テューバとバス ![]()
上の2つの絵をよーく見て下さい。特にベルから下へずーっと絞られているところの太さですね。左の楽器の方が右のものより早く絞られているのがおわかりですか?
つまりこれは、左の楽器は管のある特定部分から円錐状にベルが開いているのに対して、右の楽器はその円錐の開きが甘く、より円筒に近い形状をしているということでしょう?
この、より円筒に近いベルを持った楽器をテューバ、より円錐に近い形状を持った楽器をバスと呼んでいたことがあります(いまでもそう呼ぶ人も少なくない)。
アップライトの楽器はイギリスで発達し、さらにさかのぼるとどうやらサクソルン・バスという楽器に行き着くようです。サクソルンは、サキソフォーンの考案者であるアドルフサックスと言う人が考えた円錐管のピストンバルブの金管楽器です。このため、アップライトの円錐管の楽器にバスと言う名称があるのだと思われます。
ロータリーの楽器は、ドイツに登場し、その原型はどうやらF管バストロンボーン(スライドではなく、ロータリーバルブのもの)だったのではないかと思われます。これがテューバと呼ばれていたようです。「TUBE(チューブ)というのは、医学用語では輸卵管(卵巣と子宮をつなぐ管;卵巣側でラッパのように開いている)を指し、これが当時つくられた楕円型の楽器と形が似ているからTUBAと言う名前が付いた」というのは医学の中心だったドイツでは最もらしく聞こえる話です。トロンボーンは円筒管ですから、その延長線上にあるテューバも円筒管だったようです。当時のドイツには、精密なピストンをつくる技術はなく、円柱の長さが短くて済むロータリーですませたらしいですね。現在では、ロータリーの方により精密さが必要とされているようですが…。
円錐管と円筒管で音色は違うのかというと、円錐管の方が甘く豊かな響きが、円筒管の方がより明瞭なアタックとストレートな音がでると言われています。しかしこれも前半の管の太さ・管の肉厚・ベルの大きさ・材質・仕上げ(ラッカーか銀メッキか)・バルブの種類・マウスピースそして何より吹き方によって全く代わってしまうので一概にはいえません。
また、ベルのテーパーの度合い(絞り具合)は、メーカーによって、機種によって、管の調子によってずいぶん違うので、テューバかバスかと言う話は、とうがらしをかけた生たらこと辛子明太子ぐらいの違いにしかならないのかもしれませんね。
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