教育関係報道(各新聞社の記事のスクラップです。)

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(毎日新聞の記事は1週間ほどで消滅します)
12月30日 義務教育国庫負担  、自民が特別委で本格論議へ
国と地方の税財政を見直す三位一体改革で存廃が焦点となった義務教育費国庫負担制度の維持に向け、自民党は、文教族議員らによる「義務教育特別委員会」(委員長・河村建夫前文部科学相)を設置して、1月から本格的な論議を始める。党主導で制度存続の流れを作るのが狙いだ。  特別委は1月27日に初会合を開き、6月には、制度存続を柱とする義務教育の独自改革案を策定する運びだ。この中で、「義務教育は国の責務だ」とする立場を明確にして、国庫負担制度の必要性を打ち出す方針。さらに、〈1〉「6・3制」など義務教育制度の弾力化〈2〉教員の資質向上〈3〉「ゆとり教育」の見直し――などといった義務教育制度の抜本的見直しも提案したい考えだ。
12月29日 国公立大と私立大の格差   、大幅縮小
四年制大学に今春進学した香川県人学生の受験から入学までの費用は、国公立大が平均百六十九万千円、私立大が同百八十万円となり、公私格差は十万九千円で前年の四十二万円に比べて大幅に縮小したことが国民生活金融公庫高松支店の「大学進学費用に関するアンケート」(香川版)で分かった。同支店は「国公立大に進んだ学生の親が、大学に払う費用が私立大に比べて安くなった分、住居などの生活面を充実させている傾向がうかがえる」と分析している。  調査は昨年十月から今年四月にかけて、同公庫の教育ローンを利用した県内の二百七十一人を対象に実施。九十五人(35・1%)が回答した。  まとめによると、国公立、私立を合わせた全体の平均は前年比三万千円増の百七十六万四千円だった。私立大の進学費用は同四万七千円減となったが、国公立大は同二十六万四千円増。授業料などが安い国公立大へ進学した場合でも、新生活にかかる費用などを合わせれば、親の負担に大差がなくなっている現実が浮き彫りとなっている。  このほか自宅外通学者の進学費用は平均百九十九万三千円で、自宅通学者(百二十万六千円)よりも七十八万七千円高かった。地域別(海外留学など除く)では、首都圏が二百十七万七千円と最も高く、以下は京阪神が百八十八万六千円、四国地域が百七十九万円、中国地域が百七十一万円の順。四国地域は前年比六十六万九千円増と大幅に伸びており、中国地域を上回った。  一方、毎月の仕送り額は平均九万三千円で、前年に比べて三千円減少した。進学に伴う総費用の増加を受けて、日々の生活費となる仕送り額が減少しているとみられ、同支店は「大学進学による家計への負担は依然大きい」と分析している。(コメント 負担を少なくする施策が最大の少子化対策だと思うのですが)
中学校長に楽天元副社長   横浜、32歳の全国最年少
横浜市は27日、来年4月の新設に向けて公募していた東山田中学校(都筑区)の校長にインターネット通販大手楽天の非常勤取締役、本城慎之介氏(32)を起用すると発表した。市によると、全国の公立学校の校長で最年少という。  本城氏は1997年、三木谷浩史氏と楽天の前身となる会社を設立し、その後楽天副社長に就任。2002年に独立し、起業や会社経営をテーマに講演などをしてきた。  本城氏は「学校教育の充実には公立学校の魅力をアップすることが大切だ。全国の学校関係者がまねしたくなる施策を実施する」と話している。  市によると、東山田中は生徒数約600人の予定で、地域住民が学校運営に参加する協議会を設ける。 (コメント ?)
12月28日 理数科目の授業時間増を  学力低下で理数系学会が改革案
学力低下や理科離れ問題の解決に向け、日本数学会や日本化学会など理数系学会でつくる「理数系学会教育問題連絡会」(世話人・浪川幸彦名古屋大教授)は27日、理数科目の授業時間を増やすことなどを盛り込んだ改革案を中央教育審議会に提出した。  同連絡会は「諸外国は理数教科を強化しようとしているのに、日本は学習内容を減少させている。日本の理数教育に壊滅的な打撃を与える恐れがある」と訴えている。  現行の学習指導要領について同連絡会は「小中学校の算数・数学、理科の授業時間を大幅に削減し、暗記に偏重した教育へと追いやっている」と指摘した。  特に中学校での悪影響が懸念されるとして、改革案では一刻も早い授業時間数の回復を要望。自然科学の専門知識を持つ教員の養成や、教員を増やすなどして研修や教材開発に取り組めるようにすることも提言した。  また中学校理科で「仕事」や「イオン」「進化」といった基本概念を削除したため、高校での学習が困難になっているとして、学問の基本を踏まえた系統的な指導要領を編成するよう求めた。 (コメント 全く同感)
「ゆとり教育は失敗」   授業復活求め理数系学会が提言
「学力低下対策で理数科目の授業を減らす先進国は日本だけ」。日本数学会、日本化学会など理数系学会が連名で27日、中央教育審議会(鳥居泰彦会長)にあてて、総合的学習などに代えられた理数科目の授業時間復活を求める提言を提出した。日本数学会の浪川幸彦名古屋大教授は記者会見で「生きる力を育てる趣旨は結構だが、系統だったカリキュラムを破壊した今のゆとり教育は、逆に子どもたちの考える力を落とした明らかな政策の失敗だ」と話した。  理数系の13団体で作る理数系学会教育問題連絡会が同日、発表した。同連絡会によると、中学3年生の平均授業時間に占める理科、数学の割合はアメリカで30%、イギリス28%、フランス27%に対し、日本は23%で、さらに減らそうとしている。提言は現職教員へのサポートや、理数系学部出身者の小学校教員への登用なども求めている。
大学評価の問題を考える   1月に学術誌発刊
大学評価学会(事務局・京都市伏見区)は、文部科学省の認証機関が実施する大学評価の問題を考える学術誌「21世紀の教育・研究と大学評価」=写真=を1月10日に発刊する。  素粒子論の権威・益川敏英京都産業大教授は「本当に社会に役立つ基礎研究は100年の単位で見るべきだ」と強調、「中間段階をおろそかにすればしっぺ返しがくる」と経済的視点に基づく評価の在り方に警鐘。  海部宣男国立天文台台長が「評価は必要だが達成度や数値目標などの姿勢が問題」とするなど、識者が大学の行く末を論じている。A5判90ページ。1000円。晃洋書房。
12月27日 ジョブカフェ石川、高校教員に初セミナー  大卒後の進路見据え
県若者しごと情報館「ジョブカフェ石川」が二十七日、初めて高校の教職員を対象にした職業意識啓発セミナーを開く。これまでは実業高校や専門学校の生徒を対象にした講習が多かったが、進学校の教職員にも若者の現状を知ってもらい、大学卒業後の就職まで見据えた教育につなげてほしい考えである。学校側も「教育の最終目的は生徒の社会的自立である」として教職員の意識改革に取り組む。  セミナーは、二水高のすべての教職員約六十人が校内研修の一環として受ける。同校は生徒のほぼ全員が進学するが、大学卒業後に待ち受ける就職の問題を、高校のときから意識する必要があるとして、まずは教職員が若者の現状に理解を深めようと、研修を申し込んだ。  ジョブカフェ石川は、フリーターのほかに、教育も就業訓練も受けない「ニート」と呼ばれる若者が増加している点を懸念。今後は、教職員も巻き込んで、若者の就職意識を高めていきたい考えである。  県労働企画課が今年三月にまとめた調査によると、県内の高校生の55・3%が「働かなくて済むのならそれに越したことはない」と考えている。  セミナーでは、生徒の就職支援をテーマにした講演をはじめ、県内のフリーターの現状をまとめたビデオの上映や正社員とフリーターの賃金格差の紹介、教職員と産業カウンセラーの意見交換などを予定している。  ジョブカフェ石川の植村まゆみセンター長は「進学する生徒も職業意識を持って道を選んでほしい。助言する先生の役割は大きい」と指摘する。二水高の梶本逸子校長は「教職員も世の中の流れや若者の考え方を把握し、折にふれて生徒に働く意義などを問い掛けていきたい」と話している。
12月26日 義務教育改革で文科省 、全国の学校訪れ意見交換
文部科学省は25日、年明けから義務教育改革に関する広報・広聴活動を強化する方針を決めた。  具体的には〈1〉1月上旬に省内に「教育改革広報・広聴活動プロジェクトチーム」(仮称)を設置する〈2〉中山文科相のほか中堅、若手職員が全国の小中学校などを訪問し、教職員や保護者、生徒・児童と意見交換する企画を始める――などを予定している。  義務教育費国庫負担金の削減問題や、国際学力調査で判明した日本の子供たちの学力低下傾向などを踏まえ、「国民の期待に応える改革を実現するには、『直接対話』を充実させる必要がある」(幹部)と判断したものだ。  文科省側による学校訪問は、100校以上を目標としている。さらに、同省ホームページに「義務教育改革欄」を開設し、学校訪問の結果報告のほか、中央教育審議会の「義務教育特別委員会」での審議内容や関連データを掲載して意見を募集する。  また、全国的な国民意識調査の実施も検討している。義務教育のあり方や学力問題、改革の方向性などへの意見を求めるもので、来春には結果を取りまとめ、公表する方向で調整している。
教材用の作品コピーで協定・「法逸脱」指摘受け補償金
学校の先生が小説などの文芸作品をコピーして教材にするのは、ごく日常的なこと。しかし、配る範囲が拡大し著作権を侵害するケースがあるとして、作家らがつくる日本文芸家協会(黒井千次理事長)は、主に東京の私立中学、高校で組織する特定非営利活動法人(NPO法人)との間で、1校につき年2万円の補償金支払いの協定を結んだ。  同協会はこの協定を全国の私立、公立校や予備校にも広げたい意向で、教育と著作権の関係に一石を投じた格好だ。  著作権法によると、教育機関では一定の条件の下で著作者の了解を得ずに複製を作ることができる。文芸家協会も、生徒に文芸作品が読まれること自体は歓迎している。  しかしパソコンやコピー機の普及で、1人の教員が作った副読本や問題集が、学年全体、あるいは数年にわたって生徒に配布されるケースがあるといい、「僕って何」の芥川賞作家、三田誠広・同協会常務理事らが「法の範囲を逸脱し、著作権を侵害する」と指摘してきた。
12月25日 授業実態を全国調査、子どもの学力低下で文科省方針
各都道府県教委などの教育長を集めた文部科学省の会議が24日、都内で開かれ、文科省の銭谷真美・初等中等教育局長は、子どもたちの学力低下問題を受け、各地の授業実態などを全国調査する方針を明らかにした。  調査は各教科の専門官らが年明けから、各地の学校現場を巡回して行う。今後の授業改善に向けてデータを集めるほか、教育改革に現場の声を反映させる狙いがある。  この日の会議では、中山文科相が「近隣諸国が力を伸ばしており、このままだと我が国は東洋の老少国になりかねない」と学力低下を憂慮。銭谷局長は、国際調査で低下傾向が顕著だった「読解力」向上などに力を入れることを強調し、今後は授業時間拡大や土曜日の補習などについても中央教育審議会で議論してもらう必要があるとの認識を示した。
12月24日 理科教育: 物理3学会、中教審に12項目の提言 
日本物理学会、応用物理学会、日本物理教育学会の3学会は22日、小・中・高校の理科教育の充実を求める12項目の提言を中央教育審議会(鳥居泰彦会長)に提出した。小学1、2年の「生活科」を廃止して理科を復活させ、小学3年生以上と中学でも「総合的な学習の時間」を減らして理科の授業時間を「ゆとり教育」導入以前の水準に戻すことを求めた。  また、教える内容を減らした現行の学習指導要領は「科学を系統立てて学べない」と指摘。理科専科の教員を全小学校に置くことや、教員の自主的な研修を奨励する制度の整備を提言した。  3学会の代表は同日会見し「物理だけでなく理科全体の問題だ。現状では国民の科学力に深刻な影響が出る」と強調した。
私学助成に150億増額  大臣復活折衝
谷垣禎一財務相は二十二日、二〇〇五年度予算政府案編成に向けて、各閣僚と財務省内で復活折衝を行った。中山成彬文部科学相とは、大学・高校の私学助成を財務省原案から合計百五十億七千三百万円増額することを決定。町村信孝外相とは、〇五年度にIC旅券を導入するために十億五千百万円を計上することでまとまった。政府は二十四日の閣議で〇五年度政府予算案を決定し、来年の通常国会に提案する。  復活折衝に充てられた調整財源は五百億円。中山文科相との折衝では、私立大学の経常費補助(財務省原案で三千百九十七億円)を九十五億二千五百万円増額、私立高校向け(同九百七十八億円)で五十五億四千八百万円を上乗せした。  町村外相とは、テロ対策などを目的に顔の画像を入れたIC旅券の〇五年度の導入を決定した。  中川昭一経済産業相とは、排他的経済水域の資源調査探査船の建造費を、百一億円計上した。  村田吉隆国家公安委員長との折衝では、空き交番の解消や街頭犯罪対策のための地域警察官三千五百人増加(予算額三億七千四百万円)を認めた。  島村宜伸農相とは、傾斜地で生産条件が不利な地域の農業を助成する「中山間地域等直接支払交付金」で、ゼロ査定から二百二十一億五千七百万円にした。
12月23日 義務教育改革本部が初会合  文科省 学力向上策を検討
文部科学省は22日、学力向上策や義務教育費国庫負担制度の在り方を検討する「義務教育改革推進本部」(本部長・塩谷立文部科学副大臣)の初会合を開いた。  経済協力開発機構(OECD)と国際教育到達度評価学会(IEA)の2つの国際学力比較調査で、読解力が低下傾向を示したことなどを受けた措置。国民に教育改革への理解を深めてもらうため、各地でタウンミーティング(対話集会)を開いたり、学校に直接出掛けて保護者や教員から話を聞いたりすることも検討する。  中教審の審議内容と重なる部分も多いが、中山成彬文科相は初会合で「文科省としての考え方をまとめて国民に問い掛けていくことが必要だ」と述べた。  同省は「ゆとり教育や義務教育費国庫負担制度など、必ずしも施策が国民に理解されていない」としており、今後は広報体制を重視する方針。
理科の授業時間増やして  物理関連3学会が提言
科学に対する特殊な認識を改め、理科の授業時間数を増やして−。日本物理学会と応用物理学会、日本物理教育学会は、学力低下問題を解決するための提言をまとめ22日、中央教育審議会に提出した。  3学会は、現行の学習指導要領を「十分な検討なしに学習内容が削減され、学習時間も大幅に削減された」と批判、理科教育の土台が危機にさらされていると指摘した。  改善策として、小学校低学年の理科を復活するなど授業時間を1980年代並みに増やすことや高校での理科の必修科目の充実など学習内容の見直し、教える項目を厳しく規制する指導要領の「歯止め規定」の廃止などを示した。  また、指導要領が「科学の理論や法則は普遍的ではない」との特殊な認識を基に、学習内容よりも子供たちの意見表明を重視したため、子供たちは何が正しいか分からなくなっているとの問題点を指摘した。
金賞 藤森中吹奏楽部 全国大会で2年ぶり2回目
京都市伏見区の藤森中吹奏楽部が、埼玉県さいたま市でこのほど開催されたマーチングバンドの全国大会に関西代表として出場し、2年ぶり2回目の金賞を受賞した。  マーチングは、ステージを集団でダイナミックに動き回り、打楽器や管楽器で演奏する。18日の「マーチングバンド・バトントワリング全国大会」に、同中は関西代表として6年連続で出場。28校中、8校に贈られた金賞に一昨年に続き選ばれた。  大会では、アニメ映画「もののけ姫」の劇中曲など3曲をアレンジした曲を披露。マーチングには珍しい和太鼓も演奏に取り入れた。部員68人が30メートル四方のステージで表現力豊かな演奏と演技を披露し、「スピード感あふれる演技」などと評価された。  部長の2年薮千晶さん(14)は「みんなで楽しんでやろうと話し合っていた。目標だった金がとれてうれしい」と話している。
12月22日 大学の機能分担を提示 ・中教審が高等教育の将来像で中間報告
中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は20日、日本の高等教育の将来像についての中間報告を中山成彬文部科学相に提出した。大学全入時代が当初予想より2年早まり2007年に到来することを踏まえ、各大学が個性や特色を一層、明確にしなければならないと提言。具体的に「世界的研究・教育拠点」や「総合的教養教育」など7つの大学の機能を初めて示した。  中間報告は2015年から2020年ごろまでの中長期的な高等教育政策の方向性を示している。中教審は今後、関係団体や有識者らから意見を聞き、来年1月下旬をメドに答申をまとめる。  報告は今後、18歳人口が120万人規模で推移する一方、大学・学部の新設は続くため、18歳人口の増減のみに基づいた国の高等教育政策の手法は使命を終えたと分析。生き残りのためには、各大学が個性や特色を一層、明確にすべきだとしている。そのうえで(1)世界的研究・教育拠点(2)高度専門職業人養成(3)総合的教養教育――など大学の7つの機能を初めて提示した。
首都大学東京、英語授業の半分外注 初年度は「丸投げ」
東京都立大学など4大学が統合して来春開校する「首都大学東京」が、英語の必修授業の半分を民間の英会話学校に委託することを決めた。「ネイティブスピーカー」の授業を目玉にする狙いだが、職業安定法の規定で派遣講師と授業内容を打ち合わせることもできず、初年度は教材を含めてほとんど「丸投げ」になる。現場からは「教育に責任が持てない」との声も出ている。  外部委託するのは、1年生の75クラスで週2コマ行う「実践英語」の1コマ。5社が参加したコンペで「ベルリッツ・ジャパン」に内定した。自己紹介などができる会話力と、Eメールなどが書ける作文力をめざす。  ところが、大学が委託先から派遣された講師を直接指揮・命令すると、職業安定法で違反とされる「労働者の供給事業」に当たることが分かった。このため、都と大学は派遣講師に履歴書の提示を求めず、面接もしないことを決めた。日常の打ち合わせもせず、控室も大学側の教員とは別にする。「助言でも違法になりかねない」という。  都の業務委託では、庁舎の清掃や警備などのほか、サービス部門で旅券の申請・交付業務があるが、単純作業に限っており、職安法に触れる心配はほとんどない。だが、学生の要望や学力に沿ってきめ細かな対応が必要な大学の授業は、状況が異なる。契約では学生からの質問も授業後1時間に限られ、それを超える対応を求めると法に抵触する。  担当教員の一人は「授業を丸ごと任せる業務委託では大学として内容に責任を持てない。ネイティブの講師を大学が公募するなどの改善が必要だ」と話す。  カリキュラムや教材は共同開発する方針だが、開学まで約3カ月しかなく、ベルリッツのノウハウを土台に多少の注文をつける程度になる。  首都大学東京の母体となる都立の4大学に英語教員は約40人いるが、大半は日本人だ。4大学が作った改革構想ではネイティブスピーカーを大学が採用する構想だった。  しかし、石原慎太郎都知事の号令で昨年夏、4大学の廃止と首都大学東京の創設が決まり、教員削減方針の一環で外注案が示された。  英語教育に外部委託を導入した大学は、慶応大湘南藤沢キャンパスなどがある。同キャンパスでは英語力の低い学生の力を引き上げる授業を委託したが、教材やカリキュラムは専任教員が10年以上かけて開発したものを活用している。  都立大の関係者によると、首都大学東京ほどの規模で外部委託するのは異例という。
先生がITを知らなくてもいい IT教育:
◆東京都あきる野市立増戸中学校 紙澤雅一教諭
 国は「教育の情報化」を進めているが、自治体や学校、教員によって取り組みや意識に違いがある。ITに詳しく、導入に積極的な教員がいるかいないかで学校間のIT環境格差が生まれるという現実もある。9年前からIT環境整備に取り組んできた増戸中学校の紙澤雅一教諭は、授業の方法や生徒の変化に応じて、臨機応変に活用法を考え、「先生がITを知らなくてもいい」とも言う。紙澤流IT活用法を聞いた。【岡礼子】
 −−増戸中では、ITをどのように利用することが多いですか?
 インターネットを使った調べ学習が一番多いのではないかと思います。総合的な学習や校外学習などの授業の前後に、自分のテーマに関連したことを調べるときに使います。ワードプロセッサーやプレゼンテーションソフトで学習のまとめをつくるという使い方もしています。
 −−学習ソフトやドリル教材を使うことは?
 少ないですね。教員は学習ソフトの必要性をあまり感じていないのではないでしょうか。授業の組み立ては教員それぞれの考え、方法があります。学習ソフトやドリル教材は自習用にはいいでしょうが、50分間すべてお任せといったソフトは、授業では使いにくいですから。まだ、授業全体をカバーしてしまい、教員の独創性が生きないソフトが多いと思います。
 −−子供たちはパソコンの扱い方、習熟度はどうですか。
 数年前までは、パソコンの基本的な使い方から教えなければなりませんでしたが、今は小学校である程度使ってきているので、中学の教員は、パソコンを授業のどんな場面でどのように使うかということを考えればよくなりました。パソコンもツールとして使いやすくなってきました。
 −−「どんな場面でどのように」とは、具体的には?
 私は数学の担当ですが、関数のグラフを描かせて、特徴を発見させるような授業では、30分くらい生徒にパソコンで自由にシミュレーションをさせて、残りの20分でまとめるといった使い方をします。学習の定着を図りたいときには、余裕があれば、生徒をコンピューター室に連れていって、ドリル教材で演習をさせたりします。パソコンが各教室に1台でも入れば、パソコンで資料を提示して、この部分は資料を見ようとか、ここでは練習問題をやってみようというように、場面に応じて使い分けられるようになるでしょうね。
 −−子供たちは小学校でパソコンを使っているので、「使い方」を教える必要はないということですが、中学校で使い方を教えることはないのですか?
 授業が支障なく受けられる程度のスキルを身につけるために、1年生の最初に、技術科で情報教育をしています。「ウェブページ作成」と「プレゼンテーション」のどちらかを勉強して、その過程で電子メールや検索エンジンの使い方、学校でパソコンを使うときの約束など、基本的な事柄を教えています。あとは必要に応じて、授業の中で教えます。プレゼンテーションソフトなんて、子供は触っているうちに、使い方が分かっちゃいますから、詳しく教えなくても大丈夫です。生徒は自分で機能を見つけます。
 −−生徒にはどんなスキルが必要ですか。
 鉛筆や消しゴムと同じように、「道具」として普通に使えるようになってほしいということが基本です。ただ、鉛筆と違って故障するし、トラブルに巻き込まれる可能性も多いので、なかなか簡単にはいきませんね。
 −−調べ学習では、インターネットを使うと思いますが、情報モラルの問題は、どうしていますか?
増戸中のコンピューター室。1年生が環境をテーマに調べ学習中で、理科の先生と担任の先生の2人が指導していた。子供たちは、自分のテーマに沿ったサイトを検索し、まとめて発表する。
 入学して早いうちに、ウェブサイト上の危険なページについて学習させています。また、少し前まで、子供たちには「学校という公教育の場なんだから、ふさわしくないサイトを見たり、データを取ってきたりするのはだめなんだよ」という話をして、フィルタリングしていなかったんです。でも、やはり目が届かない。そこで、私の生徒が誘惑に負けてしまうような環境にしていてはだめなのかなと、考えが変わってきました。生徒は誘惑に負けたくないのに、見えるから、つい見てしまうということもある。それなら、子供が誘惑されない環境を作ることも必要かもしれないと思うようになったんです。今はフィルタリングしています。
 −−先生もITスキルの勉強、研修をしないといけませんね。
 いえ、私は生徒がスキルを持っていれば、教員はスキルがなくてもいいと思っています。教員はエンジニアではなく、授業のコーディネーターです。授業のプロである必要がありますが、機器についてプロである必要はない。コンピューターの使い方や機能を教えることは、授業の中では必要ないと思っています。ただ、そのためには子供がまず使えないといけないし、教員の側に、子供が分かっていれば、自分が分からなくても、コンピューターを活用した授業をしてしまうくらいの思い切りがないとだめだと思います。
 −−「自分が知らなくてもいい」と思い切るのは難しいのではないでしょうか。
 難しいですね。でも私がずっと言い続けてきましたから、増戸中では、パソコンをまったく扱えない先生でも、授業で使ってくれるんです。例えば、国語の先生が「資料集に学習テーマに関連したホームページのURLが載っているので、子供に見せて考えさせたい」と相談してくる。私は「どうぞやってみてください。子供たちは検索できますから大丈夫ですよ」と答えました。その時は、その先生が心配だと言うので、念のために立ち会いましたが。この先生のように、自分はパソコンが扱えないけれど、子供たちのために授業で使いたいと思ってくれるのが、一番うれしいですね。
 −−そんなに身構えたりする必要はない?
 教員がみんな「自分が扱えなくても、パソコンを使った授業は出来る」と思って、子供たちがパソコンを使えたら、もっと気楽に授業で使えますよね。極端なことを言えば、生徒が機器の使い方を質問しても、教員は「自分でなんとかしなさい」と答える。それでいいと思っているんです。
 −−「先生、シャーペンの芯出ないんだけど」というのと同じですね。
 そうです。ITの環境はだいぶ扱いやすくなっているので、教員もそれでいいと思うようになってきていると思います。ただ、授業のどこで、どのように使うと効果的かが分からないと困ります。そのためにはほかの先生のITを使った授業を多く見るといいですね。斬新な授業をみると、アイデアが生まれるし、同じにやらなくても、自分の授業に生かせます。内輪の研修会では、いろいろなソフトや画像の“ありか”を紹介するようにしています。
 −−職員室とコンピューター室をネットワークでつないでいるそうですが、どんなメリットがありますか?
 コンピューター室のファイルサーバーに、そこに生徒が使うデータも教員が使う教材も入れています。先生たちは、職員室からファイルサーバーにアクセスして授業の準備をします。インターネットからデータをダウンロードもできるし、必要な情報を調べることもできます。教員の半数は、ネットワークを活用していると思います。
 −−あきる野市では、行政ネットワークを学校にひくそうですが。
 市のネットワークにつないだ方がトラブルが少ないし、コンピューターに詳しい人がいるかいないかで、各学校のIT環境が異なるのは困るから、同じ条件にしようということです。私もその方がいいとは思いますが、増戸中は比較的恵まれている環境なので、市内の環境が均質化することで、後退してしまうと困りますね。
 −−市が教育用ネットワークを整備することで、市内の学校全体のIT環境が底上げされるわけですね。
 そうです。あきる野市は、秋川市と五日市町が合併ししてできた市です。当時、五日市町では中学校に40台のパソコンがあり、秋川市は20台でした。コンピューター室の大きさも違います。増戸中は早い時期に40台すべてが新しい機種になりましたが、すべての学校がそうではなく、中学校で徐々に、新しい機種になりつつあるところです。また、増戸中はADSL回線ですが、ダイヤルアップの学校もあります。そういう学校は、早く教育用ネットワークにつないで、環境を整えたいでしょう。すべての学校がネットワークにつながれば、学校同士で教材をやり取りしたり、市のサーバーに教員用フォルダを作って、みんなで使ったりといったことがやりやすくなりますから、本当は整備が進んだ方がいいと思っています。でも、統一することで、後退することがあると困る。そこは難しいところです。
12月21日 学力低下問題「学校5日制は堅持」 文部科学次官が明言
国際学力調査で小中高校生の学力低下傾向が示されたことについて、御手洗康・文部科学次官は20日の定例会見で、「これからの教育課程の見直しの中で、学校週5日制が論点になるとは考えていない」と述べ、今後も5日制を堅持する考えを表明した。  子どもたちの学力低下問題では、すでに中山文科相が中央教育審議会に、学習指導要領の抜本的な見直しについて論議するよう要請し、文科省も授業時間の拡大を検討している。  これに対し、御手洗次官は「5日制は慎重に議論を重ねてここまで来た。新しい教育課程の基準は、5日制を前提に議論してもらうことが順当だ」と語り、土曜日の授業を復活させることを否定した。 (コメント 大臣と次官??)
大学全入時代「出口管理の強化」を 中教審答申に明記へ
中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は20日、「我が国の高等教育の将来像」の中間報告を中山文部科学相に提出した。07年度には大学・短大に進学を希望する志願者の数と、国内の全大学・短大への入学者の総計が同数になる「全入時代」に突入する見通しを踏まえ、教育の質を保証する観点から卒業認定を厳しくする「出口管理の強化」をうたった。文科省によると、高等教育に関する過去の答申でこの点を明記した例はないという。来年1月下旬に最終答申を取りまとめる方針だ。  中間報告は「どのような学生を受け入れて、送り出すかはその高等教育機関の個性・特色の根幹をなす」と指摘した。入学者の受け入れ方針とともに、卒業認定・学位授与に関する基本的な方針を明確化して出口管理の強化を図る必要があると提言した。  また、世界的研究拠点、総合的教養教育など、機能別に特化して大学の「個性・特色の明確化が図られるべきだ」とも記した。その上で、競い合う国公私立大学に対し、「特色ある大学教育支援プログラム」などの財政的支援を国が配分することで、それぞれの特色ある発展と緩やかな役割分担を政策的に誘導すべきだとの方向性も示した。  一方、18歳人口の減少で経営が行き詰まる学校が現れると予想し、学生が学び続けられるよう関係機関と協力態勢をつくることが必要だとしている。
自民特別委を設置、国庫負担金制度存続へ先手義務教育費:
「三位一体の改革」で焦点となった義務教育費の国庫負担金制度に関し、自民党は「義務教育基本問題特別委員会」(会長・河村建夫前文部科学相)を新設した。来年早々から議論を始め、文科省が設置した「義務教育改革推進本部」とも連携し、同制度堅持の流れをつくるのが狙いだ。同制度の存廃は、来年秋の中央教育審議会(中教審)の答申が大きく影響するが、自民党は答申前の来年6月に独自案を提示、地方団体などの求める制度廃止論に対抗する。  三位一体の改革で、国庫負担金は暫定措置として05、06年度に4250億円ずつ減らし、合計8500億円削減することが決まった。自民党文教族は森喜朗前首相を先頭に削減自体に猛反対したが、政府との決定的対立を避けるため「06年度以降の恒久措置は中教審で05年秋に結論を得る」との妥協案でひとまず矛を収めた経緯がある。  中教審は文科相の諮問機関だが、文教族の間には「場合によっては、国庫負担金廃止という結論を出す可能性もあり得る」(同省幹部)との焦りがある。05年秋をにらみ「中教審だけに任せず、与党でも議論して対抗すべきだ」との意見が強まり、組織強化をはかることになった。  義務教育特別委は文教制度調査会(会長・保利耕輔元文相)内に設け、来年1月27日に初会合を開く。国庫負担金制度にとどまらず、教育における国と地方の責務についても議論し、政府の「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」がまとまる来年6月までに論議を集約する。  一方、文科省の改革推進本部も義務教育全般を議論の対象とするが、これも制度維持が最大の目標とみられ、地方団体などは「自民、文科省が包囲網を組んだ」と警戒を強める。
小論文コンクールで特選に 伏見 京教大付属高の丸山さん
国や民間の金融機関などでつくる金融広報中央委員会の高校生向け小論文コンクール「金融と経済の明日」で、京都市伏見区の京都教育大付属高1年の丸山綾子さん(16)=山科区=の作品が特選に選ばれ、同高で20日、賞状が贈られた。  コンクールは、高校生に経済や金融の仕組みを理解してもらおうと、昨年から行っている。今年は全国から503点が寄せられた。審査の結果、丸山さんの作品が特選の「全国公民科社会科教育研究会会長賞」に選ばれた。  作品は「未来の高齢社会に向けて」がテーマで、「年を取っているということは、それだけ何らかの価値を生むに違いない」と指摘し、地域ぐるみの協力が欠かせないとしている。  この日、丸山さんは京都府金融広報委員会の山口金次事務局長から表彰され、「私の考えが評価されて、励みになります」と喜んでいた。
12月20日 体育授業後に7歳女児死亡  ・宇都宮の小学校
宇都宮市立国本西小学校(外山智子校長)で17日、1年生の女児(7)が体育の授業後に、左腕の痛みを訴えたため病院で診察した結果、左腕骨折と脳内出血が確認され、治療のために入院したが19日になって死亡した。死因は不明。  宇都宮市教委によると、女児は17日、鉄棒運動の最中に地面に倒れた。授業を担当した女性教諭(23)は気付かなかったが、周りの児童が見ていたという。  女児は3時間目の体育の授業で、高さ約1メートルの鉄棒に腰掛けて、前に飛び降りる運動をした後、2人で向き合ってボールをけり合う運動をした。  午前11時半に授業が終了した後、女児は教諭に左腕の痛みを訴え、タクシーで病院に搬送されていた。
12月19日 中山文科相「土曜授業」を容認  「現場裁量に任せても」
中山文部科学相は、完全実施されている学校週5日制を弾力的にとらえ、学校や市町村の裁量に委ねる形で土曜日の授業実施を容認する考えを示した。日本の学力低下を示す国際調査結果が相次いだことを受け、朝日新聞のインタビューに応じて語った。学校現場が授業時間の確保に苦労している状況があることも踏まえ、「ゆとり教育」からの脱却を目指す方向とも言える。来秋に向けて義務教育の抜本的な改革論議を行う中央教育審議会(文科相の諮問機関)で大きな論点となりそうだ。
 土日を学校の休業日とすることは、文科省令に基づく学校教育法施行規則で定められている。文科相は、国が週5日制そのものを見直すことは否定したものの、「土曜日に授業をやりたいという現場の要望がある。私としては地方分権ということもあり、学校や市町村などの裁量に任せてもよい」と述べた。
 現行制度でも、夏休みなどの期間は設置者が定める規定になっている。また、多くの私立学校が土曜日に授業を行っている。学力低下への懸念から、授業時間を確保するため、公立校も2学期制を導入したり、夏休みに補習を重ねたりするなど四苦八苦している。
 文科相は、学力低下の原因として、学習指導要領の内容を3割削減するなどした「ゆとり教育」が指摘されていることに言及。「基礎・基本を教えて、応用のきく『生きる力』を育てることが本来の目的」とその意義を認めながらも、「ゆるみ、たるみのようにとらえられた」と、これまでの教育政策の反省を述べた。さらに、「教科内容を少し減らしても、授業時間は減らしてはいけなかったのかもしれない。その反省から時間を確保したい。(学校現場が)土曜日も授業をしたいというのは、素晴らしいし、ありがたい」と述べ、授業時間増を検討する中で土曜日の活用を視野に入れるなどの、「脱・ゆとり」というべき考えを示した。
 文科省は完全週5日制の導入にあたり、土曜日の子どもの活動場所を確保するために地域の受け皿作りを進めてきた経緯がある。このため、文科相も授業時間増や土曜日の活用については、17日に設置を表明した「義務教育改革推進本部」(本部長・塩谷立文科副大臣)や、中教審での慎重な議論が必要だとの考えもあわせて示した。
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 〈学校週5日制〉 「学校、家庭、地域社会それぞれが協力して豊かな社会体験などの機会を子どもたちに提供し、自ら学び自ら考える力や豊かな人間性などの『生きる力』を育む」ことを目的に、92年度の2学期から毎月第2土曜日を休業するとしてスタート。02年度から完全週5日制が実施された。学習内容の「3割削減」も、この年度から施行された。
12月18日 中教審: 特別委設置へ 義務教育費の国庫負担など協議
中央教育審議会(中教審、鳥居泰彦会長)は17日、東京都内で総会を開き、義務教育費の国庫負担金問題などを検討する特別委員会を設置することを決めた。鳥居会長が地方代表者を含めた委員の人選を進め、来年1月にも初会合を開く。  国と地方の税財政を見直す「三位一体の改革」の全体像で、国庫負担金削減を含めた義務教育の問題について「05年秋までに中教審で結論を得る」とされたために設置する。集中審議するため、通常の分科会からは独立させ、委員は20人程度になる見込み。複数の地方代表者のほか、中教審外部の有識者も含めることを検討している。  総会では、義務教育の費用負担のほか、義務教育の目標の明確化や国と地方の役割分担など、特別委で検討すべき論点を明記した鳥居会長の試案が示され、了承された。委員からは「費用負担の問題は理解しにくいので、国民に分かりやすい形にすべきだ」などの意見が出た
12月16日 学力低下 競い合う教育では復活しない 毎日新聞社説:
「日本の子供の学力は国際的に上位にあるが、トップレベルとはいえず低下傾向にある」  国際教育到達度評価学会による国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2003)結果に対する、文部科学省の受け止め方だ。先日発表されたばかりの経済協力開発機構の学習到達度調査(PISA2003)結果に対するコメントとよく似ている。  二つの学力テストの性格は随分違う。00年に始まったばかりのPISAは、15歳児の知識の活用力・応用力を問う。思考のプロセスや問題解決能力が重視される。もともと日本の子供たちが苦手とされてきた種類の学力だ。  TIMSSは、小学校4年生、中学校2年生を対象に、算数・数学、理科の基礎的知識の到達度測定を目指す。40年前から実施されており伝統的な学力に近い。  今回、小学校は算数、理科とも3位(前回95年は算数3位、理科2位)。中学校は数学5位(前回99年5位)、理科6位(4位)だった。平均得点は小・算数と中・理科は前回並みだが、小・理科、中・数学は、有意に下回った。  順位はさほど変わらない。かつては1位だったが、今回上位のシンガポール、台湾などは参加していなかった。ただ苦手な学力に続いて、比較的得意と見られてきた学力も低下傾向にあることは、きちんと受け止める必要がある。  問題は、なぜ下がったのかである。一般に学習量を減らしたゆとり教育に結びつける見方が多い。中山成彬文科相は「ゆとり教育で生きる力を育てようとしたがそうなっていない。全体的に見直しをと指示した」とゆとり路線の転換を示唆した。全国学力テストをして、切磋琢磨(せっさたくま)する教育をしないといけないとも述べている。  しかし、事態はもっと複雑で深刻なのではないか。心配なのは今の子供たちは、知識量だけでなく体力や、精神的なたくましさ、粘り強さなど、生きていくのに必要な基本的な力が衰弱しているように感じられることである。数字の上ではっきりしているのは、体力・運動能力の低下だが、内面的な力にかかわる部分も、低下傾向にあるのではないか。学力についていえば、勉強しようとする、競おうとする意欲や、ものごとを考える姿勢の乏しさが気になる。  PISAの読解力の調査では、「趣味としての読書」が少ないせいか、得点の低い層が大幅に増えた。TIMSSでも算数・数学、理科の勉強が楽しいと答える子供の数は、以前から諸外国に比べて圧倒的に少ない。さらに日本の子供がテレビやビデオを見る時間は最長だが、家の手伝いをする時間も短い。生活体験、自然体験の時間も減ってきている。  こうした背景を考慮に入れた総合的な対応策が必要だ。文科省は二つの調査結果を多角的に、丁寧に分析し、今後の施策に生かしてほしい。「学校週6日制に戻せ」「競争させよ」などという短絡的な措置で、「学力」が復活するとは思えない。昔の詰め込み教育に戻せば済む話ではない。 (コメント 詰め込み,競争などなどの問題ではない。取り扱う内容の大幅削減と時間の削減が問題だった。)
理科・数学も低下 「ゆとり」に重い課題 IEA学力調査:
世界トップレベルとされてきた日本の子どもの学力が揺らいできた。03年に実施された国際学習到達度調査(PISA)、国際数学・理科教育調査(TIMSS)という二つの国際調査で、低下傾向があらわになった。同時に実施された意識調査では、文部科学省が重視してきた学習意欲の向上もみられない。ゆとりを重視し、学習内容を削減した現行の学習指導要領に原因を求める専門家は少なくない。中山成彬文科相も初めて従来路線の「見直し」に言及した。
 ◇文科相、見直し指示 学習動機の希薄化も
 「ゆとり教育で生きる力を育てようとした。(学習内容の3割削減や完全学校週5日制は)子供や学校に余裕を持ってもらい、基礎基本を教えることで自主的に考え、行動できる子を育てようということだったが、必ずしもそうなっていないというのが二つの調査結果だ」。今回の結果を受けて中山成彬文部科学相はこう語り「全体的な見直しをしなきゃいかんと(部内に)指示を出した」と明かした。文科相がゆとり教育見直しに言及するのは極めて異例だ。
 PISAとTIMSSという二つの調査結果からは、以前から指摘されてきた学習意欲・習慣の低さが改善されず、学力も目にみえて低下した現状が浮かぶ。
 文科省は(1)99年のTIMSSで数学と理科の両教科を「好き」と答えた子の割合が半数にとどまり、最低レベルだった(2)2000年のPISAで読書習慣のない子が過半数で、参加国中最多だった−−などを重視。当面の課題として学習の意欲・習慣に照準を合わせていた。学力低下の兆候に対する危機感は強かったとは言えない。
 背景には、02年度から導入された新学習指導要領がある。学習内容を3割削減し、思考力や判断力を育てる「改革」は、学力低下の大合唱に押される形で昨年12月に一部が改正された。だが文科省は政策の失敗を認めることにつながりかねない「学力低下」は否定し続けてきた。国語力向上モデル事業を含めた「学力向上アクションプラン」といった施策もあるにはあったが、総じて「学力」への手当ては後手に回ってきた。
 学習の動機づけの重要さも、同時実施の意識調査から浮かんだ。「希望の職業に就くために良い成績を取る」と答えた生徒の割合は他国と比べて最低レベルだった。
 ◇小4理科、「楽しい」も減少
 小4で前回95年から10点下がった理科。中2は前回99年から2点上がったものの、同一問題の平均正答率は下がった。
 小4の理科で前回から統計的な誤差の範囲を超えて平均点が下がったのは、参加した25カ国・地域のうち日本、スコットランド、ノルウェーの3カ国だけだった。前回と同一問題の正答率が明らかに下がったのも日本を含め3カ国だけだ。
 中2では前回と同一問題の平均正答率が、一般的に生徒の関心が高い環境分野では上がった。だが物理、生物、地学の3分野で下がった。記述式の回答を求める問題の正答率は国際平均より低かった。「小学生の4割が天動説を信じている」との調査結果をまとめた縣(あがた)秀彦・国立天文台助教授は「中学生でも学力低下が起きていることを示唆するデータだ。小学校の学習内容が減り、中学校につながる体系的な知識習得システムができていない影響だ」とみる。
 これまでのIEA調査などでは「小学生までは理科好きが多いが、中学生になると理科嫌いが激増する」との分析が一般的だった。ところが今回は「理科の勉強が楽しいか」という質問に「強くそう思う」「そう思う」と答えた小学生の割合が前回の88%から81%に減った。
 縣助教授は「学力が低下したばかりか、理科を楽しいと感じる小学生まで減ったのは由々しい事態で、文科省は厳しく受け止めるべきだ。『小学生は体験を通じて感動すればよい』という立場の理科の現行カリキュラムが児童にとって何を目的に学ぶのかを分かりにくくしている」と警鐘を鳴らす。
 ◇中2数学、全分野で落ちる
 95年や99年の調査結果と合わせて見ると、中2の数学で順位が反転する兆しはなく、アジアのトップグループとの差がほぼ確定したと言える。「分数ができない大学生」(東洋経済新報社)の共著がある京都大経済研究所の西村和雄教授は「民間データでも文科省の学力調査でも学力低下の傾向は出ていたが、文科省が『依然としてトップグループ』と言う、よりどころにしていたのがTIMSSの結果だった。そこも崩れつつあることの意味は大きい。総合学習を任意にして教科学習に充てるなど、授業時間を増やして対応することが急務だ」と危機感を募らせる。
 中2の数学の低下傾向が顕著に表れたのが同一問題での平均正答率。前回99年と比べると、全体で4ポイント落ちたほか、分野別でも「数」「代数」「測定」で5ポイント、「資料の表現・分析、確率」で3ポイント、「幾何」で1ポイントと全分野で統計的な誤差の範囲を超えて落ちた。
 国立教育政策研究所は「中2の数学は国際的にも落ちる傾向にあるが、全分野で落ちた国は上位国にはない。ショックだ」と言う。専門家が特に重視するのが、日本の子供の得意分野とされてきた代数と幾何でも落ちた点だ。前回、幾何は75%でトップ、代数も69%でシンガポール、香港と並んでトップだったが、幾何は韓国に抜かれ2位に、代数は一気に5位に転落した。
 高得点層の減少傾向も日本の特徴だ。上位5カ国・地域のうち、625点以上の生徒の割合が前回から減少に転じたのは日本だけ。前々回95年までさかのぼると、シンガポール、韓国、香港(台湾は95年調査に不参加)は3回連続で高得点層の割合が増え続けているが、日本は29%→29%→24%と推移した。
 ◇01年度までの学習指導要領に復帰を
 大学生の学力調査をしている日本学術会議数学教育小委員会委員長の名古屋大の浪川幸彦教授の話 私たちが指摘してきた大学生の数学力低下が、高校だけではなく小中学校まで及んだことが明らかになった。まさに「病膏盲(こうこう)に入った(治療しようがないほど病気が重くなる)」と言うべき事態だ。学力低下は世界的な傾向だが、香港や韓国はきちんと対応できている。日本の政策は低下を助長させるもので、学習指導要領改定のダメージは大きい。一刻も早く学習指導要領を01年度までの内容に戻し、中学校での基礎的な科目の授業時間を復活させることが必要だ。
 ◇ゆとり教育と結び付けるのは誤りだ
 「学力低下論批判」の著書がある加藤幸次・上智大教授の話 オリンピックでいつも1位や2位を取るのは不可能だ。学力が下がったという結果はそのまま受け止めるが、原因をまだ(02年春の導入から)3年しか経過していない新学習指導要領や学校5日制といったゆとり教育に結び付けようとするのは誤りだ。5日制の韓国で学力が高いことをどう説明するのか。学習意欲の低下が学力低下の原因だ。文科省は量(授業時間)を増やすのではなく、質を上げることを目指すべきで、突き詰めれば、いかにおもしろい授業ができるかという教師の指導力の問題だと思う。
(コメント 01年度のときも学力低下が叫ばれていた。学習指導要領の弊害が大きい。 おもしろい授業ができるて学力が上がるのが最善だが、面白い授業を展開するための内容が希薄で 時間がなくてしかも教師に時間的精神的ゆとりがない。教師の激務削減の努力が必要。土日も クラブ指導などで忙しくて授業研究のための時間が十分にとれないのが実態)
得点8割で授業料半額  龍谷大、来春入試から
龍谷大(京都市伏見区)は来年春の一般入試で、得点率が8割以上の合格者全員に対し、授業料を半額免除する新たな奨学金制度を導入する。上位の一定人数への減免制度は他大学で多くあるが、人数枠を設けない制度は全国でも珍しいという。  来年一、2月に全国二十会場で実施する一般入試(A、B日程。出願期間は来年1月4日から)が対象。免除期間は2年間で、授業料は文系学部が合計約73万円、理系学部が同約95万円安くなる。短期大学部は1年限定で約36万円を免除する。  龍大によると、昨年度入試で得点率8割を超えた合格者は約620人。しかし、このうちの一部は国公立大や他の有力私大に入学したといい、新制度導入は成績上位層の流出を防ぐ狙いがある。  龍大入試課は「頑張り甲斐のある制度を設けることで意欲の高い学生を集めたい。問題の難易度を上げることはしないので挑戦してほしい」としている。
秋田大が教員採用「必勝塾」  教官らつきっきりで指導
教員採用試験の合格者を増やそうと、秋田大学が秋から「必勝塾」を開講している。試験科目から自己PRまで、大学教官らが本番直前までつきっきりで指導する。  大量採用が続く首都圏と違い、少子化著しい秋田県は今年度の競争率が過去最高の17.3倍。合格者126人の平均年齢は27.9歳で、同大の現役合格はわずか4人。  それでも、学生の多くが地元志向。教官らは「教員養成の学部の存在意義が問われる」と危機感を抱く。早い準備で、何とか県内の現役合格者を2けたに戻したい。
12月15日 「ゆとり教育」見直し 学力低下を懸念 文科相方針
中山成彬文部科学相は「ゆとり教育」を反省し、新学習指導要領の全体的な見直しを進める考えを表明した。十五日付で発表された小・中学生を対象とした「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS2003)で中二理科が前回の四位から六位に低下、平均点も中二数学と小四の算数・理科で前回よりダウンするなど、小・中学生の基礎学力低下が明らかになったことを受けたもの。歴代の大臣で学力低下を認めた上で、ゆとり教育の見直しを打ち出すのは初めて。  児童生徒の学力低下の傾向は、高校一年生の読解力などの低下が明らかになった経済協力開発機構(OECD)の学力調査(PISA)に続くもの。中山文科相は二つの結果から、「とても世界のトップレベルといえない状況を厳しく受け止めないといけない」と述べた。  その上で、文科省が「新学力観」として進めてきた「ゆとり教育」について、「生きる力を育てようとしたが、必ずしもそうなっていないことは反省しないといけない。このままでいいのだろうかという全体的な見直しをしなければいけない」と言及。さらに、「余裕を持って基本的なことを教え、自ら考えられる前向きの子供たちを育てようということだったが、それが必ずしもそうなっていないことを今回の調査結果が示した。対策を講じていかなければならない」と述べ、全国学力調査の導入などで「ゆとり教育」の見直しを進める考えを示した。  これを受け、文科省は、昭和四十一年に日教組の反対などで廃止された全国学力調査の導入を検討するプロジェクトチームを設置する一方、文科相の見解を伝えるため、二十四日に都道府県教委の担当者を集めた会議を開催し、周知徹底を図る。
IEA学力調査: 得意の理科も学力低下  文科省も認める (毎日新聞)
国際教育到達度評価学会(IEA)が03年、各国の中学2年生(46カ国・地域参加)と小学4年生(25カ国・地域)の学力を調べた国際数学・理科教育調査(TIMSS)で、世界トップレベルとされてきた日本の小4理科と中2数学の平均点が前回(小4は95年、中2は99年)から下がったことが分かった。小4理科は553点(2位)から543点(3位)へ、中2数学は579点(5位)から570点(同)へと統計的な誤差の範囲を超えて下がった。高校1年生の読解力が下がった経済協力開発機構(OECD)の03年学習到達度調査(PISA)に続き、学力低下が浮き彫りになった。  中山成彬文部科学相は「二つの調査結果を見ると、我が国の子どもの成績には低下傾向が見られる。世界トップレベルとは言えない」と語った。文科省は国立教育政策研究所と共に両結果を分析して、授業改善策などの指導資料作りを急ぐ方針。  各国で無作為抽出された小4計11万6951人、中2計22万4503人が参加した。得点は参加者平均が500点となるよう統計的に処理された。  中2の数学で、日本は前回99年も前々回95年(3位)から平均点が2点落ちたが、この時は誤差の範囲内とされていた。今回、625点以上の生徒数は前回の29%から24%に減り、400〜550点の生徒が34%から38%に増えた。99年も今回も出た同一問題(79問)の正答率は上位10カ国中唯一、「代数」など全5分野で落ちた。79問の平均正答率は70%から66%へと下がった。  高得点層の減少傾向は小4の理科にも見られ、550点以上の児童が前回の54%から49%に減り、550点以下の子が46%から51%に増えた。
 小4の算数は前回から2点減の565点で、同じ3位。中2の理科は2点増の552点で、4位から6位に下がった。文科省はこの点の増減は誤差の範囲内と見ている。どちらの教科・学年でも1位はシンガポール。03年PISAのうち2分野で1位だったフィンランドは参加していない。  同時実施の意識調査で「勉強が楽しい」と答えた子の割合はどちらの教科・学年でも国際平均を大きく下回り、最下位レベルだった。一日の過ごし方で「宿題をする」は中2で1時間と最低、小4は0.9時間で下から4番目。「テレビやビデオを見る」は中2で2.7時間と最多だった。【千代崎聖史】  【ことば】国際数学・理科教育調査 IEA(本部・オランダ)が1964年に始めた。00年に始まったPISAが知識や技能を実生活に活用する能力(読解力、数学的活用力など4分野)を測るのに対し、教育の到達度(基礎的な学力や知識)が測られる。各回の調査結果同士を比較できる方式になったのは95年から。
「ゆとり」転換、授業時間増を検討 文科省
文部科学省は14日、小中学校などの授業時間を増やすため、標準授業時間の見直しの検討に着手した。高校1年の読解力低下を示す今月7日の国際調査結果に続き、小中学生の学力低下傾向を示す結果が出たのを受けての措置。  実現すれば1977年から減り続けていた授業時間が約30年ぶりに増加に転じることになり、文科省が推進してきた「ゆとり教育」の方針を、事実上、転換することになる。省内には異論もあり、慎重に検討を進めている。  検討されているのは、平均的な基準だった標準授業時間を「最低限度」と位置づけを改め、各学校にそれを上回る授業時間を確保してもらうよう促す案や、標準授業時間そのものを引き上げる案など。学校現場に学力向上への意識を高めてもらう一方、近年の学力低下論の噴出で高まる公教育への不信感をぬぐいたいという狙いがある。見直しの方向性がまとまり次第、文科省では年明けにも中央教育審議会に具体的な導入方法や時期などを審議するよう要請する。  標準授業時間は現在、小学校が6年間で計5367時間、中学校が3年間で計2940時間。高校も必要な単位数を取得するための時間数を規定している。標準授業時間が最長だったのは、1968年の学習指導要領改訂後の一定期間。「教育の現代化」に向けて各教科で新しい内容が盛り込まれ、中学校では3360時間から3535時間に拡大。小学校の授業も当時は5821時間という長さだった。  ところが授業についていけない子が問題になり、その反省から77年の改訂で、小中学校とも授業時間を削減。その後も、「ゆとり教育」や学校週5日制の実施で、標準授業時間は削られ続けてきた経緯がある。  小中学校では中3の受験期などを除き、標準を上回る授業時間を確保しているのが実態だが、今後、授業時間を拡大する場合、長期休暇の一部や放課後を授業に充てるケースなども想定され、学校現場にも大きな影響が出そうだ。  2つの国際調査で相次いで学力低下の傾向が示されたことについて、中山文科相は「学校週5日制や学習指導要領の削減が、必ずしも望ましい結果になっていないと思う。その点を率直に認め、対策を講じる必要がある」と述べた。
国立大授業料、1万5千円目安に値上げへ調整 文科省
文部科学、財務両省は14日、国立大学の年間授業料の目安となる「標準額」を来年4月、現行の52万800円から1万5000円引き上げ、53万5800円とする方向で調整に入った。国立大は今年4月の法人化で、各大学が自由に授業料を設定できる。だが、値上げしないと大学の自主財源が減る仕組みのため、大半は標準額まで引き上げる見込みだ。ただ、一部の大学は学生離れへの懸念から値上げに慎重で、同一金額だった国立大の授業料に初めて格差が出そうだ。  入学料の標準額については、現行の28万2000円に据え置く。今年4月に設定された法科大学院の授業料と入学料も据え置く予定。  現行の標準額は、全国一律の授業料と同額に設定されている。だが、法人化後は、標準額が引き上げられても、各大学は授業料を現行のまま据え置いたり、引き下げたりしてもよい。標準額の10%増まで値上げすることもできる。  ただ、授業料を標準額より低くすると、大学の自主財源が減ることにつながるため、大半の大学は値上げする見通しだ。  教育費や研究費の充実を目指して、標準額以上の値上げを検討する大学がある一方、授業料増額は学生離れを招くとして、国立大学協会(会長・佐々木毅東大学長)は値上げに反対してきた。 (コメント 学生離れではなく、少子化傾向を助長するでしょう。)
【視点】諸外国と格差拡大の恐れ (産経新聞)
中山文科相が「ゆとり教育」の見直しを打ち出した背景には、相次ぐ調査結果から、学力面での国際的な競争力の低下を懸念する声が許容できない段階になったとの強い危機感がある。  「ゆとり教育」を掲げる文科省は、平成八年以降、暗記重視から「生きる力」を習得するため、自ら課題を見つけ解決する能力を重視。十四年から導入されている現行の学習指導要領では授業時間、内容とも三割が削減した。  同省は学習指導要領の基準を超えた「発展的学習」の導入などで、学力低下の歯止めを狙ったが、今月七日公表のOECD調査では「読解力」が大幅に低下。基礎的な計算力・知識を測る今回の「数学・理科調査」でも、アジア諸国の後塵(こうじん)を拝するなど、「科学技術創造立国」を目指す日本にとって、児童・生徒の学力低下の問題は、放置できない事態となった。  平成十九年には大学入学志願者と大学総定員が同じになる「大学全入」時代を迎える。「ゆとり路線」の継続は、学力向上に懸命な諸外国との差をさらに広げる恐れがあることを、文科相は危惧している。  このため、文科省も学習指導要領の見直しや競争原理の導入などで、「世界トップレベル」の学力を取り戻したい考えだ。
12月14日 算数も英語で… 教科書の翻訳版、来春出版へ
小学校から英語を学ぶ教育特区や算数や理科も英語で教える英語漬けの私立学校が登場するなか、全ページが英語で書かれた算数の“教科書”がこの春、初めて出版される。  「英語を授業に取り入れる小学校が増えることを見越しての先行投資。将来的には需要が膨らむはず」と出版社側は強気の見通しを語っている。  出版元の「学校図書」(本社・東京都)によると、シェア(市場占有率)が約13%の同社の算数教科書の英訳版は、1年生用が1冊で、2年生から6年生までは上下2冊組みで、価格は1冊あたり1000円前後になる見通し。教科書としてではなく一般図書として販売されることになっており、新年度のスタートから活用できるように来年3月までには書店に並ぶ予定だ。  翻訳に取り組んだ中央大学の小林道正教授(数学教育)は〈1〉「おはじき」など日本にしかないものをどう英訳するか〈2〉可能な限り平易な単語を使う――といった点に苦心したという。「同社の教科書は、子どもが登場し、親しみやすいせりふでヒントを与えたりするのが特徴。その雰囲気を生かすよう心掛けた」と小林教授は話す。  売り込み先として同社が念頭に置いているのが、国語の授業以外は英語を使って授業を展開する「イマージョン」という教育法を取り入れている小学校と、小学校の段階から英語の授業に積極的に取り組もうという英語教育特区。  来年4月に開校予定の私立小中高一貫教育校でイマージョンを取り入れる、ぐんま国際アカデミー(群馬県太田市)は「すでに独自に英訳した教材の準備を進めているが、内容がよければ、活用も検討したい」と前向きの姿勢を見せる。  文科省によると、小学校で英語教育を行うという形で、教育特区の認定を受けている自治体は現在40を数える。同社では「今後さらに増える」と見込んでいるが、特区認定を受けて今年度から小学校での英語教育に取り組んでいる栃木県足利市では「公立では、すべての学校に導入するのが前提になるので……」といささか導入には懐疑的だ。  同社によると、算数の教科書の英訳版は当初、アメリカの教育関係者向けの研究資料として出版する予定だった。基礎基本をみっちり教える日本の義務教育に対する評価はアメリカでは極めて高く、日本の教科書に対する関心も強いという。  第二編修部の芹沢克明編集長は「英文の教科書を使って算数の授業の復習をすれば、一石二鳥。算数を通じて英語も学ぶことができます」とPRするとともに、「算数以外の教科書の英訳も今後は検討したい」と話している。  ◆イマージョン=英語で「immersion」(「浸すこと」の意味)。2か国語を操るバイリンガル育成を目的に、1960年代にカナダで開発された教育法。母国語以外の言語を学ぶだけでなく、算数や理科などの教科もその言語で学ぶのが大きな特徴。わが国では、静岡県の私立小学校で1990年代の初めに導入され、その後、私立の中学高校でも一部教科で導入するケースが目立ち始めた。
昨年度の教員試験競争率本県14・6倍の狭き門 (高知県)
2003年度に実施された公立小中高校の教員採用試験の競争率は7・9倍となり、4年連続低下したことが9日、文部科学省のまとめで分かった。少人数学習に対応するための定員増や定年退職者の補充で、小学校の倍率が下がっていることが要因。  ただ本県は、児童生徒数の減少などで採用者数が減少。競争率は14・6倍で過去5年間で最高となった。  全国的に競争率のピークは1999年度の13・3倍で、前年度は8・3倍まで下がっていた。03年度の受験者は16万375人で5年続けて増加し、採用者も2万314人と4年連続増えた。  一方、本県では受験者数は約1300人で推移しているが、合格者数は02年度の146人をピークに年々減少。全国とは逆に狭き門になっている。1232人が受験した05年度の採用者数は確定していないが、現段階で採用は43人だけと、約30倍の超難関となっている。  県教委教職員課によると、少子化による児童生徒の減少や退職者数が少ないことが要因。05年度は本年度に比べ児童生徒が約1200人少なくなる予想で、「狭き門」は今後も続きそうという。  全国の競争率を校種別でみると、小学校は4・8倍で前年度比0・5ポイント低下、99年度に比べると7・7ポイント下がった。中学は前年度から横ばいの11・8倍、高校は14・1倍で0・2ポイント上昇した。  採用者の中で女性の割合は56・3%で前年度比1・3ポイント増。小学校は64・3%、中学も48・8%でいずれも前年より上昇したが、高校は1・4ポイント減の35・1%だった。  都道府県別では、大分が18・1倍と最も狭き門。次いで秋田16・3倍、青森15・9倍、島根14・9倍、本県の14・6倍の順。低いのは東京4・8倍、滋賀5・1倍、千葉5・7倍など。  採用者の学歴別では一般の大学卒が49・3%、教員養成大・学部の出身者が37・8%。合格率は教員養成大・学部が20・4%で最も高かった。
12月13日 小学校で教室不足? 神奈川県
横浜市の神奈川区、中区、西区にまたがる都心臨海部で、小学校の教室不足が懸念され始めた。相次ぐマンション建設に伴い、児童数が爆発的に増える可能性があるためだ。市教委は校舎増設や学区変更などを検討するが、都心部で敷地が狭いこともあり難航は必至。マンションができても子供の人数が少ない場合も想定され、一層対応を難しくしている。   市教委によると、いまのままでは教室が不足すると懸念されている小学校は、神奈川、幸ケ谷(神奈川区)、平沼(西区)、本町、元街(中区)の5小学校。   中でも幸ケ谷小は、学区内に少なくとも約900戸の大型マンションが06年秋以降に完成するのに伴い、今年5月に9学級243人だった児童数が、07年度には15学級495人に増えると予想されている。しかし、同小は現在、普通教室が12しかない。   市教委は、校庭に校舎の増設を検討。だが、同小の敷地は約6千平方メートル。標準的な市内の小学校(1万〜1万2千平方メートル)の半分程度にあたる「校地狭隘(きょうあい)校」だ。校舎を増設すれば校庭がなくなりかねない。市教委は近隣の公園を運動用に借りることも考えている。   また、本町小の学区内にも20年後までにマンション計6千戸分の建設の話が浮かんでいるなど、ほかの小学校でもマンション増加で児童数が急増しそうだという。   教室不足の解決策としては、校舎増設のほか、学区変更、学校新設などがある。しかし、学区変更も隣接学区で児童が増加した場合には効果が薄く、都心部のビジネス街にはもともと市教委が学校用地をもっておらず学校新設も難しい。   市教委は「このままだと、借地で学校を建設できるよう特区申請することになりかねない」と苦悩する。   西区のみなとみらい21地区に03年、約860戸の大型マンション「M・M・タワーズ」が完成した。しかし、子供のいる世帯が少なく、同年5月時点で本町小に入学した児童は12人だけだった。さらに、経済状況の変化や、都心部整備のあり方を検討している市の「都心居住のあり方検討委員会」の結論によっては、マンション建設数が予想と大きく変わる可能性もある。こうしたことが対策をさらに難しくさせている。   市教委は「教室不足という失敗は許されない。だが、余剰の投資もできない。ぎりぎりまで児童数の変化を見極めながら、対応していきたい」と話している。
環境教育、府と連携 大阪教育大
 府と大阪教育大は7日、小中学生向けの学習プログラム作りや、環境教育ができる教員の育成など、環境教育の分野で連携することを決めた。昨年秋、環境教育を推進する法律が施行されたが、府内の学校現場には専門知識のある教員が少なく、取り組み方にとまどいが多いことなどが背景。   中央区であった意見交換会では、大学側から「環境教育に詳しい教員の必要性は高まっているが、学内に養成機関がなく対応できなかった」、府側からは「府には専門分野に詳しい職員も多い。人材や研究分野の情報を提供し合えば連携できる」などの意見が出た。   来年度から、府環境農林水産部の技術職員と大学教員が共同で学習プログラムを作る。プログラム作りや小中学生の体験学習には教員志望の学生にも参加してもらい、関心を高めてもらうという。
12月12日 中教審: 1月にも特別委 義務教育費国庫負担金問題
中央教育審議会(中教審、鳥居泰彦会長)は、来年1月にも義務教育費国庫負担金問題などを検討する特別委員会を、地方代表者も参加のうえ発足させる方針を固めた。先月決定した国と地方の税財政を見直す「三位一体の改革」の全体像は、国庫負担金削減を含めた義務教育の問題について05年秋までに中教審で結論を得るとしているが、政府が同年6月に決定する「骨太の方針」をにらみ、特別委で早めに検討を始める。  17日の中教審総会で鳥居会長が特別委設置の了承を得て、メンバーの人選に着手する。特別委は20人程度で構成し、通常の分科会から独立させる。首長など地方代表者の参加は地方団体や麻生太郎総務相の強い要請を受けて決めた。  三位一体の改革の全体像では、2.5兆円の義務教育費国庫負担金のうち05、06年度に計8500億円を削減することとし、このうち05年度は暫定的に4250億円を削減し、それと同額の税源移譲予定の交付金を地方に配ることを決めた。  06年度以降の義務教育費についての恒久措置は中教審で検討されるが、文部科学省は国庫負担金維持を要求し、中教審自体も文科省の立場に近い。特別委を設置して早くから検討を始めるのは、三位一体の改革についても盛り込む予定の「骨太の方針」が決まる前に、方向性を打ち出す狙いがあるようだ。ただ、義務教育費の国庫負担金削減を求める地方側と制度維持を主張する自民党文教族の対立は根深く、協議は難航しそうだ
12月11日 学力低下: 心病む先生、過去最多の3千人が休職
文部科学省が10日発表した教員に関する調査では、心の病で休職した公立小、中、高校などの教員が昨年度、過去最多の3194人に上り、初めて3000人を超えたことも分かった。  病気で学校を休んでいる教師全体の53%にあたり、子どもの扱いや保護者との関係などに悩みを深める教師の姿が浮かび上がった。  「子どもたちに指示を聞いてもらえず、ついどなってしまう。これまでの私のやり方は正しかったのでしょうか」。教師の悩み相談を行っている山梨大教育人間科学部の鳥海順子教授らのもとには、教師からのこんなメールが寄せられる。  別の小学校高学年の担任を務めるベテラン教諭は、「子どもは学校での顔と、家での顔が違い、保護者に話をしても分かってもらえない」と書いてきた。学級崩壊で前の担任がダウンし、2学期から引き継いだが、うまくいかないという。  東京都教職員互助会三楽病院には昨年、5年前の1・3倍にあたる353人の現職教師が心の変調を訴えて訪れた。  中島一憲・精神神経科部長によると、40―50歳代のベテラン教師ほど、最近の子どもや保護者からの多様な要求に困惑する傾向が強く、「相次ぐ教育改革などによる職場環境の変化にも柔軟に対応できず、悩んでいる」と指摘する。  数回の通院で済む軽い症状の人が多い一方、現場にいったん復帰した後、再び休んでしまうケースも目立ち、中島部長は「利用しやすい相談窓口や、徐々に職場に慣らしていく訓練体制を整える必要がある」と話している。
学力低下: 彦根東高校にSSコース 来年度から理数系に重点
滋賀県立彦根東高(小菅一男校長)は9日、理数系教育を重点的に行うクラス「スーパーサイエンスコース」(SSコース)を来年度から1、2年に一クラスずつ新設する、と発表した。  同高は本年度から3カ年にわたって、文科省の「スーパーサイエンスハイスクール」指定を受けている。本年度は、主に1年生を対象に講演会の聴講や琵琶湖博物館での実習などを行っている。  SSコースでは、理数系科目の基礎と応用力の育成を図る。現行の理数系科目を実験などを増やした講義に改編するほか、総合学習の時間などを活用し、大学・研究機関の訪問や宿泊研修を行う。  両学年の各9クラスのうち1クラスを同コースに充て、定員はそれぞれ40人程度。生徒は希望で同コースに入れる。11日午前10時から、コース設置に関する生徒と保護者対象の説明会が同高体育館で開かれる。
12月10日 学力低下: 「悲惨な結果」と専門家 OECD調査
日本の15歳(高校1年生)の読解力低下をあらわにした経済協力開発機構(OECD)の03年学習到達度調査(PISA)。読解力だけでなく、「1位グループ」(文部科学省)とされた数学的活用力でさえ「明らかに低下している」ととらえる教育関係者も少なくない。試験と同時実施の意識調査からは、成績はよくても勉強への関心が低い生徒像や、生徒から当てにされない学校像も浮かび上がった。【永山悦子、千代崎聖史】
 ◆数学的活用力は1位から6位に後退
 前回00年の調査で1位だった数学的活用力は6位に後退し、得点も前回の557点から23点下がった。出題された4分野のうち、特に計算などの「量」分野が11位、確率・統計など「不確実性」分野が9位と香港など上位国に引き離された。
 「他の上位国と統計的な有意差はない」と文科省は分析する。だが岡部恒治・埼玉大経済学部教授(数学)は「明らかに成績が落ちたととらえるべき結果だ。計算など量分野は本来得意分野だったので、深刻な状態。読解力の低下は(数学の)文章題が解けない子どもの増加にも影響を与えている」と分析する。
 数学で初めて実施した生徒への意識調査では、勉強への否定的な反応が大半を占めた。「数学の本を読むのが好き」12.8%(参加国平均30.8%)▽「数学を勉強するのは楽しいから」26.1%(同38.0%)▽「将来の仕事の可能性を広げてくれるから学びがいがある」42.9%(同77.9%)。「学んだ数学を日常生活にどう応用できるかを考えている」にいたっては12.5%とニュージーランド60.5%の約5分の1だった。
 日本学術会議数学教育小委員会が昨年、全国の大学教員を対象にした「大学生の数学学力に関する調査」では、計算力の低下や教員養成課程の学生の学力低下を感じる教員が増加。「世界トップレベル」とされてきた高校生以下の学力低下も目前に迫っている状態だった。
 上野健爾・京都大大学院理学研究科教授(数学)は「悲惨な結果だ。勉強の面白さを理解できなければ、知識が頭の中を通過するだけで、分数も分からない大学生を生むことになる。学習指導要領改訂で教科書が薄くなり、子どもの関心を呼び起こす内容が削られてしまったことも一因だ」と話す。
 ◆低い学校への信頼、満足度
 授業で先生が支援してくれていると生徒はどれぐらいみているか。生徒への意識調査結果を13カ国(欧米など主要7カ国と今回成績のよかった香港など)で比べると、日本は「(先生は)生徒一人一人の勉強に関心がある」「意見を発表する機会を与えてくれる」など数学教師による支援度を問う5項目のいずれでも、「いつもそうだ」と全面肯定する生徒の割合が平均より低かった。5項目を平均すると13カ国で最低だった。
 特に「意見発表の機会を与えてくれる」では、「いつもそうだ」「たいていそうだ」を合わせても肯定派は46%と半数に届かず、OECD加盟国平均を12ポイントも下回った。逆に「ほとんどない」は平均を7ポイント上回る20%だった。生徒と教師の関係を問う質問「多くの先生は、生徒が満足しているかに関心がある」も肯定派は45%にとどまり、平均を20ポイント下回った。
 学校への信頼感も他国より希薄だ。「(学校が)仕事に役立つことを教えてくれた」に肯定的に答えた生徒は59%と加盟国平均より28ポイントも低く、13カ国中で最低。「決断する自信をつけてくれた」も52%と18ポイント下回った。
 ◆教師の質や充足度も見劣り
 前回に続きトップクラスの成績だったフィンランドや韓国は日本とどこが違うのか。両国はともに「教員の質」を重視している。文科省によると、フィンランドは教員資格の基準を大学院修士課程修了以上としている。今回の学校長らへの意識調査でも、教師の充足度を示す指標(加盟国の平均値は0)は韓国の0.64とフィンランドの0.56が飛び抜けて高い。日本は0.04で平均水準だった。
 「生徒に対する教師の期待が高い」「生徒と教師の人間関係がよい」など教師による学級雰囲気作りを示す指標でも、総合的に見ると韓国、フィンランドが上位1、2位を占めた。日本は悪い方から3位で、前回00年調査から悪化していた。
 【数学的活用力の設問例】あるTVレポーターがこのグラフ(縦軸は年間の盗難事件数)を示して、「1999年は1998年に比べて、盗難事件が激増しています」と言いました。このレポーターの発言は、このグラフの説明として適切ですか。適切である、または適切でない理由を説明してください。
 <正答例>「適切ではない。グラフの全体が表示されるべきである」「激増かどうかは言い切れない。97年の盗難数が98年と同様なら、99年に大きく増加したと言えるかもしれない」など
OECD学習到達度調査読解力出題例
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/etc/oecd2004/
毎日新聞 2004年12月7日 23時40分(コメント 全く同感)
公立学校教員採用試験、競争率7.9倍・4年連続の低下
2003年度に実施された公立小中高校の教員採用試験の競争率は7.9倍となり、4年連続で低下したことが9日、文部科学省のまとめで分かった。少人数学習に対応するための定員増や定年退職者の補充で、小学校の倍率が4.8倍まで下がったのが要因。競争率はピークの1999年度で、13.3倍あった。  受験者は16万375人で5年続けて増え、採用者も2万314人と4年連続増えた。採用者の中で女性の割合は56.3%で前年度より1.3ポイント上昇。都道府県別では大分が18.1倍と最も狭き門。低いのは東京4.8倍、滋賀5.1倍など。
12月9日 国立大授業料の値上げ反対 国大協が意見書
国立大学協会は8日、東京都内で総会を開き、2005年度予算編成作業で、国立大の授業料値上げを盛り込むことは容認できないとの姿勢で一致し、意見書を文部科学省に提出した。  現在、国立大の授業料の年間標準額は52万800円。国大協会長の佐々木毅東大学長によると、11月に財務省の担当者から「これまで2年ごとに国立大の授業料を値上げしてきており、今度はその年に当たる」と説明されたという。  総会では、各学長から「学費が安いから国立大を選ぶ学生が多数いる」(富山大)などと反発が相次いだ。  これを受け意見書は、本年度が初年度で期間6年の中期計画期間中は、値上げを容認できないとしている。 (コメント 少子化対策を本気に考えているのなら、授業料が安く良質の教育を提供する大学を 多く作るべきと思うのですが)
[学力国際比較]「なぜ『読解力』は低下したのか」  12月8日付・読売社説(1)
日本の子供たちの学力は、もはや世界のトップレベルにあるとは言えなくなった。  経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査の結果が公表された。  世界四十一か国・地域の十五歳の生徒を対象に、知識や技能を実生活上どれだけ生かせるかを見る調査だ。今の学習指導要領が、「生きる力」として重視している学力にあたる。  前回二〇〇〇年調査で一位、二位だった数学、科学は、今回の二〇〇三年調査でそれぞれ六位、二位だった。数学の順位低下が気になるが、文部科学省は依然トップグループにいる、としている。  これに対し、書かれた文章を理解し、知識を高め、社会生活に生かす能力である「読解力」の順位は、前回の八位から十四位になった。上位集団から、「OECD平均と同程度」への低落である。  読解力の基本である知識、技能が身についていない、一番低いレベルの生徒の割合が、日本はOECD平均よりも大きい。逆に、最高レベルの生徒の割合が、オセアニアや欧州の主要国、韓国などに比べて小さい。  なぜ、読解力が低下したのか。文科省は、子供の読書量が落ちていること、自分の意見を述べたり書いたりする授業が不足していることなどを挙げる。  授業改善のための指導資料を早急に作り、教育現場には「朝の読書」の一層の拡大を促すという。本好きの子供を多く育てることは何より大切だろう。  最近は、写真やイラストを多用した絵本のような薄い教科書が主流となり、古典や難解な長文などは姿を消す傾向にある。大学入試の多くがマークシート化され、中学、高校ではそれに応じた指導が行われている。対策を講じる際には、こうした現状も考慮する必要がある。  この調査で学力が最上位だった国の教育のあり方にも目を向けたい。フィンランドでは、教師になるには大学院卒の「修士」資格が必要で社会的地位も高い。国を挙げて読書文化も推進している。  韓国では、批判もあるが、国定のカリキュラムに沿って「競争」を意識した指導が行われている。香港もそうだ。  日本の生徒は、授業以外での勉強時間が週六・五時間と、OECD平均の八・九時間よりかなり短い。宿題に充てる時間は週三・八時間ほどで、主要国の中では最低レベルだ。  活字に触れつつ考える。そうした時間の絶対量の少なさが、読解力低下に関係していないか。他の教科の学力にも悪い影響を及ぼしているのではないか。危機感を持って取り組むべき問題だ。
12月8日 OECD学力調査 土台の弱さ見据えた対応を 毎日新聞社説
 義務教育修了段階の15歳を対象とする経済協力開発機構(OECD)の2回目、03年の学習到達度調査(PISA)結果が7日、世界同時発表された。  日本は参加41カ国・地域中、今回の中心分野である数学的活用力は6位(3年前の前回は1位)、読解力は14位(8位)、科学的活用力は2位(2位)。今回初実施の問題解決能力は4位だった。  数学、科学、問題解決能力は、フィンランド、韓国などの上位国と有意差はなく、1位グループ。前回2位グループの読解力は低下し、OECD加盟国平均と同水準という。文部科学省は「我が国の学力は国際的に見て上位にあるが世界トップレベルとはいえない状況」との認識を示した。  PISAは、知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題に、どの程度活用できるかどうかの評価を目的とする。思考プロセスの習得や概念の理解を重視しており、数学では電卓の持ち込みは自由。各種公式もあらかじめ示された。日ごろの試験問題とは随分趣が違うが、それこそ、日本の子供に欠けていると懸念されてきた考える力や学習意欲などにかかわる分野であり、学習指導要領が求めてきたものと重なる。調査結果が注目されるゆえんだ。  その点から見て、数学、科学の1位グループ維持は、評価されていいだろう。しかし、前回に比べ参加国最大の下げ幅を示した読解力の低下は、やはり気になる。  低下の要因は、得点の低い層が大幅に増えたからだ。得点を「レベル5〜1、1未満」の6段階に分けて分析すると、日本の「レベル1未満」は7.4%。前回の2.7%を上回り、加盟国平均6.7%をも超えた。フィンランドは1.1%、韓国は1.4%だ。平均の層が厚いのが日本の特徴だったが、加盟国平均より多いのは、得点上位のレベル5、4と1未満といういびつな形になった。  読解力は、好成績とされた前回もその脆弱(ぜいじゃく)性が懸念されていた。「趣味としての読書」をしないと答えた生徒の割合が、参加国中、最も高かったからだ。読書をする生徒の方が読解力の得点が高いことは、前回の調査からはっきりしている。そんな土台の弱さが今回になって出たのかもしれない。  同じ心配は、今回好成績の数学にも通じる。数学への興味・関心や楽しさに関する四つの質問項目で、肯定的に回答した生徒の割合は、いずれも加盟国平均より少なかった。受け身の姿勢が目立つ。  今回の調査結果には、これからの教育政策を進めていくうえでたくさんのヒントが詰まっている。「世界トップレベルの学力を目指す」(文科省)のは結構だが、多角的にきちんと分析して進めることが肝要だ。簡単ではないが、まずは学習に興味を失いがちな子供たちが増えていることを重く受け止め、丁寧にフォローしていくことが求められる。読書活動や「総合的な学習の時間」の一層の充実も欠かせないだろう。フィンランドや韓国の例も参考にしつつ、しっかりと取り組んでほしい。
府立高4校を2校に再編 京都府南部 初の統合で10校に
京都府教委の武田暹教育長は7日に開かれた府議会の代表質問で、府南部の府立高12校の再編について「4校を対象に、それぞれの伝統や校風を継承させ、特色のある2つの高校に再編整備し、発展させたい」と述べ、統合で10校とする方針を具体的な数字を挙げて示した。時期には言及しなかったが、府立高が統廃合されるのは初めて。  南部地域の中学3年生は約4600人で、ピーク時の1987年度の半分近くまで減少している。小規模校では柔軟なカリキュラムを組めないことから、府教委は普通科の適正規模を「1学年8クラス」とし、南部地域の府立高再編を他地域に先行する形で検討。学校関係者らの懇談会などで統合の方向性などの議論を重ねてきた。 武田教育長は答弁で「時代の変化に対応した一層魅力ある高校教育を創造したい」と述べ、統合で生まれる2校の特色について、国際社会で活躍できる人材育成▽未来の文化創造を目指す教育▽福祉マインドの養成−などを挙げた。  また、府立高再編と連動して進めている南部地域の養護学校の再編整備では「宇治市など4市町を2つの通学区域に再編し、知的障害と肢体不自由の児童生徒が共に学ぶ総合養護学校を整備したい」との考えを示した。
12月7日 日本の高校1年生、読解力14位に低下・OECD調査
経済協力開発機構(OECD、本部パリ)が昨年、40カ国・地域の15歳を対象にした「生徒の学習到達度調査」(PISA)で、日本の高校1年生は、実施4分野のうち読解力が前回の8位から14位に、数学的応用力も1位から6位に下がったことが7日、分かった。読解力の得点は参加国の中で前回からの低下幅が最も大きかった。科学的応用力は前回と同じ2位で、今回初調査の問題解決能力は4位。  文部科学省は「日本の学力は国際的に上位だが、最上位とは言えない」と世界トップレベルからの脱落を認めた。  読解力低下の原因は「読書量やテレビ視聴時間、コンピューターの浸透など言語環境の影響も考えられる」と指摘。今後詳細に分析するが、事態を重視し、朝の読書推進も含む「読解力向上プログラム」を作成するなどの対策に乗り出す。調査は、加盟国中心に41カ国・地域の計約27万6000人を対象に実施。実施基準を満たさなかった英国は集計から外した。日本は国公私立143校の高校1年生約4700人が受けた。(コメント 基本訓練の為の授業時間が大幅に減少したことが原因。朝の読書推進はほんの少しの効果があるだけでしょう。 学習指導要領の改定、○×試験の定着などに原因があると思いますね)
日本は数学6位、読解力14位に転落OECD学力調査
経済協力開発機構(OECD)が昨年実施した国際的な学習到達度調査の結果が7日、公表された。41カ国・地域の計約27万6000人の15歳を対象に、知識や技能の実生活への応用力をみるテストが行われた。日本は、前回(00年)8位だった「読解力」がOECD平均レベルの14位まで低下。「数学的リテラシー(応用力)」は前回の1位から6位になった。文部科学省は日本の学力について初めて「世界のトップレベルとはいえない」との表現を使い、厳しい現状認識を示した。  「科学的リテラシー」は前回同様2位で、今回から実施した「問題解決能力」は4位だった。文科省は今回の結果について「日本の学力は上位にある」としつつも、特に落ち込みの目立った「読解力」に対応するため「読解力向上プログラム」を来夏までに策定すると表明した。  読解力は、文章や図表を理解して利用し、熟考する能力と位置づけられ、設問は計28題。1位のフィンランドの平均点が543点で、日本は498点。前回に続いて参加した国の中では、前回に比べ最悪となる24点の減になった。習熟度レベルの高い(得点の高い)グループは前回並みだったものの、習熟度レベルの低いグループで落ち込みが大きかった。  今回、数学は重点的に調べた分野で85問を出題した。1位香港の550点に対して日本は534点だったが、同省は「誤差を考慮すると統計的には香港と差がない」と説明している。  テストにあわせて行ったアンケートの結果、数学について「授業が楽しみか」「内容に興味があるか」など関心を聞いた質問項目すべてで、日本の生徒は肯定的な答えがOECDの平均以下だった。「数学を日常生活にどう応用できるか考えている」と答えた生徒はわずか12.5%で、平均の53%にはるか及ばなかった。  また、授業以外の勉強時間は週平均6.5時間で、OECD平均の8.9時間を下回った。
    ◇
 〈経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査〉 アジア・欧州・北米・中南米・オセアニアにまたがる加盟国を中心に、四つの非加盟国を含む32カ国が参加し、00年から始めた。2回目となる今回は、トルコなどが新たに加わった。知識量ではなく、将来、社会生活で直面する課題にその知識を活用する力があるかどうかをはかる。各分野の得点は、OECD加盟国の生徒の平均得点が500点になるよう換算してはじき出す。日本では、無作為に選ばれた約4700人が約2時間のペーパーテストを昨年7月に受けた。 (コメント 教師を責めないでね。システムに問題あり)
日本で生徒間格差広がる OECD学力調査
7日に発表された経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査で、日本は各分野で平均得点が前回より低下したほか、生徒間の学力のばらつきが大きくなるなど気掛かりな兆候が明らかになった。「世界でトップレベル」とみられていた日本の教育水準のほころびに、専門家からは懸念の声が上がっている。  得点のばらつきを示す「標準偏差」について、日本は数学的応用力、科学的応用力、読解力のそれぞれで前回より拡大した。生徒間の学力格差が広がりつつあることがうかがえる。  特に読解力で得点をレベル5からレベル1未満の6段階に分けると、日本はレベル5が9.7%、レベル4が23.2%とOECD平均を上回ったが、レベル1未満も7.4%で高かった。レベル1―3はそれぞれOECD平均を下回っており、「上位と下位が多く中位が少ない」という2極化が見られる。
京大、一部で「後期」廃止理系中心、07年度入試から
京都大は、いまの高校1年生が受験する07年度入試から、複数学部で「後期入試」を取りやめる見通しとなった。7日の部局長会議で、後期の全学共通問題を作成しないことを正式決定する見込みになったためだ。今後、後期入試をするかどうかは学部ごとの判断に委ねられるが、理系学部を中心に廃止の方向で検討に入っている。他の国立大でも「後期不要論」が議論されており、京大に同調する動きが全国に広がれば、制度そのものが揺らぎそうだ。  05年度大学入試では、全国83の国立大学すべてが定員を前期・後期に分ける「分離分割方式」を導入している。  京大の場合、定員全体の約1割の361人を後期試験に割り当てている。後期用に英語、数学、国語などの全学共通問題を作って、学部ごとに必要分を選んで出題してきた。この共通問題が廃止されることで、学部独自に問題を作らなければ継続はできなくなる。  すでに学部ごとの検討が始まっており、理、工学部は廃止の方針を固めた。医学部は「学部で問題を作るのは限界があり、日程的にも難しい」(成宮周・医学部長)という。文系にも「本部の方針に沿って検討する」という学部が出ている。  分離分割は、受験生にとっては国立大を2回受けることができ、大学側には、様々なタイプの学生を集められるとの期待が大きかった。だが実際には、前期受験生の「敗者復活」的な性格が強く、前期入学者との学力差を懸念する教員もおり、一部で不要論が強まっていた。  京大では昨年11月に学内のワーキンググループが出した入試制度見直しの答申を受け、後期廃止の検討を重ねてきた。  東京大の場合、07年度入試の方針は明らかにされていないが、5年前に出た学内の懇談会の報告書では「後期日程入試の積極的な評価は少ない」として、後期の廃止や変更などの選択肢が示されている。  尾池和夫・京大学長は「学内で検討を進めてきた入試制度の見直しが、一歩前進することになる。全学共通問題を作成しないことで教員の負担が減る。後期をどう実施するかは今後、各学部で判断する」と話している。
規制改革会議の義務教育改革提言に不快感文科次官、
文部科学省の御手洗康事務次官は6日の記者会見で、政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が緊急提言で、文科省の義務教育改革の問題点を指摘したことに関し「(教員養成の専門職大学院設置などの改革案を)のっけから参入規制と決めつけ、反対するようなやり方は首をかしげる」と不快感を示した。  文科省は今年10月、専門職大学院の設置や教員免許更新制の導入について中央教育審議会に諮問。しかし同会議は6日にまとめた提言で、教員養成のための専門職大学院について、公的機関としての設置は「不適当」だと指摘。多様な人材を常勤職員に採用するのを妨げる懸念があり、「中長期的に教員の資質低下につながる」とした。御手洗次官は会見で、「これから中教審がさまざまな立場の方々から意見を聞き、精力的に検討するだろう」と述べた。
文科省の義務教育改革案に反論規制改革会議:
政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は6日、河村建夫前文部科学相が8月に公表した義務教育改革の私案に異論を唱える提言を発表した。私案に盛り込まれた教員養成のための専門職大学院設置や、教員免許の更新制導入などを文科省による「規制強化」と批判し、専門教育を受けていない人でも教員として採用できるよう現行の教員免許制度の抜本的な見直しを求めている。
小2も30人学級へ県教委 来年度から拡大(高知県)
県教委は6日、小学1年生で実施している「30人学級」を、来年度から同2年生にも拡大する方針を明らかにした。同日発表した17年度当初予算案の編成に向けた見積もりに予算額は盛り込まれていないが、「実現に向け努力したい」としている。  国の学級編成の基準は現在40人だが、教員給与を各自治体が負担するなどすれば、40人以下の少人数で学級編成できる。  本県は本年度から、対象となるすべての小学1年生37校と、モデル的に同2年生1校、中学1年生3校の計41校で実施している。  対象校の保護者や教員からは「生活規律や学習定着に効果がある」「2年生も30人で」という声が多く、拡大することにした。県教委の推計(9月10日現在)では、40人編成より1年生が47学級、2年生は39学級増える。対象校は60校。  今春からの1年生の30人学級化では、必要となった教員41人のうち、19人分は県単独予算で支出(平均的給与換算で約1億6000万円)。これ以外は少人数指導などのために配置された教員を担任に振り替えている。来年度必要となる計86人のうち、何人分を県単独予算で支出するかは今後詰める。  30人学級拡大の展望について、教職員課は「財政的事情もあり、3年生以降のことは見通せない」としている。中学1年生のモデル校3校では引き続き実施する。 (コメント 講師に頼らないで専任にという姿勢が良いですね)
12月6日 公立「中高一貫」 高まる人気洛北高付属中、西京高付属中
受験シーズンが近づく中、中高一貫教育を掲げ、今春開校した公立高付属中2校に今年も熱い視線が注がれている。来年1月中旬の願書提出を前に「ゆとりある学校生活」を求めて、定員の10倍近い保護者らが入試説明会に詰めかける一方、「市場開拓のチャンス」とばかりに攻勢をかける学習塾が、結果的に受験ムードをあおる。これまで私学を主なターゲットにしてきた京都の「12歳の受験生」の様相に、変化が生じているようだ。
 ■京の保護者ら説明会に殺到
 11月中旬、洛北高付属中(京都市左京区)の入試説明会が開かれ、700組を超える保護者、児童が出席した。勝間喜一郎校長が「基礎基本から応用発展まで、ゆったりとした中で学力が身に付く」とPRした。  同時期に開かれた京都市立西京高付属中(中京区)の説明会にも、1300人近い保護者が参加した。10倍を超える競争率となった開校初年の本年度入試と同様、来春も「狭き門」は必至だ。  受験熱に拍車をかけているのが、学習塾の存在だ。洛北高付属中の説明会では、校門前に塾のスタッフが並び、12月中・下旬に行う対策模試や冬期講習のチラシを保護者らに握らせた。  大手進学塾の担当者は「両校の中高一貫教育はまだ未知数。そこに期待して挑戦する層は私学志望者とは全く別」と話す。「小学校低学年から子どもを塾に通わせてきた私学志向の保護者にとっては、費用対効果からみて、未知数はマイナス要因にしかならない」  両校が開校した今春、中学に入学した1年生の割合をみると、私学進学者は全体の12%を占め、過去最高となった。ある私学関係者は「堀川や嵯峨野など大学入試で実績のある公立高のイメージが両校と重なるのだろうが、私立とは『すみ分け』ができているようだ」と話す。  この結果、「しわ寄せ」を受けそうなのが、受験生が住む地元の公立中学だ。実際、市町村立中学への本年度の入学者は約2万人で全体の85%、過去最低となった。  他中学への「流出」を危ぐし、各市町村教委では「小中連携」などの取り組みを進めている。ある塾関係者は「私立を目指すか、国公立中学を受験するか、地元の中学に進むか。中高一貫校の開校を機に、京都の小学生たちは、早い段階から自分の進路を考えるようになるのではないか。一般の公立中学も危機感が必要だろう」と指摘する。
12月5日 教員免許制「見直しを」 規制改革会議、透明性求める
 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は、文部科学省が進める義務教育改革について問題点を指摘する提言をまとめた。近く同省に提出する。改革案の主要な柱である「教員免許の更新制」については、免許制度自体に問題点が多いとして否定的で、制度見直しの方向性を示した。学校運営の責任者である校長には、権限強化と同時に責任を明確化する仕組みづくりを提言した。  推進会議は「官業」の象徴として教育分野の規制改革も議論しており、望ましい義務教育のあり方を「緊急提言」としてまとめた。  意見書は、現行の教員免許制度が「教員の『人物』などの適格性を総合的に判断する仕組みになっていない」と指摘。企業の技術者らが常勤教員に転身する妨げになっていると例示し、更新制の導入より先に、教員任用時の審査の透明性や公正さを向上させるべきだと主張している。  また、文科省が検討する「学校長の権限強化」については、成功への動機付けとあわせて、「失敗」があった場合は「(学校の)予算、(校長自身の)処遇での責任を厳重に問う仕組みを構築すべきだ」とした。「教員養成のための専門職大学院」の設置にあたっては、「大学院の修了を教員採用の条件にすべきではない」と主張している。
12月4日 「今回ばかりは許せない」森前首相が小泉首相を痛烈批判
森前首相は4日、兵庫県明石市内で講演し、政府・与党がまとめた三位一体改革の全体像に義務教育費国庫負担金8500億円の削減が盛り込まれたことについて「今回ばかりは許せない。教育の問題を金で解決しようとしている。就任当初、『米百俵の精神』と言っていた小泉首相が、お金だけの算段をしているから、私は怒った」と小泉首相を批判した。  義務教育費の最終的な扱いは、05年秋までに中央教育審議会の答申後に決めることになっているが、森氏は「(地方が求める負担金の廃止・一般財源化は)何としても止めなければならない。私は命がけで反対する」と強調した。(コメント 命かけるなら不信任案を出すことですね。 『米百俵の精神』なんて単にいっただけなんでしょうね)
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12月4日 生徒による授業評価/全公立高校に拡大方針 (秋田)
県教委は、生徒による授業評価を本格化する方針を明らかにした。現在もいくつかの高校で実施されているが、06年度にはすべての高校での導入を目指す。  県教委高校教育課によると、授業評価は、学期末など、一定の区切りを利用し、生徒に担当教員の授業の内容をアンケート形式で答えてもらう。  主な項目は、授業の進み具合はほどよい速さか▽声の大きさは適当か▽授業のポイントがはっきりしているか▽質問の仕方や教材を工夫しているか−−など。教員は生徒たちの評価結果を受け、授業の改善を図るという仕組みだ。  この授業評価は、秋田南や秋田中央、角館など数校ですでに導入されている。今年度からは、採用後丸10年を迎えた教諭83人も評価の対象に加わった。同課は「普段、自分がよかれと思っている授業も、他人からはどう見えるのか。直接受ける立場の生徒の声を参考にしてほしい」としている。
12月2日 中学全学年に少人数学級 埼玉県行田市が導入へ
埼玉県行田市が市立中学の全学年で、2006年度までに少人数学級を実施することが1日、分かった。文部科学省によると、市が独自で全学年に少人数教育を行うのは珍しいという。  同市は昨年、教育特区に認定され、今年4月から中学1年に30人以下学級を実施。05年度に2年生、06年度には3年生をそれぞれ34人以下学級にする方針を新たに決めた。  市は学級増に伴い必要となる教員を市費負担で採用しており、来年は新たに約20人を公募するという。  同市教委によると、中学1年で少人数学級を導入した結果、例年、新1年生の約10人が不登校になっていた中学校で一人も不登校にならなかったほか、いじめが減るなどの効果があった。また保護者から「教師の目が行き届き、子どもが授業に積極的になった」など、少人数学級の継続を望む意見が多く寄せられた。  市教委は「非行の防止や学習面で大事な時期となる中学で導入を決めた」としている。
教員養成や人事交流、埼玉大が協力協定 少人数指導に学生が補助役
埼玉大学は29日、県教委とさいたま市教委それぞれとの間で、教員養成や人事交流などに関する協力協定を結んだ。今後、県内の学校で同大の学生が担任の補助役として指導したり、両教委の職員が同大教授として教育現場の実情にあわせたカリキュラムを組んだりと連携を図る。独立行政法人化に伴って地域貢献を掲げる同大と、学生のときから教育現場での実体験を積んだ能力の高い教員を確保したい両教委の考えが一致した形だ。  同日、埼玉大学で開かれた協定締結式で、同大の田隅三生学長は「これまでも両教委とは協力してきたが、協定を結ぶことでより関係を深めたい」とあいさつした。  稲葉喜徳・県教育長は、同大を卒業した県内の小学校の教員と同大教授の意見交換会を今年度内に開く考えを明らかにした。保護者との対応や大学で教えてほしいことなど、教員の生の声を伝えることがねらいだ。  臼杵信裕・さいたま市教育長は、同市内の小学校で、少人数指導やチームティーチング、学習障害(LD)の児童への指導などで学生に担任を補助してもらう構想を述べた。同市教委の職員が同大の講座の一部を受け持つことも計画しているという。  今後、同大と県教委、同大と同市教委はそれぞれ協力を進めるための組織を立ち上げ、具体的な施策を検討する。課題によっては3者合同で対応する可能性もあるという。
12月1日 お茶の水女子大が入試で付属高推薦枠、2008年度から
お茶の水女子大は30日、2008年度から特別選抜枠を設け、付属高校から毎年10人程度を推薦入学させると発表した。同大によると、来年度から始める「高大連携特別教育プログラム」の一環で、幅広い教養を身に付けさせるのが狙い。  希望者を対象に大学教員が高校に出向いて授業をしたり、大学の講義を受けたりしてもらい、受験向けではない学力を養う。特別枠は小論文や面接などに3年間の評価も加えて選抜する方針。

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