種子の保存

このページ08/09/03 更新    農業生物資源研究所ジーンバンク上席研究官KSさんに見ていただき、冷凍低湿保存について修正しました。

A 室温低湿保存 毎年蒔いて更新できる種子については、最善の方法です。俗に常温保存と言いますが、常温とは、常に一定温度に保つことです。

  自家採種後1か月程度は古封筒に入れてさらに乾燥させます。この間に、追加採種したり、莢からはじけ出るのを待つものもあります。夾雑物を、指や息吹きかけで除き、な

るべく種子だけにします。

  種子量相応大の古小袋(微粒種子内袋など紙、パラフィン紙製、なければポリエチレン製)に品名と採種年などを記入して種子を入れます。

 RH(相対湿度)20〜25%を下限として、低いほど種子寿命は長くなるとのこと。

 乾燥剤(海苔・煎餅などに添えられている小袋入り生石灰)とともに、茶筒・缶に入れています。ガラス瓶なら、中も見えてベターです。

 茶筒等は密閉が不十分です。生石灰(粒状)が消石灰(粉状)になるのを遅らせるため、合わせ目に,粘着ビニールテープを貼っていま

(写真)

 種子の出し入れは、湿度の低い時に行い、石灰が粉状になっていたら、新しい生石灰に交換します。

 

B 冷蔵低湿保存 全体の作業順序はA→B→A 

 毎年は更新しない種子が多いので、ほぼすべてを冷蔵保存しています。 

 5℃下がるごとに寿命は倍になるとのこと。1年で発芽しなくなるタマネギも、1回購入した種子(赤玉葱)が、この方法により10年以上毎年発芽しました。

 播種時期などにより、冬、春野菜、春花、春秋野菜、春秋花・夏花、夏野菜、秋野菜、秋花、秋豆麦と、9つの茶筒・缶に分けています。種子保存専用にしている小型冷蔵庫

内の、すべての場所を使っています。5℃程度の場所が理想のようですが。

 種子の出し入れは、素早く行える場合を除いて、室温に戻してから行います。温度差が結露を呼びますから。

 

C 冷凍低湿保存 全体の作業順序はA→B→C(→B)→A 

 家庭冷凍庫による-18℃で、種子(熱帯原産種を含む)は、数百年も保存できるようです。日本有機農業研究会の種苗ネットワークとして預かっている種子などに適用してい

ます。測ってみたら、-19℃でした。

 室温から冷凍する際は、1日冷蔵を経過させ、この間、同梱生石灰による乾燥に期待します。種子内水分が氷になって種子を傷めるのを

防ぐためです。

 (種子銀行 室温から急激に冷凍させると、種子内部の水分が膨張して種子を破壊します。必ず「冷蔵庫上部で予冷」させてから冷凍室に入れるように。)
 
 ( 「種子の含水量<70%RHの空気と平衡する含水量」でなければならない。)  

 解凍時には、冷凍庫から室内へ缶を出し、缶に結露がなくなって、内容物が室温に戻った後(2〜3日後)に開封します。

 なお、花粉の冷凍保存も同様です。ただし、解凍時は、冷凍庫から出した後、2日間冷蔵庫内で保管してから外気温に戻すようにとのこと。

 Q&A

Q1 冷凍庫に入れる前に冷蔵庫にと書いてありますが、種子は何に入れて保管したら良いでしょうか。

 室温低湿保存の場合と同じです。1種類だけなら、袋入り乾燥剤とともに直接小瓶に入れて蓋をし、粘着テープで目張りをしておくのが

良いでしょう。 少量の場合は、写真フィルム用のプラスチック筒が、目張り不要で便利です。その際、ケースに入る、極小袋の生石灰が見

つからなければ、袋を切って、手で触らないようにして分け、ホチキスでとめます。シリカゲルは、青ゲルが青いものを使います。

Q2  熱帯原産の種子の場合、自然には低温に接しません。これを冷蔵庫に入れて大丈夫ですか。

A 大丈夫です。水分を豊富に含んでいる植物自体と違い、乾燥した種子は、冷蔵にも、冷凍にも耐えます。原産地には関係ありません。

 

 


自給園の目次へ戻る