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1月31日(木)
●きのうから今日にかけて、喫茶店展おおきな進展だ。
きのう午後4時近くに文学館を出て。白石の平和駅。初めてだな、こんな駅。おどろいたなー、原爆ドーム? 何、平和祈念資料館? 近くても初めての場所は新鮮だなー。解りにくいし。行き先はキコキコ商店。末木さんご夫妻。何それ、誰そーれ。って。ステキなご夫妻よ。すてきな商店よ。お仕事の正味についてよく解ってるわけじゃないけどさ。
奥様描いてくれた地図でね。ようやくたどりつけました。アパートの二階。ご主人はお客様と立ち話。ん? なんで立ち話? お部屋のなかが狭いからだね。ワタシは身体をナナメにして部屋のなかに入れていただきました。先客は玄関先で立ち話。ワタシは賓客?
でもね。いきなり和むの。おちつくの。なんでだろー。この部屋。わー、ふるいミシン糸のボックスケースに入れてるこれ、グリコのおまけ? わーこの駄菓子屋の器みたいなのにいれてるのなーに。えー、あっちこっちで集めたミミカキ? で、こっちの壁天井までいっぱいに埋め尽くしてるCD。これがキコキコ商店の「正味」のひとつ。ご主人が今立ち話なさっているのがこれ関係の話のような。いいなー、今流れてるの、京都弁の可愛いシャンソンみたいな。
でグリコ関係とかに目を奪われてたらさ、奥様、ご自分のおジーさんの話はじめて。鹿児島生まれの演歌師だって。東北まで流れてきたとき結婚されて、そのまま北海道まで流れて落ちつかれたそうな。ヴァイオリン弾きながら「歌の本」売ってたんだと。「軍歌集」ってのがありました。敵の大将ステッセル、とかね、ハヤブサ飛行隊の歌、とか。でも表紙がなんだかのどか。「自分で作って売ってたんだと思いますけどね。奥付もないから、何だかよくわからない」って。「これもジーさんの形見なんですけどね」って出してくださった。漆塗りの文箱。でも材料は新聞紙? いろいろいっぱい入ってるじゃーないですか。お芝居の絵葉書、国会議事堂の写真。根室の観光地。洋画スターのブロマイド。道都札幌のパノラマ写真。「これじゃーねー。祖父の人生って何だったのか」。すてきな、おジー様じゃーないですか。
ご主人は、まだ玄関でお客様と立ち話。奥様がコーヒーを入れてくださって。コーヒーカップばらばらで、ひとつは湯呑みだったり。そのコーヒーみたとき、一目でね。おや、って思ったのね。澄んでるんだな。器に近い部分なんか、あーこれが、って思わせる琥珀色。口に含んでもさ、渋さがないの、口の中に残らないのね。何だかとっても爽やか。アタマのなかも透明に澄んでゆくようなさ。で、これがキコキコ商店の「正味」の二つ目。キコキコ商店が仕入れている豆を焙煎している人。コーノ珈琲サイフォン株式会社の二代目河野敏夫氏。それを氏自ら考案のコーノ式ドリッパーで、奥様が淹れてくださった。この河野敏夫さん、80歳過ぎておられるそうな。だけど聞くほどにステキなコーヒー一途の人。焙煎の達人。達人ゆえにいかなる注文にも応じる。けっこう大手のコーヒー会社からさ、焙煎してよ、急いでよ、あ、オタクの好みじゃなくてウチの味にあわせてね。ってとっても失礼な注文にもヘイヘイって応じてくださる。でも、ほんとにご自分のやり方にこだわった焙煎はもー天下一品なそうな、って今目の前のコーヒー一口含んだだけで、それはワタクシの舌が確認した、っていつからグルメな。
えー、私ゃコーヒーの味なぞ存じませぬ。頓着ないし。でも、こりゃ初めて。で、いっそうキコキコ商店(ちいさなアパートの普通の部屋だが)に沈んでいくみたくナゴむなー。なーるほど、沼田さんがこれほど「喫茶」にこだわるワケが、って今頃わかったんかー。
つぎに奥様が出してくださった可愛い豆本シリーズ。近刊予定は「根本敬」だ! これがキコキコ商店の三つ目の「正味」。で私が本日商店を訪ねた理由。
話はまだまだ続けたいのだが、ご主人の立ち話もまだ続いているし、次のお約束もございますので、ひとまず失礼を。「あれ、帰るんですか。オレもお話したかったんだけどな」ってご主人。えー、またまいりますよ。もーコーヒー一口で確信しちゃった。キコキコ商店と、今ここに固く関係結ばれました。お世話になります!
長ーい歩道橋を走って、平和駅から札幌へ。ススキノに向かって東急インのロビーへ、って早すぎたじゃん。待つこと40分で片桐さんが現れました。連れていかれたのがfrascoってお店。広くて薄暗くて静かでしめやかなオトナの世界。ワタクシのニガテ系。六本木とかススキノで数回連れて行かれたような、もーたいてい何だか夢見てるよーなね。は。私の財布には確か3000円……。
ちょっと落ち着かないまま待つことさらに数十分。マスターがいらっしゃいました。で、片桐さんが何でここに連れてきてくださったかとゆうと。それはさかのぼること、えーと、昨年末12月30日だ。で、そのことは1月5日の日記に書いた。沼田さんにいわれたね、プロの指導のくだりね。うーむ、そりゃもっともだ、って、片桐さんが私の知り合いに一人、って紹介してくださったのが、目の前の青山さん。20数年前に北大正門前で「青猫」って喫茶店をされていた。青山さん、話し出すと長いぞー。もっとも長く仕向けたのはワタクシか。例のオリンパスペン展の話始めたら身い乗り出してくださってね。
あれは「ペン」が「あの場」に参加するチケットだった。あのどこの家にも、どっかに転がっているあの安カメラを出品する。それについて二、三のことを語る。それだけで「参加」の間口は今までの文学展ではとーてー考えられないくらい広がったわけだ。コーヒー、一杯のコーヒー。喫茶店は、コーヒー一杯で。そこで誰かと語り、あるいは誰とも語らず、時を過ごす。誰に遠慮しなくてもいい。回りの目や耳を気にしなくていい。なぜか。そこにコーヒー一杯があるからだね。それって、あのときの「ペン」と同じじゃん。
なんて、話してるうちに青山さん、すっかり乗ってきたみたい。語り始めた「サービス論」説得力あったぞー。でも、これ再現すると長くなるからね。つぎに青山さんが言いだしたことが、これが画期なんだ。青山さんは、べつにそんなつもりでもなかったんだろーけど。ま、フツーのことだからさ。でもワタシにゃ画期だった。ん、ハメはずしているつもりでも固定されてるんだねー、つくづくそー思う。って何の話だよ、ってね。
青山さんは、こーゆうんだ。「ってなことを私出向いてしゃべるのは、ヤブサカじゃーないですよ。でも、やっぱり地元の人がいーんじゃない。それも今現実に、喫茶店に携わっている人ね。この不景気のなかで、お店を懸命に経営してる。お店のことだけ考えていられないよね。当然、街あってのお店だ。切実じゃないですか、小樽の街のことを考えずにいられないよね。ね、玉川さんのやりたいの、街のことなんでしょ」あ、そーかー。「それもお一人じゃなくて、おなじ仕事でもね、そりゃ人によって考え方は違う。伝統もあるだろうし、若い人には違う考え方もあるでしょ。うん、いっそディスカッションしてもらったら。そりゃ、直接にはこんど喫茶店展やるスタッフの勉強のためだろうけど、これはアドバイスする方もいい機会になるんじゃないかな。サービス、ってことをマジメに考えてみる」「ウエイトレスやったことのある人とか、お客さん側の意見も出してもらってね」……。これは! なーるほど、って。
私がね、はッとしたのはさ。もーこれは「イベント」だね。でさ、これがイベントとして画期なのは、展覧会の前にやる、ってことだ。なーにが画期だよ、ってゆわれそうだが。実はオレたちのアタマのなかにはなかったのね。展覧会関連のイベントを「展覧会期外」にやる、ってこと。これはね、オレたち「館関係者」の常識ハズレなんだ。
はッ。おもしれー。これやろう。ぜったいやろう。喫茶店関係者幅広く集めて。テーマは「喫茶店におけるサービスとは」「街のなかでの喫茶店という場所の役割」。伝統店引き継がざるを得なかった二代目マスターとか、古い店のこと辛うじて覚えてますよ、ってジーさんとか。昔はどうか知らないけれど、いま求められてるカフェはこーですよ、って若い人とか。私がウエートレスしてるとき、お客さんからいわれた意外なひとこと、とか。おもしれー。これは、パネリストむりやり拉致してきてもやろー。
これはね。もうスタッフへのアドバイス、の域超えてるな。逆に「アドバイザー」を引きずり込むってことじゃないですか、「喫茶店展」に。
ディスカッションの途中で進行役のワタクシがちょいと質問はさむわけね。えー、ところで、ご主人ガタが、いまここで、この文学館を改装して喫茶店を開店なさると。いったいどうすればいいとお考えになりますかー? ここでパネリストおよび聴衆は、文学館を見回すワケね。天井見上げ、窓の外眺め、床とか壁とか。
ハマったなー。もうみんなアレだ。喫茶店展のスタッフだ。みんな考えざるをえねー。この展覧会は何なんだ、ってね。
ここでちょいとゴーマンかますぞ。喫茶店展で私が引きずり込もうとしてるのは、この街自体だ。もちろん逆に文学館が街に引きずり込まれることでもあるな。ワタシの最近のイッテンバリだけどさ。街の一部としての文学館。展覧会の宣伝としても、これ以上のものないよね。もー面白いとか面白くないとかの話じゃねーんだもの。自分の街、自分の商売、自分の人生、のことになっちまうんだもの。意識せざるを得ないでしょ。何なんだよ、ここは。って。
青山さんもいってたけど「ハラン含みになりますよ」ってね。「でも、玉川さんも期待してるんでしょ。ハラン含みを」はッ。ご明察。活気、ってそうゆうことだもんねー。
それで、こんどは今日の話だが。有好さんから電話だ。「『光』さんに話しましたよ」あ……。「初め渋ってたんですけどね」……。「ご主人も悩んでるのね。伝統あるお店でしょ。でもあれだけ広いお店を維持するのはね。伝統だけじゃー辛いのね」……。「古い部分は土曜日だけ開く、ってなさってるのも苦肉の策なのね」……。「でも、協力してくださる、って。どうせ土曜日だけ開けるんだから、二ヶ月の間くらいなら、あの古いお店の部分のもの使ってもよろしい、って」……。!!!。「あそこの二階は物置状態なんですけどね。古いものもまだ随分あるようですよ」!!!!!!!。えーッ。うッそー。わー。夢? 光? 「今度ご一緒しましょ。ご主人と話してごらんなさい」はいッ。ご都合にあわせて飛んでまいります。
これって、あれ? クラシック「光」を丸ごと文学館に持ってこれるかも、ってこと?
えっとー、この窓から手宮線挟んでこの方角に……。まっすぐ伸ばせば「光」。それを丸ごとこっちに持ってくるって。「都通商店街」が「文学館」に直結する、って。これは「夢」?
きょう、紀宮様がお出でになりました。聡明で爽やかな人でしたよ。
1月29日(火)
●渋谷区中央図書館ってどこにあるかご存じ? いきなりなにか。
25年頃前のことを思い出してさ。そのころ私は大学は出たものの就職のあてはなく。とりあえず、東京の伯母の家に下宿させてもらって、職を探してた。今ほどじゃないだろうけど、就職難でね。まーね、ゼータクっちゃ、ゼータクかな。事務とか営業とかつとまるわけねー、ってハナから選択肢きょくたんに狭めてたからさ。そのかわり、出版とか編集とかだったら「月刊昆虫研究」(そんなのあったっけ)とか「レンガ業界」とか、もーなんでもいー、なんてね。なめた話だな。相手にしてくれるわけはねー。
で、とにかくあてどなく朝8時頃は伯母の家を出るわけだ。そのころインターネットカフェでもありゃもー入り浸り。体力、気力、乏しいカネも使い果たしてナラクに落ちたかもしんねー。そんなワタシが向かった先が、渋谷区中央図書館だ。知ってる人少なかろう。竹下通りのすぐそばだ。あのカイワイならヌシみたく知ってるけどそんなのねーよ、ってヤツもいるだろうが、ある。表参道、竹下通りにやってきて図書館に向かう、ってヤツがほとんどいないだけだ。それはひっそりとたたずんでおる。
でワタクシの目的は何か。まず新聞繰ることだ、求人広告をね。そんなの、わざわざ表参道まで出る必要ありゃしねーが。イヤなんだよ、伯母の家の赤羽図書館なんてさー。なんつーの、まだそれなりに若かったわけで。前途に見込みはないが、やっぱり東京はおもしろいわけで。おんなじ区立図書館でもさ、原宿いきたいじゃない? やっぱりわかんねー?
新聞繰っても空しい日々だ。でも原宿図書館ではもひとつ楽しみがね。コロッケ定食。200円代じゃなかったかなー。食えねーよ、原宿界隈でそんなランチ。
求人欄とコロッケ定食で午前中は終わり、午後はどっかの公民館でやってる無料の映画見て回ったりね。情けねーが、情けないなりに時間を消費できる街だ、東京は。
突然、何をカイコしはじめたのか、ってねえ。東村山市立図書館だよ。一瞬、凍ったな。中2がさ、ホームレスを襲撃した、って事件。凍ったのは、この二人つうか、二組が出会った場所、対立した場所だ。公共図書館。
もう25年前にもさ、ワタクシが新聞繰ってた原宿図書館の部屋には、同じように新聞ゆっくーり繰ったり、その辺に配架してる本をぼーっとみてる人たちがいてね、なかにはちょっと異臭ただようようなさ。
まー、ワタシ自身がそうだったんだけど、あてどない、ってね。で、ただ日々をやり過ごすにしても、駅構内で横たわっているよりはさ、街中の図書館でさ。
入館無料の公共図書館。図書館法とか条例とか規則とかには絶対書かれていない、そんでみんな知ってて、知らない顔してる機能。ホントはとっても重要な機能。「居場所のない人の場所」「街中の隠れ家」。
ウチの「中学生日記」の連中もさ、輪郭の一部が闇に溶けてるようにみえることあるぞ。「日記」本文の行間を読む、みたいなことだけど……。
古本物色にくるオヤジとかさ。何なの、何が目的、そもそも文学館とはさ。みたいな「ギロン」の範疇外なんだよ。オレが知ってる。少しはわかる。「ここ」にいるからだよ。ほとんど背中を向けてても、展示室のこのカタスミに在席してるからだ。
いま、対角線上で背中向けてチャットやってるミナミ。ウィークデーのきょう来てる、ってことは、きょうは学校に行った、ってことだ。そんで、ミナミの何が解ってる、なんてゴーマンこかないけどさ。何かね。テレビドラマなんて、ドラマだから起承転結つけねーとドラマにならねーから、って当たり前だけど。あんな学校ねえ、あんなコドモいねえ、あんな親も先生もいねえ。
ゴーマンこかないけどさ。ここが数少ない場所になりつつあることは、実感あんだ。背中に実感あるんだ。言葉、コトバ。視線が空中を移ろうように、コトバは言葉になる寸前にここに漂う。ほんとに思うよ。活字とか書きとめる、ってことさえ、ナンボのもんだ、って。漂う場所だけは確保してー、って。
まーね、ミナミが帰るまでは、オレも帰らねー、ってことぐらいだけどさ。たかが知れてるんだけどさ。
何かなー、テレビに映った襲撃されたオヤジの段ボールの「家」見てたらさ。無性にね……。
1月27日(日)
●ほんとの喫茶店ならさ、マスターが凝りまくってじっくり豆炒って、慎重にお湯注いで抽出して、って。ウチじゃーやってらんねえ。そんでも、せめて、いい味出せますよー、職人ハダシねー、ってコーヒーメーカーないかなー、って検索かけてたら(こんなワタシは某市役所ならソッコー一か月謹慎か)、「世界で最も有名なコーヒーメーカー」ってのがあるじゃーないですか。そーそーこれこれ、って出してみたら、ん、ごっついな、なるほどこーゆうーヤツが、って。ちがうじゃねーか。
でもねー、思い出したよ、ワタクシも。そーそーこれこれ。やー、インターネットってどこがオモシロイの。なんか、情報革命だとかうっざい感じなー、って。思ってたころさ。聞いた聞いたケンブリッジ大学のコーヒーメーカー。えんえんと撮されてんのよ、コーヒーメーカーがさ。何これ、だよねー。は? なんてしばらく見てると、あれ何だ学生みたいのがコーヒー注ぎにきた。帰った。何これ。また来た。なんて。
で、これがさ。おもしれー。バカバカしくもおもしれー。北海道のカタイナカに居ながらさー、あれよ、ケンブリッジ大学の学生食堂ときどき覗けるのよ。おもしれーでしょ? おもしれーじゃん。は。これかー、って思ったさ。なーるほど、インターネットってなー。少なくともワタシにゃ、NASAのサイトよりよっぽどおもしれー。って、ワタシだけじゃーなかったんだね。このバカバカしーサイトにアクセス250万件だって。
で、あげくのはてにこの「世界で最も有名なコーヒーメーカー」古くなって水漏りだしたから、もー売っちゃえ、って競りにかけてみたら、58万円で落札だってさ。
いやね。おもしろいのはさ。狙ってたんじゃねー、ってとこだね。コーヒーなくなってねーかちょくちょく見に行くのめんどーだなー、パソコンやってるのにさー、中断しねーで見にいかねーですまねーか、って。
まーね、ウソかも知んねーな。ケンブリッジの学生だもん。
真顔でウソつく、アタマのいいやつのマネすんのもシャクだけどさ。これやっぱおもしれーぞ。で、コーヒーメーカーの検索中断して、Webカメラの検索を(仕事してんのかよ。三か月禁止くらわねーか)。
でさ、これでユーメーなのはあそこだね。富士山頂。でもさー、これはおもしろいことはおもしろいが。だれでも思いつくだろー、ちょっとやそっとで行けないところ、って、こりゃ面白半分のライブ中継じゃねーのか。実用的意味あんのか……。
で、つぎに見つけた。ははは。山口県長門市ってとこのサイト。市役所2階からのライブカメラ、って。こっちはふつうの発想みたいで、ビミョーにふざけてるぞ。あれか、ハカライがないだけ、ケンブリッジ上回ったか。だってさー、エンエンと駐車場風景映ってんだもの。
もー、わかったでしょ。何をやりたがってるかさ。定点観測って、「スモーク」のハーベイ・カイテルやってたみたいなさ。んでもワタシゃマメじゃないからねー、そんなマネできないねー。ってこれならラクでしょ。ライブ中継。おもしろいかどーか知らねー。今もワタシ以外に残ってるのは「中学生日記」だ。今年初めてほとんどフルメンバーご出勤だ。でもさ、こんな文学館のぞいてみたくない? だってさ、こないだ京都大学の学生さんから文學舎会員申し込みあったけど、まだ文学館来たことない人よ。ねー、覗いてみたくない? そーでもないか。
1月26日(土)
●せんだって、ただでいただいたピアノ、チーム佐藤ですんげー苦労して運び込んでもらったあのピアノ。わきのステージでは「ゆきずりの朗読」をやってるわけだが。ピアノの上にはこーゆう風に書いてある。
「ピアノはご自由にお弾きください。他のお客様がおいでのときは、それを意識なさりながら。」
ピアノがありゃーいいなー、って思ったのはさ。去年暮近くに佐藤さんのアトリエ・ガレージ「人間性」でやった「言葉、」ね。あんときワタシは「中学生日記」のタッヒー、コウジ、ミナミ、怜奈ちゃんを連れていった。
「言葉、」ってね。こりゃ難しいイベントだ。だって、アドリブ的要素がとっても大きくて、しかもそれがこのイベントのイノチだからね。進行役のトッサの判断が流れをサワヤカにも澱ませもするからね。オトヨさんがそれをこなした。その第二回目を文学館でやってくれ、って頼んだのは、これのチームへの驚嘆、があったからだ。
ワタシはコドモの引率者だったから、中途で引き上げましたけどね。それでも、十分におおもしろかった。で、メッセージあり、演奏あり、オバサンからの問いかけありのまさしく「言葉、」だったわけだけど。どーしてもちゅうとで「間」があくわけね。そりゃまーしかたないんだが、そんときガレージにあったピアノみつけてさ。怜奈ちゃんがね、これ弾いてもいいの、つうんだ。「間」は、みごとにつながったさ。なーるほどなー、って思った。怜奈ちゃんは「特別の中学生」じゃなかろう。翔子もおんなじくらい弾ける、っていってた。そうだな、いまどきのコドモ、ピアノ教室に10年以上は通ってるよ、ってめずらしくない。コドモに限らないね。もーとっくにやめちゃったよ。でもピアノありゃー、一応は弾けますよ、ってネーちゃん、ニーちゃんは、けっしてめずらしくないんだ。私くらいの世代以上だったら、ピアノはやっぱりちょっと特別、ちょっとアコガレだったけどね。
でもね、ピアノは弾けはしますが、もー長いこと触ったこともねーなー、って人も、これまためずらしくないのね。そーゆう人のほうが多いのね。だいたいさ、こんども新聞の折り込みに、ピアノただでもらえませんかー、って広告だしたら4、5件も電話くるんだもの。話きいてみると、ピアノ弾いてたのはたいがいお嬢さんだな。でお嬢さんはいつか家を出ていくわけだ。そんでピアノが残る。ピアノの上は花瓶置かれたり、人形置かれたり、古新聞古雑誌置かれたりなわけだ。家を出たお嬢さんのほうも、もうピアノどこじゃねーな。家事に追われ育児に追われ、たまに実家に帰ってもさ、「ピアノ? いいわよ、そんなの。捨てるんだったら捨ててよ」「でもねー、持ってってもらうのにもお金がかかるのよ。あれば調律だってしなけりゃいけないし」「あ、そー」てなもんだね。
かくしてアコガレのピアノは、文字どーりの無用の長物になってしまった。
また前フリ長くなったなー。よーするに怜奈ちゃんのアドリブ演奏が、ワタシに「ピアノへのアコガレ」を呼び覚ましたのさ。いいんじゃねーかなー、文学館のカタスミにピアノあるって。中学生とか、かつてのお嬢さん、今は身なりもかまってられねーオバサンが、あれ、なんてね。弾いてもいいのかしら、なんてね。いいのよ。弾いてよ。どーせ、お客さんなんて少ねーんだもの。
そんなわけで文学館に来たピアノ。何かちんまりと、それなりにおさまっているのね。
「ゆきずりの朗読」の方は、これはまだ「プレ」なのにさ、もー10何人か撮ってるんだ。ラジオで聞いたんですど、やってみてもイイデスカ。なんてね。
でもきょうのお客様はさ。うーん、これは。初めてな。ゆきずりのピアニスト。ニンゲン、外見じゃねー、ってもさ。外見で判断するのは人のサガだ。判断するな、つうのは無理な話だ。で、大なり小なりギャップってのがあるもんで。それがおもしろいんじゃないですか。きょうのオッチャンはね、失礼をかえりみず印象綴ればさ、そーだなー、リストラくらって半年過ぎて、どーにもこーにも見通し立たねえ。お父さん、きょうはどこ行くの。いや……、もうちょっとな。心当たりをな。あ、そー。遅くなるんだったらゴハンは済ましてきてね。って、勝手に想像すんなよー、ってね。
で、何かちょっと落ち着かないようすで。事務長通りかかったら、「あの……新聞で見たんですけど」ってね。そーなんだよねー、こんなオッチャンが詩を朗読してくんだから、おもしろいでしょ、って、「いえ、ピアノを」へ? いや、いいですよ。お客さんもいまいないし、触っていってください。「すみません、すみません」。
戻りかけた事務長も、展示室のスミでパソコン打ってるワタシも耳を疑ったぞ。「愛の讃歌」う・め・えー。え、なに、この人。シャンソンアレンジした曲何曲か続けて。何かごそごそ大学ノート出してきて、なに、その曲?「え……。自分で作ったソナタなんですけど」。「お仕事で弾いてらしたんですか(ふーむ。きっとあれだな、何年もまえにツブレたキャバレーの雇われピアニスト)」「いいえ。もーほんとに独学、我流で。いっこうに上手くならないんだけど」えーッ。
このオッチャンね。さきに美術館に入ってきて。やっぱり何か落ちつかない感じでさ。あの、文学館でピアノ弾ける、って聞いたんだけど……。えー、そーですよ。よろしかったら、どーぞ。ってね。障害者手帳みせてったらしい。ふーん、障害あるようにはみえなかったけど……。
オッチャン、20分くらい弾いていったな。はじめビックリして集まって大拍手だったウチのスタッフやら実習生やら中学生やらも一人戻り二人戻り。でも、オッチャン一人でさ、夢中でピアノ弾いてた。
知らねえよ。オッチャンの家庭環境だとかさ。どんな障害あんだ、とかね。オレも早々に展示室のスミに戻ったけどさ。胸がね。熱くなった。
帰るときもさ、何かオドオドして、「すみません、ほんとうに」って。また来てね、いつでも来てください。こんどリクエストして、いいですか?
Place for the rest of us.
ふふふ。どんな「場所」になっていくんだろう? 市立小樽文学館。
1月24日(木)
●文学館が全国紙の話題なるようなことなんて滅多にねーけど。稀にあるのはだいたい想像できるよね。「有名作家の新発見資料!」ってヤツですね。ここでミソなのは、「新発見」ってヤツね。メディアが念押すみたいに確認するのは、これ一点張りね。その資料が作品の価値をどう左右するかとか、研究上の意義なんて実際のところ二の次です。まー、研究上の意義、ってその研究自体の意義が怪しかったりするから、どーでもいいんだけどね。
とはいっても、話題にはなりたいのさ。いくら来てみりゃ分かるって、って言い張っても。えー、そんなとこあったっけ。じゃーしょーがないわけだね。私などは近年またはびこりだしてる文学館=アーカイブの原点に、ってのは文学館滅亡論だ、って主張したりしてるんだけど(だれも相手にゃしてくんないけどね)、とはゆっても、文学館が人目を惹くなんてのはさ、ありてーにいえば、そこにお宝あり!ってヤツなんだね。
そーゆうのをバカにしてるわけじゃないよ。ただ「お宝あります。死守しております」でおわっちゃえば、そりゃやっぱりバカだろう。
で、そのお宝をゲットできるかも知れない、つう話(なんなんだ)。
まず一つ目。小林多喜二書簡大熊信行宛昭和7年封筒付き便箋5枚。2月上旬に東京のさる古書市で出品される。値80万円。
小林多喜二&大熊信行がおもしれー、ってのはさ。この二人の関係をおもしろくしてくれてるもう一人の人物がいるからだ。伊藤整氏。つくづくこの人の功績大だねー。ウチにとっては、はっきりいって小林多喜二以上だよ。その伊藤整著「若い詩人の肖像」から一部抜粋。
「大熊信行は、背が高く、面長で、顎が少しシャクれ、その頬が美しく紅潮していた。……彼は合いの長いオーヴァーを着て、学校の坂を登り、また下る時に、ゆっくりと歩いた。そのオーヴァーは大変ゆったりと作られていて、彼が歩く度にその裾が大きく揺れた。」「この年小林多喜二は、いよいよ自信ありげな顔をして、学校の中を歩いていて、私にはいつも気になる存在であった。……教壇の上に大熊信行が赤らんだ長い顔を机の上に傾けて立っており、小林多喜二が壇の下にいて、彼の顎ぐらいの高さのその机に手をかけて、熱心に何かを尋ねている場面に出会った。それは小林多喜二が最も熱心な生徒であるか、小林多喜二が特に大熊信行と仲がいいか、どちらかであった。……いずれにしても、その様子は、私にねたましかった。……」。
注釈入れとけばね、当時大熊信行は若干27、8歳で小樽高商教授。颯爽たる少壮の経済学者。歌人でもあってプロレタリア短歌運動の先駆的な仕事もしている。マルクス主義に造詣も深かったが思想的には多喜二らと相反する道を歩んだ。もっとも大熊にとっても小林多喜二はよほど印象深い学生だったらしい。多喜二没後、中条(宮本)百合子が大熊信行にあてた手紙とか、大熊自身の回顧録からもそれがうかがえる。
この手紙が「お宝」なのは、相手が大熊信行だってことがひとつ。ふたつめは、一般的にはこれがいちばんわかりやすいんだけど「新発見」だ、ってこと。「新発見」っていいかたも微妙なんだけどさ。「定本全集未収録」つうのがその「定義」だ、っていってもいいだろう。そんで、みっつめは、ま、これが実のところいちばんなんだけど、中味がおもしれー。これはね、後日あきらかにするよ。それまでのお楽しみ。なんつーても、ゲットできなければそれまでだ。
ウチの事情多少なりとも知ってる人は、もう心配してるよね。80万でも、買えるの?ってね。買えます!これはもー正々堂々、買える。もー数年前のことだけど、小林多喜二の手紙を小樽に!って呼びかけたらさ、全国から500人も寄付くださって、300万円集まった、って新聞記事覚えてる人いるでしょ。前の館長の小笠原克さん、感激してねー。多喜二の手紙買って余りある、だったんだけど、これは文学館(小樽文學舎)の大切な基金にして皆さんの好意を生かしていこーよ、ってね。その小笠原さんは一昨年ガンで死んだ。でウチではさ。小笠原さんの遺志を生かそうよ、って基金の名前を「小笠原克記念基金」って変えてね。その基金の現在高が80万円。
え?全部使っちゃうの?ってね。あったりまえじゃん。使わないでどーするよ。80万円ばかりヘソクリ貯金みたくしていてどーするよ。こーやって使うことで、みんなまた思い出してくれるんだ。小笠原さんの遺志を継ぐ、ってそーゆーことじゃん。
そーか、そーか、良かったねー、ってね。だが。世の中そー甘くはない。この手紙出品されるのは「オープン」だからさ。すでに個人、文学資料館などあわせて5件以上の「注文」が来てるんだって。しかもヨソの方々は、同時に出品されてる他2通もあわせて購入、っていってるんだって。古書店さんの方は、抽選は公正を期しますよ、ってゆってくれてるんだけど……。で、運命の抽選日は2月5日だ。天命我に利あり、って思いたいんだけどね。結果をお楽しみね。
お宝話、まだあります。こっちはね、実はもっと凄い。伊藤整本邦初訳の「ユリシイズ」ってご存じ?アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスのね。これはね、幻の本なんだ。前後編揃えて持ってる人ほとんどいないぞ。なんでか。出してすぐ発禁くらったからだねー。問題になったのは後編の性描写。で、伊藤整は戦後こんどはロレンスの「チャタレイ」で、国家権力とまともに対峙するハメになるんだが。
先日、突如、某氏から知らせがあったのは、「私の手元にその発禁本があります。しかも伊藤整自身の書き込みが入った。これを貴館に寄贈する意思があります」って。一大事!!だ。こっちはね、文学通、古書通の諸氏にとっては小林多喜二の手紙どころじゃないだろう。奥深い「通の世界」の話で、ワタシにも理解しにくいんではありますが。
ただねー、亀井館長のコメントは興味深いなー。「性描写はね、時代を超えるの。常に禁忌であり、権力の忌避するところであり、『毒』なの。政治的テーマ、は時代が変わればその毒性は雲散霧消してしまうこといくらでもあるけどねー」なるほどねー。やってみたいなー、ほんとうに「権力の(含む・反権力あるいは良識という名の「権力」)忌避するテーマ」を。
これも近日中に結果報告。ねッ、楽しみでしょ?そーでもない?
1月22日(火)
●ミョーに温かい日ですね。春が近いわけじゃーないからさ。何か、こうゆう日って、漠然とね。落ち着かない、ってゆうか。不安な感じ。まーね、やや個人的な不安要素もあったりするんだけど。そんで、こういう日にかぎって、ポコンとね、目の前からとりあえずやんなきゃならないことが落っこっちゃった、って感覚にはまったりするのね。ボンヤリしてても、だからさ。出掛けてみました。
まず奥沢の喫茶店「コーナー」ね。なるほどな。こりゃ都会風。基本構造がモダン。ただここも経営者が代替わりなんだろう。微妙にダサく変化しているわけね。うん、街に馴染んでいく、ってのはダサ変が自然に進行していく、ってことでもあろうからさ。これはイチガイに否定できないんだな。不特定多数の人たちに楽ーな空間、ってのはさ。そりゃ基本的に、ダサい。この辺、ビミョーなバランスだな。
つぎに「我楽古多博物館」。みなさん、ご存じで? こりゃワタクシのとっておきの、だ。住吉神社の脇にあった古い割烹買い取ってさ、かなり大きな家なんだけども全館、アンティークで、っつうか。みる人によっては粗大ゴミで埋めつくされているのね。
入口に11月末から3月一杯休館、なんて書いてあるけどさ、引っぱってみたらカンタンに開いちゃったから。しばらく立ってたの。そしたらさ、チャイムがピンポンピンポン鳴り出して。そんで古っぽいビデオカメラがこちらに向かってジーって回っててね。電話がジリジリ鳴りだして。ハハハ。防犯装置なんだろう。あいかわらず、おもしれーなー。
しばらくしたら館主がやってきた。このオッチャンはね。古道具屋さん?廃品回収業?ここはいったい何なのー、ってね。もう上がり口からね。壊れた薬屋の人形とかホーローの亀の子たわしの看板とか、巨大なジュークボックスの上に何だか山積みになってたりね。
でも、怪しげなリサイクル屋とひと味違うのはさ、オッチャンが妙にマメだってとこだ。
ビデオカメラだって電話だって、オッチャンが自分で直したんだろう。ジュークボックスはね、A面はかかるけどもB面がかからないんだって。でもA面がかかるなら、どっか直せばB面もかかる道理だ、ってね。そりゃそーだ。こんなの直せるとこないからな、オレが自分でやるしかないのさ、だってよ。
ワタシはね、こうゆうのが好きなの。なんか大量の玉石混淆。いったいコンセプトは何ですかーってのがね。あんまり関わらないほうがいいですよ、なんて助言してくれた人もいたけどさ。こんなおもしろいところ、おもしろいオッチャン、かかわらないでいられますか。何これ、ちっちゃなオルガン。ほー、ちゃんと鳴るんだねー。
で、案の定さ。「喫茶店ねー。うーん、『エンゼル』とか2、3軒まとめて引きうけたことあったけどなー」だって。「バラバラに売っちゃったからなー、でも椅子20脚ほどまとめてとってあるヤツもあるよ」。えーッ!「ここでパソコン教室やるときにでも使えるかなって思ってさ」へ?まー、ともかくやっぱりここだねー。オッチャン、雪溶けた時分、また来っからねー。
1月20日(日)
●どんな歌が流行ろーが知ったことじゃあねーが。これは、うれしいんだ。ちょっとね。「ピクミン〜愛のうた」。歌ができた経緯は、まえからちょっと聞きかじってた。ゲームの販売戦略会議やっててさ、CMのなかみも詰めにはいってて、どんな音楽つけたらいいんだろー、って時間も押しててね。ったら、なんかやる気あんだか、ねーんだか、わかんねーキンパツの兄ちゃんが、こんなんでどーですかー、ってエンピツ書きのメモよこしたのがあれだ。いつだれが作ったのよ、ったら、あーオレですよ、いま思いつきました。へんな詩だな……。だれに曲作らせるのさ、ったら、えーこんなんでどーです。フンフンフフン〜……。は。カンタンだなー、いいのかよ。って。兄ちゃん広告代理店(チョー有名なね)の社員さ。で、その兄ちゃんがストロベリーフラワーのカタワレだ。
そんな歌がたまたま流行って何でうれしいんだよ、ってか?宮本さんのゲームだからだよ。宮本茂さん。私のアコガレ、スーパースター。My
sunshine! こんな有名人知らねー人は、って、ま、ふつうの社会人は知らねーか……。任○堂のゲームデザイナー。マリオ、ゼルダの生みの親だ。
ゲームデザイナーは山といるけど、宮本さんは特別だ。特別のなかの特別さ。この人の思想、一晩中語りたいけど、言葉も能力も足りねー。本なんか書かねー人だけど、ゲーム雑誌とかインターネットとか、何かかんかでさがして読んでよ、インタビューの断片でもさ。遊ぶ、ってことの本質を知り抜いてるんだ。生きる意味、ってゆってもいいくらいだよ。横文字職業、しかもバブル期も不況時代も、時代の先端、ひょっとしたら日本の最後の希望、って仕事だが、その職業名からフツーに連想されるような感じとほど遠いぞ、この人の容貌も服装も、かもしだす雰囲気なにもかも。任○堂って会社の社風がそんなんでもあるんだけど、スーツが似合わねー。作業服来たまま生まれたって感じ?まれにネクタイしめてきたりすると、柄がピカチュウだ……。
ゲームの話聞かされてもなー、だろうから、いいかげんにするけど、何ていったらいいかな、この人の「遊ぶ」思想の対極行っちまったのが、映像とストーリーに凝りまくり路線突っ走ったアソコだ。われわれこそ究極のゲームクリエーター、ハリウッドを凌駕した、って豪語したさ。いいんだけどね、まさかホントにフルCGで映画作っちまうとはね。バカ……だな。コケんのあたりまえじゃん。「お茶」のとこにも書いたけど。「漫画では描ききれない」って小説書いちゃった人みたい。映像とか音とかいいに越したことはねー、越したことはねーが。本質じゃーねーよ。目をみはるゲームってのはさ。
「ピクミン」ワタシはやってないけどさ。わかる。あのCMみればわかる。あのCMソング聴けばわかる。ああ、宮本さんだ、宮本さんもこのCMとっても気に入ってるだろー。あの兄ちゃんはさ、デ○ツー社員のあのキンパツ兄ちゃんは、おそらくちょっとやってみただけで、理解したんだろう、宮本イズムを。ユーモラスでいとしくて、やさしくて、残酷で。誰かが書いてたな。このゲームのプレイヤーは、真剣に悩まされるだろー、いったい何が正しくて、何がまちがっているのか、ってことを、そんなゲームだ、って。
ゲームの話いつまで続けんのよ、ってね。文学館の話をしてんのさ。こないだ話してたんだ。あのステージね。いま「ゆきずりの朗読」やってるあれね。もう10何人かに朗読していただいた。おもしれー。事務長なんて大受けさ。この話はまたこれからもやるけどね。何がおもしろいのか、ってことを詳細にね。
ひとつね、話してたことでさ、これコンテンツかえれば無限の企画ができるじゃないか、ステージ、スピーカー、スポットライト、マイクがあってね。そういう装置があってさ。そこにないのは「やること、と、やる人」だけだ。それをとっかえればさ。まったく別のゲームになるな。カセットじゃないか。ファミ○ン方式じゃないか。
ゲームに集中しようよ。集積回路みたいに集中しようよ。宮本さんみたいに発想しようよ。陽の光と風のにおいを指先で感じることのできるゲームですよ、そんなふうにゆえるようなさ。
1月19日(土)
●ちょっと腹立たしいニュースがあった。腹立たしいだけではなく、こりゃ少し危ないな、とも思う。
【社会】職場でPCゲームは御法度 秋田市がソフト追放令[01/12]
「勤務中のパソコンゲームは御法度です」。
秋田市は11日、全職員にパソコン利用の注意喚起をし、職員が使うパソコン約1500台にゲームを削除する専用ファイルを送信した。
秋田では今月8日、角館警察署で勤務中にマージャン大会を開いていた不祥事が判明し、署長らが処分されたばかり。佐竹敬久市長が「遊びのたぐいは御法度。厳重に注意する」と表明、市では素早く対応した。
「最近、使用ルールの不徹底が見受けられます。パソコンは業務上に限定を」。
この日、秋田市職員の連絡用のパソコン掲示板にこんな注意文が載り、初期設定されたゲームを削除する専用ファイルが配布された。
市長が「禁止」を明言したのは前日の記者会見でだった。角館警察署の不祥事が話題にのぼった。
昨年12月の仕事納めの日、署長の呼びかけで勤務中の署員20人が署内の道場で、OBからの差し入れのビール券を賞品にマージャン大会を開いた。
参加者は署員の約3分の1。署長が今月に入ってこの事実を県警監察課に連絡し、署長と次長が更迭された。
この不祥事から話が弾み、勤務中にパソコンゲームをしている市職員への対応を問われた市長は「民間企業は厳しい枠をはめているようだ。早急にしないように注意をする」と話した。パソコン掲示板では、ゲームの削除に加え、「インターネットの私的利用」「私用メールは禁止」「公務員として常識を問われるようなホームページへのアクセスは厳禁」も求めた。
違反者にはインターネットの利用を1カ月以上禁止するなどの対処の方針も書かれた。市情報政策課は「市民からいらぬ誤解を招かないためにも削除してもらいたい」と話す。
下線は例によってワタシ。いっけん、またお役所のサボりの話か、って感じだよね。だいたいロクな仕事してねーなー、ってネタにすらなんねー話だ。さっきここならまともな反発出てんじゃないか、って覗いてみた「2ちゃんねる」(禁止サイトの一番手か……)でも、なんだーこれ、って反応しかねー。遊んでるヤツラそっこークビ、みたいなね。お決まりの、税金ドロボーとかさ。
でもさー、何これ。問題があるとしたらさ、パソコンじゃねーだろー。仕事中に遊んでいる、っていうことでもねえ。問題があるとしたら、ただ一点だ。「仕事をしてない」あるいは「仕事をしてなくても、仕事になってる」だ。これって、パソコンからマインスィーパとかソリティアとかのチンケなオマケを削除するって話かよ。
厳しいワクをはめているようだ、って何だよ。ちゃんと調査したり、それの影響とか聞き込んだりしたのかよ。私的利用とか常識を問われるような、とか明瞭な定義ってあるのかな。利用禁止、って、それなら初めからネットなんて導入すんな。仕事のために導入したんじゃねーのか。あれか、せっかく大枚税金つっこんでネット入れて、そんで一カ月以上禁止って、それこそ「税金ドロボー」じゃないの?
で、何に付けてもそうなんだけど、ほとほとイヤになるんだけれど。これだよ。「市民からいらぬ誤解を招かぬように」。あのね、これに尽きてるの。これさえ、避ければいいの。確かにいるからな。定時までに来て、一日机に向かって書類に目を通したりルーチンな文書書いたり、そんで、ねえ、びっくりするぞ。帰りの定刻10分前には机の整理始めるんだ。定刻には手品のようにサッパリ消えてくれるよ。
ねえ、ネット導入するって、それからさ、問題は。やんなきゃなんないことやってるの?最低限の使いこなし、ってことをさ。ネットってツールだろう。自分で解けぬ問題出てきたときどうすんのさ。役所のなかであっちこっち聞いて、それで分かんなかったらあきらめる、これが今まで、だ。これからは違うだろう。ネットってそのために導入したんじゃねーのか。検索エンジンも使いこなせねー、そんな職員置いてることの方がずっと問題じゃねーのかよ。
メディアもメディアだよな。パソコン一カ月使用禁止、ってナンセンスわかんねーはずないだろう。そりゃ世の中にはびこってるからね。ネット=怪しい。公務員=ヒマ・不正って「常識」。そんな「常識」に迎合するだけの記事書いててどうすんのよ。ネットの恩恵にあずかってるの(カタキかも知らねーが)、いちばんよく知ってるの、あんたらじゃあねえの?
1月14日(月)
●成人の日、おめでとうございます。新成人の皆様に文学館特製の原稿用紙とメモパッドプレゼント。エッセイでも書きますか!ってやってたのに、来ねーじゃないか。来るのはあいかわらず中学生日記だ。ショーコ、ユリコ、アキエにタッヒー。いいんだけどね。こんだけ毎日来てくれりゃー、たいした実績だーね。未来はキミタチのものさ!
そんで、喫茶店展だ。「あまとう」へ行ってきた。御主人自身は7、8年前転職して家業を継いだそうな。親父は生き字引だったんだけどねー、っていうのはこないだ伺ったとおり。でもいろいろ話してくださった。「あまとう」さんは昭和4年開業。最初「甘党」って名前で食堂だったそうな。鍋焼きとかもね。もちろん名前のとおりフルーツパフェとか餡蜜とかは初めから出しておられたそーな。「館」さんは昭和9年くらいじゃないですか、って。最初は「ダリア」って名前だったとか。こりゃ初耳だ。「館」って名前にしたのは画家の国松登さんのご提案だったようです。で、もっと古いのはやっぱり「米華堂」さんじゃないですか、って。それにしても、ここ数年で古いお店閉まったり、皆さん亡くなられたりしましたねー。「カール」さんとか「緑」さんとか、ご健在なら、皆さんお話もお好きだったですけどねー、と。うーむ。
で、話をちょっと変えて、どこにもあってどこにもなかった幻の喫茶店再現するためにさ、まず調度が必要でしょ、それであの話。えっと椅子とかテーブルそろえるの難しそうで、それで思いついたんですけど、「あまとう」さん始め「光」さんとか「米華堂」さんとか「館」さんとか老舗の椅子・テーブルを一組ずつお借りして……、って話しだしましたところが。「ふんふん、そりゃいいですけどね。どこの椅子、テーブルも似たようなもんですよ。だって同じとこで作ってるんだもの」え!?
「同じ工芸店で作ってるからね。小樽の古い店はみんなそうじゃないかな。何か似た感じしませんか」そーいや……。その内装屋さんって?「ええ、もう廃業なさったけども」……。「ご主人、まだお元気ですよ。昔のお店の話もよく知ってるんじゃないかな」おお!グッド・ニュースじゃ!
で、その方、稲穂5丁目の有好幸平さんを早速訪問。「仕事は止めましたけどね、前に手がけたお店の椅子やらテーブルの修復ね、まだ頼まれるから」「職人さんも、ま、フリーだけど、仕事があったら来てくれるの」おお!「『光』さんも、去年内装かなり直したばっかり」おお!「ちょっと偏屈なご主人だけどね。話しておきますよ」おお!おお!
で、そのほかいくつか古いお店の話をさらにゲット。奥沢十字街の「コーナー」なんてお店初めて聞いた。「コーナー」って名前ちょっと惹かれるね。「街角」。ウチででっち上げようとしている幻の喫茶店と同じ名前じゃん。ウチの喫茶の内装も有好さんにやっていただけるといーなー。そんで椅子テーブルは有好さんも同じ意見で、「いろんな店のもの借りられればいいんじゃないですか。名前も入れてあげればお店の宣伝にもなりますし。みんな懐かしんでくださるんじゃないかな」
うーん。喫茶組合は消滅しちゃったらしいけど。やっぱり小樽の喫茶業界あげて協力していただこう。ね、そういう展覧会だもの。
帰りには「ツタヤ」で沼田さんに頼まれてた『さっぽろ喫茶店さんぽ』もゲット(沼田さんウロ覚えなんだもの。意外に苦労しちまった)。きょうは収穫あったなー。
文学館へ戻ったら、何だか盛り上がってるのね。例の武闘派古本オヤジさ、しばらく来てないんだ。副館長のゆうとおり、確かにめぼしい単行本ほとんど無くなっちゃったからもう用済みになったのか、って思ってたんだ。そしたらね、佐藤さんが、小樽のタウン情報誌パラパラめくってて、あれ、このオヤジ、あのオヤジに似てませんか、って。なになに、ってみんな集まって。えー、似てるー。えっと……、なにー!「小樽の職人総集編・和服仕立屋Iさん・幼少時代に負った右足のハンディーにもめげない強い意志が読者の心を揺さぶりました」なにー!ほんとに同一人物?「確かにオレも揺さぶられたけどね」って事務長。「でも和服仕立屋なら佐藤さんのナカマじゃねえか」。うーむ……。謎だ……。けれども……。おもしれー!!
1月13日(日)
●基本はさ、すごくいい、だいすきだ、夢中になりそう、だ。大前提だろう。自分が楽しくなくて、どーして人を楽しませられるのよ。自分が感動しなくて、人の心動くかよ。
学芸員の話だよ。批評家然って、つまんねーゴタク並べてんじゃねーよ、って話だ。
いや星田さんだ。美術館の学芸員のね。彼女夢中だよ。夢中度において、今まででいちばんだろう。「ぼくらのヒーロー、ヒロイン展」ね。ウルトラマン、キャンディキャンディ、大好きだよ、泣けるよ。みんなでいっぱいいっぱい盛り上がりたいよ、そんな感情がどんどん伝わってくるんだ。こっちにもさ。ほんとに、マンガじゃワタシに一日の長が、ってもーいってられねーね。
きょうさ、オトヨさんが入館券を縦に二組ならべて、きょうはこのくらいだった、ちょっとスゴくない?って話してて。ワタシゃ入館者のことかな、って、たいして来てないじゃん、いつもどーり、って思ったら、ウンコの長さだって。スゴいわね、ワタシは出てこの半分かな、こんなに出たら二日ぐらい出なくなるかも、って、すぐ乗るのは石垣さんだね、こりゃめずらしくはない。でも、毎日玄米食にしてみなさいよ、連日こんな感じよ、って乗ってきたのは星田さんでね。ちょこっとビックリしたな。そのあと色とか太さの話に花咲いてたみたいだけど(咲かすなよ)。星田さんが、まー前からもってた要素だとは思うけど、何かストレートに楽しげなのさ。ウルトラマンショーやってサイン会もやって、とか、人手が足りなくてもワタシが売りたいの、キャラクターグッズとかコスプレやったりして、とかね。
成長とか、オトナに、とか、あるいは反対に学芸員としてどーか、とかゆうことじゃなくてね。展覧会にぐいっと乗ってる感じ。これだよね。私じしんのこと考えてもさ。どっかでみた本のタイトルじゃーないけど。人生のだいじなことはみな展覧会で学んだ、って実感あんだ。学校でも図書館でも書斎でもねーなー。文学館つながりで、すべてに触れた。何もかもシームレスであり、その核に、いま展示室の片隅でパソコン打ってる、この文学館があんのさ。だいじな場所だ。中学生日記見ててもつくづく思うけどさ。たくさんの人にとってもそうなってほしい。ほんとにそう思う。
佐藤さんも、もう数か月でここから旅立っていくんだけれど。富田さんも佐藤さんも、石塚さんとか前川さんとか、みんなみんなときどき立ち寄ってほしーな。
1月11日(金)
●こないだ「常設」したステージでは、2月9日に政村さんのトークショー、17日には佐藤寿夫+千葉オトヨプロデュースの「言葉、2」があるわけだけど。もひとつ、2月一杯ダラダラ続く「企画」があるのね。たいしたもんじゃないっすよ。「ゆきずりの朗読」。
朗読、って文学館の定番行事のひとつだねー。もーいまさらこんなんで新味の、なんて思ってるとこないでしょ。で、朗読にはふたつあり、ひとつは朗読のじょうずな人の朗読、もひとつが、詩人の朗読。でハヤリは後者ね。ハヤリはハヤリだが……。やりゃーいいってもんでも……。
急いでいっちゃうけど、おもしろいか、おもしろくねーか、ふたつにひとつだ。だよね。でも世の中に数少ねー、おもしろくねーのに成立しているステージってゆうのがあって。詩人の朗読、ってのがそれだね。お笑い芸人の笑えないステージはツラい。みてても顔がこわばる。ましてスベった当人は生きた心地がしないだろー。マツモトとかタケシとかシンスケクラスでもそーだろー。
そいで、どうやらスベろうが転ぼうが平気のヘーザらしいのが……、詩人の朗読だ。あわててフォローすれば、そりゃーおもしろいのもある。文句もないわけじゃーないが、詩のボクシングなんて上等の部だろう。ただねー、ご本人だけが陶酔しきってるのはなー……。そんで入場料までとろうつうのは。あんまりじゃない?こりゃあれだろう、ススキノあたりの道ばたでジャンジャンジャンって、ウソでカタめたオトナの世界〜とかやってる、オレのタマシイ聴いてくれ〜ってやってる、ワカモノと五十歩百歩……。「バカの自覚の欠如」においてもほぼ相似。
で、これがどーもなかなか廃れねーとこみると。これはよっぽど楽しいもんなんだろう。朗読そのものがさ、そーとしか思えねーじゃん。なら、やらせろよ。詩なんか書かなくても、書けなくてもさあ。ヘタのオリジナルよりカラオケ名人。つうことわざもあるくらいで(いま作った)、いいじゃねーですか、カラ朗読?カラ詩?
2月はまー手始めってゆうことで、観光イベントにあわせて、伊藤整『雪明りの路』を朗読してみる、ね。ね、ね、オバさん、ひとつ「朗読」してゆかない?『「雪明りの路」抄』進呈するよ。しかも!2月中ずっとビデオ回すからさあ、オバさん出演の朗読ビデオ3月になったら進呈する!何人出演してくれるかわかんねーが。いったからには私も出るよ。カラオケよりハードル低いや。くすッ、オンチ……とか囁かれることもねーですよ。ふりがなもつけとくからさ。どおお?これ。「ゆきずりの朗読」。
1月10日(木)
●きょうは、喫茶店は……、全滅だな……。「光」さんに電話したら、もう何回目かなんだけど。ご主人はきょうも不在で。外出がちでお目に掛かるのは難しいですよ、って。趣旨は伝えました、って。うーん、敬遠されているよーだ……。
「京橋」さんに電話したら、以前のオーナーさんとは違うんですよ、って。まったく縁のない経営者にかわったんです。10年前くらいからのことならお話できるけど。……はい。
「あまとう」さんに電話したら、うーん、親父なら古いことよく分かったと思うけどねー、いまは喫茶店組合もあってないよーなものだしねー、って。とにかくお目に掛かることにはいたしました。
で、「館」さんには、まずお店を拝見に。コーヒー飲みながら店内を見回し。お客さんけっこういるねー。オバさんたちだなー。スポーツ新聞読んでるおねーさん。居眠りしているおじさん。ウエートレスさんは……、ちょっとギャル風……。うむー、なんともいえねー……。
あはー。こんなもんですよ。ここでくじけねーのが20ン年のキャリアさー。始まったばっかりだねー。
喫茶店展と関係ないようでおおいにあることなんだけど。三階の「美術館市民ギャラリー」で平形さんの写真展が始まりました。平形さんがお客さんにコーヒー出したいって、ウチに注文、5杯ねー、ちょっとお待ちを。ありがたいねー、コーヒーったってそんなに注文ないからなー。でも山崎さんは大忙しだ。すみません、8杯。え? また10杯。すみません、じゃポットごとお持ちください。ふたつ一杯にしますからね。コーヒーカップを10人分。カップ洗うの追いつかないし。紙コップでかんべんね。はッ、けっきょくきょうは28杯!
前代未聞。前代未聞ですけどね。喫茶店展ではこれが毎日かも。「雪明りの路」でもね。ココアサービスやるかっていってるんだからさ。
文学館は入館料いただいてるけど、上のギャラリーのお客様は入場無料なんだから、お茶碗くらいはギャラリー使ってる人に洗ってもらっていいんじゃないですか、って、うーん、そりゃーちょっと違うよーな。今まではさ、ただポット貸してお茶碗貸してあとはご随意に、って。もちろんお茶碗洗ってってね、だったんだけど。一杯100円にしてもお金をいただくならさ。これは純然たる客ショーバイ。さー、どうするどうする。沼田さんの「懸念」がさっそく現前に。これは「本番」でなくてよかったかも。ラッキーとゆうべきか。さっそく土曜日のミーティングで議論だねー。
「今日の中学生」はコウジとミナミ。コウジは「空中浮揚ネタ」に余念がないし、ウエブサーフィンにちょっと疲れたミナミは一本指でピアノをポロポロ。はー、この文学館は癒し系か……、癒されているのはワタシひとりか。めげねーわけだねー。
1月9日(水)
●きょうは家を出るとき天気がよかったが。昼ごろから怪しくなって、あらら猛吹雪ではねーですか。雨ニモ負ケズ吹雪ニモ負ケズ、中学生はやってくる。ミナミにタッヒー、怜奈にユリコか。翔子ちゃんはこねーのか、カッスンはどうした。って、こんな天気に来る客、中学生のほかいねー。武闘派古本オヤジすらたじろぐ吹雪だ。
そのオヤジにゃ手ー焼いてるみたいだねー。どうなってんだ、この大量の古本が少し薄くなり始めたぞ。もってく量が半端じゃねーもの。
そろそろ話をせにゃーいかんかな、って事務長が。いよいよ山場だねー、決戦だねー、って肝心なとき無責任なこのワタシだ。
それはさておき(おいおい)、喫茶店展和田さんの本の謎の続編。さきに元版発行したZ社に訊ねました。何となく、コワモテのジャーナルって感じもってたからさ、少々おそるおそるだったのね。たらなんか、あっさりじゃん。「はい、あーあれですね。担当したものがまだいますからちょっと待ってください」。何だかジーさんみたい人に代わった。「はー、あれねー。まーいいですよ。でもNって喫茶店でちょっとまえに複製たくさん作ったみたいですよー。まーウチはいいでしょ。ちょっと報告だけくだされば」。あれ、カンタンねー。
で、こんどは複刻だした東京のC社ね。「あー、あれはもう在庫ありません。担当者も退社いたしました」。……。「いちおうファックスで趣旨をください。それでは」ガチャ。
うーむ……。はてな?C社の作った複刻と、N喫茶店の作った複刻って同じものかしら。ならZ社は了解済みってことなの?で、N喫茶店に電話。「あー、あの本ですね。もううちには無くなりました。ええ、一冊も」。はー……。
なんだか……、テキトーだなー。まあ……、いいのか。後は紙のやりとりか……。ホントにこの本、沼田さんが惚れ込むほどのものなのかしら??
館長、副館長を交えての打ち合わせ、つうかおもに図録作成をどうやりくりするか、って、ウチの方向は一致いたしました。けっきょく沼田さん頼みなんだけどさ。ヌマタとともに、撃ちてし止まん、だな。
1月8日(火)
●きょうは朝から政村さんが来て、片桐さんが来て、六本木の劇団アドックの人が来て、そんで怜奈ちゃんが来て……。えーと、それぞれ書くこと、いっぱい、いっぱいあるんだけど。とりあえず、私は昼過ぎに列車に飛び乗ってクリームパンと牛乳で昼飯すませて、札幌に行きました。喫茶店、喫茶店、まず例の本ね。
真駒内にお住まいの平澤さん訪ねて。平澤さんの消防犬ブン公の銅像建立の提案も、とてもおもしろいんだけど。おもな用事は和田義雄氏の『札幌喫茶界昭和史』を借りてくることだね。これはオリジナル。昭和48年、札幌で時事ジャーナル誌出してるZ社の発行になってるな。ここでちょっと気になったのね。沼田さんの手元にあるのは復刻版だそうだ。そんで出版社は東京のC社。詩集とか出してるところね。北海道の人のものをたくさん出してるのは何か縁があるのかしら。それで私が気になったのは、その復刻版には原発行所の奥付が付けられていないらしいことだ。ちょっと懸念されるのは、復刻するとき原発行所に断っているのかしら、ってことだね。
で、その後北大前のK古書店に行った。和田さんの蔵書はほとんどK古書店さんが引き取ったってことはみんなに知られている。御主人もそれは明言されてました。この『札幌喫茶界昭和史』(原本のほう)も和田さんのところに大量にあったんだって。けっこう人気があって、どんどんなくなって、もうK古書店には一部もないそうな。それでC社から出た復刻版の方は知りませんでしたねー、ってことでした。うーん、復刻版と見比べてみなけりゃならんなー。
でもいろんないい情報いただいた。和田さんの集めたマッチラベルはほとんどそのままにしてます、だって。あは、こりゃマル秘だったかなー。でもマッチラベルって、和田さん以外にもコレクターけっこういたみたい。それからすてきなプレゼントいただいた。和田さんが出してた『窓』っていう小冊子の第1号で、詩人の更科源蔵さんが書いた『コーヒー北海道史』って本。更科さんの文章って、やっぱりしっかりしてますねー。それから和田さんが凝りまくったマッチ箱入りの豆本。コーヒー豆3個付き。「サボイア」謹製ね。和田さんって愉快な人だなー。ムダなことにエネルギー傾けまくった人だねー。
沼田さんに似てますねー。こいつぁ春から縁起がいいや。
あ、きょうの中学生日記見てくださいね。お茶して、もね。
1月6日(日)
●きょうは、ホントの今年の初日。まー、休みすぎだよね。5日までってさー。
観光施設ってゆわれたら、昔はちょっとムカツイタけど。観光施設だよ。つーか、もっとさりげない、さー。煙草屋みたいな……?
いや、きのうビデオでね。観たの。「スモーク」。テレビで見逃したからさ。あの煙草屋みたい文学館。私、ハーベイ・カイテル??
あは。そんな感動的なエピソードなんて、ありゃしねーよ。さっきネットでちょっと映画のデータとかみてたらさ。淀川長治さんのコメントあって。この人、キツイよね。そんで正鵠射るよな。監督と出演者で、この安っぽい小説がダイヤモンドに生まれ変わった、って。
えー、そのとおりで。「スモーク」は、これが浮いてるんだ。「感動」がさ。まだ観てねーが、「ブルー・イン・ザ・フェイス」って映画を、監督と出演者が何となく作っちゃった、って流れが分かるような。
ま、映画の話してんじゃねえ。文学館だ。初日のワリに何でお客さん多いんだ。きのう「スモーク」観ながら思いついたんだけど。この文学館は街角の煙草屋みたいなもんだ。そうゆう風になりたいのさ。街角そのものでもあるな。で、ハーベイ・カイテルがやってたみたいにさ。ここのなかで、定点観測やってみよーかなー、ってね。毎日定刻に、そーだな、30秒ずつビデオ撮るってどーだろ。そんでも一年続ければ3時間近くの長編じゃん。観る人誰よー、ってね。
おー、ミナミ来てんじゃん。オジサンは嬉しーよ。オース、よろしく、ってね。
喫茶店展の進展。和田義雄さんの奥様にご連絡とれました。それで復刻については、どうぞ、よろしいように、って。えっと、作家とそのご遺族についてはさ、改めて書くことがあろーかと思う。この文学館には逝ったものの思いと遺されたものの思いが交錯してんのよ、って、すんげー重くなるから、とりあえずよそうね。
喫茶店展、でも行き詰まっております。さっきね、月刊おたる社の杉の目和夏さんにメール打ちました。ヘルプ、ってね。
リアルタイムでやっていく、ってゆったんだから、いちいち報告だ。こりゃ仕事の記録にもなるからな。サイトに残すってのは、ずぼらなワタシにはうってつけかも。さっき叫児楼さんに行ってきた。もと静屋通りにあった有名なスパゲティ屋さんね。いまは国道沿いでアンティークのお店なさってます。で、叫児楼さんのおっしゃるには、基本の椅子とテーブルね。私んとこも、それから同業者あたっても何セットも揃えるのは難しいでしょう。やっぱりお店にちょくせつ頼んでみてはどうですか。もちろん営業中のお店から何脚も借り出すなんてできないでしょうが、一店につき1セットだったらどうでしょう。
ほー、なーるほど。うーん、現実的で、なおかつおもしろいかも。つまりねー、このテーブルは「光」さんの、この椅子は「米華堂」さんの、このソファは「館」さんの、って。まー、それだって交渉は難しかろーけどね。喫茶店業界あげてのご理解求めるしかねーなー。
1月5日(土)
●あけましておめでとうございます!
けっきょく、きのうまで仕事してない……。冬休みびっしり遊んでしまった受験生の心境か。あ、そりゃ家の娘のことか。
ちょいとこの日記のこと。べつに感想とかご意見とかしょっちゅういただくわけではないが。けっこう言われることあるのね。口頭でね。見てますよー、って。だからさー、きちんとしようと思ってるの。代わり映えしねーが、って。調子はこんなもんですよ。でもね、意識しよう。読まれていることを意識する。
公務員には守秘義務ってのがある。情報公開制度ってのがあっちこっちでゆわれはじめたとき、役所側が振りかざしたのがコレだね。つうかコレ一点張りだった。でもさ、理詰めでやられたらほんとのほんとに「守秘」しなきゃなんねーもの、って、何だよ、これだけじゃん……、って程度だったの。こんなことくり返してもしゃーないんだが、「守秘」して何を、誰を守るの、ってね。すんげーおざなりだった。
去年さ、つくづく思ったの。東京都立文学博物館の「廃館」問題。「守る会」名のビラ見て仰天して、ネットで検索しまくった。何の話題にもなってねー……。「全国文学館協議会」でも息を詰めるようにして「議題」を待ってた。報告、はあったが「議題」にゃならねー……。
都立が廃館にいたる経緯を知ることができたのはさ、たったひとつ、「東京都のホームページ」でだった。正確かつ詳細だったよ。非情、だけどね。あたりまえだけどさ……。
なーにやってんだー、って思うのさ。何が「地方からの発信」だー、ってね。現場だよ、現場。現場から何にも聞こえてこねー。
そりゃウチの、つーか私のやれることなんてタカが知れてるが。やれることやろうと思うの。昨年も書いたんだけど。まず展覧会。これをどう作っていくのか。私の考えたこと、やろうとしてること、やったこと。ほとんどぜんぶ書いていきます。実名も出します。ハラハラさせんなよ、ってね。ここで「守秘義務」。その要諦はさ。迷惑をかけない、ってことでしょ。迷惑をかけない、のはさ。「役所のお仲間」に、じゃねーよ。言うまでもないが。
他人を困らせないことだね。追いこんだりしないことだ、絶対に。でもさ、巻き込みはするぞ。だって「関係を持つ」ってそーゆうことだもの。こっちもあっちもだ。その「関係」も書いていきますよ。ギリギリ、までね。
って、新年早々ダラダラの前フリはここまで。じゃ、テキパキ書いていこう。沼田元氣さんだ。沼田さんが考え込んだのは、想像以上の資金不足、ってことだ。つまり役所のお金ね。回収はできなくても構わない。入場者が少なければ多少体裁悪いだけでさ。回収はできなくても構わないが、前例のない支出は認められない。ってこと。で、沼田さんが仰天したのが、その「前例のない支出」に「必要経費」も含まれているってことだね。
沼田さん言ってた。「ボクが世間知らずなのかな……」って。沼田さんはね、世間知らずかどーかは知らねーが。「役所知らず」。そして役所には世間と隔絶した、役所の「論理」が……、って、これもこれ以上ひっぱっても、しょーがねーから止めますが。
そんなウチの文学館を「活性」させてくれてるのはさ、もういうまでもないね。このサイトの(本来の)設営者である「小樽文學舎」だ。けっこう潤沢な資金が、って思ってる?今現在動かせるお金は60万。は?それで活性化……?ってね。そうよ。こんなもんだ。いつだってね。
で「喫茶展」の話の続き。沼田さん、本を作りたいっていってたでしょ。H社(大手老舗だよ。ちょっと苦しいっても聞いてるけど)が乗ってくれるかも知んないんだって。その条件のひとつが、和田義雄さんの名著『札幌喫茶界昭和史』の復刻。それで、和田さんのご遺族の了解とれるだろーか、って。これに、沼田さんとワタクシが小樽と札幌の喫茶店の話をあちこち取材して追加していくことで、とてもおもしろい『喫茶店史』になりますよ、って。編集造本販売H社が引きうけてくだされば、そりゃラクだ。さらにもっとも大きいのはさ、沼田さんが存分に取材できますじゃん。それこそ「普通に」必要経費出してもらえますもん。ただねー、ローカルネタは否めないからさー。H社が損をしないくらい売れてくれる、って沼田さんだって保証なんてできない。だから最低限度部数はウチで買い取らなきゃね。ここで躓くでしょ……。
もひとつ、沼田さんが心配したのは、今回は「お茶出す」が、ミソ、なわけだ。でも簡単ないことじゃーないですよ、ってね。いやコーヒーの味とかじゃなくてね、それ以前のこと。真似事とはいえ、「客商売」をキチンとやろう、ってことでしょ。真似事だからごかんべん、ってことじゃーないでしょ。プロの指導、が要るんじゃないですか、ってこと。
さらにもひとつ。そもそも「喫茶店の展示」の材料は当てがついたんですか、それがなければ話にもなんにもなんない、ってこと。……。そうだよね。心細い話だよねー……。ってオレのことじゃん。
えーと、沼田さんの心配はまだまだまだまだ続くわけですが。これを受けてね。ワタクシのやろうとしてるのは。まず和田さんのご遺族をさがす。そしてもひとつは喫茶店の骨格。これは小樽の某有名店。老舗中の老舗。とりあえずここに当たります。それからプロのご指導は……。
リアルタイムで報告していきますよ。それじゃまたねー。
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