「競バカたちが集まって 2002」おバカどもの馬券奮戦記です!
登場人物
500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。ダイ
最も激しい馬券を買う男。昨年はヘア・ヌード写真集「競馬場から、愛」を出版して、周囲をパニックにさせた。裏ビデオコレクターとしては裏王の称号を持つ。
この物語は、もっとばか22「裏王」ともっとばか27「裏王の決意」の続編です。先にこちらをお読みください。
この物語は、F駅周辺のスケベオヤジ…じゃない、裏ビデオファイター(裏ビデオコレクションを比べて戦うバカども)達の魂の物語である。
12月7日(土)、開店直後の鉄馬。カウンターにはタクと他に2人連れが2組。テーブル席は年末なのでほぼ満席だ。そしてダイはフロアにダンボールでくるまって寝ている。おこづかいがないので、紙パックの焼酎も買えないので、ふて寝しているのだ。
タク「阪神ジュベナイルフィリーズは1番人気のピースオブワールドが圧勝したのはしょうがないよ。でもオレが馬券を買ったアドマイヤテレサ、トーホウアスカなどが大負けで、馬券の候補になっていたけど買わなかったヤマカツリリー、シーイズトウショウが上位に来たのはまずいよな。予想の方向がズレているよ。」
マスター「大丈夫だ。キミの予想がズレているのは、いつもの事だよ。」
タク「うるさいわい。朝日杯は人気馬を切ってマイジョーカー、ヨシサイバーダイン、バロンカラノテガミの単とこの3頭の3連複。」
マスター「たぶんかすりもしないな。」
タク「うるさいわい。」
「裏王、いや杉崎、やはりここにいたか!」入り口に裏ビデオファイター編で登場した裏若丸と言う男がいた。
マスター「また裏ビデオのネタか。」ため息。
タク「オレ帰っていい?」
マスター「だめだよ、主人公が帰っちゃ。」
ダイはダンボールをどけて立ち上がった。「久しぶりだな、裏若丸。元気だったか?」
裏若丸「ふざけるな。オレはお前に負けて以来、お前を倒す事だけを目標に、山にこもり特訓していたんだ。さあ、オレと勝負しろ!」
ダイ「期待を裏切って悪いが、オレはもう裏王じゃない。それに、裏ビデオファイターのライセンスも返上したんだ。今のオレは、ただの裏ビデオコレクターなんだぜ。」
裏若丸「もう地位も名誉もいらぬ。今のオレにあるのはお前を倒すことだけだ!」
マスター「難儀な話になってきたな。」
タク「裏ビデオファイターのライセンスっていったい…?」
ダイ「分かってくれ、オレはもう戦いをやめたんだ。」
裏若丸「聞く耳持たぬ!」
「お若いの、私がお相手しましょう。」入り口にまた、見知らぬ男が立っていた。スーツ姿できちんとした小柄な男だ。
マスター「また変なのが出てきちゃたよー。」
タク「このシリーズはどこまで行くんだ?」
裏若丸「笑止!誰かは知らぬが、お前など相手にならぬ!」
男「あなたが最初に出すのは×田★キの「全部剃ってます」そして2番目が■橋△子の「エッチ∞(無限大)」でしょう?」
裏若丸「なっ、なぜそれを?」
男「F駅北口裏ビデオファイター秘伝最終奥義「鏡写し」。あなたの出すビデオは全てお見通しですよ。」
裏若丸「そんな!」
ダイ「秘伝「鏡写し」とは、それではあなたは?」
男「ご挨拶が送れて失礼いたしました。私、北口の影太郎と申します。」
ダイ「あなたがあの影太郎さん。裏将軍、裏家老と匹敵する力を持ちながら、決して表舞台に出ず、ただひたすら影のように裏将軍を支えているあなたがなぜここに?」
男「裏将軍から命を受けて参りました。裏将軍は「新しい裏王様は、まだ体制を整えるのにお忙しいでしょう。だから杉崎さんのフォローまで手が届かないかもしれない、もしもの時のために杉崎さんのお側にいるように。」と言われて参りましたが、よかったです。」
ダイ「さすが裏将軍。歴代の裏将軍の中でも最も慈悲深いと言われる訳ですね。強くて、優しいお方だ。」
裏若丸「何を言ってやがる。オレはあの裏将軍を倒したんだぜ。」
ダイ「お前は何も分かっちゃいない。いいか、お前はあのお方の足元にもおよばないんだぜ。あの時の勝負でお前の出したビデオはオフサイドだったんだぜ。」
裏若丸「何だって?」
タク「ビデオがオフサイド?」
マスター「何がなんだかさっぱり分からないよー。」
裏若丸「オフサイドなら、その場でオレの判定負けじゃないか?なぜ奴は何も言わなかったんだ?」
ダイ「どんなに理不尽な勝負でも、どんなにルールに反した行為でも、甘んじて受ける、それが「頂点に立つ」と言う事なんだぜ。」
裏若丸「そんな…、オレは最初から全てにおいて負けていたのか。」
ダイ「ファイターとして強いことを目指すのは分かるぜ。だが、強いだけではダメなんだ。優しくなくては、真のファイターとしての資格がない。最後は生き様の問題なんだ。」
裏若丸はがっくりと肩を落として帰っていった。
男「彼はまだ若い。いくらでもやり直しが出来ます。」
ダイ「「人生とは戦うだけの修羅の道ではない。」ということを学んでくれれば良いのですが…。」
タク「裏ビデオで人生語られてもなー。」
マスター「困るよなー。」12月9日(月)、鉄馬にはタクとダイ。そこにまた裏若丸がやって来た。みんながびっくりしたのは裏若丸が頭をまるめて来たことだ。
裏若丸「杉崎さん、色々ご迷惑をおかけしました。」
ダイ「気にするな、オレは何とも思っちゃいねえよ。」
裏若丸「私はファイターのライセンスを返上しました。これからは裏ビデオの素晴らしさを世界中の人々に伝えていく仕事に従事する所存です。」
ダイ「そうか、頑張れよ。応援するよ。」
タク「やめろよー。」
マスター「そんなもん、広めるなよー。」
裏若丸は深々と一礼して帰っていった。
ダイ「色々あったが、やはりこの物語もハッピー・エンドだったな。」
タク&マスター「訳の分からん事言うなー。」裏ビデオファイター編、終わりです。