競バカたちが集まって 2007『スターゲイザー編』
おバカどもの馬券奮戦記です!

登場人物

500円のタク
この話の主人公。会社員。1レース500円、G1レースは1万円で勝負する天才馬券師。
2005年は圧倒的勝利。2006年もディープインパクトをけり続けたがわずかなマイナス。座右の銘は『本命は切り』ハード&クール、そしてセクシーな42歳。

マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓は北。愛称はけいちゃん。趣味は競馬と自動車競技ジムカーナ。

ダイ
全レース万馬券狙いのような激しい馬券を買う男。カミさんのサイフから金をちょろまかして、いつもカミさんと戦っている。

 

 

話は少し戻って、1月18日(木)、午後10時30分。タクはいつも通っている『レッツスポーツプラザF沢』で、インストラクターとマンツーマンのストレッチレッスンを受けていた。実は昨年末から柔軟性を高めるためにマンツーマンレッスンを受け始めたのだ。

<えー、長くなりますが状況説明>
スポーツクラブは、一般的に月会費を払えば、利用可能な曜日・時間帯は、ほとんどの施設・設備を利用できる。その他に追加料金を払って、インストラクターにマンツーマンで筋トレやストレッチを受ける事が出来るのだ。

タクの通っているクラブでは、1回2,000円で約30分のマンツーマントレーニングを受けられる。掲示板には『私たちがトレーニングのお手伝いをします』とインストラクター 10数名の写真と得意ジャンルが書かれている。

タクがレッスンを受けているのは、『アイドルの★★★』似と評判の女性インストラクターKさんだ。タクのエアロビクス仲間(特に女性陣)は『佐藤さん(タクのこと)のインストラクター選びは不純だ』と言っているが、タクに不純は気持ちは微塵もない。タクのエアロビクス仲間のMさんが、Kさんのレッスンを受けて柔軟性がすごく高くなったので(もちろん本人の日々の努力が大切なのだが)、Mさんのお薦めでKさんのレッスンを受ける事になったのだ。

掲示板のインストラクターKさんの紹介には『いっしょに頑張りましょう!』という手書きのメッセージと素敵な笑顔の写真が張られている。さらに「私が思いっきり厳しくご指導しちゃう『女王様コース 20,000円』もあります(笑)」と手作りのピンク色のフキダシもついている。

この『女王様コース』については誰もがシャレだと思っている。と、いうのもこのスポーツクラブは、腹筋背筋を鍛える乗馬マシン(馬のロボットみたいなマシンなのだ)に『かわいい名前をつけようキャンペーン』や『あたなの減った体重はこのくらい?スイカの重さをあてようクイズ』など様々な面白イベントを展開しているのだ。
<状況説明終わり>

ストレッチマットの上で開脚するタク。(といっても約90度がいっぱいいっぱいだが)Kさんが上半身を押して前に倒そうとする。
タク「痛いたいたいたい…、もうそれ以上無理です。」
Kさん、微笑んで「お疲れ様でした。佐藤さんは上半身、特に体側の筋肉がかたいですから、自宅でよく伸ばしてください。」
タク「はい。何かこんなに体がかたいと悲しいです。」
Kさん「毎日少しずつでも続ける事が大切ですよ。」
タク「はい。でもオレ意志が弱いからな。」
Kさん「それとも『女王様コース』やってみます?」
タク「ははは、まさか。」

<ここでちょっとリプレイ。そしてスローモーション>
Kさん「それとも『女王様コース』やってみます?」
その瞬間、いつも愛嬌にあふれた瞳が氷のように冷たくなった。
タク「!」
タクは目が良い。その一瞬の変化を見逃さなかった。

タク「…、ははは、まさか。」
Kさんの表情もいつもの笑顔に戻った。
<ここでスローモーション終わり>

「やります!ボク『女王様コース』やります!有馬記念で儲かったから2万円だします!」話に割り込んだのは、タクのエアロビクス仲間で、人は良いのだが、場の雰囲気が読めないタイプのZさんだ。
タク「…、Zさん」
Kさん「Zさん。本当ですね。」
Zさん「はい。」
Kさん「では、受付で料金を払ってきてください。私も準備してきます。」スタッフルームに行く。
タク「Zさん、いいの?」
Zさん「『女王様コース』って、きっと『もっと背中押しちゃいますよー。』なんて『きゃー、もう無理です。女王様やめてー。』なんて、楽しそう。」
タク(「こいつ、何考えてんだ?」)
Zさん、いそいそと支払いをすませてKさんを待つ。
タク、さっきKさんに感じた異様な雰囲気が気になったのでまだストレッチコーナーにいる。時間が遅いので残ってるのはタクとZさんだけだ。
そこにKさんが戻ってきた。
タク、絶句。
Kさんは、黒皮の仮面に黒革の露出度の高い衣装に身をつつみムチを持ち、まさに『女王様』だった。
Zさん「すげー!」大喜び。
その瞬間、Kさんが(以降女王様)ムチで思いっきりZさんのほほを打った。
Zさん「ぎゃー!」見る見る間にほほにミミズバレ。
タク、ぼう然。
女王様「今から1時間、お前の生殺与奪は私のもの。お前が口にして良いのは『はい、分かりました女王様』これだけだ。」
Zさん「ちょ…、ちょっと待っ…」
女王様、Zさんを激しく蹴り飛ばす。「聞こえなかったのか?お前が口にしていいのは『はい、分かりました女王様』だけだ。」
Zさん「あ…、う…」
女王様「長座(脚を伸ばして座る事)で座れ。」
Zさん、言われるままに長座。
女王様、背中を脚でぐいぐい押す。
Zさん「痛い…、痛い…」
女王様「何だこのかたさは。お前は豚だ。体のかたいだめな豚だ。」
Zさん(泣きながら)「やめてー、やめてー。」
女王様、Zさんの背中にベニヤ板をあてて荒縄で縛りつける。また下半身も、脚の裏側(後ろ側)にベニヤ板をあてて縛った。

<補足説明>
つまり前屈をしても脚をまげられない状態になった訳です。体のかたい人には、これはきついですよ。

女王様、Zさんの背中をベニヤ板の上から無慈悲にぐりぐりと脚で押す。
Zさん「折れます、折れます!」
女王様「折れて、上等。」
タク(「いや、上等とかそういう問題じゃないだろ。」)と思うのだが、あまりに女王様が怖いのでつっこめない。
女王様、こんどはZさんの左右の脚の内側に、ベニヤ板をあてて荒縄でしばった。コンパスのように開脚させる。
Zさん「裂けます、裂けます!」
女王様「裂けて、上等。」
Zさん、すでに目がうつろな状態。
女王様は、またZさんの背中と脚の裏側にベニヤ板を縛りつけた。Zさんの体は上半身と下半身が45度くらいに折れている。タクほどではないが、体のかたいZさんにとって45度という角度がすでに尋常ではないレベルなのだ。
女王様、Zさんから数メートルはなれる。「とどめ。」助走をつけて、飛ぶ。
タク「おお!」
女王様「ムーンサルト・スクリュードライバー!!!」月面宙返りから、きりもみ回転で威力を増してZさんの背中に、全体重をかけた渾身の一撃。
ぐしゃ!!!
Zさんの体、携帯電話の様に見事に二つ折れ。涙と汗と何かがじわじわとあふれでて、ひくひくとケイレンしてる。
タク「むごい…」

<ここでコントはリアルタイムの1月30日(火)午後6時の鉄馬に戻ります>
「ウソだよ。そんな事ないよ。お前、作ってるよ。」
とマスター。
タク「マジなんだって。本当なんだって。」
マスター「んな事ねーよ。」
「いえ、本当です。」と話しに割り込む奴。「だってボクが、その当人ですから。」
タク「Zさん…」
Zさん「あれから、女王様にいっぱい調教していただいて、ボクこんなに体が柔らかくなったんですよ。」と前屈、開脚、イナバウアーと披露する。
マスター「…。」(「すごいけど、なんか気持ち悪い。」)
Zさん「あ、もうすぐ調教、じゃないレッスンの時間だ。行かなくちゃ。じゃ、佐藤さん、一緒に頑張りましょうねー。」いそいそと出て行く。
タク「な、北。」
マスター「スポーツクラブって、おそろしいところだ。」

タク「共同通信杯は、フライングアップルの単!」
さて?
 

   

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