タイトルは「競バカたちが集まって!」おバカどもの競馬コメディーです!
登場人物
500円のタク
この話の主人公。1レース500円玉1個で勝負するせこいサラリーマン。マスター
「鉄馬」のマスター。500円のタクとは同級生。今週もまだ週の半ばだというのに、カウンターで競馬週刊誌片手に週末のレース検討に余念の無い500円のタクとマスターであります。(大丈夫なのか鉄馬は!)
「オールカマーってなんか好きなんだよね。」とタク。
「ちょっと前までは地方競馬所属馬のジャパンカップ出走馬を選ぶレースだったんだよね。」とマスター。
「ジョージモナークが勝ったよね。」
「岩手のめんこい怪物スイフトセイダイとかね。それで、今週はどうなんだよ。」
「うーん、連勝している馬がいなんだよね。ステイゴールドって好きだし、G1ぜひ勝って欲しいんだけど、こういうタイプの馬ってスッテプレースで負けることって多いし、馬券的には切った方がいいと思うんだよね。ここは高配当期待で地方競馬のマキバスナイパーの単勝かなぁ。ちょっと決めにくいな。」と、そのときドアが開いて女が1人入ってきた。女はカウンターのタクの座っている端と反対側の端に座った。黒いサマーニットを着た長い髪のちょっとけだるい感じのいい女である。
女はハイネケンを注文すると、持っていたバックからなんとタクと同じ競馬週刊誌を出してカウンター広げた。実はタクは、髪の長い(特にワンレンの)けだるい感じの女が大好きなのである。しかも競馬好きだ、チャンス!
何がチャンスなのかよく分からないが、タクは女に声をかけた「競馬、好きなんですか?」
「逃げたのよ。」女がぼそっとつぶやいた。
「えっ、何ですか。」タクは聞き返した。
「一緒に住んでいた男が他に女作って逃げたのよ。だから逃げる男馬が憎いのよ!」(この行のあいだの間を楽しんで下さい。)
「帰りたい。」とタク。
「俺も店閉めたい。」とマスター。
この雰囲気をなんとかしようとマスターが話しをふる。「まあ今週のオールカマーは、逃げ馬不在みたいだしね。」
「そうそう、それに逃げてもなかなか逃げ切れないしね。」とタクもフォローする。
「でもツインターボは逃げ切ったじゃない。だから、だからオールカマーが憎いのよ!」(また行のあいだの間を楽しんで下さい)
いつのまにか流れていた小粋なジャズが山崎ハコに変わっていた。
「もうやだ、もう帰る。」とタク。
「帰るな、俺1人にするな。帰ったらドンペリをお前にボトルキープしちゃうぞ。お前ああいう気だるいの好きだろう。」
「けだるいのは好きだけど。どろどろじゃん。どろどろはやだよう。帰してよう。」タクはもう涙ぐんでいる。結局女はハイネケン2本で、かみ合わない会話で逃げた男へのうらみをまきちらして帰っていったのであった。
後には疲れきった2人がもう予想をする力も無く残されたのだった。
オールカマー
勝ち馬:メイショウドトウタクの予想:はずれ