、プロボクサーの数倍の動体視力で、ミリ単位でダンベル手裏剣をかわす。「愚かな!そんな飛び道具でオレが倒せるか!」
カミさん「何をいってやがる。ダンベルはお前の真上だ。」
ダイ「?!」十数発のダンベルが頭上から直撃。「がは!」
カミ「ダンベルブーメランだ!勝機!」走り出そうとして、ひざがぐらつく。「こ、これは?」
ダイ「わはは!薬が効いてきたか。バルサンはおとり。バルサンのほかに、体を痺れさせるガスもまいていたのだ!」
ダイ、一気に間合いに入る「この一撃は、明日の中山グランドジャンプに出走する勇者のために。」右ストレート。吹っ飛ぶカミさん。
「この一撃は、お前のような鬼を母に持ってしまったロジータのため。」激しい蹴り。
カミさんの胸倉をつかんで持ち上げる。カミさんのポケットからサイフを抜いて「そしてこの一撃は、このオレの、このオレの怒りだ!」ダイ、渾身の右ストレート。
吹っ飛ぶカミさん。
ダイ「とどめ!」
いきなりカミさんの体が紅蓮の炎につつまれる。
ダイ「うわっ!」熱気にたじろぐ。
炎の跡には何も残っていない。
ダイ「火遁の術か。野郎、味なマネを。」

4月14日(土)、正午。今日は中山グランドジャンプ観戦パーティーだ。
タク「うーん。いくらカラジでも3連覇はないかなあ。」
マスター「そうだなあ。」
タク「まあ、みんな無事に走ってくれれば、それでいいんだけどね。」
そこにダイが来る「よう。」
ロジータちゃん「お父さん。」
ダイ、ロジータちゃんを抱きしめて「ロジータ。さびしい思いをさせた。すまなかった。」
マスター「なんと。今頃カミさんに袋叩きにされて、寝込んでいるかと思ったのに。」
ダイ「大丈夫だ。奴め、ダンベルブーメランなどと卑怯な手を使ってきたが、正義は決して負けないのだ。あと一歩というところまで追い詰めたが、逃げられちまった。」
タク「なんだかなあ。」
ダイ「だが、金はちゃんと取り返してきたぜ。中山グランドジャンプは、メジロハスラーから馬単総流しで勝負だぜ。ファイヤー!」

中山グランドジャンプ
1着:カラジ
アグネスハットが競走中止しましたが、無事でした。

タク、悩んでいたがパドックでカラジの柔らかい体を見て、単勝1点買い。あたり。
 

    

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