「競バカたちが集まって 2001」

この物語は、鉄馬というスナックに集まってくる馬券ベタたちのバカ模様です。

登場人物

500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。単勝で中穴を狙うのが好き。今年は年間収支プラス。

マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。姓が北で、愛称がけいちゃん。予想は馬連ボックス買いが多い。

ダイ
競バカ3人組の中で最も激しい馬券を買う男。ほとんど金をドブに捨てている様なものだが、たまに当たるとデカイ。姓が杉崎。最近ヘア・ヌード写真集「競馬場から、愛」を作って、周囲をパニックにさせた。

イサム
タクとマスターの旧友。競バカのレギュラーになりたいらしい。

ギャンブレンジャー
激馬券戦隊・・・と説明しても何のことだか分からない。説明できない5人組のバカ。

 

  

12月7日(金)、開店直後の鉄馬。今日は12月に入ったので、テーブル席もお客さんが4組入っている。カウンターにはタク。そして床にはダイがダンボールで寝ている。ダイはジャパン・カップ以来、家に入れてもらえない。朝、シャワーと朝食と着替の時だけ入れてもらえるが、お金は1日500円しかもらえない。昼御飯はコンビニのおにぎりで、夜は鉄馬でダンボールで寝ている。

タク「床に変な男がダンボールで寝ている店っていうのもすごいけど。それを全然気にしないお客さんもすごいよね。」
マスター「何でもいいから早く出ていってほしいよ。ところで、タクの先週のお前の予想すごいじゃん。やっぱり当たらなかったけど、2着にかすったもんな。」
タクの先週の予想は、ステイヤーズ・ステークスがスエヒロコマンダーで阪神ジュベナイル・フィリーズがアローキャリーだった。どちらも惜しくも2着だった。
タク「かすっただけじゃないよ。阪神はアローキャリーのオッズが高かったから、タムロチェリーの単勝も買い足したんだよ。」
マスター「まじ?」
タク「まじ。アローとタムロの単勝を千円ずつ買ったから、2千円が1万8千円になったんだぜ。これでプラスが3万円を超えたんだよ。だから残りのG1(朝日杯フューチュリティ・ステークス、中山大障害、有馬記念)を全部1万円買って、外れても今年の年間収支はプラス。これで完全勝利だな。」
マスター「1着2着の単勝買ったんだったら、馬連も100円でいいから買えば、万馬券とれたのにな。」(馬連は25350円)
タク「それを言うなよ。そこまでうまくいくとは思えないよ。」
ダイ「自分の予想を信じることが出来ない、それがお前の限界だ。オレならその馬連1点に2千円をぶちこんで、50万円にしているぜ。
タク「競馬で、スッテンテンでダンボールに寝ている奴が、偉そうなこと言うなー。
ダイ「まあ、そうとも言うが。」
マスター「そうとしか言わないぞ。」
「激馬券戦隊ギャンブレンジャー!」そこにギャンブレンジャー乱入。
レッド「お前、(ダイのこと)落ちぶれたもんだな。」
ダイ「ふざけるな、この野郎。いいか、オレはな、亭主への感謝の念が足りないカミさんに厳しく反省を促すために、あえて家を出ているんだぜ。」
タク「違う、違う。」
ブルー「こいつが弱っている今がチャンスだ!」
マスター「あんたらもヒーローなのに、卑怯なんじゃないの?」
グリーン「今日は、オレたちだけじゃないぞ。」
イエロー「6人目の戦士が登場だ。」
タク、マスター「えっ??」
イサムレンジャー!それはこの前来たタクの友人のイサムだった。銀色にひかるTシャツを来て、下は黒いGパンというギャンブレンジャーとそろいの格好だ。
タク「イサム、お前何やってんだよ。」
イサム「オレは、レギュラーになるためにギャンブレンジャーに入隊したのだ。
マスター「友人として忠告するけど、お前、今、とんでもないことしてるんだぞ。
イサム「オレは、レギュラーになるためなら、何でもする。」
タク「お前、努力の方向性が間違っているぞ。大体ギャンブレンジャー自体がレギュラーじゃないんだから、参加しても意味ないだろ。」
イサム「しまったー。盲点だったー。」
マスター「ちょっと考えれば分かると思うけど。」
タク「可哀想に。そうとう取り乱してるんだね。」
イサム「また来る。」イサムは走って出ていった。
レッド「ちょっと待ってよ!」ギャンブレンジャーも後を追って退場。
タク「イサムって、あんなにレギュラーになりたかったのか。」
マスター「レギュラーになるって幸せな事なのか?」
ダンボールで寝ているダイを見ながら、首をかしげるタクとマスターでした。

タク「あっ、予想してなかった。朝日杯フューチュリティ・ステークスはヤマノブリザードの単。」
マスター「やれやれ。」

 

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