「競バカたちが集まって 2002」おバカどもの馬券奮戦記です!
登場人物
500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。暗い女
鉄馬の常連。男運が悪い。マスターに惚れている。ミエちゃん
マスターのカミさん。暗い女とマスターの仲を疑っている。競馬をあまり知らない方へ、このコントはエリザベス女王杯でファインモーションという馬がダントツの人気になっているという話が前提になっています。
11月9日(土)、開店直後の鉄馬。カウンターにタク。テーブル席は3席にお客様がいる。
タク「ファインモーションはまた単勝1.1倍か、とても買えないね。最近ジリジリと(馬券の収支が)マイナスが増えているから、ここは大勝負、トーワトレジャーの単勝と複勝を厚めに、それにレディパステルとダイヤモンドビコーの単を押さえに買うよ。」
マスター「レディパステルとダイヤモンドビコーは、いかにもお前の買いそうな馬(単勝の中穴)だけど、トーワトレジャーは大穴狙いだね。」
タク「オレは最近の成績の中で、距離が近いレースの着差(1着の馬からのタイム差)と上がり3ハロン(ゴール前600mのタイム)を重視するんだけど、それから言うとファインモーションは文句なしにダントツなんだけど、トーワトレジャーもかなり評価できるんだよね。オレ、レッツゴーターキンが勝った天皇賞(人気馬が沈んで、人気薄が勝って大荒れ)の時、レッツゴーターキンはぎりぎりまで馬券を買う候補に残っていたんだけど、「この馬はG3クラスの馬」(格上のG1レースでは荷が重い)と言う先入観だけで買わないで、くやしい思いをしたんだよ。だからここは自分の馬の選び方を信じて、トーワトレジャーで勝負するよ。」
マスター「オレはファインモーションからスマイルトゥモローへの馬単1点を少々にしとくよ。」
タク「1点とはしぶいねえ。」
マスター「ここは手広く買うレースじゃないと思うんだ。」
「1点買いとは男らしいわ、さすがダーリン。」そこにマスターに惚れている暗い女が登場。
「だからうちのケイちゃんは、あんたのダーリンじゃないって言ってるでしょう。」厨房からミエちゃん登場。
マスター「お前、何で従業員でもないのにいつも厨房にいるんだよ?」
タク「それがコントというものなのだよ。」
バチバチと火花が散る暗い女とミエちゃん。
ミエちゃん「あんたね、ケイちゃんにちょっかい出すのやめてちょうだい。」
暗い女「ダーリンをめぐるあたし達の戦いにも、そろそろ決着をつけましょう。明日のエリザベス女王杯で勝負よ。あたしが勝ったら、あなたはあたしがダーリンの女だって事に文句を言わないこと。あんたが勝ったら、あたしもきっぱりとダーリンと別れるわ。」
マスター「だからキミとボクの間に何かある事を前提に話をしないでよー。」
ミエちゃん「あたし競馬よく知らないから不利だわ。そんなのひきょうよ。」
暗い女「いいわ、あんたにはハンデをあげるわよ。あたしはスマイルトゥモローとジェミードレスの2頭だけ選ぶわ、このどちらかが1着だったら、あたしの勝ち、他の馬が勝ったらあなたの勝ち。」
ミエちゃん「ちょっと待った。その2頭が強いんでしょう。」
暗い女「…」
ミエちゃん「どうなのよ?」
暗い女「あんたって本当に欲深い女ね。それならこの2頭のどっちか1頭は、あなたがとっていいわよ。どちらか選びなさいよ。」
ミエちゃん「…じゃあ、そのスマイルなんとかって馬にするわ。」
暗い女「いい馬1頭あげるんだから、2頭は追加でもらうわよ、それでもあんたがずっと有利なんだから。あたしは…、ローズバドと…しょうがないからファインモーションをとるわ。」
マスター「ちょっと待ってよ。」
暗い女「ダーリン、こんな不利な条件でも、あたし達の愛が奇跡を起こしてくれる事を信じるわ。(カミさんに向かって)あんたも、愛されてないとしても一応はギャンブラーの妻なんだから、約束は守りなさいよ。」
ミエちゃん「きーっ!分かったわよ。あんたも負けたら潔く身を引きなさいよ。」
ミエちゃんは子供達の面倒を見なければいけないので、後ろ髪を引かれる思いで帰っていった。
頭かかえるマスター「あんな賭けしちゃって、どうすんだよー。」
タク「あんたやるねえ。うまく言いくるめてファインモーションをとるなんて。」
暗い女「恋する女には、かわいい嘘は許されるものなのよ。」
マスター「勝手なこと言うなー。」さてさてエリザベス女王杯と彼女達の賭け、2つの女の戦いの行方は?