教育関係報道(各新聞社の記事のスクラップです。)

  戻る  

(毎日新聞の記事は1週間ほどで消滅します)
3月31日 絵手本「北斎漫画」の所蔵を確認京都教育大の付属図書館(京都新聞)
京都教育大(京都市伏見区深草藤森町)の付属図書館でこのほど、江戸時代後期の浮世絵師葛飾北斎(1760−1849)による絵手本「北斎漫画」の所蔵が確認された。30日から図書館ロビーで展示されている。
 北斎漫画は北斎が描いたスケッチの集大成で、人物や建築物、風景、動植物、妖怪など4000点近い絵が収録されている。当初は弟子の絵手本(テキスト)だったが、人物の自由な動きや造形の自在な表現、北斎独特のしゃれが大衆の人気を集め、北斎死後の明治11年まで全十五編が世に出された。
 図書館で見つかったのは明治11年に再刊されたうちの7編。明治23年に当時の京都府尋常師範学校が教材として購入したが、戦後まもなくGHQ(連合国軍総司令部)の没収を恐れ、図書館に保管したままになっていたらしい。蔵書確認中に所在が分かり、今年2月に石川誠教授(美術教育)が北斎漫画と確認した。
 公開されたのは北斎漫画七編と関連資料4点。「遠近法を取り入れた人物や空間表現など、北斎の革新性が見て取れるとともに、武士をちゃかした絵など江戸時代の町人の力を感じる」(石川教授」という。
 展示は4月28日まで。付属図書館Tel:075(644)8175。京都教育大では4月3日にオープンカレッジ「ふれあい伏見フェスタ」が開かれ「北斎漫画」展示のほか、自然観察会やフリーマーケット、「お話し広場」などのイベントがある。
事務局の人事異動を発令京都府教委 4月1日付(京都新聞)
 京都府教委は4月1日付で事務局の人事異動を発令する。異動対象は210人。
 教育長となる田原博明教育次長の後任に勝間喜一郎洛北高校長を起用。指導部長に宮野文穂八幡高校長を充てる。
 子どもの巻き込まれる事件が相次ぐなか、危機管理強化のため、教育次長が兼務する学校安全対策監を新たに置き、また保健体育課内に健康安全教育推進室を設けて、情報の一元化を図る。子どもの教育に対し府教委と知事部局が連携して取り組むため、新設される「学びと育みの京都プロジェクト」のプロジェクト長は池田博・管理部長が兼務する。2006年度に府内で開催される全国高校総合文化祭に向け、高校教育課内に推進室を新設する。(コメント 勝間さんは元本学教育後援会会長です)
早大、一橋大生あてに「研究費振り込め」 新手の詐欺か(朝日新聞)
早稲田大学と一橋大学の在学生にあてて、架空の研究費やゼミ費の名目で金を振り込むよう求める文書が郵送されていることがわかった。いずれも差出人は会計課事務局長となっていたが偽名で、両大学は新手の振り込め詐欺の疑いがあるとして、警視庁に通報するとともに、大学のホームページで注意を呼びかけている。
 早大の学生には18日以降、「学部研究費として5万3800円を振り込んで欲しい」といった内容の文書が届き、これまでに十数人から大学側に問い合わせがあった。
 一橋大の学生にも「前期分の学部研究ゼミ費8万7800円が未納で、このままだと4月からゼミを受講できない」と記された文書が送られた。封筒は本物に似せて大学名や校章が印刷されており、30日夕までに8人から問い合わせがあった。
 両大ともすぐに、文書に書かれた振込先口座の凍結を金融機関に要請し、今のところ被害は確認されていないという。
大学破綻に備え「学生転学支援プログラム」 文科省(朝日新聞)
少子化の影響で私学の経営環境が悪化する中、文部科学省は30日、私立の大学・短大が破綻(はたん)した場合に備えた「学生転学支援プログラム」を公表した。私学事業団などと連携しつつ、近隣の大学に受け入れを求めることにしている。受け入れ大学に対する補助金の増額などで学生の円滑な転学を促す内容だ。
 同省によると、04年度に入学定員を満たさなかった私大は約30%、短大は約40%にそれぞれのぼる。また、03年度には、全646の学校法人のうち、約30%にあたる177法人で入学金や授業料などの収入で支出をまかなえない状態だった。
 文科省と私学事業団は、今後すべての学校法人の決算書をチェックし、経営状態が悪い学校法人に対して早期の改善を求めていく方針だ。
入試: 教科「情報」を入試科目に 国立8大学が検討(毎日新聞)
新しい教科「情報」を入試科目として取り入れるかどうか、国立8大学は「八大学情報入試ワーキンググループ(仮称)」をつくって検討することを決め、24日、第1回目の会議を開いた。
 ワーキンググループに参加するのは、北海道大、東北大、東京大、東京工業大、名古屋大、大阪大、京都大、九州大の各大学。2005年度中に可能性を検討し、06年度には、実現に向けた行動計画を策定する予定だ。5月に予定されている2回目の会議までに、各大学で可能性を検討する。
 8大学のひとつ、九州大学大学院の雨宮真人教授(システム情報科学研究院)は、東京農工大で29日開かれたシンポジウム「大学入試と教科情報」でワーキンググループについて説明し、「情報工学、情報科学の重要性を認識してもらうために、入試科目に必要だと考えている。東京農工大学の試みを参考にして、1校でも早く、入試科目化を実現したい」と話した。
 新しい学習指導要領で生まれた高校の普通教科「情報」は、03年から授業が始まった。2006年度入試は新学習指導要領での試験となるが、大学入試センターは、「情報」の試験を行わないことを決め、引き続き検討するとしている。
 一方、情報工学や情報科学の教員の間には、入試を行いたいという声も強い。東京農工大学(東京都小金井市)の情報コミュニケーション工学科が、「情報」を入学試験の科目にすることを決め、昨夏から試行試験を行って、出題内容を検討しているほか、愛知教育大、千歳科学技術大、北海道情報大、東京情報大、専修大学が「情報」を入試科目にする予定だ。【岡礼子】 
3月30日 お茶の水女子大 、4月から付属保育所オープン(朝日新聞)
お茶の水女子大に来月1日、全国で初めて大学付属の保育所がオープンする。保育と合わせて、乳幼児の発達の研究なども行う。
 同大の学生らの0〜2歳までの子ども8人を預かることになる。将来的には外部からも受け入れ、20人まで定員を拡大する予定。国立大学の法人化に伴い、保育料を大学が直接徴収することができるようになり、保育士の給与も同大から支払われる。
最先端コンピューター技術 高校生に伝授 日本IBM(朝日新聞)
高校生の授業で、コンピューター業界の最先端技術である「グリッドコンピューティング」を学ぶ新しい試みを、日本IBMと関西学院高等部(兵庫県西宮市)が、4月から共同で始める。グリッドコンピューティングは、多くのコンピューターを通信で結んで、大規模なデータ計算を手分けして処理し、大型コンピューターと同性能を実現する技術。大学では学ぶ機会が増えているが、高校の授業内容に盛り込むのは、「日本の高校では初めて」(日本IBM)という。
 近年、グリッド技術は企業が着目している。自社のパソコンで普段使っていない余剰能力を社内通信網で集め、有効活用する試みだ。関西学院と日本IBMは昨年夏から、注目を集めるグリッド技術を教材化し、高校生にも分かりやすく学習できる方法を考えてきた。
 授業では、「グリッド技術とは何か」「どんなことができるのか」「構築方法は」などを学ぶ。IBMの技術で、教室の計48台のパソコンをグリッド対応に構築し、生徒全員が自分で体験できるようにした。
 05年度は3年生18人が受講し、06年度は1年生約300人、3年生の18人を対象に授業を始める。
情報教育: 「メディアってなんだ?」 大阪府が教材(毎日新聞)
多様なメディアから多様な情報が発信されるようになり、情報社会では情報を主体的に判断する力が必要になっている。大阪府は子供たちの情報に対する力を育てるため、小学生5、6年生向けのメディアリテラシー教材「メディアってなんだ?」を作成した。府は「メディアリテラシーはさまざまな機会に学び続ける必要がある。この教材を入り口にして、理解を深めてほしい」と話している。
 教材はCD−ROM教材と手引書からなり、CDは、「メディアを知ろう!」「チャレンジ!CMづくり」「しりょう室」の3部構成になっている。「メディアを知ろう!」はメディアの特徴をゲーム感覚で学ぶ。「チャレンジ!CMづくり」は絵と音楽、ナレーションの3つの素材から1つずつ選んで組み合わせ、計27通りのCMがつくれる。府生活文化部子ども青少年課は「一方的に教えるのではなく、体験することで理解が深まる」と話す。「しりょう室」はメディアリテラシーについての情報が収められている。
 府は、メディアリテラシーを「メディア社会に参画し主体的に生きていく力」ととらえ、その中に、さまざまなメディアの特性を知り、目的に応じて情報を批判的に読んだり、責任をもって情報発信する力などが含まれていると考えている。
 府は2003年、青少年健全育成条例を改正し、インターネットを利用できる施設の管理者などに対してフィルタリング導入の努力義務を決めた。また、「青少年メディア環境調査」を実施した。
 調査の結果、フィルタリングソフトについて「聞いたことはあるが詳しく知らない」「知らない」と答えた中学生が762人中約65%、保護者が75%に上り、メディアリテラシーという言葉を「聞いたことがない」保護者も78%−−と認知度が低かったため、教材を開発することにした。教員、地域の青少年団体の指導者らからなる「メディアリテラシー教育プログラム開発検討委員会」が検討を重ね、今月完成させた。
 教材、手引書は府内の小学校に配布し、ホームページからもダウンロードできる。家庭や地域で使うことも想定し、手引書には「子供たちの自由な発想に任せて利用させてください」「言語化することで、子供たちの理解が深まります。CD−ROMを題材に、いろいろ話してください」−−など、保護者へのアドバイスも書かれている。【岡礼子】
【メディアってなんだ?】 http://www.pref.osaka.jp/koseishonen/medialiteracy/mediatop.html
eラーニング: 大学のコンテンツ検索サイトを開設 (毎日新聞)
独立行政法人メディア教育開発センター(NIME、清水康敬理事長)は内外の大学などが配信している数多くの高等教育のコンテンツを体系的、総合的に提供するウェブサイト「NIME−glad(ナイム・グラッド)」を3月28に開設した。
 NIMEは大学などのeラーニングの支援に関する研究や、高等教育のeラーニングコンテンツの流通と利用の促進に取り組んでいる。そのため大学や図書館、教育機関など膨大なコンテンツにLOM(Learning Object Metadata)を付けて、横断的に検索、利用できる環境づくりを進め、初等中等教育の教育コンテンツを登録した教育情報ナショナルセンター(NICER)とも連携し、日本の総合的な教育メディアポータルサイトづくりを進めてきた。
「NIME−glad」はその成果を生かしたサイトで、日本の大学がインターネットで公開、配信しているeラーニングコースや公開講座、シラバス、図書館などの素材情報、米国とカナダの大学のeラーニングコース、各種のリンク情報などを横断的に検索できる。すべてのコンテンツはLOMで管理されているので、「コンテンツの種類」「分野」などのカテゴリーでも、キーワード入力でも簡単に検索できる。現在のLOM件数は9万3210件で、21世紀の学習社会の多様なニーズに応えるため、毎年、件数を増やして行く。
 「glad」は(Gateway to Learning for Ability Davelopment)の頭文字をとった名称で、日本語名は「能力開発学習ゲートウェイ」。
■「NIME−glad」で提供されるコンテンツ、情報
▽大学などのeラーニングコース=1782件
▽大学など学術講演・公開講座=377件
▽大学のシラバス=51大学 7万1032件
▽素材情報=1万7497件
▽米国、カナダの大学の遠隔教育=329大学 2513件
▽リンク情報=1389件
NIME−glad http://nime-glad.nime.ac.jp/
NIME http://www.nime.ac.jp/index.html
洛陽工と伏見工に新設学科 定時制を伏見工に一本化(京都新聞)
京都市教委は2007年度から、洛陽工業高(南区)と伏見工業高(伏見区)の学科を全面再編し、電気や建築技術などを横断的に学べる新設学科に集約する。合わせて両高の定時制を伏見工に一本化し、夜間から昼間の定時制に変更する。
 現在、洛陽工には電気や電子通信など7学科、伏見工には建築や産業デザインなど5学科が設置されている。
 計画では、両高とも工業知識が総合的に学べる1学科にする予定。学科内に、洛陽工には電気や機械を中心としたコースを伏見工には建築や土木を学べるコースを設ける。1年生はコースを問わず、企業体験などを通して職業観を学び、2年生から自分の適性に見合ったコースを選択する。
 両高に設置されている夜間定時制は伏見工に統合し、昼間に変更。企業での長期就業訓練を単位認定するなど、柔軟なカリキュラムが組める定時制の利点を生かす。当面の間、夜間定時制も伏見工で定員を減らして存続させる。
 工業高の再編に向けては、適性が分からないまま受験生が志望先を選んでいる現状や、昼間働く「勤労学生」が減っていることなどから、市教委が昨年12月に「市立高校における今後の工業教育のあり方に関する検討プロジェクト」を設置して検討していた。
 新設学科や昼間定時制の名称、定員などは、今年11月までに決める予定。学校指導課は「分野を横断した知識や技術が求められる今、ものづくりの街京都に見合う人材を育てる体制を整えたい」と話している。
3月29日 中堅の先生、3年限定でレンタル移籍高知から大阪に(朝日新聞)
大阪府教委は4月から、3年間限定の「レンタル移籍」の形で30〜40代の小学校教員7人を高知県教委から受け入れる。
 大阪の小学校は50代の教員が半数以上を占め、中堅の世代が極端に少ない。今後、大量の50代が退職を迎えるため教員確保に頭を悩ませていたところ、高知県教委から「都会で武者修行させたい」と申し入れがあった。府教委は「渡りに船で大変ありがたい」と歓迎している。
 府教委によると、小学校の教員約1万3700人のうち、高度成長期に大量採用した50代が52%を占める一方で、40代が24%、30代が12%、20代が13%と少ない。
 府教委は04年、小中高合わせて全国最多の2110人の教員を採用したが、新卒だけで補うと、再び偏った年齢構成になってしまう。このため03年の採用試験から、他県の現職教員を「引き抜く」特別枠を設け、04年には新規採用の年齢制限を35歳以下から45歳以下へ引き上げるなど、中堅世代を採用してきた。
 一方、高知県は過疎化や少子化の影響で教員数に余裕があり、04年の小、中の採用は計21人。県教委の担当者が昨年夏に大阪へ打診した。06年以降も10人前後を「貸し出す」という。7人はいったん退職した後に大阪府が採用、給与を負担する。3年後、再び高知県が採用する。文部科学省は「これだけの数の一方通行の人事交流は聞いたことがない」という。
東大、マッキンゼーの指導で大学事務作業を3割削減(日経新聞)
東京大学がマッキンゼー・アンド・カンパニーからコンサルティングを受け、大学事務の大掛かりな改革に着手する。文書決裁の簡素化など26項目の改善策に4月から順次取り組むほか、不要な組織は廃止する。一連の改革で事務作業量を3割程度削減する。
 法人化を受けて役所的な発想から脱却したい考えだ。文書決裁では起案者のほか、係長、課長ら中間管理職のハンコを並べていたが、起案者と責任者の2つだけに減らすなどの改革を実施。作業量を減らすことで、余力を産学連携や起業を目指す教員・学生への支援などに振り向ける。
理科離れ防止は家庭から…文科省が周期表を作成(読売新聞)
子供の「理科離れ」や「化学嫌い」を防ごうと、文部科学省がイラストや写真を満載したポスター大の元素の周期表「一家に1枚周期表」を作成した。
 4月の科学技術週間中のイベントなどで6万枚を無料配布する。
 A2サイズのこの周期表には、元素記号や元素名のほか、アルミニウムなら1円玉、カルシウムなら骨など、身近な例がイラスト表示してある。ガリウムを使った青色発光ダイオード、水素を燃料にするH2Aロケットなど最新の科学技術を取り入れたのも特徴だ。
 企画した玉尾皓平・京都大学化学研究所教授は「リビングルームで周期表を見ながら、親子で科学への夢を語り合って欲しい」と話している。出版社の化学同人(京都市下京区)が今後、販売する予定だ。
 ◆周期表=似た性質が周期的に現れる111の元素を、水素、ヘリウム、リチウム……などと、原子番号の順に並べた表で、化学や物理学の基本となる。2002年度に中学の理科教科書から姿を消し、科学界の批判が高まっている。
予算減だが改革「手応え」国立大学長アンケート(朝日新聞)
法人化に伴い国立大学の学内運営や財政面に変革の波が寄せている。朝日新聞社が全国89の国立大学長に実施したアンケートでは、05年度予算額が前年度より減った大学が48校と半数以上に及び、厳しい財政運営を迫られた。しかし、ほとんどの学長が民間の手法を取り入れる新しい経営方式を評価、学長権限も増大したとして、改革への手応えを感じていた。
 予算は、文部科学省を通じて配分される運営費交付金と、授業料などの自己収入の二つに大別される。行財政改革の一環として、運営費交付金は毎年1%ずつ減額され、その分は各大学で効率化や自己収入増加に努めることとなった。
 アンケートでは、89校のうち48校で前年より予算額が減少していた。付属病院への交付金に一律かけられる2%の減額分と合わせ、運営費交付金の減額分が響いていた。
 新たに、民間の経営者や外部識者らをメンバーに設置された経営協議会方式は、「内向きの議論しかしてこなかった大学にとって、外部委員の発言は非常に新鮮で、外圧となっていい方向に機能している」(茨城大)などと84校が評価した。
 学長権限については、9割にあたる80校が強まったと感じていた。「『政策的配分経費』を設け、学長の意向で執行されるようになった」(島根大)、「人件費管理、組織改革などでリーダーシップが発揮できる」(静岡大)などと答えていた。
 では、法人化後、自主的な「大学改革」は実現へ向けて前進したのか。「手応えを感じている」としたのは74校で、増大した権限を元に、学長が自ら独自性を発揮していこうとする強い意気込みが伝わってきた。
3月28日 世論調査: ゆとり教育「評価せず」65% (毎日新聞)
毎日新聞は26、27両日、全国世論調査(電話)を実施した。子どもたちが自ら考え、解決する力を重視してきたこれまでの文部科学省の路線(「ゆとり」教育)について「評価しない」との回答が65%と、「評価する」の24%を大きく上回った。評価しない理由では「学力低下を招いているから」が最も多かった。その一方で、文科省が検討を始めたゆとり教育見直しに対しては、反対や慎重な回答が計56%と、賛成の32%を上回り、性急な路線変更には否定的な声が強かった。
 ゆとり教育を評価しない人に理由を尋ねると、「学力低下を招いているから」29%、「学ぶ意欲の向上に役立っていないから」27%で、二つで過半数を占めた。「自ら考える力よりも、基礎的な学力を育てるべきだから」は18%にとどまり、ゆとり教育の理念より成果への不満が強いことをうかがわせた。「評価する」理由は「単なる知識よりも、自ら考える力を育てるべきだから」が70%と、圧倒的に多かった。
 文科省は「学力向上」のため、学習指導要領(小中学校は02年度から実施)の「全体」を見直す検討を始めている。国語や理数系の授業時間を増やしたり、総合学習の時間を減らす方向となりそうだ。こうしたゆとり教育見直しについては「もう少し成果を見極めるべきだ」が36%と最多で、「反対」20%と合わせると、「賛成」の32%を大幅に上回った。
 BSE(牛海綿状脳症)問題で日本が停止している米国産牛肉輸入の再開を同国が強く求めていることについては「再開を急ぐべきではない」71%、「早期に再開すべきだ」17%だった。政府に米国への外交配慮より「食の安全」重視の慎重な対応を求める声が強いことを改めて示した。
 ◇内閣支持率43%
 小泉内閣の支持率は43%と、2月の前回調査より2ポイントの微増。不支持率は6ポイント減の33%だった。
 政党支持率は自民33%(前回比2ポイント増)▽民主17%(同3ポイント減)▽公明3%(同1ポイント減)▽共産3%(前回と同じ)▽社民3%(前回比2ポイント増)−−で、支持政党なしの無党派層は37%(1ポイント増)。【木戸哲、北川仁士、平田崇浩】
 【ことば】「ゆとり」教育 過去の詰め込み教育への反省から生まれた教育改革の路線。子どもたちにゆとりを持たせ、「自ら学び、考える力」の育成を目指す。その一環で02年度、小中学校に学校完全5日制と総合学習が導入される一方、学習内容は3割程度減ったとも言われる。文科相の要請を受けた諮問機関、中央教育審議会は秋までに基本的な方向性を提言するが、総合学習削減や基本教科の授業時間復活などが焦点になるとみられる。
定年前教諭退職: 学校5日制、総合学習導入後1.4倍に(毎日新聞)
全国の公立小中学校で学校5日制が導入された02年度以降、定年(60歳)前で退職する教諭が急増していることが27日、毎日新聞の調べで分かった。昨年度の定年前退職者数は8162人で、01年度の約1.4倍。大阪府、川崎市、広島県、神奈川県では、2倍を超えた。学校5日制や総合学習の導入などの教育改革で現場の教諭の負担が増えたことなどが背景という指摘が出ている。
 全国47都道府県と13政令市の教育委員会を通じて調査。99〜01年度に6000人前後だった定年前退職者数は、5日制導入の02年度が6751人、昨年度は8162人だった。60県市中43県市で昨年度の定年前退職者数が01年度を上回り、▽大阪府では01年度比2.37倍▽川崎市では同2.29倍▽広島県では同2.27倍▽神奈川県では同2.14倍に達した。
 制度導入にあたっては、それまでより1日少ない日数で各教科を教えなければならないうえ、総合学習では従来の教科以外の学習計画が必要となり、教諭の負担増が指摘されていた。広島県教職員組合が昨年、定年前退職者に行ったアンケート調査では、2割が「事務的な仕事が多く、子どもに向き合えない」などと教育現場への不満を挙げた。退職者のうち、約3割が40歳代以下の若い教諭だった。
 増加が著しい大阪府や広島県などの教育委員会は「年齢別の教員数の偏りを是正するため、退職金などを上乗せする定年前退職の勧奨制度を実施したのが大きな原因」としているが、教諭の心のケアに取り組む日本教職員組合生活局の長山桂子次長は「過重労働と生徒のケアで教諭はへとへと。仕事を続ける自信を無くした教諭の退職勧奨制度が後押ししているのが現状」と指摘している。【遠藤孝康、田中博子】
 ◇教諭は肉体的・精神的に大きな負担
 ▽国立教育政策研究所教育政策・評価研究部の小松郁夫部長(学校経営学)の話 唐突なゆとり教育への転換で、教育委員会などは成果の見極めに懸命になり、教諭は事務作業に追われている。教育方法の転換への戸惑いもあり、肉体的・精神的に大きな負担を感じている。
◆都道府県・政令市別の教諭早期退職者数(各年度末時)
   99年度 00年度 01年度 02年度 03年度    99年度 00年度 01年度 02年度 03年度    99年度 00年度 01年度 02年度 03年度
北海道 259  237  247  190  203 青 森  71   73   57   51   43 岩 手  78   75   55   40   64
宮 城  79   80   73   47   65 秋 田  31   19   23   27   42 山 形  46   55   48   37   47
福 島 101  121  105  105   93 茨 城  89  107  112  126  124 栃 木  80   51   57   72   69
群 馬  76   73   61   66   68 埼 玉 263  319  414  248  287 千 葉 229  243  332  268  372
東 京 601  547  656  812  966 神奈川 166  208  185  280  396 新 潟 110  100  117  130  126
富 山  26   29   32   47   61 石 川  38   29   35   53   56 福 井   −    −   45   36   60
山 梨  28   25   32   46   51 長 野  92  104   93   82  101 岐 阜  93  105   84  113  166
静 岡 179  189  148  219  178 愛 知 212  230  259  220  249 三 重  86   80   80  117  104
滋 賀  52   85   52   75   96 京 都   −    −    −  102  160 大 阪 526  793  479  738 1139
兵 庫 334  268  276  359  428 奈 良  85   72   83  106  140 和歌山  44   44   54   89   69
鳥 取  2r0   17   16   20   23 島 根  27   34   33   34   34 岡 山  55   84   66   62   74
広 島  75   82   83  120  189 山 口  15   19   14   14   17 徳 島  38   36   23   20   27
香 川  32   33   37   36   48 愛 媛   −    −    −   70   76 高 知  37   28   32   36   39
福 岡   −    −   99   83   79 佐 賀  51   31   18   27   31 長 崎  88   95   76   76   79
熊 本  73   62   66   49   47 大 分  33   28   33   24   26 宮 崎  82   78   66   75   79
鹿児島 115  113  103  114  105 沖 縄   −  135  114  114  108
札幌市  64   75   62   70   62 仙台市  42   31   38   35   39 さいたま市 −   −       −      30
千葉市  35   44   57   43   47 横浜市 143  199  152  210  266 川崎市   −   34   31   48   71
名古屋市 65   80  112   73  104 京都市  52   77   50  103   99 大阪市 114  110   82  125  160
神戸市  56   29   31   49   54 広島市  27   42   31   54   50 福岡市  34   38   36   38   43
北九州市 25   33   32   28   33 合計 5472 6028 5887 6751 8162

※さいたま市は03年4月に政令市に移行
義務教育費の国庫負担堅持へ与党攻勢・公明も検討機関(日経新聞)
存続か廃止かが焦点になっている義務教育費の国庫負担制度の存続に向け、与党が攻勢を強めている。自民党に続き、公明党も検討機関を発足させ、国の教育への関与の重要性を再確認する作業を始めた。中央教育審議会(中教審)が負担制度の存廃を答申するのは今年秋。廃止で動く全国知事会など地方6団体や首相官邸、財務省、総務省の連合軍に先手を打つ狙いだ。
 国と地方の税財政改革(三位一体改革)に絡む義務教育費国庫負担法改正案は31日にも成立する。国が50%負担する公立小中学校の教職員給与のうち4250億円を削減する内容だ。だが、この措置は2005年度だけ。昨年11月に政府・与党が06年度以降の扱いは中教審の答申をみて決めることにしたためだ。
3月27日 信大で来月から市民開放授業松本で説明会(東京新聞)
信州大は二十五日、松本市のMウイングで、四月から始める「平成十七年度市民開放授業」の事前説明会を開いた。高校生を含む一般市民に講義を開放、地域の人たちと大学との連携を深め、生涯学習に役立ててもらうのが狙い。二十七日午後一時半からは、長野市西長野の同大教育学部第二会議室でも開く。
 講義は松本、長野、伊那、上田の各キャンパスの全八学部と松本の高等教育システムセンターである。四月から七月までが前期、十月から来年一月までが後期で、今回は前期と通年の計約六百七十三科目について受講生を募集する。
 受講料(一科目あたり)は、前期科目九千四百円、通年科目一万三千四百円。四月二十八日まで試聴期間を設けており、受講科目登録は各学部の窓口で行う。問い合わせは、同大学生部学務課=電0263(35)4600=へ。 (長竹 祐子)
『35人学級』『支援講師』選択制 小1、2年に77人配置石川県教委人事異動(東京新聞)
県教育委員会は二十四日、四月一日付の二〇〇五年度教職員人事異動を発表した。四月から小学一、二年生を対象に三十五人学級か支援講師制度かを各学校が決める選択制を独自に導入するため、四十四人の教員と三十三人の非常勤講師を配置する。異動総数は前年度を三十七人上回る千九百七十五人。(城島建治)
 内訳は小学校千六人、中学校五百二十六人、高校三百三十五人、特殊教育諸学校百八人。新規採用者は計百三十九人で、小学校六十六人、中学校二十七人、高校十八人、特殊教育諸学校十六人の計百二十七人。ほかに養護教員を十二人採用した。
 小中学生の学力向上に向け、習熟度別にグループ化する「少人数授業」の担当教員として、昨年より三十人多い三百二十三人を担任とは別に追加配置する。女性管理職は、新たに十七人を任用して計百二十四人となり、管理職全体に占める割合は全国平均と比べ0・7ポイント高い14・9%。
 〇三年十二月に導入した「管理職員降任制度」に基づき、小学校教頭と特殊教育諸学校部主事の二人が「子どもと深くかかわりたい」との理由で、教員への降格を希望して認められた。
 昨年に降格された教頭二人は「管理職として使命感に欠ける」として県教委が降格を勧告したのに対し、今回の二人は自ら申し出たという。
 管理職で市郡を超える地域間異動は三十七人で、昨年を十五人上回った。四教育事務所管内を超える異動は五人おり、県教委は「管理職の広域人事を積極的に進め、人材の有効活用を図りたい」としている。
教育研究の拠点へ、基盤強化図る「京都高等教育センター」を設置(京都新聞)
大学コンソーシアム京都(京都市下京区)は26日、大学改革や産官学地域連携のあり方について考える研究機関「京都高等教育研究センター」を設置した。研究成果を各大学に発信するとともに、コンソーシアム京都の事業に反映させ、大学のまち・京都の基盤強化を図る。
 センターは、大学全入時代の高等教育の諸課題や現状把握などに取り組む「高等教育実態研究」など4分野の研究テーマを掲げる。
 今後、コンソーシアム京都に加盟する大学などから具体的な研究テーマを公募し、プロジェクトチームを組んで研究に取り組む。成果はセミナーや研究会の開催、報告書、紀要などで全国に発信する。
 キャンパスプラザ京都(下京区)で開かれた会見で、センター長に就任した佐々木嬉代三・立命館大教授は「高等教育研究の拠点として大きく成長させたい」と話した。設立記念シンポジウムも開かれ、尾池和夫京都大総長らが講演した。
3月26日 教員不足を予測 、文科省が定員抑制撤廃求める報告書 (読売新聞)
文部科学省の調査研究協力者会議は25日、約20年間にわたって続いてきた教員養成系学部の定員抑制方針を撤廃するよう求める報告書をまとめた。
 第2次ベビーブーム対策などで大量採用した教員が定年を迎え、小中学校の教員不足が予測されるための措置。文科省は今月中にも制度を改正、今後、大学が新規に教員養成系学部を設置することも容認する。
 定員抑制方針が示されたのは1984年。当時計約2万人だった国立大教員養成系学部の定員は、その後の少子化の影響もあって、現在は約1万人に減っている。
 文科省によると、公立小中学校の教員の退職者数は今年度約8000人。これが2018年度には“大量採用組”が定年を迎えることで、約2万5000人にまで増加する見通しとなっている。
 近年、少人数授業の実践などから、東京や大阪などの大都市圏を中心に、教員採用数を大幅に増やすところも目立ってきている。
公立小中学校「選択制」、 自治体の1割導入 文科省調査(朝日新聞)
「学区」の枠を超えて行きたい学校を子どもや親が選ぶ「学校選択制」を導入する自治体が小・中学校ともに全体の約1割を占めていることが、わかった。文部科学省が初めて調査し、25日発表した。導入時期も調べており、5年前に比べて実施自治体は3倍程度に増えた。学校選択制にはさまざまな形態があるが、市区町村内のすべての学校から選べる「自由選択制」や、いくつかの区域に分ける「ブロック選択制」が最近増えているという。
 昨年11月1日時点で全国3千余の市区町村すべてを対象に調査した。しかし、区域内に1校しかない市区町村は学校選択の余地がないため、母数から除いた。
 調査によると、小学校では、域内に2校以上ある自治体は2576。この8.8%にあたる227自治体が学校選択制を導入している。検討中の自治体も150ある。
 2校以上の中学校がある1448自治体では、11.1%の161自治体が選択制を実施している。138自治体が検討中だった。
 かつては、過疎地の小規模校に子どもを呼び寄せるために特定校に限って通学区域の枠を外す形態の学校選択制が多かった。今回の調査では、導入されている選択制の中で、「自由選択制」と「ブロック制」の合計が小学校で2割近く、中学校で約3割を占めた。
 都道府県別にみると、東京都の導入が最も多く、小学校では全体の3分の1にあたる19自治体で、中学校では半数近い26の自治体でそれぞれ導入している。一方で、小・中学校とも全く導入していないのは宮城、大阪、佐賀、熊本の4府県だった。
学生による授業評価広がる  5年前の2倍、文科省調査(京都新聞)
学生による授業評価を実施している大学は、2003年度に633校となり、5年前の約2倍に増えたことが25日、文部科学省の大学改革に関する調査で分かった。
 1998年度の実施校は334校で全体の55%にとどまっていたが、03年度には国立大の99%、公立大の89%、私立大の89%に上った。授業評価の結果を改革に反映させる取り組みをしている大学も268校で、前年度の194校から大幅に増えた。
 授業評価の項目としては、分かりやすさや教員の声の大きさ、熱意などを問う大学が多い。
 宮城教育大(仙台市)はほぼすべての科目で授業の5段階評価を実施、結果を学生向けにホームページで公開している。
長崎大など九州8大学で単位互換  教員養成学部で(産経新聞)
長崎大は25日、同大を含む九州・沖縄の国立8大学が、教員養成の学部の単位を互換する協定を結ぶと発表した。29日に長崎大で協定書の調印式が行われる。
 8大学は福岡教育大、佐賀大、長崎大、熊本大、大分大、宮崎大、鹿児島大、琉球大。
 学生は夏休みなどに希望する大学で集中講義を受講し、単位を取得できる。各大学にはそれぞれ他県出身の学生が多いため、帰省先の大学で受講することも可能。
 長崎大によると、こうしたブロック全県の大学が参加する単位互換の取り組みは珍しいという。長崎大、熊本大、鹿児島大の教育学部が2003年度から同様の協定を結んでおり、今回九州全域に協定が広がった。
 長崎大の橋本健夫教育学部長は「学生にとっては自由度が増え、大きなメリットだと思う。各大学の特徴を生かし、連携していきたい」と話している。
3月25日 入試日程、半数が見直し 全国立大学長アンケート(朝日新聞)
全国89の国立大学法人の半数を超える48大学が後期日程廃止を中心に入試日程の見直しを検討していることが、朝日新聞社が実施した学長アンケートでわかった。この4月で1年になる法人化についての評価も48大学が「どちらともいえない」と答えた。授業料は佐賀大学を除く87大学が4月から値上げすることにしていた。
 法人化で国立大学は国から切り離され、自立した運営が認められるようになった。入試については、大学独自の意向が反映し始めている。しかし、財政面では、文部科学省から各大学への運営費交付金削減の影響を受け、授業料の一斉値上げにつながったことがわかる。学長の法人化への評価をみると、その意義を判断しかねている。
 アンケートは先月から今月上旬にかけて、国立大学法人89校すべてに実施し、政策研究大学院大学をのぞいた88校から回答を得た。法人化1年をきっかけに、入試の日程や方法、授業料や大学の運営方法などがどう変わろうとしているのかをきいた。
 入試日程については、後期日程の廃止を中心に見直しを「考えている」と答えたのは33校にのぼった。すでに07年春の入試から後期日程を廃止(一部学部も含む)することを決めた京大や東北大、千葉大のほか、東大、名古屋大、九州大など旧帝大系や、群馬大、岡山大なども見直すと答えており、後期日程廃止への流れは強まりそうだ。理由としては、「志願者確保」(高知大)、「前期・後期の重複受験率がかなり高く、後期を設定し続けることに意味がなく、極めて非効率」(長岡技術科学大)などを挙げている。
 今後も含め「検討中」としたのは岩手大、一橋大、大阪大、神戸大など15校だった。
 授業料については、佐賀大以外は、87校が値上げすると答えた。しかし、大学院などの一部課程では据え置くところもある。増加額は小樽商科大が7500円、愛媛大が05年4月は9600円、06年度から5400円とした以外は、すべて1万5000円だった。
 法人化で、授業料は各大学が自由に決められることになった。しかし、文科省が昨年末に1人あたり1万5000円増の標準額を示し、その分を大学への運営費交付金から割り引くことを決めた。今回の値上げの回答については、その影響とみられる。
 「授業料の標準額値上げを見込んでの交付金の措置に懸念を覚える」(横国大)という声もあった。
 法人化の評価そのものについては、半数以上の48大学が「どちらともいえない」と答えた。「大学の裁量は増加していくが、財政的には非常に苦しい」(山形大)と答える大学が少なくない。制度の大枠を支持しながらも、「本来の法人が備えるべき自主性が制限を受けている」(東大)と完全な自立的運営ができない点を指摘する大学もあった。
 「評価できる」としたのは36大学。「評価できない」は3校で、いずれも財政面での不安を理由にしていた。
 〈国立大学の法人化〉 国立の大学・短大は04年4月から、国の組織から離れ、独立した法人となった。活性化と特色づくりのため、学長の権限を強化、運営に民間経営の手法を導入したり、教育や研究に対する第三者評価の結果を予算配分に反映させたりする仕組みになった。授業料や学科の編成なども独自に設定できる。国家公務員だった約13万人の教官や職員は法人職員になった。
記者の目: 理系学生の「文系就職」 西川拓(科学環境部)(毎日新聞)
バブル経済期に大挙して金融や商社などの「文系企業」に就職した理系大学生たちの、その後の人生を追った。異文化の壁にぶつかって挫折した人もいたが新しい環境に適応し活躍している人も多い。成功している人に共通しているのは、科学的な考え方は大事にするが、専門性にこだわらない点だ。この姿勢があれば、異端であることはむしろ強みになる。科学が日常生活と切り離せなくなった今、科学を学んだ人には進路の選択肢を広く考えようと言いたい。
 取材は「壊そう、文理の壁」をテーマに科学面に連載している「理系白書’92」の一環だった。現在の日本に厳然として横たわる文系と理系の壁。これを乗り越えようとした人々の象徴として、まずバブル期の「文系就職組」に目を付けた。彼らを境に、「メーカーは理系、金融は文系」などという就職の図式が様変わりしたと見たからだ。
 私は93年に理系大学院を出て、新聞記者になった。新聞社も文系優位だから、取材対象とした「文系就職組」の後輩に当たるわけだ。だが、正直に告白すれば、在学中は彼らの行動には全く共感できなかった。
 日本中が浮かれていたバブル期、大学は「遊園地」と揶揄(やゆ)された。就職情報誌の当時の担当者によれば、学生の就職希望でも「テレビCMが格好いい」とか「会社が(東京の)六本木にある」という表面的なことが重視されていたという。そんな中、金融や商社に就職した「先輩たち」は「高給に目がくらんだ」としか映らなかった。
 もちろん、今回の取材で会った中にはそういう人もいた。だが、多くは人生を真剣に考えた結果、異分野を選んだ人たちだった。「社会の中で自分をどう生かすか」と考えた思いは、今ならよく分かる。
 私の場合、研究者を目指して大学院に進んだ。しかし、周りの同僚や先輩に比べ、自分は研究に対する熱意も能力も足りないと感じた。科学の魅力を多くの人に伝えることにより、研究を応援したいと思って記者になった。同じようなキャリアの人間が少ない場所の方が重宝されるだろうという下心もあった。
 連載に登場した人たちは「数字で物事を把握できる」「論理的に思考できる」「問題を単純化して考えられる」などと、理系出身であることの利点を語った。しかし、理系出身であることにこだわりを持つ人は少なかった。「人生をいったんゼロに戻した以上、文系も理系もない」という証券会社課長(39)の言葉に集約される。
 新人のころ、取材先や社内の先輩から「理系の大学院まで行って、なぜ記者に」とよく聞かれた。「理系にサツ回り(警察担当記者)ができるの?」と言われているようで嫌だった。「理系にしては、あなたは取っつきやすいね」と言われたこともある。「人付き合いが下手」「視野が狭い」といった、理系に対する「偏見」は根強いと感じる。
 一方で、理系の世界には研究至上主義がはびこっている。専門分野の研究で論文を書くことが第一で、社会には目が向いていないことが多い。
 今回の取材では、いくつかの大学の研究室に「文系企業に就職した卒業生を紹介してほしい」と依頼したが、文系就職を機に卒業生と研究室の縁が切れているケースがかなりあったのに驚いた。「証券会社への就職を報告したら、教授が激怒した」と話す人もいた。これは不幸なことだ。
 最近、MOT(技術経営)の講座を設ける工学系大学院が増えるなど、文系就職に対する大学側のアレルギーもなくなりつつある。バブル最盛期の89〜91年に東京大工学部長を務め、多くの学生に「逃げられた」経験を持つ吉川弘之さんは「レールに乗らなかった彼らはある意味、先駆者だ」と評価する。バブル期以降、教授推薦制度が崩れ、自分で希望の企業を探す理系学生が主流になった。
 「その道一筋」の研究者や技術者は社会に不可欠だし、そういう生き方は尊いと思う。だが、医師や弁護士などを除けば、学校で学んだ知識がそのまま役に立つ職業は少ない。「理系か文系か」などは高校、大学時代に便宜的に分けられているに過ぎない。狭い専門分野にこだわるあまり、自分で自分の可能性を狭めるのはもったいない。
 理系の素養を持つ人が活躍できる場は広い。その認識が定着すれば、理系に進む人の間口が広がり、問題となっている「科学離れ」解決の一助にもなるのではないか。
教育の方向性パンフで示す京都府教委が7万部作成(京都新聞)
京都府教委はこのほど、教育の望ましい方向性を示す「京の子ども、夢・未来プラン21―京都府の教育改革」の見直しを行い、その内容を紹介するパンフレットを作成した。
 同プランは、子どもの学力や「生きる力」を伸ばす教育を進めるため、2001年度に策定。見直しでは、地域で子どもを育てる環境づくりや家庭教育への支援のほか、子どもの読解力低下に対応するため、読書活動推進などを加えた。
 府教委はパンフレットを7万部作成。府内の市町村教委や各学校、教職員らに配布し、「啓発に努めたい」(総務企画課)としている。
教育・研究などの分野で包括協定立命館大と滋賀医科大(京都新聞)
立命館大と滋賀医科大は23日、教育、研究などの分野で協力する包括協定を結んだ。2006年度から、それぞれの授業を卒業単位として認める単位互換や、大学院への相互推薦進学などを実施する、としている。滋賀医科大が、私大と協定を結ぶのは初めて。
 両大学は、02年度に大学院研究科の「医工連携」を軸とした交流を開始。3年間で客員教授と大学院生を16人ずつ派遣し合っており、さらに交流を幅広く推進することにした。
 この日、草津市の立命館大びわこ・くさつキャンパスで、川村貞夫立命館大副学長と馬場忠雄滋賀医科大副学長が協力協定書を交換した。
 両大学は、単位互換などのほか、スポーツ・健康科学分野での共同研究の推進、病院経営、医療情報などの特別プログラムの開設、職員の相互交流などを実施する、としている。
北嵯峨高で4月から出前講義びわこ成蹊大 高大連携で協定(京都新聞)
びわこ成蹊スポーツ大(滋賀県志賀町北比良)は、スポーツの国際舞台などで活躍した大学教員による出前講義を4月から年6回、京都府立北嵯峨高(京都市右京区)で開く。森昭三学長と中村俊孝校長が23日、同大学で連携の協定書に調印した。
 同高は、府立高普通科I類で唯一スポーツ科学コースを設けており、より専門的な学習で生徒の意欲を引き出そうと、昨秋から高大連携をスポーツ大に打診していた。
 講師陣は、4月にスポーツ大に赴任する米国バレーボール女子ナショナルチーム元監督の吉田敏明さんをはじめ、アテネ五輪女子テニス監督の植田実さんら。自分史や競技大会での体験を語る。2、3年生計80人が受講し、毎回、課題レポートを出す。
 同大学の高大連携は比叡山高(大津市)に続き2校目。森学長は「大学教員も高校で刺激を受け、講義を見直す機会になれば。生徒に授業を採点してもらいたい」と話していた。
3月24日 茨城大生が教授とベンチャー企業、教育用ソフト開発販売(朝日新聞)
茨城大の学生や教授によるベンチャー企業で、教育用のソフトウエア制作販売会社「有限会社ラーニングアイ」が設立された。社長は工学部情報工学科4年の新堀道信(みちとし)さん(25)で、取締役は教授ら5人が就任予定。資本金は570万円で、教育現場に役立つソフト作りを目指す。
 新堀さんらが記者会見して発表した。主力商品は二つで、いずれも8月ごろの発売を予定している。「WEB−COM」は小・中・高校の教諭向きの教材制作ソフトで、声と板書を同時に記録・再生できる。補習や復習、遠隔地への授業配信などに便利だという。
 まず、教師が答案用紙やプリントを取り込み、パソコンの画面に表示させる。これを黒板に見立てて、口頭で説明しながら専用のペンで注釈を書き加え、記録する。再生ボタンを押すと、書かれた時と同じ速度でペンが走り、説明も聞ける仕組みだ。
 もう一つは、小学生でも簡単にアニメーションやゲームを作れるソフト「Islay(アイラ)」。画面上の乗り物や動物に「まっすぐ進む」「ぶつかったら折り返す」などの指示を入力すると、その通りに動く。応用でインベーダーゲームも作れる。「ITに慣れてもらうための教材。遊びながら知らず知らず論理を覚えられる」と米倉達広教授(50)は話す。
 同大のベンチャー設立研究者グループなどが04年12月、事業家を募ったところ、卒業研究でWEB−COM開発にも携わった新堀さんが応じた。「就職活動もしたが、自分の研究を事業化する方がやりがいがあると思った」という。
 販売は茨城県内の学校にサンプルを持ち込むほか、ネット上でも検討している。予定価格はいずれも一般向け2万円(消費税込み)、学生や教育関係者向けは1万円(同)。問い合わせはメールか米倉研究室(0294・38・5142)へ。
東北大学: 07年度から後期試験廃止(毎日新聞)
東北大は22日、07年度入試で、工、農、歯の各学部と保健学科を除く医学部で後期試験を廃止すると発表した。医学部と農学部は新たにAO入試を導入し、複数の受験機会を保障する。
 同大によると、後期日程の定員は全体の約2割。後期日程の合格者は、前期で他大学を受験し不合格になった人が多く、入学後に再び他の大学の受験を目指すケースが目立つという。
西村京大教授ら 、小学校算数の教科書出版(日経新聞)
学力低下問題に警鐘を鳴らしてきた西村和雄・京大教授らのグループは23日、検定を受けない小学校算数の教科書を出版すると発表した。例題や解答を充実させるなどして、子どもが自ら学べるように工夫したのが特徴という。西村教授は「授業の副教材や家庭学習に使ってほしい」と話している。
 発行するのは3―5年生用の「教科書」計3点。現行学習指導要領の範囲を超える「四けたの足し算・引き算」(小3)、「一次方程式」(小5)などを盛り込み、1970年代の教科書とほぼ同量の学習内容を確保。分数、小数などの重要な学習項目は、複数の学年で繰り返し学習するようにしたという。
 発行元は数研出版で3―5年生用を24日に発売。1、2、6年生用も7月までに順次発行するという
学力向上へ「5歳就学」 改革案答申、特区申請へ 青森・東通村 (産経新聞)
青森県東通村の総合教育プラン検討委員会は23日、小学校の就学年齢を5歳に引き下げ、6・4制にするなどの改革案を越善靖夫村長に答申した。村は村議会の承認や住民への説明などの手続きをとった後、2005年度中にも構造改革特区に申請する方針。
 越善村長は記者会見で「将来を担う子供たちがさまざまな分野で活躍するための人材育成の一つとなるだろう」と話した。
 答申は学力アップのため、小学校の就学年齢を1年前倒しして5歳にし、中学校を4年制にして義務教育を9年間から10年間に延長すると設定。保育園と幼稚園を一つにまとめ「幼小中一貫教育」を目指すとしている。
 東通村は03年度の青森県の小・中学校学習状況調査で、同村の平均点が県平均より低かったことなどから、教師らで構成する検討委員会を設置。教育環境の向上を目指し、04年7月から検討してきた。  内閣官房構造改革特区推進室は「幼稚園と小・中学校の教育内容をうまく連携させればできるかもしれないが、就学年齢など義務教育の枠組みは変えられないのでは」としている。(共同)
3月23日 関大と教育分野での包括協定を締結京都市教委 学生の派遣など(京都新聞)
 京都市教委と関西大(大阪府吹田市)は22日、教育分野で連携を深める包括協定を結び、教職員研修や学生ボランティアの市立学校派遣などで交流を進めていくことを確認した=写真。
 同市教委が京都市外の大学と包括協定を交わすのは初めて。大学の研究成果を教育プログラム開発に生かすほか、大学生に教育現場を体験してもらい、市域を越えた「小大連携」を目指す。
 京都市役所で調印式があり、市教委の門川大作教育長と関西大の河田悌一学長が出席。河田学長は「教員志望生だけでなく、多くの学生に良い経験をしてもらえる後押しをしたい」と話した。
宇治市教委が小中一貫校を検討 期待と不安、交錯する住民(京都新聞)
京都府宇治市教委は新年度、諮問機関の答申を受けて「小中一貫校」の設置に向けて検討を始める。全国でも注目されている公立の小中一貫校は、9年間を通じた指導で学力向上が期待されているが、学習離れや不登校の解決につながるのか。疑問や不安を抱く住民もいる。
 「西小倉小、北小倉小、南小倉小の3校と西小倉中を統合し、小中一貫校の設置を検討する必要がある」。小中一貫校設置は「学校規模適正化検討懇話会」(委員長・堀内孜京都教育大教授)が答申に盛り込んだ。
 西小倉地区が選ばれたのは、4校の児童数が今後も少人数で推移すると見込まれているためだ。北小倉小の卒業生が2つの中学に分散進学している現状の是正も見込む。
 答申は、小中一貫校を「同じ校舎で運営組織を一体化させ、一貫した教育課程で教育を行うこと」と定義付け、一貫教育の必要性を強調する。「連続した指導で学習離れや学校嫌い、いじめや不登校も解決の方向が見えてくる」とする。
 宇治市教委は2004年度まで、東宇治と広野の両中学校区で「小中一貫教育」に取り組んだ。小中学校の教員が研究会を組織し、中学教諭が小学校で指導することで成果が出たと報告されている。小中一貫校はこれをさらに強化する狙いだ。
 22日の市議会文教福祉委員会で、谷口道夫教育長は「答申を最大限尊重し、2005年度中に一定の方向性を出したい」と答弁した。だが、ある議員からは「答申にある小中一貫校のメリットは短絡的では。中学校で新しい集団に出会う機会を失わないか」との指摘があった。
 今春、西小倉中を卒業した娘を持つ母親(50)も「9年間同じ学校だと、窮屈さを感じる子もいる。少人数クラスを増やした方が効果的では」と言うように、否定的な意見も少なくない。
 ある校長は「学力を考えると、9年間を通じたカリキュラムで、継続して子どもを見られることに大賛成」と期待する。一方、「一貫校以外の学校との格差が生まれないか心配だ」と話す。
 東京都品川区では、06年度と07年度に1校ずつ、小中一貫校を新設する予定だが、同区は進学する小中学校を選べる「学校選択制」をすでに導入しており、選択の余地がない宇治市とは事情が異なる。
 府内でも亀岡市が小中各1校を統合して小中一貫校設置を視野に入れているが、具体的な計画や実施例はまだない。
 長女が南小倉小に入学予定の会社員(41)は「一貫校がどんなものか分からない。アンケートを実施するなど、住民の意見をくみ上げてほしい」と話す。「災害時の避難場所や体育振興会など地域活動の拠点である学校が1カ所に減る」「通学距離が延びて防犯上に不安がある」といった声も聞かれる。
 小中一貫校の実施計画にあたっては、長所だけでなく短所も示したうえで、広範な意見を反映させることが不可欠だ。
高校生の4・7%が被害に千葉県教委のセクハラ調査 成績「人質」のケースも (東京新聞)
 千葉県教育委員会が同県立高生約10万人を対象に実施したアンケートで、回答者の4・7%の4315人が「教師からセクハラ(性的嫌がらせ)を受けた」と感じ、うち191人が成績や進路を「人質」に接触や性的関係などを求められたと回答していたことが22日分かった。
 千葉県教委は「生徒が対象のセクハラ調査は全国初ではないか」としている。
 調査は今年1、2月、同県立高の全生徒を対象に実施し、9万878人が回答した。
 2004年度中に「職員からセクハラ被害を受けた」と答えた生徒は4315人で、内容は複数回答で「必要もないのに体を触られた」が最多で1281人。「みんなの前で容姿を話題にされた」(923人)、「性的な話を聞かされた」(797人)と続いた。
 「体を触ったり性的な関係を求められ、拒否すると進路や成績に不利になると言われた」と訴えた生徒も191人に上った。
 県教職員課によると、04年度に県立高から報告があったセクハラ問題は2件だけ。同課は「不快に感じても口に出せないケースが多いことの表れ」として、今後はセクハラ相談窓口の強化や職員研修などを徹底するとしている。
「なぜ勉強?」 遊んで学ぶトランプを作成(朝日新聞)
「なぜ勉強しなければならないの」。多くの小中学生が抱いているこんな疑問に対し、保護者や教員がどう答えたかを財団法人「青少年野外教育財団」が調査し、代表的な回答例をのせた「子どもなぜなぜトランプ」をつくった。「子どもの質問に大人が正面から向かい合うことの大切さを、遊びを通して訴えたい」と調査メンバーの明石要一・千葉大教育学部教授は言う。
 ふつうのトランプの大きさと同じで、ハートなどのマークと数字がついた面に、子ども側の質問(Q)と大人側の答え(A)が書いてある。
 千葉県内の小学校6校中学校3校の協力を得て、824人を対象に昨年6月、調査。まず、今まで疑問を持ったことがありそうな19の選択肢を用意し、その中から「Q」の項目を選んでもらった。
 最も多かったのは、「なぜ勉強しなければならないの」で全体の61%を占めた。「なぜ学校にいかなければならないの」が51%、「なぜ税金をおさめなければならないの」が48%、「なぜ生まれてきたの」が42%と続いた(複数回答)。
 さらに、PTA講演会や教員研修の場で、子どもが選んだ疑問のうち割合が多かった六つを対象に、計1794人の親や先生から「Q」に対応した「A」を寄せてもらった。とくに、「勉強」の問いについて答える大人が最も多く63%にのぼった。回答例は=表。
 最後、こうした調査をもとに、小中学生と保護者、教員の計13人が「Q」と「A」を選び、54枚のトランプにした。
 問い合わせは同財団(電話011・618・7772)。在庫があるうちは1人1個限定で240円の送料負担のみ、在庫がなくなると1個あたり300円で、さらに送料を負担すれば送ってもらえる。
■なぜ勉強しなければならないの?
【主なこたえ】
●漢字を知っていると本がたくさん読める。
●将来なりたい職業につくため。
●苦しいことに打ち勝つ力をつけるため。
●勉強しないと頭の成長が止まってしまう。
●学んで体験して個性を発見するためだよ。
●もっとよい社会にするために。
3月22日 我が家の勉強法、投稿からアイデア紹介(朝日新聞)
投稿欄「聞いて聞かせて」で、我が家の親子勉強法を募集したところ、全国から100通近い反響があった。さまざまな調査で勉強意欲が低いといわれている子どもたちと向き合って、親たちは工夫を凝らしながら勉強していた。いくつかの家庭に行き、アイデアを教えてもらった。
□食事と同じ、娘のために問題作る
 「勉強と食事は同じ」。東京都内に住む主婦藤井智江さん(39)の鉄則だ。いま私立中に通う長女が幼稚園に入ってから毎日日記を書かせ、小学生になってからは毎日勉強させた。「病気で食事をとれないときだけ勉強を免除」が約束だった。
 小学2年生になったころ、長女が「やりたくない」と言い出した。わけを聞くと、「学校で習ってないから」。与えていた市販の問題集を見たら、漢字の習い順が学校と微妙に違っていた。翌日から、算数や国語の問題を自分で作った。「娘と同じように私も『食事と同じ』と考えた」
 小学高学年になると、問題作りが難しくなる。通信講座を始めたが、量が多すぎて追いつけなかった。市販の問題集を買ったが、製本したままでは分厚い。1ページずつ切って家のファクスでコピーして渡した。一度は解けても1カ月後には忘れて解けなくなる問題もある。でも、この方法なら問題を繰り返し出せる。
 直接教えれば互いにいらいらするだけだと思って、娘から質問されても教えず、「答えを読んだら」と言うようにした。そのために、解答が丁寧に書いてある問題集を選んで買った。
 長女は結局、1回も塾に行かずに、昨年、私立中に合格した。いまは言わなくても自分で勝手に勉強している。
□問題集1冊終えたら、100円貯金
 福岡県古賀市の主婦、園山昌子さん(36)は小遣いを利用している。小学3年の長女麗花ちゃん(9)が居間のテーブルで算数などの問題集1冊を解き終えるごとに、100円玉をあげて、家の形をした陶器の貯金箱に貯金させる。
 「小遣いが勉強の励みになれば」と昌子さんが言うと、麗花ちゃんは「もらえなくても勉強はやるよ」と切り返した。おっとりとした性格の麗花ちゃん。昌子さんは伸び伸びと育ててきた。だが、小学1年の1学期末、担任教諭に「2学期から引き算も始まり、難しくなります。家でも勉強させてください」と言われた。
 入学前から学習塾に通う同級生と、習熟度で大きな差があることも知った。昌子さんはあわてて娘を塾に通わせたが、月謝1万8900円がつらい。昨秋に塾をやめ、問題集を毎日2ページずつ解くことにした。麗花ちゃんに渡す「小遣い」は月500〜700円で済む。
 英語の絵本が自宅の本棚に約1000冊ある。昌子さんが集めた。問題集と違い、絵本の場合は100冊読めば1000円。麗花ちゃんは今冬、英検4級に合格した。たまったお金で大好きな科学の本を買うことにしている。
□6時半から食卓勉強、就寝9時半
 兵庫県宝塚市の主婦今村栄子さん(69)は、夫と小学生の孫2人の4人暮らし。5年生の女の子と3年生の男の子の勉強を毎日みている。大切にしているのは、生活のリズムだ。
 午後5時半から夕食。6時半から食卓で勉強を開始。この時間は毎日変わらない。学校の宿題のほかにするのは、漢字ドリルと百ます計算。少なくとも1時間は勉強する。9時半には寝かせる。
 毎日昼を過ぎると、夜の勉強に向けて準備を始める。算数の問題作りをしながら、夕食の用意にもとりかかる。「勉強させ、睡眠もしっかりとらせるには準備がいるので忙しい」と話す。
 大阪府枚方市の主婦前田かおりさん(38)は、「共に楽しむ」をモットーにしている。ほぼ毎日、小5の長女と小2の長男に漢字書き取りの問題を出す。「ポケモンをしゅとく(ゲット)する」など、子どもの興味をひく例題を考える。正解したら「その調子!」と書いたシールで励ます。間違っても、しからない。
 1日7問のみ。5分ほどで終わる。少しずつ気長に、と自分に言い聞かせた。当初は漢字が苦手だった2人。この間、漢字テストについて、長女に「最近、テストをいやって言わへんね」と聞いた。長女は「だってできるもん」と答えた。
プレゼン: 表現力、内容でプレゼンテーション力を競う(毎日新聞)
新しい時代の能力として求められているプレゼンテーションの力を競う「第2回全国プレゼンテーションコンテンスト」の全国大会が20日、日本科学未来館で開かれ、グランプリ賞に静岡県富士市立元吉原小学校4年、葛谷麻希さんの「ポスター&CM調査隊」が選ばれた。【平野秋一郎】
 プレゼンテーションコンテンストには全国の276チームが参加、2段階の審査を経て小学校中学年、小学校高学年、中学校、高校の各部門3チームずつの計12チームが全国大会に進んだ。全国大会では、各チームが5分以内でプレゼンテーションを行い、審査員の質問に答えた。調べたことや自分の考え、取り組みと発見などについて、写真や動画、グラフをスクリーンに映し出し、手作りの人形やケーキを見せたり、クイズを出して聴衆を引き付けたり、いろいろな方法で表現し、伝えた。
 審査の結果、葛谷麻希さんの
「ポスター&CM調査隊」
が最高のグランプリに選ばれた。葛谷さんは、クラスのみんなに訴えるCMをつくろうと考え、プロのつくったテレビCMを分析した。プロの作品には「こだわり」や「その気にさせる工夫」があることに気付き、「どう伝えるか」が大事なことを理解し、その成果を生かして図書館の本をきちんと整頓することを訴えるCMをつくった。この過程を動画や写真をスクリーンに映し出しながらプレゼンテーションした。話し方は落ち着いていて、説得力のある内容だった。
 このほかの受賞者は次の通り。
◇最優秀賞
 【小学生中学年】
「ポスター&CM調査隊」=静岡県富士市立元吉原小学校4年、葛谷麻希さん
【小学生高学年】
「青い目の人形は今どこに」=岩手県水沢市立水沢小学校6年、青い目の人形リサーチチーム(平澤亜弥さん、中島明美さん)
【中学生】
「楽しい学校生活を目指して」=茨城県つくば市立筑波西中学校2年、心の健康守り隊(杉山あゆみさん、路川香織さん)
【高校生】
「ドラッグと私」=桜丘高等学校1年、相澤沙織さん
◇優秀賞
【小学生中学年】
「お米のアイドル紫黒米」=兵庫県瀧野市立揖保小学校4年2組(名村優花さん、松本晴揮さん)、
「寒江の町で見つけたバリアフリー」=富山市立寒江小学校4年、バリアフリー見つけ隊(恵田侑美さん、恵田実歩さん、内田萌生さん、酒井優さん)
【小学生高学年】
「地球の未来を考える〜森林・生き物・水の関係〜」=茨城県つくば市立田井小学校6年、未来を救うNMA(杉田なつみさん、すけ川美優さん、菊地歩美さん)、
「レッツ!ゴーヤー!!−大地の恵みと私たち−」=富山県福岡町立福岡小学校6年、 レッツ!ゴーヤー!!from福岡(青木唯さん、川尻明奈さん、嶋実扶由さん、上見菜保さん) 【中学生】
「Dangerous Water」=三重県大紀町立錦中学校3年、錦中学校3年Dチーム(植村慎太朗さん)、
「水質汚染の現状」=三重県大紀町立錦中学校3年、錦中学校3年Oチーム(西村未来さん) 【高校生】
「土と植物」=兵庫県立三田祥雲館高校2年、環境と科学チーム(吉田峰規さん、光森智紀さん、久原誠さん、松井勇麿さん、東海真人さん)、
「都市の発展と鉄道交通〜三田駅と新三田駅の乗客数の変化から〜」=兵庫県立三田祥雲館高校2年、地域発見チーム(原田真結香さん、前田真里さん)
◇審査員特別賞
「地球の未来を考える〜森林・生き物・水の関係〜」=茨城県つくば市立田井小学校6年、未来を救うNMA
◇プレコン特別賞(学校賞)
三重県大紀町立錦中学校
◇マイクロソフト賞
「Dangerous Water」=三重県大紀町立錦中学校3年、錦中学校3年Dチーム、
「都市の発展と鉄道交通〜三田駅と新三田駅の乗客数の変化から〜」=兵庫県立三田祥雲館高校2年、地域発見チーム
■講演
 審査の間に清水康敬・メディア教育開発センター理事長と、永野和男・聖心女子大学教授の講演が行われた。
◇清水理事長
「学力問題とICT活用」のテーマで講演、
OECDが行なった学力到達度調査(PISA)で、ICTの活用で日本の15歳がOECD加盟国で最低レベルだったことについて、
「愕然とした。日常生活や地域でのコミュニケーションでICTの活用の低さを見ると、将来の日本は大丈夫かと心配になった。学校教育だけでなく、地域コミュニティ全体で情報化を進めるべきだと実感した」
と述べた。
 学力向上でのICTの有効性について、英国を例に説明し、
「ICTを教科指導に活用した場合、児童生徒が主体的にICTを活用して学習した場合、校長の管理能力が高く、その結果、ICT環境が整備された場合に、子供たちの成績が上がっている」
と報告した。日本教育工学会が文部科学省の委託で進めているICTと学力についての調査でも、
「社会科で調べ学習をする場合、インターネットを活用すると子供たちがより意欲的になる」
と答えた教員が77%に上り、
「ICTを活用したプレゼンテーションで自分の考えや思いを表現する力がより高まる」
と答えた教員が9割近くいたと報告、
「これは意味のある数字だ。ICTによって学力や意欲・意欲・態度が高まるということを、先生だけでなく、都道府県、市町村の財政当局にも知ってもらいたい」
と述べた。
◇永野教授
 「プレゼンテーション能力は基礎学力」のテーマで講演。
これまでの学力は、
「知識・理解」「技能・技術」「思考力・構成力」「態度(興味・関心・態度」)
の4つだったと指摘、
「知識・理解に重きを置いた評価が行なわれ、教育が知識・理解に偏ってきた」
と述べた。さらに情報化時代に、多くの知識を記憶する意味があるのかと問いかけ、
「情報量は人間の処理を超えている。すべての情報をチェックすることは出来ないし、1人では処理できない」
と指摘し、
「情報化によって、いつでもどこでも必要な情報を取り出せる一方、未知の問題の解決を迫られ、1人の判断が瞬時に世界に影響する時代になった。この時代に、記憶したものを答える、意味も分らず答えることに意味はない。必要な能力は問題解決能力、コミュニケーション能力だ」
と述べた。
 その上で、情報化時代の学力として
「論理的な思考、科学的な思考」
「問題解決能力」「情報活用技術」
「コミュニケーション能力」
「共同・協調作業に参画する態度」
   が必要と説明、 「実際の場面で活動する中で知識を統合していく力が必要で、従来の教育ではこの学力はつかない。具体的な課題の中で理解して行くカリキュラムに変わってきている」
と述べた。
東北大助教授が自殺 、「セクハラしてない」と遺書(日経新聞)
東北大大学院国際文化研究所(仙台市青葉区)の40代の男性助教授が駐車中の車の中から遺体で見つかっていたことが21日までに分かった。助教授は教え子へのセクハラ(性的嫌がらせ)問題を学内で指摘されていた。「セクハラはやっていません」などと書かれた遺書が車内から見つかっており、仙台北署は自殺とみている。
 同署によると、13日午後に青葉区内の霊園に止まっていた乗用車の中で助教授が死んでいるのを通行人が見つけ、119番した。車は助教授の所有で、中で練炭を燃やした跡があった。外傷はなく、死因は一酸化炭素中毒とみられる。
 助教授は、同大の女子学生にセクハラをしたと指摘され、同研究所は「懲戒処分が相当」とし、近く大学としての正式処分が決まる予定だった。
3月21日 経営側の88%が成果主義「問題」 大手企業アンケート(中日新聞)
「成果と評価の判定が難しい」「本当に個人の成果を引き出しているか疑問」。民間調査機関の労務行政研究所(猪股靖理事長)が成果主義人事・賃金制度について、大手企業の労使にアンケートした結果、経営側の88%、労働側の94%が「問題がある」と回答したことが二十日、分かった。
 一九九〇年代後半から急速に導入が進んだ米国型成果主義だが、日本型の人事処遇制度やチームプレー重視に必ずしもなじまず各企業が悩み、運用面で修正の方向に進んでいることが分かる。
 調査は昨年十二月から今年一月にかけて、大手企業の労使を対象に実施し、二百十九人から回答を得た。
 労務担当役員の回答で「問題がある」(複数回答)とした項目のトップは「評価・目標管理制度」(93%)で、次いで「社員のモチベーション」(46%)だった。
 「成果主義が自社で機能しているか」との問いに「機能している」と断言したのは15%で、「どちらかといえば機能している」を含めると、約70%に上った。
 自由記述の欄には「人件費抑制のための導入は失敗する」「上司の目標設定や評価能力や習熟度が上がっていない」「日本人に合った制度にしないと機能しない」などの記述があった
南八幡高を八幡高に統合 中高一貫教育、07年度導入へ(京都新聞)
京都府教委は18日までに、南八幡高(八幡市内里、小田垣勉校長)を八幡高(同市男山、宮野文穂校長)に統合する方向で検討に入ったもようだ。府教委は統合後の八幡高に中高一貫教育を導入する見通し。統合後の学校の在り方については今後、関係者らの意見を聞く。統合時期は早ければ2007年度になるとみられる。
 山城地域の中学3年生がピーク時の半分近くまで減り、「小規模校では柔軟な教育カリキュラムを組めない」(府教委高校改革推進室)ことなどから、府教委は、普通科の適正規模を「1学年8クラス」として、同地域の府立高再編を他地域に先行する形で検討。昨年12月、山城地域にある府立高12校のうち4校を2校に統合し、計10校とする方針を発表した。
 府教委の武田暹教育長は18日の府会予算特別委の総括質疑で、八幡市内での府立高再編について「大学教育に接続する高度な内容を持つ教育、福祉マインドをかん養する専門的な教育の推進を考えている」と述べた。
 生徒急増期の1983年度に開校した南八幡高は、ピーク時の1学年11クラスから、現在は四クラスにまで減少。八幡高は71年度に開校。一時期は1学年10クラスまで規模が膨らんだが、現在は5クラスになっている。
 府教委は、山城地域で統合対象とする4校のうち、南八幡、八幡両高以外の2校については、宇治市内の府立高4校(城南、東宇治、西宇治、莵道)のうちの2校で調整している。
園部高に府立中学校を新設  京都市外で初の中高一貫教育(京都新聞)
 京都府教委は18日、園部高(京都府園部町)に府立中学校を新設し、2006年度から併設型で中高一貫教育を実施すると発表した。府内の公立中高一貫校は、04年度に開校した府立洛北高(京都市左京区)、京都市立西京高(中京区)の両付属中に続き、3校目。京都市外では初めての設置となる。
 府教委によると、園部高の既存校舎を活用する形で、1学年1クラス規模の中学校を併設する。通学区域は京都市を除く府内全域とし、6年間の教育カリキュラムの中で「大きな志と高い知性、創造性にあふれた人材を育成したい」(武田暹教育長)という。
 府内の中高一貫教育については、有識者らでつくる懇談会が昨年10月、「京都市域以外でも中高一貫教育のモデル校を早急に導入すべき」とする検討結果を発表。これを受け、府教委が各市町村から意向を聞いたところ、園部町と八幡市から要望が寄せられていた。
 八幡市での中高一貫教育については、南八幡高と八幡高の統合校に導入する見通し。設置形態については、府教委や八幡市教委、地元の学校関係者らによる研究協議会を新年度に立ち上げ、周辺中学から簡便な試験で入学できる「連携型」での中高一貫教育も含め、検討を進める。
 府教委高校改革推進室は「八幡市の小、中、高校が連携し、地域に根ざした魅力的な教育が実現できるよう幅広く意見を聞きたい」としている。
新聞を使った教育の可能性を探る  東京で「NIE学会」設立大会(京都新聞)
全国の新聞社と教育界が進めるNIE(教育に新聞を)活動を理論面から支える「日本NIE学会」が20日、東京都内で設立大会を開いた。学会には全国の小、中、高校のNIE教育実践者や大学の教育研究者、新聞関係者が加わり、新聞を使った教育の可能性について意見交換した。
 日本のNIEは約20年前から模索が始まり、1989年に全国3校の実践校で活動を始めた。本年度の実践校は400校を超え、当初目標だった全国の学校の1%に到達した。学会の創設はNIE活動の深化を目的に準備が進んでいた。
 会員は約200人で出発し、うち半数は教育現場の先生で構成する。設立大会では、筑波学院大の門脇厚司学長が記念講演し、「他者を理解し、他者とつながる力を持った社会力の育成こそ教育の急務だ」とし、NIE学会への期待を述べた。
 シンポジウムでは、NIE実践者と研究者が議論した。「言葉の力を学ばせるためには新聞記事が最適だ」「新聞を授業に持ち込んで、教室の風景が変わった」などの意見が出された。
小中高一貫、導入へ  長崎(朝日新聞)
県は17日、離島の3地区で08年度から小中高校一貫教育を実施することなどを盛り込んだ「高校教育改革」を発表した。小学校から高校までの一貫教育は「全国でも珍しい」という。
  対象は奈留(五島市)、北松西(小値賀町)、宇久(宇久町)の3高校。01年度から地区の中学校との間で、英語や音楽などの教師が行き来して教え合い、学校行事を共同で開いている。その連携を小学校にも広げようという狙いで、05年度からの3年間で課題や方法を検討するという。
  離島では過疎化で児童・生徒が減少。宇久町の2中学校は05年度から1校になる。各校の教師が島内で連携して児童・生徒を指導。教員の配置減少の際、相互に補完する狙いもある。
  そのほか、諌早商高に06年度、情報科を新設。一方、口加高(口之津町)の家政科や松浦東高(松浦市)の生産流通科など5学科は06年度の募集停止が決まった。
3月19日 英語教育: 経年変化では日本の伸びが一番  (毎日新聞)
ベネッセコーポレーションは18日、日本、韓国、中国の高校生と英語の教員を対象に行なった英語力と意識調査の結果を発表した。
 調査はベネッセの英語力測定オンラインテスト「GTEC」を高校生向けにアレンジしたものを使って、3カ国の高校1、2年生の英語の学力を判定し、比較した。同時に生徒、教員に学習満足度、学習行動などについて聞いた。調査は2回目で、今回は昨年10月〜12月、日本の4高校2052人、韓国の6高校4188人、中国の3高校3554人と、各高校の英語教員、計107人を対象に行なった。英語力の調査、分析は上智大学の吉田研作教授ら3カ国の研究者が行なった。
◇英語の得点
 テストはリーディング、リスニング、ライティングの3項目で実施した。前回調査時に1年生で同じテストを受け、現在2年生になっている生徒の得点を比較したところ、日本の高2生の平均得点は800点満点の440点で、前回の400点より約40点アップと得点の伸びは一番大きかった。韓国は約27点、中国は約24点のアップだった。
 前回の1年生と今回の1年生の得点比較では、日本は今回が約8点高かっただけだが、韓国は今回が約40点と大幅にアップした。吉田教授は「今回の1年生は小学校3年生で英語を学ぶようになった最初の学年で、その関係がうかがえる」と指摘した。
 生徒が自分は英語を使える能力がどれくらいかを自己評価する調査では、日本の生徒は、高得点の生徒でないと「能力あり」と評価しないのに対し、中国、韓国の生徒は日本の生徒より低い得点でも「能力あり」と評価した。「英語で電話」「英語のインターネットページを見る」など英語を使った活動での自己評価も、中国、韓国が高く、一方、日本の生徒は「やったことがない」が中韓の生徒より圧倒的に多かった。
 文部科学省は英語の授業の改善について実践研究するスーパー・イングリッシュ・ランゲッジ・ハイスクール(SELHi)を指定している。調査では、普通の高校とSELHiの比較も実施した。1年生と2年生を比べると、総合点では普通の高校が約34点上がったのに対し、SELHiでは約73点アップと、SELHiののアップ率が大きかった。SELHiと普通の高校の得点差は、1年生の約60点から2年生の約99点に開いた。
◇学校満足度と学習行動
 ベネッセ教育総研の高田正規所長が分析結果を発表した。「自己受容と自己肯定」「将来の目標を定めている」「責任を持って頑張る積極性」などについての調査ではいずれも中国の高校生が高く、日韓は同程度だった。高田所長は「3カ国には、自己表現力、コミュニケーション能力が育ちにくい、他者の役に立っているという実感を得にくいなどの共通する行動特性が見られる。こうした葛藤を取り除ける、発表の場を設けることが大事だ」と指摘した。学校満足度、授業満足度では、中国が日韓より高かった。
ユネスコ: 技術・職業教育にeラーニングの活用を (毎日新聞)
eラーニングやナレッジ・マネージメントなど先端技術を用いた企業内教育や職業教育の共有、学校教育との接続などの事例報告と新しい時代の人材開発について議論するユネスコの国際セミナー「知識社会における人材開発」が3月17、18日、東京・市ヶ谷で開かれた。ユネスコが進めるTVET(Technical and Vocational Education and Training=技術・職業教育と訓練)部門での取り組みや人材開発について論議した。
 セミナーを共催した教育システム情報学会の岡本敏雄会長(電気通信大学大学院教授)が、「知識社会に対応する新しい人材開発が求められている中で、TVETの展望、方法をとらえ直し、TVETの活動を進めるために何を考え、どう行動すべきかが重要な課題になっている。新しい仕事をつくり出し、人材開発を進めるために、eラーニングが何を出来るかを考えなければならない」とあいさつした。
 ユネスコTVET国際センターのルーピット・マクリーン所長が講演「持続的な発展のための技術・職業教育と訓練に向けて」を行い、「今世界は持続可能な生活の方法を実現することが最大の目標であり、生活の根本的な変革が必要だ。そのためには生涯を通じて学び、訓練することが必要」と述べ、その背景として発展途上国の識字率の低さ、貧困を指摘、TVETの取り組みの必要性を訴えた。
 マクリーン所長は、雇用のためには技術が必要で、世界の仕事の8割は技術的職業的なスキルを必要としていると指摘し、「工業の時代から情報の時代に移行している今、教育も大幅に見直さなければいけない。先進国が貧困国に教育を提供するためにICT、特にeラーニングは有効だ」と述べた。
 セミナーではeラーニングを活用した学習やモバイルラーニングの方法や学習のためのシステムなどについて報告や議論が行なわれた。
3月18日 抽象的な思考が苦手な傾向浮上滋賀県教委の基礎学力調査で (京都新聞)
滋賀県教委はこのほど、県内の小学5、6年生と中学生を対象に実施した2004年度の基礎学力調査の結果を発表した。国語は文章の構成や展開などで正答率が低かったほか、算数・数学は基本的な計算問題はできるものの、数や式の意味など抽象的な思考が苦手な傾向が浮かび上がった。
 調査は、国語と算数・数学の指導方法を研究するのが目的で、01年度からスタート。4回目の本年度は、公立小中学校に通う児童生徒の約2割にあたる約2万9800人を無作為に選んで行った。
 分野別の平均正答率をみると、国語は、言葉の意味や漢字の読み書きに関する問題で8割を超えた。一方「読むこと」の問題は7割に届かず、段落の役割など文章構成を考えたり、文の主語や述語を選ぶ問題では5−6割にとどまった。県教委は「今後も読書活動の推進に取り組む必要がある」としている。
 算数の平均正答率は、小数や分数、正の数や負の数などの基礎計算、折れ線グラフの読み取りなどの数量関係で7割を超えた。しかし「5分の3を小数に変形」「ルート50の値に最も近い数」など数や式の意味の理解を探る問題の正答率は6割と低かった。県教委は「抽象的で数学的な思考が苦手な傾向がある。数直線などを利用し、具体的に意味や表し方を理解させる指導が大切」としている。
 県教委は来年度、5回目の調査をした後、5年間の学力変化を調べることにしている。
学力問題で意見交換   京都市教委ら家庭教育でシンポ (京都新聞)
家庭での学習やしつけの在り方を議論する「家庭教育を考えるシンポジウム」が17日、京都市下京区の市総合教育センターで開かれた。小中学生の保護者代表や小学校教諭らが、子どもの学力問題などについて意見を交わした。
 小中学生の保護者向けに家庭学習の手引書「家庭を学びの環境に」をまとめた京都市教委と市PTA連絡協議会が、手引書の説明会を兼ねて企画。市内の各小中学校からPTA役員ら約350人が出席した。
 討論では、市小学校PTA連絡協議会の久保田真由美会長や市立PTA連絡協議会の松井憲昭会長、西院小の石原峰子教諭ら6人が「家庭で、当たり前のことを当たり前に」をテーマに議論した。
 子どもたちの学力低下については「今の子たちは何のために学ぶのかという目標を見失っている」、「子どもたちに身につけさせたい学力とは何なのかを、いま1度学校と地域が話していくべきではないか」などの意見が寄せられた。
 会場からは「子どもは部活動に塾にと忙しく、コミュニケーションを取るのが難しい」といった声も上がっていた。
総合学習に高い評価   下京区の小学校が保護者らに調査 (京都新聞)
京都市立洛央小(下京区、山脇安三校長)がこのほど、「総合的な学習の時間」について、保護者らを対象にしたアンケート調査を実施した。総合学習については、成果が見えづらいとの指摘があるのに加え、導入に伴って教科学習の授業数が削減されたことで「学力低下を招いた」との批判にもつながっているが、同小の調査では総合学習に対し、高い評価が寄せられた。山脇校長は「保護者にも理解され、総合学習に手ごたえを感じている」と話している。
 アンケート調査は、2月中旬に開いた総合学習の発表会に出席した保護者や地域住民らを対象に行った。約40人から自由記述で回答を得た。
 「総合学習については賛否両論が出ているが、テーマについて理解を深める過程で、子どもたちがお互いを認め合いながら協力し、大切なことを学んでいる。心の成長を感じる」「子どもたちが考え、感じたことをまとめ、発表できることは素晴らしい」など、教科学習とは異なった総合学習の成果について言及したものが多くを占めた。
 また、総合学習のテーマに応じて、子どもたちの取材を受けたという地元の伝統産業従事者からも「短い取材にもかかわらず、きっちり発表ができ、感激した」「次の取材の時には、前回とは別の角度から補足する質問があり、感心した」などの評価が寄せられた。
 山脇校長は「総合学習に対する初めての外部評価で肯定的な意見が多く、手ごたえを感じている。志向性のある生き方ができる人間の育成につなげたい」と話している。
児童や教員らに「義務教育意識調査」  文科省が実施へ (朝日新聞)
義務教育改革の参考資料とするため、文部科学省は児童・生徒や保護者、教員らを対象とした大規模な意識調査を実施すると17日、発表した。見直しの対象となっている「総合的な学習の時間」に対する評価などについて、全国の計約3万8000人にアンケートする。来月までに実施し、5月中には速報値を公表する予定だ。
 対象とサンプル概数は、小学生(3500人)▽中学生(同)▽保護者(1万人)▽教員(同)▽学校評議員(5000人)▽教育長(自治体の全数調査で3000弱)▽首長(同)。
 子どもに対しては、各教科などの好き嫌いや、学校の満足度、家庭の過ごし方などを聞く。
 保護者・教員には、授業時数や教科書の内容、土曜・夏休みの補習の希望など、授業への意見を寄せてもらう。さらに、「5歳入学」「留年」「小学校の教科担任制」など、現行制度の根幹部分を変えるべきかどうかの賛否も尋ねる。
退学処分問題: 都中学校校長会の批判に私学協会が反論  (毎日新聞)
問題行動や成績不振などで私立中学校を退学させられる生徒が増え、転入先の公立中の教育活動に支障が出ているとして、東京都中学校長会(鈴木憲治会長)が東京私立中学高等学校協会(近藤彰郎会長)に「安易な退学処分の自粛」を申し入れた問題で、同協会は17日、公立側に反論する見解をまとめた。「転校生が受けるであろう心の傷は計り知れないものがあり、教育に携わる者のとるべき態度ではない」と厳しく批判している。
 同協会は「教育環境の転換が本人の成長にとって真に必要と判断される場合に限って、例外的措置として転学させている」と説明。そのうえで都中学校長会が全公立中に実施したアンケート結果をもとに「公立中の教育環境に影響を及ぼす可能性のある転学生徒は、私立中生徒約7万4600人の0.1%に過ぎず、中学校現場で抱えている他の問題に比べれば、論外というべき少なさだ」と指摘している。
 近藤会長は「そもそも公立がしっかりした教育をしていれば、私立に来る人はいないのではないか」と語った。【奥村隆】
3月17日 中教審義務教育部会、対立激しく  (日経新聞)
義務教育改革を論議する中央教育審議会の義務教育特別部会は16日、2回目の会合を開いた。義務教育費国庫負担金の削減と税源移譲を求める地方6団体の代表として初参加した委員3人から文部科学省に対する批判が相次ぎ、冒頭から波乱含みの展開となった。
 地方代表として参加したのは石井正弘岡山県知事、増田昌三高松市長、山本文男福岡県添田町長の3人。地方側は中教審本体については依然、参加を保留している。
 会合の冒頭、石井知事は初会合が地方代表抜きで開催されたことについて「文科省の地方軽視の姿勢の表れだ」と強い調子で非難。鳥居泰彦部会長(中教審会長)に公平な議事運営を求めた。
 増田市長は「教育現場は規制・指導でがんじがらめ。我々にも行政能力はあり権限移譲を進めて欲しい」と発言した。
 その後、識者3人が意見を述べたところで時間切れとなり、当初予定されていた全体討議は行われなかった。
教育の情報化: 今後の姿などを論議  文科省検討会(毎日新聞)
今後の「教育の情報化」について検討する文部科学省の「初等中等教育における教育の情報化に関する検討会」の第3回が16日、東京都千代田区で開かれ、「初等中等教育における学校教育の情報化の今後の姿」、「情報教育の内容の充実について」の2点を論議した。【岡礼子】
 「初等中等教育における学校教育の情報化の今後の姿」について、これまでの論議で、「IT環境を整備していくためには、教育の情報化のビジョン、理念を設定し、体系的な道筋を立てることが重要」「情報教育振興法をつくり、国が責任を持って整備を促進できないか」「教員のIT活用を推進するためには、教員による自発的な活用の促進と、ITを活用した指導力習得の2つが必要」などの意見が出たことが報告され、それをもとに議論を進めた。
 委員から、「教員がIT教育の研修を受けたら、実際に授業で実践して報告をするところまでやらなければ研修の意味はない。研修を受けても授業ができないのならサポートも必要だ」「ITを活用する教員へのインセンティブを設けてはどうか」「IT活用の研究発表をした教員がいる学校は、予算の面で優遇するなど、教員の活動を奨励する仕組みがあるといい」などの意見が出た。
 また、教育の情報化、ITを活用した学習への社会の理解が不十分で、IT活用がマイナスと受け取られている場合もあることが指摘され、そうした現状を打破し、理解者、協力者を増やす必要が指摘された。「親も教員もコンピュータースキルと情報活用力を混同しているのではないか。情報活用力が新しい学力で、21世紀の社会を生きるために必要だとアピールした方がいい」「国民全体から、教育を変えてほしいという声が上がるように、なぜITが必要なのかを強く言う必要がある」など、新しい学力観や、情報化を推進する理念を強く訴えるべきとの意見が出された。
 「情報教育の内容の充実について」では、「どう活用すればいいのか、教員は不安を感じている。ITの活用方法を確立して、教員に具体的に示せるモデルケースを示してほしい」「普通教科の中に、情報活用力をつけるための内容が含まれている。情報の教科だけでなく普通教科での情報活用能力の育成をクローズアップすべきだ」「小中高各校で、教育内容を具体化し、達成すべき力を明文化することが必要だ」などの意見が出され、座長の清水康敬・メディア教育開発センター理事長が「手引きを作ってはどうか」と提案した。
 次回は4月15日に行われる。
大学研究者の研究費に偏り   本社世論調査(朝日新聞)
科学研究費補助金(科研費)など研究費の配分や使途の問題が指摘されるなか、国公立大学の男性研究者が1年に使う研究費は、女性や私立大学の研究者の2倍前後であることが、約1万9000人が回答した理工系39学会のアンケートでわかった。このような大規模調査は初めてといい、国公立と私立、男性と女性の間に明らかな差があることが浮き彫りになった。
 男女共同参画学協会連絡会が03年に実施し、電気情報や物理、機械、化学材料、生命生物などの研究者が回答。分析した近藤高志・東京大助教授(マテリアル工学)らが20日発行の「大学時報」3月号に発表する。
 年額研究費の平均は、国公立大の男性が752万円で、女性が329万円。私立大の男性は449万円、女性が302万円だった。差は40代から拡大。50代前半では国公立大の男性は1280万円になるが、女性は480万円。私立大は男性が625万円、女性が321万円だった。
 同じ調査では、女性の教授や助教授などへの昇進が男性より遅いことも改めてわかったが、研究費の差はそれ以上。近藤さんらは「女性は役職という表向きの差以上に、極めて不利な状況にある」としている。
 研究費の問題に詳しい竹内淳・早稲田大教授(半導体工学)は「配分を決める審査員が、国立大の男性研究者に偏っているという問題も背景にある」と指摘している。 (コメント 平均だけみてはだめだよ。)
3月16日 「ゆとり」見直しに賛成78%   国公立男性、私大や女性の倍(朝日新聞)
ゆとり教育を見直すことに賛成の人が78%にのぼることが、朝日新聞社が12、13の両日実施した全国世論調査(電話)で明らかになった。土曜日を休みにした学校週5日制には、62%が反対。「ゆとり」の象徴的存在である「総合的な学習の時間」(総合的学習)を減らして主要教科を増やすことにも、51%の人が賛成している。一方で、ゆとり教育の目的だった「生きる力」を育てる役割を学校に「期待する」と答えた人が66%おり、その理念は否定しないという姿勢もうかがえる。
 昨年末に公表された国際学力調査などの結果では、日本の子どもの学力低下傾向が示された。今回の調査でも、79%が「学力は下がっている」と認識。そのうち約6割は「主に学校教育に原因がある」とみている。
 ゆとり教育の柱の一つである学校週5日制への賛成は27%止まり。とりわけ女性の賛成は21%しかなく、男性よりも否定的な見方が強かった。
 総合的学習を削って国語、算数など主要教科の時間を増やすことをめぐっては、賛成51%が反対33%を上回った。ゆとり教育見直しに賛成の人では、賛成が6割近くに達している。
 中山文部科学相は先月、中央教育審議会にゆとり教育を軸にした学習指導要領の見直しを求めたが、調査では見直し賛成が78%、反対が11%と賛成派が多数を占めた。とりわけ、20〜40代では賛成が8割台に達する。
 一方で、ゆとり教育の見直しに賛成する人の中でも学校教育に「生きる力」を育てる役割を「期待する」と答えた人が、66%もいた。総合的学習を削って主要教科を増やすことに賛成の人でも、64%にのぼった。
教育改革: 詰め込み教育でなく質的な学力へ  文科省審議官(毎日新聞)
文部科学省など教育関連の中央官庁の担当者に教育政策を聞く日本教育工学振興会(JAPET)の教育情報化政策セミナー「省庁連携パネルディスカッション〜教育情報化ポスト2005に向けて」が15日、東京・青山で開かれた。
初めに文部科学省、樋口修資・審議官(初等中等教育局担当)が基調スピーチ
「新しい時代の義務教育の改革に向けて」
を行ない、義務教育改革、学力低下問題などについて語った。【平野秋一郎】。
 樋口審議官は日本の近代教育の流れを説明し、「教育は国家社会の形成者たる国民の育成を目指した。
義務教育は個々人のニーズ、自分のためだけに成り立っているのではなく、
国が国民社会の負担として制度を維持している」
と義務教育の意義を強調した。さらに現代の状況を
「先進国は国家戦略として教育に投資している。
21世紀は人材によって経済のあり様が決まると言われている。
日本も新しい時代の基礎となる人材教育が必要だ」
と述べた。
 さらに1980年代、教育は世界的に「量から質」に転換し、改革が進み、
「個性を重視し、生涯学び続ける人間、自己学習型の人間が求められるようになった。
すでにある過去の知識でなく、新しい知識、未来の知識を探求するという教育の内容の変化が必要だ」
と指摘。その上で「学力の低下」問題について、
「21世紀には知識基盤型社会に対応する教育が求められているが、今の教育は十分応えていない。
深刻な問題だ」と自省しながら、
「量的な教育、つまり詰め込み教育から、質的な学力、生きて働く学力、創造知の育成への転換が必要」
と述べた。
◇現場主義
 樋口審議官は、新しい教育の実現のために文部科学省が「教育の現場主義」に取り組んでいることを報告、「国がすべてを決める中央集権でなく、国と地方がそれぞれの役割を担いながら協働していくことが必要。そのために学校現場に権限と責任を持たせる。国は学校の設置基準やナショナルカリキュラムなどナショナルミニマムを行い、地方はローカルオプチマム(最適)で工夫をこらすという2本立てで教育行政、教育サービスは進められるべきだ」と述べた。
 一方で、義務教育費の国庫負担に触れ、
「義務教育の主体は学校であり、地方の工夫、取り組みは市町村を主体に考えるべきだ。
それを都道府県が責任主体だというのはおかしい」と知事会などの主張を批判した。
 さらに学校運営について「校長に人事、予算の権限がなくてガバナンスは出来ない。地方では予算は出来る限り学校に下ろしていこうという動きが進んでいる。校長に予算の権限がなくては運営の責任は取れない。自主自立の権能を高め、現場主義を進めたい」と述べた。
◇見直し
 OECDの学習到達度調査(PISA)などで日本の子供たちの学力が落ちたこと、中央教育審議会で義務教育の見直しについて論議していることについて、「PISAの調査でリテラシーが下がったというのrは、
日本の教育が育てようとした『生きる力』が落ちたということで、
反省せざるを得ない。
総合的な学習の時間は、目的は良かったが手段に問題があった。
今、中教審で
教育内容、授業時数、総合的な学習の時間を授業全体の中にどう位置付けるか、
土曜日のあり方をどうするかなど検討している。
聖域を設けることなく、再検討しようということだ」と説明しながらも、
「見直しといっても、先祖返りして、詰め込み教育をすればいいというのではない。
子供が変容し学習環境が変わってきていることを踏まえて考えるべきだ」
と述べた。
 PISAでは日本の子供たちの学ぶ意欲、学校外での学習時間は最低で、学習習慣も学習意欲も希薄という結果だったことを指摘、「そういう子供たちの学力向上策は、量のみを多くする詰め込み教育で成功するのだろうか。学ぶ意欲や動機、学習習慣をどのように身に付けさせるのか。学校だけの問題としてでなく、地域、家庭の問題として幅広くとらえなければならない」と訴えた。
◇基礎基本・コミュニケーション
 今の子供たちについて「興味があるものには意欲を示すのに、興味のないものには関心を示さない、好き嫌いが激しい。一方でビジュアルな能力はある。基礎基本は変わりるのかも知れない」と述べ、「書くということにも、さまざまな手段がある。書くということはコミュニケーション能力の基本だ。さまざまなツールを活用してコミュニケーション能力を高めるという基礎基本もあるのではないか。情報機器を活用して伝え合う力を高めるなど工夫できるのではないか」とITの活用にも言及しながら、新しい見方、取り組みの可能性を述べた。  さらに、基礎基本か生きる力かといった「2項対立の学力論争は意味がない」
とし、
「基礎基本を教えながら、考える力、創造的な力、主体的な力の育成、子供たちの学びを喚起する場面を大切にしてほしい。
そのために少人数教育、習熟度別学習、チームティーチングなどを活用し、画一的にならないよう教育を進めてほしい」と訴えた。
日本の高校生、 45%が「学校以外で勉強せず」(日経新聞)
平日に学校以外の場で勉強しない高校生は中国が8%、米国が15%しかいないのに、日本は45%にも達することが15日、財団法人日本青少年研究所(東京)がまとめた「高校生の学習意識と日常生活」に関する比較調査で分かった。「授業中よく寝たり、ぼうっとする」と答えた生徒の割合も日本が7割強と最高で、学習意欲の低さが改めて鮮明になった。
 調査は昨年9―12月、日米中の高校生それぞれ約1000―1300人にアンケート形式で行い、ほぼ全員の回答を得た。
 平日、自宅や塾など学校以外の場でどのくらい勉強するか尋ねたところ、「ほとんどしない」とした生徒の割合は日本が45%でトップ。2時間以上勉強する生徒は中国が64%と最も多く、米国30%、日本23%の順で、日本の高校生の勉強時間の短さが際立つ結果になった。
IT教育: 無線LAN活用の取り組みを発表  東京学大付高(毎日新聞)
東京学芸大学付属高校(東京都世田谷区)で11日、ITを活用した教育の1年間の取り組みを振り返る公開研究会が開かれた。1年生「情報」の「学校CMを作ろう」の授業、無線LANとノートパソコンを使った社会科の授業が公開された。
◇「学校CM」を作ろう
 1年生は「情報A」で、3学期に「学校PRCMを作ろう」の授業を行った。学校説明会で使える15秒の映像を作る。まずCMには「映像」「音楽」「キャッチコピー」「ロゴ」などの要素があることや、倫理規定があることを学び、グループごとにテーマを決め、「動画を使う」「静止画を使う」「音楽も作曲して使う」など見る人に訴える表現を工夫した。
 この日は、完成したCMの発表会が行われた。生徒は、各グループが作ったCMを見て、撮影や編集で苦労した点などを発表しあった。最寄駅から学校まで生徒が全力疾走する映像を早回しにして使ったグループは、「映像を切らずに使うため、駅から本当に走って撮影した。ぶれないように撮影するのが大変だった」と発表した。また、動画の間に静止画を差し込んでCMを構成したグループでは「BGMのタンバリンの音が変わる瞬間に静止画を入れるには、0・1秒単位の編集をした」と苦労した点を語った。その後、ほかのクラスの全作品約50本を見て、気に入った作品に投票した。
 情報担当の森棟隆一教諭は、「自分のクラスの作品をおもしろく感じると思うが、それは出演しているのが仲の良い友人だったり、よく知っている先生だからということがある」と情報は受け手によって違う受け取り方をされること話した。また笑いには、親しい間で共有する「ローカルな笑い」と一般に通じる「パブリックな笑い」があることも説明、「学校説明会で使える」という制作の意図と「伝えること」について考えさせた。
 森棟教諭は「いくつかの作品は、学校説明会に使いたい」と話した。この授業で映像表現に興味を持ち、新入生に部活動を紹介する映像を作りたいという生徒もいるという。
◇普通教室で行う調べ学習 社会科
 2年生の社会科で「自立支援の観点での国際協力の意義を考えさせる」授業が行われた。4、5人のグループで1台のパソコンを使い、演習問題に答える。各パソコンの作業画面は、プロジェクターで前方のスクリーンに映し出される。
 演習問題は「人口増加率3%の発展途上国があると仮定し、増加率を10年間で2%にするために、どんな政策が適当か」。グループで話し合って、「メディア、PR」「社会保障」「減税」「増税」「女子の職業訓練」といった選択肢の中から選び、なぜ、その政策がいいと考えたか、根拠を示して説明する。各国の「非識字率」「医療費」「国民所得」などの統計資料が配られ、問題解決に必要な情報をインターネットで検索した。
 担当した吉野聡教諭は「普通教室の授業をする場合、授業のどの部分でパソコンを使うと便利かを考えた。グループ学習で、意見を補強するデータを調べたりする時にパソコンを使うののがいい方法ではないか」と話した。また、一斉授業でパソコンを使うことについて、「このような調べ学習では、各グループのメンバーが作業状況を共有し、比較できることが大切だ。これまでは黒板でやってきたことだが、パソコンとプロジェクターを使えば、1つのグループの画面だけを大きく映すことも、全グループの画面を一斉表示することもできるので、共有と比較が簡単にできる」と説明した。
 吉野教諭は「1年生の情報の授業で、生徒はパソコンの基本的な使い方を身につけているので、各教科の教員がそれほど詳しくなくても、授業中に『調べて』と言えば、生徒はインターネットで調べることができるし、必要ならグラフ表示にして、発表することもできる。普通教科では、必要だと思うときにITを使えばいい」と話した。
 授業の後、研究協議会が行われ、同高で今年度始まった普通教室での無線LAN活用の取り組みが報告された。教員用のノートパソコン10台を各教科で使えるようにして、昨年11月、試験的に2年生の各クラスで図書室での調べ学習の実践をした。2年生を担当する坂井英夫教諭は「パソコンを活用した授業は、これまで視聴覚室でしかできなかったが、どこでもできるようにしたい。理科では、実験の後すぐに測定データをグラフにしたり、英語では音声データのストリーミングをするといった活用を考えている」と話した。【岡礼子】
3月15日 小中生、こんな問題が苦手 4県統一学力テスト(朝日新聞)
テスト問題
今月上旬に結果が公表された「4県統一学力テスト」で、論述問題が苦手な子どもたちの姿があらためて鮮明になった。テストに参加した岩手、宮城、和歌山、福岡の4県は対応策の検討を始めた。学力低下論議と呼応して、文部科学省は「全国学力テスト」の実施を検討している。自治体同士が初めて共同実施したテストには、どんな狙いが込められているのだろうか。
◆理解力低下、データで示す
 解答欄が空白の「無答率」が最高だったのは中2英語(全体正答率69%)の設問=図参照=だった。出題側は「私たちの学校は」の後、学校名や市町村名、生徒数などの説明で、6割の生徒が正解すると見込んだ。
 しかし、正答率は41%。40%の生徒が無答だった。「3文以上の英文」を求める設問になると、正答率は18%に下がり、無答率は45%に上がった。
 中2数学(同57%)でも、文章を読み取る設問=図参照=の正答率は21%で、42%の生徒が答えなかった。各設問は4県教委の指導主事らが「学習指導要領上の基礎基本を確認するため」に作った。地方分権研究会は「最初からあきらめてしまう生徒や、表現力が不十分な生徒が多いと考えられる」と説明する。
 小5理科(同65%)の設問=図参照=は、51%の生徒が正解した。主な誤答例は「冬眠した」(18%)、「昆虫が死んだ」(2%)などだった。グラフを読み取る社会(同76%)の設問=図参照=は正答率が45%。40%の生徒が作付面積と生産量を間違った。
◆さっそく対策
 4県の正答率に大差はなかったが、全科目の正答率が平均を下回った宮城県教委の義務教育課は「早急に原因を分析したい」と話した。今月中に結果を分析した冊子をつくり、各校に指導方法を指示する。
 和歌山県は03年度から実施している県内の学力テストで、読み書き能力が低い傾向が出ていた。今回も、小中学校とも国語だけが平均を下回った。小中学校課は「他県との比較で弱点がより客観的にわかった」。中学の国語教員が小学校で教える事業の拡充など、対策を検討している。
 岩手県は中2の数学、英語の正答率が平均を下回った。81年度から学力テストをしているが、学校教育課は「県内調査では見えない結果だ」。抽出式テストを実施している福岡県の義務教育課も「県内テストではこれほど豊富なデータは集まらない。貴重な機会だ」と話した。
     ◇
〈4県統一学力テスト〉 8県の知事と学界や経済界でつくる「地方分権研究会」が企画した。岩手など4県の教委が昨秋、中2、小5生約12万人を対象に実施した。自治体が共同で学力テストを実施するのは初めて。
〈図の問題の答え〉
◇小学5年【理科】気温が低くなった(寒くなった)【社会】2
◇中学2年【数学】(1)10x+y(y+10x)(2)2と5(5と2)【英語】略
総合的学習見直し問題 、文科相発言に批判も 中教審部会 (朝日新聞)
「総合的な学習の時間」(総合的学習)のあり方を審議する中央教育審議会の専門部会の第3回会合が1日に、開かれた。中山文部科学相が1月に総合的学習の見直しを発言して以来初めての開催で、議論は白熱した。「現場が混乱する。年度内に部会の意見を出すべきだ」との強硬論も出たが、改善点などを検証し、慎重に審議を進めることでまとまった。
 専門部会は、総合的学習に理解のある有識者が委員で、中山文科相の発言を批判的にとらえる意見が大勢を占めた。
 ある委員は、「大臣発言以来、来年度の総合的学習をどう進めるかの相談がぴたっと来なくなった。現場は敏感だ。新年度が始まる前に、削減しないということを確認してほしい」と同席した文科省側に詰め寄った。
 別の委員は「学力低下を救う道として総合的学習は効果がある。改善のためにどうするかを議論して発信しないと、意欲ある先生がやる気をなくす。文科省は人的・資金的に援助する姿勢を示すべきだ」と述べた。
 これに対し、同省側は「学習指導要領は全体を見直す。しかし、総合的学習は目玉であり、今の学習指導要領のもとで4月からもしっかりやるのは変わらない」と答えた。  部会では、
(1)総合的学習への理解が不十分
(2)教員の資質向上などが課題点として挙がった。
転入: 公立増え悲鳴 都中学校長会が私立中を批判(毎日新聞)
問題行動や成績不振などを理由に私立中学を退学させられる生徒が急増し、転入先の公立中学校の教育活動に支障が出ているとして、東京都中学校長会(鈴木憲治会長)は14日、東京私立中学高等学校協会(近藤彰郎会長)に「安易な退学処分の自粛」を申し入れた。都に対しても私立の「無責任ぶり」をアピールし、「横暴な退学処分」への補助金カットや実態公表を求めている。一方、私立側は「教育的配慮からすぐに退学にはしていない」と主張、首都圏で私学人気が高まる中、義務教育の在り方をめぐって思わぬ論争に発展しそうだ。
 同校長会は昨年12月、都内の全公立中651校を対象に、私立から転入学してきた生徒に関する調査を実施した。その結果、02年度に259人だった転入者は、03年度は331人、04年度は12月10日現在で359人に達していた。退学理由は、いじめや不登校などが44.8%で、暴力行為や喫煙などの反社会的行為が6.5%、学力不足による強制退学や進級不能も約10%あった。
 受け入れ先となった学校の校長からは「転入生の精神的ダメージを回復するのに大変な配慮を要した。いじめがないよう対応するのも難しかった」「中学校までは義務教育なので、何が起きようが卒業まで責任を持ってほしい」などの不満が相次いでいる。
 鈴木会長は「不登校で情緒不安定になった生徒に心ない言葉を浴びせて退学に追い込んだり、いじめの加害者を見せしめ的に退学にする事例もあった」と憤慨する。同校長会は申し入れで「責任ある教育の確保」や「実態を把握するための調査」も求めた。
 これに対し、東京私立中学高等学校協会は「生徒が学校になじめず退学するケースは以前からあり、最近になって急に増えている訳ではない」と反論。「各校が独自の方針で教育し、保護者のニーズがあって私立進学者が多くなっている。厳しい校則があり、それに反しても、教育的配慮からすぐに退学にはしていないのが実態だ」と説明する。
 一方、文部科学省児童生徒課は「転入に関する統計は把握しておらず、初めて聞く話だ。義務教育段階なので、私立から公立に流れるのは仕方ないが、公立校が受け入れることができないほど増えてしまうと、現場に支障が出てくるかもしれない」としている。【奥村隆】
 ◇公立不信 高まる私立志向
 児童数の減少にもかかわらず、私立中への進学者は増え続けている。大手進学塾「四谷大塚」の入試情報センターの推計では、首都圏1都3県の中学受験者総数は、99年の3万7000人から、今春は4万4700人まで増えた。受験する小学6年生の割合も、この間に11.8%から15.4%まで高まった。04年度の学校基本調査によると、都内では中学生の4人に1人にあたる約7万5000人が私立に通っている。
 私立中人気の背景には「ゆとり教育」に伴う学力低下など「公立不信」があると言われる。同センターは「私立中が保護者に校則をきちんと説明していなかったり、受験生が偏差値だけを見て合格した学校に何となく通い始めると、『話が違う』となりやすい」と話している。
eラーニング: 世界的な動向や技術など論議 (毎日新聞)
eラーニングの世界的な動向やeラーニングの技術、コンテンツなど諸問題を検討する情報技術標準化フォーラム「eラーニングのグローバルな動向〜制作、技術そして応用」が14日、早稲田大学国際会議場で開かれ、日本、韓国、カナダ、オーストラリアなど各国の研究者、教育機関の専門家が参加した。
 教育システム情報学会会長の岡本敏雄・電気通信大学大学院教授はeラーニングによる学習の変化を語った。岡本教授は伝統的な教室での教え方と、eラーニングを比較し、「eラーニングは時間、場所から自由で、すぐに結果が分かり、学習者中心などの特徴を持っている。eラーニングはいつでもどこでも学習できる民主的な学習法だ」と説明、eラーニングを活用した教授法によって、「学習資源の再利用と共有、ナレッジマネージメントが進み、学習者中心の新しい学習モデルをもたらす。学習は変わろうとしている」と述べた。
 AEN(Asia e−learning Network)の推進委員会の坂本昂委員長はAENの活動を報告した。AENは日本政府の呼びかけて2001年に結成された。アジアの国々にeラーニングを普及させ、人材開発と経済発展を図ろうという取り組みで、ASEAN諸国と日本、韓国、中国が参加した。坂本委員長は「AENでは、相互運用性促進技術の開発、eラーニング専門家の育成、eラーニングの品質保証、多言語対応などに取り組んでいる」と報告、「アジアが一体になって取り組めばそれぞれの文化を守りながらも、継続的な協調を実現できる。ネットワークで学ぶ社会、eラーニングが結ぶ世界になれば素晴らしい」と述べた。
 オーストラリアの「エデュケーションau」のコンサルタント、ジョン・メイソンさんはeラーニングの標準化について講演、「eラーニングは一時の流行ではなく、インフラの整備が学習を変えつつある。問題は学習、教育を継続的に支えるインフラを構築するにはどんな標準が必要かだ」と述べ、「標準には、1つ目に学習、教育を目的とした標準、2つ目に学習、教育を目的とはしないが学習、教育に必要な標準、そして3番目にもっと広く適用され、学習、教育にも役立つかも知れない標準の3つのカテゴリーがある」と述べた。また標準化による相互運用性について「さまざまな側面があって達成は容易ではないが、だれもがその利便性を求めている」と述べた。
 また、NTTレゾナントの仲林清・ラーニングポータル部門長がアジアのeラーニングの取り組みについて報告。日本ではSCORM2004のシーケンシング機能などの新機能に対応した学習エンジンを開発、提供したこと、標準化のため人材を育成するため、アセッサプログラムを設け、実施していることなどを報告した。【平野秋一郎】
eラーニング: AENの2004年の成果を報告 (毎日新聞)
アジアの国々にeラーニングを普及させ、人材開発と経済発展を図ろうと活動しているAEN(アジアeラーニングネットワーク)の2004年の成果発表会が14日、早稲田大学で開かれた。
 AENは日本政府の呼びかけて2001年に結成され、ASEAN諸国と日本、韓国、中国が参加、eラーニングの標準化、品質保証、多言語対応などの課題に取り組んでいる。AEN推進委員会副委員長の福原美三・NTTレゾナント事業開発部長は「eラーニング国際ランキングで日本は23位だった。韓国がなぜ伸びているか考えてみるべきだろう。日本の企業規模別の導入率を見ると、導入しているのは一部上場クラスの大企業が主で、従業員1000人以下の企業は大半がまだだ。どうやって未導入の企業群の導入率を引き上げるかが問題だ。インフラは整ってきたので、期待したい」と述べた。
 日本イーラーニングコンソシアム(eLC)の高橋和彦理事は「国内eラーニングの最新市場動向」について報告、「eLCの実施した調査では、導入企業は36%。未導入は497%だった。導入する時、重視する点は『研修目的に合ったコンテンツが選べる』『高い学習効果が期待できる』『学習管理などが容易』などが多かった。だが、未導入企業では価格、サポート体制を重視しており、そうした点に不安を感じているようだ」と述べた。別の調査では、eラーニングが導入されている分野野は、「IT・コンピュータ」が70%と圧倒的に多く、次いで「語学」27%、「経営・管理」24%、「社会通念」23%などだった。
 調査結果について高橋理事は「企業では全般的に浸透が進み、コンプライアンスなど全社員教育での利用が拡大している。中小企業での導入、コンテンツの品質と数の不足解消が課題だ。しかしコンテンツの低価格化が進み、利用は高まるだろう」と述べた。大学については「関心は高まり、実験から実践の段階に入った。対面授業とeラーニングの連携も進んだ。しかし取り組みにはばらつきがあり、コンテンツ、スタッフが足りない。今後は高品質のコンテンツを提供できる大学が生き残る」と述べた。
 国際情報化協力センターの永谷光行部長は、アジア各国のeラーニング市場の現状を報告、「韓国は国家的にeラーニングの取り組みをしており、昨年、eラーニング産業活性化法を施行した。世界一のインターネット普及率を背景に、市場規模は年40%の成長率だ」と最先端を走る韓国の現状を報告した。
  中国については「こちらに向かって走ってくる巨象の大群が遠くに見える」と勢いと規模を表現した。中国教育部が承認した「遠隔教育」を行なっている大学は68に上り、学生数は250万人に達している、と報告、「初等中等教育人口は1億6000万人で、その8割が地方におり、政府は地方の学校のインターネット化を進めている」と述べた。また中国は米国・マサチューセッツ工科大学のオープンコースウエアを中国語への翻訳を進めていることを報告した。 AEN http://www.asia-elearning.net/
学士院賞に数論幾何学の加藤京大教授ら10人(日経新聞)
日本学士院は14日の総会で、優れた学術研究を対象とする2005年度の日本学士院賞を加藤和也京都大教授(53)の「数論幾何学の研究」など9件、10人に贈ることを決めた。加藤氏には恩賜賞も併せて贈る。
 ほかは、A型インフルエンザウイルスがカモの体内で生き延び、ブタを介して新型ウイルスが出現していることを突き止めた喜田宏北海道大教授(61)や、ドイツの福祉国家思想史をまとめた木村周市朗成城大教授(55)ら。
 授賞式は6月中旬、東京・上野の日本学士院会館であり、学士院賞は1件につき賞金100万円、恩賜賞には銀製花瓶が贈られる。
 同院は45歳以下の若手を対象にした学術奨励賞を新設。第1回受賞者に数学の望月新一京都大教授(35)ら5人を選んだ。
3月13日 入試に「地域枠」//秋田大医学部(朝日新聞)
秋田大学医学部は11日、06年度の医学科の推薦入試から、出願資格を県内高校出身者に限定した5人の「地域枠」を設けると発表した。卒業後も県内で働く人材を確保し、医師不足を緩和するねらいだ。  同学部によると「地域枠」の試験日程は05年12月上旬で、小論文と面接、推薦書をもとに選抜する。高校在学時の成績評価(5段階)平均は今後決めるが、飯島俊彦学部長は「4・2くらいは期待したい」と話している。
 医学科の募集定員(95人)は変えないため、「地域枠」に5人を配分する代わりに、前期日程の募集人員を現行の60人から55人に減らす。
 同大の「地域枠」創設にあわせ、県も06年度から県内で働くことを条件にした医学生向けの奨学金制度を創設する。県医務薬事課によると対象者は毎年10人で、卒業までの6年間、月額15万円を貸し付ける。卒業後、県内で9年以上働けば、奨学金の返還を免除するという。同課は「秋田大の地域枠で入学した学生からの申請は優先する」としている。
 同学部によると、今年度の学生の7、8割が県外出身者。県内出身者は少数派だが、卒業後も県内に残る「定着率」は7割。同学部としては、地域枠で県内出身者を増やし、地元で働く医師の増加につなげたい考えだ。  県内の医師数は増加傾向にあるものの、人口10万人あたりの医師数は02年末で188・5と、全国平均の206・1を下回っている。
県負担講師60人採用必要中1選択制で県教委見通し(山形県)(朝日新聞)
中1の少人数授業の選択制に伴う教員不足問題で、県教委は11日、制度導入で県負担で新たに採用を迫られる講師は常勤・非常勤あわせて約60人にのぼるとの見通しを明らかにした。県教委は教員確保に躍起だが、日野雅夫教育長はこの日の県議会予算特別委員会で、別の教科の教員への「臨時免許」の発行も念頭に置かざるを得ないとの厳しい見通しを示した。
  県教委が示した試算では、新年度から中1が少人数学級編制と主要教科の副担任制の選択制になったことで、新たに必要となる講師は計144人で、常勤講師85人は国が人件費を負担する。残る常勤29人、非常勤30人の人件費、約2億2千万円が県負担分となるが、副担任制も選択制として取り入れたことで1億6千万円もふくらんだ結果だ。
  県教委によると中学教諭の新年度採用予定者は全教科で35人、今年度で退職見込みの中学教諭も全教科でほぼ同数とみられている。講師の採用人数は、4月1日現在での生徒数、教員数などを考慮して最終的に決めるというが、主要教科副担任制の導入で英語と数学の教員が多く必要になることもあって、一度にこれだけの講師を確保するのは難しいのが実情だ。
  この日の特別委では、議員から「体育の先生が数学を教えるような事態があり得るのか」など「臨時免許」問題についての懸念が示されたが、日野教育長は「臨時免許はできるだけ避けたいが、視野には入れている。その場合、英語や数学の指導ができるかどうか、面接などできちんと判断する」と述べた。
新潟大男性教授 セクハラで処分(朝日新聞)
新潟大は11日、40代の男性教授が昨年8月下旬、課外授業に参加していた女子学生に、学内の自室で、わいせつなことを言ったり体を触ったりしたとして、同日から停職1カ月の懲戒処分にした。教授は、学生と自室で2人きりになったのは認めたが、セクハラは否定しているという。
 大学によると、女子学生が同年9月初旬、大学に訴え出て発覚した。  教授は、学内の調査委員会の聴取に、言っても触ってもいないと否認。しかし、委員会は、2人きりになったこと自体が「疑いを持たれる行為だ」と判断したという。 (コメント 部屋のドアを開けて置きましょう。ああ)
新年度から「とやま型学校評価システム」  (富山県)(朝日新聞)
 県教委は05年度から、各校が設定した数値目標を外部評価し、評価結果を公表する「とやま型学校評価システム」を県内の小中学校に導入する。全国的にもユニークな制度で、「教育県」にふさわしい地域に信頼される学校づくりを目指す。
  11日の県議会で福岡隆教育長が制度の内容を明らかにした。
  新制度は
(1)各校が実態に応じて分かりやすい数値目標を設定する
(2)目標の達成状況を保護者や地域の有識者により外部評価する
(3)評価結果を学校新聞やホームページなどで公表するーーのが特徴だ。
  これまでも半数以上の小中学校で外部評価を導入しているが、数値目標の設定や外部評価の結果の公表までは行っていなかった。県教委によると、全国的にも目標設定や公表まで行う例は少ないという。
  数値目標はたとえば、漢字や計算テストの平均点アップや、ボランティア活動の回数増などが考えられる。その目標を外部評価し、結果を公表することで、地域の人々に学校の取り組みを理解してもらうのが狙いだ。
  県教委では「地域に信頼される学校づくりを進め、地域の人々に学校教育を応援してもらうことが、教育効果の向上につながる」と話している。
  県教委によると、05年度時点で県内の小学校は216校、中学校は83校ある。07年度まで3年かけて導入率100%を目指す。
入試科目に「情報」/愛知教育大  06年度から 商・工業系生徒に「有利」(朝日新聞)
 愛知教育大学は06年度入試から「情報」を出題する。高校普通科に「情報」の授業が導入されて初の受験生を迎えるためだが、国立大学法人では東京農工大と愛教大の2大学が導入する。情報教育課程に基礎を身に着けた学生を採りたいとの狙いもある。「情報」を手厚く学ぶ工業・商業系の高校生には「朗報のはず」と大学側は話す。28日には試行模試も愛教大を会場に行われる。
  「情報」を出すのは情報教育課程(募集90人)。12月の推薦入試では普通教科の「情報」の内容を論述形式で出す。来年3月の後期日程試験では「総合問題」と「情報」を出題する(情報数学履修コースは除く
。  同課程の卒業生は、情報や数学を専門にする教員のほか、情報産業や教育産業に就職している。
  同大の教職員が県内の高校を訪問した際も、専門教科の「情報」を教えている工業系高校からは、「情報」の入試科目への導入を望む声が寄せられていたという。
  「情報」の試行模試は東京農工大が実施。愛教大も会場になり、同大助教授の解説もある。申し込みは農工大ホームページ (http://www・cs.tuat.ac.jp/pre18/pre18ad/)から。締め切りは17日。
3月12日 学力「世界のトップレベルと言えない」…」…文部科学白書(読売新聞)
文部科学省は11日、2004年度版「文部科学白書」を発表した。
 児童生徒の学力低下について、昨年12月に公表された二つの国際的な調査の結果を受け、「読解力が低下傾向にあるなど、世界のトップレベルとはいえない」と明記した。また、
<1>学ぶ内容に興味がある生徒が少ない
<2>学校以外の勉強時間が短い
<3>テレビやビデオを見る時間が長い
――などととする調査結果を紹介し、「学習意欲や学習習慣に課題がある」と指摘した。
 白書では、学力向上のため、義務教育9年間で身につけるべき資質を到達目標として明確化することや、学習指導要領の見直し、指導方法の改善、少人数・習熟度別指導を推進するとしている。
子どもの学力低下、初めて認める・文部科学白書(日経新聞)
文部科学省は11日、2004年度版の「文部科学白書」を公表した。国際学力調査の結果から「読解力などが低下傾向にある」と指摘、白書として初めて子どもたちの学力低下を正面から認めたのが特徴。「ゆとり教育」実現を柱とする現行学習指導要領の実施から3年しかたっていないにもかかわらず、「教育課程の基準全体の見直しを進める」と方針転換を強く打ち出している。
 昨年12月発表の経済協力開発機構(OECD)など二つの学力調査結果を白書は「我が国の成績は全体として国際的に上位にあるが、世界のトップレベルとはいえない状況」と総括。学ぶ意欲や学習の習慣づけに課題があると指摘した。
 そのうえで「確かな学力の育成に一層の努力が必要」と訴え、学力調査結果のほか、子どもたちの実態、社会・経済状況の変化を踏まえ、「学習指導要領全体の見直し」を進めるとしている。
小学校で英語、親の7割賛成・教員は反対が過半数(日経新聞)
小学校の英語教育必修化について、保護者の71%が賛成し、教員は54%が反対していることが11日、文部科学省の意識調査で分かった。早期から英語教育を望む保護者と、教員との意識のずれが浮き彫りになった。教員は負担が増えることを懸念し、国語を含む他教科の充実が優先すると考えているとみられる。
 調査結果は同日開かれた中教審の外国語専門部会で報告された。部会は必修化の是非について3月末までに方向性を示す予定だったが、中山成彬文科相が学習指導要領全体を見直す方針を打ち出したため、結論は秋ごろになる見通し。
 調査は昨年6月、全国の小学校230校を対象に実施。小4と小6の保護者約9600人、教員約2200人が回答した。
 「必修化すべきか」を尋ねた設問に「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答したのは保護者71%に対し教員は37%。「そう思わない」「どちらかと言えばそう思わない」は保護者22%に対し、教員は54%だった。
文科省、性教育の実態調査へ(日経新聞)
中山成彬文部科学相は11日の閣議後記者会見で、学校現場で行われている性教育の実態調査に4月から乗り出す方針を明らかにした。各都道府県の教育委員会に聞き取り調査などを行い、結果を中央教育審議会の義務教育特別部会に報告。適正な性教育のあり方について議論してもらう考え。
 性教育については、4日の参院予算委員会などで、小学生に性行為を具体的に説明することなどが「行き過ぎた内容」として問題視された経緯がある。
 実態調査は教委へのヒアリングのほか、学校への訪問調査やアンケートを行うことなども検討する。文科省のホームページ上に近く「教育御意見箱」(仮称)を設け、性教育に限らず教育、学校のあり方について幅広く意見・情報を受け付けることも決めた。意見募集は5月末までの予定。
 来年度以降、学習指導要領に沿った望ましい性教育の実践事例集を作って教育現場に配るほか、教師らを対象にした講習会も開催する。
 中山文科相は会見で「実態をしっかり調査し、是正すべきところは是正していきたい」と述べた。
3月11日 前納大学授業料の返還、4月辞退は認めず…東京高裁(読売新聞)
日本大、明治大、明治学院大の入学を辞退した元受験生12人が、入学金や授業料など計約3200万円を返還するよう求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁であった。
 1審・東京地裁判決は大学側に対し、8人に授業料など計約1180万円の返還を命じたが、大喜多啓光裁判長は、この8人のうち3人への約計190万円の返還命令を取り消した。入学金の返還については、1審同様、12人すべて認めなかった。
 1審判決は、2002年3月中に入学を辞退した5人に加え、4月初旬に辞退した3人についても「まだ授業が始まっていなかった」として、授業料の返還を認めた。これに対し、高裁判決はこの3人について、「4月1日より後に入学を辞退すると、大学が学生を受け入れるために準備してきた費用が無駄になる」などと指摘、返還を認めなかった。
IT教育: 英国とMITの最新の教育方法を紹介(毎日新聞)
携帯端末と学習と結びつけ、新しい利用法を探る「東京大学大学院情報学環・ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)」の第8回公開研究会が3月5日、東大本郷キャンパスで開かれ、英国の研究機関「NESTA Futurelab」の研究員、Ben Williamsonさんがゲーム性を生かした学習コンテンツを紹介、米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)のSen−Ben Liao博士がMITの科学教育の取り組み「The MIT TEAL Project」について説明した。
 Futurelabは英国政府が資金を出し、モバイルデバイスなどを利用した新しい学習環境を研究するためにつくられた組織。Ben Williamsonさんは「英国、米国ではビデオゲームが注目されており、子供たちは夢中になってチャレンジしている。このチャレンジ精神を教育にも入れたい。ゲームのように楽しい学習を実現したい」と研究の狙いを語り、ゲーム性を生かした学習コンテンツとその学習効果を紹介した
 タブレットPCと電子情報ボードを組み合わせた5〜10歳向けの作画ツールで、子供たちが海や雲、大地など自然界のものを描くと、その絵の中のものが物理法則に従って動く。描かれたものは、パラメータを変えることで、弾み方、重さ、硬さなどが変わり、動きが変化する。例えば、海と岸を描き、海にボートを浮かべる。パラメータを変えると、雲から雨が降り始めたり、水に浮かべたボートが沈んだりする。また落としたものが跳ね返る高さが変わったりする。重力、衝突、張力などの物理法則や概念を視覚化することで理解を促そうという狙いだ。
 Williamsonさんは、例として、砂漠に建てた家の絵を示した。家は壁だけで、屋根はない。そこに雨雲が現れた。子供たちは「雨に濡れないで、水をためる」という課題を与えられ、屋根を描く。パラメータを変えると雲から雨粒が落ちてきて、屋根に沿って、屋外に流れ落ちる。Williamsonさんは、「子供たちに経験した現象をミニストーリーにして絵を描かせる。実際に絵が物理法則に従って動くので、子供たちは動的なものを理解するようになった」と話した。
 子供たちがバーチャルなアフリカのサバンナで、ライオンになりきって獲物を追い、テリトリーと子供を守り、乾季の飢えと乾きに耐えながら、生態系や動物の行動について学ぶ10〜13歳向けのアドヴェンチャーゲーム。子供たちは校庭で、ライオンの群れになり、GPSにつながったPDAでサバンナや獲物や敵を見、聞き、においをかぎながら、狩猟したり、逃げたり、子供を育てたりする。この野外の活動と合わせて、教室で自分たちの行動を振り返ったり、計画を立てたり、インターネットや本で調べたりする。
 Williamsonさんは、3時間の活動で「子供たちは生き残り戦略をうまくつくるようになり、協力の仕方が強くなった。経験を参考にして、難しい課題を解決するようになった」と話した。
 Williamsonさんはこのほか、子供たちがカーレーサーやエンジニアになってエンジンやタイヤなどのさまざまな条件を勘案しながら行なうカーレースのシミュレーションゲーム「Racing Academy」、バーチャルな粘土でコンピュータ上につくった人形で人形劇を上演する「Virtual Puppetees」を紹介、「Racing Academy」では「子供たちはスタートの良し悪し、タイヤのすべり具合、ギア比、エンジン出力などメカやレーステクニックを分析し、改良計画を立ててチャレンジを繰り返した。チャットで話し合い、数週間の取り組みで相互に助け合い、技術的、構造的な話をするようになった」と説明した。
 Sen−Ben Liao博士は「物理を教えてきたが、大教室で行う伝統的な授業では出席率は低く、学生は物理を学ぼうという動機が弱く、知識もやる気も少ない。物理の履修者は減少していた」と説明、1コース500人、大教室での講義という伝統的な授業では、学生は受け身になるし、学生とのやり取り、質疑応答の時間が足りないと述べた。さらに21世紀の学生には「デジタルリテラシー」「分析力」「問題解決力」「コミュニケーションと協働」「批判的精神」などが必要で、それを身に付けさせるには「学生中心の授業が何よりも大事だ」と述べた。
 TEAL(Technology−Enabled Active Learning)プロジェクトの狙いは「学生が受け身になる講義をやめ、問題解決力やコミュニケーション力を付けさせる」ことなどで、授業は教員と学生とのやり取り、学生同士が教え合うことを重視している。教室も「学生中心」を実現するため、9つの座席がある円形の机を13台設けた。パソコンが学生3人に1台あり、教室の真ん中に教員用の机があり、周囲にはスクリーンや電子情報ボードなどがある。
 大教室では講義中心で実験は重視されていなかったが、TEALでは、それぞれの机で実験できるようにした。また、Liao博士は「学生の理解には、磁場の動きなど見えないものを見えるようにするビジュアル化やシミュレーションの意味が大きくなっている」と指摘、TEALでは文章をアニメ化したり、実験をビデオで見せたり、磁場や電流などの物理現象を視覚化するソフトを活用していることを強調、「視覚化によって、学生が頭の中でモデルづくりをしやすくなる」と述べた。
 TEALプロジェクトについてLiao博士は、「能動的な学習、教え合う環境を実現した。伝統的な授業方法よりTEALの方が改善度合いが大きかった」と評価し、「理論から始め、実際に見たり触ったりできる教材を提供し、実験し、ビジュアル化したことで学生の理解を深めた」と述べた。
BEAThttp://www.beatiii.jp/
情報モラル: 子供を守るためのネット講座 長崎県教委(毎日新聞)
長崎県教育委員会は9日、ホームページ「まなびネット」でウエブ版「子供を守るためのインターネット講座」を公開した。保護者にインターネットの光と影を知ってもらい、子供と一緒に安全に活用してほしいと、1月から県内の小学校、公民館などで開いている講座の内容をホームページでも見られるようにした。
 講座ではインターネットを活用した経験が少ない保護者を対象に、ネットの世界で起きているトラブル、子供たちが知らずに危険なインターネットのサイトにアクセスしてしまうこと、ちょっとしたいたずらのつもりで子供たちが犯罪行為をしてしまう危険があるーーといったことを、実例を挙げて解説している。また、掲示板やチャットの体験ページをつくり、実際に書き込んでみることもできるようにした。さらに子供が閲覧したページをチェックする方法や、ブラウザの機能を使った簡単なフィルタリングや、インターネット接続業者のフィルタリング・サービスを使う方法などを、パソコンの画面イメージを使って詳しく説明している。
◇無関心はいけない◇
 実際の講座は1、2月に計10カ所で行われ、約300人の参加者があった。参加者へのアンケートで「親と子供のどちらがインターネットに詳しいか」を聞いたところ、回答した100人のうち、「子供の方が詳しい」が35人だった。
 県教委は「学校でパソコンを使うようになったため、親が、子供がパソコンに向かっていれば勉強していると思っているケースもある。ネットのことをあまり知らない親も多いが、親が無関心ではいけない。子供たちの実態、インターネットの危険性を知って、使い方のルールを決めるなど、家庭で話し合うことが大切だ」と話している。
 講座で使っている(1)講師用マニュアル(2)配布用資料(3)会場で提示するための資料−−の3点はホームページからダウンロードできる。県教委は、学校がPTAの研修会するときなどに、学校の実態に合わせてモデル教材として使うことを期待している。講座に参加できなかったり、参加したが良く分からなかった人に見てもらうため、(2)(3)の簡易版をホームページに掲載した。【岡礼子】
【子供を守るためのインターネット講座】 http://www.manabi.pref.nagasaki.jp/internet/index.html
3月10日 三重県教委: 女性教諭を懲戒免職 2男性教職員を停職など(毎日新聞)
三重県教委は8日、勤務する高校の男子生徒と性的関係を持った女性教諭(32)を懲戒免職にしたほか、万引きするなどした教職員2人を停職や戒告処分にした。
 県教委によると、女性教諭は、三重県北勢地区の高校に勤務。男子生徒の悩みなどの相談にのっているうち親密な関係になり、昨年春ごろから複数回にわたって性的関係を持った。昨年10月ごろ、うわさを聞いた校長が女性教諭を問いただしたところ、関係を認めたという。女性教諭は「教員としての自覚に欠ける行動だった」として、今年2月に辞職願を提出したが、県教委は「学校教育に対する県民の信頼を著しく損なう行為」として懲戒免職処分を決めた。
 万引きしたのは伊勢市内の中学校に勤務する男性教諭(52)で、停職6カ月の処分。男性教諭は昨年10月9日夜、伊勢市内のショッピングセンターで、シャツやベストなど衣類3点(約2万円相当)を万引きした。03年ごろから精神的に悩み通院していたという。県教委は今月8日付で、男性教諭が提出していた辞職願を承認した。
 また、戒告処分を受けたのは、県立昴学園高校の男性事務職員(30)。昨年4月、県から貸与され、県の行政ネットワークに接続されていた自身のパソコンを、宮川村から同校に貸与されていたパソコンと無断で入れ替えた。県電子情報安全対策基準では、行政ネットワークに県貸与以外のパソコンを無断で接続することを禁じており、校長や事務長が改善を指導したが、直ちに応じなかったという。【田中功一】
3月9日 大阪府教委が次代の校長養成塾…団塊世代退職近づき(読売新聞)
「先生も塾へ」と、大阪府教委は8日、府立高校などの中堅教員を対象に学校の管理・運営の視点を養う「学校マネジメント研修」を新年度から始めることを決めた。
 府内の公立学校では35〜44歳の教員が50歳代に比べて極端に少なく、人材不足が心配されるため、研修を“校長塾”と位置づけて将来の校長や教頭を育成する狙い。校長は今後、保護者や地域からの要請や評価が厳しくなり、学校運営の手腕が問われる場面も増えると見られる中、全国でも例がない試みで、他の教委の注目を集めそうだ。
 大阪市を除く府内の公立小中高校は計約1300校あり、教諭は現在、約2万9000人いるが、うち約半数の1万4000人は50歳代。1970年代の児童生徒数の増加期に大量採用された教諭らで、今後約10年でほぼ退職する。一方、これから管理職になる35〜44歳の中堅教員は、大量採用の影響と児童・生徒数の減少で採用が減ったため、約5000人しかいない。
 このため府教委は、管理職にふさわしい人材が近い将来、不足すると心配。いまは校長、教頭のほか、登用が決まった教員にしか行っていない管理職研修に加えて中堅のための校長塾も開き、優れた管理職を育成することにした。
 新年度は府立の高校や養護諸学校の在職11〜15年の約60人を対象とし、府教育センターで年8回、大学教授ら外部講師も招いて研修を実施、学校の課題を考えさせたり、2学期制や習熟度別授業などについて議論させたりする。小中学校については2006年度以降、各市町村教委と連携して実施する方針で、府教委教務課は「従来のように優れた教師に管理職試験を勧めるだけでは、時代に合った校長の質、数ともに確保できない」としている。
島根大、学費融資の利子を負担・国立大で初(日経新聞)
島根大は4月から、山陰合同銀行と提携して在学生を対象にした授業料融資制度を導入する。ローンを返済し始めるのは卒業後で、在学期間中の利子を島根大が全額負担するのが特徴。「利子補給型の融資制度は国立大学では初めて」(文部科学省)という。
 島根大は現在52万800円の年間授業料を、4月から1万5000円引き上げる予定。山本広基副学長は「授業料未納で退学を余儀なくされる学生が年間20―30人いるため、経済的な支援策の一環として導入を決めた」としている。利率は年3.5%(固定)に設定し、市中銀行の教育ローン(年4―5%)より低く抑えた。卒業後に島根県か鳥取県のどちらかに居住・就職した場合は利率を0.5ポイント引き下げる優遇措置も盛り込み、「卒業生の地元への定着も促したい」(島根大)という。
専修学校教育: 修業年限4年以上に「高度専門士」の称号(毎日新聞)
文部科学省の調査研究協力者会議は8日、今後の専修学校教育の在り方について中間報告をまとめた。情報通信技術(IT)の発展などを踏まえ、専門課程で修業年限4年以上、総授業時数3400時間などの要件を満たした場合、新たに「高度専門士」(仮称)などの称号を与え、どの課程でも総授業時数の2分の1を超えてインターネットなどメディアを活用したeラーニングを行えるよう改めるべきだとした。来年度中に告示改正して実施する。
 専門学校修了者は、修業年限2年以上で一定要件を満たす場合は「専門士」の称号が与えられる。しかし、修業年限4年以上の在学者がこの20年で約10倍の3万8585人まで増加。高度専門士など新たな称号を与えるのが適当とした。
 また、高等、専門、一般の各課程で、総授業時数に占めるeラーニングの上限枠を緩和し、自宅でのメディア授業を単位参入できるよう求めた。【千代崎聖史】
3月8日 ゆとり教育 「見直せ」75% 「維持」10%全国世論調査 不安目立つ育児世代(中日新聞)
共同通信社が実施した全国電話世論調査で、現行の学習指導要領が掲げる「ゆとり教育」について
75・1%が「見直すべきだ」とした。
「見直すべきでない」は10・3%にとどまり
「どちらともいえない」は13・8%だった。
 見直しを求める理由は「学力が低下した」が最多。見直すべきではないとした人では「ゆとり教育の考え方は間違っていない」が過半数だった。
 中山成彬文部科学相は指導要領を全面的に見直すよう中教審に要請しており、世論の支持の高さは中教審の審議にも影響を与えそうだ。調査は五日から六日にかけて実施した。
 「見直すべきだ」と答えた人に、選択肢から理由を選んでもらうと
「ゆとり教育の影響で学力が低下した」が43・1%。
「学力をつけるにはある程度の『詰め込み』が必要」が29・1%、
「学校でしっかり教えないと塾通いが増える」が22・4%だった。
 「見直すべきでない」の理由は
「考え方は間違っていない」が56・4%、
「授業の工夫や、クラスの人数を減らす方が先」が29・2%、
「子どもの負担が重くなる」が5・3%だった。
小中学生の子どもがいる人では
「授業の工夫・クラス人数減」が60・9%に達し、
具体的な教育の質の向上を求めている。
 年代別では子育て世代の三十代、四十代で見直し派がいずれも80%を超え、
特に四十代の女性は87・2%に上った。
見直し派が少なかったのは二十代で、68・4%だった。
 <調査の方法>全国の有権者を対象に5、6両日、RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。コンピューターで無作為に電話番号を発生させてかける電話調査法で、電話帳に番号を載せていない人も調査できる。発生させた番号のうち、実際に有権者がいる世帯にかかったのは1471件、うち1015人から回答を得た。
市立小学校全校に外国語指導助手 義務教育一貫の英語学習も目指す(京都新聞)
子どもたちの英語コミュニケーション能力の向上を目指し、京都市教委は2005年度から外国語指導助手(ALT)を増員し、市立小学校全校で外国人ALTによる英語指導を始める。英語学習に関する学校間の温度差を解消するとともに、義務教育9年間の一貫した英語教育も目指す。
 市立小全178校のうち、現在は57校が総合的な学習の時間の中でALTが指導する英語学習を、84校は「きょうと・英語フロンティアキッズ」と呼ぶ市独自の指導助手による学習を進めている。
 残る37校でもフロンティアキッズによる英語活動は行われているが、課外活動だけにとどまっているほか、ALTが指導する学校でも時間数や教員の熱意にばらつきがあり、学校間格差が懸念されていた。
 計画では、小中学校担当として現在27人いるALTを42人に増やし、おおむね中学校2校区ごとに1人を配置する。ALTが同じ中学校に進学する小学校すべてを担当することで、小学校間の指導格差をなくしながら、中学校と連携した英語指導を進める。
 ALTとペアを組む教員側のスキルアップを目指し、小中連携英語教育の研修も行う。2005年度予算には、ALTの人件費など1億7500万円を計上した。ALTの増員に伴い、フロンティアキッズの派遣事業は取りやめる。
 市教委学校教育課は「小学校英語は正式な教科ではないが、各小学校の条件をそろえることが、中学進学後のスムーズな英語学習につながる。指導のレベルを高めながら各校の特色を出してもらえれば」と話している。
山びこ学校: ルーツを探る幻の文集「山峡」見つかる (毎日新聞)
戦後、山形県上山市の山村の中学生がつづり、全国的な反響を呼んだ文集「山びこ学校」の元生徒宅から、これまで存在は知られていたが実物は紛失したとされていた、回覧文集「山峡」が見つかった。山びこ学校のルーツを探る文集として注目される。
 山峡は、生徒らが書いた作文をとじて回し読みした文集。山びこ学校の元になった学級文集「きかんしや」より前に作られ、第5号まで発行された。元生徒の佐藤藤三郎さん(69)が今年1月、自宅物置の木箱の中で第5号(1949年2月20日発行、B5判62ページ)を見つけた。一部はネズミにかじられていたが、ほぼ原形を残している。
 文集の冒頭には、師範学校を出て1年目の無着成恭氏(77)の詩「ちびた赤鉛筆」を掲載。「新制中学一年であるおまえたちが『空腹』を『そらぱら』などと読んで『空気のはいった腹のこと』だとか、5と8をたして11だなどと答えたり」「こんなものが読めないようでわ新しい教育も民主主義もないんだ」。貧困に苦しむ生徒たちの学力の低さに直面し、悩みながらも希望を持って指導する思いがつづられている。また、家の炉端で、祖父と父と3人で教育について議論した時のことを書いた「ろばた」(佐藤さん)や、社会科の勉強で役場に調べものに行ったが、役人に「めんどうくさい」と言われたことを記した「くやしかったこと」など25編の生徒の作文が掲載されている。佐藤さんは「よく残っていた」と感激していた。
 山形大教育学部の石島庸男学部長(日本教育史)は「『山びこ学校』の前身を知る上で貴重な1冊。農民は勉強しない方がいいといった生徒の家族会議の様子の作文などから、戦後教育の置かれた当時のにおいがする」と話している。【辻本貴洋】
IT教育: ロボット制御を体験千代田区・九段小(毎日新聞)
 コンピューターを使ったロボット制御を体験するロボット工作教室が6日、東京都千代田区の九段小学校で開かれた。同小の児童18人と保護者、教員らが参加し、2人で1台の4輪駆動車を組み立て、プログラムを組んで走らせた。
 玩具のレゴブロックを利用したロボット製作キット「レゴマインドストーム」とプログラム用のソフトウエア「ROBOLAB」を使い、ソフトウエア開発の永和システムマネジメントで工作教室を担当している米谷浩さんらが講師を務めた。4年生から6年生までの児童が、マイクロコンピューターと赤外線センサーを搭載した全長約20センチの4輪駆動車を組み立てた。
 コンピュータープログラムは通常、専用の「言語」を使うが、ROBOLABは、ひとつひとつ命令が「アイコン」になっている。「右のモーターを動かす」「2秒」「ストップ」などのアイコンをパソコン画面上に並べれば、「右のモーターが2秒動いて止まる」というプログラムができる。子供たちは「右に2秒走り、左に2秒走る」「タッチセンサーが押されたら止まる」−−などの基本的なプログラムを教わった後、ポールを1周して、決められた枠の中で止まるプログラムに挑戦した。
 子供たちは、それまでに教わった「前進」「後退」「曲がる」「止まる」「タッチセンサーが押されたら〜する」「〜を何秒続ける」−−といった命令を使い、どう組み合わせたら、ポールを1周できるか、決められた枠の中に入るかを考えた。「前進」と「曲がる」を組み合わせればポールを1周できることにすぐ気づき、何秒進み、何秒曲がればいいのか定規やストップウォッチで図った。しかし、教室の床は平らではなく、スタートの位置によって車が右にそれたり、左にそれたりする。子供たちは、途中で方向を修正する命令を入れたり、いったん教室の壁にぶつけて方向転換してから枠に入れるなど、試行錯誤しながらプログラムを修正していた。
 九段小では、平均して週に2時間ほど授業でコンピューターを使っている。子供たちはプログラムを組むのは初めてだったが、ほとんどが決められたコースを走らせることに成功した。最後に開かれた発表会では、友達の車がプログラム通りに動くかどうか、全員が真剣に見守った。
 参加者の紅一点、内野夏希さん(4年)は、「何秒進んで、何秒曲がるかを考えるのが難しかったけど、楽しかった。コンピューターゲームよりおもしろい」と話していた。一緒に参加した父親の泰三さんは「普段、子供と一緒に何かに取り組むことはあまりないので、いい機会になりました」と話していた。
 6年生の担任で理科担当の石井雅幸教諭は「子供向けのロボットコンテストの世界大会もあると聞いたので、興味を持つ子供がいるかもしれないと思って、体験教室をしました。私自身も楽しかったです。子供の発想には負けますね」と話していた。【岡礼子】
3月7日 『学校がニートを大量生産』 文科相(東京新聞)
中山成彬文部科学相は五日、松江市で開かれた教育改革タウンミーティング(対話集会)で、これまでの学校教育について「競争は悪だという教育」と指摘し、「フリーターやニート(無業者)の予備軍を、大量に生産することに手を貸しているんじゃないか」と批判した。
 会場の小学校男性教諭から「文科省が進める習熟度別学習や学力テストの導入などの教育改革は、競争を助長しているのではないか」との質問を受けて答えた。
 中山文科相は「徒競走で手をつないでゴールインするように、今までの教育は『競争は悪だ』という教育だと思うが、社会に出ると激しい競争の社会で、子どもたちが落差にとまどってしまう。フリーターやニートの予備軍を大量に生産することに手を貸しているんじゃないか」と発言した。
 さらに「学力だけでなく、運動会で活躍する子もいる。得意分野では負けないぞという競い合う気持ちが、世の中を生き抜く子どもを育てる」と続けた。
 また、卒業式や入学式での国旗国歌の取り扱いについて「青年海外協力隊が、その国の国歌が流れている時に一生懸命働いていたら、現地の人に殴られたという話を聞いた。内心の自由だからといって、先生方はどういう考えであっても(国旗国歌に敬意を払う必要があることは)教えたほうがいい」と述べた。
3月6日 国旗国歌指導の徹底求める 対話集会で中山文科相(京都新聞)
中山成彬文部科学相は5日午後、松江市での対話集会で学校教育現場での国旗国歌の指導について「(教員に)内心の自由はあるが、どういう考えであっても国旗国歌に敬意を払うということを教えるのは、教師として当然のことだ」と述べ、指導を徹底すべきだとの考えを示した。
 中山氏は「国旗国歌に忠誠を尽くすというのを教えていないと、外国に行って恥をかき、ばかにされる。教えないと教え子がひどい目に遭うということを理解してほしい」と述べた。
 公立学校では休日となっている土曜日の授業や補習実施について「授業をやってもいいと思う。私学はやっており、公私間で差がつく」と述べ、学習指導要領を見直し、積極的に取り組むべきだとの考えを強調した。
IT教育: Eスクエア・アドバンス発表会 (毎日新聞)
小中高校のITを活用した教育実践を支援し、ITの有効な活用とITリテラシーの向上を目指した事業「Eスクエア・アドバンス」の成果発表会「教育・学習へのIT活用シンポジウム」の2日目が5日、東京・臨海副都心で開かれた。
◆「はたしてe−黒板とe−教科書の活用は日常化するのか?」
 パネルディスカッションは、清水康敬・メディア教育開発センター理事長をコーディネーターに、横浜市立大口台小学校の佐藤幸江教諭、群馬県小野上村立小野上小学校の上原永護教諭、岡山県情報教育センターの大田淳一指導主事、毎日新聞の平野秋一郎編集委員、三菱総合研究所の吉村春美研究員の5人が、e−黒板(デジタル情報ボード)やe−教科書の活用方法や学習効果、普及の課題などについて論議した。
 清水理事長は「政府が進めている教育の情報化は2005年度で終わる。ポスト2005が大事で、そこではe−黒板とe−教科書がキーワードになるだろう。簡単に使えて教育効果は大きい。普及させていくことが必要だ」と述べ、パネリストにe−黒板、e−教科書の有効性や現状の課題について聞いた。
 佐藤教諭は「e−黒板はITが得意でない教員でも使え、子供たちを注目させたり、資料を提示したり、繰り返し課題を見て体で覚えることができるなどさまざまなメリットがある。教員の側の有効性は、手間が軽減される、アナログとデジタルの教材を融合して深い学びを実現できる、教室にITの活用が広がるなどがあり、子供には、情報の共有化、気軽に調べたり、知りたいことに簡単に取り組めるなどの利点がある。一方、チョークと同じ感覚で使えない、置き場所がいる、価格が高いなどの課題がある」と報告した。
 上原教諭は算数、数学でのe−教科書の有効性について報告、教科書のページや素材をを拡大・縮小したり、書き込みをしたり、アニメーションにしたりできると報告、実際に開発していることを報告した。有効性については、図形を動かしたり、思考する上の工夫をしやすい、豊かで多彩な授業の実現、実感を伴った理解ーーなどを挙げた。大田指導主事は岡山県のICTを活用する授業の実現に向けた取り組みを紹介。「ICTの効果、価値についての認識は広まっているが、県内でも地域によって温度差がある。いろんな授業のノウハウを集め、良いものは教員研修に活用している。研修で教員の不安感を取り除こうとしている」などと話した。
 平野編集委員は「e−黒板は子供の意欲や関心、授業の面白さ、先生の教える方法など増幅するものだ」と述べ、吉村研究員は英国でのe−黒板の普及、活用状況を報告、「従来の授業のペースを維持したまま、動画、ウェブサイトなど多用な素材を活用した効果的な授業ができる。授業のための準備時間を削減できる」などと述べた。
 課題と解決策では佐藤教諭が「e−黒板、e−教科書の双方にさまざまな機能があって混乱する。まだチョークと同じ感覚では使えない。また、e−黒板を使うだけで、すぐにすばらしい授業ができるというわけではなく、子供の現状を踏まえて教材研究し、授業設計をしていく必要がある。教員が活用をイメージできるような研修会が必要だ」と課題を挙げ、「常に教室にあることで教員も慣れ、有効活用できるようになるのではないか」と話した。
 大田指導主事は、岡山県では授業のイメージづくり、設計、模擬授業をして、作成した授業案を持ち帰る「お持ち帰り研修」を実施していると話し、「先生と人間関係を作ること、コンピューターに慣れ親しむ時間を作ることが大切だ。IT活用は、設備が整ったから進み、整ってないと進まないというものではない。効果を実感し、活動意欲があれば、苦手意識を乗り越えることができる」と話した。吉村研究員は「良い実践を見学できる場をたくさんつくることが必要ではないか。先生たちがどんな風に使いたいのか、企業や教委など、周囲が支えていくことが大切だ」と話した。
 清水理事長は「確かに予算的には厳しい。地方交付税をいかに教育に回すかを考える必要がある。そのために、多くの先生たちにe−黒板がいいものだと知ってほしい。そして企業と連携し、みんなで予算獲得の努力をすべきだ」とまとめた。
◆IT活用教育推進プロジェクト発表
携帯電話を使った実践について報告する永野和男・聖心女子大学教授
 5日は、NPO「ブロードバンドスクール協会」の「ICタグと携帯端末を活用したデジタルマップ作成支援」、NPO「情報ネットワーク教育活用研究協議会」の「高機能携帯電話を移動情報端末にした学習支援システム」、毛利靖・つくば市教育委員会指導主事の「確かな学力を向上させる学校と家庭を結ぶネットワーク」の3発表が行われた。
 「高機能携帯電話を移動情報端末にした学習支援システム」のプロジェクトは、携帯電話とウエブページを組み合わせて学習に利用する取り組みで、携帯電話40台を子供が日常的に使うことで、どんな学習ができるかがテーマに研究が行われた。高精細写真が撮れるGPS機能つきの携帯電話を情報発信端末として使い、子供たちが撮影した写真をメールで送ると、自動的にウエブサーバーにデータが蓄積され、ブラウザで閲覧できるシステムを開発した。
 京都、熊本、新潟などの小学生が、地域のお正月料理や教室にあるストーブ、パンジーの咲き方などを比べる実践を行った。写真は撮影場所の緯度軽度、撮影時刻の情報を付記して送ることができるので、デジタル地図に子供たちが送ってきた写真を貼り付けることも簡単にできる。例えば秋分、冬至の太陽の南中高度の共同観測では、子供たちは地域によって南中時刻や高度に違いがあることを理解したという。
 実践に参加した京都市立藤城小学校では、子供たちは校外に出かける「取材係」と教室に残る「指令係」に分かれ、両者で「ここの写真がほしい」「何の写真かわからない」などとやりとりをしながら情報収集した。外と教室を何度も行き来する事なく、スムーズに活動を進められ、子供たちは他人に伝えるための写真の撮り方を意識するようになったという。担当した同小の寺田潤子教諭は「校外活動で一番困る事は、教員が子供全員の活動を把握できないことだが、携帯電話を使うことで解消される。子供たちの“見る”力が高まったと思う」と話した。
 同協議会を主宰する永野和男・聖心女子大学教授は「高精細画像に位置と時間の正確なデータが自動的につくことで、同じ場所で時間を変えたり、同じ時間で場所を変えて比較するといったことが可能になった。子供たちが撮影した地域ごとの天候、植物などをデータベースとして蓄積して活用し、新しいタイプの教材を作っていけるのではないか」と話した。
◆パネルディスカッション「今、教育の情報化に求められるもの」
赤堀侃司・東京工業大学教授のコーディネートで行われたパネルディスカッション「今、教育の情報化に求められるもの」
 赤堀侃司・東京工業大学教授のコーディネートで、千葉県柏市立土南部小学校の西田光昭教諭、広島県尾道市立土堂小学校の陰山英男校長、東京都立光明養護学校の赫多久美子教諭、東京農工大学の中川正樹教授、NHKの日比美彦チーフ・プロデューサー、経済産業省の野口正・情報化人材室長がパネリストとして登壇した。
 西田教諭は柏市の学校を結ぶネットワークや、各学校のITの取り組みをサポートする体制について、「トラブルがあるとITアシスタントがリモートで直したり、トラブルのあった学校に行ったりする。電話での相談や問い合わせにも応じている」と報告、「課題はITの一般化で、だれでも使えるようにするにはどうするか、パソコンが必要なのかも考える必要がある。実物投影機の方がいいという先生もいる。OHPやデジカメでも授業は大きく変わる」と話した。
 陰山校長は「2年生でタイピング=ローマ字入力を教えている。子供たちは1カ月でタイプできるようになる。楽に入力できるようになると、子供たちは文章を書くようになり、書けるとまた書きたいと思う良い循環が生まれる。英語でも、コンピューターなら必要なところを何回も繰り返し聞き、覚えることが出来るくことができる。児童1人1台のパソコンで可能性が広がる」と話した。
 赫多教諭は「学校にはパソコンが足りない、困った時に頼れる人、頼れるところがない。サポート体制などITを活用できるようなシステムがないのに、機器の導入ばかりが進んでいる。学校にも、企業のようなシステム管理部門をつくってほしい」と訴えた。
 中川教授は「教員のIT利用はインセンティブがないと進まない」「ITを生産性を上げるためだけに使うのでなく、学びの質を上げることを目指すべきだ」などと話し、日比チーフ・プロデューサーはNHKの教育コンテンツについて説明、「コンテンツが使われないのは、ITを使うと授業を手抜きしていると思われると、先生が考えているからだ」などと述べた。
 野口室長は「普通にITが使える学校環境の実現を目指して、文部科学省と連携して取り組んでいる。文科省とは役割の差別化を図り、経済産業省は先進的な取り組みの支援や良い活用事例の創出・提供を進める。地方自治体にも、教育、ITの充実に予算を使ってほしいと説得を続けている」などと取り組みを話した。
3月5日 教育特区で小学校教諭を独自採用 守山市が申請へ (京都新聞)
滋賀県守山市はこのほど、通常は都道府県が採用する小学校教諭を市が採用できる「構造改革特区」を、2005年度中に政府に申請する方針を決めた。申請が採用されれば、学級担任ができる教諭数を市独自に増やすことができるため、少人数の学級編成が可能となる。06年度以降、小学1、2年生を対象にした児童数30人程度の学級編成を目指す。
 現在、県内の小学校の学級編成は40人が基準だが、04年度から、県教委が小学1年生を対象とした「35人学級制」を始めた。市はさらに県教委の研究指定を受けて、担任の補助や教務にあたる講師を採用し、2年生にも同様の35人学級制を実施しており、05年度も継続する方針。
 しかし、現行の制度では、市町村に教諭採用などの人事や学級編成の権限がないうえ、学級数が増えた場合、それに見合う学級担任が必要となるが、市採用の講師は担任にできない。このため、市費で教員数を増やすだけでは、さらに児童数を減らした学級編成は不可能だった。
 山田亘宏市長は「特区申請を、少人数学級実現の第一歩としたい」と話している。 (コメント 頑張っているね)
中学校で学習する基礎・基本に重点京都府・市教委が入試出題方針(京都新聞)
京都府教委と京都市教委は4日、この日に実施した公立高校入試の出題方針を発表した。「中学校で学習する基礎・基本に重点を置いた」としている。各教科とも、40点満点で合計点は計200点。報告書(内申点)195点との総合成績で合否が判定される。
 各教科の特色や傾向は次の通り。
 【国語】古文と現代文が各1題。歌論集「筑波問答」を用い、古典の基礎と比喩(ひゆ)を読み取る力を試した。筑波大教授の三井秀樹さんの文章では筆者の主張を正確に読み解く力をみている。
 【社会】日本とシンガポールの貿易額や貿易相手先など複数の統計資料を活用し、論理的な思考力をみた。地理や歴史、公民を織り交ぜた問題も出題され、総合的に考える力を試した。
 【数学】方程式や面積、線分の長さなど基礎・基本の理解や計算の技能を問う一方、直方体のブロックを積み上げるという具体的事象に関連づけた問題を通じ、数学的な考え方を試した。
 【理科】実験・観察を重視した設問とし、基礎・基本の知識が身についているかをみた。エネルギーの視点から、物理、化学、生物、地学の領域を超えて答えさせる問題も出題された。
 【英語】聞き取り問題は全体の30%。英文2つのうち1つも会話形式で、図表から情報を読み取る力をみた。実際の言語使用を考え、聞く、話す、読む、書く力を意識した出題もされた。
IT教育: Eスクエア・アドバンスの成果を発表 (毎日新聞)
小中高校でITを活用した教育を実践するために情報提供などの支援をし、ITの有効な活用とITリテラシーの向上を図ることを目的として「Eスクエア・アドバンス」の成果発表会「教育・学習へのIT活用シンポジウム」が4日、東京・臨海副都心で始まった。
◆基調講演  青山学院大学の佐伯胖教授
 佐伯胖・青山学院大学教授が「今求められている学力とは何か」と題して講演した。佐伯教授は、「学力には『追いつく力』『追いつかない力』がある」と話し、エピソードを紹介した。子供のころ学校の成績が悪かった大工さんが、大人になってから「もっと知るべきことがあるのでは」と考えて、宇宙物理学を学ぶことを決意、小学校レベルの勉強からやり直して大学の宇宙物理学に進んだ。佐伯教授は「基礎は後から学んでも追いつく。追いつかないのは、物事をおもしろいと思う力、おもしろいと思った事に熱中する力で、これは小さい時に養うしかない」と説明した。
 また、「学習」のとらえ方について、学問的には
 (1)学習によって行動が変わること
 (2)学習対象の意味を理解すること
 (3)文化的な共同体に参加しながら成長していくこと
−−の3段階の理論の変遷があったことを説明しながら、「勉強は個人の営みで、他者が目標を設定し評価するが、学びは周囲との協働的な営みで、共同体への参加を通して自己を確立すること」と定義し、「勉強」と「学び」を区別することを提案した。
 青山教授は「学力低下が問題になっているが、コミュニケーションもおかしくなっていることが問題だ。メディアはその共犯者と言えるが、メディアを使って回復することもできる、と言っておきたい」と話した。さらに「コミュニケーションは他者に共感することで、子供の時に、他人が自分の身になって考えてくれた経験があってはじめて、他人の身になる事ができる。人や周囲への気遣い、理解を教育の中心におくべきた」と話し、「新しい子供たちの文化、活動が生まれ、活動のネットワークが広がらないと、学力は上がらない」と指摘した。
◆e−黒板研究会
 e−黒板(デジタル情報ボード)やe−教科書の活用の方法や授業への効果などが報告された。メディア教育開発センターの清水康敬理事長は講演「e−黒板とe−教科書の教育効果と今後の課題について」で、「e−黒板の出現で、授業が画期的に変わった。黒板で出来ることはすべてe−黒板で出来る、コンピューターで出来ることもすべてe−黒板で出来る」と述べた。さらにヨーロッパの学校での活用状況を紹介しながら「e−黒板は触れば動くのでだれでも使える、普通に黒板としても使え、前の板書を再現できる。書き込んだり、動画を動かしたりもできる。板書が残せるので、授業を振り返り、研究できる」とメリットを挙げ、英国の例などを示しながら「e−黒板を使うことで学力は間違いなく高まる」と述べた。
e黒板を使って国語の模擬授業をする愛媛県松山市立味酒小の石田年保教諭
 またe−教科書について清水理事長は「教科書の図版や本文をベースに作成された提示型のデジタル教材」と定義し、e−黒板とともに授業をよくするものだと述べた。
 この後、国語、理科、地理などの模擬授業が行われた。小学校の国語では、点字の説明、点字で読む人の動画などをe−黒板に提示して、点字の基礎知識を与えた後、盲人が書いた教科書の文章をe−黒板に映し出して朗読し、文中に登場する人物の写真を出したりして、立体的に授業を進めた。理科では、めだかのひれについて学び、写真や動画を映し出し、そこにひれの位置や形を書き込んで、子供の気付きや理解を促す授業を行った。
 参加した教員は、発表者の質問に答えたり、e−黒板に書き込んだり、子供の立場で授業に参加した。動画が流れたり、写真を見て答えるように求められると、参加者も身を乗り出すようにe−黒板に注目していた。
◆学校企画実践発表
 4日は、札幌市立新琴似北中学校・浅井信孝教諭の「小規模校における総合的な学習の時間のモデル開発」、岐阜県本巣市立糸貫中学校・高橋宏幸教諭「グループウエアの日常的活用で育つ子どもの心」、東京都墨田区立竪川中学校・三橋秋彦教諭「教室常備図書とe−learningの補助手段としての校内LAN」−−など20の発表があった。
 高橋教諭は、糸貫中では校内メール、オンライン学級日誌、校内掲示板など、子供たちのコミュニケーションを中心にネットワークを活用していると説明し、生徒から生まれるモラル意識を大事にするため、糸貫中の「ネット憲法」を作成した実践について報告した。
 三橋教諭は、竪川中では職員室にLANが設置され、共有フォルダなども利用されていたが、教科指導にネットワークが利用されていなかったと説明、そこで校内LANを設置し、教室にデジタルコンテンツを常備し、活用できるようにした取り組みについて発表した。【平野秋一郎 岡礼子】
3月4日 論述形式の問題に弱く  4県統一の小中学力テスト (朝日新聞)
岩手、宮城、和歌山、福岡の小中学生約11万8000人を対象にした4県統一学力テストの結果が4日、公表された。自治体同士が共同で実施するのは初めて。4県間で目立った格差はなかった。学習指導要領の範囲で、70%程度の正答率を見込んで出題した結果、小学生はほぼ期待した水準を上回ったが、中学生は社会・数学・理科の3教科で50%台の正答率にとどまった。論述問題で正答率の低さが目立った。
 今回のテストは、4県の知事らが学界や経済界とつくる任意団体の「地方分権研究会」が企画し、各県教委が昨年秋に実施した。8〜6%の抽出調査をした福岡以外の3県は、全公立校の小5と中2を全員を対象にしており、収集したデータを教育行政に生かすことにしている。
 市町村・学校別の成績は示さず、各県別の正答率だけを公表。今後、県教委から要望があれば、「都市部と山間部の格差」「習熟度別授業の有無での成績比較」といった項目のデータを各県に提供するという。同研究会はこれからも毎年実施する予定で、他の自治体にも参加を呼びかける。
 4県とも論述形式の問題に弱く、問題に取り組むこともしない「無答率」も高かった。全員を平均すると、小学校理科では選択形式が67.4%の正答率だったのに、論述形式は43.1%。中学校数学では選択形式の62.5%に対して論述はわずか17.4%だった。
 国語と英語以外は期待正答率を下回った中学生は、社会では日本中世史が正答率43.6%と低迷。数学の図形問題で51.7%にとどまった。(コメント ○×の世界で生きてるからね)
3月4日 中学への移行部分に課題 京都府教委の学力診断テスト結果(京都新聞)
京都府教委は3日、府内の中学2年生を対象に国語と数学、英語の3教科で実施した学力診断テストの結果を発表した。基礎学力は定着しているものの、2002年度の新学習指導要領の導入で小学校算数から中学校数学に移行した「図形の対称」「比例・反比例」などを中心に応用的な問題を苦手とする傾向が強くみられた。
 学力診断テストは昨年11月4日、京都市内を除く府内の99中学校の約9820人を対象に実施した。テスト実施は、昨年度に続き2回目。
 数学では、基礎的な問題の正答率は73・0%で、府教委が正答できると予想していた「設定正答率」71・4%を上回った。しかし、応用的な問題では、設定正答率56・4%に対し、実際の正答率は42・0%にとどまった 。
 特に、図形の対称を扱った問題の正答率は39・9%(設定正答率53・3%)、比例・反比例の問題は38・3%(同53・8%)と低かった。
 国語と英語についても、基本的な問題については正答率が設定正答率を上回ったものの、応用的な問題では下回った。また、国語、英語ともに、文章全体の内容を把握する力に課題が見られたという。
 府教委学校教育課は「数学では、特に小学校から中学校へ移行した学習内容について定着が不十分。来年度から全中学校で1年生の数学の授業に少人数教育を導入するが、この移行部分を意識して取り組みたい。また、国際的な学力調査結果で指摘されたように、読解力も鍛えていく必要がありそうだ」としている。
大阪府教委が初の試み 、不登校対策でホームページ開設(読売新聞)
大阪府教委は、不登校の小中学生を対象にしたホームページ(HP)を今月下旬に開設し、家庭学習の支援やメール相談に乗り出す。
 利用する児童生徒が交流できる場も設ける。ネットを利用したこうした総合的な不登校対策は都道府県教委では初めてという。寝屋川市立中央小の教職員殺傷事件で逮捕された卒業生の少年(17)も中学時代に不登校になっていたことから、府教委は「このHPで外の世界への関心を育て、子供たちが学校に戻るきっかけになれば」と期待している。
 同HPには、家庭での学習の手助けとなる問題集「デジタル特訓」(仮称)を掲載。小学校4年―中学3年の児童生徒が自分で学べるようにする。別のコーナーに載せた検定問題を解けば、単元ごとの学力がわかり、発音が聞ける英会話練習のコーナーもある。
 さらに、会員登録した児童生徒だけが利用できる専用ページでは、検定問題の結果に基づいて学習のポイントや方法を小中学校の教師がメールで助言。問題集を繰り返し解かせることで自信を持たせ、学校に復帰する気持ちを育てる。
 コミュニケーションが苦手な児童生徒が多いため、会員を対象に日記やイラストを書いて発表するページやゲーム、占いコーナーも開設。楽しみながら他人と触れ合うトレーニングをしてもらう。会員しか見られないため、外部からの心ない書き込みは排除できる。
 公立小中学校の不登校児童生徒は昨年度、全国で12万4000人で、このうち大阪府は1万500人と全国最多。府教委は新年度から、このHPの制作や予防に重点を置いた3か年の緊急対策事業で、不登校者数の半減を目指す方針だ。
IT教育: シンポジウム「教科情報は入試科目にできるか」 (毎日新聞)
教科「情報」が昨年度から高校で必修になったので、東京農工大学(東京都小金井市)の情報コミュニケーション工学科では「情報」を入学試験の科目にするため、昨夏から試行試験を行って、出題内容を検討してきた。これを受け、「情報」を入試科目にする際の問題点などを検討する「教科『情報』入学試験シンポジウム」が2日、東京都内で開かれた。試行試験で出題した問題を使った「公開模擬試験」や、どのような入試を期待するかを論議するパネルディスカッションが行なわれ、高校や大学の教員、学会関係者など約70人が参加した。【岡礼子】
 シンポジウムは情報処理学会の全国大会で行なわれた。公開模擬試験は「アルゴリズムを考えさせる問題」「情報の処理手順を書かせる問題」「情報の量を考えさせる問題」−−など6問から3問を選んで40分で解く。情報処理を学んでいる大学4年生は「解けない問題もあるが、パズルのようで楽しい。こういう問題が好きな高校生なら、楽しんで解くと思う」と話した。教育にはかかわっていないという情報処理学会員の男性も「一定時間内に解かなければならないと思うと40分では難しいが、パズルのようで楽しめる。高校生にとっても楽しいのではないか」と話した。一方で、情報の教員免許を持っているという企業関係者の男性は「問題は難しいと思う」と話し、高校の講師で情報の免許を取得するために試験を受けたという女性は「出題された内容が、教員の採用試験の問題と似ていて驚いた」と話した。
  東京農工大の中森真理雄教授は基調講演で、同大で予定している入試の内容を説明し、「出題は、情報A、B、Cの各科目に共通し、専門教科の情報にも含まれる内容を考えているが、生徒が学んだ内容によって不利にならないような問題を作成するのは難しい」と述べた。同大では情報と物理を選択制にする予定だが、中森教授は「物理を勉強していない学生が入学してくるのは困るという反対意見があった。東京農工大では、センター試験で物理を必須科目にしているので、情報を選択して合格した学生が、物理をまったく学んでいないということはない。ただ、センター試験向けの物理の勉強では、工学部の学生としては不十分なので、入学後に補習をすることになるかもしれない」と話した。
 2006年度には同大のほか、愛知教育大、千歳科学技術大、北海道情報大、東京情報大が「情報」を入試科目にする予定だという。中森教授は「情報のセンスがある学生を選ぶ」「東京農工大の情報コミュニケーション工学科で、どんな能力を必要としているかを明らかにする」「高校で学習する情報科目の内容について改善を促す」といった点をメリットとして挙げ、「たくさんの大学が一般入試で導入することが望ましい。あと20大学増えると世の中が変わる」と訴えた。
 「情報A」の教科書編集委員を務めた東京都立町田高校の小原格教諭、奈良女子大学情報科学科の城和貴教授らを交えて行なわれたパネルディスカッションでは、小原教諭が「情報の授業は、東京都では3年生で行われるケースが6割で、特に進学校などでは1学期にタイピングソフト、2学期に表計算ソフト、3学期にスライドソフトといった内容だ」と高校の現状を説明し、「入試が始まることで、教員の価値観が変わり、内容も充実していくのではないか」と話した。城教授は「奈良女子大では2000年から02年に情報を入試科目にした。年に1、2人は情報の飛び抜けた知識を持つ合格者がいたが、出題内容について受験生は否定的で、失敗ととらえている」と話した。このため、同大は06年度の導入については消極的だが、城教授は「07年度は積極的に考えている。長期的に見れば導入した方がいい」と述べた。
 会場からは「工学系の大学と高校とのギャップに驚いた。アプリケーションの操作法しかやっていない高校がある」「教員の資質に差があり、入試で生徒が得点できないかもしれないと思えば、受験させられない」−−といった声が上がり、中森教授は「東京農工大のような小規模の大学で経験を積むうちに、社会の流れができるのではないか。各大学がいろんな出題をして個性を競えばいい。例えば情報Aを通じて何を身につけたのかを問うような問題が出せれば理想的だ」と話した。
 次回の試行試験は3月28日、東京農工大、愛知教育大、千歳科学技術大学、山形大、江戸川大、大阪大、九州工業大、九州大の各会場で行われる。受験生を募集している。
第3回試行試験について
http://www.cs.tuat.ac.jp/pre18/pre18ad/
情報モラル: 誰でも教えられる教材づくり (毎日新聞)
ネットワーク社会で安全に生きるために、子供たちに情報モラルについて学ばせる必要性が指摘されている。しかし、教材も関連情報も十分でなく、教え方の例も少ない。どう教えたらいいのか、教員には戸惑いも広がっている。埼玉県所沢市立荒幡小学校の寳迫芳人教諭は「5分間情報モラル」教材を作成した。情報教育に詳しくない教員でもすぐに指導できる教材だという。教材や制作の経緯などを聞いた。【岡礼子】
 −−どんな教材ですか?
 「5分間情報モラル」はネット社会で起こるトラブルの簡単な事例を画像で表現した教材です。「自分の名前を勝手に使われたら」「自分の作品にらくがきをされたら」「突然、怒っているようなメールが来たら」−−など、10事例を挙げました。例えば「自分の名前を勝手に使われたら」では、相合傘の下に「たろう」「はなこ」と書かれた画像にしましたし、「自分の作品にらくがきをされたら」では、写真に悪口を殴り書きをした画像にしました。情報教育に詳しくなくても、すぐに指導できるように考えて作ったものです。
「5分間情報モラル」教材 「自分の名前を勝手に使われたら、あなたはどう思いますか?」
 −−制作のきっかけは?
 子供たちが、メールでけんかをしているらしいという話を聞いたんです。子供たちに聞いてみると「メールでやり取りしていて嫌なことを言われた」と言う子が結構いた。この時は、子供たちは私がある程度コンピューターに詳しいことを知っていたから、安心して話してくれたんだろうと思いました。でも、同時に、見えていないケースが他にもたくさんあるかもしれない、と思ったんです。教員が知らないでいるうちに、突然事件が起きて、「子供たちの間にそんな葛藤があったんだ」と気付くことがあるかも知れない。何か手を打たなくてはいけないと思ったんです。
 −−荒幡小の子供たちはメールを日常的に使っているのですか?
 荒幡小は都会の学校ではないので、携帯電話を持っている子供も少ないし、日常的にコンピューターを使っている子供も少ないだろうと思っていました。でも調べてみると、コンピューターのある家庭はかなりありました。特に低学年の児童は家庭で使っている割合が高かった。親の携帯電話でメールをしたり、電話をしたりするのが日常的だということが分りました。自分の携帯電話を持っている子は高学年でも4、5人なんですが、使ったことがある子は6割くらいはいるんですね。
 −−それで、見過ごせないと思った。
 はい。子供たちは現実にネットワークを利用していて、学校生活に少なからず影響が出ていると思います。昨年の夏休みに、調査結果を踏まえて「教員としては見過ごしてはいけないのではないか」と、他の先生たちに話をしました。学校の中で指導を徹底するしかないだろうと思ったんです。高学年を担当している先生には少し危機感を持っていただけたと思いますが、日常的にインターネットや携帯電話を使っていないとピンと来ないかもしれませんね。
 −−それで教材づくりを?
 はじめは、全校集会のような場で指導できたらいいなと思っていました。ところが、そのころ、コンピューターに関係してちょっとした問題が起こりました。これはもう各r学級で指導していただくしかないと考えて、情報モラルに詳しくない先生にも使っていただけるような教材を作ることを思い付きました。それで「5分間情報モラル」を作りました。
 −−“5分間”は、情報モラルに詳しくない先生たちに使ってもらう工夫なんですね。
 “5分間”というくらいで、とても簡単な教材です。情報モラルの教材はたくさんありますが、詳しい人は分っても、あまりよく知らない人にとっては、何が問題なのか分からないものが多い。でも、そこが分からないと、情報モラルは教えられないんです。そこで、写真に中傷する言葉を書き込んだ画像を見せて、「自分の作品に落書きをされたらどう?」と聞いたり、「○○ってさ、頭わるいと思わない?」と書いたメールを見せて、「知らないところで悪口を言われていたら、どう思う?」と聞き、「嫌だよね」「やめようね」と教える−−といった一見して分かる内容をピックアップして作ったのがこの教材です。分かりやすくないと、先生たちが食いついてくれないだろうと思ったんです。
 −−教材の使い方を研修したんですか?
 説明するまでもないくらい簡単に作ってある教材なんですが、先生たちに少し時間をもらって、こんな教材ですと紹介しました。その程度の研修でしたが、何人かの先生が「早速使ってみましたよ」と。実はちょっとした“ヒット商品”になりまして…。即効性がある教材になったかなと思っています。いつまでも「情報モラルは詳しい先生だけが教えられる」ということではいけないですね。
【5分間情報モラル】 http://www.geocities.jp/yossy_work/kyouzai/5minute/5minute_moral00.html
立命館大、 来年度から理系ネット講義受講者に推薦入学枠 (日経新聞)
立命館大(京都市)は3日、全国20の高校と連携、インターネットを利用した「ウェブ講義」と夏休みのスクーリングを修了した高校生を対象に、特別な推薦入学枠を与える「高大連携プログラム」を2005年度から始めると発表した。
 少子化に伴い、大学の講義を開放したり、大学教授が高校で講義して受講した高校生に入学枠を与え、学習意欲のある「人材」を確保する動きはあるが、文部科学省によると「ネットを使った取り組みは珍しい」という。
 実施するのは理工学部と情報理工学部。受講生は、放課後に高校でインターネットの「ウェブ講義」を4回、夏休み中のスクーリングで、大学で6回の計10回、特別講義を受ける。リポート提出などプログラムを修了した生徒を対象に、高校ごとに、8―15人の「推薦入学枠」を選び、2学部で150人の入学者を予定している。
 提携したのは、10府県の19校と、スイスの1校。私立高以外にも、福岡県の県立高1校も加わっている。同大では今後、文系学部でのプログラム導入も検討している。
3月3日 中学1年の英数、少人数教育へ 京都府教委 全校を対象に(京都新聞)
京都府教委は2005年度から府内の中学校全校で、1年生の英語と数学の授業について少人数教育を導入する。両教科は、中学1年生段階での理解度が、その後の学習意欲などに大きな影響を及ぼすとされており、30人を超えるクラスに非常勤講師を配置し、習熟度別授業などの少人数教育に乗り出す。
 府教委によると、全中学校を対象に少人数教育を導入しているのは福島県だけ。新年度の当初予算案に事業費約9700万円を盛り込んだ。
 府教委は02年度、幼稚園や保育園からスムーズに小学校になじめるよう、小学1年生を対象に複数の教員によるチームティーチングを導入した。その後、府内の小、中学校での少人数教育を拡充し、これまでに小学校で6割、中学校で8割が取り入れている。
 今回、全中学校の1年生に少人数教育を実施することで、個人差が生じやすい英語や数学の基礎学力をつけさせ、生徒たちが小学校から中学校へ円滑に移行できるようにする。
 京都市内を含む全中学校のうち、30人を超える139クラスについて、両教科で、のべ278人の非常勤講師の配置を見込んでいる。
 府教委の武田暹教育長は「英語と数学は中学1年段階できっちり教えないと、その後の落差が大きい。中学1年は思春期の入り口でもあり、勉強が苦手なことが不登校や問題行動につながるケースも抑制できるのではないか」と話している。
首都圏私大、自宅外だと年309万円  入学年の費用調査  (朝日新聞)
昨年春に首都圏の私大に合格した子どもに仕送りした親の教育費は年収の3分の1――。東京地区私立大学教職員組合連合(委員長・斎藤道彦中央大教授)が2日発表した家計負担調査でこんな実態が浮かび上がった。不況で親の収入が減少しており、「貯金を取り崩している」など切実な声が上がった。
 調査は昨年5〜6月に1都4県(神奈川、埼玉、千葉、栃木)の23大学・短大の新入生を対象に実施した。6017人から回答を得た。
 回答者の47%を占めた自宅外から通学する学生の場合、入学の年にかかる費用は、受験料や入学金、住居費などを合わせて平均309万円だった。親の税込み年収の平均は950万円で、教育費は年収の32.5%を占めている。
 費用は、ピークだった94年の328万円からは減少しているが、仕送りを当時の月額12万4900円から10万5000円に抑えたためで、学費は横ばいだ。家賃を除くと学生の1日あたりの生活費は1450円となり、調査を始めた86年以来、最低となった。平均年収は前年より50万円減少した。教育費を工面するために借金をした家庭は全体の22%を占めたという。  アンケートの自由記述には「有名私大に合格したが、自宅から通えず、経済的な理由で入学を断念させた」という親の声もあった。(コメント ため息がでますね)
国・数・英の学年別授業廃止 …都立の夜間定時制高 (朝日新聞)
東京都教育委員会は、都立の夜間定時制高校88校について、国数英の主要3教科の授業で学年制を撤廃することを決めた。
 「進学希望者から小中学生レベルまで」といわれる生徒の学力格差に対応するためで、習熟度別クラスを編成して個々の学力に見合った授業を行う。全国の教育委員会で初の試み。低学力のクラスには、中学からの教師派遣も検討している。今春、モデル校約10校を指定して、2学期から実施、2007年度には全校に拡大する。
 都教委によると、勤労青年の学習の場だった定時制高校は近年、不登校や非行の経験を持つ生徒が多くを占めるようになり、「人生をやり直す場」に変わりつつある。
 その結果、勉強が得意な生徒が増えつつある一方、非行などで義務教育が不十分だった生徒も多く、学力格差が拡大。在学中に大学入学資格検定(大検=05年度から高等学校卒業程度認定試験に名称変更)に合格するような生徒と、漢字の読み書きや分数の計算もできない生徒が、同じ授業を受けているのが現状という。定時制高校の教師からは、「今の硬直した体制ではとても対応できない」との声が相次いでいた。
 一部の都立では、教師による自発的な「補習」で対処しており、都教委でも「個々の学力に適した授業が必要」と判断。学年の垣根をなくして習熟度別にクラスを再編、低水準の学級には、指導に慣れた中学教師を招くなどして基礎学力の底上げを図り、成績向上によって“飛び級”もできるよう、柔軟な履修システムに改革することを決めた。
 優秀なクラスでは、大検合格を促進するため、レベルの高い授業を導入する。学校教育法は「4学年制」を原則とする定時制高校について、大検合格で必修科目を修得したとみなし、3年での卒業も認めている。理科や社会、体育など他の必修科目については、短期集中授業を増やすなどして、早期卒業を促す。
 また、各校には大学の推薦枠もあり、推薦入試に向けた面接、小論文対策などにも重点を置く。
 05年度は、モデル校の在校生約2000人が対象。当面は新1・2年生、3・4年生をそれぞれ2―4クラスに分け、教師を配置することを検討している。都教委は今月7日の校長会で新制度を報告、対象校を正式発表する。
 ◆夜間定時制高校=1日の授業編成が4時限程度に制約されるため、全日制3年分の課程を4年で履修する。1987年の学校教育法改正と98年の文部省通知で、大検合格などによる科目履修で、3年での卒業が認められるようになった。不登校経験者の増加は全国的な傾向という。近年、日中にも授業を行う「昼夜間定時制」が、都立4校を含め全国で設立されている。
3月2日 京大の後期日程入試、07年度から全学部で廃止  (朝日新聞)
京都大は1日、いまの高校1年生が受験する07年度入試から、すべての学部で後期日程入試を実施しないことを学部長らの会議で決めた。昨年12月、数学や英語など全学共通の後期入試の問題を07年度から作らないことを決め、後期を実施するかどうかは学部の判断にゆだねられていた。定員を前・後期に分ける分離分割方式は、全国83の国立大学すべてが導入しているが、有力校の後期離脱で入試制度は大きな変化を迫られそうだ。
 後期入試は前期の受験生の敗者復活的な性格が強く、前期入学者との学力差が大きいなどとして理系を中心に多くの学部が昨年末までに後期をやめる方針を固めていた。2月10日、学内の委員会で各学部の方針を集約したが、単独で問題を作って後期を実施する学部は現れなかったという。
 後期をやらない代わりに教育学部は、前期を理系的な問題を課すコースと文系的な問題のコースに分けて募集するなど入試方法を工夫する。複数受験の機会を確保するため、将来、推薦を導入することを検討している学部もある。
 文部科学省のまとめでは、AO(アドミッション・オフィス)や推薦入試で複数受験の機会があることなどから、来春の06年度入試で例外的に一部学科などで前期のみを実施する大学が37校ある。だが、京大のようにAOや推薦をしていない総合大学が全学部で後期をやめることを決めた例は初めて。
 07年度の入試方法について東京大や大阪大はまだ方針を明らかにしていないが、東京大では99年に出された学内の懇談会の報告書で「後期日程入試の積極的な評価は少ない」などとして、後期の廃止や変更をにらんだ検討をしている。
3月1日 7割が「7時間目」など設定滋賀県立高校が礎学力向上などで (京都新聞)
 滋賀県立高校の全日制46校のうち、33校が「7時間目」や「ゼロ時間目」と呼ばれる補習や授業を設定していることが28日、京都新聞滋賀本社の調べで分かった。7割余りの高校が、放課後や午前7時台からの早朝を利用して、基礎学力の向上や受験対策にあたっている。
 早朝の「ゼロ時間目」を設けているのは計4校。安曇川は普通科の1、2年生を対象に、堅田も特進クラスで月曜−金曜の毎日実施している。信楽は希望者を対象に、八幡商は資格検定前に限定して取り組んでいる。
 6時間目の後に「7時間目」を設定しているのは計24校。伊吹が全学年の特進クラスで毎日、水口が特進クラスで週3回取り組んでいるのをはじめ、週1、2回の学校が大半を占める。
 「ゼロ時間目」と「7時間目」を両方設定しているのは、北大津、草津東、甲西、能登川と八幡工の計5校。学年や学科ごとに「ゼロ時間目」か「7時間目」を組み、連続八コマの授業や補習にはならないようにしている。八幡工は資格検定前に限定している。
 大半の高校が英語と数学、国語を中心に取り組rんでおり、「2002年度から毎週土曜が休みとなるなか、学習時間を確保したい」「基礎学力の向上、進学を希望する生徒や保護者のニーズに応える」としている。
先生にも「ドラフト制度」 愛媛県教委、今春導入へ (産経新聞)
愛媛県教育委員会は今春から、定期異動の際に校長が「自分の学校にほしい教職員」を指名できる“先生版ドラフト制度”を導入する。
 特色ある学校づくりが狙い。公立の小・中学校と高校、養護学校など県内の全586校が対象で、指名される先生が現在の学校に3年以上勤務していることが条件。
 県教委は「学校づくりに明確なビジョンを持つ校長を人事配置面から支援し、教育現場の活性化につなげたい」と話している。
 導入するのは「教職員配置希望制度」。校長は教育理念や学校運営方針に沿い、学習面や児童・生徒の生活指導やカウンセリング、教員研修など自分が特に力を入れたい分野で、評判の良い他校の教職員を指名し、県教委に配置希望願を提出する。
 1人の校長が指名できるのは2人まで。競合した場合は、県教委が教職員本人の希望も聞いて調整する。優秀な教職員を手放したくない校長も、県教委に理由を説明して対抗でき、綱引きもありそうだ。
 文部科学省は「校長がリーダーシップを発揮でき、教職員の意識改革にもつながる」と歓迎している。
世界の大学入試:改革反対デモや裏口、カンニング… (毎日新聞)
日本では大学入試がピークを迎えているが、世界でも大学入試にかかわる話題には事欠かない。進学熱の高まりから不正が横行したり、改革に反対のデモが起きたり。各国の事情を取材した。
 ■フランス
 フランスでは2月、2世紀の歴史を持つ全国一律の国家試験バカロレア(大学入学資格試験)の改革が激しい高校生の抵抗に遭い、先送りを強いられた。改革案は(1)受験科目を現行の12科目から6科目に半減する(2)高校在学時の成績に基づく「平常点」評価を導入する−−が柱。受験科目減少は朗報のはずだが、主観の入る「平常点」が反発を呼んだ。
 バカロレアは1808年にナポレオンが創設した、中等教育修了を証明する国家試験。合格すればエリート養成機関であるグランゼコールを除き、原則として個別の入学試験なしに大学に進学できる。60万人以上が一斉に受験する「自転車競技のツール・ド・フランスに次ぐ国民事業」(ジャック・マルセイユ・パリ第1大学教授)だ。
 一昨年の合格率は過去最高の80.1%を記録した。合格者数は高卒世代の62.9%。うち大学などの高等教育機関への進学者は78.4%と見込まれ、進学率は推定49.3%。進路に基づき一般教育、技術教育、職業教育に3分され、一般教育はさらに専攻ごとに人文科学系などに分かれる。
 ただ、パリ中心部のエリート校と郊外の学校などでは地域格差が存在する。「平常点」にこうした格差が加味されれば、全国一律のはずの国家試験が「パリのバカロレア」「郊外のバカロレア」などに事実上、格付けされる懸念がある。
 高校生らは2月10、15の両日、「学校間、バカロレア間の不平等をなくせ」(全国女子高校生連合のコンスタンス・ブランシャール会長)と、10万人規模のデモを展開。政府は結局、教育改革法案のうちバカロレア改革だけを取り下げた。
 ただ、仏メディアによると、世論調査では約6割が平常点導入に賛成している。【パリ福島良典】
 ■ロシア
 ロシアの大学数はソ連崩壊後、大幅に増えた。旧ソ連全体の大学総数は680校だった。現在、ロシアでは国立校620を含め、大学の数は国公私立を合わせ約3200校。04年の実績では約280万人が大学入試を受け、入学できたのは半数だ。
 難関は、モスクワ大学、モスクワ国際関係大学、サンクトペテルブルク大学などの国立名門校。最近、これらの大学の入試担当官を家庭教師に雇って、受験準備させることが広がっている。
 ロシアの大学入試は口頭試問が主体。入試前に担当教官に1対1の指導を受ける。有利になるのは疑いない。この家庭教師の時間給は25ドルが相場。国民の平均月収200ドルのロシアで、薄給の大学教員には格好の副業だ。
 裏口入学も横行。ある大学生は「有名大の相場が1万ドル」と話す。大学に行けば徴兵猶予になることも、進学熱が高まる理由の一つ。ロシア政府は昨年末、大学生の徴兵猶予を撤廃する方針を明らかにしたが、国民の不評を買っている。【モスクワ町田幸彦】
 ■中国
 中国では毎年6月に「全国統一試験」が行われる。かつては中央政府がすべてを管理したが、最近は地方政府に権限を移譲。北京市など10省市余りは試験問題の自己作成が認められている。中国教育省が最近発表した「全国統一試験大綱」によると、05年の統一試験は問題作成の面で更に自由度が増すという。
 大綱では「教科書中心の試験内容」の徹底もうたわれた。「高校生の負担軽減」が狙いだが、市民の間では「一向に改善されない」と批判が根強い。
 大学の募集定員は高等教育強化の方針の下で急増。90年の61万人、99年の160万人から04年は447万人にまで増えた。05年の募集定員は475万人。04年の進学率は19%、在学者は2220万人で、大学大衆化の時代を迎えている。
 ただ、農村部では受けられる教育のレベルが低く、大学合格率が低いのが実態。増大する大卒者の就職難も社会問題化している。04年の就職率は73%(前年比3ポイント増)だが、今後も卒業生の数は増え続けるため、就職率は上昇しそうにない。【北京・大谷麻由美】
 ■米国
 米国の大学入試で採用されてきたアファーマティブ・アクション制度(黒人などマイノリティーを優遇する積極的差別解消策)が揺れている。白人学生が「マイノリティーの優遇は逆差別」と訴えたミシガン大入試の裁判で、連邦最高裁が03年6月、アファーマティブ・アクション制度自体は合憲と判断したものの、マイノリティーの受験者に一律20点のゲタを履かせていた学部の方針は「不公正」と判断する判決を下したからだ。
 カリフォルニア州は96年に、大学入試も含め、人種や性別に基づく一切の優遇措置を禁止。ワシントン、テキサス州などがこれに続いたが、ミシガン大入試判決以降、さらに優遇措置見直しの動きが出ている。南カリフォルニア大で高等教育政策を研究するウィリアム・ティラニー教授は「カリフォルニアでは、アジア系と白人の大学進学率が急増し、黒人、ヒスパニック系との差が拡大した」と指摘する。
 米教育省の統計によれば、01年に全米で史上最多の1590万人が大学(短大、専門学校を含む)に進学。18〜24歳人口に対する進学率は白人約4割に対し、黒人は3割、ヒスパニック系住民では2割にとどまる。大学の学費(01〜02年)が公立大で平均9199ドル(約97万円)、私立大で2万2968ドル(約240万円)と高額であることも要因となっている。
 一方、性差は解消された。01年には女性の進学率が38.7%で、男性の33.6%を大きく上回っている。【ロサンゼルス國枝すみれ】
 ■韓国
 韓国では一部の地域を除いて高校まで受験がなく、大学入試が一発勝負だ。受験生の精神的負担は大きく、昨年11月の入試では300人以上が摘発される大規模カンニング事件までが発生した。
 受験競争緩和のための大学入試改革が検討されており、教育人的資源省は昨年10月、08年入試までに段階的に修正し、高校の成績も勘案して合否を決めると発表した。
 しかし、ソウル大など名門大は高校間の格差を入試に反映させるよう提案しており、大学、高校の序列化が加速する可能性もある。
 入試改革の方針を受け、進学塾は当日の試験対策から日ごろの中間、期末テスト対策にも手を広げている。「高校別に過去問題を分析し、試験に出るヤマをズバリあてる進学塾もある」(学校関係者)という。【ソウル堀山明子】
 ■日本
 日本では選抜方法の多様化などを目的に、79年に国公立大学入試に共通1次試験が導入され、90年からは私立も参加できる共通テストとして大学入試センター試験が始まった。90年代に入り、各大学は受験生確保のため試験科目を削減。私立では1、2教科、国公立は5教科5科目が主流になった。しかし次第に大学生の「学力低下」が懸念されるようになり、再び5教科7科目以上を課す大学が増えている。
 文部科学省は昨年7月、少子化により大学・短大の入学志願者数が減り続け、入学者数と同じになる「大学全入時代」の到来時期が07年度になるとの見通しを示した。現役受験生の志願率の伸びが当初予想よりも鈍くなったため、従来の09年度から2年前倒しした。現実的には志願者が人気校に集中し、経営難に陥る大学が増えることが予想されている。私立では、優秀な学生確保を狙い、高校での成績や活動、面接などで選抜するアドミッション・オフィス入試(AO入試)も増えている。【鈴木玲子】

過去の記事
2005年2月  2005年1月  2004年12月  2004年11月  2004年10月  2004年9月  2004年8月  2004年7月  2004年6月
2004年5月  2004年4月  2004年3月  2004年2月  2004年1月  2003年12月  2003年11月  2003年10月  2003年10月   2003年8月(2),9月  2003年8月(1)
2003年7月  2003年6月  2003年5月(2)  2003年5月(1)  2003年4月  2003年3月  2003年2月  2003年1月  2002年12月  2002年11月  2002年10月
2002年9月  2002年8月  2002年7月  2002年6月  2002年5月  2002年4月  2002年3月  2001年12月、2002年1,2月  2001年9,10,11月