「競バカたちが集まって 2002」おバカどもの馬券奮戦記です!
登場人物
500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。ダイ
最も激しい馬券を買う男。昨年はヘア・ヌード写真集「競馬場から、愛」を出版して、周囲をパニックにさせた。写真集以来何かというと全裸になることが多い。カミさん
ダイのカミさん。お金をちょろまかすダイといつも戦っている。得意技は飛び膝蹴り。
10月20日(日)、京都競馬場11レース、菊花賞(G1)。1番人気の武豊騎乗のノーリーズンがスタート直後にいきなり落馬競争中止。1着ヒシミラクル(10番人気)、2着ファストタテヤマ(16番人気)、3着メガスターダム(3番人気)で、単勝3,660円、馬連96,070円、馬単182,540円、そして3連複は344,630円だった。
タクの自宅。
タク「………。」開いた口が塞がらない。マスターの自宅。
マスター「………。」開いた口が塞がらない。そしてダイの自宅。ダイは土曜日にまたカミさんのサイフから千円を抜いて、鉄馬でいつものようにカミさんと大立ち回りを演じた。結果はアキレス腱を切ってボロ負け。日曜日は朝からカミさんの厳しい監視の元で、風呂掃除、トイレ掃除、換気扇の掃除、そしてその後は「もう2度とお金を取りません。」とノートに100回書き取りをさせられていた。もちろんちょっとでもサボれば、カミさんの右ストレートまたは飛び膝蹴りだ。
競馬中継を見ることだけは許してもらえたので、大波乱の菊花賞を見ながら書き取りをしていた。
テレビ「…菊花賞は大波乱です!」
ダイ「何てこった!」10月21日(月)、開店直後の鉄馬。客はタクとダイ。
タク「こんなことになるなんて。」
マスター「競馬の恐ろしさをあらためて思い知ったよ。」
タク「ダイ、さすがのお前もあれは買えないだろ。」
ダイ「いや、オレはシンデレラボーイ(15番人気で15着)を軸にして買うつもりだったんだが、きっと馬券を買う直前にオレの研ぎ澄まされた勝負師のカンが働いて、この3頭の3連複を買ったに違いないんだ。」
タク&マスター「都合のいいこと言うなー。」
ダイ「だから本当だったら、あの千円が340万円になっていたはずなんだ。あの金の亡者(カミさんのこと)が、目先の千円を惜しんだばっかりに340万円がパアだぜ。340万円をとったら、奴がどんなに鬼のような女だって、オレだってイトーヨーカドーの横のファミレスのジョナサンでドリンクバー飲み放題ぐらい気持ちよくおごってやるぜ。」
タク「お前…、ドンリクバーってもとの千円より安いだろう。」10月26日(土)、開店直後の鉄馬。またまた客はタクとダイ。(こいつらもヒマだね。)
マスター「天皇賞は混戦だね。」
タク「G1馬が6頭も出てくるけど、どの馬もテイエムオペラオーやマジロマックィーンみたいに安定した成績じゃないからね。ここはナリタトップロードとテイエムオーシャンの単。」
マスター「お前は、人気になりにくい(オッズが高い)から牡馬(オス)より牝馬(メス)、古馬(4歳以上)より3歳、地方馬や外国馬をよく狙うよな。でも牝馬だけどテイエムオーシャンは1番人気だし、シンボリクリスエス(3歳)じゃなくて、ナリタトップロード(6歳)ってのは変わってるな。」
タク「テイエムはこの中では成績が安定しているからね、ナリタトップロードはいつも買わないんだけど、なんか今回は来そうな予感がするんだよ。」
ダイ「オレに金があったら、イブキガバメント(人気薄)から総流しだ。しかし、今回は見送りだ。」ダイは現在、1日300円しかもらえないので、馬券を買うお金がないのだ。ちなみに飲み代もないので、マスターの特別のお許しをもらって紙パックの焼酎を持ち込んで、水道の水で割って飲んでいるのだ。
タク「珍しいじゃん、カミさんのサイフからお金を抜かないで、おとなしくしているなんて。」
ダイ「ジャパンカップのため…、ジャパンカップの時にごっそりと金をぶっこ抜くために、今はおとなしくして、あの鬼のような女(カミさんのこと)を油断させるんだ。そのために…、そのためにオレは、耐えがたきを耐えて、天皇賞を捨てるぜ。天皇賞なのに馬券が買えないなんて、お前達も同じギャンブラーなら、このオレの無念が分かるだろう。中山競馬場よ、天よ、オレの慟哭を聞け!」
タク&マスター「何言ってんだか。」さて、第126代天皇賞馬は?