よもやま日記

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文責/市立小樽文学館・玉川薫
直接メールくださるときは、こちらへ。


■11月26日
きょうは月1回の製本教室。受講料タダ、材料費不要、お帰りには本一冊できあがるって、乙女講座と大違いだ。地味だけどね。
先日ファクシミリで問い合わせあり、初めてだけど参加できますか、あと、参加者の年齢は、とのこと。
さっそく電話してみますと女性がお出になる。初めてでも構いません、北間先生はじめ図書館ボランティアの人たち、みな親切、ていねいに教えてくれます。できなかったら、作ってくれてしまいます。年齢って、若い人で大学生(小路君)だな。「小学生なんですが」。え、こどもさん?こどもさんは初めてだけど。お母さんがいっしょなら構いませんよ。「あの、一人で行かせてもいいでしょうか。高学年だし」。あ、本人がいいのなら。こっちは構いません。カッター使いますけどね。こどもといえど「自己責任」ね。
元気いっぱいの男の子でも来るのかと思ったら、おとなしそうな小さな女の子。ちょっと気になったけど、皆さんに紹介して、あとはお任せ。途中、材料取りに来た小路君に聞いてみる。こどもの様子はどうだい。「やってますけど、無表情ですね。つまらなさそう」。そうか。そうだね、ちょっとこどもには本作りって地味すぎるかなあ。
その後、少しして見に行ったら、図書館ボランティアの方に手伝ってもらいながら、ちょっと楽しげ。このつぎ来るかな。

文学散歩「ジブリアニメと三鷹・荻窪」要項できました。この日記初めにみてくださる方が割合多そうなので、まずここに発表してしまいます。募集期間、超短い。15人集まるだろうか。

文学散歩「ジブリアニメと三鷹・荻窪」
2006年1月10日(火)〜12日(木)

■行き先
三鷹の森ジブリ美術館・杉並アニメーションミュージアム・世田谷文学館・井伏鱒二旧居・太宰治ゆかりの地、他(貸切バス使用。亀井秀雄小樽文学館長、学芸員同行。現地ではジブリアニメ研究者や地元の文学の専門家が案内します。)
■宿泊
10日・11日とも吉祥寺東急イン
■料金
56,000円(交通費・宿泊費・朝食・入館料等含む)
■申込み締め切り
2005年12月9日(金)
■申込先
お名前・性別・年齢・住所・電話番号を添えて
市立小樽文学館
047-0031小樽市色内1−9−5
tel.fax.0134-32-2388
otarubun@chive.ocn.ne.jp
文学散歩係まで

文学散歩関連講座
文学講座「あなたの知らないジブリアニメ」
■講師/石曽根正勝(現代文学研究。スタジオ・ジブリで『もののけ姫』などの演出に携わる)
■とき/12月17日(土)午後2時より
文学講座「『風の谷のナウシカ』の世界」
■講師/亀井秀雄文学館長
■とき/12月24日(土)午後2時〜
いずれも■ところ/文学館1階第1研修室■聴講無料※文学散歩参加者以外も聴講できます。

■11月25日
一昨夜、昨夜とどういうわけか二晩続けて、ヌマゲンさん(JJ's Cafe の「生みの親」、だろうな……)の夢をみました。細部は覚えていませんが、沼田さんと車に乗り、降りるところでヌマゲンさんがお金を支払い、サッと領収証をもらおうとする、私が慌てて押しとどめ、自分でお金を払う、って変な夢。目覚めて冷たい汗を掻いていた。

さきほど千葉さんが、「ヌマゲン、東京で乙女講座やるんだって。しばらく関西方面で動いてたみたいだけど、また東京もどったんだね。ねえ、この受講料、信じられる?」。あ、ああ、これね。沼田さんの講座は毎回ゲスト豪華だからねえ、お茶もお菓子もフンダンに振る舞われるし、おみやげも一杯つくし、出る人は満足するんじゃないかなあ、え、教材費、お茶代、施設代って別?マジ?

東京で一年、その後ひょっとして再び北上?私が見たのは、予知夢?つつつ胃が……

■11月22日
きょうも小路君から、12月3日の「第1回OBNT会合」用資料のパート3をいただきました。ボランティアマニュアル作成例の続きですね。ほとんどこのまま通ると思いますが。

作成例つづき
2.(適用イベント)月に一度行われる製本教室
(必要人数)「備考」参照
(会場)たいがい文美室
(備考)製本教室は30分ほど前から三々五々集まった製本ボランティア員で準備をしていくので、それ意外のボランティア員は集まる必要は特にない。ただ、北間講師はけっこう早くからお出でになるので、その辺を考慮するのも個人の自由。

3.(適用イベント)文学館で年に数回行われるコンサート
(必要人数)10人ほど
(会場)展示室左奥か夢喫茶(チ)

イ.会場1時間半前には文学館に到着していること。
ロ.準備にとりかかる前にボランティア員でうち合わせ
→役割分担を大雑把に決めておく
コーヒー係(バ)……2名ほど。
受付係(オ)……2名ほど。
会場設営(ト)……4名ほど。
待機(ヨ)……2名ほど。

(バ)JJ's Cafe のカウンターにて。
客数にあわせて、コーヒーメーカーでコーヒーをいれ、カップを用意。砂糖やミルクの補充も行う。また壁のCDプレーヤーの操作も作業に含む。
(オ)事務所の受付にて、または別に設定された受付所にて。
チケット販売、お金の管理、お客様のヘルプデスクなど重要な作業が多い。加えて、コンサートが開始しても少なくとも一人はコンサート終了まで待機しなければならない。
(ト)ステージ設営場所にて。
ほとんど肉体作業。
開始前に1階の研修室で、適当に見込んだ人数分のパイプ椅子を台車に積んでおく。設営準備段階にはいったら、手すきの人は1階からさきほど準備した椅子を邪魔にならないようなところに運んでおく。
展示ケースを壁はじに寄せておく。長椅子などは展示室右に置いておく。並べていた状態は予め記憶しておく。ステージ台の木箱を奥の部屋から大6個小2個を並べる。その他指示されたもの(ピアノとか照明とか)を設置する。
音響等は演奏者に任せ、椅子並べ。
(ヨ)待機といっても、雑用がほとんど。また、CD等の販売があるときは、そちらの店番を行う。行う場所は別に机を用意するか、JJ's Cafe のカウンターで行うか。いずれにしても、CD等の初期値・いくら売れたか等を十分に把握しなければならず、これも重要な係。

ハ.各係の作業を行う。開場後、お客様の邪魔にならないように行動する。
二.コンサート終了後、後片づけ。これもお客様の邪魔にならないようにする。
ホ.若干、感想会。
ヘ.リーダーまたはサブリーダーの内一人は、最終チェック作業。

・チの場合……(ト)の作業だけ若干異なる。ステージ台を奥から出す必要はない。夢喫茶の椅子や机を置けるスペースにどかしていく。そして、演奏者の音響などが終わると同時に研修室に用意していたパイプ椅子などを運び並べる作業をする。
夢喫茶で行う時は小規模なので、人手は3人で足りる。

4.−1.(適用イベント)2月と5月の古本市
(必要人数)5人ほど
(会場)第1研修室(※第2は使用しない)

イ.前日に会場を「設置予定図」(場合により、異なる)に従い、机を並べる。
ロ.ボランティア員は開始30分前に会場に到着し、打ち合わせ。(客との差別化のため、エプロン着用を義務づけたい)
文学館に必要なポスター・チラシ等を刷ってもらい、受けとる。そして、万が一のために、領収証も3枚ほど受けとっておく(必要ならば電卓も)。
本の袋は十分に用意すること。
お釣りも十分に用意しておく。
ハ.終了時間になったら、後片づけの前に、各ボランティア員は自分の欲しい本を数冊頂戴してもよい。
会計は即座に集計し、文學舎経理に報告を兼ねて渡す。
机等は原形になおす。

4.−2.(適用イベント)11月の古本市
(必要人数)10人ほど
(会場)第1研修室(※第2は使用しない)

(チ)(バ)(オ)(ト)(ヨ)なる謎の記号も、すべて原文ママね。
小路君苦心の会合用資料を、何で会合の前に小路君にも無断でここでさらしているのかというと、ええ、おもしろいからです。
前も書いたけど、このへん、私は慣れてる。小路君も慣れてる。チバオトヨさんも、もちろん慣れてる。
でも、小樽文学館知ってる人でも、ちょっとびっくり。よく知らない人は、もっとびっくりするかも知れないですね。月1回(って決めたわけじゃないけど、最近ほとんどそのペースね)やってる文学館コンサートって、そのたんびに展示室のケース動かして会場設営してるのか、って。
ね、常設展示も企画展示も、変幻自在。夜の2時間、いつでもコンサート会場。音響だって何人ものアーチストから折り紙つき(おそらく……)。
そんな風にやってることが、この懇切丁寧な「マニュアル案」によって、よく伝わるからです。

「ところで質問」。なんだい、小路君。「講座とか、何でチラシ作らないんですか」。……。広報に出してるし、……、何かと取り紛れてね。
あのね、いいわけになるけど、PRって、どうしても後手後手になるんだね。それで、ついタイミングを逃す。そのあたりもボランティアに手伝ってもらえるようになったら、ありがたいんだけどな。「いくら何でも、それは文学館の仕事でしょ」。いや、もちろんね。ただ、タイミング逃したりしないように、周りからいってもらうだけでも、助かる。メールで流した情報を、ボランティア介して、もっと広く流してもらったりさ。このボランティア立ち上げるとき(ずいぶん前に立ち上げっぱなしだったわけですが)OBNT(小樽文學舎ネットワーク)なんて、おおげさな名前つけたのも、そんな風に情報網としても広がっていけば、ってね。「そんな意味だったんですか」。……、いま思いついたんだけどね。

■11月19日
ひさしぶりに(と行っても私が東京に行っていた間、置いたくらいですが)小路君。
第1回OBNT会合用資料のパート2も、みせてくれました。

文学館のイベントのマニュアル文書作成について
1.文学講座※啄木会の講演会も包含する
2.製本講座
3.コンサート
4.古本市

作成例
1.(適用イベント)文学館が年に数回行う文学講座
(必要人数)2、3人
(会場)第1・2研修室
イ.講座開始30分前に文学館集合。
ロ.スタッフに声を掛け、一人同行してもらう。資料(講座案内の紙も含む)を受けとる。
ハ.会場に向かう。一人は机や椅子を整頓し、いちばん後ろに長机を一台設け、受付とする。黒板に「うしろに資料がございます。一部ずつお取りください」と書く。後ろのドアを全開にする。他の人はスタッフとともに音響機器のセッティングを手伝う。そして前の入り口のところにある縦型掲示板に講座案内の紙を貼り、「うしろのドアからお入りください」と書く。(寒い日はストーブを設置し、雨の日は傘立てを用意する)
ニ.受付は二人。余った人は待機するか、聴講者の誘導を行う。
ホ.講座開始後、頃合いを見計らってうしろのドアを閉める。そして講座終了までに聴講者の人数を数え、年齢層をおおまかに推察し、メモ用紙に記入する。
ヘ.終了後、スタッフの人と後片づけ。受付のうちの一人は資料を文学館に返却。同時に「ホ.」のメモ内容を告げる。(メモ用紙はOBNT側に保存)

こういうのも、ほんとうはこの私が何年も前に作っていなきゃならなかったのだろうから、感心しっぱなしってのも恥なのですが、やっぱり感心してしまいました。

私は、文学講座の準備など一人でもできる、と思っているし、人に説明してから頼むくらいなら、自分でやってしまった方が正確で早いよ、って考えてしまう。でも、それじゃあボランティアどころか、館のスタッフさえ、いつまでも手を出しにくいままになる。ボランティアには、自分が何をやっていいか分からないことが、いちばん不安、いちばんストレスになるだろう。

何度も引き合いに出すトミタさんは、例えばこのマニュアルに書かれているようなこと、ほとんど説明しなくても、自分でどんどんやってくれた。私は、それがトミタさんのずば抜けた資質だろうと思っていたし、実際にそうでもあったのでしょうが、思い返してみればトミタさん自身が言っていました。「大学の落研時代に先輩からびっしり仕込まれたし、いろんなバイトやっていろんな目にあってきましたからね」。トミタさんが落語研究会に入っていたことも意外だったのですが、アルバイトは冷蔵庫運ぶような肉体作業から、和服店の営業(これは正社員だったっけ)みたいな細かい神経使いそうな仕事まで多種多様。そんな経験を、ボランティアに100パーセント発揮してくれたのですね。
小路君は高校時代から文学館にたびたび寄ってくれて、好きで講座聞いたり、古本市手伝ってくれたりしていたんだろうけど、その間、私らがやっていることも、よく見ていたんだね。いつの間にか、それを頭のなかで、きちんと整理してくれている。
このマニュアル作成プランも、こんどの「会議」で、みんなの意見を聞きながら、修正、作成していくのだけれど、この丁寧すぎるくらいにも思われるマニュアル案をみてると、「ボランティア」というもののすがたが、とっても具体的にみえてくる。まったく初めての人も、先輩ボランティアの顔色みながら、おそるおそる、なんて遠慮がいらなくなりそうですね。

この「日記」ご覧になっている方で、小樽・後志・札幌あたりにお住まいの方、12月3日(土)午後2時からの「ボランティア小樽文學舎ネットワーク(OBNT)第1回会議」(大げさなのは名前だけね)、ぜひお寄りになってみませんか。これなら私にもできそうだ、ここは私は人よりうまくできそうだな、って、ちょっと楽しそうでしょ。ぜひぜひ、おいでください。

■11月16日
ドトールで朝食とりながら、世田谷美術館の「瀧口修造 夢の漂流物」の図録ながめる。この「図録」、誰でもびっくりします。厚さ5センチくらいあるのだもの。しかも三分の二が、文章。美術館の展覧会の図録だって、誰も思わない。担当学芸員杉山悦子さんの気合い、入り捲りです。

蒲田のドトールから世田谷直行。最寄り駅は田園都市線の用賀ですが、歩いて17分?ちょっと遠くないですか。でも駅出るとすぐに黄色い大きな看板。「宮殿とモスクの至宝」という特別展をやってるのですね。世田谷の綺麗に整備された歩道を少し歩くと、また黄色い大きな看板。迷いそうな辻には必ず黄色い大きな看板。方向音痴の私も、迷うことなく世田谷美術館に向かって進行。もういい加減に近いはず、と思ったら看板消えちゃった。道路工事の仕事してる人に聞いたら、「この先に環八の道路見えるでしょう。あれ渡って、右の方向に歩いて公園のなかどんどん歩いていけば美術館」。え、ここまで来て環八横断するの?何かちょっと騙された感じ。
砧公園もとんでもなく広くてね。結局、やっぱり駅から遠いのですよ。世田谷美術館。

「宮殿とモスクの至宝」展は、けっこう混み合ってました。ボランティア、観客、似たようなおばさまが大量に(言いまわしが失礼だな!)。私はとりあえず10分ぐらいで鑑賞して(いや、凄い展覧会なんですよ。でも今の私の視野には、ちょっと)。少し気後れし、そのまま、帰ろうかな。でも気を取り直し、杉山さん呼んでいただきます。びっくりしたご様子。

事務室で事業(学芸)部長の勅使河原純さん交えてお話。「夢の文房具店(展)」にむけて私が200本余りの古い手帳用鉛筆を入手した(2000円でね)話から、筆記具談義になり勅使河原さんが「私が酒井館長から影響受けたのは、鉛筆で原稿書くことだけですよ」。へえ、酒井さんも鉛筆を使われる。「鉛筆でガシガシ書くと、確かに原稿書いてるって気分になりますね。私、前はフェルトペン使ってたんだけどね」。フェルトペン!それも変わっているような。「杉山君は何使ってるの」。「私は主にパソコンですが、ときどきロットリングを」。「ロットリング?僕は軸が太くて先だけ細いのって好きじゃないな」。「今の若い人、けっこう使ってますよ」。
こんな話で小さく盛り上がった後、世田谷文学館は、ここからまた遠いんでしたっけ。「タクシー使えば、1500円くらいかかる距離です」と、杉山さん、申し訳なさそう。1500円か……。最寄りの駅は。「芦花公園」。ああ、そうでしたね。沿線でもないんだな。世田谷って広いんですね。小樽文学館から美術館は歩いて5秒、博物館まで歩いて5分だ。

結局、バスで用賀駅まで戻り、渋谷に戻って井の頭線、永福町で下車して、杉並区立郷土博物館。徒歩15分か。やや遠いなあ。こじんまりして好感もてる博物館でしたよ。やっぱり環境いいしね。荻窪風土記、井伏鱒二のエリアです。

井の頭線に戻って久我山、伊藤礼さんのお宅。礼さんは『自転車日和』(だったかな)って本を平凡社から近々出されるので、自転車に乗ってるところを写真取材されるご用があって、アポを4時にしておき、ちょうど良かった。

礼さんは、私になぜか、かつて私が発売されて間もなく入手した元祖小型デジカメQV-10(歴史的名機!)の話をよくなさるのですが、それで思い出しました。今からちょうど10年前だ。中島公園に道立として北海道文学館がオープン。それに招かれて私も行った。そしたら会場に礼さんが、礼さん周囲お構いなしに、私呼び止め、「タマガワさん、それ例のデジタルカメラ?ねえ、見せてくださる?撮ってくださる?」。あの頃、礼さん、放射線治療を受けてらした。よく北海道までお越しに。「あのね、危ないところ渡ってたんですよ」。北海道文学館が?いや、岐路に立つ文学館、の話してたもんですから。「いえ、私。あれ、再発した直後だったんです」。……。

「私はいつでも機嫌の良い声を出すことができた。そんな声がどこから出てくるのか、自分でも不思議だった」という、礼さんの文章の一節思い出します。礼さんに会うたび、元気が出るのですよ、私。あ、昼ご飯食べるの忘れてた。

■11月15日
えー、東京出張中です。荻窪直行。荻窪文学散歩を案内してくださる吉祥寺女子中学・高校の萩原茂先生が、まもなく現れて喫茶店でさっそく1月の「ジブリ・アニメと三鷹・荻窪文学散歩」のうちあわせ。で、およその行き先決めて、荻窪の北口、南口歩き回りました。小樽へ帰ったら、JTBさんと詰めて、できるだけ早く行程決定、募集要項だしますね。12月の連続講座、「ジブリ・アニメへの招待」は、もちろんこの文学散歩の「予習」でございます。

●1月10日
山本有三記念館
ジブリ美術館
井の頭公園
北村西望原爆の像原型
野口雨情の書斎童心居
●1月11日
午前杉並郷土博物館
ルミネでレクチュア
荻窪北口
井伏鱒二邸、大山名人邸、草川信
ルミネで食事
荻窪南口
大田黒元雄邸
与謝野晶子旧居
近衛秀麿旧居
杉並アニメミュージアム
●1月12日
禅林寺
太宰治・森鴎外墓碑
国木田独歩文学碑
深大寺には中村草田男碑、高浜虚子胸像
鬼太郎茶屋

(仮)の行程ね。

萩原先生、しゃべるのも歩くのも早いなあ。車乗らない主義、携帯電話持たぬ主義だそうです。「荻窪歩きつくしてるから車もケータイも必要ありません」。車はわかるけどケータイはなぜ。でも何故か説得力あります。

以上、千鳥町のローテクハイテク混然とした不思議な旅館「観月」からの、日記更新でした。
明日は、杉並区郷土資料館と伊藤礼さん宅、あとできれば世田谷文学館・美術館に寄る予定なり。小林多喜二の弟さん(亡くなられましたが)のお宅にも。

■11月14日
昨日、小路君が第1回ボランティア会議議案の一部を訂正して持ってきてくれました。

「地域通貨」のシステムに倣い、「文学館マネー(仮称)」をつくる。/今現在、文学館ではカフェスペースの珈琲・古本スペースの古本はお客様のお志によっている。その1杯分乃至5冊分(古本コーナーでは一人5冊のため)の「お志」を「文学館マネー」で還元する。/すなわち、年会費は徴収しないに等しい。年会費代としての「1文学館マネー」を前働きで稼いでもらう。未定だが、1働きに付き「1文学館マネー」。その時に稼いでいただいた(語弊があるかもしれない)「1文学館マネー」を年会費として支払ってもらう(この時点で「幽霊会員」排除の実現か)。それ以降のボランティアで得た「文学館マネー」は珈琲代にしたり、古本代にしたり、再来年の年会費に充ててもいい。

ああ、これは私も随分前に亀井館長から聞いて、すっかり感心し、「日記」にも書いたタイムドルとか、エコマネーのタグイだね。そうだ、僕らのできるのは、まず十分に手の届く範囲のことだ。文学館マネーならできそうだ。1文学館マネーは、古本5冊+コーヒーかい。じゃ5文学館マネーくらい貯まったら、ちょいとスペシャル考えようか。至れり尽くせりのスペシャル文学散歩参加権か、うーむ、僕らの提供できることって、しょせんヒンコンだなー。でも楽しそうだね。夢、ふくらむね。

小路君が、「100円ショップでホワイトボード買ってきてもいいですか」という。いいけど、何に使うの。「文美室に置いて、ボランティアの予定とか連絡事項とか、書いておくんです」。そりゃいいけど、100円ショップのホワイトボードって、画用紙くらいの大きさじゃあないの。今、まちみて歩き展で、北海道の地図を貼ってる黒板、もともと使っていなかったヤツだ。ひと月のスケジュール書き込むようになってるのだけど、使いにくくなかったらあれ使うといい。地図は壁にじか貼りすればいいからね。「大きくていいですね」。
廊下から文美室のぞき込んだら、小路君、さっそくいちばん目に付くところに黒板置いて、第1回ボランティア会議の予定やら、古本整理の注意やら書き込んでいるね。おもしろいな。ボランティアさんも、そうじゃない人も、廊下からのぞき込むだけで、文学館ボランティアの動きが逐一わかるね。そのうち興味持ってくれる人も出てくるだろう。

これは今朝ですが、道新小樽支社の中沢さんからピッチにお電話。「紀宮さまのご結婚ですが」。また、その話ですか。「ご結婚にむけてお祝いを何か」。お祝いって、変わったことなんていえないですよ。おめでとうございます。小樽にまた気軽にお寄りください、ご主人もご一緒に、くらいかな。「そうですよね」。

もちろん、おめでたい話です。心よりお祝い申し上げます。
ただ紀宮ご自身にはほとんど関わりないことだけど、私はもちろん紀宮ご来館、より、その後少しして起こったこと、忘れません。短い間にいろんなこと学ばせていただいた。もっとも大半「想定内」の出来事ではあったのですが。むしろ、絵に描いたように「想定内」って起こるんだな、と半ば呆れ、感心したくらいなのですが。
ご興味ある向きは、「過去の日記」の2002年2月末あたりから4月あたりを、どうぞ。それにしても、テンション高かったなあ、あのころ。

■11月12日
私、きょうは休みなのですが、例によって出てきております。やること詰まってもいるからなのですが、JJ's Cafe のカウンターに座っていると、小路君がフラリと現れる。
「これ」。ああ、前にいってたボランティア会議かい。議題、考えてくれたんだ。

小樽文學舎ネットワーク:OBNT 第1回会合 議題(暫定版)
そうか、名前はとっくに決めてあって(「文学館ボランティアしてみ隊」なんて、ユルい愛称までつけてありました)、これの立ち上げ自体も文學舎で承認もらってたんだよね。あれからずっと何となくお手伝いしてくださる方増えてきたけど、組織だった活動できていなかったものね。

議題1)来年からOBNTの年会費を徴収するかどうかについて
→ある程度の組織化をはかる─幽霊会員の排除など
→仮に徴収したとしても登録代+会員証代=  円か

え、会費徴収するのか。ボランティアしてもらうのにかい?「それなりの意識を持ってもらうために必要かと」。そうか、お金の管理も負担になるようじゃ何だけどね、会費って500円くらい?「……」。あ、そうね、500円はないか。年会費1000円ぐらいかなあ。「1000円……ですか?」。い、いや。安いか。「私は100円が妥当かと」。え?あ、そうか。「会員証作る実費くらいで」。あ、そうか。いいね、100円会費。

議題2)今年行ったイベントにボランティア活動をしてみてのご意見・ご感想
議題3)古本市時期の固定化
→5月GW中の二日間/11月3日文化の日/2月雪あかりの路の文学館夜間開放日二日間
→11月は大規模に
→5月・2月は小規模に。+テーマ(コンセプト)をつける
企画から運営までボランティアに担わせる
→ボランティア活動を一般市民にアッピール
ボランティア員同士の親交を深める
→早速、来年2月のそれを考える
→ちなみに、この頃の企画展は「映画館」
議題4)文学館で行われるコンサートチケット代免除の特権について
→あくまでもボランティア員としての特権。
→お客様優位であること
議題5)OBNTのサブリーダーの決定(4名ほど)─わりあいに来てくれる人、長続きできる人
議題6)その他(これからのあり方など)
付:議題7)古本市・コンサート等のボランティア員マニュアル作成について

うーん、第1回会議としては、もう十分じゃないかなあ。凄いねえ、小路君。急速な成長だ、っていい方自体、センエツだ。そういう能力十分持ってるのに、外見ボウヨウとしてるからって、見抜けなかった僕らがボンクラなわけだ。
とにかく、私は非常にワクついております。かけねなしに自発的に生まれようとしている。かけねなしに自立できる「組織」が。まずは5、6人だろうとは思うけど。会費極端に安いけど。

加速つきはじめたな、私不要の日まで。

■11月11日
きょうお昼、小樽啄木会のお招きで、文学館の近くにあるサンコーというレストランに行ってまいりました。集まっておられたのは、今回、駅前に建った石川啄木歌碑の除幕式のために、啄木てぬぐいやら啄木せんべいを包んだり、当日集まられた方々に記念品を配ったり、いちばん働いた方々数人。そこへ私なんぞ加えていただくのはオコがましいというべきですが、とはいいながら、ありがたくお弁当を頂戴いたしました。

そのこともさりながら、書いておきたいのは帰りの出来事。啄木会の副会長、安達ドクターが、「そうそう、タイムレコーダー押しとかなきゃ」と、レストランの入り口にあるカード差しから、一枚とって脇の小さなタイムレコーダーにガチャンと押し込まれた。タイムレコーダー?はてさて。

みれば、このタイムレコーダー、「常連さん」へのサービスの工夫なんですね。つまり、「常連さん」は、お店に申し込めば自分のカードを作ることができます。名前は、もちろん、いわゆるハンドルネームね。それで入店のときに押し、帰るときにも押す。カードには、何日の何時にお店に入り、何時にお店を出たかスタンプされます。そのスタンプ数に応じて、月一回の「給料日」にお店からのプレゼントがあります。おそらくお食事割引券のようなものでしょうが。

こうしたポイントカードのサービスは、どこでもやってること。サンコーさんの工夫のミソは、タイムレコーダ置いちゃった、ってとこですね。
「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ、タイムレコーダガチャンと押せばどうにか格好がつくものさ」という、植木等・青島幸男・萩原哲晶という天才トリオの名曲がありました。タイムレコーダは管理されるサラリーマンのシンボルだからこそ、天才トリオはそれを「ガチャン」とひっくり返すだけで「気楽な稼業」に変換するという離れ業をやってのけたのですね。
ところがサンコーさんも、トリオに引けとらぬ天才ジャマイカ(また使ってしまった)。タイムレコーダガチャン、をリピーターの「お楽しみ」にするなんて!

もうすぐに私の、パクリたい衝動バクハツです。
ミュージアムの評価って、入館者数だけじゃはかれないよ、って「いいわけ」があります。その「いいわけ」、一理ないことはない。巡回スターウォーズ展なんて、デパートじゃなく美術館でやる絶対的理由あるの?などですが、それはやりたくてもお金ないミュージアムのヒガミだよ、とかえされれば、腹立つけど黙るしかない。
入館者数はともかく、リピーターはどうかな。これは評価の基準としてもマットウじゃないかな。「評価」にびくつくわけじゃないけど、マットウな評価が眼にみえればそれは嬉しい。張り合いもある。

私は、この二、三年、ずっとそれを考えてきた。まずは10人、5人、3人でもいいや。ほんとに気軽にリピートしてくれるお客様。リピートするのが日課になるよ、ってお客様。それを獲得していきたい。獲得するために何ができるか、考えてきました。その成果は、徐々に見え始めた。それは間違いありません。ただし、見えているのはJJ's Cafe のカウンターに座っている私と、だいたい受付にいちばん近いところにいる千葉さんくらいだ。私と千葉さんが声をそろえて「増えてるよ、リピーター」ってゆっても、説得力はさほどない。

レストラン・サンコーのタイムレコーダのカード差しには、20枚ほどの社員、もとい「常連さん」のカードがささっているのね。たあちゃん、とか、イナホの怪人、とか、クマゴローとかのさ。ハンドルネームだから、人のを覗いてみてもプライバシー侵害って眼を三角にするようなシロモノじゃあない。そのカードの数は、とりもなおさずリピーターの数だ。プリントされてる日にちはリピートの回数だ。ほんとの会社だったら鬱になりかねないタイムレコーダとカード差し。それがこんなにユーモラスにリピートのあかしになるなんて、眼からウロコは私だけ?はるばる江別市から、小樽文学館リピーターのオレが来ましたよ、ガチャン、って、楽しかないですか?

■11月10日
先日、個人的にデフレ時代のジミな幸福追求のあり方についての考察(要するにビンボー臭いお話)を述べたのでしたが、デフレ時代に豊かな楽しみを求めるのは、今や個人にとどまらないのでして、つまり国も自治体も、当然自治体直営のミュージアムなども、お金はない。
でもね、お金がないから何もできない(やらない方がましだ)、みたい話になってくると、私猛然と反発する。勝手に絶望してろ、と、いいたくなってくる。

文学館の今年の伊藤整展は、それでも200万円くらいの予算がつきました。これは小樽市内のミュージアム施設がローテーション組んで、今年は伊藤整生誕100年だからウチに配慮してくださったのですね。で、来年はまたン10万円規模に戻るのです。
伊藤整シンポジウムには、岩波書店や新潮社、講談社、喜久屋書店も広告出してくださいましたし、白樺文学館も協賛してくださった。でも来年は「並木凡平と口語短歌」ですからねー。だいたいニッポンがとってもビンボーな時代の、貧乏生活全開の文学表現だ。そこが面白いのですけれど。おそらく自然主義もプロレタリア文学もなしえなかったリアリズムを再発見できそうです。それはともかく、まず広告はつかないなあ。

シニアネットとか、ボランティアの観光ガイドとかに熱心なマカベさん。しょっちゅうJJ's Cafe でノートパソコン広げて、何やらお仕事なさっています。好奇心と活力旺盛な方なのですが、こないだ、「まち見て歩き展」をご覧になったらしく、「いくらデジカメで撮ったプリンタ印刷の写真でも、あんなに粗末に扱うのはどうかと思うよ」。?。ああ、Deep手宮ですね。あれは、あそこの展示を手掛けた人たちが、あえて壁から床になだれおちるようなユニークな展示のしかたをなさったのですよ。「何だか知らないが、あれじゃ踏めば汚れるよ。だからさ、ラミネーターを貸してあげる」。?。「もちろん僕も使うけどね、ずっとここに置いといて、使いたければ自由に使っていいよ。フィルムも余ってる分はあげるよ。A3判までラミネートできる」。ふーん、ま、そりゃ、ありがとうございます。って、半ば聞き流していたのですが(失礼だな!)、あとになって考えてみれば、これは嬉しいプレゼントだ。

並木凡平さんというのは、大正末期から昭和初期にかけて北海道のみならず日本を席巻した口語短歌運動の拠点を、小樽で作った人です。そのスタンスは並木凡平というややフザケたペンネームによく現れている。でも伊藤整にも「一種の天才だ」と言わしめ、若き日の血気にはやる小林多喜二をも真っ向からたしなめる大人(たいじん)でもありました。実は、1978年に開館した小樽文学館が、1979年に開いた第1回特別展が「並木凡平展」だったのです。この年4月に採用された私が手掛けた(というよりこの時点では参加した、が正確かな)初めての展覧会ね。事務長も事務職も関係なく、ほぼ全員徹夜仕事に近い状態。何せキャプション類すべて手書き。それを大きなコンパネに貼り、天井からぶら下げる、という「展示」だった。

その後も、最高で300万円くらいの事業費がついた時期もありましたが、実感としてはウチはずっとビンボーだった。それでもけっこう好評もらった企画展やってこれたのは、ひとえに「技術」が進んだからですね。ま、私たちの技術もアレですが、やっぱり大きいのはパソコン、プリンタ、スキャナにデジカメ。写真屋さんや印刷屋さんには申し訳ない気もするのですが、この部分、大幅に経費軽減し続けられた。

ただかなり初期からほぼ現在に至るまで展示に欠かせない、と思いこんでいた道具があります。それは発泡スチロール製糊付きパネル(通称ハレパネ、でもこれは登録商品名ね)。
そこでさっき聞き流してしまったA3判対応のラミネーターですが、これ使えば「糊付きパネル」から解放されるじゃないか!さっそく千葉さんが、コスト調べてくれましたが、案の定、はるかに安くつきます。作業も大幅軽減ね。しかも!パネルそのまま外に持っていける。雨天対応の屋外展示も即可能だ。

聞き流してごめんなさい。マカベさんのプレゼント、活用次第で文学館のワク自体を一回り大きくするかも、です。

■11月8日
「まち見て歩き」展に、大きな「アンドン」を出品してくださった高島町会の皆様。このアンドンは、伝統の七夕行事で使うもの。子どもを大事にする土地柄のようで、この七夕も子どもが主役。
高島では、七夕の夜、子どもらが町内の家を回り、ローソクを貰って歩くという風習があるそうで(今でもやってるのかな)、それはこんな歌を歌いながら回るということです。
『今年しゃ豊年、七夕祭り、おーいやいやよ、ローソク出せ出せよ。ださなきゃ「かっちゃく」(ひっかく)ぞ、おまけにくっつくぞ。商売繁盛出せ出せ出せよ』。
まるでハロウィーンみたいですね、仮装した子どもらが「お菓子くれなきゃ、いたずらするぞ」って町内回るという。
このアンドンも、最近復活させたようです。なかなか今の子どもらは大きなアンドン作る技術も時間もなさそうで、作り慣れた大人の方の作品ですが、「食パンマン」も「ビッグバード」も実にお見事。
そこで、高島のもうひとつの伝統行事といえば「越後踊り」。ずいぶん有名にもなったらしいその踊りの何か。こないだ、「高島」を担当された北海道新聞小樽支社の中沢広美さんから、「越後踊り保存会の方にお願いしたら、浴衣とか笠とか貸してくださると思いますよ」、とお聞きしました。
保存会の方から、「毎月二回くらい踊りの練習している。今度の土曜日の晩にもやるから、どうせなら見に来ませんか」と言われ、いちもにもなく馳せ参じました。

練習場は、記事のなかでも印象的だった「高島診療所」の真向かいの、こちらは真新しい町内会館です。こんな立派なステージとホールがあるんだな。私所在なく、隅のパイプ椅子に腰かける。顔見知りの方もお出でで、「玉川さん、何してるんですか」。いえ、その、ちょっと見学に。
2、30人の方が集まられただろうか。「じゃ、そろそろ」って感じで、皆さん、円く大きな輪を作り、踊りと唄が始まりました。

私、隅のほうから目を皿にして見ていたのですが、ちょいとした衝撃。
踊りは一見ジミです。どこでもやってる盆踊りにもみえる。動きにはとりたててメリハリもない。無雑作にさえ見えます。あれね、「よさこいソーラン」的踊りと、まったく対照的ね。
でも常に小さな孤を描きながら動きを止めない、小手とすり足、低く落とした腰の動き。これも比較的単調な太鼓と笛にあわせ、延々と続く踊りを眺めていると、一種のトランス状態に嵌っていくのがかすかに意識されます。体の奥深くの血が騒ぎ始める。「よさこいソーラン」では、ビクともしなかった体内のDNAが蠢き始める。ええ!こんな凄いのが、こんな近くにあったんだ!

唄も気になり始めます。これも節回しはどちらかといえば単調。どうやら短い句を、延々繋いでいるようなのですが強い訛りで、詞が聴き取れない。
それ気にしているのが伝わったかのように、保存会の斎藤さんが手作り風の冊子を持って、私のほうに近づいてこられました。ほう、『高島盆踊り歌詞集』。斎藤さんの姉上が時間をかけて採集されたものということ。休憩時間にパラパラとめくります。おもしろい。ものすごく、おもしろい。
基本は七七七五(ドドイツみたい)の句を、つなげていくようなのですが、その句が実にバラエティーに富んでおります。唄い手は、これ全部諳んじておられるのですか。「だいたい頭には入ってます」。それをアドリブで繋いでゆかれる。「ほんのちょっとの約束はあるんですけどね」。
斎藤さんの姉上が採取されたのは百五十首。そのうちいくつかを、ちょっと抜き出しました。

浅い瀬ならば ひざまでまくる 深くなるほど 帯を解く
あなた釣り竿 わしゃ池の鯉 釣られゆくのも おもしろい
一夜新潟の 川まん中に あやめ咲くとは しおらしや
色の黒いのは 父親ゆずり せいの低いのは 母ゆずり
歌は良いもの 仕事が進む 話しゃ悪いもの 手が止まる
越後踊りと 磯うつ浪は いつも心が いそいそと
お酒飲む人 真から可愛い 酔ってくだまきゃ なお可愛い
おしょろ高島 その先までも いっそ蝦夷地の奥までも
思い出すよじゃ 惚れよがうすい 思い出さずに 忘れずに
音頭とる子は どこの子だ名のれ 東山の手の 太夫の子だ
かがや床とれ まくらはいらぬ 互いちがいの 腕まくら
かわいそうだよ 白歯に子持ち きけば亭主は 旅の人
来いと七声 来るなと八声 あとの一声 気にかかる
来いと言うたとて 行かりょか佐渡へ 佐渡は四十九里 波の上
佐渡に三十日 栗島二十日 いとし高島に ただ一夜
太鼓たたきと 笛吹き可愛い 中の踊り子 なお可愛い
高島港に いかりはいらぬ 笛や太鼓で 船つなぐ
蛸は吸いつく にわとりつつく うでにかみつく かがもいる
道理ただすなら 歌の道ただせ 歌は道理の 道ただす
はげた頭に ちょいとほうかむり 昔忘れぬ その手ぶり
わたしゃ青梅 かき落とされて 紫蘇となじょんで 色づいた
若い衆 おなごだち いせい良く頼む わしの音頭だ しめでくれ

民謡の研究家にこれを見せたところ「古典的俗謡から、あっちこっちの民謡、近年つくられたものから、もうごちゃ混ぜだね」と言われたそうです。北海道的じゃないか!
俗謡、民謡に漏れず、ややきわどい歌詞があり、本番では興にまかせてもっときわどくなることもあるのでしょうが、それがなきゃ民衆芸能ではない。踊りも実にジミですが、笠を目深にかぶり、白い手甲、足袋の一種投げやりに見えながら細やかな手振り、足摺りは、うん、エロティックであるといって良し。中味が「高島のおばさん」だって理解しててもね。失礼だな!
聞けば昔は笠をもっと目深に被り、その上手拭いで半ば顔を覆っていたんですって。民衆はエロスのなんたるかを深く理解してたわけですね。何もかも「よさこいソーラン」とは対照的(引き合いに出してばかりで、ごめんなさい)。

興味をいたく引かれ、戻ってからGoogleで「高島 越後踊り」で検索かけてみますと、こんなサイトが。開いてみて、とどめ刺されました。熱い。熱いじゃあないか。高島。

勝手に予言してしまいますが、高島・手宮、小樽再生のカギになっていきます。間違いないな。

■11月5日
昨日は文化の日の振替休館日であり、私も休日だったのですが、午前中に仕事あり、午後から時間をもてあますことになりました。それでフラフラと「ウィングベイ小樽」へ。旧「小樽マイカル」ですね。
巨大商業施設なので、現状は厳しいということですが、皆さん工夫をしながら、この大規模店舗を維持していこうとされておられる。小樽築港駅側の入り口から入ると、すぐ右手に軽い食事をとれる場所があります。メニューをみると、ラーメンが200円ね。通常でも400円と安いのですが、今はロッテ優勝記念ということで更に半額。ロッテは地味なチームの印象ありますが、記念セールも地味。でもラーメン200円は嬉しい。調子にのって半チャーハンつけましたが、それでもあわせて400円。しかもチャーハン美味しい。
この軽食コーナーの向かいが、かなり大きな100円ショップ。400円の「ハンチャン・ラーメン」をいただいたあと、「百均」で、ウィンドーショッピングを楽しむ、という、どこまでもデフレ的ジミな幸福。
さらに調子に乗って、4階にある「コナミ・スポーツクラブ」へ。自転車こいだり、水泳したり、ってアクティブには縁がなく、温泉大浴場に入るつもりだったのです。ここが気に入っているのは、温泉そのものではなく、レストルームでありました。広い大きな薄暗い部屋に、何台ものリクライニングチェア。音量絞ったテレビが数台。20分くらいでも、熟睡できる場所です。
半日休日の幸福を全うすべく、入り口料金を確かめたら、軽いショック。入浴だけの料金が、あれ、こんなに高かったかなあ。レンタルタオル料金と合わせると、うーん……。これはつまり、どうも、ここ全体が会員制を軸とするスポーツクラブとして、完全にシフトしたようなのですね。

幸福半減し、とぼとぼ階段降りていきましたら、喜久屋書店の店長さんとばったり。今年の夏はお世話になりました。喜久屋書店さんのお世話で、人の行き交うウィングベイ小樽の空き店舗スペースを使い、亀井館長の文学講座を行う、という、やや破天荒な試み。館長は、とても面白がっていたし、意義もあったと申しておりました。「今度改装の機会でもありましたらね、ああいう講座をやりやすくする小さくともしっかりしたスペース設けたいんですよ」。いいですね、喧噪のなかの、小さくとも静寂な空間。そういうメリハリって、とっても落ち着いた余裕を作ると思いますよ。

ひるがえって、私はこの小樽文学館にも、同様のスペース作りたい。静寂すぎるくらい静寂じゃんか、ってその通りですけどね。さらに落ち着ける場所。ポイントは、ある程度閉じられた場所であること、薄暗いこと。50人くらい入れば十分。20人くらいでもよし。名目はね、視聴覚室でも何でもいい。実際に、そこで小樽でロケした映画なんか上映してもいい。一本上映するの、ちょっと重くなるから予告編だけ編集した映像なんて流せるといい。
何が重要かということをもういちど繰り返しますと、それは沈黙の場所である、ということです。例え50人満席であろうと、そこは沈黙が支配する。沈黙の連帯ね。

こないだ、「まち見て歩き」の写真展示に加わっておられた方、かつて小樽の唯一のミニシアターだった「サードベース」の映写技師されていた方だ。いい映画館だったなあ。あそこで見た「エイリアン」(もちろん第一作ね)の恐怖、忘れられません。客は、私含めて2名だったけど。
その方とも、ちょっと話したのですが、ミニシアターの客としての、あっさりした連帯感ね。あれはとても心地良い。とりわけ、いいコメディは一人で見るより、同じ場所で複数で見た方が、ずっと「良く」笑える。そこに止まる、連帯感ね。

こんなご時世だから、お金のことはもとより、著作権上のこととか、いろんなこと考えて行かなきゃならないけれど、そういう場所が、文学館の要素のひとつとして確立できればほんとに、いいな。

■11月3日
企画展「まち見て歩き」初日。11月3日は、「文化の日」にして文学館開館記念日で、入館無料。それにもまして1階でやってる「文学館古本市」のおかげでありましょうが、一日人が絶えることがありませんでした。この時期ケウなことであり、JJ's Cafe 、古本リサイクルコーナーのみならず、文学館全体に常時人がタムロしているのは、やっぱり嬉しい。

あたりまえに嬉しいが、ほんの少し複雑な思いもきざしてまいります。
JJ's Cafe のカウンターに人がびっしり座っている。商業喫茶なら、これは当たり前、そうじゃなかったら深刻に困る。ニセ喫茶JJ's Cafe だって、それは同じ。いくらニセ喫茶でも、だれも椅子にかけていなかったらカウンターじゃあない。ただねえ、カウンターにびっしりお客様座っていると、私何となくなかに入りにくくなる。逆に私なかにいると、お客様がきまずいのジャマイカ(癖になるな)。
古本市の進行きわめてスムーズ。ときどき覗きにいくのですが、常にお客様でほどほど混んでおり、にもかかわらずテーブルにびっしり並べられた本はいつも整然。ボランティアの皆さんの手入れが行き届いているのですね。当然ながら売り上げも例年以上に好調のようです。

ええと小路君、売り上げは……。「順調ですよ」。ええと、そろそろ終盤だね。「分かっています」。ええと、撤収にかかりましたね。皆様お疲れさまでした。ボランティアの皆さんには何もお礼ができませんが、古本のなかから、お気に入りの一冊があれば。「それも、言ってあります」。……。

うわ。私が心がけているのは、大人、こども、お年寄りを問わず、何となく居場所ないなあ、と感じている人たちの、いちばん気楽で気持ちの良い居場所づくりでありますが、その私自身が居場所なくなりつつある。10月29日の日記で書いたこと、学芸員というバリアは早晩撤去されるだろうし、そうならなければならない、ということが、すでに現実になりつつあるのジャマイカ(もう止めましょうね)。いや、歓迎すべきことなのですけれど。