多摩川の自然のニュース:2008年7月〜12月
新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系、桃色は他の川等、緑は会議等です。
下線を敷いた件については画像があります。画像は重いので質を落としてあります。
画像は約4ヶ月で更新します。
【2009年】
12月21日 平井川合流点の多摩川右岸から永田橋左岸まで 快晴、暖かい
定例自然観察会。
武蔵五日市線東秋留駅に集合し、いつものようにまず二宮神社の湧水池と拝殿を見てから、二宮考古館に立ち寄り発掘資料を見学。イカルの澄んだ鳴き声を聞く。そこから玉泉寺を経て、平井川の左岸へと多西橋を渡る。昔ながらの田んぼと畑が三角地点に残っている。平井川に沿って下り、産業廃棄物処理業者の敷地を抜けて多摩川の河原に出る。カワラノギクでもありそうな丸石河原が広がるが、たぶん夏は草が茂っているのだろう、河原植物は一つも見つからなかった。



対岸の福生中央公園前の河原では早速とどんど焼きの準備が行われていたが、多摩川のオギやアシを刈り払って積み上げた土台は、風物とか伝統行事いうよりただの自然破壊ではないかという声が参加者から出た。
河原を上流に向かい、本会恒例の藪こぎをして土手に上がり、冬の日射しを浴びて昼食。オオイヌノフグリが咲いている。午後は、多摩橋を渡って多摩川左岸に出、上流へ柳山公園を経て永田橋に向かった。国土交通省と河川生態学術研究会が毎年小作堰浚渫残土を羽村大橋下の河原に投入して川の深掘れを防ぐという工事をしているが、投入した土砂は永田橋下流に流れて堆積し河床を上げ河積を減少させており、問題があるのではないかと思えるが、いつかその点を問うたら研究者曰く永田橋下流には流れていないと。こういうのを「科学的嘘」と言うのではないかとそのとき思った。



最後に福生駅近くの静かな喫茶店で忘年会をしようと思っていたが、本日貸切で入れなかったので、近くのイタリアンオープンカフェに向かった。そこで、来年度の自然観察会の基本計画を協議した。来年度の基本線は「多摩川の堰を検証する」とした。(正式には3月の総会で決定)
カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ。オオタカ、キジバト、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
12月16日 羽村堰から永田橋までの左岸 快晴
カワラノギク研究者の倉本さんから、奥多摩街道の縁にカワラノギクが生えているという情報を得ていたので、ついでに見てみたら、本当に車道の脇に40pほどの丈のカワラノギクが花をつけていた。誰がこんなところに種子を撒いたのか、それとも上流か対岸のカワラノギク畑から種子が飛んできたのか、小作堰の護岸上と同様、謎である。



対岸に渡り、センダングサとホタルへの影響が心配される排水護岸工事予定地で、この場所をフィールドとし管理している地元の自然保護団体、京浜河川事務所職員、工事請負業者とともに現地に集まり協議した。工事は1月中旬から始まるとのことで、高水敷を掘らずに鉄板を敷くだけならセンダングサに影響はないだろうこと、ヒロハカワラハハコの群落がある箇所に車輌を絶対に入れないこと、そしてホタルの幼虫がいる水路の特定箇所を乱さないように工事をすることを確認した。ついでに、昨年の洪水まではなかった丸石河原にカワラノギクの開花株とロゼットがたくさんあるところを見た。

解散後、左岸に戻り、上流に行くか下流に行くか迷ったが、カニ坂公園下の工事が気になるので、下流に向かった。むかし横山理子さんと一緒に多摩川を歩いたときにもすでに大きく育っていた堤防のり面のケヤキの木がまだシンボル的に枝を広げていた。地下取水口のある付近の護岸工事を今年もやっている。そのための工事搬入路が流路の真ん中に設けられている。土手にケヤキがあるちょうど対岸のニセアカシア林内なにやら大きな白いものが見える。先般このすぐ近くを通ったのだが、そのときは藪こぎに必死で気がつかなかった。HLのホームの残骸か新たなホームの土台か。






カニ坂公園下の工事は、植え込みを抜けて現場が見えるところまで行ったが、工事現場の中に無防備で立ち入るのは憚られたので双眼鏡で見ただけだが、ほんとうに湿地が守られているかどうか、わからなかった。湿地に入る伏流水が工事のために溜まって池になっていて、これでは湿地にすむ水棲生物はかえって生きられないのではないかと気になった。公園中央の下水口脇から工事現場が良く見える。大量の濁水を多摩川に流していて、漁協から文句が出ないかと心配になった。








永田橋の架け替え工事がかなり進んでいた。
カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ。カワセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ウグイス、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。
12月7日 羽村取水堰から永田橋までの多摩川右岸 快晴、暖
羽村取水堰直下流左岸で低水護岸工事中。こんな所を固めてどうするのか――たんに河川敷内の駐車場を立派にするつもりではないかと思われる。
羽村大橋下流では、川の真ん中に下流の護岸工事用の搬入路が走っているのが見える。



堰下橋を渡り、右岸から少し上流に多摩川で唯一センダングサの群落がある箇所が近日工事現場と化す計画があり、工事が始まってはいないかと心配で見に来た。幸いまだ始まってはおらず、近くで除草作業をしていた地元の団体の人にその旨を話したら、ここはホタルの生息地で自分たちが水路の整備などもしているとのことで、さっそく河川管理者にその点も注意するよう要望書を送った。
つづいて、この団体が育てているカワラノギクが昨年の大洪水で奇蹟的にいっさい被害を受けなかったと聞いていたので見に行った。たしかに水際に近いのになぜ?と不思議なほどに無事で数十株が種子をつけ、ロゼットもたくさんあった。(写真は遅咲きの花)

つぎに堰下橋から下流に向かい、羽村大橋直下の左岸で始まった土砂(小作堰浚渫残土)置き捨て工事を視察、その対岸の右岸側はかつてカワラノギクの自生地があったが、昨年の洪水で全滅した。地盤ごと流失したのだが、その澪筋が十年ほど前に東京都(の発注業者)が建設省に無断で不法に排水路を掘った跡だったので、一度手を加えた地盤の脆さを改めて確認できた。このとき現地で一緒に確認した行政職員は異動でみないなくなったから、こういう経験はわれわれが言い続けないかぎり活かされないだろうことが残念だ。


そこから藪こぎをしてカワラノギク自生地に向かう。筆者は出勤で参加できなかったが、昨日カワラノギクプロジェクトのオプション作業があり、カワラノギクが種子を自然撒布する前に種子が発芽しやすい土壌を造るほうが種子撒布より良いという意見で行われた。自生地ということで遠慮したのか、予想以上に小さな区域に砂利がわずかに敷かれていた。それはともかく、今年は予想よりも開花株が多かった気がするほど、種子を付けた株があちこちに見られた。

そして、永田地区へ。
左岸のカニ坂公園で護岸工事が始まった。昨年の洪水で破損した箇所の修復ということで、現地協議をして付近の湿地帯を残すよう河川管理者に要望して了解を得られていたが、実際に工事が始まって見てみると、約束よりはるか上流まで工事区域が広げられ、申し訳程度に湿地が残されているだけで、手を付けないよう指示した箇所にも砂利山や木材の山が積まれていたので、河川管理者に即刻撤去するよう要請した。
(このことについて、12月15日付で京浜河川事務所から説明があり、柴田が見た方向では湿地帯を侵しているように見えるが、実際にはきちんと守っていること、砂利山は、あとですぐ使うので、少し下流側に移動したとのことでした。近くに行って確認すべきでしたので、お詫びして訂正いたします。)


永田地区A工区は私たちの必死の除草作業にもかかわらずススキなどが繁茂してカワラノギクは激減したが、中間地点辺りにはまだたくさんの種子を付けた株が見られた(下の写真左)。ここを今後どうするかについてこの暮れの会合で話し合う予定だが、筆者が見る最大の効果的方法は、A工区に隣接するB工区という名の〈林〉(同中間)を皆伐することであり、そうすればA工区の種子が飛んで下流の礫河原に広がるだろう。事実、B工区より下流の洪水でできた礫河原には今春芽生えたカワラノギクがたくさん種子をつけて広がっている(同右)。






まるで口うるさい小言親爺といったところだが、もちろんこんなことは早くやめて、安心して多摩川の自然を純粋に楽しみたい。
カイツブリ、カワウ、ダイサギ、カルガモ。セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ(永田地区B工区のピラカンサに25羽ほど)、シジュウカラ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。
12月7日 福生市大字熊川地先護岸復旧工事計画についての意見を、京浜河川事務所に提示
かねてから予想していた、福生市南公園の川側にある護岸の復旧工事計画。これに合わせて、睦橋下流に堆積した土砂を採取し、立川市富士見町地先における多摩川堤防補強工事の盛土材として運搬する工事が並行して行われる予定。
この工事について、関係諸団体・個人に情報を転送したところ、原状でなんら問題はないとか睦橋下流は絶滅危惧種のカワラニガナ分布地であるといった意見が寄せられた。
本会も、「福生市南公園は、過去に何度も冠水しており、最近でも2度、壊滅的な破壊が洪水によって起きています。この地域の護岸は、河岸断崖が代行しており、そこから川側はすべて川の中と考えるべきだと思います。そのように考えれば、水際に人工護岸がない箇所は多摩川各地に存在することは、すでに御承知のことと察します。そんな水際に無理に設置した護岸が壊れたからと言って復旧しようと考えるほうが不自然と思われ、ここは原状のままでなんら問題がないと考えます。仮に貴省が計画しているような護岸を強固に造っても、福生南公園はやはり冠水し、施設が破壊されることは素人にも容易に予測できます。それをしもなお工事を行うことは、いわゆる「無駄な公共工事」と断ぜざるを得ません。ご再考下さい。」という意見を京浜河川事務所に提示した。
12月2日 万願寺地先の多摩川 曇り
カワラケツメイが生き残っているという情報を日野の自然を守る会よりいただいたので、確認に行った。砂利河原の斜面に11株あり、5〜20の実をつけており、中に5粒あると想定すると、約500粒が付近に種子が散乱すると見込まれる。マメ科は丈夫なので群落が復活すると期待できる。ついでにカワラノギクが生えている河原植物群落を見てきた。9月にヒョロヒョロで他の植物に覆われており、開花は無理と思っていたが、なんと種子のついた10個の頭と1個の花があった。まだ未熟で、発芽できるほどになるかわからないが、絶滅を免れたことは喜ばしい。日野のみどりの推進委員が育てている株の生き残りで、日野の会ではもう1箇所新たに撒布地を設けて種の保存を続ける予定とのことで、河川管理者からの占用許可書が現地に掲示されている。在来植生を守るために除草期間調整をしてもらっている堤防のり面はかなり草が生えているので、この冬中に除草してもらえるよう河川管理者に依頼した。相変わらずラジコン飛行機が上空をブンブン飛んでいる。池で女性が1人で釣りをしていた。近くでクリーンセンター職員2人が昼休みにフライフィッシィングをしていた。
カイツブリ、カワウ、アオサギ、カルガモ。カワセミ、セグロセキレイ、ツグミ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。









11月24日 咲花
本業が超x2忙しくて多摩川に行けない日々が続くなか、仕事で磐越西線に乗って咲花へ行った。目の前をライン川のように豊富な水をゆったりと押し流すような阿賀野川が流れている。幅の広い川いっぱいに、河原もなく豪快に流れる川がまだ日本にはあるんだという感動に満たされる。数年前に来たときにこの光景を見て驚嘆したが、そのときは春だったので雪解け水で溢れているのだろうと思ったけれど、11月でも水量はさして変わらない。しかし、この豊かな川の水源地帯でダム建設が進んでいる。

11月8日 小作堰から友田地先の多摩川 雨のち曇り
カワラノギク・プロジェクトの自生地観察と新たな播種実験地の検討。
雨が降る中まず小作堰に向かい、昨年の増水で地盤ごと流されたカワラノギク群落跡地を、右岸から遠望する。先月行った多摩川の自然を守る会の自然観察会で10株ほど開花株があることを発見したので、その確認をしたが、すでに花びらが散り始めていて以前ほど肉眼では見つけにくくなっている。
小作堰の浚渫工事が始まり、回転堰を倒して水が流下しているため堰上流は川底が露出し、かなり上流のほうまで礫河原が現れている。魚道は水が流れていない。



堰の横にあるコンクリート護岸に溜まった砂に、なんとカワラノギクの開花個体が1株と小さなロゼット1株が並んで生えている。上流からタネが飛んできたとは思えないから下流の群落から飛んできたのだろうけれど、昨年秋は増水で上流も堰下流も壊滅的な打撃を受けて1株も開花していないから、タネが飛んできたとしたら一昨年のものということになる。しかし、コンクリートの上に溜まった浅い砂の上でタネが2年間も猛暑と日照りによる乾燥、さらには大雨などに耐えられたとも思えない。かといって誰かがタネを撒いたとしても、こんなコンクリートの上に播くなどまずありえない。自然とはじつに不思議だ、というのが結論。



そこからさらに上流に向かい、多摩川唯一の自生地の開花株3つを再確認したあと、この種を守るために、結実したら、その自然撒布・発芽に期待しつつ、種子のごく一部を採種して近くに1箇所と離れた所に1箇所播種する実験をすることにした。



カワウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、イカルチドリ。トビ、キジ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、カワラヒワ多、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
11月4日 下奥多摩橋から万年橋まで 快晴
外来植生調査の続き。前回河辺駅から帰ったので今日も河辺駅で降りたが、思えば、今日の調査は下奥多摩橋から上流だから、東青梅駅で降りるべきだった。一駅分無駄に歩いてしまった。河原を歩くならば来るたびに自然では新たな発見があるから無駄ということはないが、この区間は河岸断崖が続いて住宅地と車道を歩くしかない。
下奥多摩橋を過ぎてしばらくも水辺は歩けず、幼稚園と墓地があるところでようやく水辺へ。去年は水辺に出た所でアレチウリがあったが、今年はなかった。下流はツルヨシが繁茂しているが、上流は水辺が歩けるようになっていたので調布橋の先まで遡る。この辺りも40年近く歩いているが、調布橋の下を歩いたのは今日が初めてだ。これまでは両岸とも断崖と淵で近寄れなかった。水辺を遡れるのは良いが、結局先は断崖で行き止まり。元に戻るのも面倒なのでテレビカメラマンのS氏と強引に竹藪の断崖をよじ登った。調布橋から見下ろすと、快晴の空の下、紅葉が美しい。






調布橋を右岸に渡り、橋上流の水辺を歩くが、ここも大岩と淵があって行き止まり。この辺の河原にある砂利の山はすべて上流から流れて来て溜まったものだ。クズが一面を覆いつつある。途中から林の中の道を上り、吉野街道に出てからふたたび住宅の間を抜けて鮎美橋へ。この付近も砂利が溜まっている。左岸に渡り、すぐ下流の河原にアレチウリが20株ほど生えているところがある。去年は50株ほどあった。今回の調査でクズも対象になったのでたいへんだ。クズはどこにでも生えているから。









ダイサギ、ヤマセミ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ多、スズメ、ハシブトガラス。
10月31日 小作堰から下奥多摩橋まで両岸往復 曇り
河川生態市民モニタリング研究会が京浜河川事務所の委託で行っている第3回多摩川外来植生調査で本会は河口から56q地点から62qまでの両岸を担当している。今日はとりあえずその半分を調査。アレチウリ、オオブタクサ、キクイモに加えて、今年からクズが加わったので、上流地域での作業量は数倍増しとなった。とにかくクズは崖から水辺まであちこちに分布しているからだ。56qの小作堰付近は両岸コンクリートで固められているから外来植生はないが、最近HLがいなくなってきれいに清掃された多摩橋の直下にアレチウリの群落が新たに登場した。これだけたくましく蔓延っていると、来年は周囲に広がりそうだが、前述のように周囲はコンクリートだから堰下まで種子が流れ着かない限りは大丈夫だろうと期待する。
多摩橋上流の人道橋(水管橋)は修復工事で来年3月末まで通行禁止になるらしい。不便だし、上流が見渡せなくなるので困る。この橋から上流を見渡すと左岸の絶壁にも右岸の河川敷にもクズが一面を覆っているのがわかる。右岸に以前から見られたアレチウリが昨年の増水にもかかわらず今年も1株だけ残っていた。周囲はクズとブタクサで覆われている(それ以外にススキやニセアカシア等があるが)。
河原に出ると、中央の高くなったところにもクズは蔓延っている。前回来たときしょぼくれた感じだったカワラノギクが花をたくさん咲かせていて一安心。大きく元気な株はトップが折れていたのが気になった。カワラニガナがまだ咲いている。ユウガギクが砂地に1本生えていた。

左は多摩橋下のアレチウリ

左はカワラノギク、右はユウガギク。
鳶の巣川上流、長瀬地区の河原もニセアカシアとススキに混じってブタクサとクズが一帯を覆っている。猟犬3匹を河原で訓練しているらしき2人組がいて、パンなんて音もするので、ちょっと恐ろしかったが、幸い現在は水辺を歩けるのでそこから遠ざかりしかも藪こぎをせずに済んだが、最後の20mで水が迫り、結局藪こぎを強いられた。左岸の崖際に建つ二棟のマンションは、かつて基礎が崖に露わになっていて恐ろしかったが、いまは樹木が茂りそれが見えなくなった。



誰も通らず無駄になった堤防の階段。 河原を見下ろしているとは思えない光景。



行く手を阻まれ、結局藪こぎに突入。
下奥多摩橋から川を見下ろすと、真下でアオサギがそうと知らずに餌を探している姿がよく見えた。そこから住宅街をしばらく経て、河辺地先からふたたび河原に出る。ここも広い河原の中央と水辺にクズが蔓延り、下流のあまり水がつからない一帯はブタクサも混じっている。それらがない礫河原は一面コセンダングサやアメリカセンダングサがびっしりと生えて、種子が容赦なくズボンに着く。終点の青梅市営運動場周辺はクズさえ生えない殺風景な所だ。



カワウ1、ダイサギ1、アオサギ1、マガモ、カルガモ。トビ、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。
10月26日 多摩川河口 曇り
多摩川市民学会第二回大会bPとして、午前中に多摩川河口を船で観察する催しがあった。屋形船の長八丸に乗船し、夜光運河から多摩運河を経て多摩川に出て、標準点0qから大師橋上流まで行ったところで浅瀬に乗り上げて、戻るのにかなり時間がかかった。それから東京湾の縁まで下り、ふたたび多摩運河を経て夜光運河の桟橋まで約1時間半の乗船だった。ふだん岸辺から見ている多摩川も水上から見るとさすがに河口だと思えるほど川幅が広い。干潮のはずなのに干潟がほとんど消えて水面が広がっていた。大師橋上流左岸でアサリ採りかと思われた4人を双眼鏡で見ると、ゴルファーだった。上野隆史さんのじつに詳しい解説で、河口の歴史や干潟の自然、そして羽田空港の過去と未来までを船上から景色を見つつ学び知ることができた。
午後は、干潟館でパネルディスカッションがあり、多摩川の自然を守る会の柴田隆行が過去の多摩川の写真をたくさん見せて多摩川河口の干潟が上流のさまざまな開発や自然破壊の影響を受けていることなどを話した。ほかに、干潟の自然の話、多摩川のアユの産卵の話、水質の話、いわゆる神奈川口構想についての話がパネラーによりなされ、質疑応答では、六郷で国がやっているアシ再生実験についてどう考えるかについて議論をした。実験目標が不明確でトビハゼの生息を阻害している実験は疑問だという点で意見が一致した。参加者は40名強だったが、午後の参加者が少なかったのが残念だった。
カワウ多、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメ。



多摩川右岸標識0q地点 大師橋上流左岸の釣り人 六郷干潟にいるゴルファー



多摩川右岸で歩いて行ける最下流 羽田空港 夜光運河沿いにある工場
10月21日 羽村阿蘇神社から小作堰下流の多摩川左岸 快晴
一昨日対岸から見えた中州のカワラノギクを調査すべく、中州へ入れるルート入口に行ったが、水量が多く何本も水路ができていて渡れない。靴を脱いで強引に渡っても今年は藪がすさまじく行く手を阻まれそうなので、どうせ渡るならば1回で済ませようと思い、中州の上流端にまわったが、そこも水量が多くて、結局渡れなかった。双眼鏡で見る限り、カワラノギクの開花株が7つあり、右岸からしか見えない水辺の3株と合わせて、少なくとも10株が生き残っていることが確認できた。
カワウ、ダイサギ、アオサギ、イカルチドリ。トビ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス。エンジン付きハンググライダー。
10月19日 友田地先から永田橋までの多摩川右岸 晴のち曇り、爽快
公私多忙で久しぶりの多摩川だった。まず友田地先の多摩川へ。多摩川で唯一人工の加わっていない自生のカワラノギクを見に行く。昨年の大増水で壊滅的な打撃を受けたが、3株のロゼットが生き残った。そのうち1株は大きく育ち、薄紫の大きな花をたくさんつけていた。他の2株は開花がこれからで、やや勢いがない。周囲ではカワラニガナの群落が復活している。
小作堰下のカワラノギクの大群落は地盤ごと流失したが、対岸から双眼鏡で見ると、開花個体が5株見えて、生き残っていることがわかった。水辺の1株は大きくて肉眼でも見える。環境はカワラノギクに適しているので、これらのタネが熟せば、ふたたび周囲に群落が復活すると期待できる。
羽村堰下橋脇の、羽村市民が育てているカワラノギクは約350株が開花して、昨年の水没による打撃をはね返していた。羽村下流の自生地は、たどり着くのに猛烈な藪こぎを強いられ、ノイバラとピラカンサとカナムグラとススキなどで手や腕が傷だらけになった。草が生いしげる、クズも迫ってきている。コシオガマが激減。カワラノギクは開花しているのでまだ少なからずあるように見えるが、昔日を知る者からすれば、絶滅寸前の光景。
もっと悲惨なのが、永田地区A工区。というのも、ここは毎年6回ほど除草をしてカワラノギクを守っているにもかかわらず、一部まとまって生えている所を除けば、よく探さなければ見つからないというほどまばらにしか開花していない。最盛期には遠く永田橋から白い絨毯のように花が咲いているのが見えた。ただし、B工区最下流部から昨年の増水で草がほとんど流出して砂利河原が剥き出しになった所にカワラノギクが新たに進出していたが、それらの多くが開花して、見事に咲き誇っていた。ロゼットもたくさんあり、この秋開花した株がタネを散らせば、来年はこの辺一帯がカワラノギク群落になると期待できる。
ところで、川を歩いて気になる点も多々あった。ブタクサが4mほどに成長し、しかもいままでなかった所にもあちこちで繁茂しているとか、クズが増えたとか、アレチウリがところどころに見られるといった自然の変化だけではない。圏央道橋下流右岸にあった工場跡地で造成が始まり、ドブ臭い粘土質の土砂が積まれている。側溝が周囲に造られているが、そこに流れ込んだ水は結局多摩川に流されるのではないかと危惧される。圏央道橋上流にはピラミッドかと見間違うような土砂の高山=Bこれも風雨で流出しないか心配だ。大多摩観光ゴルフ場への道は相変わらず車がひっきりなし。近く護岸工事が始まる予定であり、堤防上はとても歩けないだろう。護岸工事で水辺の樹木が伐採されることになっている。その大多摩観光のゴルフ場の大駐車場も川を歩く者にとってはなんとも気分が悪い。羽村市郷土博物館付近は釣り人が多いが、雑然としている。羽村人道橋下の公園付近はサバイバルゲーマーが機関銃を撃ちまくっている。などなど人為的な環境悪化が見られる。
特筆すべきこととして、日本在来のセンダングサがたくさん生えている所が、羽村市内の多摩川にあった。黄色く小さな花でかわいいが、タネは長細くコセンダングサに類似している。暖かな日和で、ハグロトンボがまだ飛んでいた。カワラバッタがいたり、フジアザミのロゼットがあったりもした。ジョウビタキの初聞き。
カワウ、ダイサギ、イカルチドリ。トビ、キジ、コジュケイ、キジバト、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。
9月27日 永田地区の多摩川 快晴
多摩川カワラノギク・プロジェクト秋の除草第2回。今回も明治大学学生を中心に約50名の参加者を得て、前回の続きの除草を行った。秋晴れで涼しく、対岸のテクノ音楽を聞きながらの作業でかなり進んだが、それでも全体の3分の1が残ってしまった。業者さんには作業用道路の除草を依頼したが、クズの蔓が機械の歯にからまって作業が大変だとのこと。モズの高鳴きがしばしば聞かれた。
それにしても、永田橋下流のオオブタクサの繁茂はすごい。大きいのは丈が5メートルを越す。
9月16日 関戸橋付近 晴ときどき曇り、蒸し暑い
関戸橋上流の中州は、昨年9月と今年の8月末の増水で草が流されて砂利が広がっている。左岸の草に溜まったゴミで8月末の増水の流量がわかる。堤防ではツルボがたくさん咲いている。
左岸に造られたカワラノギクの畑は、去年の半分以下の株数だが、それでも開花しそうな株が100ぐらい、ロゼットはたくさんあった。周囲は草茫々なので周囲に広がりそうにない。
9月14日 永田橋上流右岸 曇りのち晴、蒸し暑い
雨や雷雨の予報もあったのに晴れて日射しの強い夏日となった。カワラノギク・プロジェクトの秋の除草第一回。京浜河川事務所長や福生市職員も含め、市民、研究者、明治大学生など全57名参加。朝日新聞と読売新聞に記事が掲載された効果があった。それにしても、多摩川の他の箇所と同様今夏は河原の草の繁茂がすさまじい。ブタクサやツルヨシが4mの高さで小径の行方を拒んでいる。「何もしない」という方針のB工区は雑草が4mの林≠ニ化している。年に6回ほど除草しているA工区はさほどでもという見通しは甘かった。こちらもススキを中心に2m近くに草が伸びて、カワラノギクがその日影でモヤシのようになっている。それでも、大勢の参加者による作業で下流から20m以上の除草を済ますことができた。とは言え、これはA工区全体の4分の1ほどでしかない。
昨年9月の大増水でB工区から下流の河原が丸裸になったが、すでにそこにカワラノギクのたくさんのロゼットが芽生えて、永田橋すぐ近くまで広がっていることがわかり、一安心した。
作業用道路にもカワラノギクがたくさん生えているため、柵ギリギリの雑草が生いしげる箇所を大明建設のひとに機械で除草してもらった。突然の草刈りで驚いたハグロトンボがあちこちで飛びまわっていたが、全体に飛んでいるのはアカトンボ。モズがキイキイと高鳴きをしている。ヒガンバナが咲いている。秋だ。
8月19日 草花地先の多摩川右岸 猛暑
猛暑の多摩川でも羽村取水堰付近は水量が少なくて水遊びに良いから人出は多い。
羽村の市民団体から育てているカワラノギクは、本数は少ないが元気に育っている。ロゼットがほとんど見られないのが気になる。
昨年の増水で壊れた水辺は補修されている。ここから下流へはHLホームや犬の散歩者がいて踏み跡が比較的はっきりしている。
カワラノギクの自生地は藪をかき分ける必要がある。自生地はまだクズに覆われていないが、一昨年たくさんの開花株が見られた下流端はカワラヨモギが一面に生えて、カワラノギクは周囲に押しやられている。播種した所は昨年の増水で土砂がかぶったがそれなりの株数が見られるが、葉の形状が非常によく似たヒメムカシヨモギも多い。でも、カワラノギクが周辺に点在しており、まだ数年は維持できると思われる。
ここから先は藪が濃くなるので、堤防に出る。キツネノカミソリが咲いている。堤防のり面にはナンテンハギ、ツリガネニンジン、ワレモコウ、カラマツソウなどがたくさん咲いている。しかし、かつて砂利山だった所はいまはベルリンの壁を想起させる住宅が建ち並び、今後日照が妨げられる心配がある。堤外地の湿地にはアレチウリの絨毯が広がっていた。
ダイサギ、アオサギ。トビ、イワツバメ、セグロセキレイ、ウグイス、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシ、ミヤマアカネ、ハグロトンボなど。
8月14日 友田の多摩川 猛暑
水が濁っている。河原でバーベキューをしたり水遊びをしている家族連れがいる。工場跡地が整地された。今後どう使われるか心配だ。林を抜ける道はオオブタクサやカラムシに覆われた。丸石河原は日に焼けている。キササゲばかりが炎天下でも元気だ。カワラニガナが元気に花を咲かせている。多摩川であと数本という自生のカワラノギクのうち3本がここにあるが、いずれも健在でホッとした。
トビ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、スズメ。
ミンミンゼミ、クマゼミ。ミヤマアカネ、シオカラトンボ。
8月9日 万願寺地先の多摩川右岸 晴、猛暑
堤防のり面はきれいに除草されている。植生調査のための除草調整区にキリギリス捕りの中年男性2名。今夏もスズサイコが順調に生育。種子をたくさんつけた株が16あった。ツリガネニンジン、ワレモコウも蕾をつけている。
浅川との合流点近くはクズが繁茂し、アレチウリはまだ少ないが、いずれ全面を覆うだろう。
大きなエノキの脇から河川敷に入る踏み跡に入ったとたんポロシャツとズボンとバッグに数千のヤブジラミのタネがべっとりと付着。自分が着ている服を見てゾッとした。本物の虱でなくて良かった。背丈を遥かに越える藪が鬱蒼と茂る中を全身汗びっしょりになりながらかき分けてようやくニセアカシア林に入り、高水敷に出たら、今度は一面のクズの海。猛暑続きで犬の散歩者も来ないのか、今夏は石田大橋までずっと背丈を越える藪が続く。
少し開けたところにカワラナデシコがあちこちで咲いている。まだ日焼けしていない。
昨年9月の増水で流失したカワラケツメイは復活ならず、この地域で、ということは多摩川全域で、絶滅した。たった1本残ったカワラノギクもひょろひょろで開花しそうになく、これも絶滅かもしれない。
ふたたび踏み跡に出ると、シナダレスズメガヤが肩の高さまで伸びている。一段高い所にあるカワラナデシコの群落があるところに今年はほとんど花が見られず、草が生い茂っている。
キリギリス、アブラゼミ、ミンミンゼミ。
カワウ、コサギ、トビ、ツバメ、ヒヨドリ、セッカ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
8月9日 上河原堰上流右岸 曇り、蒸し暑いが、風あり
多摩川ツバメの集団ねぐら調査会の会合を14時から開いたあと、現地調査へ。夕方からの参加者も含め15名ほどで、7月末に3万羽の集団ねぐらが見られたという中州に注目した。ただし、8月3日には中州最下流端に2500羽程度に激減したとか。18時30分頃から水面すれすれに上流から中州付近にやってきたが、右岸からは中州が遠く、しかも対岸のナイターがまぶしくて非常に見づらい。結局100羽ぐらいが飛んでいたかなという感じだが、スコープで見たW氏は1000羽ぐらいとか。右岸から見えるアシ原には1羽も止まらない。
8月下旬に開かれる花火大会の準備が進み、水辺に柵が設けられたのは仕方がないとしても堰から下流に通り抜けられないので、交通量の多い車道に出るしかなく非常に危険だ。
カイツブリ、高圧線にカワウ約160羽、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ多。トビ、ツバメ、セグロセキレイ幼、ヒヨドリ、セッカ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
8月7日 多摩水道橋周辺 快晴、猛暑
登戸でカワラノギク・プロジェクトの運営委員会があったので、ついでに多摩川を視察した。猛暑ながら、バーベキューをする若者グループやサイクリング、釣り人等、平日でも大勢の人が河原に出ていた。橋より下流左岸の水溜まりは川の水が入っていてそこそこきれいだが、上流左岸の池の水は腐っていた。写真で見るときれいそうだが。
右岸の茶店の前は草が生えないように古絨毯が敷かれている。ラジコン飛行場も同様だが、大水の際にこれが流れて自然を破壊する。水辺は巨石護岸だが、石と石の間は覗くとギョッとするほどゴミが捨てられている。
8月2日 白丸ダム魚道 晴、猛暑
水をめぐる本を編集中のSさんとその知人を案内して、会員のHS氏の車で一ノ瀬川合流点まで多摩川を遡るドライブをした。
白丸ダムの魚道は、そろそろ風景に馴染んだかなと思ったが、まだまだ異様な光景だった。魚道のトンネル部分は公開されており、中に入ることができる。上の駐車場脇に入口があるとは知らないで逆に入ったが、入場無料だが入口には案内係りが2名いた。貯水湖にオシドリ母子(雛4羽)が見られた。



8月2日 丹波山村 晴、猛暑だが、ときどき涼しい川風
小菅村も秋川もそうだが、上流の川遊び場では必ずと言って良いほど自動車侵入を認めているが、これでは排気ガスや土埃でせっかくの空気が汚染されるし、車に轢かれないかと不安だし、廃棄物を放置されることもありうる。車は河原に入れるべきではないと思う。
そんな大人の心配とは無縁に、子どもたちは無邪気に川遊びを楽しんでいる。
右岸の松林の下では村営の休憩所があり、30分待ちだが手作りそば屋もある(丹波山食堂が閉まっているので、丹波で食事するにはここしかない。)左岸の集落ではオミナエシや淡い感じのアワダチソウがきれいに咲いている。



8月2日 丹波川渓谷ナメトロ付近とその奥



多摩川水源林確保のため明治42年に現地を踏査した東京市長尾崎行雄の碑。右はおいらん淵の卒塔婆。






一ノ瀬川と柳沢川との合流点。手前から流れる支流みたいな沢が多摩川本流の一ノ瀬川。そこから少し上流の右岸の山が崩れて谷を荒したためか、いまトンネルが掘られており、来年夏にはこの合流点やおいらん淵は廃道となっていずれ立ち入り禁止となるかもしれない。
8月2日 奥多摩湖と小河内ダム 猛暑というほどではないが、蒸し暑い。
奥多摩周遊道路の月夜見駐車場から見下ろす奥多摩湖。奥多摩むかし道≠フ途中から小河内ダムの真下まで入る道があって、ダムの迫力を間近に知る絶好の場だったが、数年前から断ち切り禁止となり高い柵が設けられた。でも、裏口入学ならぬ裏道はどの世界にもある。






7月30日 多摩川河口右岸 曇り
多摩川河口の多摩運河との合流点の堤防のり面が陥没しているので、全面的に修復する工事がこの秋から始まる。陥落している護岸の修復に反対する人はいないと思うが、工事の際に周辺の干潟を可能な限り傷めないような工夫を河川管理者にしてもらうために現地協議を行った。現在交渉中の事項があるので詳細はいま書けないが、国としても可能な限り干潟を守ることでは意見が一致している。それにしても、当地の干潟がかつてよりかなり縮小しており、この辺り一帯の砂州が流出したことが堤防陥没にも影響しているのではないかと素人ながら思う。いすゞ自動車工場跡地の上流半分でスーパー堤防工事をしているが、間近で見るとずいぶん大量の土砂を積むもんだなあと思う。カルガモ、ダイサギ、ウミネコ。
7月30日 新二子橋上流左岸 曇り
新二子橋上流約200メートル付近にかつて自然のワンドがあったが、対岸の護岸工事による流路変更等もあって2年ほどまえに流失、その後昨年9月の大増水で水辺が大きく抉られたため今回低水護岸を施すというので、河川管理者と現地視察を行った。現場を見ているとき、左岸から水泳パンツ姿の小学生が2人川に入ったなと思う間もなくどんどん川の中心へ移動しさらに対岸の平瀬川まで行って、浄水用ゴム堰に上り下りして遊び始めた。神戸の川の事故など関係ないという雰囲気。他方、新二子橋直下の人工水路で数人の親子連れが遊んでいる。その下の兵庫島前の池の水は腐っていて、誰も寄りつかない。
7月30日 上河原堰上流左岸 曇り
多摩川ツバメの集団ねぐらの一斉調査が7月26日に行われたが、本会は水源合宿日と重なったため(本業もあって)、ようやく調査することができた。右岸で調査している人の話では、今年はすでに2万羽を越え、7月26日には3万羽に達したとのことだったので、楽しみにしていたが、なんと確認できたのは10羽前後の飛翔のみで、「蚊柱のよう」な乱舞も何もどこにも見られない。あまりのギャップに自信喪失、この調査から引退することを決意した。
ツバメが来る時刻前に、堰の脇に長年自生していて工事で移植・保護したクララの様子を見に行った。昨年の半分の株数で、しかも実がほとんどついてなく、株全体が元気がない。周囲からアレチウリが覆い被さって来つつあったので若干除去したが、アレチウリのツルの伸びは肉眼でもわかるほどなので、数日後にはまた覆われてしまうかもしれない。近くの河川敷は犬の社交場と化していて、人間20人、犬10匹が走りまわっていた。
カイツブリ、カワウ181羽、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ。ツバメ、セッカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。
7月26〜27日 氷川、日原 曇りのち雷雨のち曇り。曇りのち晴れ
恒例の水源合宿。十数年ぶりの日原。宿泊を予定した民宿が軒並み廃業で、唯一予約の取れた東日原の旅館に泊まったが、旅館というより民宿という感じで良かった。オオマツヨイグサがたくさん咲いていて印象的だった。しかし、ここもいつまで開業しているだろうかという雰囲気だった。日原はいまや日帰り行楽地なのだろう。そのおかげで、当地に宿泊したわれわれは、日原唯一の観光地「日原鍾乳洞」に朝早く行け、比較的空いていて良かった。ここで石灰岩を採掘している奥多摩工業の従業員用アパートが数軒廃屋になっているのも一種象徴的な光景だ。
バスが東日原に着いてすぐに降り出した雨は雷雨となり1時間以上降り続いたが、宿のすぐ隣が森林館、その裏に廃校となった小学校と倉田三郎氏のギャラリー、さらに日本で巨樹の価値を普及させた第一の功労者である画家の平岡忠夫氏のギャラリーなどがあり、雨も大して苦にならなかった。平岡氏のギャラリーは学校の特別室を改造したもので、たくさんの原画が展示してあるが、この日は平岡氏みずからが、奥多摩や御蔵島、白神山地等での巨樹調査や絵画制作、さらに植樹活動などについて、詳しく熱心に説明して下さり、貴重な時間を持つことができた。お話を聞き終えて外に出ると雨は止み、稲村岩が高くそびえ立っていた。〈長寿の水〉を飲み、宿へ。
夜、一時晴れ間が出て、久しぶりに天の川を見ることができた。
翌朝早く起きていくつかの野鳥の声を聞いたが、ヒグラシの大合唱とガビチョウの大声が勝っていた。イワツバメが電線に60羽並んでいた。暑くなりそうな天気のもと、イワタバコやヤハズハハコ、キツリフネ、タマアジサイなどの花を見たり、オオルリを間近に見たりしながら、日原鍾乳洞へ。出入口で中から冷気が吹き出して来る。洞内部の気温は10度。大広間があったり河原があったり乳が立っていたりと、見る価値は十分ある。鍾乳洞の外に聳える梵天岩や燕岩などの大迫力も一見の価値がある。
キジバト、イワツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオルリ、シジュウカラ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ガビチョウ。エゾゼミ、ニイニイゼミ。
7月25日 阿蘇神社対岸 猛暑
今秋から工事が予定されている、昨年9月の増水による護岸復旧計画地を京浜河川事務所河川環境課長ほか関係職員7名、河川環境保全モニター森田さんと一緒にまわった。
阿蘇神社対岸の護岸がなく抉られた地区での護岸工事では、かなり大きく育ったケヤキとクヌギを伐採することになるのが気になったが、堤防の中央に大木があったら水を塞き止め護岸の用をなさないだろう。
7月25日 カニ坂公園前 猛暑
福生市カニ坂公園前の崖が掘れたり崩れたりしている箇所の護岸工事では、その直上流の湿地帯の保護を要請した。当地は工事区域から外れるが、瀬替えならびに搬入路で影響するため工法改善を依頼した。
7月25日 福生南公園 猛暑
福生南公園は水辺の道路が壊滅状態だが、その低水護岸を現在の公園の高さを越えずに設置してなだからに河原までおろす工法を採るという。公園をどうするかは占用者である福生市の問題だが、従来のような危険な車道を公園内に通すことが絶対にないように改めて市に要請したい。また、公園と護岸の間に樹木などを植えると、河原にゴミを捨てたりバーベキューの残飯や残り火すらも放置するのを見逃しかねないので公園から川が見通せるようにしてもらいたいと森田さんから国に要請があった。
7月25日 谷地川合流点右岸
谷地川合流点右岸は、直接災害復旧ではないが、護岸が施工されていない区域で民家が迫っているために本堤と低水護岸を設置する。工事期間中に谷地川の水路を左岸側の現在オギ原がある所へ移動させなければならない。そこで昨年までかろうじてあったヨシ原を工事後に再生できるような工夫をしてもらいたいと要望した。
それにしても、暑い。福生のカニ坂公園前の川の中で遊んでいる子どもたちがうらやましい。近くでイカルチドリが鳴いていた。福生南公園ではミンミンゼミが鳴いていた。谷地川合流点ではキリギリスのチョンギースが聞かれた。
7月23日 大丸用水堰右岸 快晴、猛暑
大丸用水堰改築工事が今秋から予定されており、堰の右岸付け根にかつてあった貴重植物が現存するかの確認に行った。都産業労働局の担当係長と主任のほか、用水管理組合の方が立ち会って、ふだんは立ち入れない水門の上に上がらせてもらって周囲を確認することができた。予想通り、昨年9月の大増水で流失し、計画通り工事を進めることを了承した。仮締め切り用の砂利は上流中州ではなく下流から採取するよう要望した。この辺一帯の右岸は昨年9月に大きく抉られた。今後もどうなるかわからない。水門上に上ったついでに上から四方を眺めることができた。
カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、スズメ、ハシブトガラス。
ニイニイゼミ、アブラゼミ。ハグロトンボ。
7月22日 水干 曇り、ときどき晴 涼しく爽やか、日射しは強い
水をめぐる本を作成中のSさんを多摩川に案内する第2回(1回は7月14日)。
作場平からこの5月に宮様≠ェ登ったためか桟橋などがきれいに架け替えられた道をウグイスとミソサザイとエゾハルゼミの声を聞きつつ登る。急坂は登りの方が楽なので一休坂を登る。ミズナラの大木がところどころに残る道を登り、沢沿いの道になったら笠取小屋まであと少しだが、最後のいかにも人工的な道が険しい。









コバノトンボソウ
平日で登山者も少ないので小屋は閉まっている。田辺さんにお会いできず残念。
ほとんど花がないお花畑≠ぬけ、多摩川・富士川・荒川の分水嶺を見て、笠取山山頂を下から仰ぎ、シカ害防止のネットが連なる林を脱けると、多摩川の水源である水干に着く。25年ほど前はまだ雫が垂れていたが、いまはそこから5分ほど下ったところが多摩川の出発点になっている。























下りは藪沢を経て帰る。苔があちこちに生えてきれいだ。沢に苔が生えているということは大水が出にくく、山の保水力が高いことを意味する。
ホトトギス、ビンズイ、ミソサザイ、コマドリ、ルリビタキ、ウグイス多、メボソムシクイ、キクイタダキ、ハシブトガラス、ガビチョウまたはソウシチョウ。
エゾハルゼミ、コエゾゼミ。
7月21日 一ノ宮公園から大栗川合流点までの多摩川右岸 夕方 曇り、風涼
15時から17時まで聖蹟桜ヶ丘で多摩川つばめの集団ねぐら調査連絡会の会合があったので、その後皆さんは府中四谷橋下流左岸へ向かったが、私は、この秋から低水敷の護岸工事が始まる予定の大栗川合流点付近を見ておきたいということもあり、大栗川合流点へ。
京王線鉄橋下流は今夏もハルシャギクやアメリカネナシカズラなどばかり。中州に生えるムギ科の植物が枯れまさに麦秋。ハグロトンボが飛び、ニイニイゼミが鳴いている。
かつてカワラノギクが咲いていたなどという思い出を嘲笑うかのように河原にアジサイなどが植えられている。釣り人の椅子が木に括りつけられている。バーベキュー客のゴミが草むらに捨てられている。警察犬訓練所だけが妙にきれい。
誰も読みそうにない小さな看板に護岸工事の予告が書かれている。
合流点付近の堤防上は犬の散歩者の集合地。大栗川右岸にヒメガマの小さな群落がある。
17時40分から18時45分頃までツバメが5〜10羽おもに大栗川の上を飛び交っていたが、ヒグラシが鳴き始める頃にはいつの間にかツバメはいなくなり、この付近ではねぐらが形成されていないことがわかる。府中四谷橋下流左岸では15000羽近くのねぐらが復活しているらしい。その辺はアレチウリも去年の増水でほぼ消滅したらしいが、大栗川合流点では今年もすでにアレチウリが繁茂し、8月中旬以後は辺り一帯を覆い尽くすに違いない。
アオサギ、ダイサギ、コサギ、カルガモ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
ここではコウモリが全然飛んでいない。ウシガエルが大栗川右岸で鳴いている。
7月14日 水管橋から睦橋までの多摩川左岸 晴、猛暑
水田にオモダカが生えている。まだ若い。水管橋下流にある秘密の£rに水が溜まって容易に近づけない。これでは湿性植物が生えない。水辺の古代木はまだ崩れずに残っている。梅雨だからか水量は多い。昭和用水堰周辺にむかしは木などなくて広々としていたが……。ネムノキの花の色は今年は良くない。ノカンゾウ、ヤブカンゾウが咲いている。福生南公園を抜け、睦橋から上下流の池を眺める。猛暑で釣り人も少ない。
カワウ、ダイサギ、アオサギ、イカルチドリ。トビ、カワセミ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。
7月12日 府中四谷橋左岸上下流 曇りのち暴雷雨
もう10年以上前から、自然現象か人為かわからないが、府中四谷橋左岸の上流水辺と下流堤防脇にハルシャギクが大群生して、一体が真っ黄色。指定外来種として駆除対象になっているが、なかなか引き抜きにくく、しかも量が多くて手に負えない。昨年9月に大増水があって、河原植物の流失だけでなく、河原そのものが大きく改変されたので、ハルシャギクやオオキンケイギクのタネや根が残っていたとは考えられないから、だれか自称「花咲爺」がタネを撒いているのではないかと思われる。もっとも、川崎市や府中市地先の多摩川では、市が率先して「ワイルドフラワー」のタネを撒いているからかなわない。
7月9日 上河原堰上流左岸 曇り
多摩川ツバメの集団ねぐら調査の連絡会事務局を務めているWさんから、昨年8月中旬に右岸から見て1万羽近いツバメのねぐらが観察されたと報告があったが、その後の海外出張と大増水による多摩川改変で確認できなかった。今年7月6日に約5000羽が来ているという情報があり、今日ようやく時間を得て見に行くことができた。ただし、本会の担当が左岸なので、左岸から調査した。
堰から少し上流の細長い中州は、昨年9月の増水でヨシやオギはあまりない。昨年までツバメの集団ねぐらが観察できた、左岸よりの細長い中州の最上流端付近は、ハルシャギクとブタクサしか生えていない。少し下流にヨシが50mほど見られ、それより下流はオギが茂っている。18時50分頃よりツバメが集まって乱舞するようになったが、双眼鏡で見る限り、最大200羽ぐらいで、左岸から見えるヨシやオギには1羽も止まっているのが見えずに夜になった。
調査地点は二ヶ領上河原堰上流左岸(河口から26.20km)の堤防のり面から。18:30〜19:25。18:30
ツバメ10羽遊んでいる。18:50 調布市内方向より30羽ほど来て乱れ飛ぶ。18:55
堰上流中央の中州と左岸寄りの中州のあいだを100羽ほど乱れ飛ぶ。19:10 200羽ほどと見られる。19:20
全体に静まる。どこかにねぐら入りしたようす。暗くなるが、左岸堤内地のナイターの光が中州のヨシやオギを照らして、サーチライトを無効にしている。その代わり、双眼鏡で様子がわかる。左岸から見る限り、1羽も止まっていない。
他の野鳥:カワウ142羽、カイツブリ、アオサギ、コサギ、ゴイサギ、カルガモ。
7月5日 永田地区A工区 晴、猛暑
カワラノギク・プロジェクトのオプション除草の会。正規メンバー4名と新人学生3名で、広大な草地のどこから手を付けたらよいかと一瞬迷いつつ、まずはザボンソウやタケニグサなど花を咲かせているもの、ニセアカシアやピラカンサ、ネムノキなどの木、そしてイタドリやアレチマツヨイグサなどを除去した。どこをやったのという感じではあるが、何も手を加えない隣のB工区と比べれば、除草効果は一目瞭然。
下流の丸石河原には良い風が吹いているのに、草むらには風があまり来ない。熱中症に気をつけながら2時間作業をした。
5月の除草で出した草が除去されずに堆肥と化していた。
永田橋近くでノカンゾウの群落がきれいに花を咲かせていた。A工区の草むらで、カワラノギクなどに混じってネジバナが咲いていた。
イカルチドリ。キジ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ガビチョウ。
7月1日 中央線鉄橋から日野用水堰までの多摩川右岸 曇りのち晴れ
多摩川の水量は多い。
かつて中央線鉄橋を下流から上流側に向けてくぐると、正面から多摩川の水が自分に向かってくるように見えたが、いまは高水敷があってつまらない。冬は土丹に立って水面の高さから遠くの奥多摩の山々を眺めたが、そういう醍醐味もいまはない。この秋から谷地川合流点付近の護岸工事が始まる計画があり、それができたらもっと殺風景になるだろう。
土手にヤブカンゾウが咲いている。「神様の失敗作」と言われるほどクシャクシャの花だ。
シンジュ(ニワウルシ)が多摩川でどんどん増えている。オニグルミの実付きが今年は良い。谷地川沿いに上流へ多摩大橋まで行く間に多摩川の水面はまったく見えない。大森林地帯みたいだが、かつて谷地川の改修工事をしていた1980年頃は広大な砂利河原だった。谷地川が多摩川の河川区域に入る辺りもフェンスが灌木で蔽われて水が見えない。
谷地川を渡る橋まで迂回して、多摩川堤防に戻ってまず出迎えるのはラジコン・ヘリコプターの騒音。いくら「自由使用の原則」と言っても、それは自然を改変しないでの話で、無断で除草したり絨毯を敷いたりすることまで黙認している河川管理者の発想は理解できない。
八王子の下水処理場からの排水はいつも泡立ち、水温が高いために水草が一年中青々しているが、そんな汚水でいつもカルガモが餌をとっている。身体に悪いよと言ってあげたい。
ネジバナが咲いている。土手に咲くこの季節の黄色い花は?と言えば、かつてはコウゾリナに決まっていたが、いまは95%がブタナ。3%がニガナで、コウゾリナはわずか2%。
多摩大橋の旧橋はまだ撤去されていない。大通りを渡ると八高線が見えてくる。今日はめずらしくこちらのラジコン飛行場はお休み。その手前かつてモトクロスが走りまわっていた所はいま草や木が蔽って静寂を取り戻している。
八高線を越えると、土手の斜面にまずカラマツソウの群落、続いて蕾をつけたヤブカンゾウの花茎が数百本出ていて驚く。これが一斉に咲いたらさぞ見事だろう。ぜひ写真を撮りに来たいが、その前に除草されてしまう可能性が高い。
日野用水堰着。ゴイサギが休んでいる。堰上流の中州のヨシ原は小さく、ツバメの集団ねぐらの復活は期待できない。中州の上流半分は昨年9月の増水で草木が押し流されて、丸石河原になったままだ。どこからかウシガエルの声が聞こえる。
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、カルガモ。トビ、キジ、キジバト、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。
【2008年4月〜6月】