「競バカたちが集まって 2002」おバカどもの馬券奮戦記です!

登場人物

500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。G1レースだけは1万円買う。

マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。

ダイ
最も激しい馬券を買う男。昨年はヘア・ヌード写真集「競馬場から、愛」を出版して、周囲をパニックにさせた。

カミさん
ダイのカミさん。お金をちょろまかすダイといつも闘っている。得意技は飛び膝蹴り。

ロジータ
ダイの娘。

4月13日(土)。開店直後の鉄馬。

中山グランドジャンプはランドが鼻出欠で競争除外になってしまって、しょげかえっているタク。
マスター「ランドは残念だったけど、発走前に見つかって良かったじゃないか、競争中に何かあったら事故になっちゃったかもしれないんだよ。」
ダイ「全馬完走のいいレースだったじゃないか。」
タク「分かってるよ。でもランドも運がないねえ、かわいそうに。」

タクはランドを思って深いため息をついた。

4月14日(日)。開店直後の鉄馬。

タク「・・・。」
マスター「・・・。」
ダイ「・・・。」
みんな開いた口がふさがらないのだ。

タク「・・・、ってみんなで黙っていたらコントにならないだろ。」
マスター「ノーリーズンとは、買えるわけがない。」
ダイ「オレもファストタテヤマから総流しをかけたんだが、ノーリーズンか・・・。」

タク「桜花賞、皐月賞とここまで荒れ、荒れ、ときて天皇賞(春)は堅く収まるかどうか。」
マスター「経験的には本命サイドで決まることが多いレースだけどな。」

3人は黙っていたが、大体同じことを考えていた。
「ここは、もう一回押して大穴ねらいだろう。」
もちろん、どの馬を狙うかは、3人3様である。

タク「今週のフローラステークスも穴狙いでマチカネマワンカナの単だな。」

さて、ここで先週のダイの行動を振り返ってみよう。ダイは金曜日の夜、鉄馬に来る前にカミさんのサイフから2万円を抜いた。その夜は家に帰れないので、なじみの居酒屋「ろくでなし」に泊まって、土曜日は横浜WINS(場外馬券売場)でオールゴングから総流しに2万円ぶっこんで外れた。その夜はタクの家に頼み込んで泊めてもらって、日曜はなけなしの5千円を皐月賞にぶっこんでまた外れた。

日曜の夜、ダイは家に帰っていきなりカミさんの前に土下座した。
ダイ「すまねえ。オレは今になってやっと競馬の恐ろしさが身にしみたぜ。あんな大荒れになっちまうなんて。恐ろしくて大金を賭ける気にならなくなったぜ。これからはタクのように500円でつつましく遊ぶことにするぜ。もちろんお前の金には手をつけないぜ。」
カミさん「やっと目が覚めたようね。」
ダイ「ああ、これからは前非を悔いて、罪滅ぼしだ。来週の日曜日には、競馬をしないでロジータを横浜ドリームランドに連れて行くぜ。」

ここからは、この時の2人の頭の中で考えていたことです。
ダイ「天皇賞は大穴馬券で大勝負だ。ここは土下座でも何でもして、少しでもこの鬼のような女を油断させて、出来る限りの金をいただくんだ。そのためなら、オレは・・・オレは、プライドは捨てるぜ!」
カミさん「このバカがそう簡単に心を入れ替えるとは思えないけど、ドリームランドに行けばロジータも喜ぶから、ここは素直に言うことを聞いておくか。」
ダイ「この女が素直にオレの言うことを全部信用するとも思えないが、10%でも5%でも油断させる事が出来れば、そこを突いてやるぜ。」
カミさん「もしまた変な事したら、殺す!」

2人は、にっこりと微笑んだ。だが、どす黒いオーラが2人から流れ出ているのであった。
 

 

戻る