「競バカたちが集まって 2002」おバカどもの馬券奮戦記です!
登場人物
500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。
ダイ
最も激しい馬券を買う男。昨年はヘア・ヌード写真集「競馬場から、愛」を出版して、周囲をパニックにさせた。カミさん
ダイのカミさん。お金をちょろまかすダイといつも闘っている。得意技は飛び膝蹴り。ロジータ
ダイの娘。5月9日(木)、開店直後の鉄馬。客はタク。そしてダイは床にダンボールで寝ている。ダイは天皇賞(春)で大勝負するためカミさんのキャッシュカードをちょろまかした。そしていつもおなじみの鉄馬でカミさんと大立ち回りを演じて完敗。(連戦連敗である。)現在、平日の朝だけ朝食とシャワーと着替えのために家に入れてもらえるが、一日のおこづかいは500円で、夜は鉄馬でダンボールで寝ているのだ。
ダイはお金がないので、紙パックの焼酎を水道の水で割って飲んでいる。そこにダイの娘のロジータちゃんがやってきた。
ロジータちゃん「お父さん、今度の日曜日は母の日だから、お家に入れてもらえる様にお母さんに頼んであげるから、一緒に母の日をしようよ。」
ダイ「そうだな、ロジータ。今、父さんは思うところあって家をあけているが、母の日くらいは家に帰るよ。一緒に母の日をしよう。」
ロジータちゃん「約束だよ。」
ダイ「ああ、約束だ。」
ロジータちゃんは帰っていった。
タク「本当に優しいいい娘だねえ。」
マスター「ちゃんと日曜日は行ってやれよ。」
ダイ「おうよ、オレはあの鬼のような女(カミさんのこと)を祝ってやる義理はないが、ロジータの優しい気持ちに免じて、なにかプレゼントでも買ってやるか。」
マスター「そうだよ、それでカミさんの機嫌をよくして早く家に入れてもらえ。」マスターは早くダイに家に帰って欲しいのだ。
タク「だけど、お前、金ないじゃん。」
ダイ「一日500円のこづかいだから、昼飯はコンビニのおにぎりで食いつないで貯めた金が1000円あるぜ。」
タク「それでカーネーションでも買って来い。」
ダイ「これを土曜日の競馬で増やして、「もう、勘弁してください。」というぐらい沢山のカーネーションでも買ってやるか。」
マスター「増やさなくていいから、そのまま1000円で花買いなさいって。」
しかし、ダイはそんな事を聞く男じゃない。5月11日(土)、ダイは朝から横浜のWINS(場外馬券売場)に行った。1レースに1000円から交通費の残りを大穴に全部ぶっこんじゃって、すぐ失くしてしまった。
夜、開店直後の鉄馬。客はいつもの通りタク。床にはダンボールのダイ。
タク「京王杯スプリングカップは、ビリーヴとゴッドオブチャンスの単。新潟大章典はダイワジアンとグリーンソニックの単。ところでダイ、今日の競馬はどうだったの?」
マスター「1レースでおしまいだって。」ため息。
タク「プレゼントどうすんだよ?」
ダイ「カミさんのためにポエムを作ったぜ。人の心を動かすのは金じゃないということを分からせてやるぜ。」
タク「ポエム?」
ダイ「ああ、そうだ。聞かしてやるよ。
鬼のような女でも、ロジータの母親だ。
金の亡者でも、いちおうオレのカミさんだ。
たまの母の日ぐらい、祝ってやるぜ。
感謝してもっとこずかいくれよ、ファイヤー!」ダイ「どうだ?」
タク「…どうだって、言われても…。」
マスター「あんた、一生家に帰れないよ。」深いため息。さて、京王杯と新潟大章典は?