半音階が出せるのは?

 倍音の話がでたついでに、金管楽器が半音階を吹けるわけを説明しましょう。

 トランペットやトロンボーンでは、管が細いこともあって、第1倍音が響きません。このため、第2倍音以上のところで半音階がでればいいわけです。そこで注目してほしいのが、2と3の間です。

 管を長くすると、第1倍音が低くなる(倍音列の全ての音が下がる)ことは前のページに書きました。では、バルブを使って息を迂回管の中を通してやれば、管が長くなるのでこの迂回管の長さを調節してあげればいろいろな高さの(低さの)倍音が出せるようになりますね。

 半音分下がる迂回管を6つつけてあげれば、2と3の間の半音は全部埋まってしまいます。前(上?)から一つづつバルブを切り替えれば半音づつさがっていき(別にどのバルブでもいいんだけど)全部押せば2の倍音の半音上がでるようになります。スライドトロンボーンは、この理屈で管をのばしていきます。

でもそれじゃあ賢くない。違うボタンを押したら違う音がでないとね。

 ためしに1のボタンでは半音分、2のボタンでは全音分、3のボタンでは1音と半音分…、と6のボタンまで付けてみましょう。これでは重たくて…。

ちょっと待て、6までボタンがなくても3まででいいんじゃないか?4のボタンは1と3のボタンを一緒に押せばいいし、5のボタンは2と3で、6のボタンは1と2と3全部一緒に押せば同じ長さだろう?

 ということで、バルブが3つあれば第2倍音から上の全ての半音が出せることになりましたとさ。実際には、操作上の問題から、1のボタンが中指(真ん中ね。)2のボタンが人差し指、3のボタンが薬指に来るようになっています。

 そこで、テューバです。テューバは、低い音を要求される楽器ですから、まず第1倍音、出ないとお話になりませんねー。小学校の金管バンドならいざ知らず、いまや中学生でもとんでもない曲をやる時代ですから…。第1倍音がでるとなると今度は1と2の間を埋めなければいけませんね。

 そこで(ジャジャーン)4つ目のバルブの登場です。4つ目のバルブでどれだけ下げればいいかというと…、2と4のオクターブ間に3の倍音があるおかげで1オクターブを3つのバルブで半音全部出せるようになったのですから、4つ目のバルブは3と4の間隔つまり4度(半音5個分)下がでると2〜3と同じ指使いでもう1オクターブ下まで出せるようになり、結果的には第1倍音の1オクターブ下より半音上の音まで出せる(理屈ではね。)ようになったのです。

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