教育関係報道(各新聞社の記事のスクラップです。)

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6月30日 洛南中高が来春共学化付属小も開設準備(京都新聞)
洛南高と同高付属中(柴垣弘巌校長、京都市南区)が2006年度から男女共学化する方針を、28日までに固めた。さらに同高付属小学校の開設に向けて準備を進めていることも同日、明らかになった。京都屈指の進学校が共学の道を歩み、小学校開設にも乗り出すことで京都、滋賀の私立学校に波紋が広がりそうだ。
 洛南高の関係者によると、共学化でより多くの志願者を確保する一方、小学校開校を見据えて大学入試までの小中高一貫教育体制を整える。洛南高には現在I類とIII類に3学年合わせて約1600人、付属中には約670人が在籍している。計画では2006年春入学の1年生から、高校のIII類(募集定員約190人)と中学(同約200人)の受験資格を女子にも広げる。
 一方、小学校は中学と高校のある現在地が手狭なため、交通の利便性のいい別の場所で開校を検討している。定員や名称は未定。洛南高や同高付属中と同じ学校法人真言宗京都学園が運営する。開校時期は「平成20年代のできる限り早い時期を目指している」(法人事務局)という。
 京都市内では大谷や京都成章、平安をはじめ共学化が進んできており、男子校は東山と洛星の各中・高だけになる。洛南高は「男女共同参画社会にふさわしい学校として新たな歴史をつくり、大学へ優秀な人材を送り出したい。小学校もできるだけ早く具体化できるよう進める」としている。
中教審、「地方枠3」で決着文科省、要求受け入れ(朝日新聞)
文科省の中央教育審議会(中教審)の地方団体代表が空席になっている問題で、同省と全国知事会など地方6団体は、地方枠を「3」とすることで合意した。文科省が定数30のうち地方枠を「2」としてきたが、地方側は「3」を求めていた。対立の長期化を避けるため、文科省が地方枠拡大を受け入れた。
 現在の中教審委員の欠員は2人。3人分の地方枠を確保するため、委員の元文部事務次官の井上孝美・放送大学学園理事長を、同審議会特別部会の臨時委員にする方向。
 地方側は代表を出す条件として、中教審で秋に結論を得る義務教育費国庫負担金の扱いで「地方案を生かす」ことと、中教審の「議事運営の公正」を保つことなどを掲げた。文科省はこれも受け入れる方針で、月内にも地方側に回答する。
 地方側は7月5日に予定される中教審の総会から、石井正弘・岡山県知事、増田昌三・高松市長、山本文男・福岡県添田町長が参加する。
6月29日 管理職とは別に新ポスト設置へ京都府教委 「優れた教員対象に」(京都新聞)
京都府教委の田原博明教育長は28日、優れた指導力を持つ教員を対象に、校長や教頭などの管理職とは別に新たなポストを設ける方針を明らかにした。給与など処遇面で管理職と同等の扱いを検討する。府教委は「本年度内をめどに、府人事委員会などと詳細について詰めたい」(教職員課)として、2006年度導入を目指す。処遇面で管理職と同等の教員ポストは全国初で、宮崎県教委も06年度に同様のポストを設ける方針。
 田原教育長はこの日の6月定例府議会の代表質問で「卓越した指導力を有する教員に対しては校長、教頭などの管理職とは別の新たな職を設置するなど、処遇面での対応を検討したい」と答弁した。
 府教委教職員課によると、教員の給与体系は1−4級の4段階に分かれている。教員は2級だが、新ポストは教頭(3級)レベルの処遇を検討していく方針。同課は「子どもに対し、優れた指導力を持つ教員を管理職と同等に処遇することで、波及効果による教員のレベルアップを目指したい」としている。
 宮崎県教委でも06年度から優れた指導力を持つ教員を校長(4級)や教頭レベルで処遇する新ポスト「スーパーティーチャー」を設ける方向で検討している。
 また高い指導力を持つ教員を認証する制度を京都市教委が7月に導入し、岐阜や大阪など各府県教委でも取り組みを進めている。
義務教育費: 中教審特別部会、「多数意見は国庫負担堅持」(毎日新聞)
国と地方の税財政を見直す「三位一体の改革」で最大の焦点となっている義務教育費国庫負担制度について、中央教育審議会義務教育特別部会(鳥居泰彦部会長)は28日、制度堅持と廃止の両論を併記した審議経過報告の素案をまとめた。ただ、委員の多数意見は「制度堅持」としており、10月の最終的な答申では制度堅持に一本化される公算が大きくなった。
 素案は30日の部会で報告された後、関係団体からのヒアリングなどを経て答申に盛り込まれる見通し。制度廃止を強く主張している地方6団体側の反発は必至とみられる。
 素案ではまず、共通理解として、(1)義務教育は国全体の最重要事項(2)必要な財源を確実に確保する必要性−−の2点を明記。地方分権を推進するため、学級編成や人事権について市町村や学校の裁量を拡大し、少人数教育を推進することや、教職員配置・施設に対する外部の学校評価制度の導入を検討することを合意点として挙げた。
 焦点の義務教育費国庫負担制度については、やはり三位一体の改革で削減対象となっている公立学校施設整備費とともに、両論併記にとどまった。ただ、素案は、(1)教育の質の向上(2)財源確保の確実性(3)地方の自由度の拡大−−の三つの観点から両論を紹介。「多くの委員」の意見として「住民と学校の関係や教師の自覚は国庫負担制度とかかわりがない」「教育の裁量拡大は現行制度のもとでも実現されている」としている。
 また、教科書無償制度については「堅持」が多数意見を占めた。教職員の人事権を市町村に移譲する場合に人件費を国と都道府県と市町村の3者でどう負担すべきかについては「さらに審議を尽くす必要がある」と先送りした。【千代崎聖史】
毎日新聞 2005年6月29日 3時00分
6月28日 名称は「教職大学院」に …実務家「4割以上」も提言(朝日新聞)
教員養成を目的とする専門職大学院の設置を検討している中央教育審議会のワーキンググループは27日、新設する大学院の名称を「教職大学院」とする報告書案をまとめた。
 教員の「教育技術向上」のため、配置する専任教員のうち「4割以上」を校長経験者などの実務家で占めるよう文部科学省に提言した。
 ワーキンググループはすでに、教職大学院の開校目標を2007年4月とする方針を打ち出しており、文科省は「教職大学院」という名称を使えるよう、年度内にも専門職大学院の設置基準を改正する。
 報告書案はこのほか、各大学院が確保する専任教員数を最低11人とし、このうち4割以上については、校長や指導主事経験者、家庭裁判所関係者らの実務家を起用するよう求めた。「確かな授業力」と「豊かな人間力」を身につけさせるためで、法科大学院の「2割以上」を大きく上回る実務重視型となる。
 また、大学院の修了に必要な単位数を45単位以上と規定し、このうち10単位(約10週間)以上は学校現場での教育実習に充てることを求めた。1種免許状を取得する学部学生には現在、5単位(約4週間)分の実習を課しており、教職大学院では、その2倍以上の現場経験を積ませる。
 こうした実習や学校現場での実地調査をスムーズに進めるため、各大学院と一般の小・中学校が「連携協力校」の指定を受けられるよう、設置基準に規定することも要望した。
(2005年6月28日3時6分 読売新聞)
教員養成の専門職大学院、 名称は「教職大学院」 中教審(朝日新聞)
教師の指導力を高めるために創設される専門職大学院について、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)のワーキンググループは27日、名称を「教職大学院」とする提言をまとめた。
 文部科学省は、「教職大学院」を07年4月にもスタートさせる方向で制度づくりを検討中だ。今回の提言は、開校に必要な専門職大学院設置基準の規定に反映される。
 提言は、ほかに、教職大学院の教授陣について、いまの教員養成系大学で教職経験者による指導が少ないとの反省に立ち、実務家教員比率を4割以上にすべきだとした。
 実務家教員には、教員や指導主事らだけでなく、医療機関や家庭裁判所、福祉施設など教育の隣接分野のほか、学校経営に関する科目では民間企業関係者も想定するという。
教職大学院: 07年4月に開校 中教審WGが構想固める(毎日新聞)
専門性と指導力を兼ね備える教員を養成する文部科学省の専門職大学院構想が27日固まった。中央教育審議会のワーキンググループがまとめた。名称は「教職大学院」で、07年4月にも開校する。修業年限は原則2年で、教育実習は現行で学部生に課されている期間の倍の8週間を課す。
 修了年限は原則2年とするものの、現職教員からの入学に配慮した1年コースや、教員免許を持たない学生や社会人向けの3年以上の長期コースも設ける。修了者には「教職修士」の学位を与える。
 学校教育の全体像や実践的な教科指導をはじめ、学校経営やリスク管理まで広範囲に学ぶ。このため、教授陣には、医師や家庭裁判所調査官、児童相談所職員、警察関係者、企業人ら実務経験者を積極採用する。
 また、大学院教育実習生の受け皿確保のため、大学付属の学校以外に、一般の小中学校を「連携協力校」に設定する。
 高度の職業人を養成する専門職大学院制度は03年度にスタートし、昨年4月に各地で開校した法科大学院をはじめ、会計学や公共政策を教える大学院が多数生まれている。教員養成のための専門職大学院の設置は中山成彬文科相が昨年10月、中央教育審議会へ諮問していた。【井上英介】
毎日新聞 2005年6月27日 20時40分
教授のセクハラ、懲戒処分は妥当、 …東京地裁判決(読売新聞)
お茶の水女子大(東京都文京区)の大学院教授(58)が、「事実でないセクシュアルハラスメントを理由に、不当な処分を受けた」として、同大に、停職3か月の懲戒処分取り消しと1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。
 難波孝一裁判長は、セクハラがあったと認定し、懲戒処分も妥当としたが、「不当に長期間、講義をさせない措置を続けた」と述べ、100万円の支払いを命じた。
 判決によると、教授は1999年5月、韓国人の女子留学生と飲食し、タクシーで自宅マンションまで送ったが、この間、留学生の体を触るなどした。同大は2001年2月、停職3か月の懲戒処分とする一方、01年5月から04年3月まで教授会への参加や講義を認めなかった。判決はこの措置について「03年3月までで十分だった」と指摘した。
(2005年6月27日19時17分 読売新聞)
6月27日 学力低下を考える(上)/向上策に躍起 (宮城県)(朝日新聞)
かつて「世界のトップレベル」だった日本の学力が低下していることが問題視され、「ゆとり教育」の見直しなど論議が盛んだ。都道府県の中では「点数」で低位に甘んじてきた宮城の教育も、一つの転機を迎えている。学力低下をめぐる動きを追った。
 「なぜ宮城だけ悪いのか。このような結果が出たことは非常にショックだ」
 白石晃教育長は3月の県議会文教警察委員会で、宮城、岩手、和歌山、福岡の4県で実施した4県統一学力テストの結果について、そう語った。
 4県統一テストは、自治体が全国で初めて共同で実施する学力テストとして、小5、中2の全児童・生徒を対象に昨秋行われた(福岡は抽出)。宮城は両学年とも、すべての教科で全体の平均を下回った。
 宮城の学力は、かねて「全国水準より低い」とされてきた。
 大手予備校の調べによると、05年の大学入試センター試験では、宮城の7科目平均は559・2点で全国37位。1位の東京都と比べると77・7点の差がある。04年の7科目平均は541・3点で43位だった。
 英語と物理TBの平均点が過去6年、全国で40位台。世界史Bでは全国10位以内に入る年もあるなど教科間のばらつきはあるものの、総合的に見れば全国でも下位に位置する。
 「宮城の高校では大学受験が心配」。中3の長女を持つ仙台市内の母親(39)は、首都圏と関西圏の高校を受けさせる予定だ。今春、京大合格で実績のある関西圏の高校を親子で見学し、志望校の一つに決めた。先生たちが授業を批評し合う活気ある校風が気に入った。
 この母親は「宮城では伝統のある進学校でも『塾に行って当然』『浪人覚悟』という雰囲気がある。子どもたちをやる気にさせるような校風は大事」と話す。
 中3の受験生を持つ50代の別の母親は「教育熱心で経済的余裕のある家庭は首都圏や関西圏の高校を目指してしまう」と指摘する。自らは県外に親類もいないので、今のところ県外に出すつもりはないが、「今、宮城の教育をきちんとしないと頭脳流出が進み、将来いい人材が残らなくなるのでは」。
 県教委も、学力向上への取り組みに乗り出した。04年度からの進学指導充実支援事業では、気仙沼、築館、佐沼、古川、石巻、仙台一、仙台二、宮城二女、角田、白石の10高校を「進学指導拠点校」とし、各校のシラバス(授業計画)の印刷代や学習合宿の施設費用などを県が負担する。学力向上に積極的に取り組む際の負担を軽減するのが狙いだ。
 昨年度は、県内約140人の高校教師を予備校に派遣して教材を研究したり、模擬授業をして予備校講師らと授業を研究をしたりする試みも始めた。
 学力向上推進班も立ち上げた。同班が今年3月に策定したのが、05年度から10カ年計画の県の「学力向上推進プログラム」だ。そこには明確な数値目標がある。
 ▽学力調査の際、6割以上の生徒が正答できた問題の割合を、小5は85%、中2は70%にする。
 ▽高校は現役生の大学進学達成率と就職決定率を全国平均にする。
 県教委は「点数を上げることそのものが目的ではないが、授業の理解度向上と家庭学習の促進という目標を達成する上で、客観的指標になる」としている。
 教育現場には、学力向上にばかり目が向く風潮への批判もある。「思考力や表現力など点数では計りにくいものも重要な学力」という考え方だ。
 県高校教職員組合の菊池英行委員長は「子どもたちはみんな『わかりたい』という気持ちを持っている。だが今は一部の生徒の学力だけが問題にされていないか」と疑問を呈する。(この連載は千葉恵理子が担当します)
6月26日 小学校教育のあり方を議論 北区・立命館大でフォーラム(京都新聞)
「21世紀をひらく新しい小学校教育への挑戦」をテーマに、小学校教育フォーラム(学校法人立命館、京都新聞社主催)が25日、京都市北区の立命館大で開かれ、市民約900人が参加した。
 来年4月に立命館小が開校するのを記念し、開かれた。中央教育審議会臨時委員の陰山英男・広島県尾道市立土堂小校長が基調講演した。陰山メソッドの名で知られる「読み書き計算」重視の教育を紹介。睡眠時間や朝食を十分にとる児童の方が勉強がはかどるといったデータを示し「子どもたちを元気にするのが教育で1番大切なこと。受験による圧力が今はむしろ学力を壊している。簡単な勉強をしっかりやることや家庭を含めた生活習慣が重要だ」と話した。
 教育やマスコミ関係者5人がパネル討論した。深谷圭助・立命館小準備室長補佐は小学1年から国語辞典に親しませてきた自身の教員経験を例に挙げ「人間のコミュニケーションの基本は言葉だ。学ぶ意欲や調べる楽しみを身に付けることが幅広い知識や学力の向上に役立つ」と持論を展開した。
6月25日 【教育家庭新聞】 立命大が20高にWebライブ講義 (朝日新聞)
立命館大学理工学部と情報理工学部は今年3月、全国の高校20校(公立1校、私立19校)と「高大連携に関する協定」を締結。それぞれ最先端科学技術とホームページ作りをテーマに5月から7月まで高校3年生を対象にインターネットを介した「Webライブ講義」(1コマ60分、平日放課後)をテーマごとに隔週計4コマ16時すぎから配信している。8月にスクーリングを開き、修了すると特別推薦入学につなげる珍しい試みだ。
 「理工系学部には幅広い学部・学科があり、受験校・学部選びの段階から、大学の中身をよく知ってもらい進学してもらいたい。また合格後早い段階から大学教育に馴染み、学びの目的意識をもってもらいたい」と立命館大学高大連携推進室の宮下明大課長は協定締結のねらいを語る。
 提携先の高校は立命館に進学実績の多い学校を中心に、中部・関西・中国・九州地方の高校から20校を選定した。高校ごとに特別推薦入学の枠が設置され、Web講義を受けて課題レポートを提出、8月に実施される2日間のスクーリングをクリアし成績等特別推薦資格を満たせば、生徒は無試験で立命館大学に入学できる仕組みだ。同枠は、理工学部で約200人、情報理工学部で約140人設けた。
 高校では――。15人の特別推薦枠のところに19名の生徒が受講している私立大谷高校(京都)進路指導室長の田中岳人教諭は、「生徒が事前学習をしてスムーズに学部に入学でき、専門分野の将来の夢に向かって進むことができる。本人も納得して行くことになる」と歓迎する。
 私立関西大倉高校(大阪)進路指導部長の北英太郎教諭も「大学・学部・学科の名前にひかれて入学しても、想像していた内容と異なることがある。かといって、学科紹介の本を読んでも専門的な内容でイメージが沸いてこない。生徒に学問の中身を知らせるにはよい試みだ」と語る。
 進学指導ではなく進路指導を−と言われるが、大学の教育内容に直に触れられるよい場であることも確かだ。
 Web授業はパソrコン教室や視聴覚室などで一斉に実施する。Web画面からIDでログインするだけで、高校側に特別な設備はいらない。学校ごとに質問担当校が順に設けられ、ネットを介しての質疑応答や、パワーポイントやWordなどの資料も示される。再度学習したい生徒は家にインターネットに接続したコンピュータがあれば、生徒一人ひとりに配布されたIDとパスワードで家庭からでもストリーミングで見ることもできる。
 講義について「内容は濃い。生徒もマイクで質問をしたり、Web授業を面白がっている」(北教諭)、「分かりやすく、60分の中で必要なことが話されている。ただ、レポート提出があるので、常に教員が付くようにしている」(田中教諭)と肯定的だ。
 高校の課題は同協定の運用、選択肢の拡大か。「国立大学でも同様のことを実施してくれれば」という声も聞こえてくる。立命館大学は今年秋に学部横断的な内容で「高校2年プログラム」も設置する予定だ。
 〈講義内容〉
 理工学部のテーマは「最先端科学技術」で、「21世紀のロボット社会に向けて」や「大規模集積回路(LSI)とは何か?」といった内容。情報工学部のテーマは「自分のホームページを作ってみよう」で、「インターネットの過去〜現在」、「WWWの仕組み」などだ。ロボット社会の授業では、ロボット開発に必要な技術から医療、福祉へのロボット技術の応用までロボット工学の基礎が講じられた。Web講義の期間は大学院生が「教育コーチ」として受講者をサポートし、8月休暇中のスクーリング(2日間、6コマ)は、対面講義のほか、実験や実習、学科別相談会も実施する。
(教育家庭新聞05年6月4日号)
学力: PISA結果などについて論議OECDセミナー(毎日新聞)
「学校における教育の質向上:学習到達度調査の役割と影響」をテーマにしたOECD/Japanセミナーが23日、東京・一ツ橋の学術総合センターで開かれた。昨年末に発表されたOECDの「生徒の学習到達度調査」(PISA)の結果をもとに、学力の向上、教育の質の保証、学校制度などについて発表や討議が行われた。
 中山成彬文部科学相が開会あいさつに立ち、「PISAは画期的な調査であり、わが国をはじめ、各国は大きな影響を受け、教育政策の基礎資料にしている。日本もゆとり教育、週5日制の成果をもとに、教育の質の充実を目指して中教審で審議している。」と述べ、「教育内容の改革」「教員養成の改革」「学習・教育システムの改革」の3本柱で教育改革を進めると述べた。
◇フィンランド教育科学相の講演
 PISAで学力世界トップになったフィンランドのトゥーラ・ハアタイネン教育科学相が基調講演「Learning for Tommorow’s world 教育目標の確立とモニタリングの今後の方向性」を行なった。
 ハアタイネンさんは「フィンランド社会の基盤はすべての人々の平等と公平で、教育、男女、世代などあらゆる平等が一番大事だ。これにより所得差が狭まり、誰もが平等に教育を受けられるようになった。PISAで学習到達度が最高だったのは、このフィンランドの社会システムが効果があるということの実証だ」と述べた。
 フィンランドは9年間の総合制義務教育が完全無償で提供されており、総合教育については数十年にわたって開発を続けてきたと説明、「福祉社会では他者に対する思いやりと連帯が重要で、教育は子供たちが社会参加する力を形成するための重要なファクターだ。だから教育の平等を守ってきた」と述べた。
 9年間の教育は学校が責任を担っており、国の仕事は教育の方向付けをすることで、そのためコア・カリキュラムを示すと説明、「コア・カリキュラムは最新のものに改革した。内容は具体的だが、細かいものではなく、それをもとに学校、教員が工夫し、問題を解決するものになっている。政府と地方が協力できる実際的なもので、教育の方向付け、舵取りの重要なツールになっている」と述べた。
 ハアタイネンさんは評価の重要性にも触れ、「評価システムによって、何が必要かが明らかになる。評価は学習効果だけではなく、学校の活動や福利厚生などの背景も改善、向上を検討、真の意味の教育を考える」と述べた。評価のデータは学校教育の開発、生徒の支援と指導、親が教育に関する情報を得る権利を守るために使われると説明、「子供たちはみんな学びたいと思っている。彼らに学習の権利を提供していきたい」と述べた。
 ◇OECD教育局のアンドレア・シュライヒャー指標分析課長
 「PISAの結果から見た学校制度」と題して講演し、PISAの目的は、学力到達度の国別ランキングだけでなく、各国の教育システムの違いや、社会経済的な背景、興味関心の度合いなどを比較し、成功している国の要因を探ることにもある、と話した。
 シュライヒャー課長は、2003年度に行った数学的リテラシーの調査について、(1)教育システムの総合的な結果(2)学習機会の公平性(3)学校間格差の有無(4)男女差(5)生涯学習のための基礎−−の5つの判断基準に基づいて各国のスコアを分析し、「生徒に公平な学習機会が与えられていることは重要な問題だ。経済的な背景が成績を決めてしまうということが、若者の潜在的な力を無にしている」と述べた。
 PISAの結果分析から、フィンランド、スウェーデンなど成績上位の国では学校間の成績格差、社会経済的背景による格差がほとんどないと述べ、社会経済的に不利な生徒の成績を上げるには、「すべての学校で平等に改革を行う方法、不利な背景を持つ生徒を特定し、専門的なカリキュラムを提供したり、経済状況を改善するための取り組みをするという方法がある」と指摘した。
 また、数学の学習に対して生徒が感じる不安と成績の関係について、「不安の度合いが低い国では成績が高いという結果が出ているが、日本と韓国だけが例外で、成績が高いのに、不安の度合いも高い」と述べた。韓国は「数学の授業についていけないのではないかと不安になる」生徒の割合が80%近くに上り、OECD平均の6割弱、スウェーデンの約3割に比べて極めて高かった。さらに教育費と成績の関係では、「生徒1人あたりの支出と成績には正の相関関係がみられるが、日本のように教育費がそれほど高くはないのに、成績が高い国もあり、教育費が高ければ好成績が保証されるわけではない」と指摘した。
 シュライヒャー課長は個人的な結論として、「成功している国では、個人に合わせた教育が行われ、生徒と教師が学び合っている。学校や教師が自律性と必要な知識を持ち、効果的な支援システムがあることが成功の要因になる」と述べた。
 講演の後、会場から「日本は、成績がいいのに興味関心が低いということだが、どういう教訓を読み取ったらいいのか」という質問があり、シュライヒャー課長は「学習動機と到達度は両方とも大切で、どちらが高いと優れているということではない。動機付けがあれば、将来、高等教育に進むきっかけになる」と答えた。
   ◇◇◇   ◇◇◇
 ディスカッション「各国における成績向上のための国際標準値の活用」では、カナダ、フィンランド、ドイツがPISAの結果と、学力向上の取り組みについて報告した。
◇カナダ
 人的資源開発省のサティヤ・ブリンク課長は「カナダはPISAで高い到達度を示した。だが、成績の差は学校教育を続ければ解消されるだろうという私たちの予想に反する結果が出た。成績の格差は学校教育の期間を通じて残っており、学校教育は成績の平準化に役立っているのかという疑問が出た」と説明、教育政策に生かすため調査をしたことを報告した。調査の結果、「家庭の収入は得点に影響しない」「ほとんどの子供は問題状況がずっと続くわけではなく、問題集団は変化する」などの結果を得たと報告した。
 その上でブリンク課長は「幼少期の学習が重要で、先延ばしにすればするほど不利になる。そのために全体向けと、個別の学習への介入を組み合わせることが大事」と教育政策の望ましい方向性を示した。
◇フィンランド
 ユバスキュラ大学教育研究所のヨウニ・ヴァリジャービ教授は、「フィンランドの教育では公平と平等をいかに提供するかが問われる」と述べて、教育システムの特色について説明した。大きな特徴の総合教育について「1年生から9年生まで均一のグループで教育を行い、児童生徒を人間全体として世話をする教育だ」と説明した。さらに「質の高い教員教育」を特徴として挙げ、「教員の地位はトップランクで、就職希望は1位だ。教員は縛るのではなく、社会が何を重視しているかという情報を提供するようにしている」と説明、また地域が教育に責任を持ち、地方自治体が基礎教育を担当していると説明した。ヴァリジャービ教授は『フィンランドは人口520万人で、国民の均一性が高いので、何を教えるべきかについて一致しやすく、カリキュラムを補完的な役割にとどめることができる」と述べた。
 PISAの結果をいかに教育政策やシステムに生かすかを考えるために、国際比較し、その結果を示した。読解力の00年と03年の比較では、日本は下位レベルが増えているが、フィンランドは変わらないこと、レベル1以下はフィンランドは男女とも10%以下だが、日本は男子が20%、女子が10%を超えていること、数学の成績の学校平均値ではフィンランドはOECDの平均より成績が悪い学校が少なかったこと−−などと報告した。
 数学の学習時間ではフィンランドは韓国、日本より少なく、OECD平均をも下回ることを指摘、「フィンランドは数学に多くの時間を割いていない。学習時間を多くするより、時間をどのように有効配分するかが問題だ」と述べた。
◇ドイツ
 マックスプランク研究所のコーデュラ・アーテルト研究員は、国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育調査(TIMSS)の結果について「ドイツの児童生徒は概念の理解が必要な複雑な課題に困難が見られ、就学期間を通して学習成果が見られない」などの結果を報告、PISAでは「00年は全般的な低レベルで論議が起きた。今回03年の結果は、00年に比べ数学と科学で成績が向上したが、低レベル層にはほとんど向上が見られなかった。そこで落ちこぼれる恐れのある生徒の対策が大きな課題になった」と報告した。
 その上で、ドイツ連邦の各州の文部大臣の会議(KMK)で、就学前児童の語学能力向上や小学校教育の向上などの目標が掲げられたと説明、「背景には学校制度を国際的な比較で評価することが必要、ドイツの学校制度の特徴であるインプット重視型は期待される結果を達成するのに不十分−−などの考えがあった」と述べた。KMKでは教育基準の目標として「開発の継続」「標準化」「評価」「科学的なモニタリング」を掲げ、連邦教育省では「資金の提供」「基準と評価のための第三者機関の設立」「独立専門委員会による、教育の現状に関する全国的な定期報告書の作成」を目標としたことなどを説明した。【平野秋一郎 岡礼子】
毎日新聞 2005年6月23日 13時14分
(コメント 「日本のように教育費がそれほど高くはないのに、成績が高い国もあり」 日本が教育費が高くないことをいっているのであり、教育費をかければもっと成績が よくなるのでは)
6月23日 教員養成大学院に「待った」規制改革会議(朝日新聞)
教員の質向上を目的に文部科学省が07年4月の設置を目指している「教員養成のための専門職大学院」に、政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が「待った」をかけている。22日に「新たな参入障壁になりかねない」との質問状を同省に提出、公開ヒアリングへの参加を求めた。
 同会議が問題視しているのは、中央教育審議会(文科相の諮問機関)が同大学院修了者について給与や採用面で優遇しようとしている点。質問状は「教員多様化が課題のなか新たな参入障壁になりかねない」「優遇は教員への道を狭める逆行」などと批判している。
 質問状は、さらに、文科省の担当者に対して、月末にも開催する予定の公開ヒアリングへの参加を求めている。これに対し、文科省は「大学院は中教審が構想中の段階であり、優遇策を含め決まった点はない」と文書で回答する方針。
 規制改革会議は毎年、重点検討項目を決めて各省庁と折衝するが、05年度は教育分野で教員の多様化・質の向上をテーマに掲げている。
規制改革会議: 教員大学院で文科省に質問状、公開討論も(毎日新聞)
政府の規制改革・民間開放推進会議は22日、教員養成のための専門職大学院をめぐり、文部科学省の諮問機関、中央教育審議会が公表した設置構想の素案の内容と、推進会議に対する文科省の説明が異なるとして、同省に正式見解を求める質問状を出し、公開討論会の開催を申し入れた。同大学院を卒業した教員の処遇について素案だけに採用・給与の優遇措置が盛り込まれていたためで、討論会の開催まで申し入れることは異例。
6月22日 文科相「総合学習、専門教員配置を」・教員の要望に理解(日経新聞)
中山成彬文部科学相は21日、見直しが検討されている「総合的な学習の時間」について、「教員の負担を軽減するため、授業内容などを専門に研究した教員を養成し学校に配置することも考えられる」と述べた。学校対話集会(スクールミーティング)のため訪れた東京都武蔵野市で記者団の質問に答えた。
 総合的学習を巡っては文部科学省の意識調査で中学担任の6割近くが廃止を求めるなど、教員の負担軽減を求める声が強まっている。武蔵野市立第二小で開かれた対話集会でも、教員から「教材の準備などに時間がかかり、週3時間は負担が重い。2時間程度でよい」などとする要望が出された。
 文科相は「総合的学習は必要だが、教員の非常な負担になっている」と一定の理解を示した。集会後も記者団に「専門教員配置などの手立てを当初から講じるべきだったかと思う。今からでも遅くはない」と語った。
文理転向困難:高校の制度も足かせに 全国9大学で調査(毎日新聞)
高校時代に文系から理系、あるいは理系から文系に転向を考えた大学生は約2割いたが、うち7割はカリキュラム上の都合などで断念していたことが毎日新聞などのアンケート調査で分かった。多くの高校で文系、理系に分けた教科指導が実施されているが、結果として理科や社会科などで履修科目が偏るため、生徒の進路変更が難しい現実が浮き彫りになった。
 国立天文台の縣秀彦・助教授(科学教育)の協力を得て、4〜5月にかけて調査した。全国9大学(国公立5校、私立4校)の計614人から回答を得た。
 高校時代に転向を考えた学生は129人(21%)いたが、転向を実現したのは40人(31%)にとどまった。理系から文系への転向は86人中30人(35%)が実現したが、文系から理系への転向は43人中10人(23%)で、さらに困難だった。
 断念した89人に自由記述で理由を尋ねたところ、「生物や物理を勉強していなかった」など、29人が未履修科目や苦手教科を克服できなかったことを挙げた。「2年で(文理を)決めたら、変えられないと学校で決まっていた」など、学校内の制度上の理由を挙げた学生も23人と目立った。
 ▽河野銀子・山形大助教授(教育社会学)の話 政府は「高校教育の個性化・多様化」と言うが、学校現場では、限られた教員、授業時数の中で効率良く受験に対応するためのカリキュラムが編成される結果を招いている。転向を希望する生徒へのサポートが不十分なのではないか。【西川拓】
6月21日 6・3制、変更に消極的義務教育意識調査(朝日新聞)
18日の中央教育審議会・義務教育部会に報告された「義務教育に関する意識調査(速報)」。小学校の入学年齢や義務教育の6・3制などについて、保護者や教員、教育長らに聞くと、現状維持を望む声が強かった。また、小中学生を対象にした調査では、学んだことを発表する活動に人気がなく、表現力の向上策に課題を残す結果となった。
 ■教育制度改革
 義務教育の9年間について、「6・3制を5・4制などにする」に対しては、保護者、教員、首長ら各層とも「どちらともいえない」が約半数を占めた。「賛成・まあ賛成」が最も多かったのは校長・教頭の24.0%。一般教員は14.2%、保護者は13.2%だった。
 小学校の高学年を教科担任制にすることについては、各層の半数前後が肯定的だった。ただ、小学生に「教科ごとに専門の先生に授業をしてほしい」かどうかを聞いたところ、反対派は39.4%で、賛成派(35.8%)をわずかに上回った。
 民間人校長の登用に反対の保護者は8.4%だった。逆に、一般教員や校長・教頭は約4割が反対した。
 ■総合的学習
 「総合的な学習の時間」に対する子どもの考えを、授業の理解度で五つのグループに分けて分析したところ、成績上位・下位の中学生が総合的学習に対して否定的で、中位の中学生は肯定的な傾向があった。
 「ふだんの生活や将来にどう役立つかわからない」と答えた中学生は、理解度最下位のグループ1で59.8%。グループ2〜4まで順に51.2%、49.3%、53.5%と推移し、上位のグループ5で56.7%にのぼった。「ひとつのテーマに時間をかけすぎてたいくつだ」「自分の興味・関心のある内容と異なることが多い」という設問でも同様の傾向だった。
 ■学校での勉強
 小中学生とも好きな教科の筆頭は「体育(保健体育)」。逆に、「好きでない」と答えた比率が高いのは、小学生は「社会」の27.2%で、中学生は「数学」の37.7%だった。
 「コンピューターを使って調べる学習」は小学生の89.3%、中学生の84.1%が好きと答え、最も人気があった。「考えたり調べたりしたことを発表する活動」を好きな小学生は48.5%、中学生は31.9%で、最も不人気だった。
 ■家庭での生活
 平日の就寝時間を午前0時以降と答えたのは小4で5.1%、中3では64.4%だった。小学生の84.9%、中学生の77.6%は「毎日朝食を食べる」と答えた。
 平日のテレビ・ビデオなどの視聴時間は、1時間以内が小学生で約3割、中学生で約2割いるが、3時間以上の小学生は22.1%、中学生は27.8%にのぼった。
 《調査方法》 対象は約3万6000人で回収できたのは1万8150人。内訳は、小学4〜6年生3350人、中学1〜3年生2924人、保護者6742人(回収率68.5%)、学校評議員808人(同17.2%)、教員2503人(同25.7%)、教育長1038人(同37.8%)、首長785人(同28.6%)。小中学生は無作為抽出で小学校15校、中学校10校を選び、学校ごとに調査票を回収。保護者は無作為抽出した25校の全員に配布した。学校評議員は941校を選んで1校に5通を送付。教員は1219校を選んで1校に8通を送った。教育長と首長は全員調査。
6月20日 愛知教育大:教員養成課程の定員、133人増加−−06年度入試から /愛知(毎日新聞)
愛知教育大(刈谷市)は16日、県内の教員採用数の増加に対応し、06年度の入試から教員養成課程の定員を133人増やして613人とすると発表した。増加分は、教員免許の取得を卒業資格としない学芸課程の定員(395人)から振り替え、全体の定員枠(875人)は変更しない。
 愛教大によると、県内の小・中・高校などの教員採用数は過去5年間でほぼ倍増した。女性教諭の早期退職などが原因。今後も団塊の世代の教員の大量退職で、教員需要の増大傾向が10年は続く見通しという。
 愛教大の教員養成課程は初等、中等、障害児、養護の4課程。教員採用数の減少で88年に国際理解教育、生涯教育など4課程の学芸課程が新設され、定員1035人中、395人が学芸課程に振り分けられて定員640人に。さらに00年の財政改革で160人減の480人に定員が削減されていた。【坂東伸二】
中教審: 義務教育費国庫負担金の議論、意見集約に至らず(毎日新聞)
国と地方の税財政改革「三位一体の改革」で焦点の義務教育費国庫負担金をめぐり、合宿集中審議に入っていた中央教育審議会義務教育特別部会は19日、負担金維持を訴える多数委員と、地方への一般財源化を主張する地方団体代表委員の議論が平行線をたどり、中間報告案に向けた意見集約には至らなかった。
 中教審は、今秋までに負担金の扱いの結論を出し、近く中間報告をまとめる。だが、この日の議論で鳥居泰彦部会長(中教審会長)は、両論を盛り込んだ論点整理を示すにとどまった。
 18日からの合宿審議では、地方への税財源移譲を訴える全国知事会代表の石井正弘委員(岡山県知事)らに対し、他の委員から「(自治体の使い道を広げた)現行の国庫負担金で何の問題があるのか」(苅谷剛彦委員・東大教授)などと異論が集中。地方団体側は「ひもつきのひもをなくすことで現場の意識改革が進む」(石井氏)と主張したが、形勢は変わらなかった。
 どちらの財源が安定的かについても「(自治体間の格差を埋める)地方交付税も将来削減のおそれがある」との疑問が多数の委員から繰り返し出され、「国の方が借金依存度は高く、安定的でない」(石井氏)とする地方側との溝が埋まらなかった。【野倉恵】
義務教育調査: 教員人事権の移譲、市町村の規模で回答に差(毎日新聞)
義務教育意識調査は、都道府県がもつ教員人事権の市町村移譲後の義務教育費国庫負担金をめぐる考え方について自治体の規模による差を浮かび上がらせた。だが、首長の回答率は3割に満たず、18日の中央教育審議会義務教育特別部会で地方側は「結果を部会の了承事項としないでほしい」とし、地方団体としても調査する意向を示した。
 調査では、教員人事権を人口の多い市区町村ほど市区町村に移すべきだと回答。人口5000人未満で66.3%が「現行」でとしたが、政令市を除く30万人以上の計87.1%が、市区町村などに移すべきだと答えた。費用負担は、現行の都道府県負担とした知事や政令市長はいなかったが、市区町村長の59.6%が都道府県負担とした。市区町村負担を主張した知事・政令市長は90%いたが、市区町村長では9.2%だった。【野倉恵】
中教審特別部会、 対立解けず・義務教育費国庫負担(日経新聞)
中央教育審議会の義務教育特別部会は19日、合宿集中審議の2日目に入り、義務教育費国庫負担金の廃止問題を巡る議論を続けた。地方六団体側は廃止の前提として、都道府県に一定数の教員確保を義務付ける新たな法律を制定することを提案したが、制度堅持を求める委員との対立解消にはつながらなかった。
 地方側の提案は「負担金を廃止して一般財源化した場合、教職員の給与がほかに転用され、教育の質の低下を招く」との多くの委員の懸念に応えたもの。全国知事会代表の石井正弘岡山県知事は「(教員数の標準を定めた)現行の義務教育標準法を『基準法』に改め、文科省は権限を維持してはどうか」と述べた。
 現在、各都道府県は標準法に従い、公立学校の教員定数を定めているが標準法に拘束力はない。石井知事の提案に対しては「地方分権に逆行するのでは」「一般財源化しながら使途を縛るのは不自然」といった異論が相次いだ。 (22:27)
6月19日 総合的な学習の時間、中学教師の6割が「不要」と回答(読売新聞)
「ゆとり教育」見直しの焦点になっている「総合的な学習の時間」について、中学校教師の約6割が「なくした方がよい」と考えていることが18日、文部科学省の「義務教育に関する意識調査」で明らかになった。
 準備に手間がかかることなどを理由に挙げた教師が多く、「国語や数学などの学習を重視すべき」という声も中学校教師全体の8割から上がった。これに対し、小学校教師は総合学習を肯定的にとらえる傾向が強かった。文科省はこの調査結果を同日、中央教育審議会・義務教育特別部会に提出、今後の義務教育改革の審議に生かす。
 調査は今春、全国の小学4年生〜中学3年生の児童生徒、小1〜中3の保護者、学校運営に参加する学校評議員、教員、教育長ら計約3万6000人を対象に実施し、約1万8000人から回答を得た。
 それによると、総合学習をなくした方がよいと、「とても思う」「まあそう思う」と回答した中学校教師は計57・2%。「なくさない方がよい」と考える肯定派も含め、全体の84・6%が「教材作成などの準備に時間がかかり、負担が大きくて大変」と感じており、「国語や数学などの学習を重視すべき」(82%)、「教師の力量や熱意に差があり、指導にばらつきが出る」(76・3%)などの声も多かった。
 これに対し、小学校教師の場合は、「なくした方がよい」は38・3%にとどまり、肯定派が否定派を上回った。「子どもたちが楽しみにしている」「自然体験や社会体験ができる」などの意見が目立ち、保護者も中学校より総合学習を評価する割合が高かった。
 一方、子どもたちは、小学生の60%、中学生の46・2%が総合学習を「とても好き」「まあ好き」と回答した。ただ、中学生では「自分の興味関心とは異なる内容が多い」「将来の自分にどう役立つのか分からない」と批判的な声も50%を超えた。
中学担任の過半数、総合学習に否定的 義務教育意識調査(朝日新聞)
「ゆとり教育」を柱とするいまの学習指導要領の目玉として02年度から導入された「総合的な学習の時間」について、保護者や教育長の評価は高かったものの、中学校担任は55.2%が否定的だったことが文部科学省の「義務教育に関する意識調査(速報)」でわかった。高校受験を控える中学担任の圧倒的多数は「数学などの教科学習を重視すべきだ」とも答えている。実際に授業する中学担任が否定的だったことは、教育課程の見直し論議に影響を与えるとみられる。
 意識調査は、18日の中央教育審議会(文科相の諮問機関)の義務教育特別部会で報告された。義務教育改革の審議に役立てる目的で、全国の小中学生、保護者、教員、首長ら計約3万6000人を対象に、今春実施した。
 現在議論されている指導要領改訂の中心テーマの一つである総合的学習のほか、年間の授業時数を増やすべきかどうかや、小学校英語の必修化、全国学力テスト、教員免許の更新制など、改革の焦点となっている項目についても聞いた。
 まず、総合的学習に対する全体的な評価では、「とてもよいと思う」「まあよいと思う」を合わせた肯定派が教育長の約8割を占めて最も多かった。小中学生の保護者全体も7割近かった。小学校の担任では肯定派が否定派を16ポイント上回ったが、中学校担任では否定派が過半数を占めた。
 「自然体験や社会体験などさまざまな体験活動を行うことができる」には、教員から保護者までの各層とも7割以上が賛同した。
 ただ、今後どうすべきかという設問に関しては、「なくした方がよい」が中学担任で57.2%と突出していた。小学担任は38.3%、保護者は20.7%にとどまった。「国語や算数・数学など教科学習を重視すべきだ」と考える保護者は60.1%だが、中学、小学担任はそれぞれ8割前後だった。「総合的学習専門の先生を置くべきだ」と答えたのも中学担任が58.8%で最も多かった。中学の教員は自分の専門教科を持っており、教科横断的な総合的学習に負担感が強いとみられる。
 総合的学習に対する子どもの好き嫌いは、小学生の60.0%、中学生の46.2%が「好き」と答えていた。
 他の教育改革に関する項目では、保護者と首長の要望が一致し、教員の考えとは食い違うケースが目立つ。
 保護者・首長の6割以上が「年間の授業時間を増やす」ことを望んでいるのに対して、一般教員で賛同するのは4割に満たなかった。「土曜日、夏休みなどに補習を行う」ことを保護者の6割が望む一方、一般教員で賛同するのは1割強で、6割が反対している。
 「教員免許の更新制を導入」には一般教員の3分の1が反対し、7割前後が賛成の保護者・首長と意見が分かれた。
親の7割満足、教師は否定的総合学習で評価に隔たり(中日新聞)
自ら学び、考える力を掲げた「ゆとり教育」の一環で、三年前に義務教育に本格導入された「総合的な学習の時間(総合学習)」について、保護者の約七割が評価する一方で、中学教師の約六割が「なくした方がよい」と考え、親と教師の意識の隔たりが大きいことが十八日、文部科学省が公表した「義務教育に関する意識調査」で分かった。調査には、全国の小中学生と保護者、教師ら約一万八千人が回答。同省によると、義務教育に関するこれほど大規模な調査は初めてという。
 中央教育審議会(鳥居泰彦会長)は現在、学習指導要領や一学級の児童・生徒数など、義務教育の抜本的な見直しを進めており、今回の調査結果を検討資料とする。
 調査では、総合学習について、「とてもよい」「まあよい」と評価する回答は、小学生の保護者の73%、中学生の保護者の63%に上った。
 しかし、小学教師は57%、中学教師は44%と低め。逆に「まったくよいと思わない」「あまりよいと思わない」と否定する回答が、小学教師で40%に上り、中学教師では55%と半数を超えた。
 特に「なくした方がよい」と廃止に賛成する回答は、保護者では二割強だったのに対し、小学教師で38%、中学教師は57%に達していた。
 「準備に時間がかかり、教師の負担が大きくて大変と思う」と回答した小学教師が83%、中学教師が85%を占め、教師にとって負担感が大きいことも分かった。
 「教師の力量や熱意に差があり指導にばらつきがある」との回答は、保護者の65%に対し、小学教師84%、中学教師76%と高め。「教科の時間が減り、基礎的・基本的な内容の学習がおろそかになる」も、保護者57%だが、小学教師は66%、中学教師は81%に達し、教師のほうが総合学習を否定的にとらえていた。
 【調査の方法】 文部科学省がベネッセ教育研究開発センターに委嘱して3月から4月にかけて実施。小中学生と保護者、教員、自治体の首長や教育長ら計約36000人を対象にし、約18000人から回答があった。
 小学生は全国から15校を選び4年生以上の3400人が、中学生は10校の2900人が答えた。そのほかの回答率は保護者約69%、教員26%、学校評議員17%。首長と教育長は全都道府県と全市区町村が対象で、回答率はそれぞれ29%、38%だった。
総合学習、親の7割評価文科省の義務教育調査(京都新聞)
ゆとり教育の目玉として導入され、現在中教審で見直しが審議されている「総合的な学習の時間」について、小中学生の保護者の69%が肯定的に評価する一方、小中学校の教員の評価は53%にとどまり、46%はなくした方がよいと考えていることが18日、文部科学省の「義務教育に関する意識調査」で分かった。
 授業時間増や補習授業についても、要望の強い保護者と比べ教員は否定的で、両者の意識の差が際立つ結果となった。
 調査は文科省が民間に委嘱して実施、小中学生や保護者、教員、教育長ら約1万8000人が回答した。義務教育全般についてこれだけ大規模な調査は初めてで、結果は同日開かれた中教審義務教育特別部会で報告された。(共同通信)
   (コメント 同じ事柄でも見出しや書き方で印象が各社で違いますね)
小・中学校再編に厳しい声八幡市教委が地域で説明会開く(京都新聞)
京都府八幡市の学校再編整備基本計画について市教委による地域説明会が、17日から3日間に渡って市内で開かれている。17日は同市男山の市生涯学習センター、18日は同市八幡の市文化センターで行われ、参加者からは厳しい声が相次いだ。
 17日は約140人、18日は約80人の地域住民らが出席した。
 市教委は、小学校の学級定員は40人標準の1学年3学級程度、中学校は現行4校のまま一部校区を変更するなどの「検討、協議の前提条件」を説明した。そのうえで、実現可能なところから再編に着手したいとし、対象校については含みを残した。再編の理由には社会情勢の変化や財政事情をあげ、早期再編の必要性を強調した。
 参加した市民からは「中学校の一部校区変更」に関して「枠組みを決められた再編ありきのやり方だ」などとする声が出たほか、「統廃合や運営にかかるコストの試算を出すべきだ」など市全体の施策のあり方を問う意見が集中した。学級定員をめぐっても批判の声があがった。
 市教委は「今後も地域協議会などを通じて話し合いを重ねたい」としている。最終日の19日は男山東中で午前10時から開く。
6月18日 止まらぬ少子化、東北5県で出生率最低更新(朝日新聞)
少子化に歯止めがかからない。04年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、青森を除く東北5県が過去最低を更新。青森も最低だった前年から横ばいだ。行政は対策に躍起だが、適齢期の女性らの生き方からは少子化問題の根深さが垣間見える。(仙台総局・永田稔)
 仙台市の旅行関連会社で働く女性Aさん(32)の20代は、結婚など考える暇もなく過ぎた。
 山形県出身。山形大を卒業し、地元の卸会社に就職した。だが、興味のあった建築を学ぼうと、辞めて仙台の建築専門学校に入学。28歳で建築事務所に再就職。上司との折り合いが悪く、昨年9月、現在の会社に転職した。
 5月の連休、実家に帰省した。「いい加減、結婚したら」。母(58)の口癖に「相手がいないんだから仕方ないじゃない」と返した。
 ●「妥協はいや」
 30代になり、焦りはある。合コンの回数は、20代より減った。だが、「焦って適当な相手で妥協したくない。40歳までに結婚したいけど、魅力的な男性が現れないときは仕方ない」。
 中学、高校の友達は既婚者が多くなる一方、独身も結構いる。育児に追われる友達をみると、給料も時間も自由に使える暮らしが、居心地よく思える。
 Aさんの世代は、第2次ベビーブーム生まれの「団塊ジュニア」。少子化問題を左右する世代と注目されるが、Aさんは「身近な問題と思えない。結婚相手もいない今、子どものことも考えられない」という。
 ●「今は自由に」
 仙台の出版社勤務の女性Bさん(26)は「30歳までに恋愛結婚。子どもは3人」が理想。しかし、いま結婚する気はない。仕事も楽しく、飲み会や旅行に行ける自由が気に入っている。
 宮城県南部で3世帯同居の家庭に暮らす。昨秋、祖父に見合いを勧められた。断ったが、数日後、祖父は再び言った。「町内会の人からの紹介でね、隣町の役場に30代のいい人がいるそうだ」。やはり断った。
 結婚情報誌「ゼクシィ宮城・山形版」の高野慎一編集長は「早く結婚して子どもをという価値観は珍しくなった」と話す。
 晩婚、晩産化と並んで目立つのが、妊娠を機に結婚する「できちゃった婚」。同誌によると、6、7年前より約2割増え、20代後半で結婚する女性の約4割を占めるという。
 ただ、それで子どもが増えるのか。高野編集長は「終身雇用の時代が終わり、男性の雇用、収入が不安定な中で、子どもを育てられるのか、女性は不安だ。そこを解消しないと少子化は止まらない」とみる。
 ◇子育て支援、自治体躍起
 04年の合計特殊出生率=グラフ=は、東北6県では福島県が最も高い1・51で、全国でも沖縄、宮崎に次いで第3位だった。福島県は「女性が早く結婚するからでは」(少子高齢社会対策グループ)との見方。同県の平均初婚年齢は女性が26・8歳。全国平均より1歳若く、6年連続の日本一だ。
 東北最低は、宮城県の1・24。仙台市が県全体の同出生率を押し下げた。同市は「晩婚化と、仕事と子育ての両立の難しさが、出生率の低下を招いている」(こども企画課)と話す。
 98〜02年の市区町村別の合計特殊出生率=表=で最も高いのは、福島県の南郷村。奥只見の東に位置する人口約3千人の山村だ。村は「三世帯同居が多く、子育ての環境に恵まれている」(健康福祉センター)。ただ、男性の未婚率が高く、嫁不足が悩みの種。過疎化は深刻な問題だ。
 同県矢祭町も同じ事情を抱え、対策として、第3子以上を出産すると100万円の祝い金を出す条例を4月に施行した。これまでに3人が生まれて支給対象になった。
 秋田県では、子育ての経済的な負担を軽くするため、第3子以降とすべての0歳児の保育料が無料。8月からは第1子も対象とし、所得制限を導入した上で、1歳以上の幼児の保育料の半額を助成、0歳児は月1万円の支援金を出す制度に改める。
 ■市区町村別の合計特殊出生率(98〜02年の平均)
    上位3自治体    下位3自治体
 青森 六ケ所村 2.07 弘前市    1.30
    三沢市  1.98 平舘村    1.34
    東通村  1.85 碇ケ関村   1.34
 岩手 千厩町  1.90 盛岡市    1.31
    川崎村  1.88 松尾村    1.42
    大野村  1.87 雫石町    1.43
 宮城 中田町  1.90 仙台市青葉区 1.08
    宮崎町  1.86 仙台市若林区 1.24
    豊里町  1.85 塩釜市    1.24
 秋田 鳥海町  1.93 男鹿市    1.22
    東由利町 1.81 昭和町    1.25
    鹿角市  1.78 八郎潟町   1.27
 山形 大蔵村  2.01 上山市    1.41
    鮭川村  1.95 山形市    1.44
    金山町  1.91 山辺町    1.44
 福島 南郷村  2.17 霊山町    1.41
    西会津町 2.09 桑折町    1.43
    下郷町  2.06 国見町    1.43
 (厚生労働省調べ。数値は小さい地域の推定に有効な「ベイズ推定」で算出。市町村は02年12月末時点)
義務教育費国庫負担根強い存続論 中教審部会論議正念場へ(東京新聞)
義務教育の費用を国が負担する制度の存続をめぐる中央教育審議会(鳥居泰彦会長)の議論が十八、十九日の合宿集中審議で、ヤマ場を迎える。「教育は外交や国防と並ぶ国の責任」と、制度維持を主張する大多数の委員に、制度を廃止して地方に税源移譲を求める地方代表委員は押され気味だ。議論は今後、教員人事権の市町村への移譲という具体論に入る。地方側が揺るぎない教育ビジョンを打ち出せるかが焦点となる。 (社会部・高橋治子)
 ■集中砲火
 「現行制度でも行うことができることを根拠に挙げて、(国庫負担制度を廃止すると)地方の自由度が増すと主張するのはなぜか」(藤田英典国際基督教大教授)
 政府の「三位一体改革」で結論を持ち越された義務教育費国庫負担制度の在り方を議論するため設置された、中教審の義務教育特別部会(委員三十三人)。五月二十五日から既に六回開かれた集中審議では、石井正弘岡山県知事ら地方六団体を代表する委員三人の主張に、他の委員から批判が集中した。
 石井知事らは教職員給与に充てることが決まっている国庫負担金を廃止することで「弾力的な学級編成や教職員配置が可能になる」と主張する。
 だが、学級編成については、四年前に地方の判断で国の四十人基準を下回る少人数学級を実施できるようになった。昨年度からは非常勤講師なども弾力的な配置が認められている。
 安定的に教育費を確保できる国庫負担金をなぜ廃止しなければならないのか。地方側が明確な根拠を示せないことから「三位一体改革で国の補助金を三兆円程度削減するための数字合わせ」(部会委員)と映る。
 このため、議論はなかなか進展しなかったが、ここにきて教員人事権の市町村への移譲という、地方分権を飛躍的に進める方向性が浮上した。
 現在、公立小中学校は市町村が設置するが、教員の人事権は都道府県が握る。給与は国と都道府県が半分ずつ負担し、「責任の所在が非常にあいまい」(総務省幹部)との指摘がある。
 東京都杉並区のように区独自の教育方針を実践できる教員養成に乗り出しても、人事権が都教委にあるため、国に構造改革特区申請しなければ、養成した教員を区内に配置できないという問題も生じている。
 ■重い負担
 人事権を市町村に委ねるという方向性は、部会でも異論がなかった。問題は「人事権と給与負担はセットで議論すべきだ」(地方代表委員の増田昌三高松市長)との建前がある中で、財政難の市町村が費用負担に耐えられるかどうかだ。
 かといって、都道府県への依存度を高めることには「教育への干渉が強まる」として、市町村には抵抗がある。文部科学省側には「国庫負担を維持してほしい」と市町村が音を上げるのを待ちたいという思惑もみえる。
 市町村には、自らが目指す教育施策と、そのための財源確保について、説得力のある説明が求められている。
 ■本年度 暫定的に半分移す
 義務教育費国庫負担制度とは、地方が義務教育費を安定的に確保できるように、四分の三を占める教職員給与の半分を国が財源保障する制度。昨年度の国の負担金は約二兆五千億円。残りの半分は都道府県が負担し、市町村は負担していない。
 国と地方の税財政の在り方を見直す「三位一体改革」で、全国知事会など地方六団体は昨年八月、国の負担金のうち中学校分に見合う八千五百億円を削減する代わりに、地方に相当分を税源移譲し、教職員給与費以外にも使える一般財源にする改革案をまとめた。
 これを受け、政府・与党は昨年十一月、来年度までに八千五百億円を削減する改革の「全体像」をまとめた。ただし、負担金堅持を求めて猛烈に抵抗する文部科学省や自民党文教族に配慮し、本年度は半分の四千二百五十億円を暫定的に地方に移し、正式決定は中教審の結論が今秋まとまるまで先送りした。
6月17日 文科省検討会: 08年度国立大入試、分離・分割方式を継続(朝日新聞)
08年度の入試のあり方を検討してきた国立大学協会(国大協、会長=相澤益男・東工大学長)は16日、都内で総会を開き、前期・後期日程に分けて試験を実施する現行の分離・分割方式を継続することを決めた。各日程での募集人員の設定を自由化するなど、08年度以降も各大学の弾力的運用を認める。
 国大協は昨年度から前期日程への一本化などについて検討してきた。しかし、京大など後期に試験を実施しない大学もある一方、現行方式を維持する大学も多く、改革案はまとまらなかった。
06年度大学院学生募集要項 京都教育大(京都新聞)
京都教育大(京都市伏見区)は15日、2006年度大学院学生募集要項の概要を発表した。学校教育専修・教育臨床心理学コースが新たに臨床心理士受験資格「第1種」に指定され、資格試験受験のために大学院修了後1年間の臨床経験の必要がなくなった。現職教職員の資格取得がより容易になったという。  大学院入試は一般選抜(一般・現職教職員など)が9月17日。募集人員は計70人で、うち3分の一は現職教職員らが対象のB型入試(小論文と専門科目など)。教育委員会などの実務経験者を対象とする社会人特別選抜(若干名)は来年2月12日。  入試説明会は7月2日午後2時から同大学で。詳細はホームページ (http://www.kyokyo-u.ac.jp/)
6月16日 文科省検討会: 情報教育の学習活動について論議(毎日新聞)
今後の「教育の情報化」について検討する文部科学省の「初等中等教育における教育の情報化に関する検討会」の第6回が15日、東京都千代田区で開かれ、「情報教育の内容の充実」について論議した。
 検討会は、小中高校の各段階で、現行の指導要領から「情報教育」の内容を抽出し、分かりやすく体系化するための論議を行なっており、小学校段階は委員の静岡大学の堀田龍也助教授、中学校段階は尚美学園大学の小泉力一教授が「情報教育の目標で分類した学習活動一覧」をまとめている。前回、両委員が提示した「一覧」について議論し、さらに検討会の後に委員に意見を求めた。両委員がそれらの意見をもとに「一覧」を改良、今検討会で提出した。
 体系化は、情報教育の3つの柱をさらに8項目にわけ、項目それぞれに、発達段階ごとに学習指導要領に書かれた活動をあてはめた。さらに、情報教育の観点から必要な学習活動だが、指導要領に書かれていない内容も、「一覧」に書き込んだ。
 8項目は、
▽情報活用の実践力
1.課題や目的に応じて情報手段を適切に活用する
2.必要な情報を主体的に収集・判断・処理・創造する
3.受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
▽情報の科学的な理解
4.情報活用の基礎となる情報手段の特性
5.情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法
▽情報社会に参画する態度
6.社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響
7.情報モラルの必要性や情報に対する責任
8.望ましい情報社会の創造に参画しようという態度
 で、例えば2の「必要な情報を主体的に収集・判断・処理・創造する」には、小学校低学年(1、2年)算数の「物事を整理分類して数え、絵などを用いた簡単な表やグラフなどの形に表す」や、小学校中学年(3、4年)国語の「見学やインタビュー内容の要点をメモに取りながら聞く」があてはまる。堀田助教授は、情報教育の観点から「共通点によって分類することは、情報の整理の基本的な体験となる」「大切な情報がどれかを判断し、後に参照しやすいようにメモを残すことは、情報収集の大切な技能となる」と解説した。
 また、情報教育としては必要な内容だが、指導要領には書かれていない学習活動として、小学校中学年の「キーボードを使って日本語入力をする」、高学年(5、6年)の「インターネット上の情報の特性について知り、状況に応じて書籍や現地調査など他の情報収集の方法と併用する」−−などを挙げた。
 堀田助教授は「実践力に結びつく学習活動を取り上げたが、情報教育には、自分の活動を振り返ったり、どうすればより上手にできるかを考えるモニタリングやリフレクションの能力にあてはまる項目がない。それは小学校段階では、情報の科学的な理解の学習活動と考えられるかもしれない」と述べた。さらに、「『情報社会に参画する態度』の育成は、総合的な学習の時間で扱うのが望ましいが、態度を身につけるために知っておかなければならない知識があり、この知識を教えると、『子供に気づかせる』という総合的な学習の趣旨と合わないのではないか」と問題点を指摘した。
 小泉教授は「前回、中学高校の一覧を作成したが、項目数が多かっため、小学校と同じ8項目に集約し、中学と高校段階を分けた」と説明し、「中学校では、理科や数学の目標や指導上の留意点などに、情報教育の目標が掲げられている。また、『情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法』を身につけるための学習活動で、技術・家庭の『プログラムの機能を知る』『コンピューターを用いて簡単な計測・制御ができる』が(必修ではなく)選択だ」と指摘した。
 委員からは「中学校は教科担任性なので、教科の中に情報教育のどんな内容が含まれているか、技術・家庭でどの内容をカバーしているのかが知りたいところではないか」「情報の収集、判断、表現などが、ひとつずつ学習活動のキーワードとして取り上げられているので、それらが一連の活動であるということを明記した方がいい」「小学校段階では、絵や字から情報を取得すること、図工などで色を混ぜることなどが、情報の科学的な理解をする学習活動になる」「情報教育の内容で、教科の学習にないものすべてを総合的な学習に入れてしまうと、総合的な学習の時間が情報教育にばかり使われることになる」といった意見があり、座長の清水康敬・メディア教育開発センター理事長が「現行の指導要領に沿って体系化すること」「情報教育を推進するため、教員に分りやすい資料にすること」を確認した。
 また、文部科学省の情報教育担当者連絡会議で、情報教育を担当する指導主事らを対象に行なったアンケート調査の結果が発表された。「情報教育を実施するうえで障害となっていること」を自由記述で聞いたところ、「生徒の個人差」に関する回答が中学、高校ともトップだった。また、高等学校教育課程連絡協議会でも、同じ趣旨のアンケートを行った結果、指導上の課題として「新入生のスキル差」がもっとも多く挙がった。
 次回の検討会は7月22日に行われる。【岡礼子】
前回の議事録 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/027/gijigaiyou/05060301.htm
6月15日 英の小中学校、長時間の託児計画・8時から18時まで(日経新聞)
英国のケリー教育相は13日、2010年までに全国の公立小中学校で最長で午前8時から午後6時まで子供を預かる計画を発表した。働く親の支援策で、「カギっ子」をなくし非行防止にもつなげる。授業前後の時間はボランティアや民間企業を活用し、クラブ活動などを行う。
 教育相は「すべての14歳以下の子供が希望すれば、朝食や放課後のクラブ活動などに午前8時から午後6時まで参加できるようにする」と述べた。今後2年間で6億8000万ポンド(約1330億円)の予算を組み、小中学校での取り組みを後押しする。
来夏は涼しく勉強 小中の冷房化京都市教委、2年前倒し全校に(京都新聞)
京都市立小中学校の冷房化を進めている京都市教委は、当初計画を2年早めて、来年夏までにすべての普通教室に冷房機器を設置する。各校が夏休みを短縮して授業日数を増やす中、冷房化を急いで子どもたちの快適な学習環境を整備する。市教委は昨年度、全小中学校の普通教室冷房化方針を決め、2008年までの5年間で、設置済みを除く小中学校計217校、約3360教室に冷房機器を設ける計画を進めていた。
 ゆとり教育で減った授業時間数の確保を目指してすべての市立小中学校が夏休みを減らして授業を行うなど、夏場の学習環境づくりが急がれることから、計画を2年繰り上げて冷房化を終えることにした。
 04、05年度で中学校61校、06−08年度で小学校156校の冷房化を順次進める予定だったが、小学校の工事については民間の資本や技術力を活用する「PFI方式」で一括契約することで、06年8月までに全校の冷房化を終えることにしている。13年間の冷房機器維持管理費も含めた総事業費は61億円の予定。
 市教委教育環境整備室は「従来計画では、学校間で冷房化の完了時期に差ができる課題があった。早期に冷房化を終え、学校教育の充実を図りたい」としている。
6月14日 「もっと勉強しておけば」中高生7割後悔ベネッセ調査(朝日新聞)
中高生の7割以上が「もっときちんと勉強しておけばよかった」と後悔していることが、ベネッセ教育研究開発センターの調査でわかった。約6割が学習意欲が低いという結果も出た。センターは「中学生になった途端、勉強に戸惑う子どもが多い。この『中1プロブレム』の対策を考える必要がある」と分析している。
 昨年11〜12月、全国の小学4年〜高校2年生を対象に調査し、約1万5000人が回答した。
 勉強の取り組み方について、中高生の回答は「今までにきちんと勉強しておけばよかった」、「上手な勉強の仕方がわからない」の順に多く=グラフ(1)=、それぞれ中学生になって急増していた。半数以上が「勉強しようという気持ちがわかない」「どうしてこんなことを勉強しないといけないのか」とも答えた。
 勉強時間は、高校受験を控えた中学3年生は増えるが、その他の学年では学年が上がるにつれて、「ほとんどしない」と「2時間以上」に二極化する傾向があった=グラフ(2)。
 一方で、小中高生の約7割が「好きで熱中していることがある」、「やる気になればどんなことでもできる」と答え、将来を前向きにとらえている様子もうかがえた。
 携帯電話の所持率は高校生92.8%、中学生45.3%、小学生18.9%。男女別に見ると、全学年で女子が男子を3〜13ポイント上回った。
 睡眠について聞くと、午前0時以降に寝る割合は小学生で7%だったのが、中学生45.4%、高校生で69.4%に。睡眠時間の平均は小5が8時間19分、中2が7時間13分、高2が6時間14分だった。
専任教員の4割を実務家に教職の専門職大学院(京都新聞)
教員養成の専門職大学院創設を検討している中教審のワーキンググループは13日、専任教員の4割以上を豊かな経験を持つ「実務家教員」とし、高度な授業力のあるベテラン教員やカウンセリング方法を教える医師ら多様な人材を充てることで一致した。
 実務家教員は法科大学院が「2割以上」、それ以外の専門職大学院が「3割以上」とされており、教員養成の専門職大学院はこれを上回ることになる。文部科学省は「教職の大学院では理論より実践を教えることが大切だ。具体的な経験を持つ人に教えてもらいたい」としている。
 文科省がワーキンググループに提示した素案などによると、教員や指導主事が実務家教員の中心。ほかに、子どもの問題行動に詳しい家裁の調査官が生徒指導を教えたり、民間企業の経験者が組織運営のノウハウを伝えたりすることも考えている。
6月13日 群馬県教委作成「子どもルール本」、米国人著作と酷似 (読売新聞)
群馬県教委が小学生に無料配布するために作成した小冊子「ぐんまの子どものためのルールブック50」の内容が、米国人教師の著作と酷似していることが分かった。
 県教委は「アイデアを借りたもので盗用ではない」としているが、県民から指摘があるまで、参考にした著作があったことを明らかにしていなかった。
 小冊子は、昨年末に県民から募集した1736点から「だれも仲間はずれにしない」「きれいにあとかたづけをしよう」など50のルールを選んで作成された。
 しかし、構成は、米国人教師ロン・クラークさんが著した「みんなのためのルールブック」(亀井よし子訳、草思社)とそっくり。いずれも50のルールを理由とイラスト付きで紹介、うち15がほぼ同じだった。
 クラークさんの「しかられている人のほうを見ない」に対し、小冊子は「しかられている友だちをジロジロ見ない」。「相手の目を見て話そう」は「相手の目を見て話をしよう」、「もらったプレゼントに文句を言わない」は「人からもらった物に文句を言わない」などとなっている。
 こうした内容について、県民から「あたかも自分たちのアイデアのように前面に押し出すのは問題では」との指摘が寄せられた。
 指摘に対し、県教委総務課は「著作権情報センターに問い合わせたところ、『アイデアならば盗用ではない』とのことだった。宣伝になってしまうとも考え、草思社側と連絡も取らず、クラークさんの名前も出さなかった」と説明している。
 草思社の編集担当者は、営利目的でないとして問題視しない考えだが、「多くの教育委員会から部分的な引用について問い合わせがあるが、丸ごと冊子を作ったというのは初めて聞いた」と話している。
 文化庁著作権課は「アイデアを使う分には別の著作物と認められ、著作権法には触れない。ただ、提訴される場合もあり、出版社の許諾を取った方が確実ではないか」と指摘している。
6月12日 地方大、医学部入試に「地元枠」 (日経新聞)
地域医療に取り組む医師不足を解消しようと、医学部の推薦入試で「地元枠」を設ける大学が増えていることが11日、文部科学省の調べでわかった。今年度は7大学、来年度は新たに6大学が導入する。地元で一定期間の勤務を義務づける奨学金制度を創設する自治体も増加。医師は増え続けているのに都市部に偏る傾向があるためで、大学と自治体は一体となって医師の確保に取り組んでいる。
 大学関係者などによると、地方の医師不足の一因は、大学の医学部生に地元出身者が少ないこと。都市部出身の卒業生が地元に戻るケースも目立つという。弘前大(青森)の調査によると、県内出身者の卒業生の6割が県内にとどまるのに対し、県外出身者の卒業生は3割しか残らない。
京都府教委と包括協定調印 佛大、教員養成など連携(京都新聞)
教員養成や高大連携などのテーマに連携して取り組もうと、京都府教委と佛教大が10日、京都市上京区の府教育庁で包括協定書の調印式を行った。府教委と府内の大学との協定は、京都教育大に次いで2校目。
 調印式では、府教委の田原博明教育長と佛教大の福原隆善学長が署名した協定書を交換した。
 田原教育長が「子どもたちに人間力をつけなければならない教師側の人間力が問われている」として、教員養成での大学との連携に期待を込めると、学校へのインターンシップに取り組んでいる佛教大側も「学校現場に送り出し、実践力をつけることが大切」と応じた。大学での教育内容につなげる高大連携の在り方や、IT(情報技術)を活用した遠隔地授業についても意見を交した。
6月10日 子どもの学力を考える 野洲で研究発表大会(京都新聞)
県総合教育センターの定期研究発表大会が9日、滋賀県野洲市北桜の同センターで2日間の日程で始まり、「学力問題」をテーマに保護者や教諭らがパネル討論を行った。
 討論には、県PTA連絡協議会の安藤博副会長、日野中の大澤美智代教諭、蒲生北小の町釋惠教諭、県学校教育課の本田充参事の4人が参加。学力低下について安藤副会長は「今の通知票は絶対評価で、(1学期と2学期の)成績を見比べても学力低下の実感はわかない」と話した。
 学力の定義については、大澤教諭が「学びに向かう力、教科の学力、生きる力」と三段階に分類し「日野中では、家庭学習が30分以下の生徒が6割に上る。学習意欲を失いかけた生徒の相談に力を入れている」と説明。本田参事は「困難を打開する力が学力。教師は子どもと一緒に悩み、喜ぶ姿勢が大事」と述べた。
 続いて、進行役の住岡英毅滋賀大教授が講演し、「近年の学力低下の論議は検証が足りず不毛だ。しかも、総合学習がだめとか、大事とか、二者択一の話になっている」と指摘。その上で「教育は感性や情操も大切だし、知識や技能も大切で、学力や生きる力をはぐくむには、あれもこれものバランスが大事」と訴えた。
6月9日 広島大が授業入試を導入「物理の広大」再び (朝日新聞)
かつて京都大とともに国内の理論物理研究をリードし、「物理の広大」とも呼ばれた広島大学が来春入学する学生の選抜で、宇宙・天文や素粒子に興味がある高校生を対象に、実際に授業を受けてもらって選ぶ「ゼミナール選考」を実施する。今月中に志望者を募り、9月に合格者を決める。文部科学省によると、こうした入試は全国でも数例ほど。大学側は「学習意欲にあふれた学生を、世界で活躍する研究者に育てたい」という。
 広大の前身の一つである広島文理科大は1944(昭和19)年、理論物理学研究所を設置。原爆投下でいったん壊滅状態になりながらも復興し、京大の基礎物理学研究所などと国内の研究で中心的な役割を果たした。両者は90年、京大の研究所として統合されたが、大学別論文引用度ランキング(00〜04年)の物理分野で、広大は9位に入っている。
 理学部物理科学科が02年度から続けている小論文と面接による「AO入試」の一環。受験生の学習意欲や興味をじっくり評価しようと導入する。担当の杉立徹教授(クオーク物理学)は「広大の物理の研究水準の高さはあまり知られていない。広大で学びたいという学生を集めたい」と話す。
 出願は20日から24日まで。志願者は7月16日に相対論、素粒子論などの講義を受け、リポートを提出。30人程度にしぼられた後、8月19、20日に実験、討論などがあり、合格者5人が決まる。問い合わせは、広大入学センター(082・424・6185)へ。
6月8日 日本語の語彙力:私大生の19%「中学生並み」 (毎日新聞)
大学生の語彙(ごい)力が低下していることが、大学、短大の中堅校を対象にした調査で分かった。独立行政法人メディア教育開発センター(千葉市)が実施し、私立大1年生の19%、短大1年生の35%が「中学生レベル」と判定された。補習や授業で「日本語技法」「日本語コミュニケーション演習」などを開講する大学が増えているが、調査はこうした大学側の不安を裏付けた。
 同センターの小野博教授らは02年、中・高校生約20万人に予備調査を実施。この結果に基づいて、日本語力を「中1」から「高3以上」までの6レベルに分けた。
 一方、「読む・書く・話す」といういわゆる「日本語力」は、語彙の豊富さから類推できるため、今回の調査用に75の言葉の意味を選択肢から選ぶマークシート方式の「日本語力判定テスト」を作成。19大学、6短大と国立高等専門学校の計26校の昨春の新入生7052人に、このテストを受けてもらい、予備調査結果と照らし合わせてレベルを判定した。
 その結果、「鶴の一声」「露骨に」などの意味が分からない「中3レベル」以下の学生の割合は、国立大(3校)で6%、私立大(16校)で19%に上った。短大では35%と、3人に1人が中学生レベルだった。国立高専は4%にとどまった。
 大学の授業を理解するには、高校レベルの日本語力が必要とされる。98〜00年に実施した同様の調査では、中学生レベルの割合は国立0.3%、私立6.8%、短大18.7%。語彙力の低下ぶりが目立つ。
 小野教授は「ゆとり教育、活字離れに加えて、学科試験を課さないAO入試や推薦入学など大学入試が多様化したため、私立大では多様な学生が混在する状況だ。短大も日本語の補習なしでは授業が成り立たなくなる心配がある」と指摘する。【元村有希子】
  ◇各レベルの代表的な例題◇
(正しい意味を五つの選択肢から選ぶ)
<中1>重視 (1)重たいこと(2)大事だと考えること(3)目が疲れること(4)見えにくいこと(5)じっと見ること
<中2>さじを投げる (1)ひどく怒る(2)乱暴な様子(3)非常識(4)あきらめる(5)好き嫌いをする
<中3>一目置く (1)周囲をみわたすうちに目を留める(2)検分していた目を休める(3)大勢で特定の人物を凝視する(4)相手の目をじっと見て真意を確かめる(5)相手を自分より優れたものと認める
<高1>露骨に (1)ためらいがちに(2)おおげさに(3)あらわに(4)下品に(5)ひそかに
<高2>奔走する (1)逃げ出す(2)競争する(3)忙しく立ち回る(4)無駄な努力をする(5)大変な目にあう
<高3以上>嫡流 (1)激しい流れ(2)正当な流れ(3)清らかな流れ(4)よどんだ流れ(5)亜流
<同>憂える (1)うとましく思う(2)たじろぐ(3)喜ぶ(4)心配する(5)進歩する
<同>懐柔する (1)賄賂(わいろ)をもらう(2)気持ちを落ち着ける(3)優しくいたわる(4)手なずける(5)抱きしめる
=答えは上から順に(2)、(4)、(5)、(3)、(3)、(2)、(4)、(4)
センター試験に強敵?NPOが全国一斉入試に参入表明 (朝日新聞)
これまで大学入試センターの独壇場だった全国一斉の入試に、NPO法人が7日、今年度からの新規参入を表明した。「センター試験は選抜の論理が優先されすぎている」として、高校卒業程度の基礎が身についているかを判定する出題内容になる。1月のセンター試験とは時期をずらして、10月に実施する予定。推薦入試などの参考資料にしたいとする一部の大学・短大がすでに採用を決めているという。
 「全国統一学力判定試験」の実施を決めたのは、NPO法人「教育制度研究フォーラム」(会長=中島章夫・元文部省官房審議官)。出題教科は国・数・英・理・社の5教科で、マークシート方式を採用する。
 同フォーラムによると、関東地方の6大学・短大が正式採用を決めた。各大学へのアンケート結果から、今年度は最終的に30〜50校の利用を見込んでいる。一方、約50の高校が学校ぐるみでの受験を伝えてきているという。
 少子化が進む中、各大学とも推薦入試などで早めに優秀な学生を確保する動きが活発だ。同フォーラムは、「学力水準の保証のために、高校からの推薦に加えた判断材料として利用する大学は多いはず」とみている。
 センター試験の志願者は約57万人。同フォーラムは、初年度は1万人、将来的には10万人の受験者を目標にしている。
 今年度は7月4日に出願の受け付けを始め、全国28都道府県の会場で10月9日に試験を実施。初年度の受験料は5千円(3教科以上受験)とし、来年度からはセンター試験並みの1万数千円にする。
 松川誠司・文部科学省大学入試室長の話 各大学が選抜に有効だと判断して利用することはあるだろう。選抜に使われる試験であれば、信頼性・公正性が保たれることが必要だ。
「性差解消教育、はびこっている」中山文科相が批判(朝日新聞)
中山成彬文科相は5日、宮崎県西都市で開かれた教育関連のフォーラムに出席し、「教育の世界においてもジェンダーフリー教育だとか過激な性教育とかがはびこっている。日本をダメにしたいかのようなグループがある」と述べ、文化的・社会的に形成された性差の解消を目指すジェンダーフリーの教育などを批判した。
 フォーラムは日本青年会議所九州地区宮崎ブロック協議会が主催。中山文科相は「私たちはこれからの日本で生きていく子どもたちを素直に育てたい。できれば世の中のために貢献できるようになってほしいと思っています」と続けた。
6月7日 医学部への進学、全科類に開く東大、来年度から (朝日新聞)
東京大学は来年度入学生から、自由度を増した進学振り分け制度を導入する。基本的に理科2、3類の学生としている医学部医学科への進学を、文系も含め他の科類出身者にも認める。逆に理系からも法、経済学部などへの進学が可能になり、すべての科類から全学部へ進むことができる。一方で、学部には定員があるため、今後は、理3出身でも医学部へ進めない学生が出ることにもなりうる。
師力向上へ修業2年の専門大学院…中教審が構想(読売新聞)
中央教育審議会のワーキンググループは6日、高い専門性を持った教員を養成する「専門職大学院」の基本構想をまとめた。
 修業年限は原則2年とし、現職教員の再教育や即戦力となる新人の育成などを担うほか、教壇に幅広い人材を迎えるため教員免許を持たない社会人も受け入れる。修了者には「教職修士(専門職)」(仮称)などの学位を与え、給与面などで優遇するほか、新人教員は初任者研修を免除するなどの措置を取る。
 2007年4月の開校を目指し、関係規定を改正する。
 専門職大学院の設置は中山文部科学相が昨年10月、中教審に諮問した。指導力不足など教員の「質」が問題になる中、子どもたちの学習意欲の低下やいじめ、不登校などの問題に対応できる力量を備えた教員を幅広く育成するのが目的。
 基本構想はまず、大学の教員養成の現状について、「講義が中心で、演習や実習が不十分」「教職経験者による指導が少ない」など、学校現場の実態やニーズとかけ離れた教育が行われていると指摘。40歳代〜50歳代前半の大量採用世代が将来、一斉に退職するのを控え、「量と質の両面から優れた教員を養成・確保することが極めて重要」と提言した。
 そのうえで、新設される専門職大学院には、〈1〉各地域で指導的立場を担う教員や、管理職になるような教員を育成する〈2〉学部新卒者を「即戦力」として育てる〈3〉教員免許を持たない社会人も広く受け入れる――などの役割を求めた。
 修業年限は原則2年だが、教員免許のない社会人に対応するため、専門職大学院に在学しながら学部の教職科目も履修できる「長期在学コース(3年)」を設けることも可能にする。
 教育内容については、教材研究や授業計画、生徒指導などを全員が学ぶ「共通科目」とし、心理学や集団学習論などの「コース別選択科目」も設ける。必要に応じて現地調査や実務実習なども行う予定で、指導者には経験豊富なベテラン教師らを「実務家教員」として充て、子どもたちの非行問題などに精通した家庭裁判所の調査官経験者らを採用することも検討中だ。
 ワーキンググループはさらに議論を深め、来月中に中間報告をまとめる。
6月6日 「性差解消教育、はびこっている」 中山文科相が批判 (朝日新聞)
中山成彬文科相は5日、宮崎県西都市で開かれた教育関連のフォーラムに出席し、「教育の世界においてもジェンダーフリー教育だとか過激な性教育とかがはびこっている。日本をダメにしたいかのようなグループがある」と述べ、文化的・社会的に形成された性差の解消を目指すジェンダーフリーの教育などを批判した。
 フォーラムは日本青年会議所九州地区宮崎ブロック協議会が主催。中山文科相は「私たちはこれからの日本で生きていく子どもたちを素直に育てたい。できれば世の中のために貢献できるようになってほしいと思っています」と続けた。
6月4日 先生志願者、都市に集中?人事権の中核市移譲で (産経新聞)
都道府県と政令市に限られている公立小中学校教職員の人事権について、文部科学省は2007年度にも人口30万人以上の中核市に移す方向で検討を始めた。実現すれば、市内に限定した人事異動や独自の教員採用が可能になるが「志願者が都市部に集中し、過疎地では人材難になる」と懸念する声も出ている。
 市町村立小中学校の教職員は、都道府県が採用、異動、懲戒などの人事権を持ち、服務監督権は市町村にある。
 中核市には教員研修の権限もあるが、中核市教育長連絡会などは「せっかく育てた教員が市外に出て行ってしまう。現場に近い自治体が人事権も持つべきだ」と二重構造の解消を求めてきた。
 文科省は来年の通常国会に法律の一部改正案を提出する方針で、07−08年度を権限移譲の移行期間とすることを検討中。将来は人口20万人以上の特例市への付与も想定しており、都道府県の人事権は小規模な市町村に限定される見通し。
 石川県の金沢市教委は「政令市ほど目立った権限のない中核市にとって、教員の人事ができる意義は大きい。金沢に愛着を持った教員を育てられる」と歓迎する。
 しかし、異動の範囲が制約されることに都道府県は困惑気味だ。
 約3割の教員が離島で勤務する長崎県は、4年間の離島勤務が原則。県教委は「中核市の長崎市が抜けると全県的な人事が回らない。教師には過疎地で子どもと接する経験も必要ではないか」と訴える。
 1989年に政令市となり、単独で教員の異動を行っている仙台市。宮城県との交流人事も実施しているが、希望を募ると、市から県への出向希望者は数人なのに、県から市へは100人を超えるという。
 「独自に採用をすれば志願者が市に偏る恐れがある」(市の担当者)として、政令市に移行した後も採用は県との合同方式で実施している。
 今春政令市になった静岡市は、県と協力して全県的な異動を続ける方針だが、新規採用者は独自性を持たせるため市内の異動を優先するという。
 文科省は「市町村の主体性を高めることと、すべての市町村で教員の質を確保することの折り合いが重要。バランスの取れた制度設計を考えていきたい」としている。(共同)

 ■中核市 1994年に改正された地方自治法で創設された。政令市以外で規模が比較的大きな都市の事務権限の強化が目的。人口30万人以上、50万人未満の場合は面積100平方キロ以上であることが要件。96年4月1日に12市でスタートし、現在は35市になっている。(共同)
著作権: 著作者には最大限の敬意を(毎日新聞)
学などでeラーニング化の取り組みが進んでいる。大学内のコンテンツ制作が進むにつれ、授業や講義をビデオ録画したり、教材に著作物を引用したりする時の著作権処理が課題になっている。2日、東京臨海副都心の東京ファッションタウンビルで始まった「New Education Expo2005」では、高等教育改革や教育の情報化が取り上げられ、社団法人コンピュータソフトウエア著作権協会(ACCS)の久保田裕事務局長が「eラーニングコンテンツ制作と著作権」のテーマで、実務上の注意や著作権の考え方について説明した。
 久保田さんは、著作権法について「コピーしてはいけない、送信してはいけない、という禁止規定ではない。著作権者の権利を侵してはいけないということで、著作権者から許諾を得ればいい。ここがポイントだ」と、著作権の基礎を説明した。
 さらに「あまり神経質にならない方がいい。法律には解釈の余地はある。やむを得ない事柄まで罰したりはしない。ITの発達で、人間の能力を超える事態も起きていてる。例えばセキュリティはどこまでやっても万全ではない。注意義務は尊重すべきだが、実際にできることと注意義務とバランスで考えよう。バランスを取るためには、契約やガイドラインで処理しよう」と実際的な運用をアドバイスした。
 許諾を取ることの大事さにも言及。「学校はビジネスの場所ではないので、許諾を得やすい。基本的には許諾を取る方がいい」と述べ、「部活でミュージカルの脚本を無断で使っていた学校があった。その学校の校長が私の講演を聞いたあと、劇団に許諾を求めたら、許諾してくれただけでなく、喜んでアドバイスなどいろいろなサポートをしてくれたそうだ」と話し、許諾を求めることで、著作権者からメリットを提供される機会も増え、副次的に得られる情報が多い、と話した。
 また、「著作権法は表現の自由を経済的に担保している唯一の法律だ」と指摘、違法なコピーや送信によって表現者が収入を失えば、表現を続けることが出来ないと指摘。「表現を続けるためには、経済的な支えが必要だ。著作権法があるのは、著作者の権利、経済的な利益を守ることが、文化の発展のために必要だからだ」と述べた。
 大学で教員の授業をコンテンツ化し、著作権を大学に移転する場合でも、「著作者には最大限の敬意を払うべきだ。大学が授業をコンテンツ化し、著作権を大学に移す場合でも、教員に敬意を払いながら著作権移転の契約を行なうべきだ」アドバイスし、最後に「著作権法はモラルでなく、ルールだ。法律の条文の解釈の問題があるので、35条など関係のある条文は必ず読んで下さい」と訴えた。【平野秋一郎】
6月3日 昨春の早稲田中入試でミス、全員正解措置は取らず(読売新聞)
早稲田大系列の早稲田中学校(東京都新宿区)が昨年実施した入試の算数で、誤った図形を示して解答させる出題ミスのあったことがわかった。同校は「問題の不備を疑いながら解いた小学生があったとは考えにくい」として、全員を正解扱いにする措置は取らなかった。
 ミスがあったのは、昨年2月に2回実施された入試のうちの第1回試験。982人が受験し、最終的に246人が合格した。
 問題では、正六角形の1つの頂点が他の辺に重なるように折り曲げた状態で、図上の角度を求めさせた。
 ところが、実際は正六角形を出題のように折り曲げても頂点は辺に届かない。あえて重ねると正六角形をちょうど半分に折ることになり、求める角がなくなってしまうが、同校は正解を「60度」として採点していた。
 出題ミスは最近になって読売新聞に寄せられた情報から判明し、早稲田中学では今年5月下旬、数学科教員で緊急会議を開いてミスと判断した。
6月1日 教諭が酔って女子部屋侵入名大付属高、処分放置(京都新聞)
名古屋大付属高校(名古屋市、吉田俊和校長)で昨年11月、修学旅行の際、男性教諭が酒に酔って未明に女子生徒の部屋に侵入するなどのセクハラ行為をしていたことが31日、分かった。
 吉田校長は「人事権のある大学側に早く処分するよう何度も求めた。このままでいいとは思っていない」と話しているが、大学側は約半年たっても処分していない。教諭は授業からは外れているが、勤務している。
 同校などによると、昨年11月中旬、当時の2年生が沖縄県に修学旅行した際、男性教諭は酒を飲んだ後、午前零時を過ぎて女子生徒2人の部屋に入るなどした。
 生徒が「非常に不快に感じた」として高校側に訴え、12月以降、名大のセクハラ相談所で取り扱いが協議されたが、教諭は処分されないままになっている。(共同通信)
女子トイレ盗撮目的で侵入福井、男性教諭逮捕(京都新聞)
福井県警今立署は31日、勤務先の中学校の女子トイレに侵入したとして、建造物侵入の疑いで、同県武生市白崎町、中学教諭藤井雅昭容疑者(39)を逮捕、自宅を家宅捜索した。
 藤井容疑者は「盗撮するためにトイレに入り、ビデオを置いた。申し訳ない」と容疑を認めているという。
 調べでは、藤井容疑者は28日、勤務している同県今立町の町立中学校の女子トイレに盗撮目的で侵入した疑い。トイレの個室の外に黒いポリ袋に入れたビデオを設置、撮影したという。
 今立署はビデオテープを調べるとともに、余罪についても追及する。
 校内を巡回中の男性教諭が28日午後2時ごろ、ビデオを発見し、学校側が調査。藤井容疑者は同日から自宅謹慎しており、学校側が31日、同署に届けた。
 藤井容疑者は音楽を担当。1年生の担任で、ブラスバンド部の顧問。(共同通信)

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