教育関係報道(各新聞社の記事のスクラップです。)

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(毎日新聞の記事は1週間ほどで消滅します)
2月28日 文科省が義務教育意識調査を実施へ、首長も対象 (読売新聞)
文部科学省は26日、小中学生、保護者、学校評議員、教員、自治体の首長ら幅広い層を対象にした義務教育に関する意識調査を3月に実施する方針を決めた。
 義務教育について、首長を含めた調査を行うのは初めて。5月にも結果をまとめ、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の義務教育特別部会に報告する。
 調査は、国際学力調査で日本の子供の学力低下が判明したことや、国と地方の税財政を見直す3位一体改革で義務教育費国庫負担金削減問題が焦点になっていることを受けたものだ。この問題で、文科省と地方側との対立が目立っているため、自治体の意見に耳を傾ける狙いもある。
株式会社大学: 特区の主体の自治体に通知  文科省(毎日新聞)
2月27日 香川大入試でまたミス    (産経新聞)
香川大は26日、25日に206人が受験した医学部医学科の入試2次試験の数学で「不適切な問題があった」と発表した。
 同大入試課によると、座標平面上にある2つの図形の面積比を答える問題で条件の設定に不備があり、正解は「無限大対無限大」。正解者はいなかった。
 同大は出題者の意図を酌み、条件を設定して回答した受験者173人を正解とした。
 入試課は「問題文の点検に落ち度があったが、出題ミスとは考えていない」としている。
 香川大の2次試験では、教育学部の英語でも機械の故障でリスニングテストが一部聞こえなくなるミスが起きた。(共同)(コメント 全員を正解にするよりははるかにいいですね。ミスを発見しそれを修復する能力も大事ですから)
画用紙製カメラ作りに挑戦 宇治小「チャレンジ!理科実験教室」(京都新聞)
小学校が休みの土曜を活用した「チャレンジ!理科実験教室」が26日、京都府宇治市の宇治小で行われた。子どもたちが保護者らとともに、画用紙製のカメラや使い捨てカイロづくりに挑戦し、驚きの歓声を上げていた。
 地域住民による「子どもの居場所づくり世話人会」(平田研一代表)が2年前から毎月2回、ボール遊びや生け花教室などを企画している。この日は、東宇治中の島宗宏教諭(46)を講師に招き、児童30人のほか、保護者やボランティアの中学、高校生たちが参加した。
 活性炭に食塩水と鉄粉を混ぜて、手を真っ黒にしながらカイロを作ったり、ビニールひもを使って静電気の実験をした。画用紙で組み立てた箱に虫眼鏡を付けたカメラで、窓の外を撮影し、感光紙に風景がぼんやりと浮かび上がると、みんなで大喜びしていた。
 5年の大谷凌太郎君(11)は「自分でカメラが作れて、びっくりした」と話していた。
小学生と外国人が巻きずし作り 中京区、英語学び国際交流(京都新聞)
身近な体験を通じて、国際交流につなげようと、小学生と外国人留学生らが26日、京都市中京区の高倉小で、巻きずし作りを楽しんだ。
 同小のPTAや地域住民らでつくる地域運営協議会「スマイル21」が主催。同小の「総合的な学習の時間」で英語学習に取り組んでいる3年生以上の児童27人と、米国やドイツからの留学生ら13人が参加した。
 グループごとに、英語で自己紹介をした後、まきすを使って巻きずしづくりに挑戦。かんぴょうやしいたけなど材料の名前を子どもたちから教わりながら、留学生はのりの上に敷いた酢飯に乗せ、慎重にまきすを巻いていた。そのできばえに、子どもたちから「グッド!」と声がかかると、留学生らは「ありがと」と笑顔でこたえていた。
生活・学習でアンケート調査へ 京都市教委、小中生の学年抜粋で(京都新聞)
京都市教委は25日、子どもたちの学力や学習意欲と日常生活の関連を調べるため、生活習慣・学習に関するアンケート調査を初めて行うことを明らかにした。
 同日の2月定例市議会で、門川大作教育長が「全市共通の調査を実施し、大学や専門機関の協力で結果を分析し、よりきめ細やかな指導を展開したい」と答弁した。
 市教委によると、アンケート調査は市内の新小学6年生、新中学3年生から各1000人ずつを抽出し、4月に実施予定の学力調査と合わせて行う。朝食や夕食を食べているか、起床や就寝の時間、テレビの視聴時間などのほか、「楽しい授業がどれくらいあるか」など授業や学習に関する項目についても質問する。
 調査結果は、学力調査のデータとも照らし合わせて分析することにしている。
 生活実態に関する調査は各市立学校ごとには行っているが、市教委教育計画課は「全市的な調査で、子どもたちの学習意欲と何が結びついているのかを明らかにし、学校での指導や保護者と協力した生活改善に役立てたい」としている。
2月26日 中教審: 義務教育特別部会の委員30人公表    文科省 (毎日新聞)
文部科学省は25日、義務教育費国庫負担制度の存廃など義務教育全般を審議するため新設された中央教育審議会義務教育特別部会の委員30人を公表した。初会合を開く28日付で任命する。全国知事会などとの調整がつかず、地方側から迎える予定の3人は、中教審本体の正委員と同様、「空席」のまま審議入りする見通しとなった。
 地方側から選ぶ正委員枠について、全国知事会、市長会、町村会から各1人の計3人を主張する地方6団体側と、2人にとどめたい文科省側が対立。地方側は部会委員の候補提示も見送っている。このため部会の審議入りは当初予定の1月から2月にずれ込んだ。
 文科省の高橋道和・総括教育改革官は「学習指導要領見直しや教員養成・免許制度の基本方針もこの部会で議論する。地方側に参加を呼びかけながら粛々と進める」と述べた。【千代崎聖史】
 特別部会委員は次の通り。(敬称略)
 日本私立学校振興・共済事業団理事長・鳥居泰彦▽大学評価・学位授与機構長・木村孟▽キッコーマン会長・茂木友三郎▽日本PTA全国協議会会長・赤田英博▽放送大学学園理事長・井上孝美▽兵庫教育大学長・梶田叡一▽全日本自動車産業労働組合総連合会会長・加藤裕治▽青森大教授・見城美枝子▽千代田区立麹町小学校長・角田元良▽ジャーナリスト・野中ともよ▽東京都教育長・横山洋吉(以上、中教審本体の正委員)
 福島県石川町教育長・吾妻幹広▽小説家・阿刀田高▽広島県東広島市教育長・荒谷信子▽東京大大学院教授・小川正人▽広島県尾道市立土堂小学校長・陰山英男▽鳥取県知事・片山善博▽東京大大学院教授・苅谷剛彦▽日本青年会議所会頭・高竹和明▽渋谷教育学園理事長・田村哲夫▽埼玉県松伏町長・千代忠央▽東京都武蔵野市長・土屋正忠▽全国退職教職員生きがい支援協会理事長・渡久山長輝▽港区立三田中学校長・藤崎武利▽国際基督教大教授・藤田英典▽評論家・宮崎哲弥▽白梅学園短大学長・無藤隆▽八洲学園大教授・山本恒夫▽慶応義塾大教授・吉野直行▽品川区教育長・若月秀夫(以上臨時委員)
 ※これ以外に、地方代表委員として3人(正委員2人、臨時委員1人)を予定
2月25日 経営と医科学、同時取得もOK   ダブル学位、大学続々 (朝日新聞)
これこそ一石二鳥? 一定期間を二つの大学や大学院で学べば同時に卒業資格が得られるダブル・ディグリー(共同学位)制度が大学で増えている。欧米や中国など海外の大学と提携したり、学内での学部間交流を進めたりしている。国際化への対応を進める大学側の特色づくりと、「就職に有利」という学生側の需要で一気に広がりそうだ。
 慶応大は05年度から、大学院政策・メディア研究科の学生を対象に、韓国の延世大大学院社会学科と提携する。両大学院で最低、半年勉強すれば、最短2年間で両方の修士号を取得できる。
 学内でも今春から、大学院ビジネススクール(KBS)と医学研究科が始める。ふつうは4年かかる経営と医科学二つの修士課程を、最短3年で取得できるコースを設ける。「医科学にも通じた経営人は、製薬、バイオ関連産業などからの要請も強い」とKBSの矢作恒雄教授は話す。
 一方、早稲田大も、中国の北京大と復旦大との間で05年度から共同学位を始める。全学部生が対象で、中国側の学生は国際教養学部で受け入れる。同じ分野での提携を考えており、留学や遠隔授業で2年間を相手側で履修すれば、卒業時に両大学の学部卒の資格が与えられる。「中国に明るい学生をという企業のニーズが高い」(同大国際課)ためだ。北京大での学位取得を考える男子学生は「中国の大学卒業資格もあれば、就職の時に使える」と話す。
 国内でこの制度を初めて実施したのは立命館大。米国のアメリカン大との間で大学院は92年から、学部は94年から共同学位を授与してきた。年間約30人の実績があり、今年度からはオランダの社会科学研究所(ISS)とも協定を結び、最短2年間で二つの学位が取得できることになった。
 関西大、東工大などでも同様の取り組みが始まっている。
 こうした制度はジョイントまたはデュアル・ディグリーと呼ばれ、海外では珍しくない。日本では法令上、二重学籍は禁止されてはいないが、大学設置基準で学位ごとの最低授業時間が決められているため、なかなか進まなかった。海外の大学に対しては大学が特色づくりのため独自の判断で進めており、国際化と就職を意識した結果とみられている。
国語力向上へ 成果発表向日・向陽小で公開授業 (京都新聞)
京都府向日市向日町の向陽小は24日、同市教育委員会の指定研究校として初めての研究発表会を開いた。国語力向上を目指した1年間の研究成果を、児童の舞台発表や公開授業を通して報告した。
 市教委は2004年度、初めて独自の指定研究校制度を設け、市内の全小中学校が個別のテーマで授業の進め方や指導法を研究している。向陽小は、それぞれの願いや思いを伝え合える児童の育成を目指し、国語力向上をテーマにした。
 この日は全児童が集まった体育館で1、5年生が音読、4年生が1枚の絵から創作した物語を発表した。続いて2、3、6年生の公開授業があり、積極的に意見を発表する児童の姿を、保護者や学校関係者らが見守っていた。
情報モラル: 携帯電話の危険性を考える  東京・竪川中 (毎日新聞)
携帯電話めぐるさまざまなトラブルが増えている。親が防犯のためにと子供に持たせるケースも目立っており、安全に使うための教育の必要性が高まっている。東京都墨田区の竪川中学校で22日、「携帯電話の危険性を認識し、危険に対応する力」を育成する授業が公開された。
 授業は3年生社会科の「消費者教育」として行われ、生徒には、携帯電話を使った事件や危険についての説明したプリント教材が配られた。事例は
(1)不当料金請求
(2)携帯電話を友達に貸して、高額の請求をされた
(3)音楽をダウンロードしたが、月決め料金と気付かず、高額請求された
(4)ネットオークション詐欺
(5)出会い系サイトの危険
(6)携帯電話を使ったいじめ
(7)携帯電話を使うときのマナーが悪い人を見た−−
の7つで、子供が理解しやすいように漫画などで描かれている。子供たちはそれを見て「危険性」と「どう対応したらいいか」を考える。
 三橋秋彦教諭が7事例それぞれついて、「自分で体験したことがあるか」「身近で体験した人がいるか」を聞いた。不当請求や出会い系サイト、オークション詐欺についてはほとんどが体験したことがないと答えたが、着信音楽をダウンロードし過ぎて高額になった生徒がいたほか、他人の携帯電話の使い方をマナー違反と感じたことがあると答えた生徒と、今後マナー違反を体験するかもしれないと考える生徒が、合わせて約10人いた。また、オークションの言葉の意味は、全員が知っており、2人が将来経験するかもしれないと答えた。
 三橋教諭は「事例の何が問題なのか」「なぜそんなことをするのか」「だます側はどんなことを考えているのか」といった質問をして、生徒にどこに危険性があるのかや、相手の意図を考えさせた。子供たちは「携帯電話を使うと、お互いの顔が見えないのでだましやすい」という点をだます側の意図として挙げた。
授業の最後、ワークシートに意見を書き込む
 授業の内容について子供たちがまとめたワークシートには、事件に遭わないために、「(携帯電話で)サイトに入らない」「大人や家族に相談する」「(不当請求などのメールは)無視する」「お金を振り込まない」といった答えのほか、「どんな事件があるかを知って気をつける」「(高額請求されないように)計画を立てて使う」「携帯電話を買わない」といった意見があった。授業を聞いた女生徒は「授業で聞いた話はだいたい知っていた。携帯電話サイトはあまり見ない。7つの事例は全部怖いと思う」と話した。
 授業で使ったプリント教材は、企業と教員研究団体が共同で製作している。授業後に、授業を見学した学校や企業関係者らの意見交換会が行われ、「マナーにかかわる事例では活発な発言があり、出会い系サイトの事例では無かった。中学生にとって発言しにくい内容だからではないか。生徒の発言を求めていく授業ではうまくいかないケースも考えられる」「より広く使われるための方策を考えた方がいい。そのためには、正式なカリキュラムとして組み込まれることが必要ではないか」「子供よりむしろ、保護者や教員が学ぶ必要性が高い。親が知らないことが問題で、先に進んでいる子供とのギャップをどう縮めるかだ」−−といった意見が出た。
 三橋教諭は「携帯電話の危険性といった内容の学習は、教科学習ではなく、特別活動でやるべきで、機器についての理解も必要だ。子供たちの安全教育として、交通ルールの勉強会のように警察などの協力があるといいと思う」と話し、「生徒たちは教材に引き込まれていた。すぐに反応がなくても、“種をまく”意味がある」と授業の感触を説明した。【岡礼子】
2月24日 小中連携の強化求める 京都市教委 指導の重点発表 (京都新聞)
京都市教委は23日、2005年度の市立学校の教育指針となる「指導の重点」を発表した。小中連携強化の一環として、各小中学校に義務教育9年間を見通した年間指導計画や評価計画の作成を求めている。
 小中連携の強化は、「地域ぐるみの学校づくり」や「教職員の意識改革」と並び、06年度からの改定点として盛り込んだ。教科の指導法や手順、評価法を示す年間指導計画と評価計画は各学校ごとに作成されるため、小中学校間で指導に一貫性がないのが現状という。「小中学校の教職員が話し合いながら9年間を見通した計画を作成することで、義務教育を終えた時点で子どもにどんな力を身につけさせるかという狙いや課題を共有してもらいたい」(教育計画課)としている。
 地域ぐるみの学校づくりでは、学校評議員制度などの学校評価システムを活用し、保護者や地域住民への説明責任を果たすよう求めている。
 冊子にして市立学校や幼稚園の教職員約8500人全員に配布する。
「スーパーII類」的、専門学科設置へ06年度から京都府立高4校に 府教委方針 (京都新聞)
 京都府教委は2006年度から、中丹、口丹、京都市、山城の各通学圏の府立高計4校に理数教育に特化した専門学科を設置する。武田暹教育長が23日、2月定例府議会の一般質問で明らかにした。4校に新設する専門学科では、普通科II類よりも理数科目を3年間で10単位程度多くする。「スーパーII類」的な学科を設けることで、国公立大医学部を中心に二次試験の理科を3教科に増やす動きにも対応したい考えだ。
 学級数については、1−2学級(募集定員40−80人)程度を想定。4校それぞれの通学区域については今後、検討を進める。府内の大学や研究施設とも連携した教育カリキュラムを組むことで、「既存のII類は理数系大学への『入り口』を目指しているが、専門学科では大学教育の中身につなげたい」(高校改革推進室)とする。
 府内では、府立嵯峨野高と京都市立の堀川高、西京高の3校が、理数系に特化した専門学科やコース、系統を設置している。
小学2年生の学級に非常勤講師を配置甲賀市 05年度から担任との複数指導(京都新聞)
滋賀県甲賀市教委は、2005年度から小学2年生の学級に非常勤講師を配置し、担任教師との複数指導を行う。21日発表した05年度当初予算案に人件費1000万円を計上した。県内市町村での実施は、守山市に次いで2番目。
 県教委は01年度から、1年生児童に教室内での学習・生活習慣の指導を進めるため、県内各小学校で児童31人程度の学級に非常勤講師を派遣しているが、2年生児童についても習慣づけを継続させるため、市教委が独自に非常勤講師を置くことにした。
 対象は、一学級の児童数が31−40人の9校9学級となる見込みで、「非常勤講師には、授業内容の理解が遅れている児童をフォローする役割も期待している」としている。
心理専攻の大学生派遣 県内の中学校へ(埼玉県)(朝日新聞)
県教委は05年から、心理学を専攻する大学生を県内の中学校などに派遣し、教員の補助として生徒の悩みの相談にのる「スチューデントサポーター事業」を始める。いじめや不登校に対応しようと、県教委はすでにスクールカウンセラーらの配置を進めているが、生徒と年齢が近い大学生を派遣することで、相談態勢を充実させることがねらいだ。
 県教委によると、県内で心理学科など心理学の講座を設置している埼玉大学など11大学の大学生や大学院生、計約200人を派遣する。不登校の子どもの学習を支援する市町村の「教育支援センター」、さわやか相談室に学生らを配置し、相談員や教育と一緒に生徒の話を聞いたり、勉強を教えたりする。
学生の大学での履修が決まる5月以降、希望する学生が県に登録し、6月以降、要請がある市町村に学生を派遣する予定だ。学生はボランティアだが、実際に子どもと接する機会を持つメリットがあるという。
 県内では現在、子どもたちの悩みを聞くための「スクールカウンセラー」と、「さわやか相談員」が導入されている。スクールカウンセラーは臨床心理士などの専門家で、週1回6時間、学校を訪れて子どもや教員の相談にのっている。
 一方、96年度に導入されたさわやか相談員に特別な資格は必要ない。元教員や主婦らが週5日6時間、中学校内のさわやか相談室で、生徒の日常の悩みを聞いている。
2月23日 生活学力調査: 朝食食べる子供は食べない子より正答率高い(毎日新聞)
朝食を食べる子どもは食べない子より試験の正答率が16ポイントも高い−−。和歌山県教委が、県内の小学4年と中学1年の計約2160人を対象にした生活習慣のアンケートと共通学力診断テストをクロス集計したところ、生活習慣がきちんとしている子どもの方が成績が良いとの結果が出た。生活習慣と学力の相関関係を裏付ける調査は全国的に珍しいという。
 学力テストは昨年度から県内の小学4年〜中学3年の計約6万人を対象に実施しており、小学4教科、中学5教科。生活習慣アンケートは小4と中1のそれぞれ約1割を対象に抽出した。
 朝食は、小4は「毎日食べる」が86.7%で、「食べない」が0.8%。4教科平均の正答率は「食べる子」が73.5%、「食べない子」が57.6%だった。中1では「毎日食べる」は85.7%で「食べない」は1.4%。正答率は「食べる子」が62.7%、「食べない子」が57.1%だった。
 また小4で、学校へ行く前に持ち物を確認する子の正答率は、しない子より11.6ポイント、家の手伝いをする子はしない子より8.5ポイント高かった。家族との会話でも「よくする子」が「あまりしない子」より、小4で12.1ポイント、中1で5.6ポイント正答率が高かった。
 学習意欲に関する質問では、読書好きな子ども、自分はやればできると思う子どもの方が正答率が高かった。小関洋治県教育長は「生活習慣は学校だけでは対処できない。分析結果を基にPTAや学校評議会などにも働きかけたい」と話している。【辻加奈子】
 高橋誠・大阪教育大教授(産業心理学)の話 朝食を食べれば学力が上がるわけではなく、子どもの生活の仕方全体が学力に反映していると考えるべきだ。睡眠不足による心身の疲労など、背景には共通の要因があるはず。個々の現象にとらわれてはいけない。
文科省が教育現場の実情を見る西陣中央小らで意見交換(京都新聞)
文部科学省の職員が教育現場の実情を見る「スクールミーティング」が22日、京都市上京区の西陣中央小と左京区の修学院中であり、初等中等教育局の高口努・特別支援教育企画官ら2人が教職員や児童・生徒と意見を交わした。
 同省が全国の小中学校や養護学校などを対象に行っている。西陣中央小では、高口企画官らが同小の野田卓郎校長や低・中・高学年の担任ら計五教諭と懇談した後、授業見学や一、6年生との給食を楽しんだ。
 懇談では、教諭から総合学習の現状について「指導する側の力量が問われるだけに、苦労して開発した教材を引き継いでいる」、学校週5日制の導入については「導入前の方がゆとりがあった。子どもたちとかかわる時間を保障しようと、会議の時間を減らすなどの工夫をしている」などの声が寄せられた。
 高口企画官は「先生たちの努力で子どもの意欲を引き出していることがよくわかった」と話していた。
2月21日 中山成彬文部科学相 、「総合学習は必要」 (日経新聞)
中山成彬文部科学相は20日午前のNHK番組で、学習指導要領の見直しに関連し、ゆとり教育の目玉である「総合的学習の時間」の扱いについて「教科をまたがって(学習を)したり、子どもに自ら考え、生きる力を身に付けさせるには知恵や議論も必要。その意味で総合学習は必要」と述べ、廃止はしないとの考えを示した。
 一方で、中山氏は「有効に使っているところもあるが、全くおざなりのところもある。どう活用するか見直し、検証したい」と指摘。授業内容の改善が不可欠との認識を示した。
 授業時間数の在り方については「勉強しなければ、学力は身に付かない。授業時間をいかに確保するかを考えていかなければならない」と述べ、学力向上のために授業時間数の増加が必要との考えをあらためて強調した。
2月20日 京都市内と市外で対応分かれる 小学校教科書の「発展的内容」(毎日新聞)
学習指導要領を超える「発展的内容」を盛り込んだ新しい教科書が、4月から全国の小学校で使用される。文部科学省は発展的内容について「すべての子どもに教える必要はない」と位置づけているが、京都市教委は「学習効果を高める」として、その一部について児童全員に教え、通知票の評価にも取り入れる。一方、府教委は「過剰負担につながる心配がある」として評価には反映させない方針だ。発展的内容の取り扱いをめぐり、京都市内と市外の小学校で対応が分かれることになる。
 学習指導要領は、指導できる範囲の「上限」を定めるものとして扱われてきたが、文科省は学力低下批判などを背景に2003年12月の一部改訂で一転、「最低基準」とする新見解を打ち出した。これを受けて、04年8月に採択された新教科書には、カットされた内容の「復活」や次の学年で学ぶ内容などが発展的内容として盛り込まれた。国語など主要4教科では、全体の2%程度という。
 京都市教委は、発展的内容のうち、6年社会科に「縄文時代」を加えたり、水や空気の性質を学ぶ4年理科でペットボトルを使った実験などを指導計画に盛り込んだ。これらについては、通知票で教科の単元ごとに児童の達成度を絶対評価する。国語と算数については対象にしない。
 一方、府教委は、習熟度や課題別による少人数授業で発展的内容を教えた場合でも、評価には反映させず、子どもたちの進歩の状況などについて教員が所見欄に書き込む「個人内評価」で触れる方針だ。
 発展的内容の受け止め方については「学力の到達点を明確にでき、逆に補充学習が必要な子への指導も進む」「子どもたちの学ぶ意欲を喚起できる」と評価する声がある一方、「新指導要領で授業時間が削減された中で、さらに教材研究に費やす教員の時間確保が課題になるのでは」などの懸念も聞かれる。
IT教育: デジタル教材で人体を学ぶ(毎日新聞)
天体の動きや人体の内部など実際に目で見えないものを理解させるのは難しい。1つ1つの天体や個々の内臓についての知識を示すことは出来ても、相互の関係や運動などを教えるのは大変だ。そういう題材を学ぶとき、CGやアニメーションなどデジタル教材は威力を発揮する。科学技術振興機構の科学技術・理科教育のためのデジタル教材提供システム「理科ねっとわーく」には、人体内部の様子、体の器官の働き、大地の様子、運動やエネルギーについての写真や動画、CGなど約2万点掲載されており、より分りやすい授業に役立つ。
 つくば市立吾妻小学校の中村政男教諭は、「理科ねっとわーく」のデジタル教材を使い、さらに学校にある図鑑や人体模型を使って、人体のしくみを児童に調べさせた。
調べ学習をしながら、自分たちで描いた人体内部の図を修正していく子供たち
 まず、中村教諭は児童に体内の肺や胃、腸がどんな形で、どのように収まっているのかを予想させた。児童4〜5人を1つのグループにして、1グループごとに模造紙に色紙や紙テープを使って人体の内部を描かせた。その後、自分たちの人体内部の図は正しいのか、間違っているのかをひとつずつ調べていく。間違っていれば、図を少しずつ修正する。「普段、見ることのできない世界であればこそ、新たな驚きが期待できます。この驚きを体験するためには、自分が知識として持っていることを時間をかけて整理してから調べ学習に入ることが大切です」と中村教諭は考える。
 人間と動物の胃の違いを調べた児童は、「理科ねっとわーく」から動物の内臓の画像を取り出して、人間と比較した。「牛には胃が4つあることが分かって驚きました。ライオンとか肉食動物より雑食の人間の内臓の方が、ずっと複雑なつくりになっているのが分かりました」と話していた。食べ物がどのように体内で吸収されるのか調べている児童は「食べたものを吸収するために、小腸は3mから5mもあることが分かった」と話した。画像を見て、児童は内臓の実際の様子や動物の違いに驚いたり、発見に興奮したり、学習への意欲は高まった。
 調べた後、グループごとに分かったことを話し合い、最初に自分たちが作った人体内部の図の小腸を表す紙テープを長くしたりして、修正していった。調べ学習を通して発見したことは解剖図に直接書き込んだり、個人のノートに書きとめたりした。中村教諭は分ったことを書き留めさせることで知識の定着をはかった。
 「理科ねっとわーく」は必要な情報を簡単に検索できるが、児童がこればかりに頼らず、図鑑や人体模型など他の教材も使いながら調べ学習をしていたのが印象的だった。「調べ学習においてはデジタルコンテンツの映像や本、模型で調べたことなど、さまざまな情報を自分の中で構成できるようにしていきたい」というのが中村教諭のねらいだ。「『理科ねっとわーく』には画像がたくさん入っているし、字も読みやすくて目で確認するのにすごくいい。でも、もっといろいろなことを細かく調べたいときは図鑑を使っています」と話していた。
理科ねっとわーく http://www.rikanet.jst.go.jp/(文部科学省とかが買い上げて、無料公開にすればいいのに)
迷える先生へマニュアル 埼玉県教委が小冊子(東京新聞)
埼玉県教育委員会は教諭向けに児童・生徒のしかり方と褒め方のこつをまとめた「効果的な『ほめ方』・『しかり方』を目指して」と題した小冊子を作成し、県内の公立小中学校、高校の教諭らに配布した。いわば、子どもたちとの接し方に迷う教諭たちへの“マニュアル”。「しかり方、褒め方の指導まで先生には必要なの?」との声に、県教委は「『体罰』と言われたり、反発を恐れるあまり、児童・生徒への指導が消極的になっている状況もあり、改善したい」としている。
 小冊子では最初に、子どもが教室内で騒いでも注意しない教諭に対する不満を、生徒同士の対話方式で表現。この場合のしかり方のポイントとして、(1)人格を否定するのではなく、誤った行動をしかろう(2)しかり方に一貫性と公平さを(3)チャンスをとらえ、短く、本気で(4)子どもを追いつめるようなしかり方にならないように−などを挙げている。
 一方、褒め方のポイントとしては、(1)長所を見つけ自信をつけさせるように(2)言葉や態度に喜びを表して心を込めて(3)結果だけでなく努力している姿や過程を(4)何を褒めるのかを明確にし、具体的に−などと細かく指摘。しかり方と褒め方では、子どもの立場や考え方を受け止めることや、子どもと教諭の信頼感が大切−と結論付けた。
 褒め方としかり方について“自己採点”できるチェックポイントも列挙。「具体的に子どもの良さを認めて褒めていますか」「子どもの誤った行動をただす信念を持ち、自信を持ってしかっていますか」などの設問に答える形になっている。
■管理職の言い訳目的?
 埼玉県教委が、しかり方と褒め方について“マニュアル”まで作成した背景には、教諭の指導力に対する不信感がある。一方で教諭が委縮しているという見方も。教育現場からは「マニュアル化しても現実に対応できない」との声も聞かれる。
 小冊子作成のきっかけは、昨年六月の県議会で、自民党県議から「教諭も学校も保護者、PTAに対して委縮してしまっている。適切な教育指導行為を明確にし、基準となる指針を定める必要があるのでは」との質問が出たことだった。
 これに対し、稲葉喜徳県教育長は「行動基準を検討することは大変意義がある」と答弁し、基準づくりが始まった。
 質問をした県議は「学校教育は保護者が教諭を信用することが大事だ。ちょっとコツンとしただけで、『体罰だ』と教育委員会に駆け込まれてしまう。体罰と愛情のあるしつけは別ではないか」と話す。
 一方、現場には異なる思いがある。県立高校の男性教諭(53)は「現場はもっと複雑な人間関係の中で子どもに指導をしている。マニュアルは、事故が起こったときの管理職の言い訳のためにつくったのでは。褒め方やしかり方は状況に応じて違ってくるのが当然で、参考にならない」と突き放す。
 大田尭・東大名誉教授(教育史・教育哲学)は「書いてあることは基本的に間違ってはいない。しかし、教育は一期一会だ。筋書き通りにうまくいくものではない。今の教師は資料づくりなどに追い立てられ、子どもと触れ合う時間もままならないのが現状だ。教育環境を良くするのが先決で、指南書は行政こそが教諭に対して不信感を持っている、という証拠ではないか」と疑問を投げ掛けている。
2月19日 火星に生物やっぱりいた!?…!?…NASAなど大気分析(読売新聞)
【ワシントン=笹沢教一】米航空宇宙局(NASA)など欧米の2つの研究チームが、火星の大気に含まれる微量のメタンの分析から、「現在の火星にバクテリアのような生命が存在する可能性が高い」との見解をまとめたことが17日、明らかになった。
 英科学誌ニューサイエンティストや宇宙関連のニュースサイトが相次いで報じた。
 報道を総合すると、NASAエームズ研究所のチームは、火星のメタンは生命活動によって生産された可能性が高く、地表直下の土壌などに、地球の強酸性温泉に生息するような極限環境微生物が潜んでいるとの見方を強めている。今月13日に開かれた私的な会合で、仲間の研究者にこの見解を明かした。論文は今年5月の英科学誌ネイチャーに発表される予定だという。
 欧州宇宙機関の研究チームは、メタンの量が当初考えられたよりも多く、単純な有機物であるホルムアルデヒドの存在も突き止めた。「これだけの量の有機物を供給できるのは、今の知識では生命活動以外に考えられない」とし、近く専門学会で発表するという。
教職員の防犯訓練集中実施を 、殺傷事件受け文科省通知 (読売新聞)
大阪府寝屋川市の小学校で教職員が殺傷された事件を受け、文部科学省は18日、教職員を対象とした防犯訓練を集中的に実施することなどを、各都道府県教委などに通知した。
 通知ではこのほか、PTAや地域のボランティアによる学校内外の巡回、警察による防犯教室やパトロールの実施など、地域や警察との連携の推進も求めている。
 また、事件を受けて省内に設置された「安全・安心な学校づくりのためのプロジェクトチーム」の初会合も同日開催。防犯の専門家や、関係する他省庁の担当者の意見も聞いたうえで、年度内にも中間まとめを策定することで合意した。
 会合では、「子どもたちの安全確保を中心とした現行の危機管理マニュアルに、教職員の安全確保の視点も加えるべきだ」「各学校の安全上の弱点を診断する仕組みが必要」などの意見が出た。
大阪府、733小学校に警備員配置へ  教職員殺傷事件で (朝日新聞)
大阪府寝屋川市立中央小学校の教職員殺傷事件を受け、府は18日、大阪市を除く市町村の公立小学校計733校に4月から警備員を配置する方針を決めた。文部科学省の危機管理マニュアルにほぼ沿って教諭が対応しても被害が出たことを重視し、「プロの助けが必要」と判断した。事業の実施主体となる各市町村に府が経費の半額を補助する形で、05年度当初予算案に7億円余を追加計上する。都道府県単位で広く小学校に警備員を置くのは全国で初めて。
 府によると、各小学校が警備会社と委託契約を結び、1校に警備員を1人ずつ配置する。平日の登校時から下校時まで、主に校門に立って人の出入りをチェックしてもらう。単年度で終わらせず、継続事業とする。府の対応を受け、大阪市も市立小298校への警備員の配置について検討する。
 府の試算では、733校への配置には約15億円が必要。府の持ち出しとなる7億円余については、すでに05年度の当初予算案が固まっていることから、府有財産の売却や基金の取り崩しなどで財源を確保したうえで当初予算案に追加する。
 記者会見した太田房江知事は「今回の事件で、もし警備員が校門に立っていれば被害は防げたかもしれない。子どもや教職員が安心して学校に来られるよう、市町村には4月から導入してもらいたい」と述べた。
 府は警備員配置とは別に、地域住民や保護者らが登下校中に通学路や公園を巡回する「見守り隊」を05年度から全小学校に創設する。
 文科省は府の方針について「学校を舞台にした凶悪事件が大阪で相次いだこともあり、やむを得ない面がある。ただ、財政面から長期継続は難しいのではないか」(学校健康教育課)としている。
2月18日 文科省: 総合学習の時間の在り方を調査へ (毎日新聞)
文部科学省の義務教育改革推進本部(本部長=塩谷立・副文部科学相)は17日、小中学生や保護者、教員らを対象に実施する「義務教育改革に関する意識調査」の概要を明らかにした。2〜3月に調査し、4〜5月に公表する。「総合的な学習の時間」の在り方など中山成彬文科相が中央教育審議会に示した学習指導要領見直しの検討課題も調査項目に盛り込んでおり、中教審の議論や今後の政策に反映させるという。
 調査は
  (1)小学4〜6年、中学1〜3年
  (2)小中学生の子を持つ保護者・学校評議員
  (3)校長・教頭を含む教員
  (4)首長・教育長−−の数万人。
(4)は全員に実施したいとしている。
 (1)〜(4)にほぼ共通する調査項目は
  ▽総合学習▽習熟度別学習
  ▽学校で身につけ(させ)たい力
  ▽教員に求める力。
このほか、
  小中学生には勉強する理由や休日の過ごし方、
  保護者・地域住民には家庭教育で心がけていること、
  教員には多忙感とその原因を聞く予定だ。
【千代崎聖史】
少子化対策: 全国初、子ども3人以上世帯に各種割引 石川(毎日新聞)
石川県は、3人以上の子どもを持つ世帯を対象に、百貨店、コンビニエンスストアなどで割引サービスなどを受けられる「プレミアム・パスポート」制度を05年度から始める。また、妊娠時から最寄りの保育園に登録し、出産前からおむつ交換や授乳の指導を受けられる「マイ保育園」制度も導入する。少子化対策の一環で、同県によるといずれも全国で初めて。
 プレミアム・パスポートは、18歳以下の子どもを3人以上持つ県内の約1万9000世帯が対象。公営施設や協賛する民間のスーパー、ファミリーレストラン、薬局、子ども服専門店などを利用する際、パスポートを提示すると割引や、プレゼントなどのサービスを受けられる。
 県は今後、「子育てにやさしい企業推進協議会」を設置して協賛企業を募集し、来年1月からパスポートを使えるようにする。有効期限は1年で毎年更新する。
 「マイ保育園」は、県内7市町を対象に、妊娠した女性に母子手帳と一緒に登録票を配布。地域の公・私立保育園に登録し、「マイ保育園」として利用するモデル事業。
 妊娠中から、保育園で保育士の指導を受けて赤ちゃんを相手におむつの交換や授乳、離乳食作りなどを体験できる。出産後は、一時保育を無料で3回利用できるほか、3歳になるまで育児相談などにも乗ってもらえる。【山中尚登】
情報モラル: 学級活動で取り組む   京都市が指導案(毎日新聞)
学校でのインターネットなどの利用が広まり、ネット社会の危険やマナーについて、日常的に学ぶ必要があるとして京都市教委は、子供の発達段階に応じた小中学校の「情報モラル」の学習指導資料を作成した。
 同市では2004年度から5年計画で校内LAN整備計画を進めており、08年度にはすべての教室からインターネットに接続できるようになる予定で、ネットワークを使った学習や情報の共有なども普通教室からできるようになる。教室がインターネットにつながれば、子供たちはネット社会に直接、接することになるため、ネット社会についての知識やマナーを学ぶ必要性も高まる。このため同市は昨年9月、「子どもたちのインターネット等の『活用指針』検討プロジェクト」を発足させ、学校・家庭でのネット利用のガイドライン作りに取り組んできた。指導案はこの一環として作成した。
◇指導案の内容
 市では、指導内容を大きく「相手を大切にする」「自分を守る」の2つに分け、小学校では、それぞれを年2回ずつ計4回教えることにした。
 小学1年生はインターネット活用の事前学習として、ネットには接続せずに、「コンピューターの使い方」「パスワードの役目」などを学習する。2年生からは実際にインターネットの画面を見ながら、「情報の真偽」「情報の検索」「電子掲示板や電子メールのマナー」、3年生は「情報の検索」「電子掲示板やチャットのマナー」「個人情報の保護」−−など、だんだんと具体的な内容を学んでいく。
 総合的な学習の時間などのほか、特別活動やホームルームの時間にも取り入れられるように、1回の学習を25分間にして、小学校は6年間で24回、中学校は3年間で9回分の指導案を作成した。市教委の情報化推進総合センターの山本雅之所長は「情報モラル教育は、自分と相手を大事にするという点で、人権教育ととらえている。市内で校内LANを先行導入した学校で、疑似的な掲示板やメールを使った情報モラル教育に取り組んできたので、その実践例を元に指導案を作った。小中学校とも、すべての先生がすべての子供に教える一般的な内容で、教科学習ではなく学級活動などで取り組むことを想定している」と話した。
◇家庭での情報モラル教育
 家庭でインターネット利用についても、学校の指導に沿った形で利用してもらうことで、学習効果が上がり、子供たちも理解を深めることが出来ると考えた。そこで、家庭でも(1)利用開始は小学校2年生以上(2)使用目的や用途を親が把握する(3)インターネット(パソコン)を使う時間を決める(4)パソコンは居間など家族の共有場所に置く(5)ホームページを作成しているときは、公開前に保護者が確認(6)有害サイトを見ない(7)小中学生の掲示板、チャット利用は原則禁止(8)親も子供とともに学ぶ−−の8つの利用ルールを決めた。
 山本所長は「学校はネットワークセンターを通してフィルタリングをしているので、校内の掲示板などの書き込みもチェックできる。普通教室からネットに接続できれば、子供たちが自由に使えて教育効果も高い。しかし、家庭の状況は違う。フィルタリングを知らない保護者も多く、ネット環境が学校と違うことが心配だ。保護者に注意を促したい」と話した。各家庭には、学校を通じて「8つのルール」を配布し、無料でフィルタリング・サービスを提供しているインターネット協会のURLを紹介して利用を呼びかける。
 同市は「情報モラルの学習は、学校の授業だけでは対応できない。家庭と連携して子供のインターネット環境作りを進めたい」としている。【岡礼子】
2月17日 教員養成学部の定員抑制を撤廃へ 20年ぶりに転換 (朝日新聞)
文部科学省の調査研究協力者会議は16日、教員を養成する教育学部などの入学定員について、これまで約20年間続いた抑制方針を転換することを決めた。今後、膨大な数の教員が定年退職するうえ、少人数学級の編成で教員需要が高まることで、小中学校の教員が不足するため。これを受け、文科省は今年度中にも告示をして抑制を撤廃する方針。
 文科省の調査によると、全国の公立小中学校で今年度末に定年を迎える教員数は約7700人。これが、07年度末には約1万4000人にのぼり、18年度末には約2万5000人でピークに達する見込みだ。
 教員の年齢構成がいびつな状態になったのは、第2次ベビーブームで誕生した子どもたちが小中学校に入学した80年代ごろに大量に教員を採用したため。この反動で84年、教員は計画的に養成する分野に国から指定され、人数を増やさない方針が決まった。
 この影響で、教員就職率は低下し、国立大学では、87年度から教員養成課程の定員を他の分野に振り分ける動きが始まった。当時、約2万人だった同課程の定員は、少子化の影響も加わって今年度は47大学で計約1万人まで半減している。
 しかも、ベビーブーム以前に都市流入による人口急増があって一時期教員を大量採用した首都圏や近畿圏など大都市周辺では、すでに教員不足が始まっている。00年度と今年度を比べると、埼玉県で4倍近い1145人を採用。大阪府では6倍近い1755人で、東京都も2倍を超える2227人、愛知県で約2.5倍の1401人などとなっている。
 文科省は、既存の教育学部の定員増だけでなく、私立も含めて新たに教育学部を設置することも認める方針だ。
労使対立?教員10人「出入り禁止」 東京の私立高 (毎日新聞)
東京都三鷹市の学校法人大成学園・大成高校(殿前<とのまえ>康雄校長、生徒数886人)が今年1月から、教員10人に対し、校内への出入りや学外での生徒への指導などを禁じている。教職員の労組は不当労働行為として、都労働委員会に救済を申し立てた。さらに早急な対応を求める実効確保の措置勧告を16日、都労委に申請する。都私学部は「異例な事態」として、同校から事情を聴いている。
 同校によると、同校の教員は雇用期限のない専任が34人、期限つきの常勤講師が9人、非常勤講師が13人、嘱託4人。出入り禁止とされた10人はいずれも専任で、3年生の学級担任やクラブ顧問も含まれている。
 10人は勤続10〜28年。賃金は支払われており、担当の学級や部活動は別の専任や常勤講師が、授業は非常勤講師らを新たに入れて穴埋めしているという。
 関係者によると、100年を超す伝統のある同校では、これまで大きなトラブルはなかった。しかし、殿前校長が都立高校長を経て、03年4月に着任する直前、校長交代に反対した教員が主任職から外されたことなどから、教職員が労組を結成した。同年9月に組合員だった教員1人が「生徒への体罰」などの理由で解雇され、その後、労使の対立が激しくなったという。
 殿前校長は今回の措置について、「10人が職員室や生徒のいる場所で(校長や他の教員に)怒声を浴びせるなど、正常な学校運営や教育活動ができない」と説明している。卒業式にも出席させない方針で、4月以降の扱いは改めて検討する、としている。
 同校は、保護者に今回の措置を説明する文書を郵送した。一方、保護者や卒業生らは、10人を学校に戻すよう求める署名活動を始め、約2200人分が集まったという。保護者の一人は「学年途中の騒動で、子どもたちを不安にさせないでほしい」と話している。
朝練・夜練全面禁止、学校の事件相次ぎ…群馬の公立中(読売新聞)
大阪府寝屋川市の小学校で教職員3人が殺傷された事件などを受け、群馬県内の175の全公立中学校が、生徒の安全確保のため、早朝や夜間の部活動を全面禁止することになった。
 県教委が16日、市町村教育長代表による会議で、スポーツ、文化系を問わず禁止を打ち出し、一斉実施を要請した。24日までに時間帯などを決め、足並みをそろえて実施する。
 県教委は、校内に部活動担当以外の教職員がいない早朝と日没後の活動は危険として、全面禁止を要請。出席者からは「生徒が一生懸命取り組んでいる練習を禁止するのは疑問」などの反対意見もあったが、県教委は「教育的配慮と安全対策のバランスは難しいが、安全確保に効果がありそうなことはやらなくてはならない」と理解を求め、了承を得た。
2月16日 中教審: 指導要領、俎上に(毎日新聞)
学習指導要領と義務教育費国庫負担制度。義務教育の2大テーマを審議する中央教育審議会が15日、新メンバーで始まった。中教審に示した検討課題で、中山成彬文部科学相は「ゆとり教育」を発展させた現行指導要領の理念・目標を尊重する姿勢を示しつつ、授業時間数の配分や夏休みの活用など多岐にわたる検討を求めた。今秋の基本的方向性の提言を目指し、どこまで議論は深まるのか。国語、理数など基礎学力の向上に比重を置いた文科相の要請を受け、「ゆとり教育」の全体が議論の俎上(そじょう)に上る。義務教育費問題では、地方代表が不在のままという波乱含みのスタートとなった。【千代崎聖史、山下修毅、野倉恵】
 ◇背景に学力低下、削減授業の復活焦点
 PISA(学習到達度調査)とTIMSS(国際数学・理科教育調査)という二つの国際学力調査の結果を受け、子どもの学力低下を認めた文科省が指導要領をどう変えるのか。教育現場の関心は、この1点に集まっている。中山文科相が示した検討課題をたたき台に中教審の議論が進むとみられるが、完全学校週5日制と総合学習の同時導入(02年4月)で減った授業時間の復活が最大の焦点となるのは必至だ。ただ、文科相は社会的に普及している5日制の維持を前提としており、限られたパイの中での“標的”は、いきおい総合学習や中学の選択教科の扱いになりそうだ。
 授業時間の削減と学力低下の因果関係は実証されてはいない。文科省の義務教育改革本部長を務める塩谷立副文科相は現場の声を聴くため静岡県に出向いたスクールミーティングで「総合学習と学力低下は切り離して考えるべきだ」と述べ、個人的見解と断って「現行の総合学習の時間を減らして一般教科の時間に充て、減らした分を夏休みなどにまとめて行うのも一つ」と語った。
 3期目となる中教審の鳥居泰彦会長は15日の就任会見で、学力低下傾向や指導要領見直しの必要性を認め、「改めるべきところはできるだけ早いほうがいい。時代の変化も早い」と述べた。
 ただし、その鳥居会長も一方で「総合学習と学力低下を直ちに結びつけることは早計に過ぎる。学力低下はもっと長い時間をかけて起こったことだ」との認識を示した。基礎学力と並んで文科省が重視してきた「生きる力」に通じるPISA型学力でトップグループを維持するフィンランドで、授業時間数は日本と同じ程度で国際的には少ない部類に入る。導入から1年足らずで行われた二つの国際学力調査の結果を総合学習に求めることには疑問の声も根強い。
 「ゆとり教育」という言葉は77年、詰め込み教育や受験競争の過熱に対する反省から生まれた。現行指導要領の元になった96年の中教審答申は「自ら学び考え、判断する力(生きる力)の育成」と「基礎・基本の徹底」をうたう。その理念を踏まえ、小手先の授業時間の変更にとどまらず、「学力」問題の背景を直視した議論が求められる。
 ◇義務教育費問題 「地方枠」決着せず
 地方団体枠の委員2人を空席にしたまま、第3期中教審はスタートした。もうひとつの焦点である義務教育費国庫負担金の削減問題を背景に、地方側が全国知事会、全国市長会、全国町村会から計3人の委員を選ぶよう求めたのに対し、文部科学省は「地方は2人」を主張して譲らず、調整がつかなかったためだ。地方側が参加しないままの見切り発車は、中教審の「権威」にも影を落としそうだ。
 国と地方の税・財政改革(三位一体改革)では、公立小中学校の教職員給与の半額を国が負担する義務教育費国庫負担金の見直しをめぐって調整が難航。昨年12月に閣議決定された改革の「全体像」は、2兆5000億円の国庫負担金のうち8500億円を05、06年度で削減すると明記したものの、06年度以降の削減額は「05年秋までに中教審で結論を得る」として、中教審の論議に判断を預ける形になった。
 地方側が「3人」枠にこだわったのは、中教審の論議が文科省ペースになりかねず、多くの委員を送りこまなければ「地方も議論に参加したというアリバイ作りに利用されかねない」(知事の一人)と警戒したためだ。打開策として、文科省は中教審の正規委員とは別に、義務教育のあり方を集中的に検討する「特別部会」を設置し、地方代表3人を委員として迎える意向を示したが、地方側はあくまで中教審本体への参画を要求。1月末に予定していた特別部会の初会合も延期された。
 中教審はもともと文科省の影響を受けやすいため、地方不在のままの議論が進めば国庫負担金制度存続を主張する文科省の意向が反映された答申になる可能性がある。再任された鳥居会長は昨秋、国庫負担制度が廃止されるなら会長を辞める意向を示したこともある。しかし、自民党文教族の間からも「対立したまま、また予算編成に突入するようなことになりかねない」と、地方不在の運営を危ぶむ声が出ている。
 全国町村会の山本文男会長(福岡県添田町長)は15日、「文科省はそもそも地方の声を聞く気持ちがないのではないか。ゆとり教育見直しも義務教育費国庫負担金も、小中学校を所管する市町村の声を聞かずに進められるのか」と批判したが、地方側も何らかの形で議論に参加したいのが本音。中教審は月内にも特別部会を開催する構えだが、首相官邸は「自然の流れで決まると思う」(細田博之官房長官)と事態を静観しており、不正常な運営が長引く可能性もある。
 ◇第3期中教審の委員(未定の地方代表を除く。☆印は会長、★印は副会長。任期は2月1日から2年間)
 東京工業大学長・相澤益男▽早稲田大教授・安彦忠彦▽慶応義塾塾長・安西祐一郎▽津田塾大学長・飯野正子▽放送大学学園理事長・井上孝美▽上智大教授・猪口邦子▽東京大大学院教授・衛藤隆▽東京大大学院教授・金子元久▽青森大教授・見城美枝子▽長浜バイオ大教授・郷通子▽サントリー不易流行研究所部長・佐藤友美子▽東京都千代田区立麹町小学校長・角田元良▽理化学研究所理事長・野依良治▽音楽評論家・湯川れい子(以上新任)
 日本PTA全国協議会会長・赤田英博▽JR東日本フロンティアサービス研究所長・江上節子▽兵庫教育大学長・梶田叡一▽全日本自動車産業労働組合総連合会会長・加藤裕治▽★大学評価・学位授与機構長・木村孟▽東京大大学院教授・黒田玲子▽三井物産戦略研究所所長・寺島実郎▽☆日本私立学校振興・共済事業団理事長・鳥居泰彦▽国際教養大理事長、学長・中嶋嶺雄▽ジャーナリスト・野中ともよ▽スポーツジャーナリスト・増田明美▽国立少年自然の家理事長・松下倶子▽★キッコーマン会長・茂木友三郎▽東京都教育長・横山洋吉(以上再任)
■中山文科相が中教審に示した審議事項■
<初等中等教育改革の推進方策>
<1>学校教育の諸制度の在り方
*義務教育の理念達成に求められる教育内容、教育成果の評価方法、国と地方の関係、義務教育にかかる経費負担など
<2>教育課程と指導の充実・改善方策
(1)「人間力」向上のための教育内容
*道徳教育や芸術教育の改善、体力・気力の向上、食育の充実など
*世界トップレベルの学力復活を目指した教科内容(国語力育成、理数教育・外国語教育の改善充実)
(2)学習指導要領の枠組み
*身につけるべき資質・能力の到達能力の明確化など
*授業時数などの見直し(各教科と総合的な学習の時間の授業時数、土曜日や長期休業日の取り扱いなど)
(3)学ぶ意欲を高め、理解を深める授業の実現など指導上の留意点
(4)地域や学校の特色を生かす教育の推進
<地方分権時代の教育委員会の在り方>
<教員養成・免許制度の在り方>
ゆとり教育など検討課題に(毎日新聞)
中山成彬文部科学相は15日、東京都内で開かれた第3期中央教育審議会の初総会で、学習指導要領全体の見直しに向けた具体的な検討課題を示した。「世界トップレベルの学力の復活」のため国語力育成や理数教育の充実などを掲げた。完全学校週5日制は堅持するが、総合的な学習の時間や土曜日・長期休業日の活用などで授業時間数を見直す検討も求めた。中教審は05年度4250億円が暫定削減された義務教育費国庫負担金の恒久的措置と合わせ、今秋までに基本的な方向性を提言する。
 1日付で任命された新委員28人(うち再任14人)の初会合で、会長には鳥居泰彦・前会長を選んだ。全国知事会などから迎える予定の委員数で地方側との調整がつかず、文科省側が見込む地方代表2人分が空席のままのスタートとなった。
 中教審への説明で文科相は「詰め込みではなく、基本的な知識や技能を身に着けさせ、自ら学び考える力などの『生きる力』をはぐくむという現行指導要領の理念や目標に誤りはない」と「ゆとり」路線の方向性を踏襲した。ただ「その狙いが十分達成されているか、必要な手立てが十分講じられているかに課題がある」と手法を見直すべきだとの認識を示した。
 具体的には、昨年末公表された二つの国際学力調査で指摘された学力低下傾向を受け、「すべての教科の基本となる国語力の育成」や理数教育、外国語の学習内容の充実などを挙げた。授業時間数見直しでは、ゆとり路線の象徴的存在でもある総合学習の削減も視野に入れているとみられ、基礎・基本重視へとかじを切る姿勢をにじませた。
 学力低下の背景として憂慮されている「学ぶ意欲」の低下についても、補充的指導が必要な子どもへの手当てや授業改善などの検討を求めた。指導要領については初等中等分科会の教育課程部会を中心に議論される。義務教育費などの在り方を集中審議する総会直属の義務教育特別委員会は部会へと格上げされた。【千代崎聖史】
 ◇大阪教職員殺傷事件受け、学校の安全に関する意見相次ぐ
 15日に開かれた中央教育審議会の新メンバーによる初総会では、大阪府寝屋川市立中央小学校で14日、教職員3人が殺傷された事件を受けて、学校の安全に関する意見が委員から相次ぎ、危機感を浮き彫りにした。
 千代田区立麹町小学校長・麹町幼稚園長の角田元良さんは「寝屋川の事件などが起きると、学校批判だけが出てくる。学校には大切な子供がいるのに、子供を守る人を配置する状況にない。こうした条件整備こそ大事であり、具体的な問題から論議していきたい」と話した。
 上智大教授の猪口邦子さんは「放課後の安全を考えるならば、例えば小学校に学童保育施設を導入してもらいたい。スクールバスでの送り迎えなども考えてもよいのではないか」と投げかけた。また、スポーツジャーナリストの増田明美さんは「寝屋川事件で逮捕された少年は閉じこもってゲームをしていて、生活のリズムが崩れた。体を動かす場所があって、よいコミュニケーションを取れていたら、違ったと思う。そうしたことから考えたい」と述べた。【北川仁士】
主要教科の授業時数増へ 「ゆとり」転換、学力重視 文科相、中教審に検討要請 (東京新聞)
 中山成彬文部科学相は15日、「ゆとり教育」を掲げた学習指導要領の全面的な見直しを中央教育審議会に要請した。
 各教科の授業時間数の検討も表明。対象教科は明示していないが、文科相が国語、算数、理科などの学力低下を懸念し、これまでに「総合的な学習の時間」を見直す意向も示してきたことから、主要教科の授業時間数増の方向で検討が進むとみられる。
 授業時間や教科の内容を削減し「自ら学び、自ら考える力を養う」ことを目指して、2002年に小中学校で導入したばかりの新指導要領の全面的見直しは、学校現場の混乱を招きそうだ。
 文科相は「世界トップレベルの学力復活」を掲げ、国語や理数教育、外国語教育の充実や、土曜日や夏休みなど長期休みの活用の検討も求めた。中教審は今秋までに、基本的な方向性を取りまとめる。
 文科相はゆとり教育について「理念や目標に誤りはない」としたが「狙いが十分達成されているか、必要な手だてが十分講じられているかが課題だ」と強調した。
 文科相は中教審出席後、記者団に「国語、基本教科をばっちりやってもらいたい。日本の教育の大転換になるかもしれないが、子どもの将来や日本にいいことなら、(方針転換の)結論も受けるべきだ」と語った。
 中教審はこの日、第3期の委員による初の総会を開き、会長に鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問を、副会長にキッコーマン会長の茂木友三郎氏と大学評価・学位授与機構長の木村孟氏を選出した。
 鳥居氏は01年の第1期中教審発足以降、継続しての会長就任。三位一体改革の義務教育費国庫負担制度の在り方で、今秋までに中教審の結論が求められる中で、引き続きかじ取り役を担う。
 また地方枠の中教審委員数をめぐり、文科省と地方6団体の調整はこの日までに決着せず、地方代表抜きの総会開催になった。同省は「重要な課題が山積し、先延ばしできない」としている。
文科相 、ゆとり教育の全面見直し審議要請へ (日経新聞)
中山成彬文部科学相が、15日午後の中央教育審議会総会で、審議を要請する学習指導要領の見直しなどの全容が明らかになった。総合的な学習の時間、土曜日や長期休業日の取り扱いを検討し、授業時間数の見直しを審議することなどが柱。国語や理数教育の改善充実も求めており、「ゆとり教育」を掲げた学習指導要領の全面的な見直しを要請する内容だ。
 指導要領の見直しの観点は四つ。学力向上については世界トップレベルの学力の復活を目指すため、すべての教科の基本となる国語力の育成や、基本的な学習内容の定着を目指す理数教育や外国語教育の改善充実などを検討する。授業時間数の見直しについては、各教科や総合的学習の授業時間数の在り方、学校週5日制の下での土曜日や長期休業日の取り扱いを審議する。学ぶ意欲を高めて理解を深める授業の実現のため、個性や才能を伸ばす教育の推進や、補充的な指導の必要な子供への教育の在り方、教科書や指導方法の改善など、わかる授業の実現に向けた方策を検討する。
小論文、コンピューターで自動採点 入試センターが試作(朝日新聞)
入試で出題される小論文をコンピューターで自動採点する試みが大学入試センターの研究者のもとで進んでいる。第1号のシステムは試作済み。文法、表現が複雑な日本語を精密に読み解くにはまだ課題がある。しかし、実用化されると、採点に時間がかかり、採点者によるばらつきが出やすい小論文の判定に威力を発揮しそうだ。
 同センター研究開発部の石岡恒憲助教授が中心になって開発してきた。米国のビジネススクールの小論文試験で使われている自動採点システム「e−rater」を参考に取り組んでいる。
 試作システムは「Jess」(ジェス=Japanese essay scoring system)といわれる。パソコン入力された800〜1600字程度の小論文を、(1)文章の形式(2)論理構成(3)問題文に対応している内容か――の三つの観点から評価し、標準的には、(1)を5点、(2)を2点、(3)を3点の計10点満点で判定する。「語彙(ごい)の多様性が不足」「議論の接続が不十分」「問題文との関係が希薄」などの短いコメントと点数で1、2秒後に判定を打ち返す。
 Jessは、あらかじめ、理想の小論文として全国紙の2年分の社説、コラム計約2000本を記憶し、「学習」している。文の長さ、漢字・かなの比、言葉の多様さ、受動態の割合、接続詞の使い方などの統計分布から割り出し、模範に近いほど高い点数を与える仕組みだ。
 石岡助教授らは、Jessの力を測るため、実際に入社試験などで書かれた小論文、作文を自動採点し、国語教師ら専門家の採点との違いを比べている。テーマが客観的で、やや長めの文章ならば両者には大きな開きが見られなかったという。
 日本語の文章は、接続詞を省くなど特有の言い回しがあり、起承転結をつかみにくい。Jessの実用化には、こうした難解な表現を読みこなす能力が欠かせず、長い文章をコンピューターで短くまとめる文書自動要約の技術を応用するなどの研究が続いている。
 最新の科学技術用語などにも対応できるようにJessの「学習」の幅を広げることも課題になっている。
 大学入試センターはセンター試験を実施するだけでなく、将来に向けて海外の試験や採点の動向も視野に幅広い研究をしている。自動採点システムの開発もその一環だ。
 小論文は、従来のペーパーテストではとらえにくい思考力、表現力などを測る目的で導入する大学が急速に増え、文部科学省の調べでは今年春の入試で、86%の国公立大が個別試験に取り入れることにしている。私立大でも実施校が相当数にのぼる。
 しかし、小論文は評価が難しく、複数の採点で判定するなど時間、労力の両面で大学側の負担が重いため、受験生の多い学部は導入を見送っているのが実情だ。
教育の情報化: IT利活用は停滞の危機  JAPET(毎日新聞)
社団法人・日本教育工学振興会(JAPET)は、学校教育でITを活用するための方策をまとめた「ポスト2005年に向けた『教育の情報化』の課題と提言」を発表、教育の情報化に関係する文部科学省、経済産業省、総務省に提出した。
 JAPETでは2001年に政府が「e−Japan戦略」を発表したのに対応して、学校現場と教育産業の立場から教育の情報化の推進策を提言した。さらに03年に「e−Japan戦略2」が公表されたが、教育の情報化の目標年度の2005年度までに、目標の達成が困難なものも多いと予測されたため「e−Japan構想2検討委員会」を設け、現状の検証とポスト2005年に向けて課題をまとめ、報告として公表した。
 「課題と提言」は第1章「e−Japanの進捗状況と課題」、第2章「IT利活用促進のための施策」と資料からなる。第1章「e−Japanの進捗状況と課題」では、ITの整備状況について「インフラ整備は進みつつあるが、普通教室のパソコンや校内LANの整備は進んでいるとは言えず、すべての学級でのコンピューター利用ができる環境にない」「ハード優先で整備したため、ソフトウエアの整備が遅れている」と指摘した。その上で「日本は先進諸国と比べても、利活用は遅れている」と指摘、「日本は利活用停滞の危機に迫られていると認識すべきだ」と訴えている。さらに「教職員の事務情報化の遅れ」「教員のスキル不足」「教員研修の問題」など克服すべき課題を列挙した。
 第2章「IT利活用促進のための施策」では、第1章の現状分析をもとに、具体的な提言を行った。「学校事務の情報化の推進」では▽地域の教育委員会や他の学校との連携をベースにシステム化し、標準化を進める▽教職員1人1台のコンピューター配備を挙げ、「一般教科でのITの活用とIT環境の整備」では▽ブロードバンド化と校内LANの整備▽ノートパソコンと周辺機器の整備▽いつでもソフト(教材)を使える環境の実現、「サポート体制の確立と地域教育IDCの設置」では▽地域の学校群ごとにサポートセンター(地域教育Internet Data Center)を置き集中管理する▽IDCなどの要員に教育情報化コーディネーターを活用するーーなどの具体案を示した。
 検討委員会報告の購入、問い合わせはJAPET(03−5251−0751)へ。
2月15日 環境の大切さ、南極から学ぶ左京・高野中 京教大助教授が講演(京都新聞)
南極の生物調査をするため、観測隊の一員として参加した京都教育大の板東忠司助教授の講演会が14日、京都市左京区の高野中で開かれた。生徒や学区内の小学生が、南極の自然についての話に聞き入り、環境の大切さを学んだ。
 板東助教授は1995年11月から約1年半、第三十七次南極観測隊の隊員を務めた。講演会には生徒約320人と、今春から同中に入学する養徳小6年生75人も参加した。
 板東助教授は「木の無い大陸」をテーマに講演。ペンギンが、かわいらしく歩き回る姿や神秘的なオーロラの様子をビデオで紹介。この後、南極には木がないことを話し、「陸地の池の水温は0度から5度と比較的温かく、藻やコケがたくさんあります」と、水中の生物の豊かさを説明した。
 子どもからの「生活リズムはどうなるの」という質問に「太陽が昇らず、逆に沈まない時もがあるが、食事の時間が一定だったので、生活リズムは崩れませんでした」と答えていた
小学校に刃物少年、教職員3人が死傷(京都新聞)
14日午後3時10分ごろ、大阪府寝屋川市初町、市立中央小学校(坂根博一校長)に、同校卒業生の少年(17)が刃渡り約20センチの包丁を持って侵入し、教職員の男女3人を次々に刺した。5年生の担任教諭、鴨崎満明さん(52)が背中を刺され間もなく死亡し、残る女性2人も重傷を負った。寝屋川署は殺人未遂の現行犯で少年を逮捕。殺人容疑で動機や侵入経路を追及している。
 児童8人が殺害された2001年の大教大付属池田小事件以降、文部科学省が「不審者侵入時の危機管理マニュアル」を作成するなど、全国で学校の安全確保対策が強化されたが、今回は校内への侵入を防げず、改めて学校の安全対策が課題であることを露呈した。
 事件当時は6時間目の授業中。児童にけがはなかったが、少年の逮捕後、教師の誘導でグラウンドに避難し、保護者らに付き添われて集団下校する事態となった。
 少年は職業不詳で、調べに対し、名前以外、何も話していないという。調べによると、鴨崎さんは校舎一階中央付近で、倒れていた。重傷の2人は2階の職員室内で襲われた。
2月14日 厚労省、キャリア支援員を大学に派遣・若者就業支援へ(日経新聞)
厚生労働省は学生や会社員らの適性を踏まえて職業選択などを助言する「キャリアコンサルタント」を大学に派遣するモデル事業を来年度から始める。離職や転職の多い若者らの就業を円滑にすることで、本人の希望と求人が合わない「雇用のミスマッチ」の解消につなげる狙いだ。
 キャリアコンサルティングは、労働者が自分の適性や職業経験に応じた仕事と生活の設計ができるよう、個別面談などを通じて職業選びや能力開発を支援する仕組み。カウンセリングの発達した米国などで普及している。日本では就職支援会社が個別に講座や資格試験を実施しており、政府は要件を満たす民間の資格を助成対象にしている。
 政府は来年度、10校程度の大学にキャリアコンサルタントの資格を持つ人材を派遣。実際の就業効果を検証するモデル事業に初めて取り組む。個別相談に加え、模擬面接や学生同士が自己表現しあうグループワークなどを通じて、学生の自己理解や目標設定を支援する。
大学生らが放課後に学習支援市立小に派遣 尼崎 (神戸新聞)
放課後、教員志望の大学生が宿題を指南します―。尼崎市教委は四月から全市立小学校で、学生や教員OBを活用した児童の学習支援に乗り出す。同市の小中学生の得点率が全教科で全国平均を下回るという、昨年の学力調査の結果を踏まえたてこ入れ策で、全校対象のこうした試みは兵庫県内では例がないという。市教委は「年齢が比較的近い学生から、学ぶ楽しさを教わってほしい」と期待している。
 調査は昨年五月に実施され、同市内からは市立学校の小五、中一、中三生計一万三千人が参加。学力では全国平均を上回る科目がなかった。
 このため、二〇〇五年度当初予算案では学力向上施策に約五千七百万円を計上。まず、自主学習支援事業として教員志望の学生や教員OBを指導補助員として採用し、四十四の全小学校に派遣。週三日程度、放課後に補習をしたり、宿題の調べ方などを指導する。
 昨年の調査では、学力格差に加え、家庭学習を「ほとんどしない」という生徒が中三では32%と全国平均の四倍もいた。「小学生のうちから自ら学習する意識や習慣を養うべき」と、全小学校で実施することにした。
 さらに弱点教科を克服するため、小学校では国語、算数の授業で担任をサポートする指導員を増員し、一校あたりの派遣日数を一・五倍にする。中学校は数学の習熟度別学習の充実に、教員免許を持つ四人を採用する。
 全国平均との格差が大きかった社会と理科は、小中学校が連携して授業方法や教材を開発。先進的な学校を視察して教員が優れた授業を学ぶ。
 また、集中力向上を目的に小学校のカリキュラムに組み入れているそろばんの授業も四月から拡充。「家庭とも連携しながら、きめ細かな教育を推進していきたい」(学校教育課)としている。(竹内 章)
2月13日 「スクールミーティング」 文科相らに“生の声” (産経新聞)
≪週5日制「見直して」 総合学習「環境が整っていない」≫
 今年に入り文部科学省の中山成彬大臣をはじめ、副大臣、幹部が日本各地の学校を訪れている。義務教育改革を進める同省が主催するスクールミーティング。教育行政のトップを前に、懸案の「ゆとり教育」とその象徴でもある「総合的学習の時間」についても賛否が百出している。中には生徒と教員で責任を押しつけ合うような意見も出された。ミーティングの予想外の盛り上がりは、現状への不満の高さを反映しているともいえそうだ。(豊川雄之、田中万紀)
 ≪異論≫
 「子供も保護者も、意識が高いねえ。これほど(教育に)関心を持っているとは思わなかった」
 今月7日に埼玉県熊谷市立荒川中を訪問した小島敏男文部科学副大臣は、そう漏らした。小島副大臣にとって初めてのスクールミーティングは自らの母校への“里帰り”。生徒代表と教員代表から個別に意見を聞いたが、ともに浴びせられたのは、学校週5日制と総合学習反対の集中砲火だった。
 「子供を地域に返すため、と土曜を休みにしたのだが受け皿がない。小学生なら地域のスポーツ活動もあるが、中学生対象の地域活動なんてほとんどない」「子供は家でゴロゴロするばかり。土曜に授業した方が『ゆとり』につながるのでは」
 さらには生徒からも、「土曜が休みになった代わりに、平日は毎日6時間授業。土曜を3時間にして、平日を5時間にしてもらった方がいい」との注文もついた。
 強硬意見にたじたじの小島副大臣は「ゆとり教育は20年前から議論され続け、ようやく実施された。でも議論している間に、世の中の状況が変わってしまった」と説明。文科省の担当者は「5日制の見直しは考えていない」としたが、土曜の過ごし方を考え直す必要はあると、受け皿づくりの不備を認めた。
 ≪教員の力量≫
 教科書がないため教師の力量に負う点が多く、「未消化」と批判される総合学習についても、1人の男子生徒が「総合学習は環境が整っていない。やれといわれてパソコンに向かうだけ。もう少し環境が整ってからでいいのでは」と、暗に教員の力量不足を指摘した。逆に教員からは「子供の能力的個人差が大きい。自分でテーマを決められなかったり、出てきた資料を読めない、分析できない子供が少なからずいる。そのためにテーマを深められない。そういった子供からみると、総合学習はやらされているとなる」と、生徒の学力不足が未消化の原因という意見もだされ、混迷する総合学習の実情を印象づけた。
 副大臣は「総合学習には先生も戸惑っている。熊谷のような都会と地方の中間的地域と、都心、山間部・離島では意見も違うだろう」と語った。
 ≪授業の「質」は≫
 翌8日には、中山文科相が「総合学習優良校」の例として千代田区立番町小学校を視察した。
 1月に訪れた宮崎県の小林中学校では「総合学習を含めて(授業時間を)どうするかだ」と、総合学習削減の可能性を示唆した中山文科相は、5年生が総合学習の時間を使い、個々に学習してきた内容を4、5年生を前に発表するための準備作業を視察した。
 都心の一等地にあり、学区域外の児童が約半数で、中には1時間近くかけて通ってくる子供もいる「人気校」の授業。お菓子について研究してきた女子児童が発表のリハーサルを披露し、アンケート結果を効果的に見せるために、グラフを張り出す順序を工夫するなど、高度な「プレゼンテーション技術」を議論し、文科相が「ほうー」と感嘆の声を挙げる場面もあった。
 視察後、中山文科相は「総合学習はちゃんと活用されれば、素晴らしい効果があるが、そのためには教員に大変な労力、エネルギーがいる」と感想を述べた。しかし「おろそかにしたら無駄な時間。基本的な教科をやったほうがずっとましだ。すべては先生の質の問題。いかに素晴らしい、熱意のある先生を確保していくかが大事」とも述べ、教員によって授業の質が大きく左右される総合学習の問題点について認識を新たにしていた。

  ■スクールミーティング義務教育改革の参考にするため、文部科学相はじめ副大臣、政務官、文部科学省幹部らが、母校を皮切りに全国の学校現場を行脚する試み。昨年末、文科省内に発足した「義務教育改革推進本部」の会合で、広報活動強化の一環として提案された。今夏までに全国約3万校の学校の1%にあた300校を訪問する予定。聴取した意見は、今秋にも中央教育審議会で結論が出される義務教育改革に反映されることになっている。
2月12日 教育振興も「自己責任」時代 京都府の05年度予算案 私立校の運営補助金(京都新聞)
私学振興も「護送船団」から「自己責任」の時代へ−。京都府は2005年度から、府内の私立高に支給する私学運営費補助金について、生徒数に基づいた従来の修学支援に、学校の経営努力などに応じて上乗せする「2階建て」の支援制度を本格的に導入する。
 「1階部分」の修学支援は、一定の年収に満たない家庭の生徒を対象に、1人当たり4万8000円を補助。前年度よりも単価を4000円アップする。
 一方、上乗せする「2階部分」は、財務諸表の公開や中期経営計画の策定など経営努力の度合いや、教育内容で「オンリーワン」を目指す取り組みに応じて支給する。
 私立学校法の改正で、2004年度決算から財務諸表の公開が義務づけられるが、府独自でより厳しい公開基準を設けることで、「外部の評価にたえる、ガラス張りの私立高経営」(文教課)を促したい考えだ。
 教育内容に応じた補助金配分については、04年度から実施しているが、支援メニューを倍増する。特色ある学科・コースの設置や中退対策、伝統文化の体験学習など六十二のメニューについて、10万円から250万円の範囲で補助する。
 2階部分の補助金総額は05年度当初予算案で前年度比19%増の6億1900万円を確保した。府文教課は「少子化で私立高も厳しい競争にさらされている。さまざまな工夫に応じて補助金の配分を変えることで、各校の経営努力を誘導したい」としている。
私学への補助金/県、削減方針を撤回  学校関係者ら安堵の声(滋賀県)(朝日新聞)
財政悪化を理由に、県が私立学校への運営補助金を削減し、生徒の学費補助を廃止する方針を示していた問題で、国松善次知事は9日、方針を撤回して来年度以降も支援を続けることを明らかにした。県の削減・廃止方針に反発していた私立学校関係者や保護者からは安堵(あんど)の声が聞かれた。
  県は1月、今後3年間で実行する財政構造改革プログラムの中で、県内の私立の幼稚園、小・中学、高校への運営補助金のうち、県が国の制度に上乗せしている額(総額の約15%)を来年度から全額削減し、県外の私立高校へ子どもを通わせている家庭への学費補助なども廃止して、総額で約4億3千万円を削減する方針を示していた。
  これに対して、保護者や教職員らによる「滋賀の私学助成をすすめる会」などが、撤回を求める陳情書を国松知事や県議会に提出したほか、生徒や保護者ら約700人が県庁前で「私学教育を守る集い」を開いたり、JR大津駅前などで県民らに支援を呼びかけたりしてきた。
  国松知事はこの日、「当初は全面廃止する予定だったが、私学振興には(補助金などは)必要だと改めて認識した。助成は削らない。来年度に限らず出来るだけ堅持していく」と述べ、財政構造改革プログラム期間中も現行の支援を堅持するとした。国松知事は「いろいろ考えたり、意見を聞いたりして決めた」と話した。
  補助金が継続されることについて、松村実・私学助成をすすめる会副会長は「保護者や生徒、学校が手をつなぎ運動してきた成果」と喜び、今後も公立との負担額の格差を縮めるため、補助金を増額するよう県に働きかけるとした。
  県私立中学高校連合会長の西村勝晴・比叡山中学高校長は「補助金削減は授業料に跳ね返る可能性が高く、方針撤回はありがたい」と話した。
国立大授業料、1万5千円上げ大勢も初の格差(読売新聞)
国立大の年間授業料の「標準額」が今春、52万800円から53万5800円に1万5000円引き上げられることに伴い、全83国立大学のうち、43大学がすでに標準額通りの値上げを決定したことが11日、読売新聞の調べで分かった。
 24大学が同額の値上げを検討中のほか、据え置きや値上げ幅を抑える大学も登場。少子化を背景とした大学の生き残り競争が激しさを増す中で、横並び主義でやって来た国立大の授業料に、初めて格差がつくことになった。
 調査は1月31日現在で、各大学担当者に値上げの有無やその理由、授業料の徴収方法などを聞いた。
 それによると、今春から授業料の53万5800円への値上げを決定したのは東大や一橋大、大阪大など。名古屋大や京都大なども同額の値上げを検討している。
 教育研究の基盤整備のために国から交付される「運営費交付金」が削減傾向のため、大半の大学は「値上げしなければ、大学運営が困難になる」と、“苦渋の選択”であることを強調。「据え置けば3億円近い減収。これは助教授30人分の人件費にあたり、学生サービスの維持が困難になる」(大阪大)などと、具体的な数字を挙げて理解を求めたところも目立った。
 これに対し、佐賀大は「減収分は教員数の削減などの経営努力でカバーできる」として、唯一、52万800円のまま据え置くことを検討中。愛媛大は「貧しい家庭から大学教育の機会を奪うべきではない」として、今春は財源不足を補える分に相当する9600円の値上げ幅にとどめた。
 このほか、小樽商科大は、値上げを後期納入分の7500円だけとし、前期は据え置きに。東大も大学院博士課程については、「独立家計の学生や外国人留学生が多い」と値上げを見送った。
 値上げするかどうかも含めて検討中のところは、東京工大やお茶の水女子大など13大学だった。
 ◆標準額=国立大の年間授業料の目安となる値で、昨年春、国立大の法人化に伴って導入された。各大学は標準額の10%まで授業料を値上げできるほか、据え置きや値下げも可能になった。それまで、国立大の授業料は国が一律に定めており、1975年度には3万6000円だった。近年は2年ごとに授業料が値上げされている。 (コメント 多分少子化社会を招いた最大の要因だと思う)
2月11日 “セクハラ度”自己点検を 、先生に大阪府がリスト配布(読売新聞)
相次ぐ不祥事に業を煮やした大阪府教委は10日、強制わいせつやセクハラなどの兆しを教職員自身に自覚させる自己点検リストを作成、府内の公立小中高校などの教職員約5万人に配布を始めた。
 並べた点検項目は計145。懲戒処分で給与などをどれだけ失うかも“モデルケース”で示した。「恥ずかしい点検リストだが、『明日は我が身』と危機感を持たせ、不祥事を減らしたい」という苦肉の策だ。
 30ページで不祥事を7分類。「強制わいせつ」では、
  ▽児童生徒を性的対象として見ていないか
  ▽児童ポルノに興味を持ち始めていないか
  ▽13歳未満なら、合意があっても強制わいせつと知っているか
――など。
 「セクハラ」では、特定の児童生徒と
  ▽私的な電話やメールをしていないか
  ▽記念日と称して贈り物や手紙のやり取りはないか、
などをチェックさせる。
 ほかにも
  ▽体で覚え込ませないとわからない、との思い込みはないか(体罰)
  ▽返すつもりで公金を一時的に借りても犯罪だと知っているか(横領)
  ▽飲んで車に乗ろうとする同僚に「乗るな」と言えるか(飲酒運転)
などを挙げている。
 さらに、40歳モデルで懲戒処分での生涯給与の損失額を例示。府立高では戒告で64万円、停職3か月で312万円、懲戒免職では1億6800万円に加えて、退職手当2800万円までフイにするとした。
 府教委は今年度、過去最多の33人を懲戒処分し、うち12人は免職。昨年11月に検討チームを設け、再発防止策を練ったが、「不祥事が多く、参考例には困らなかった」という。
個人指導の非常勤講師がセクハラ 、鹿児島大が諭旨解雇(読売新聞)
鹿児島大(鹿児島市)は9日、同大の50歳代の男性非常勤講師が自宅で女子学生の体を触るなどのセクシュアルハラスメント(性的いやがらせ)を行ったとして、諭旨解雇処分にすると発表した。10日に通告する。
 同大によると、講師は昨年12月初旬、学生の個人指導を自宅で行っている最中、胸などを触った。講師は数年前からこの学生に、有料で個人指導を行っていたが、セクハラ行為は今回だけだったという。
 同大では、昨年も共同教育研究施設の男性助教授が、複数の女子学生に対するセクハラ行為で諭旨解雇された。また、男性助手も女子学生の部屋をのぞこうとして建造物侵入の現行犯で逮捕され、停職1か月の懲戒処分を受けている。
教育の情報化:  第2回検討会を開催  文部科学省(毎日新聞)
今後の「教育の情報化」について検討する文部科学省の「初等中等教育における教育の情報化に関する検討会」の第2回が9日、同省で開かれた。
 この日は(1)ITを活用した指導による学力向上等について(2)学校教育の情報化の今後の姿について−−の2点について議論した。
 お茶の水大学の坂元章教授は、東京都三鷹市の小学校で昨年行った「ITを活用した学力向上プロジェクト」について報告した。2003年の2、3学期、04年の1学期に約200人の児童にドリル型コンテンツを使った学習をさせ、コンテンツ使用前と使用後のテスト結果を比べ、学力が向上したかどうかを調べた。坂元教授は「03年2学期のコンテンツ利用は3学期の学力を高めた」と結果を報告、同時に「04年1学期の学力に、前学期までのコンテンツ利用の影響はなかった」との結果を述べた。坂元教授は「04年は学年も変わり、新しい学習内容になったために効果がみられなかったのではないか。しかし、そのことは、3学期の学力向上がコンテンツ利用によってもたらされたことを裏付ける」と述べた。
 また、教員への聞き取り調査では、「コンテンツが『生徒のやる気』に効果があったと答えた教員が70%。一方で、準備の効率がいいと答えたのは24%だった」と説明した。
 検討会座長の清水康敬・NIME理事長は、経済協力開発機構の学習到達度調査(PISA)で、ICTの活用頻度を調査した結果について報告し、日本がOECD平均より大幅に低いことを指摘したほか、ICT活用と学力向上の関係について、英国の調査結果を基に「ICTを指導に活用している学校、生徒がICTを活用している学校の方が、相対的に成績がいい結果が出ている」と述べた。さらに、日本でのICT活用について、ITを活用した授業を設定し、その授業が子供の学力向上に役立つかどうかを、全国5000校の教員を対象に調査していると説明した。
 また、「ポスト2005に向けた『教育の情報化』の課題と提言」と題して、玉川大学学術研究所講師で日本教育工学振興会(JAPET)理事の鈴木光さんが、JAPETの「e−Japan構想2」検討委員会報告について話した。提言は「教員のスキル不足」「ソフト整備の遅れ」「一般教科での活用が遅れていること」−−など、現状の5つの課題を指摘し、提言として「学校での利活用の活性化」を掲げている。
傍聴者も多く、委員からは活発な意見がだされた。
 委員からは
▼ITに苦手意識を持つ教員にとって、初めから難しいことを要求されると抵抗感が強い。簡単な実践でも、一度でも成功すれば欲が出て、活用するようになる
▼授業で使うとき、少しでも待ち時間があると子供は退屈する。ストレス無く使えるコンテンツを現場に示すことができれば
▼子供のためにITを導入するんだという目的をはっきりさせるべきだ
▼これまでやっていることがこんなに楽になるというメリットを目に見える形で示すことが必要−−といった意見が出された。
 次回は3月16日に行われる。【岡礼子】
第1回検討会の議事録
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/027/gijigaiyou/05012101.htm
eラーニング: 地球規模のコンテンツ共有を考えるシンポ(毎日新聞)
さまざまな国や地域で開発された学習コンテンツを蓄積、共有し、再利用を図ることを目指した国際ネットワーク「GLOBE(Global Learning Object Brokered Exchange)」を日本、EU、オーストラリア、カナダ、米国の5つの機関で設立することが昨年、基本合意された。これを記念して日本からGLOBEに参加するメディア教育開発センター(NIME)がシンポジウムを開く。
■日時      16日13:00〜17:00
■場所      日本科学未来館(東京都江東区青海2−41)
■参加費     無料
■定員      200人
■申し込み    事前申し込みが必要=GLOBE設立記念シンポジウムのサイトから=
■プログラム
13:00〜 開会の辞  清水康敬・メディア教育開発センター理事長
13:10〜 来賓あいさつ  松澤孝明・文部科学省高等教育局専門教育課企画官
13:20〜 講演「LOMによる教育コンテンツの共有に関する日本の現状と計画」=清水康敬・メディア教育開発センター理事長
14:30〜 シンポジウム「学習コンテンツ共有再利用の国際連携に向けて」(日英同時通訳つき)
 第1部 各国・地域における現状  第2部 国際連携の意義と要件−GLOBEに期待されるもの
パネリスト:Eric Duval=ARIADNE(EU)President▽Garry Putland=education.au limited(豪)GeneralManager▽Tom Carey=EduSourceCanada・Chair of the Advisory Board▽Douglas MacLeod=EduSourceCanada・ExecutiveDirector▽Gerald L.Hanley=MERLOT(米)ExecutiveDirector
ディスカッサント:岡本敏雄(電気通信大学教授、教育システム情報学会会長)▽池田満(北陸先端科学技術大学院大学教授)、仲林清(NTTレゾナント)
GLOBE設立記念シンポジウム
http://resource01.nime.ac.jp/globe/
先輩らの堪能な英語に聞き入る 山科・大宅小で紙芝居上演(京都新聞)
大宅中(京都市山科区)の1年生が10日、近くの大宅小を訪れ、英語で紙芝居を上演した。児童たちは先輩たちの堪能な英語に聞き入った。
 両校は本年度から、文部科学省の「教育特区」として小中一貫教育に取り組んでいる。同中1年は、通常の授業以外に物語や歌などで英語を学び、同小5、6年は週に1回、同中教諭から英語を学んでいる。
 今回は、中学進学を目前に控えた6年を対象に、中学での英語学習を知ってもらおうと、初めて開催した。
 同中1年の24人が来校。和紙に絵を描いて作った紙芝居を使って「かぐや姫」と「かさ地蔵」を上演した。
 生徒らは2人1組で、1人が英語で物語を読むと、もう1人が日本語で訳した。日ごろの学習の成果を発揮した流ちょうな英語に、約100人の児童は熱心に聞き入った。
東レ、55歳以上の賃下げ廃止へ 熟練技能を活用(朝日新聞)
東レは05年度、管理職以外の社員の賃金を55歳になると一律に約1割引き下げる制度を廃止する。ベテランの士気を上げ、熟練のノウハウを若手に伝承していくのが狙いだ。製造業には、熟年層の処遇改善が重要だとして、労使間で基本合意した。
 対象は関連会社2社も含めた約1万人。これまでは55歳になった時点で賃金が54歳時より10%程度引き下げられ、定年の60歳まで据え置かれた。新年度からは、55歳以降について毎年2%幅ずつ引き上げ、09年度には定年まで54歳時点の賃金水準を維持する仕組みにする。
 少子高齢化で今後、若手確保が難しくなるとして、東レの労使は「戦力としてベテランの重要度が増していく」との認識で一致した。 (コメント これも教育問題ですね。頑張って)
2月10日 予備校講師のノウハウ伝授 府教委、新年度から「授業の達人」養成へ(京都新聞)
京都府立高校の教員が大手予備校の「名物講師」から授業や進路指導のノウハウを学び、国公立大を目指す生徒の進路希望をかなえようと、京都府教委は2005年度から「授業の達人」の養成に乗り出す。新年度当初予算案に事業費200万円を盛り込んだ。府教委によると、同様の取り組みは東京都などが既に実施しているという。
 国内外の学力調査で、読解力の低下や「理科離れ」などが指摘されていることも踏まえ、国語や理科など主要四教科を担当する教員15−25人を府立高全校から精選。七、8月ごろに予定している3日間程度の集中講義に参加してもらい、予備校講師から、国公立大入試に焦点を絞った指導方法などを学ぶ。
 さらに、センター試験後の二次試験に備え、講義を受けた教員が各教科の予想問題を作成。それらを活用して、二次試験直前の来年2月には、国公立大志望の生徒を数校単位で集め、学習会を開く予定にしている。
 府立高ではこれまで、大手予備校が実施する模試に参加したり、センター試験を踏まえた志望校の分析、大学入試説明会への講師依頼などを各校が自主的に行ってきたが、府教委としての取り組みは初めてとなる。
 府教委は、予備校が持つ大学受験テクニックを学んだ教員を「授業の達人」と位置づけ、他校の教員にもノウハウを広げる考え。「経済的理由などで塾に行けない生徒に対しても、府立高が国公立大学への進路希望を保証できるよう教員の指導力を高めたい」(高校教育課)としている。
2月9日 中教審: 山口大、成績優秀者の授業料免除 …やる気引き出したい(読売新聞)
 山口大(加藤紘学長)は8日、新年度から成績優秀者の授業料を全額免除する特待生制度の導入を決めた。  全国の国立大学法人でも異例の試みで、丸本卓哉・副学長は「免除することで学生のやる気を引き出したい」としている。
 大学によると7学部すべてが対象。前、後期に分け、単位などを基に各学年の成績優秀者2人を教授会などで選び、半期分の26万7900円を免除する。成績が良ければ何度でも選ばれ、4年間(医学部と農学部獣医学科は6年間)免除になる可能性がある。
 前期の成績を基にするため、実質的なスタートは後期からとなる。
 同大の学部生は昨年5月現在、9099人。全学部で年間114人が特待生になり、免除分にあたる約3000万円は大学の運営交付金から支出する。同大は新年度から、授業料を現行の年間52万800円から1万5000円引き上げる。
名大が教職員・学生など対象に 「学内保育所」開設へ (読売新聞)
名古屋大学(平野眞一学長)は来年4月から、同大の教職員や学生、留学生を対象にした学内保育所を開設する方針を決めた。
 国立大の学内保育で、国立大学法人が設置主体となるのは全国初という。
 名古屋市千種区の東山キャンパス内に、約5900万円をかけ、平屋建て約210平方メートルの保育所を建設。就学前の乳幼児が対象で、定員は30人。運営は外部に委託し、大学が年間1000万円を補助する。
 名大の敷地内には、1968年に父母らが運営する共同保育が2園設置されたが、財政難のため、76年に名古屋市に移管された。だが、外国籍の子供や市外の居住者などが利用できず、学内から新設を望む声が強かった。
 森英樹・副学長は「国内外の若手研究者が安心して子育てができる条件を整え、大学としての魅力づくりに力を入れていきたい」と話している。
公開研究会: いつもの授業にもう一工夫(毎日新聞)
教員、自治体職員やIT関連企業の担当者がこれからの教室のイメージや課題を話し合う「2005年の教室を考える会」関東支部の公開研究会「授業力アップにこの一手(IT)〜いつもの授業にもう一工夫」が5日、東京都内で開かれた。東京都内の小中学校の教員など、約90人が参加した。【岡礼子】
 IT機器を普段の授業で活用している教員らが、社会、国語、算数、体育の科目ごとに、デジタルカメラやプロジェクター、実物投影機などの機器を使いながら、「授業でITを使ったことがない」「うまく使えない」というIT初心者の教員に、どんな場面で使えば効果的か、活用のコツや工夫している点を教えた。
【社会】資料集の絵や写真を全員に見せる
 小学校6年生の日本史で、子供たちに気付いたことを発表させたり、教員が説明したりするとき、資料集の絵を実物投影機やデジタルカメラを使ってスクリーンに映し出す方法が紹介された。
 授業で資料を見せるとき、通常は写真や冊子などを掲げて指で示しながら机の間を周ったり、あらかじめコピーしておいて、黒板に張ったりすることが多い。社会科では、絵図や写真などから情報を読み取る力が大切で、情報をクラス全員で共有し、話し合ったりすることで学びは深まる。しかし、冊子を掲げて示しても、クラス全員が情報を得ることは難しい。しかしITを使うことでによって、全員に同じように提示することが出来る。
 東京都内の小学校の女性教員が、実物投影機を使って資料をスクリーンに大きく投影する方法や、デジタルカメラで資料を撮影し、カメラをプロジェクターにつないで、スクリーンに映し出す方法を紹介、IT初心者の教員が実際にやってみた。発表した教員は「以前は、前日にコンビニエンスストアで拡大コピーをしたりして、準備に手間がかかっていた。私はITに詳しくないが、やってみると簡単で“お得”」と話した。
【算数】コンパスの使い方を教える
 コンパスを使い方を教えるとき、これまでは長さ50センチほどの模型コンパスで、黒板に円を描いてみせていた。模型コンパスは、針の部分がゴムで、鉛筆の代わりにチョークを使う。黒板は垂直で、ゴムは滑りやすいので、扱うのは難しい。また、コンパスをうまく回すには軸を少し傾けて回すなどのコツがあるが、模型では伝えにくい。
 これに対し、実際にノートにコンパスで円を描き、その様子を実物投影機で撮影して、ホワイトボードに映し出すと、より分りやすく使い方を教えられる。実際の動きの投影なので、実際のスムーズな動きを示すことが出来、教員が動き方を示しながら、コツや力の入れ方などを説明できるので、子供たちは理解しやすい。参加者は自分でコンパスを回し、手の動きがどのように見えるか体験した。
 ITを使った授業実践に詳しい高陵社書店の高田信夫代表が、実物投影機の代わりにスキャナーで教科書を読み込んだり、ウエブカメラを実物投影機と同じように使った岐阜県の実践を紹介した。高田代表は「ウエブカメラは3000円程度から売っている。画像はそれほどきれいではないが、授業では問題ない。また、最近のスキャナーは処理速度が速いので、授業でもスムースに使える」と話した。 
  「2005年の教室を考える会」の主宰者の1人、金沢大学の中川一史助教授は「今日の研究会では『大きく見せる』『動く』『やりなおせる』という点にITのメリットがあることが伝わったのではないか」と話した。さらに、「ビデオ、プロジェクターをコードでつないだセットを作り、そのまま保管するなど、手間がかからない工夫をすることが必要だ。また、不要なキーを取り外したキーボードを作り、使いやすい環境を整えることと、子供たちがきちんと使えるように指導することのどちらが適切かという点についても考えた方がいい」と、ITを普段の授業で生かすためのポイントを解説し、「ITは主役ではなくスパイス。今日のような研究会で知人をつくり、ヒューマンネットワークを最大限利用してほしい」と述べた。
 参加した東京都内の中学校の教員は「小学校の方が活用が進んでいると感じた。普段はITを活用した授業はしていないし、教室にテレビもなく、小学校と環境が違うが、取り組んでみたい」と話した。
2月8日 中教審: 地方代表未定で“見切り発車”も 文科事務次官(毎日新聞)
中央教育審議会の委員選任を巡り、文部科学省と地方6団体の調整がつかず、地方代表分の2人が空席になっている問題で、同省の結城章夫事務次官は7日、今月中旬に予定される第1回総会について、空席のまま“見切り発車”で開くこともあり得るとの考えを示した。定例会見で「(地方側から)候補者が出ないからといって先延ばしにするのはまずい。(2人分を除く)28人での開催もあり得る」と語った。地方側の委員がやはり未定の義務教育特別委員会も「できれば今月中にスタートを切りたい」と、同様の考えを示した。
 文科省は義務教育の在り方を集中審議する特別委に地方6団体から3人を迎え、うち2人は本体の委員とし、残りの1人にもオブザーバーとして総会での発言を認める案を示している。だが地方側は本体への3人参加が認められなければ、特別委にも委員を出さないとの立場を崩していない。【千代崎聖史】
幼稚園から大学院まで30階建てビルに関西大学が構想 (朝日新聞)
学校法人「関西大学」(大阪府吹田市)は7日、同府高槻市に30階建ての高層ビルを建て、幼稚園から小中高校までの学校と、新設学部、大学院を新たに開設する構想を発表した。関大にとっては4番目のキャンパスで、初の小学校計画も含む。早ければ09年4月の開学をめざす。一つのビル内で幼稚園から大学院の教育まで受けられる施設は非常に珍しく、文部科学省は「他に聞いたことがない」と言う。
 来年の創立120年を記念して構想をまとめた。少子化で受験生の減少が続く中、新しい形のキャンパスをつくって改革に積極的な姿勢を内外にアピールする狙いだ。
 予定地は、JR東海道線の高槻駅北側の約1万平方メートル。ビルの高さは約130メートルで、延べ床面積は4万平方メートル以上という。開校するのは幼稚園(30人規模2クラス)、小学校(同)、中学校(40人規模2クラス)、高校(同)。幼稚園で外国語を教え、中高校では英語による授業も計画している。
 また「防災」「環境」などを研究テーマに掲げる学部(1学年約200人)と大学院(修士課程約50人、博士課程約10人)を新設する。台風や地震に備えた政策のほか、建築、被災者の心のケアなど幅広く扱う予定。
 さらに社会人教育のために、「生涯教育センター」(定員約200人)を置いて市民向け公開講座を開く。隣に体育館を建設し、災害時は地域に開放して避難場所として役立てたいという。
 関大は現在、学生の大半の約2万5000人が通う吹田市の千里山のほか高槻、大阪市にキャンパスがある。昨年6月ごろにキャンパス誘致を打診していた高槻市の奥本務市長は「市は教育と子育てを最重要課題と位置づけており、地域貢献してくれると期待している」と喜ぶ。
 森本靖一郎・関大理事長は「学校が1カ所に集まっているので、みんなが『関大の一員』と強い意識を持ってくれると思う。教員の交流で教育効果が上がるという期待もある。教育、研究と全方面に強い関西大学をつくりたい」と話している。
2月7日 ネット特区高校、開校4カ月(石川県)(朝日新聞)
自分のペース、115人学ぶ
 得意・不得意話し、履修決定  デザインなど科目設定、好評
  株式会社が運営する全国初のインターネット通信制高校「美川特区アットマーク国際高校」(美川町)が開校して4カ月が過ぎた。当初32人だった生徒は今では115人。人間関係が絡み合う従来の高校環境になじめなかったり、病弱で通学できなかったりした生徒たちが、昼夜を問わずにメールのやりとりを繰り返し、学習を続けている。
  ●自由な時間を
  「数学の履修について話し合おう。好き?」「頭が痛くなりそう」「数式とかではなく、図形はどう」「図形なら何とかなりそう」
  ある日の午後。金沢市保古1丁目の金沢の教室で、履修相談を担当するコーディネーター、上村光治さんがホームページ上の専用サイト掲示板で茨城県に住む17歳の女子生徒とやりとりしていた。
  女子生徒は昨年9月、茨城県の普通科高校を退学。イラストレーターの勉強をするために自由な時間がほしいと考えて同校に入学した。以前の高校では、1年生のときに30単位余りを取得していたので、今年度は二十数単位をとる予定だ。上村さんは「分野別の得意、不得意などをじっくり話し合いながら履修を決めることが特徴だ」と話す。
  ●映像の配信も
  同校を運営するのは、インターネットを使って学習支援事業をしている「株式会社アットマーク・ラーニング」(本社・東京)。本校がある美川町が構造改革特区に認定されたことで、ネットとカメラを使ったやりとりや掲示板への書き込み授業、授業映像の配信を併用できるようになり、スクーリングを年間2日までに抑えることが可能になった。
  また、学校が独自に設定する科目の履修は学習指導要領では20単位しか認められていないが、それを30単位に拡大。マスコミや心理学、建築、アートなど、生徒が興味を持ちそうな科目を設定したところ、デザインやネイルアート入門などの科目が好評だという。さらに全国に教室を持つ英会話学校「イーオン」とも提携し、ネット授業を補うため、英会話を計4時限習うことを必須とした。
  ネット活用以外の通学用としては、美川中学にある美川本校や金沢市、東京都品川区にそれぞれ教室を設けている。富山や福井から金沢の教室に通学する生徒たちがいることから、同校は2月初め、金沢市の助成を受けて交通の便のいい金沢市尾山町のオフィスビルに3フロアで計約300平方メートルの教室を開いた。
  生徒は高校中退者や転入者がほとんど。北陸3県を中心に北海道から九州まで広がっているが、中には対人関係でつまずいてインターネット上でもカメラに顔を映さない生徒や、長期入院や海外滞在で毎月のスクーリングに行けない生徒たちもいる。
  ●顧客に応える
  アットマーク社社長でもある日野公三校長は「顧客の生徒のニーズに最大限応えることを重視する。株式会社だからこそ、不当表示の禁止や納税など、法律の遵守(じゅんしゅ)が必要とされ、社会的な責任を果たせる。子どもたちやその家族には、民間企業なので同じ目線で要望も伝えられるという期待感がある」と話している。
  通信制高校のガイドブックを出している出版社「学びリンク」(東京)の石口敏雄会長は「リポート受け付けなどで部分的にネットを活用している通信制高校はあるが、同校のように授業や出欠などにネットを使っているのはまだ少ない。直接対面のスクーリングが2日間しかないということなら、人間関係をいかにつくるかということが大切になる」と指摘する。
  ▽▲ 情報機器で補うのは疑問 ▲▽
  黒沢惟昭・山梨学院大教授(生涯学習論) 株式会社は利潤追求が本命で、できなければ解散するのが宿命。専用校舎が無い代わりにインターネットなどの情報機器で補うのには疑問を感じる。公教育とは何なのか、学校はどうあるべきかを論じるべきなのに、国会で議論することなく、特区という形で従来の枠組みからはずれたものをあちこちにつくるというのは、議会制度の存在を危うくするのではないか。
2月6日 学力低下に不安8割、ゆとり教育反対増…読売世論調査(読売新聞)
政府が学校教育における「ゆとり教育」の見直しを進める中、読売新聞社が実施した「教育」に関する全国世論調査(面接方式)で、国民の8割が子供たちの学力低下を「不安」に感じ、「ゆとり教育」を「評価しない」人が7割超に上ることが明らかになった。
 また、学校教育への不満(複数回答)では、「教師の質」60%がトップで、この質問を始めた1985年調査以来、最高値を記録した。特に子供たちの学力低下問題は、昨年末に発表された国際学力調査を機に深刻な問題となっており、政府による「ゆとり教育」の見直しなどの教育改革に拍車をかけそうだ。
 調査は1月15、16の両日に実施。子供の学力低下については、「不安に感じる」が「どちらかといえば」を含め81%に上り、「不安に感じない」計16%を大きく上回った。
 学力低下の原因(複数回答)では、
  「ゲームやマンガなど誘惑の増加」53%がトップ。
  続いて、「授業時間の削減」50%、
  「教師の質の低下」41%、
  「日常生活の乱れ」37%、
  「教科内容の削減」36%などの順で、
学力低下は「ゆとり教育」や教師の質の低下が原因とみる人が多いことがわかる。
 「ゆとり教育」を「評価しない」と答えた人は「どちらかといえば」を含め72%で、「評価する」は22%にとどまった。「ゆとり教育」を進める現行の学習指導要領が始まる前に行った2002年3月の同種調査では、「反対」67%が「賛成」28%を上回っていたが、今回、「評価しない」がさらに5ポイント上回り、否定的評価が一段と強まった。
 現行の学習指導要領は、体験重視の「総合的な学習の時間」導入が目玉だが、国語や数学などの主要教科の授業時間を削減したことで、学力低下が懸念されていた。国際学力調査による学力低下の表面化を契機に、政府も、中山文部科学相が1月、主要教科の授業時間拡大の意向を表明するなど、「ゆとり教育」を進める学習指導要領を全面的に見直す方針だ。
 一方、学校教育への不満では、「教師の質」が2001年の前回調査より17ポイント増の60%で最も多かった。以下、「学力の低下」45%、「道徳教育」42%、「いじめ」36%などの順。また、教師の質では、教育者としてふさわしくない小中学校の教師が「増えてきている」と感じている人は80%にも上った。指導力不足など問題がある教師に教員免許の更新を認めないようにする制度の導入については、「賛成」が89%に達した。
 一方、小学校の英語教育について、「早い時期から英語を学ばせる方がよい」48%が、「国語や算数の力をきちんと身につける方が先」40%より多かった。
 ◆ゆとり教育=1977年から段階的に実施され、小中学校では2002年4月から、週5日制実施とあいまって、「総合的学習の時間」の創設を柱とした新学習指導要領が導入された。高校は翌年度から実施。だが、授業時間が減ることなどから、保護者からは学力低下への不安が高まっていた。
 【調査方法】
 ▼調査日=1月15、16日
 ▼対象者=全国の有権者3000人(250地点、層化2段無作為抽出法)
 ▼実施方法=個別訪問面接聴取法
 ▼有効回収数=1,843人(回収率61.4%)
 ▼回答者内訳=
  ▽男47%、女53%
  ▽20歳代10%、30歳代15%、40歳代17%、50歳代22%、60歳代20%、70歳以上16%
  ▽大都市(東京23区と政令指定都市)21%、中核都市(人口30万人以上の市)17%、中都市(人口10万人以上の市)19%、小都市(人口10万人未満の市)21%、町村22%
出欠はケータイで、「代返」許さず 青森大が新年度から (朝日新聞)
青森市にある青森大学(栗原堅三学長、学生数1934人)が、新年度からすべての講義への学生の出欠を、携帯電話を使って確認するシステムを導入する。学生の「代返」を封じるとともに、出席簿を入力する講師陣の手間を省くのが狙い。特定の講義で出席確認に携帯電話を使う例は広がりつつあるが、全学で一斉に導入するのは全国でも珍しいという。
 新しいシステムでは、講義中、教員の指示があった時点で、出席している学生が携帯電話から大学の専用サイトにアクセス。教員がその場で告げる数字を入力すれば出席が記録される。
 記録の受け付けは、数字が提示されてから1分前後に集中する。このため、学生が欠席者に数字を伝えて外部から登録しようとしても、時間差があるため、出席を装うことはできないと大学側は見ている。
 従来は出席確認のために、名前を呼んだり紙に書かせたりしていたが、講義によっては10分以上かかる上、それをパソコンに打ち込むのに1時間以上の手間となり、講師から改善を求める声が上がっていた。
 現在、同大に在籍中で携帯電話を持っていない学生は1%程度。この学生たちは講義中に出欠確認をする際、個別に名前を告げることになる。同大は今後、履修届や休講連絡などへの携帯電話の活用も計画している。
 同大IT化検討会で新システムを提案した経営学部講師の福永栄一さん(44)は、2年前まで商社で情報システム管理の仕事をしていた。自分の講義ではすでに個人の携帯電話のメールで出席を取っている。「今の学生は誰でも携帯電話を持っていて操作も速い。出席を取る時間が減れば、その分講義にまわせる」と話している。
ITのある教室: 表計算ソフトを活用京都・多賀小(毎日新聞)
◆京都府井手町立多賀小学校 森脇正博教諭
◆小学校3年生 体育
 学校へITが普及するにつれ、ちょっとした工夫で、これまでの方法より簡単になったり、子供の理解が深まったりする−−そんなIT活用が注目されている。手間がかかる機器を使わずに、子供たちの変化を実感できるITの使い方が模索されている。
 京都府井手町立多賀小学校の森脇正博教諭は、体育の授業で表計算ソフトを活用し、子供たちに持久走のタイムをグラフ化させている。1周ごとのタイムを測って表に打ち込むと、自動的に折れ線グラフになる仕組みで、自分がどんなペースで走っているのか、ひと目で分かる。子供たちはコンピューター操作はほとんど知らなかったので、森脇教諭がキーボード入力の方法から教えた。
 小学3年生では、棒グラフは書けるが、折れ線グラフを書くのは難しい。しかし、グラフの読み方は学習しているので、自分のタイムの折れ線グラフを見て、右が上がっていたら、タイムが遅くなっている、右が下がっていれば速くなっている−−など、タイムの変化を読み取ることはできる。
 これまでの授業では、トータルタイムを読み上げて、早かったか、遅かったかを考えたり、毎回のタイムを簡単な表にすることしかできなかった。森脇教諭は「順位より同じペースで走ることが大切」と言い聞かせてきたが、子供たちはどうしても、順位に関心が向いて、速く走ろうとする。
 そこで森脇教諭は、表計算ソフトをつかって、子供たちでも簡単に折れ線グラフをつくれるようにすることを考えた。表計算ソフトに、各周回ごとの時間を記入する枠を設け、その下に折れ線グラフの箱をつくった。子供たちが周回ごとにタイムを入力すると、自動的にグラフが描かれる。グラフは表計算ソフトのグラフ制作機能で簡単につくれる。さらに、周回ごとにタイムを入力すると、自動的に加算されてトータルタイムが表示されるようにした。
 このソフトを使うと、ストップウォッチで測ったタイムをキーボードで入力するだけで、すぐにグラフになる。子供たちでも簡単に入力できる。子供たちは周回ごとの自分の走り方の変化を目で見てから、ペース配分を考えるようになった。
 自分のペースを意識すると、子供たちの目標は、「順位を上げる」ことから「同じペースで走る」ことに変わった。森脇教諭は「ペースという概念を視覚的に理解できることが重要。現在の自分の走りを客観的にとらえ、友だちと比べたりして、次の目標を考えられるようになる」と話す。走るのが遅い子供も、同じペースで走れたということが評価されるので、やる気につながったという。
 さらに、1周を30秒で走ると決めて、その通りに走ったり、逆に、1周を28秒で走ったらトータルのタイムがどのくらいになるといった考え方もできるようになった。
 森脇教諭は、パソコンがあまり得意ではなかったが、授業にITを使うことが必要と感じるようになって、独力で勉強を始めた。京都府の研修にも参加し、スキルアップを図った。ラップタイムを折れ線グラフにするソフトは「簡単に作れる。パソコンが全く使えない教員でも、1時間程度の研修で使える」と森脇教諭は話している。【岡礼子】
eラーニング: 日本の大学の弱点は(下)中原淳さん(毎日新聞)
◇日本はなぜeラーニングが進まないのか◇
 米国の大学の56%は単位を認定するeラーニングを実施している。日本はどうか。NIMEの2003年の調査では、インターネットでの授業の配信や公開講座で学位を取れるeラーニングを実施している大学は4.3%に過ぎない。日本でもパワーポイントを使った授業をしたり、電子メールで質問を受け付けたり、CD−ROMにビデオを入れて見せたり、授業でマルチメディアを使うことは進んでいる。授業のIT化は進んでいる。だがeラーニングは進まない。日本では「授業のIT化」と「eラーニング」がかけ離れている。
 日本の大学でeラーニングをやる場合に2つの形が考えられる。1つは教育学の研究としてのeラーニング。この場合、先生は教育工学、教育学、コンピューターサイエンスの研究者になる。研究のフィールドとして、あるいは教育実践の一環、産学連携の試みとして行うeラーニングが多い。もう1つはボランティアリズムeラーニングだ。組織的な対応ではなく、教員のボランティア精神、善意によって運営されているeラーニングで、日本はこれが多い。
 eラーニングではテクノロジーが注目されてきた。だが、持続的なeラーニングを目指すなら、技術以外の「リーダーシップ」「ワークフロー」「スペシャリスト」「組織」「ポリシー」といった戦略に注目すべきではないのか。ところが今までは、組織とかポリシーとかヒューマンな部分は議論に上ってこなかった。むしろ、ヒューマンな部分に注目した方がいいのではないか。
▽ポリシーと支援センター
 eラーニングを推進するために最低限なければならないもののひとつに、「ポリシー」がある。遠隔教育をどうやって実現していくかというポリシーや戦略を各大学が持つことが必要だ。もうひとつは「支援センター」という組織だ。「ウェブ、録画授業の単位認定」「録画授業のストリーミング」の実施状況を見ると、「ポリシー」「支援センター」がある大学の方が大幅に進んでいる。明らかにポリシーや支援センターが推進力にになっている。これらがメディア教育開発センター(NIME)の吉田文教授らの調査で明らかになっている。
 では、日本の大学はどんなポリシーを持っているか。1番が「ネットワークセキュリティ」で、設備の導入も真剣に考えられている。ところが「遠隔教育の提供の方針」や「知的所有権の取り扱い」「学生の獲得を目指したIT戦略の策定」は明らかに遅れている。学内ポリシーをまず整理することが、日本のeラーニングの推進の一番のミニマムリクワイアメントになる。学内の委員会では、「ネットワークセキュリティ」「設備、機器」「将来計画の策定」については審議されているが、「遠隔教育の利用」や「知的所有権」については、ほとんど審議されていない。
 遠隔教育の戦略の立案には、「自分の大学の強みは何か」「弱みは何か」「積極的か」「差別化戦略か」などマーケティングの手法を使うことが有効だし、グループインタビューや質問調査でどんな社会階層をターゲットにしてeラーニング、遠隔教育を進めるか、どの大学が競合するのかなどを考え、戦略を立案することが大事だ。MITのオープンコースウエアが優れているのは「有料サービスはペイしないから、社会貢献を前面に出して、財団から寄付をもらって広報活動を行う。そして利益はこれまで通り通常の教育から出す」というコンセプトだ。MITの前学長は、「オープンコースウェアの最大の発明は、このコンセプトにあった」と述べていた。
▽日本の大学のeラーニング
 日本の大学でなぜeラーニングが普及しないのか。ひとつの答えは、2004年に実施されたNIMEの吉田教授らの調査にある。eラーニングを推進するマンパワーが、現在の大学では圧倒的に不足している。調査では、各大学のIT支援センターに何人の人間がいて、どんな仕事をしているか調べた。すると「4人以下」が25%、「8人以下」が半数だった。この人数で大学全体のITに関することをやっている。だからeラーニングにまで手が回らない。さらに国立大学の独立法人化などに伴う業務の拡張で仕事が増えている。もともとはコンピューターの保守などをやっていたのが、カリキュラムをつくったり、将来計画を立てたりと仕事がどんどん増えている。人数は増えていないのに、仕事が増えている。うまく行かないことが構造的に見えている。日本の大学の関係者がサボっているわけではない。それは個人の努力の問題に帰属されるべきではない。組織的、かつ構造的な問題であるという認識をもつことが重要である。
 eラーニングで教材をつくるときのワークフローも重要だ。わたしとメディア教育開発センター田口真奈助教授の調査によると、海外大学では、コンテンツ制作のプロセスで「出版モデル」が導入されている。これは出版と同様、書く人は書くことに専念、教える人は教えることに専念し、後は専門家がやるというモデルだ。餅は餅屋という発想で、コンテンツの専門家がつくった教材には口を出さない。その反対が「ファカルティ・ボランティア・モデル」であり、ボランティアのファカルティがコンテンツ制作をするというモデルだ。これが日本の大学で頻繁に見受けられるモデルである。そもそもこのモデルは無理がある。仕事のほかにコンテンツづくりに携わるほど熱意のある人は多くない。大学教員は忙しいから、このモデルは普及しない。
 かつてeラーニング事業で失敗を経験した大学に、ニューヨーク大学がある。先日、ニューヨーク大学に訪問調査をしたところ、現地関係者から「ニューヨーク大学でeラーニング事業が失敗したのは、教育に専門性のないファカルティが、事業を直接統治してしまったからだ」という話をきいた。一般に大学教員はコンテンツの専門家ではあっても、教えることの専門家ではない。ましてや、「ITと教育」に専門性のない教員に統治された事業の行く末は、目に見えている。こうした教員が事業を独占したため、「納期は守れない、品質は落ちる」で失敗した。ニューヨーク大学では今、出版モデルでコンテンツ制作を行っている。
 大学教員がeラーニングに関与すべきではないということではない。「ITと教育」に専門性をもつ教員が、eラーニングの推進にとって重要なことは言うまでもない。今以上に、彼らの専門性が求められている時代はない。しかし、彼らはコンテンツ開発の細かな作業まで手を伸ばすべきではない。先にも述べたとおり、餅は餅屋であり、あとはコンテンツ開発の専門家に作業をまかせるべきだ。むしろ、彼らは事業の戦略立案、意志決定、評価等の上流行程に専念すべきである。
 あとeラーニングの推進にとって重要なのは、学長などトップマネジメント層のリーダーシップである。MITではコンテンツ制作の件でスタッフが教員のところに行く時は、学長から学部長に「スタッフが行くからよろしく」とメールや電話が入る。学部へのネゴシエーションと学部へのケアが出来るのは学長しかいない。学長がどれだけリーダーシップを発揮し、ケアを行えるかが課題である。それは、eラーニング推進のキーだと思う。◇eラーニングを推進するもの◇
 日本の大学がeラーニングに取り組み始めた。だが、今の状況では限界がある。やりたくてもやれない、続けたくても続けられないのが日本の大学の状況だ。まずは、人材を増やすには、eラーニングを推進する人材の育成を、大学院レベルの教育として実現するべきである。同時に、eラーニングを推進する部門、センターなどを各大学ごとに、設置するべきである。専門人材が大量に輩出され、そうしたセンターに雇用され、安定したワークフローの中で事業を進めていくことが、とにかく重要である。
 ニューヨーク大学では、「School of Continuing and professhonal Studeis」というeラーニングを実施する部門がある。この部門は同時に教育組織でもある。こういう組織を増やすことを、行政に要請したい。eラーニングのみならず、日本が「教育コンテンツ大国」をめざすのであれば、こうした組織に重点的な投資を行うことが必須条件である。
 同時に、大学の財政は逼迫しているので、eラーニングのために大量の新規採用を行うのは不可能であることも事実である。その時に必要になるのは今いる大学事務職員のリカレントだ。先のニューヨーク大学の「School of Continuing and professhonal Studeis」では、修士号取得プログラムに加えて、サーティフィケーションプログラム(履修証プログラム)を準備している。短期間で、専門知識を習得できる。既存の大学事務職員を対象にした、履修証プログラムを増やしていくことが、eラーニングの推進にとって非常に重要である。
2月5日 運営費削減問題で意見相次ぐ 京で国立大の現状探るシンポ(京都新聞)
昨春法人化した国立大の現状と展望を探るシンポジウム「法人化10カ月を経て−国立大学はどう変わろうとしているのか?」が4日、京都市下京区のホテルで開かれ、京都大や大阪大などの学長から運営費削減問題を問う意見が相次いだ。
 尾池和夫京大総長は「日本は高等教育に対する公費負担割合が先進諸国に比べて低い」と指摘、「その結果、少子化を招き、優秀な人材を外国に取られ、日本語が衰退する、との3つの危ぐがある」と分析した。
 宮原秀夫阪大総長は、国立大授業料の目安となる標準額が引き上げられたことに関連し「受益者負担と言うが受益者は学生でなく社会や企業。良い製品(学生)を出すためお客さんに協力してほしい」と話した。
 これに対し遠山敦子元文部科学相が「メリットが多いのに少しのデメリットだけ言っていては駄目」と批判する場面も。文科省の徳永保官房審議官は「特色を出す大学には文科省も応援する。大学は自立的運営で教育研究の意義を実証してほしい」と述べた。
 シンポは科学技術振興機構の主催で、大学や企業関係者ら約500人が耳を傾けた。 (コメント 大学まで進学させようとすると、普通子供二人までが精一杯ですね)
愛媛で「教員版ドラフト」、定期異動前に校長が指名(読売新聞)
定期異動を前に各校長が「勤務してほしい先生」を指名する全国初の「教職員配置希望制度」を、愛媛県教委が今春からすべての公立校で導入する。
 〈教員版ドラフト(選抜)制度〉とも言え、希望が競合すれば教育委員会が調整する。学業だけでなく、生徒指導や就職指導、地域社会教育など、各校の掲げる新年度の重点目標が〈先生選び〉のポイントという。文部科学省も「特色ある学校づくりを目指すうえで新しい試みの一つ」と評価している。
 県教委によると、小・中学校、高校、養護学校など全公立582校の校長に、教職員約1万4000人の「指名権」を与える。定期異動を前に、各校長は教職員会議などで▽教科指導▽生徒指導▽就職指導▽クラブ活動など、新年度の重点目標に基づく運営方針を決定。目標を実践するため、実績ある教員を指名する。
 県教委は今月中にも各校長へ希望調査を実施。教委側は、運営方針だけでなく、校長の熱意、指名を受けた教員の力量などを総合的に審査する。さらに、事前に行う教員の異動希望調査と照らし合わせ、最終的に異動先を決める。
授業料値上げ京都教育大(京都新聞)
京都教育大は4日、来年度の学部・大学院の授業料を現行から1万5000円増となる53万5800円に値上げすると発表した。文部科学省が定めた国立大授業料標準額の値上げ額にあわせた。
 京都の国立大では京都工芸繊維大が標準額にあわせる値上げを実施することをすでに決定。京都大は2月中旬までに発表するとしている。
2月4日 数学と面接で未学習の問題を出題熊本の県立高校入試(産経新聞)
熊本県教委は3日、1日に実施された県立高校の前期選抜試験で、7つの高校が数学と面接の科目で、一部の中学が受験日時点で学習していない数学の問題を出題していたと発表した。
 数学は該当する問題を全員正解扱いとし、面接については解答できなかった受験者が不利益な扱いを受けないようにするとしている。
 県教委によると、7校は数学の三平方の定理や二次関数に関する問題を出題したが、これらが中学の教科書で最後部に載っているため、受験日時点でまだ学習していない中学があったという。
 同県では今年から入学試験が前期と後期に分けられ、試験日が昨年より約1カ月早まったことが原因。県教委は各校の試験問題を事前にチェックしたが、こうした事態を想定していなかった。(共同)
「6年間」への狭き門…都立初の中高一貫校で適性検査(読売新聞)
都立では初の中高一貫校となる白●高校付属中学校(台東区)で3日午前、684人の児童が、入学試験に当たる「適性検査」に臨み、競争率約4倍の狭き門に挑んだ。(●はへんが「区」の旧字で、つくりが鳥)
 4学級で160人の募集に対し、事前の書類選考には計2054人が応募する人気ぶり。この日も午前8時の受け付け開始前から児童らが列を作ったため、開場予定を15分繰り上げた。
 思考力、発想力などを問う適性検査では、「秋に実る果物を1つ取り上げ、短歌で季節の様子を表現せよ」などの問題が出題され、付き添いの母親は「熱心な授業をしてくれそうだと思い、受験を決めました」と話していた。 (コメント 広い意味の学力検査で狭義のものではない)
eラーニング: 日本の大学の弱点は(上)中原淳さん (毎日新聞)
公立大学の独立法人化、少子化に伴う大学受験生の減少などで大学は揺れている。生き残りをかけ、新たな高等教育を目指す試みが進み、そのひとつとしてeラーニング化に取り組む大学、大学院が増えている。しかし、コンテンツ開発や授業配信をし、学生を増やしている大学、大学院はほとんどなく、少ない人と予算でもがいているところがほとんどだ。なぜ日本の高等教育のeラーニングは進まないのか。日本でeラーニングの研究、開発に取り組み、米国で高等教育のeラーニングを研究してきたメディア教育開発センター(NIME)の中原淳助手が「サステイナブルなeラーニングの創造」について講演、世界の現状を報告し、日本の問題点、課題を洗い出した。講演の内容を上下2回に分けて紹介する。【平野秋一郎】
◇世界の大学のeラーニングの現状◇
《中国》
 急速に高等教育の大衆化が進んでいる。1990年代前半には大学入学年齢人口のわずか5%しか大学に行かなかったのに、わずか10年で14%に上がった。この進学率は1964年の日本の数字に匹敵する。2002年現在、高等教育を受けている人は1600万人に達している。この数字は驚異的だ。中国の現状は日本をすでに凌駕し、世界的で最大の市場が生まれようとしている。
 しかし、急速に高等教育の大衆化、ユニバーサル化が進んだため、高等教育機関の整備が追いついていない。大学が足りない、大学の教員が足りない、コンテンツが足りないという状況だ。中国の文部省「教育部」は、不足している部分をeラーニングで補おう、コンテンツや設備を共有しようという施策を始めた。
 方法は2つ。ひとつは、教育部が精華大学、人民大学、北京大学など有名大学にeラーニングを行なうよう指示した。1000校の国立大学のうち69大学にeラーニングの実施を指示し、各大学内に「ネット教育学院」をつくって、そこにeラーニングの運営を任せた。高等教育人口1600万人のうち139万人がeラーニングで受講している。もうひとつは、コンテンツの共有だ。CORE(China Open Resources Co−education)という組織をつくり、国内の大学から教育コンテンツを集め、無償で公開しようとしている。COREは、米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)のオープンコースウェアの活動を参考にして作られた。
 中国の高等教育のニーズは大変高い。年8.5%の割合で高等教育人口は増えている。日本の60年代、70年代を超える勢いだ。2020年には、高等教育人口が5000万人になると予測されている。現在、中国には139万人のeラーニング履修者がいる。教育部は、2005年にはそれを500万人にすると宣言している。
 問題もある。第1の問題は、ネットワークインフラの整備の遅れだ。インターネットにつながらない家庭が多いが、つながっても45%から60%の家庭が未だにダイヤルアップだ。リッチな教育コンテンツを配信できる環境は整っていない。高等教育のニーズを支えるインフラが整備されているとはいえない。
 第2に、中国の大学が提供する教育コンテンツの質がバラバラで、そこが大問題になっているとも聞いている。ネット教育学院に申し込んだら、教育コンテンツのはいったCD−ROMとIDとパスワードだけ送られてきて、十分なサポートがないまま独習を強いられるといったケースもあるそうだ。提供される教育の質に差がある。中国政府は質保証をし、クオリティを上げるために、さまざまな施策を練っているところだ。
《英国》
 英国では、密度の高い、マンツーマン教育のような大学教育をしているが、こうしたカレッジ教育の伝統は少しずつ変わってきている。2001年に英国政府が高等教育の国家戦略を立て、大学から独立した株式会社「eユニバーシティーズ」を設立した。この株式会社は各大学から教育プログラムを収集する。それらのプログラムをeラーニングで配信し、自宅で大学の学位を取得できるサービスを始めている。約20大学が参加している。経営学や健康科学、英語、教員養成などのプログラムに人気がある。
 英国は英語の高等教育コンテンツをアジアに輸出することをねらっている。eユニバーシティーズは海外のパートナー機関を17カ国32機関を持っており、北京大学オンライン、北京外国語大学などはeユニバーシティーズからコンテンツを買っている。中国にいながら英国の大学の学位を取れる。これが英国の国家戦略になっている。
《韓国》
 1995年に「Edutopia構想」、いつでもどこでもだれでも教育機関にアクセスできるという構想を発表、1998年に「Vertual Univesrsity Trial Project(VUTP)」をスタートさせた。65大学5企業が参加している。VUTPのための新しい技術やコンテンツ開発はせず、既存のテクノロジーや施設を利用している。スペースや人的資源は各大学で共有する。VUTPがうまくいき、2000年にサイバー大学が誕生した。2004年には16のサイバー大学ができ、2万3850人の学生が学んでいる。サイバー大学の81%は高卒の社会人を対象にしており、大学の学部に相当する。学生はそれほど多くなく、1番大きいコリアサイバーユニバーシティでも1800人なので、先行きが懸念される。
 一方でサイバーMBAが少しずつ伸びていて、10大学が設立された。こちらは大学を卒業したレベルの社会人が対象で、20〜30代の400人が学んでいる。少しずつ伸びてきているが、米国のように育つかどうか、まだ見えない。
 韓国は高等教育より、K−12の教育の伸びの方が大きい。市場規模は99年の6億8300万ドルが2003年に20億8300万ドルに増えた。それを支えているのがK−12の教育産業、企業内教育の産業だ。
 大学受験用の学習サイト「メガスタディ」は、有名講師の授業を家庭で受けられるというインターネットのサービスをしている。オンデマンドで受講でき、受講者は50万人に上る。韓国の受験生は60万人だから、ほとんどの受験生は何らかのかたちでメガスタディを利用したことがあるということになる。これだけ発達しているeラーニング産業はないだろう。
 今韓国では企業内大学とeラーニングの連携が注目されていて、いろんな企業が企業内大学をつくってeラーニングを導入している。
《米国》
 全大学の56%、公立大学の89%がeラーニングを実施している。eラーニングの履修者は308万人で世界1位だ。
 ニューヨーク大学はかつてeラーニング化で失敗した。その後、学習者のニーズを徹底的に分析して、コースを決め、ペイしないコースは開設しないことにした。ニーズのあるのは「金融」「IT」「ツーリズム」「教育」「ヘルスケア」などと考えた。米国の小中学校の教員の56%は修士号を持っている。修士号や修了証のニーズは高く、教育はドル箱になっている。ニューヨーク大学では2万人の社会人学生が登録している。日本の社会人大学院生は3万5000人だ。そこから見ると、1大学が2万人の学生を抱えているのは、非常に多いといえる。米国には営利大学が多い。企業化していく大学と、大学化していく企業という2つの流れの中で、eラーニング産業は栄えていると言える。
 MITは授業素材を無料で公開し、「社会貢献のため」と言っている。だが、もうひとつの側面からこの事業を見ると、世界から優秀な学生を引っ張って来る「リクルートのメディア」としても機能しているように見受けられる。MITは素晴らしい教育や研究をしていると企業や社会に伝えることで、MITの知名度向上に貢献している。
 米国の高等教育のeラーニングが強い要因は、ひとつに、規制機関がないということが挙げられる。大学が独自に事業やコースを立ち上げることができる。大学設置基準がない代わり、大学の教育の質の評価・認定を行う民間のアクレディテーション機関がお墨付きを与える仕組みになっている。当然、大学の設立などはスピーディになる代わり、質はばらけてくる。そんなわけでドイツでは、アメリカの学部卒はドイツでは高卒に相当すると見なしている。
 高等教育のマーケットは広い。大学院生は181万人で、日本の22万人をはるかに上回る。教育学の修士は日本では1年間に6700人だが、米国は12万人だ。博士は日本が1年間に90人に対し、米国は4368人。人口は倍だが、学位の発行数、学ぶ人の数は圧倒的に米国が多い。
 米国の高等教育の需要が高いのは、米国が超学歴社会だからだ。高卒の年収が2万6677ドル、学士が1.9倍の5万623ドル、修士が2.4倍の6万3592ドル、博士が8万5675ドル、最も高い専門職学位の医学部、法学部、ビジネススクールを出た人が10万1375ドルと差が大きい。
 日本は、一般に学歴社会といわれる。しかし、実は世界的に考えると、学んでも得をしない社会「非学歴社会」と言える。高卒男子と大卒男子の給与差は1.28倍しかなく、その比率は世界で最も低い。日本の高卒の生涯所得は2億4500万円、大卒は3億1500万円。差は7000万円しかない。4年間の大学の授業料と、高卒で働いたとしたら4年間で得られたであろう「放棄所得」は1600万円で、1600万円を30年かけて7000万円にするということは、複利計算では6%の投資になる。学歴収益率が非常に低い。ところがアメリカでは学歴収益率が12.4%。だから日本では社会人や社会人大学院で学ぼうという人が少ないとも言える。
2月3日 仙台市、 、市教委と宮城県警で人事相互交流  (日経新聞)
仙台市は1日、市教育委員会と宮城県警の間で職員1人を相互に派遣し合うことを明らかにした。派遣期間は4月から2年間。児童虐待や薬物乱用の防止態勢を強化する狙い。市と県警職員の相互交流は政令指定都市では初めて。
 市教委側は教育相談課から1人、県警側は警部補クラスの職員1人を派遣する。県警は児童・生徒の薬物乱用や暴走族加入の防止について、市教委がいじめ110番についてそれぞれ指導・助言するという。
女子学生にセクハラ、東京学芸大教授を停職6か月に  (読売新聞)
東京学芸大(東京都小金井市、鷲山恭彦学長)は2日、女子学生にセクハラ行為を繰り返したとして、教育学部の男性教授を3日付で6か月の停職処分にすることを決めた。
 同大によると、教授は2003年7月から昨年6月まで、自分の研究室などで、指導していた女子学生の体に触るなどの行為を繰り返した。
 女子学生は昨年7月に性的嫌がらせを受けていると大学側に申し出た。大学が教授に事情を聴いたところ、セクハラの事実を認めた。
 東京学芸大総務部は「誠に遺憾で、女子学生に深く謝罪し、新年度から全教職員にセクハラ防止研修の受講を義務付けて再発防止に努めたい」としている。
2月2日 家庭に向けた学習手引を作成  京都市教委(京都新聞)
 子どもの学力向上を目指し、家庭学習の在り方を検討していた京都市教委は1日、保護者向けの手引書「家庭を学びの環境に−すすんで学ぶ子どもを目指して」をまとめた。家庭での学習時間のめやすや各教科ごとの学習ポイントなどを示す内容で、家庭に向けた学習手引の作成は全国でも珍しいという。
 児童や生徒の学力低下が指摘される中、家庭から学習意欲や習慣を養う環境づくりを点検してもらおうと、市教委は昨年8月、小中学校のPTA役員や教諭らで「家庭学習の手引き作成委員会」を設けて議論を進めていた。
 手引では、学年ごとに学校での学習内容を紹介し、学習時間の目安を小学1・2年で15−30分、同3・4年で45−60分などと設定している。「計算手順が正しく身に付くよう、毎日少しずつ計算しましょう」(小学3・4年算数)、「習った基本文型や文法を用い、自分に関係のあることがらを英文で書いてみましょう」(中学1・2年英語)など、各教科の学習ポイントも示した。
 3月上旬に市立学校長を対象にした研修を行い、新学期から学校を通して児童や生徒に家庭に配る。市教委学校指導課は「家庭での学習を呼びかける教師にとっても、自分の指導内容を振り返るきっかけになる。手引きを基に家庭と学校が連携して子どもの確かな学力づくりを進めたい」としている。
まず教諭研修から  長岡京の工場見学(京都新聞)
次世代の科学者育成を視野に入れた「京のエジソンプログラム」の視察研修が1日、京都府長岡京市神足のポンプメーカー「工進」で行われた。乙訓地域の小、中学校教諭ら約20人が参加し、ポンプの製造や組み立て現場を間近に見学した。
 ■科学好きの子ども育て
 ものづくりの現場を通し、子どもたちの科学技術に対する興味や関心を高めようと、京都工業会と府乙訓教育局などが本年度から始めた取り組み。まず子どもたちを指導する教員の研修からと昨夏、京都市内などで視察研修を催したのに続き、直接子どもたちに働きかける来年度の取り組みを見据えて、地元企業でも実施した。
 この日は同社の佐竹孝司常務が会社概要を説明。中国などの生産拠点の様子を交え「ものづくりに大切なのは提案制度。現場で製品に触れることも欠かせない」と話した。さらに、農業用のエンジンポンプの製造工程と工事現場などで使われる水中ポンプの組み立てラインを見て回った。
富田さんと岡さんに辞令 民間出身の滋賀県立学校長 (京都新聞)
今春、滋賀県内で初めて民間企業出身の県立学校長になる富田眞さん(56)=大津市平津1丁目=と岡均さん(51)=大阪府高槻市=が1日、県教職員課付嘱託職員の辞令を県庁で受けた。2人は2カ月間の事前研修の後、4月の人事異動で勤務校が決まる。
 2人に辞令を手渡した斎藤俊信教育長は「民間で培った柔軟な発想と実行力で学校に新風を吹き込み、特色ある学校づくりを期待します」と激励した。
 富田さんは学校運営の在り方について「社会や保護者のニーズを的確にとらえ、初年度に教職員と一緒に次年度の目標を立てる。実行し反省を加え、さらに行動する。定年までの4年間、あつれきも予想されるが、期待に応えたい」と話した。また「服装やいじめをみても日本は集団志向が強い」とし、「子どもに違う答えを求める」米国のように個性を重視する考えを示した。
 一方、岡さんは「50歳を過ぎて新たな仕事に挑戦できることに喜びを感じる。校長が考えた目標では現場は動かない。教職員や生徒の意見も聞いて目標を立て、共通の目標を持つ組織に変えたい」と語った。また携帯電話を例に「子どもたちは操作できても、英知と苦労の結晶であることに気づかない。好奇心を強く持ってほしい」と訴えた。
2月1日 中1に35人学級制 (三重)県教委 (朝日新聞)
県教育委員会は05年度から、県内の全公立中学校の1年生に、35人学級制を導入する方針を固めた。中学校という新しい環境になじめず、不登校や問題行動を起こす生徒が急増するなどの「中1ギャップ」に対応するため。必要となる教員の増加は、国の追加配置などを活用する。
 1学級の下限を25人、上限を35人とする。これにより、県全体で約60の学級が増え、全1年生の98%が35人学級で学ぶことになる見通し。県は03年度、小学1年生に、04年度は同2年生に30人学級制を導入しており、教員や保護者へのアンケートでは「落ち着いて学習出来るようになった」などと好評だったという。こうした結果を受け、中学1年生への少人数学級制導入を決めた。 (コメント 頑張りますね)
教員養成で論議 、佐賀大でフォーラム (朝日新聞)
県教育委員会は05年度から、県内の全公立中学校の1年生に、35人学級制を導入する方針を固めた。中学校教員の指導力不足が指摘されるなか、佐賀市の佐賀大で29日、「教員養成改革フォーラム」(佐賀大など主催)が開かれた。すでに改革に取り組む大学や行政関係者らが意見を交わした。
  シンポジウムでは「新しい教員養成の胎動をめぐって」と題して意見が交わされた。教育課程の中にボランティアやカウンセリング実習などを取り入れる島根大や岐阜大の取り組みが紹介されるとともに、教員養成の際に大学側に求めたいことについて、行政や民間から意見が出た。
  藤田和光・県副教育長は「学校評価に耐えられる教員を育成するため、大学は学生が身につけることを明確にしながら改革に取り組む必要がある」と述べた。また、教育現場が必要とする情報を大学側は積極的に発信するべきだと提言した。
  参加者からは「問題解決能力を身につけるにはどうしたらいいのか」などの質問があった。岐阜大の岩田惠司教授は教官の意識改革の必要性を指摘。「教官自身が現場の先生に会い、課題や悩みを聞いた上で、学生に指導することが必要だ」と述べた。
教育: 処方箋は「脱ゆとり」ではない   中嶋・早大名誉教授(毎日新聞)
学力論争、教育論争が活気を帯びている。OECDなどの調査で日本の子供たちの学力が低下しているという結果に、教育界だけでなく、社会全体が騒然とした雰囲気になり、「総合的学習」や「ゆとり教育」が槍玉に挙げられようとしている。だが、PISAの調査が示したものは十分に理解されているのだろうか。今、巻き起こっている議論は、21世紀に相応しい教育観、学力観を展望した上でのものなのか、自分たちが経験した教育のスタイルを守ろうとするものなのか。OECD調査で世界1のトップのフィンランドの教育、またOECD調査に詳しい中嶋博・早稲田大学名誉教授は1月27日に行われたOECD主催の講演会「OECD/PISA、教育大国フィンランドと日本の課題」で「冷静に考えよう」と訴えた、フィンランドと日本の教育について語った。中嶋名誉教授の講演の要旨を報告する。【平野秋一郎】
■教育大国フィンランドと日本の課題
フィンランド科学アカデミー外国会員、中嶋博・早稲田大学名誉教授  
 昨年、経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)が発表され、新聞各紙は夕刊トップで「日本の学力、世界のトップの座から落ちる」と報じ、「ゆとり教育のつけが回ってきた」と論評した。さらに国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育調査で前回より成績が下回ったことが明らかになり、「ゆとり教育」や「総合的な学習」への批判の声が上がった。
 しかし、私はそうした論評、批判に疑問を感じている。果たして日本の学力水準は世界に君臨していたのだろうか。基礎・基本を大切にすることは大事だが、従来の暗記、暗誦の詰め込み学習に戻ることで学力低下の問題は解決されるのか? ましてや時間割りを増やすこと、土曜日の授業を再開することで学力の問題が解決されるとは思えない。文科相は総合的な学習の時間の見直しを発言しておられるが、「ちょっとお待ちいただきたい。冷静に対処していただきたい」と申し上げたい。
フィンランドの教育と日本の教育について語る中嶋名誉教授
 結果に一喜一憂することなく、冷静に対処することが必要だ。PISAの目的は「社会経済生活に完全に参画し、将来にわたる学習者になれるような資質が身についているかどうか」を評価するものだ。知識の量を測定するものではない。その観点から、調査結果を冷静に深刻に真剣に受け止めるべきだ。PISAの見事な国際的診断に沿って日本の正しい処方箋がつくられるべきだ。
◇OECD/PISA−背景と影響
 PISAは長年の試行錯誤の結果、できたもので、なお改善が加えられている。1980年代、韓国や日本の子供たちは数学テストで上位を占めていたが、OECDは「何らかの犠牲の上で高得点を得ているのではないか」「その力は、これからの社会で役立つのだろうか」と疑問を持ち、「むしろ、クロス・カリキュラム・コンピタンス、すなわち問題解決、批判的思考、コミュニケーション能力、忍耐、自信といった教科を横断した能力が大事だ」と考え、その能力を測るための研究を始めた。
 一方、欧州評議会などは94年、「独立的で責任ある個人の形成」「責任ある市民の養成」を教育の最大の目標にするべきだと提言、これに北欧諸国が素早く反応し、学習指導要領の改訂などを行った。94年に国際公教育会議が開かれ、「教育は人権を尊重し、権利の擁護に積極的に取り組み、平和と民主主義の文化の創造へと導く。知識、価値、態度、技能を促進をすべきだ」と宣言した。これをもとにOECDは95年、教育への一般的期待、教育で育てるべき重要な能力は何かを調査した。
 その結果、生き抜くための道具としてのクロス・カリキュラム・コンピタンスの開発が必要とされた。OECD25カ国の代表は基礎的な教育指標の再検討について論議し、教育システムの領域を大幅に拡大すべきことを強く求めた。今まであまりにも教育の認知的な側面に重点が置かれていたのではないか。教育の非認知的な側面の指標の開発が必要ではないか、という問題提起を承認した。これが新しい教育指標へと発展への決定的な要因になった。
 PISAは「若い成人が未来の挑戦に対処すべく十分に準備されているか。彼らは分析し、推論し、自分の考えを意思疎通できるだろうか。生涯を通して学習を継続できる能力を身に付けているだろうか。広く国民、教育システムを利用する人々はこうした質問に対する答えを知っておく必要がある」という考えに基づいて行われている。
◇フィンランドの教育
 フィンランドは今回調査で「読解力」「科学的リテラシー」でトップ、「数学的リテラシ−」で2位、「問題解決能力」で3位と、総体的でトップだった。フィンランドの文部省は、それは「総合制教育の勝利」であるとし、そこに含まれている要因として「教育の機会平等」「地方での教育の接近性」「性差別の皆無」「教育の無償」「総合的、非選別的基礎教育」「支援的・柔軟な管理−中央の助言と地方の実施」「すべてのレベルにおける課業の相関的協同的方法」「学習への個人的支援と生徒の福祉」「テストもなく序列リストもない」「高度の資質を持ち、自主性を持った教員」「社会・構成主義的学習理論」などを挙げている。
 日本と同じ6・3制だが、中身は違う。フィンランドの教育の特徴は、「グループ学習」「少人数学習」「個別指導」「公民教育」「環境教育」の徹底にある。そして落ちこぼれを防ぐあらゆる手立てが講じられている。
 1991年に北欧閣僚協議会は「学校管理を国から地方に移そう」という勧告を出した。それを受けてフィンランドは93年に教科書検定を全廃し、94年に学習指導要領を改訂したが、それによって教科書は従来の10分の1の厚さになった。学習指導要領はほとんど枠組みだけで、後は現場の教員に任せた。それによって、各学校は特色を出せるようになり、さらに底上げ、底辺の充実を図った。それが今回の結果に反映している。
 1995年の全国学力テストで第8学年の読解力が劣っていた。そこで、新聞雑誌協会、教員組合、図書館協会が一体になって読書力の向上に努めた。2001から2004年の最優先プロジェクト「読書フィンランド」として、学校図書館の充実、自治体と図書館の連携強化、作家を学校に招くなどの取り組みをした。注目すべきことは、このために授業時間を増やしていないということだ。中学の授業時間はOECD調査で、世界最少だ。
 フィンランドの学校はとにかく楽しい。子供は学校に行くのが楽しいから、絶対に休まない。そして質の高い教員がいて、教科書を楽しく教える。授業は日常生活から出発し、公民教育がきちんと教えられる。しかもそれは、道徳教育ではなく、人間として人間らしい教育をしていく。
 昨年、新しい学習指導要領が告示された。「数学と国語は1〜2時間増やす」「小中一貫」が盛り込まれた。それ以上に注目すべきことは、21世紀を切り開くため、「総合性の徹底を図る」こととし、すべての教科を横断し、すべての学校の全課業を支配する原理として、総合的な学習の時間を促進させようという新しい狙いを掲げている。我が国と全く逆だ。
 実験学校の報告では、金曜日は一切、時間割りがない。そして週26時間のうち11時間が総合的な学習に当てられている。そのテーマは「個人的な成長」「文化的同一性と国際化」「コミュニケーションとメディア技術」「参加型市民性と起業家精神」「環境への配慮・福祉と持続的未来(平和)」「安全と交通」「人間とテクノロジ−」の7つの大変、大きなテーマを全部やれという、驚くべきものだ。これらを21世紀を切り開くテーマとして取り上げている。
▽教員養成改革
 フィンランドでは昔から「教員は模範的市民であり、祖国文化の担い手、国際文化の理解とその寄与者として、それらを次の世代によく伝えうる教育技術に長け、児童を心の底から愛する人格高潔な人でなければならない」と言われている。子供たちの将来なりたい職業は男女ともに教員だ。
 1971年の教員養成の改革で、すべての教員は教育学部で養成することが決まり、「すべて教育学部で最低4年の教育を行う。幼稚園と低学年の教員はさらに長い教育が望ましい」「志望する学科、専攻は違っても同じ講義を教育学部で受ける」「途中で不適格とされた者は他学部への移行を可能にする」「高学年以上の教員は他学部の講義を受け、教科の専門家、教育の専門家となる」ことが法律で決められた。79年には教員養成カリキュラムが大改革され、初等教育の教員の学級担任の場合、160週以上の履修が必要になった。1年40週で4年だが、普通5〜6年かかる。それは半年、実習を行わなければならないこと、語学の単位を取るにはその言葉の国に1学期行かなくてはならないことなどがあり、4年では卒業できない。160週を履修すると修士号を取れる。全教員が修士号を持っている。
 フィンランドでは、「子供中心」「社会共同」「1人で学習することで人間の発達はありえない」「個人の成長は社会の成長」と考え、詰め込み、訓練主義に全く反する学習理論に基づいて教育を行っている。
◇日本の教育−課題と処方箋−
 PISAの調査は国際的な科学的な学習診断だ。この国際勧告を受け入れ、この名医による国際的診断を受けて、どんな処方箋をつくるかが、我が国に求められている。その処方箋は決して脱「ゆとり」ではない。「生きる力」「学ぶ力」の育成を目指したものであるべきだ。21世紀に必要とされる基礎・基本をゆとりの中でしっかりと押えていく必要がある。
 国語力のアップが一番大事だ。読書の勧めは緊急の課題で、それは国語力のアップで、それには学校と家庭の協力なくしてはできない。特に学力の低位層の子供たちへのケア、底上げが必要だ。もちろん数学、理科の学力アップも求められる。そして落ちこぼれをなくす方策を親がサポートすることが必要だ。サポートはOECDでは常識になっていて、親はパートナーとしてサポートしている。すなわち「助け合いの学習」が行われている。福祉国家フィンランドの教育は助け合い、落ちこぼれのない学校を実現している。フィンランドはPISAの前回調査でトップになりながら、なお、読むことを優先させてきたことを忘れてはならない。優れた教員養成にかける熱い思いと科学的措置、総合学習を強化して「生きる力」の育成を図るというフィンランドの教育は、我が国と全く逆である。
 どんな家庭でも、豊かでない勤労者の家庭でも数百冊の図書を持っている。ムーミンのトーベ・ヤンソン、アンデルセンのものなど基礎的な本は全部ある。学校ではさらに、家庭にないものをそろえて、合科的な授業の時間に読ませている。それらの本をどんな家庭でもそろえられえる「助け合い」の福祉社会、国民にすべてが保障されている社会が実現している。
 フィンランド・社会保障省の1979年の文書には「教育こそが国家の貴重な資産と見なして大事にしてきたことが、今日の福祉国家を実現した」と言っている。OECDの2004年の統計では、教育費のGDP比がフィンランドは5.5%だった。デンマークは6.45%、スウェーデンは6.29%で、日本はOECD加盟国最低の3.5%だ。フィンランドはほとんどが公教育だが、教育は無償が原則だ。そういうことを考えていかないと、日本は沈没しかねない。
毎日新聞 2005年1月31日 17時59分

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