競バカたちが集まって 2007『スターゲイザー編』
おバカどもの馬券奮戦記です!登場人物
500円のタク
この話の主人公。会社員。1レース500円、G1レースは1万円で勝負する天才馬券師。2005年は圧倒的勝利。2006年もディープインパクトをけり続けたがわずかなマイナス。座右の銘は『本命は切り』ハード&クール、そしてセクシーな43歳。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓は北。愛称はけいちゃん。趣味は競馬と自動車競技ジムカーナ。ダイ
全レース万馬券狙いのような激しい馬券を買う男。カミさんのサイフから金をちょろまかして、いつもカミさんと戦っている。いわゆる『人の話を聞かない奴。』カミさん
ダイのカミさん。スピード、スタミナ、テクニックに秀でた優れたファイター。鉄馬でもパートとして働き、お客さん、従業員から慕われている。
4月15日(日)、午前11時の鉄馬。マスター、シェフの前田、スタッフたちが『皐月賞観戦パーティー』の準備をしている。
そこにカミさんが来た。小さなスーツケースを持っている。
マスター「杉崎さん。」
カミさん「北さん、申し訳ないんですが、またしばらくの間、ここに置いてください。」ふかぶかと頭をさげる。
マスター、内心(「よわったなー。ダイたち夫婦は、夫婦ゲンカのたびに『負けたほうが鉄馬に寝泊りする』っていうルールになっちゃたけど、困るんだよなー。」)と、思うのだが、ことの原因は100%ダイのせいなので、カミさんに文句をいう訳にもいかないのだ。「分かりました。でもあまり無理しないで下さいね。」唐突にタク登場「説明しよう、これが鉄の掟『夫婦ゲンカに負けた方が、鉄馬に寝泊りするのだルール』だ。」
マスター「そういうルールを作るなー。」
★『夫婦ゲンカに負けた方が、鉄馬に寝泊りするのだルール』の詳細
ダイが鉄馬に寝泊りするときは、朝だけ家に帰って朝食をたべさせてもらい、昼食用の弁当をもらい、シャワーを浴びて背広に着替えて会社に行く。お小遣いはないが、晩飯は鉄馬のお客さんにめぐんでもらう&残飯。酒は紙パック焼酎の水道水割りを飲む。カミさんが鉄馬に寝泊りするときは、午前5時、起床。家に戻って、朝食とダイ、ロジータちゃんの弁当を作る。ダイを会社に、ロジータちゃんを幼稚園に送り出し、家の掃除、洗濯、夕食の準備をして鉄馬に戻る。午後3時から鉄馬開店の準備。鉄馬は5時から12時まで営業。スタッフとして配膳、厨房の手伝いをする。閉店後、シャワーをあびて午前1時、就寝。
タク「カミさんは激務なんだね。じゃ、また後で。」退場。バイト君1「姉さん、(カミさんはバイト君たちから『姉さん』と慕われているのだ。)いろいろと大変だろうけど、姉さんが毎日いてくれると、うれしいっすよ。」
バイト君2「オレもっす。マジっす。」
カミさん「そう言われると、うれしいな。」
マスター「でも、今日は荷物をおいたら、家に帰ってください。これからしばらくはロジータちゃんと過ごす時間も短くなっちゃうから、今日は家でロジータちゃんと過ごしてください。」
シェフの前田「うん。」
カミさん「ありがとうございます。」正午、『皐月賞観戦パーティー』が始まる。カウンターにはタク。
ダイが来る「マスター、粋なはからいをありがとう。あんな鬼のような女でも、ロジータにとっちゃ、たった1人だけの母親だからな。」
マスター「あのなー、『夫婦ゲンカは犬も食わない』っていうけどな…」
ダイ「じゃあ、何なら食うんだ?猫か?イリオモテヤマネコか?」
マスター、頭かかえて「そういう話じゃない。オレが言いたいのは、夫婦ゲンカはお前たち夫婦の問題だから、やりたければ勝手にやればいい。だがな『負けた方がここに寝泊りする』とかいうルールを、やめてくれと言っているんだ。なータク。」
タク、競馬新聞をにらんで「やっぱ調教がよかったのはローレルゲレイロ、あとはドリームジャーニーかな…、いや、しかし…」
こけるマスター「話に参加しろよー。」午後2時。若い女が来た。ああバカその11『抱擁』に登場したバルトフォンテンファンの女だ。
ダイ「よう、バルトフォンテンの姉ちゃん。久しぶりだな。元気だったか?」
女「お久しぶりです。でも私も時々来てるんですよ。ねえ、マスター。」
マスター「お前たちが、仕事しないで年がら年中開店直後に来るから会わないんだよ。」
タク「失礼な事を言うな。オレはいつも効率よく仕事しているから残業しないんだよ。」
ダイ「オレだって、このあたりじゃあ『今年の夏も焼かない、新太陽系美肌』と呼ばれてるんだぜ。」
マスター「訳の分からんこと言うなー。」
女「ふふ。あのダイさん、突然ですみませんが、お願いがあるんですけど。」
ダイ「なんだい、オレの皐月賞の予想を聞きたいのかい。」
女、首をふる「違うんです。お願いと言うのは、またあの時のように抱きしめて欲しいんです。」
マスター&タク「…」
ダイ「それはまたどういう訳で…」
タク「そんなこと聞くな。」
マスター「生きてりゃ、いろいろあるんだ。お前はただ抱きしめてあげればいいんだよ。」
ダイ「そうか、そうだな。」
女、頭をさげて「お願いします。」
ダイ、女の前に立つ。めずらしく緊張しているのか「じゃあ、いくぜ。」
女「はい。」
「ちょっと待て。」タク&マスター。
ダイ「なんだ?」
タク「あのなー、柔道の試合じゃないんだから、にらみ合ったまま抱きしめてどうするんだよ。」
マスター「あなたも、目ぐらいつぶりなさいよ。」
女「失礼しました。」目をとじて「では、お願いします。」
ダイ「じゃあ、いくぞ。」抱きしめる。
女、かすかに微笑んで「…あたたかい。」急に涙がにじむ。
タク&マスター「…」
女、しばらくして、急に顔が赤くなる「ダイさん、ちょっとだけ、この前とちがう。」
ダイ「ん?」
タク「ん?…、あっ、お前、何もっこりさせてんだよ!」
ダイ、あわてて女からはなれて「あ、いかん。これは失礼。これは申し訳ない。ここだけは自由奔放というか、治外法権というか…」
女「あはっ。」
マスター「こいつは、ろくでもないやつのトップクラスに入る奴だが。勃起したものを女性に押しつけてしまっても、笑って許してもらえるのは人徳だな。」
タク「ああ。」
マスター「タクが、電信柱のかげで、卑屈な目で笑いながら勃起してたら、間違いなくただの変質者だからな。」
タク「誰が、電信柱のかげで、卑屈な目で笑いながら勃起するかー。」午後3時、いよいよ皐月賞が近くなった。
タク「「やっぱりローレルゲレイロ、ドリームジャーニーの単!それにフライングアップルの単を押さえに掛け金総額倍返しの分だけ。」
マスター「ここはフサイチホウオー、アドマイヤオーラ、ナムラマースの3角買いかな。」
ダイ「オレはサンツェッペリンから馬連総流しだぜ、ファイヤー!」午後3時40分、皐月賞発走。ヴィクトリーとサンツェッペリンが終始先行し、そのまま人気馬をおさえてゴール。1着ヴィクトリー、2着サンツェッペリン。超大波乱の結末。
ダイ「ファイヤー!」
ダイが、超大穴ゲット!
ここから新展開です。