「競バカたちが集まって 2001」おバカどもの馬券奮戦記です!
登場人物
500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓が北で、愛称がけいちゃんであることが今回判明。この話はストーリーの都合上前回の「マスターの災難」の翌週ということになっています。
開店直後の鉄馬。お客は毎度のタクひとりだ。
マスター「もうオレは友情とか信じられなくなったよ。」
タク「ごめん、ごめん。共同通信杯のエイシンスペンサーとったら、ごちそうするからさー。」先週、マスターにほれちゃった暗い女の暴言で、カミさんのミエちゃんと修羅場になっちゃったのだ。そしてタクはマスターを見捨てて逃げた。
マスター「オレはあの後なー。カミさんの誤解をとくために、そりゃあ、頑張ったんだよ。泣きながら、ユンケルを飲みながら、本当に、本当に頑張ったんだよ。」と、思い出してそっと涙をぬぐう。
タク、下を向いて笑いを噛みころす。
マスター「笑うなー。」そこに客が入ってきた。黒い服の女2人連れだ。1人は以前来た占い師「駅前のお姉さん」だ。2人はカウンターに座った。
マスター「こんばんは、お友達ですか。」
「私のお姉ちゃんよ。」と紹介する。よく似た姉妹だ。やはり黒いギネスビールを注文した。
タク「お姉さんも占い師なんですか?」
姉「はい、H駅でやっています。」
妹「ねえちゃんは、凄いのよ。あたしみたいにインチキじゃないのよ。」
タク「あんた・・・、自分でとりかえしのつなかいこと言ってるよ。」
妹「ねえちゃんは、超能力者なのよ。」
ため息をつくタクとマスター。妹「信じてないわね。じゃあ証拠を見せてあげるわ。」と缶ビールを出した。「触ってみて。」
タクが触った。普通の缶ビールだ。
妹「冷えてないでしょう。」
タク「うん、冷えてない。」
妹が姉の前に缶ビールを置いた。姉が人差し指ですっと触れた。
妹「もう一度、触って。」
タクが手を伸ばした。「冷たい。」缶の表面に水滴がつきだした。本当に冷えてるのだ。マスター「・・・まじ?」
妹「ねえちゃんは、缶ビールを冷やすことが出来るのよ。」
タク「すげー。」
マスター「もう一度、やってみてよ。」と店の奥から缶ジュースを持ってきた。
姉「あ、それはだめなんです。」
マスター「どうして?」
姉「私は350mlの缶ビールだけ、冷やせるんです。」
タク「ジュースはだめなの?」
姉「だめなんです。あと500mlのロング缶もだめなんです。350mlの缶ビールだけ冷やせるんです。」
マスター「他には、何が出来るの?」
姉「これだけです。」
妹「ねえちゃんは、高度に専門化した超能力者なのよ。」
タク「すごいけど・・・、すごいけど、しょうもないなあ。」
妹「しょうもなくないわよ。姉ちゃんはね、昔は黒ビールは冷やせなかったんだけど、3年間の修行の末、冷やせるようになったのよ。」
マスター「そりゃまあ、バーベキューの時は便利かもしれないが。」
妹「私たちの能力は、きっと何かの使命のために与えられたものなのよ。」
タク「あんたさっき自分でインチキだって言ってたじゃないか。」姉妹は帰っていった。
タク「すごいけど、役にたたないものって、あるんだなー。」
マスター「うん。」SFチックだが、やっぱりバカな鉄馬であります。
前回の予想レース日経新春杯(G2)
1着:ステイゴールド
タクの予想:はずれ
マスターの予想:はずれ