「競バカたちが集まって 2001」

この物語は、鉄馬というスナックに集まってくる馬券ベタたちのバカ模様です。

登場人物

500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。単勝で中穴を狙うのが好き。現在、馬券は絶不調。

マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓が北で、愛称がけいちゃん。予想は馬連ボックス買いが多い。

ダイ
競バカ3人組の中で最も激しい馬券を買う男。ほとんど金をドブに捨てている様なものだが、たまに当たるとデカイ。姓が杉崎。最近ヘア・ヌード写真集「競馬場から、愛」を作って、周囲をパニックにさせた。

 

  

10月21日(日)、午後3時30分。自宅のテレビが故障したタクは、イトーヨーカドーの家電売場のテレビで競馬中継を見ていた。
「ナリタブライアンの菊花賞の時には、3冠達成の現場をこの目で見るために京都競馬場まで遠征したのに、今じゃPAT投票(自宅で馬券が買えるシステムの事)の口座の残高がなくて馬券が買えなくて、テレビが故障してイトーヨーカドーで競馬見てるんだから。オレもしょぼくなっちまったもんだぜ。」
タクの予想はエアエミネム。

菊花賞が発走。勝ったのはマンハッタンカフェ。エアエミネム3着、ジャングルポケットは4着。

タク「あまけに予想もあたりもしないぜ。」
つくづく情けない男である。

その夜の鉄馬。客はタクとダイ。馬券はマスター、ダイも不発。
マスター「まあ、馬券買えなかったから、損しなくてよかったじゃん。」
タク「それがいけないんだよ。馬券買えないと、予想がはずれると、(買わなかったから損しないので)ラッキーなんて事になっちまう。たとえ500円でもちゃんと馬券買わなきゃだめだ。」
ダイ「しかし、主人公が500円単位で馬券を買う小心者の競馬ストーリーなんて、情けない話だな。
タク「おい、主人公に向かって小心者とは何だ、小心者とは。いいか、オレは小心者なんじゃない、ただ金がないだけなんだよ。
マスター「自分の貧乏をいばってどうすんだ。」

情けない男。その名は500円のタクでありました。

 

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