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| 11月30日 |
教員免許更新制 現場に戸惑いと不満 「導入ありき」に疑問相次ぐ (1/2ページ)
(産経新聞) 平成21年度に導入される教員免許更新制に、現場の教員の間に疑問や不満が広まっている。10年ごとの更新時講習は、初めに導入ありきで決まっただけに意義が十分伝わってない上、具体的な内容が固まっていないからだ。文部科学省は教育関係団体に説明、意見聴取したところ、注文が相次いだ。「屋上屋を架す」ような講習に多忙感が募っている現場が納得するのかと意見も出てきそうだ。(櫛田寿宏) ■かみあわぬ議論 18日、横浜市内で開かれた渡海紀三朗文科相との「国民との対話集会」には現場の教員ら教育関係者が数多く参加した。 横浜市内の小学校教諭は「教師にとって研修は大事なもので日々参加している。更新講習では最新の知識を学ぶというが、これまでも研修で学んできた。これからは10年に1度の研修を待たないと最新の知識は得られなくなるのか」と疑問の声を上げた。別の教師からは「教師の身分にかかわる研修が行われるとなると、安心できなくなり、子供と向き合う時間が一層減る」と指摘する意見も出た。 更新制度の情報の少なさに対する不満もある。熊本県から来たという県教委職員は「大学でやるというが、それ以外でもいいというし、イメージが全くわかない」と戸惑いを隠さない。 これに対し、渡海文科相は「意味のない研修にはしない」などと答えたが議論はかみ合わなかった。 ■あいまいな意義 文科省によると、更新講習は主に大学が担当。教員に関係する最新情報を学ぶ「必修」に12時間、課題に合った能力を高める「選択」に18時間を充てる方針だ。 選択では、例えば子供の気持ちを深く理解するために心理学を通じてカウンセリング技術を学んだり、より深みのある科学の授業を行うために科学思想史を学ぶことが想定される。 文科省では「更新講習は授業の質を高めるだけでなく、参加した教員が大学の教員と接点を持ち、良き相談相手と出会う機会にもしたい」としている。 教育再生会議では当初、更新制度を不適格教員排除の手段として提言していた。だが、中教審の審議の中で、教員の資質向上のために「講習で最新の教育事情を学ぶ」としたため、性格があいまいになってしまった。 都内の副校長は、再生会議や中教審の議論を「教員は勉強していないと思っているのではないか。初任者(1年次)、2、3、5、10年次にそれぞれ研修があり、20年次研修も始まった。教科や領域、校務でも研修があり、わずかな更新講習より勉強になる」と憤る。 教員免許更新制 現場に戸惑いと不満 「導入ありき」に疑問相次ぐ (2/2ページ) (産経新聞) ■拙速への反発? 文科省は、全国連合小学校長会など教育関係27団体に、これまでにまとまった実施案を提示した。 修了認定には試験を行い、結果を5段階で評価し60点未満は認定しない方針だ。これに対し「合否の2段階での評価とするなど評価基準を検討すべきだ」(中核市教育長連絡会)などと批判が集中。文科省は「公平性を担保するため5段階の基準を示したのであり、修了認定自体を5段階に分けて行う意図はない」と早くも転換している。 講習は都道府県教育委員会などでも開設できる。日本教育大学協会は「教委による講習では、講習成績がそのまま教員の評価として利用されるのではないか」と懸念を示した。文科省は「講習の修了認定と教員評価は別の制度」との見解だ。 教員の間には日々の仕事での多忙感があり、負担が増えるとして全国特殊学校長会は「学校運営に支障なく受講できるような配慮してほしい」と要望するなど、拙速な導入への反発・反動ともいえそうな注文が相次いでいる。 ◇ 【用語解説】教員免許更新制 教育基本法改正を受けた教育3法の1つ「教員免許法」の改正で21年度から施行される。同年度以降に発行される教員免許は有効期限が10年となる。30時間以上の更新講習を受け、試験などで修了認定された場合のみ更新できるようにした。それ以前の教員免許に有効期限はないが、同様に10年ごとに受講、認定されないと失効する。更新講習は大学のほか、都道府県教委の教育センターや放送大学、インターネットなどでできるように検討されている。 「理科の応用力」日本は6位 OECD調査 (朝日新聞) 経済協力開発機構(OECD)が昨年実施した、15歳を対象とした国際的な学習到達度調査(PISA)の「科学的リテラシー(応用力)」の分野で、日本は参加した57国・地域中、6位で世界的には第3グループに位置していることが29日わかった。 科学的リテラシーを重点的に調査したのは初めてで、参加国も増えたため単純比較は難しいが、日本は前回の2003年調査では41国・地域中2位。1位は前回も今回もフィンランドだった。 調査はOECD加盟国の平均点が500点になるように調整されている。今回は、日本の531点に対し、フィンランドは563点、2位の香港は542点。3位のカナダから7位のニュージーランドまで4点差。フィンランドと香港の二つが突出して良く、日本はそれに続くグループに入る結果となった。 科学的リテラシーは、日本の教育課程では理科中心の内容。さらに、PISAでは、知識や技能を実生活で活用できるかや、論理立てて考える力が身についているかも調べる。 PISAは00年から3年おきに実施され、科学的リテラシーのほか、読解力や数学的リテラシーも調べている。OECDは12月4日夕方(日本時間)に世界同時に公表する予定だったが、スペインの教育専門誌が結果の一部を報じたため、科学的リテラシーの順位と得点を発表した。残り2分野の結果や今回の問題などは予定通りの日程で公表するという。 日本の「科学的応用力」6位転落…OECD学習到達度調査 (読売新聞) 経済協力開発機構(OECD)が昨年、世界の15歳を対象に実施した国際学習到達度調査(略称PISA)で、日本は2003年の前回調査で2位だった「科学的応用力」が、6位に転落したことがわかった。 加盟国平均を500点に換算すると、日本は531点。前回に引き続きトップだったフィンランドと比べると、32点も下回り、「技術立国ニッポン」を支える若い世代の科学力の低下が浮き彫りになった。 PISAは3年ごとに実施されており、昨年が3回目。OECDの加盟国を中心とする57の国・地域の15歳の男女40万人を対象に、<1>読解力<2>数学的応用力<3>科学的応用力――の3分野で実施された。日本の受験者数は公表されていない。 今回、日本の得点は前回より17点も下がっており、ベスト10内の他の国・地域がほとんど得点を伸ばす中で対照的な結果になった。 今回の調査結果は来月4日に世界同時発表される予定だったが、スペインの教育専門紙が29日に科学的応用力の国別順位をインターネットで公表したことから、この分野のみ前倒ししてOECDが公表した。3分野全体の結果は予定通り来月4日に公表される。 (2007年11月30日0時27分 読売新聞) | ||
| 11月29日 |
大学院:博士定員見直し質の確保を 政府有識者会議が提言 (毎日新聞) 政府の総合科学技術会議(議長=福田康夫首相)の有識者議員8人は28日、国際的に活躍できる研究人材を育てるには、大学院博士課程の定員を見直し、入学者の質を確保する必要があるとの提言をまとめた。日本は科学技術を支える人材確保のために大学院の定員を大幅に増やしたが、提言は量から質への転換を促し、実情に応じた定員削減も求めた形だ。博士課程修了者を短期間の任期付きで研究職に付ける「ポスドク」支援も、「博士号取得後5年程度に限るべき」だとしている。 文部科学省の学校基本調査によると、90年に約6200人だった博士課程修了者は、06年に約1万6000人に達した。しかし、定職に就けない博士課程修了者が問題化していた。 提言は、日本の大学院や博士課程の現状について「人材の国際的循環から疎外されている」「量的拡大に質的充実が追いついていない」と指摘。博士課程進学時の「入り口管理」を徹底し、研究者以外の多様な進路を前提とした幅広い教育を文科省や各大学に求めた。 また、ポスドク支援の期間限定で、博士課程修了者が早めに進路を見極める自覚を促すという。【西川拓】 毎日新聞 2007年11月28日 23時23分 名工大と名市大が連携へ 院の共同設置など“全面協力” (中日新聞) 名古屋工業大(名古屋市昭和区)と名古屋市立大(同市瑞穂区)が、共同で大学院を設置することなどを目指し来月5日、連携協定を結ぶことが分かった。研究や教育、学生・教職員の交流などあらゆる面で協力を強化する。 国立大学法人化以降、大学の生き残り競争が激しくなる中、東海地方でも名古屋大と名城大などの3私大が創薬科学研究科設置を計画するなど、大学間で連携を模索する動きが加速している。 工学系の単科大学の名工大と、6学部を持つ総合大学として特に医・薬学分野で強みを持つ名市大が、互いの個性を発揮し、補完しながら質の高い教育研究活動を進めるのが狙い。 今月22日から互いの研究特色を知る教職員間のセミナーを開催。現在、政府が打ち出した「骨太の方針」の下で仕組み作りを進めている共同の大学院設置や学生の共同募集、施設の相互利用、産学連携事業の共同実施など具体的な方策を検討する。 両大とも名古屋市内でキャンパスも近いという利点もあり、2001年には名工大工学研究科と名市大芸術工学研究科で単位互換協定の提携をしたほか、共同で国の科学研究費補助金を申請するなど緊密な関係にあった。 携帯電話で講義受講、「サイバー大学」で来年4月から (読売新聞) 全国で唯一すべての講義をインターネット配信で実施している「サイバー大学」(福岡市)は28日、携帯電話でも講義を見ることができるシステムを来年4月にも導入すると発表した。 電車での移動時間などの空き時間に受講できる“携帯キャンパス”が誕生すれば、多忙な社会人にとって学習の機会が増えることになる。 同大によると、国内の大学では初の試み。 今年4月に開校した同大は、教室を持たない代わりに、全講義をネット上で配信しており、約1800人の学生は、都合のいい時間に、パソコンで受講する通信制を採用している。携帯電話への配信もほぼ同じ内容で、携帯端末の画面上に、講義のレジュメなどを映し出したうえで、講師が音声で解説することになる。 同大の吉村作治学長は「現代人の生活に密着している携帯電話を、教育手段に活用しない手はない」と導入の意図を強調している。 (2007年11月29日1時34分 読売新聞) 国の支援体制を検討へ 京大の再生医療、文科相 (京都新聞) 渡海紀三朗文部科学相は27日の閣議後会見で、京大再生医科学研究所の山中伸弥教授が人の皮膚細胞からさまざまな細胞に成長できる人工幹細胞をつくることに成功したことを受け「研究資金など支援の在り方について議論していきたい」と述べ、国として研究を支援する態勢づくりに乗り出す考えを示した。 文科相の諮問機関、科学技術・学術審議会のライフサイエンス委員会を年内にも開催、山中教授の研究を含め再生医学全体への支援を検討する。 山中教授は昨年6月、マウスの皮膚細胞から世界に先駆け人工幹細胞をつくることに成功したが、今月21日に人の皮膚細胞を使った実験の研究論文を発表した際は、別の手法で実験をした米国の研究チームと“同着”となった。 渡海文科相は、ゲノム(全遺伝情報)研究での塩基配列解読で当初は日本が先行しながら、その後米国などに追いつかれたとの認識を示した上で「同じ轍を踏まないようにしたい」とした。(共同通信) ジャズの魅力を子どもたちに 佛教大生、南丹で生演奏 (京都新聞) 京都府南丹市園部町の園部保育所と城南保育所の子どもたちが28日、同町木崎町の園部スポーツセンター体育館で、佛教大(京都市北区)の学生によるジャズの生演奏を楽しんだ。 幼い時から生の演奏に触れることで、感性をはぐくんでもらおうと、両保育所の4、5歳児計115人を前に、佛教大ジャズ倶楽部(くらぶ)のメンバー6人が演奏した。学生たちはクラリネットやトランペット、トロンボーン、ベースなどの楽器を紹介しながら、子どもたちにおなじみのアニメソングを演奏したのに続き、「A列車で行こう」「聖者の行進」といったジャズのスタンダードナンバーを披露。子どもたちは、聞いたことがあるフレーズや軽快なリズムに合わせて手拍子を取るなどしていた。 ジャズ倶楽部の田中健寛さん(21)=3年=は「子どもたちがジャズを素直に受け入れてくれた。こんなに楽しんでくれたら、僕たちもうれしい」と話していた。 | ||
| 11月28日 |
教職大学院、19校でスタート 指導力の向上図る (朝日新聞)
◇ 【教職大学院の新設】 カッコ内の数字は定員 《国立》愛知教育(50)▽京都教育(60)▽北海道教育(45)▽宮城教育(32)▽群馬(16)▽東京学芸(30)▽上越教育(新潟=50)▽福井(30)▽岐阜(20)▽兵庫教育(100)▽奈良教育(20)▽岡山(20)▽鳴門教育(徳島=50)▽長崎(20)▽宮崎(28)《私立》創価(東京=25)▽早稲田(東京=70)▽常葉学園(静岡=20)▽玉川(東京=20) 【教職大学院の申請取り下げ】《私立》東京福祉(群馬=30)▽聖徳(千葉=30) 教職大学院19校を来春開設、“即戦力”の教員養成へ (読売新聞) 小中高の“即戦力”となる教員の養成を目的に来年4月に開校する教職大学院について、文部科学相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」(会長=永田真三郎・関西大教授)は27日、当初申請のあった21校のうち、審査段階で申請を取り下げた2大学を除く19校の設置を認めるよう渡海文科相に答申した。 設置が決まった19大学すべてに「専従の教官が少ない」といった「留意事項」がつけられるなど、鳴り物入りで始まる新たな教員養成制度も、初年度の今回は課題を残す結果になった。 教職大学院は、指導力不足の教員が増加し、学校現場に対する国民の不信感が高まっていることを受けて設置が決まった。 修学期間はおおむね2年間で、指導方法や学校経営などの実践的な内容を学ぶのが特徴。大学を卒業した学生を対象に即戦力となる新人教員を育成するほか、学校現場でのリーダー的な役割を果たす教員養成のため、現職教員の研修として活用することも想定している。実践的な指導力を身につけさせるため、大学の近隣にある教育委員会と連携し、350時間以上の実習も義務付けている。 今年6月末までに申請があったのは、国立大15校と、私立大6校だが、東京福祉大と聖徳大が審査の途中で申請を断念。設置が認められた19大学も、「近隣の教育委員会のニーズも反映したカリキュラムに工夫すること」(東京学芸大)「専従の教員が少なく、指導が万全か懸念がある」(早稲田大)といった留意事項がつくなど、「設立の理念や育成したい人材像があいまいな大学が目立った」(文科省幹部)という。 教職大学院の創設が決まったのは昨年7月の中央教育審議会答申だったため、大学側からは「申請まで1年で準備期間が短すぎる」という声も出ている。 学校現場では、授業の手法に問題があったり、子供とコミュニケーションがとれなかったりする教員が急増。都道府県教委が認定した指導力不足教員は2003〜06年度は、450〜600人で推移しているが、「氷山の一角」と指摘する声は少なくない。 (2007年11月27日13時49分 読売新聞) 教職大学院、19校開校へ・大学設置審答申 (日経新聞) 大学設置・学校法人審議会は27日、来春から制度が始まる教職大学院について、国私立計19大学の設置を認可するよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。21大学が設置申請していたが、2校が申請を取り下げ、認可された19大学すべてに開校に際し改善すべき点を指摘する留意事項が付けられ、課題が残る現状が浮き彫りになった。 審議会は文科省に対しても、設置基準が分かりにくいとの異例の指摘を行い、基準の明確化を求めた。文科省は「来年度以降の審査に向け改善したい」としている。 教職大学院は高度な専門性を持つ教員を養成する専門職大学院。学部卒業生と現役教員の両方を受け入れ、指導力が高くリーダー役になる教員を育てるのが狙い。認可された19校は来年4月に開校する。(16:43) 教職大学院19校新設 来年度、早大など (1/2ページ) (産経新聞) 大学設置・学校法人審議会(会長・永田真三郎関西大教授)は27日、質の高い指導力ある教員を養成しようと来年度から始める教職大学院について、早稲田大など19校の新設を認可するよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。16都道府県に誕生し、定員の総数は706人になる。 教職大学院については21校(国立15校、私立6校)が今年7月に申請。態勢の不備などから東京福祉、聖徳の私立2校が取り下げた。また、同志社や立命館など国私立8校が合同で京都教育大に設置する連合大学院が認められた。 大学設置審では19校について「全般的に実習の重要性の理解が不十分だ」と指摘。なかでも早稲田には「専従教員が少ない」「実習を免除する基準が不明確」などと多くの留意事項を付けた。 一方、今回の答申では大学、大学院大、短大計13校の来年度新設も認可。構造改革特区を利用して株式会社が設立したグロービス経営大学院大の学校法人化も認めた。株式会社立大学の学校法人化は初めて。 既存の大学などに学部や学科などを付設するのも含めると計94校の新設が認可されたが、申請の取り下げは最多の計9校に上った。永田会長は「総じて準備不足の傾向が顕著」とする異例のコメントを出した。 教職大学院19校新設 来年度、早大など (2/2ページ) (産経新聞) 新設される教職大学院と定員は次の通り。 【国立】愛知教育(50)▽京都教育(60、京都産業、京都女子、同志社、同志社女子、佛教、立命館、龍谷の7大学と連合)▽北海道教育(45)▽宮城教育(32)▽群馬(16)▽東京学芸(30)▽上越教育(50)▽福井(30)▽岐阜(20)▽兵庫教育(100)▽奈良教育(20)▽岡山(20)▽鳴門教育(50)▽長崎(20)▽宮崎(28)【私立】創価(25)▽早稲田(70)▽常葉学園(20)▽玉川(20) 新設される大学、短大、大学院大は次の通り。 【公立大】長崎県立=長崎県佐世保市、同県長与町【私立大】桐生=群馬県みどり市▽植草学園大=千葉市▽三育学院=千葉県大多喜町、東京都杉並区▽佐久=長野県佐久市▽北陸学院=金沢市▽修文=愛知県一宮市▽神戸常盤=神戸市▽福岡女学院看護=福岡県古賀市▽保健医療経営=福岡県みやま市【私立短大】愛知医療学院=愛知県清須市【私立大学院大】ハリウッド=東京都港区、SBI=横浜市 教職大学院:19校開設などを答申−−大学設置審議会 (毎日新聞) 大学設置・学校法人審議会(会長=永田真三郎・関西大教授)は27日、08年度から設置できる専門職大学院「教職大学院」19校などの開設を認めるよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。教職大学院は当初、21校から申請されたが、東京福祉大と聖徳大が準備不足のため申請を取り下げたほか、開設を認められた19校すべてに「留意事項」(注意点)が付けられた。この他開設が答申されたのは、大学10校、短大1校、大学院9校、大学院大2校。 教職大学院への留意事項は、実習の免除基準や方法に関する内容が多く、審議会は文科省にも実習免除の基準などの明確化を求めた。文科省はこれを受け教職大学院の設置基準を見直す方針。 全体で、申請取り下げは93年度以降最多の9校、保留は02年度(6校)に続く5校に上った。03年度の設置基準緩和に伴い、学生集め目的の安易な申請が背景にあるとみられ、永田会長は「準備不足が顕著であり、大学設置の基本的理解を欠いている」と異例の談話を出した。【高山純二】 ============== ■設置が認められた大学など (カッコ内は学部・学科・研究科・専攻、※は国公立) <大学>※長崎県立(経済、国際情報、看護栄養)▽桐生(医療保健)▽植草学園(発達教育、保健医療)▽三育学院(看護)▽佐久(看護)▽北陸学院(人間総合)▽修文(健康栄養)▽神戸常盤(保健科学)▽福岡女学院看護(看護)▽保健医療経営(保健医療経営)<短大>愛知医療学院(リハビリテーション)<大学院大>ハリウッド(ビューティビジネス)▽SBI(経営管理)<大学院>※国際教養(グローバル・コミュニケーション実践)▽千葉科学(薬科、危機管理)▽白梅学園(子ども)▽聖母(看護)▽東京富士(経営)▽東洋学園(現代経営)▽相模女子(栄養科学)▽愛知工科(工学)▽沖縄キリスト教学院(異文化コミュニケーション)<教職大学院>※愛知教育(教育実践)▽※京都教育(連合教職実践)▽創価(教職)▽早稲田(教職)▽常葉学園(初等教育高度実践)▽※北海道教育(高度教職実践)▽※宮城教育(高度教職実践)▽※群馬(教職リーダー)▽※東京学芸(教育実践創成)▽※上越教育(教育実践高度化)▽※福井(教職開発)▽※岐阜(教職実践開発)▽※兵庫教育(教育実践高度化)▽※奈良教育(教職開発)▽※岡山(教職実践)▽※鳴門教育(高度学校教育実践)▽※長崎(教職実践)▽※宮崎(教職実践開発)▽玉川(教職) 毎日新聞 2007年11月27日 東京夕刊 京の国私立8校が連合 教職大学院で京教大など (京都新聞) 京都教育大と京都の私立大による連合教職大学院「京都教育大大学院連合教職実践研究科」が来年4月に開設されることが27日、決まった。国私をつないだ大学連合での教職大学院は全国で初めて。専門知識と実践的指導力を備え、学校の中心となる若手教員や学校経営を担うリーダーの養成を進める。 連合大学院に参加するのは、京教大のほか、京都産業大、京都女子大、同志社大、同志社女子大、佛教大、立命館大、龍谷大の計8大学。キャンパスは京教大(京都市伏見区)に置く。 大学院の定員は60人。「授業力高度化」「生徒指導力高度化」と「学校経営力高度化」(10年程度以上の教職経験のある現職教員対象)の3コース(各20人)を置き、2年間の履修で教職修士(専門職)で授与する。 構成8大学からの教員による専門教育のほか、京都府と京都市の教育委員会からも実務家教員を迎え、府内の協力校でのフィールドワークや実習を通じて、学習意欲の向上や不登校、いじめ、問題行動への対応、発達障害への支援など、学校現場が抱える教育課題を解決する能力を育てる。 12月6日から出願を受け付け、22日に入学試験を行う。 教職大学院は、滋賀大も設置を検討している。 大学設置審答申の内容 新設の大学、大学院など (京都新聞) 大学設置審答申の内容は次の通り。かっこ内は学部・学科・研究科、入学定員、所在地の順。Mは博士前期課程または修士課程、Dは博士後期課程または博士課程、Pは専門職大学院。 【公立大の新設】長崎県立大(経済学部経済学科150、同地域政策学科150、同流通・経営学科150、国際情報学部国際交流学科80、同情報メディア学科60、看護栄養学部看護学科60、3年次編入10、同栄養健康学科40、大学院経済学研究科産業経済・経済開発専攻M12、国際情報学研究科国際交流学専攻M6、同情報メディア学専攻M4、人間健康科学研究科看護学専攻M8、同栄養科学専攻M8、同栄養科学専攻D3=経済学部、経済学研究科は長崎県佐世保市、その他は長崎県長与町、長崎県立大と県立長崎シーボルト大を統合) 【私立大の新設】桐生大(医療保健学部看護学科80、3年次編入10、同栄養学科60、3年次編入10=群馬県みどり市)▽植草学園大(発達教育学部発達支援教育学科140、保健医療学部理学療法学科40=千葉市)▽三育学院大(看護学部看護学科50、3年次編入10=千葉県大多喜町、東京都杉並区)▽佐久大(看護学部看護学科80=長野県佐久市)▽北陸学院大(人間総合学部幼児児童教育学科100、同社会福祉学科80=金沢市)▽修文大(健康栄養学部管理栄養学科80=愛知県一宮市)▽神戸常盤大(保健科学部医療検査学科80、同看護学科75、3年次編入5=神戸市)▽福岡女学院看護大(看護学部看護学科100=福岡県古賀市)▽保健医療経営大(保健医療経営学部保健医療経営学科150、3年次編入5=福岡県みやま市) 【私立短大の新設】愛知医療学院短大(リハビリテーション学科3年制理学療法学専攻40、同作業療法学専攻40=愛知県清須市) 【私立大学院大の新設】ハリウッド大学院大(ビューティビジネス研究科ビューティビジネス専攻P20=東京都港区)▽SBI大学院大(経営管理研究科通信教育課程アントレプレナー専攻P80=横浜市) 【私立大の学部新設】旭川大(保健福祉学部コミュニティ福祉学科60、保健看護学科60=北海道旭川市)▽秀明大(学校教師学部中等教育教員養成課程250=千葉県八千代市)▽桐蔭横浜大(スポーツ健康政策学部スポーツ教育学科80、スポーツテクノロジー学科80、スポーツ健康政策学科80=横浜市)▽帝京科学大(こども学部こども学科50、3年次編入5=山梨県上野原市)▽中部学院大(経営学部経営学科80、3年次編入5=1・2年次岐阜県各務原市、3・4年次同県関市)▽中部大(現代教育学部幼児教育学科80、3年次編入5、児童教育学科80、3年次編入5=愛知県春日井市)▽鈴鹿医療科学大(薬学部薬学科6年制100=三重県鈴鹿市)▽立命館大(薬学部薬学科6年制100=滋賀県草津市)▽四天王寺国際仏教大(経営学部経営学科160、3年次編入15=大阪府羽曳野市)▽千里金蘭大(看護学部看護学科80=大阪府吹田市)▽近大姫路大(教育学部こども未来学科80、3年次編入10=兵庫県姫路市)▽高知工科大(マネジメント学部マネジメント学科100=高知県香美市) 【私立短大の学科新設】川口短大(こども学科150=埼玉県川口市)▽富山福祉短大(看護学科3年制80=富山県射水市)▽信州豊南短大(幼児教育学科100=長野県辰野町)▽名古屋経営短大(健康福祉学科60=愛知県尾張旭市) 【私立大学部学科の新設】東北工業大(ライフデザイン学部経営コミュニケーション学科60=仙台市)▽常磐大(人間科学部健康栄養学科80、3年次編入4=水戸市)▽相模女子大(学芸学部子ども教育学科100=神奈川県相模原市)▽東海学院大(総合福祉学部食健康学科80=岐阜県各務原市)▽愛知学院大(心身科学部健康栄養学科80=愛知県日進市)▽東海学園大(人文学部発達教育学科100、3年次編入10=名古屋市)▽名古屋文理大(情報文化学部PR学科80=愛知県稲沢市)▽日本福祉大(子ども発達学部子ども発達学科150=愛知県美浜町、健康科学部リハビリテーション学科理学療法学専攻40、同作業療法学専攻40、同介護学専攻40=同県半田市)▽藤田保健衛生大(衛生学部医療経営情報学科30=愛知県豊明市)▽大阪青山大(健康科学部健康こども学科80、3年次編入10=大阪府箕面市)▽大阪産業大(人間環境学部スポーツ健康学科100=大阪府大東市)▽神戸松蔭女子学院大(人間科学部子ども発達学科80=神戸市)▽徳島文理大(人間福祉学部看護学科80=徳島市) 【私立大通信教育の新設】近大姫路大(教育学部こども未来学科1000、3年次編入300=兵庫県姫路市) 【私立短大通信教育の新設】順正短大(幼児教育科3年制100=岡山県高梁市) 【公立大大学院の新設】国際教養大大学院(グローバル・コミュニケーション実践研究科グローバル・コミュニケーション実践専攻P30=秋田市) 【私立大大学院の新設】千葉科学大大学院(薬科学研究科薬科学専攻M10、危機管理学研究科危機管理学専攻M5=千葉県銚子市)▽白梅学園大大学院(子ども学研究科子ども学専攻M15=東京都小平市)▽聖母大大学院(看護学研究科看護学専攻M9=東京都新宿区)▽東京富士大大学院(経営学研究科経営学専攻M10=東京都新宿区)▽東洋学園大大学院(現代経営研究科現代経営専攻M10=東京都文京区)▽相模女子大大学院(栄養科学研究科栄養科学専攻M6=神奈川県相模原市)▽愛知工科大大学院(工学研究科システム工学専攻M7、システム工学専攻D3=愛知県蒲郡市)▽沖縄キリスト教学院大大学院(異文化コミュニケーション学研究科異文化コミュニケーション学専攻M5=沖縄県西原町) 【公立大大学院研究科の新設】大阪市立大大学院(看護学研究科看護学専攻M10=大阪市)▽和歌山県立医科大大学院(保健看護学研究科保健看護学専攻M12=和歌山市) 【私立大大学院研究科の新設】宮城学院女子大大学院(健康栄養学研究科健康栄養学専攻M4=仙台市)▽創価大大学院(教職研究科教職専攻P25=東京都八王子市)▽早稲田大大学院(教職研究科高度教職実践専攻P70=東京都新宿区)▽金沢学院大大学院(人文学研究科人文学専攻M5=金沢市)▽聖隷クリストファー大大学院(保健科学研究科保健科学専攻D10=浜松市)▽常葉学園大大学院(初等教育高度実践研究科初等教育高度実践専攻P20=静岡市)▽京都橘大大学院(看護学研究科看護学専攻M10=京都市) 【公立大大学院の専攻新設または課程変更】札幌医科大大学院(医学研究科医科学専攻M10=札幌市)▽宮城大大学院(事業構想学研究科事業構想学専攻D3=宮城県大和町)▽福島県立医科大大学院(医学研究科医科学専攻M10=福島市)▽名古屋市立大大学院(医学研究科医科学専攻M10=名古屋市)▽奈良県立医科大大学院(医学研究科医科学専攻M5=奈良県橿原市) 【私立大大学院の専攻新設または課程変更】天使大大学院(看護栄養学研究科栄養管理学専攻D2=札幌市)▽大東文化大大学院(文学研究科教育学専攻M10=東京都板橋区)▽玉川大大学院(教育学研究科教職専攻P20=東京都町田市)▽愛知学院大大学院(心身科学研究科健康科学専攻M10=愛知県日進市)▽愛知淑徳大大学院(医療福祉研究科ソーシャルサービス専攻D3、同コミュニケーション障害学専攻D2=名古屋市)▽名古屋学芸大大学院(栄養科学研究科栄養科学専攻D2=愛知県日進市)▽摂南大大学院(工学研究科創生工学専攻D2=大阪府寝屋川市)▽広島文教女子大大学院(人間科学研究科人間福祉学専攻M3=広島市) 【私立大大学院通信教育の新設】東京福祉大大学院(社会福祉学研究科児童学専攻M10=群馬県伊勢崎市)▽岐阜女子大大学院(文化創造学研究科文化創造学専攻M15、同初等教育学専攻M15=岐阜市)▽名古屋学院大大学院(外国語学研究科英語学専攻D3=名古屋市)▽吉備国際大大学院(保健科学研究科理学療法学専攻M15、環境リスクマネジメント研究科環境リスクマネジメント専攻M10=岡山県高梁市) 【国立大大学院の研究科新設】愛知教育大大学院(教育実践研究科教職実践専攻P50=愛知県刈谷市)▽京都教育大大学院(連合教職実践研究科教職実践専攻P60=京都市) 【国立大大学院の専攻新設】北海道教育大大学院(教育学研究科高度教職実践専攻P45=札幌市)▽宮城教育大大学院(教育学研究科高度教職実践専攻P32=仙台市)▽群馬大大学院(教育学研究科教職リーダー専攻P16=前橋市)▽東京学芸大大学院(教育学研究科教育実践創成専攻P30=東京都小金井市)▽上越教育大大学院(学校教育研究科教育実践高度化専攻P50=新潟県上越市)▽福井大大学院(教育学研究科教職開発専攻P30=福井市)▽岐阜大大学院(教育学研究科教職実践開発専攻P20=岐阜市)▽兵庫教育大大学院(学校教育研究科教育実践高度化専攻P100=兵庫県加東市)▽奈良教育大大学院(教育学研究科教職開発専攻P20=奈良市)▽岡山大大学院(教育学研究科教職実践専攻P20=岡山市)▽鳴門教育大大学院(学校教育研究科高度学校教育実践専攻P50=徳島県鳴門市)▽長崎大大学院(教育学研究科教職実践専攻P20=長崎市)▽宮崎大大学院(教育学研究科教職実践開発専攻P28=宮崎市) 【学校法人の設立】グロービス経営大学院大(経営研究科経営専攻P100=東京都千代田区)(共同通信) 「教員増」でにらみあい、文科省と財務省 (日経新聞) 3年で2万1000人の教員増員案を打ち出す文部科学省と、歳出増を拒む財務省がにらみ合いを続けている。教育現場の期待は強いが、財務省は「荒唐無稽(こうとうむけい)」と突き放す。文科省は学習内容の“憲法”である次期学習指導要領の原案に「教員増が必要」と異例の文言を盛り込むなど徹底抗戦の構え。予算の査定が本格化する年末にかけて両省の対立は激しさを増しそうだ。 「予算や教職員数といった投入量の拡充では、公教育の信頼確保に向けた解決にはならない」。財務省の審議会である財政制度等審議会は19日公表した来年度予算の建議(意見書)で、こう言い切った。(07:01) 教育再生会議:「教育院」構想を議論へ (毎日新聞) 政府の教育再生会議(野依良治座長)の合同分科会は27日午後、各地の国公私立大学での研究内容を小中学校の教育現場に生かす「教育院(仮称)」構想の実現に向けて具体的な議論を始める。東京大学や京都市教育委員会、NPOなどを中心に検討チームをつくり、成果を踏まえて全国に拡大する方針。12月の第3次報告に盛り込むことを目指す。 教育院は「教員養成」「教員研修」「研究・調査」の機能を組み合わせたもので、各地の大学や教育センターに設置し、段階的に全国でネットワーク化する構想。同会議が提唱する「社会総がかりの教育再生」の具体策の一つとなる。 教育院では、先端的な研究成果を取り入れた教材や学習プログラムを開発し、模擬授業などを実施するほか、現職教員の専門性を高めるための研修も行う。研究者が短期間の研修で教員免許を取得できるようにすることも検討する。【佐藤丈一】 毎日新聞 2007年11月27日 15時00分 理科・特定課題調査:20+100=? 「質量保存の法則」中学生が小学生に負けた(毎日新聞) 文部科学省国立教育政策研究所は27日、小学5年生と中学2年生の計約6500人を対象にした理科の学力テスト「特定の課題に関する調査」の結果を公表した。水に食塩を溶かした後の食塩水の質量を聞き、答えの理由も記述させる設問では理由も含めた正答率が小学校57・4%、中学校では54・4%。中学生が「質量保存の法則」への理解度で小学生を下回る結果となった。 調査は06年1〜2月、理科の観察や実験に関する能力を見るため全国の学校から無作為抽出した211校を対象に実施。実験の様子をビデオ映像で見せながら設問に答えさせた。 100グラムの水に20グラムの食塩を溶かした後の重さを聞く設問では、状態変化で質量は変化しないという「質量保存の法則」の理解が中学生になっても深まらず、120グラムよりも小さくなると誤解している児童・生徒が多かった。これについて同研究所は「小学校で学んだところも、振り返って指導するなど工夫も必要になる」と指摘した。【高山純二、加藤隆寛】 ============== 【「質量保存の法則」についての設問】 ▽食塩20gを水100gに溶かしてできた食塩水の質量は?(カッコ内は選択率=%) (1)100g (小5…13.2、中2…17.0) (2)100gより大きく120gより小さい(小5…21.2、中2…20.2) (3)120g (小5…63.2、中2…59.4) (4)120gより大きい (小5…2.1、中2…2.8) ▽その理由は? ◇正答例 ((3)を選んで)物質が混ざっただけで質量は変わらない ◇誤答例 ((1)を選んで)溶けるのは、なくなることと同じ(小5) ((2)を選んで)溶けて液体になると軽くなる(小5) ((2)を選んで)食塩は見えないが、なくなったわけではなく、水に溶けた分、質量は少しだけ減る(中2) 毎日新聞 2007年11月28日 東京朝刊 実験、身につかず…小5・中2対象の文科省理科調査で判明(読売新聞) 文部科学省の国立教育政策研究所は27日、全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施した理科の実験・観察に関する調査の結果を発表した。 観察や実験を通して学んだ内容が身についていない子供が多かったことから、同研究所は、「漫然と実験や観察をさせるのではなく、仮説を立てたり結果を予測させたりしながら行わせてほしい」と教育現場に要望している。 調査は昨年1〜2月、国公立と私立の小中学校から、小5の児童と中2の生徒をそれぞれ約3000人抽出して実施。ペーパーテストでは測定が困難な学力の把握を目的に、ビデオ映像を見せて設問に解答させるという形式で行われた。 100グラムの水に20グラムの食塩を溶かして食塩水にする実験の映像を見せたうえで、この食塩水の質量を答えさせる問題を小5と中2に共通して出題したところ、「120グラム」と正しく解答できた子供の割合は小5が63%で中2は59%。 一方、食塩水の質量が120グラムよりも少なくなると誤って答えた子供は小5が34%、中2は37%だった。 小5では「物の溶け方」、中2では「原子分子」の学習を通し、いずれも、化学変化の前後で質量の総和は変わらないという「質量保存」について学んでいる。大半の児童・生徒が、食塩を水に溶かす実験を行ったことがあると答えており、同研究所は「せっかく実験しても身についていない」と指摘している。 また、小5では、「インゲンマメの発芽には肥料が必要だ」という仮説が正しいかどうかを確かめるための実験方法を、〈1〉水で湿らせた脱脂綿の上にマメを置き、日光にあてる〈2〉水の中にマメをしずめて、日光にあてる〈3〉水で湿らせた脱脂綿の上にマメを置いて、肥料も入れ、日光にあてる〈4〉水でしめらせた脱脂綿の上にマメを置き、箱をかぶせる――の四つの選択肢から選ばせる問題が出された。 〈1〉と〈3〉の正答を選べた児童は87%に上ったが、仮説が正しくない理由を実験結果を通じて説明できた子供は39%にとどまり、全国学力テストでも課題とされた思考力や表現力の弱さが改めて浮かび上がった。 (2007年11月27日21時56分 読売新聞) 県立高教諭を児童ポルノ禁止法などの容疑で逮捕(朝日新聞) ブログやホームページ(HP)に女児や女性のわいせつ画像を掲示したとして、広島県警は27日、広島県大崎上島町木江の県立竹原高校教諭、立田文治容疑者(48)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反とわいせつ図画公然陳列の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。 調べでは、立田容疑者は10月上旬、自身のブログやHPに、下半身を露出した女児の画像1枚と女性の下半身の画像7枚を掲示し、不特定多数に公開した疑い。 立田容疑者は5年以上前にHPを開設。昨年4月、「小学生の女児へ性的虐待を繰り返している様子を日記風に書き込んでいるブログがある」という通報が県警にあった。県警は、書き込みの大部分は創作とみているが、画像の入手先などを調べている。 HPは一部が会員制で、わいせつ画像を12枚以上提供するか、金を払えば会員になれ、4月時点で約300人が登録されていたという。 | ||
| 11月27日 |
被害女性、ストーカー行為に悩む 函館刺殺 恩師に相談 (朝日新聞) 北海道函館市北美原3丁目の無量林(むりょうばやし)博昭さん(56)方で長女の会社員・智子(さとこ)さん(23)が26日に刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された大学時代の同級生の同市宮前町、無職中原哲也容疑者(22)について、智子さんが今月中旬、大学時代の恩師に「職場に訪ねてこられて不安を感じる」と相談していたことが分かった。智子さんは「ストーカー行為に悩んでいる」と知人に漏らしていたともいい、道警函館中央署は中原容疑者の動機などを中心に調べている。 中原容疑者は、智子さんとは北海道教育大函館校時代に同学年だった。同大によると、2人は同じ学校に教育実習に行って顔見知りになったという。智子さんは同大を今年3月に卒業したが、同容疑者は2年生の時に半年間休学したため、今年9月に卒業した。 26日に記者会見した杉浦清志副学長によると、智子さんは15日午後6時ごろ、ゼミの指導教官だった杉浦副学長を大学に訪ね、「中原さんが数日前、職場に来た。教育実習の単位が取れたと言われたが、もう来ないでほしいと言った。不安や身の危険を感じる」と相談した。杉浦副学長は他の教官らと相談して翌16日、「まずは法テラスに相談したら」と智子さんにメールしたという。 また、杉浦副学長は「(智子さんは)在学中にも『道を歩いていたら、突然中原さんと会ってびっくりした』と話していたことがあった」とも述べた。 また、同大で中原容疑者の担任だった大坂治教授は同容疑者について「高校時代から陸上をやっていたと聞いた。粘り強い勉強家だったが、一生懸命友だちをつくろうとして空回りしてしまうことがあった」と話した。 教育、研究環境の構築目指す 同大、09年度開設の心理学部概要 (京都新聞) 同志社大は26日、2009年度に京田辺市の田辺キャンパスに開設する心理学部の概要を発表した。定員は150人で、来春に開設される生命医科学、スポーツ健康科学の各学部と連携した教育、研究環境の構築を目指す。 心理学部は文学部心理学科を学部に再編し、心理学科のみの1学科制とする。専任教員は18人で、産学・地域連携のプロジェクト型の学習を通じ、コミュニケーション能力の養成を図る。大学院には、心理学研究科を設ける。 入試は一般のほか、AO型、大学入試センター試験利用型、学部指定校推薦などを予定している。 佛大生実習授業、高校生が見学 梅津北小で教員志望の先輩に学ぶ (京都新聞) 京都市右京区の梅津北小に26日、朱雀高(中京区)で教員を目指す生徒たちが訪れ、佛教大の学生が「小大連携」で行っている授業を見学し、手伝った。教室には小学生、高校生、大学生の三者が集った。 佛教大と市教委は2004年に即戦力となる教員養成を目的に「小大連携」の包括協定を結び、05年から学生らが市内の小学校で教員とともに授業を行っている。また、朱雀高は昨年から佛教大教育学部の原清治教授のゼミと「高大連携」の交流を深めている。高校生の小学校訪問は、同高から「教師を志す生徒に小学校の現場を見せたい」との要望を受け、原教授の橋渡しで実現した。 同高の2、3年生7人は原ゼミの4回生4人とともに、低学年対象に実施している自主学習の「算数教室」を見学し、学生らとともに教材を使って児童たちの学習支援も行った。小学校時代から教師にあこがれる朱雀高3年の森かれんさん(17)は「先生や大学生が子どもの視線に合わせて対応していることに、教師のすごさを感じた」と話していた。 | ||
| 11月26日 |
肺炎感染 細菌に「足」 大阪市立大教授が発見(朝日新聞)
【主張】大学再生 勉学意欲引き出す教育を(産経新聞) 大学教育について、文部科学省の中央教育審議会が卒業認定の厳格化など抜本改革を検討している。学生の質や意欲の低下が心配されるアンケート結果もでている。全入時代を迎え、高等教育の質向上を真剣に考えるときだ。 「入るのは難しく出るのはやさしい」「受験勉強はするが入学後は勉強しない」という日本の大学、学生の実態は以前から批判されてきた。 中教審では10年前の旧大学審議会時代、授業に出なくても「優」が取れる大学教育には警鐘を鳴らし、単位認定の厳格化などを求めた。 その後、大学によっては、取得単位の平均成績が一定基準に満たないと進級させない米国型の「GPA(グレード・ポイント・アベレージ)」を導入するといった取り組みもみられる。だが、成績が悪ければ退学を勧告する厳しい姿勢の大学は一部だ。 大学は変わっていないという不信が強まり、逆に大学生の質低下への懸念はさらに広がっている。 総務省などの調査によると、学生の学習時間は1日平均3時間足らずで、学外での予習勉強は「ほとんどしない」学生が半数にのぼる。海外の大学生では考えられない数字だ。 東京大学の研究グループが全国の学生を対象に実施したアンケートでは、「授業はきっかけで後は自分で学びたい」という回答は約25%にすぎず、「必要なことは授業のなかですべて扱ってほしい」が約74%と圧倒的に多かった。「難しくてもチャレンジングな授業」を敬遠する傾向もでた。 学生を受け入れる企業側には大学教育への不満が強い。むしろ期待しない風潮の方が定着しつつある。 就職活動も早期化し、4年生の初めには内定してしまう。こうした状況にあって、大学で何を学ぶか、高等教育のあり方そのものが問われている。 中教審小委員会が卒業認定の厳格化などを提言した報告の中では、就職を過度に意識するあまり、大学が資格取得や専門学校のような教育に走る傾向にくぎをさしている。 大学は「入るのもやさしい」という全入時代を迎え、各学部・学科が教育方針を明確にして卒業させる責任がより高まっている。大学本来の責任と教育内容を再考してほしい。 新教育の森:NIE学会 新聞で読解力つく 記者派遣でメディア理解も向上−−広島大(毎日新聞) ◇広島大で大会 日本NIE学会(影山清四郎会長)の第4回大会が17、18の両日、東広島市の広島大学で開かれ、教育に新聞を利用する「NIE(Newspaper In Education)」のさまざまな実践例が報告された。近年、日本の子どもに不足が指摘される「読解力」や、情報を正確に読み取って活用する能力「メディア・リテラシー」を身につけさせるためには、新聞を使った授業が有効だとする意見が相次いで出された。【加藤隆寛】 ◇実践校では大きな効果 大会には、全国から教育関係者や報道関係者ら約160人が参加。テーマは「優れたNIE実践の理論化を目指して」。教員らが取り組みを紹介し、大学教授らが意見や分析を加えながら、NIEの経験がない教員でも導入の参考とできるような理論やカリキュラムの確立を模索した。 ◇記者に親近感持つ 島根県立浜田高の河井俊彦教諭は「メディア・リテラシーを生徒に意識させるため、新聞社からの記者派遣授業が効果的だった」と報告した。前任地の同県立川本高で、毎日新聞と地元紙の山陰中央新報から派遣された記者が、それぞれ3年生対象に授業を実施。「新聞社によって論調が異なることを踏まえ、記事をうのみにせず、自分の考えを持ってほしい」と伝えた。数行のコメントにも記者の意図やこだわりがあることを知り、生徒も強い興味を持った。 生徒らは授業の様子を記事にまとめたが、記者も翌日の紙面に掲載するため学校からパソコンで記事を送信。生徒らは翌日の毎日新聞と山陰中央新報を見て、送信前の原稿が手直しされたり、短くされたりして、そのまま掲載されるわけではないことを知った。さらに「自分がその場にいた同じ出来事なのに、新聞によって取り扱い方が違う」「写真によっても雰囲気が異なる」などの感想を持った。 河井教諭は記者派遣について「教育界と新聞界が連携を密にし、もっと重要な活動として位置付けていくべきだ」と提言。香川県坂出市立櫃石(ひついし)中の藤川由香教諭は「記者に親近感を覚え、記事の向こうに書き手がいることを強く意識できるのがよい点だ」と話した。 他に、メディア・リテラシー養成のポイントとして (1)複数紙の読み比べ (2)批判的な視点を持って読ませる (3)取材して記事を書くなど情報の送り手としての経験をさせる −−などが挙げられた。 ◇無回答率下がった 15歳を対象に経済協力開発機構(OECD)が実施した学習到達度調査(PISA)で、日本の子どもの読解力は00年度に世界8位だったが、03年度に14位まで転落し、教育界にショックが広がった。京都教育大付属桃山中の神崎友子教諭は「NIEでPISA型読解力を高める」と題し、授業の成果を発表した。 神崎教諭はPISAについて、「物事の理解とその定着度より、社会で生活していくための力を付けることを重視している」と分析。上位を独占したフィンランドの学校が、メディア教育に力を入れていることに着目し、NIEに取り組んだ。 神崎教諭は1年生に対し、記事の要約や意見文の作成、発表会のほか、家族と一緒に新聞を読んで話し合った内容をまとめる作業などを、05年度を通じて実践した。読解力テストの無回答率が13%(4月)から3%(3月)にまで下がるなど、大きな効果が見られた。神崎教諭は「NIEが読解力を養い、次代を切り開く子どもを育てる」と述べた。 ◇「手間かかる」「学習計画立てづらい」−−今後の普及が課題 日本NIE学会は、NIEの活動を評価する大学教授らが中心となり、05年3月に発足。教育界と新聞界が進めてきたNIEを理論面で支え、普及・定着させるのが狙い。 今大会では、NIEを実践する教員がまだ少ないことや、「手間がかかる」などの理由で敬遠する教員がいる現状も報告され、普及への課題も浮かんだ。 ある女性教員は「(日本新聞教育文化財団から)NIE実践校に指定されているが、取り組んでいるのは校内で私1人」と明かした。「テキストがないことや、スクラップ作業や新聞保存のスペースがないのが敬遠の理由」と話す男性教員も。また、記事内容の予測がつかないため、年間学習計画が立てにくいことも指摘された。 30代半ばから下の年代の実践者が少なく、「身近に後継者がいない」と危機感を抱く教員も多いという。大会では「NIEのテキストにつながるような、教員のための指導要領を作るべきだ」との方向性が確認された。 また「教員が新聞についての知識をもっと高める必要がある」という意見も多く、京都教育大の平石隆敏教授は「インターネットも含めメディアは多様化しており、今後、新聞がどんな社会的機能や意義を持っていくのか考える必要もある」と述べた。 ◇中教審中間報告、改善点トップに「言語活動」 文部科学相の諮問機関・中央教育審議会教育課程部会は先月、学習指導要領改定についての中間報告をまとめた。PISAで低下が浮き彫りになった「読解力」への危機感は強く、改善点のトップ項目に「言語活動の充実」を掲げ、次のような記載を盛り込んだ。 辞書、新聞の活用や図書館の利用などについて指導し、子どもたちがこれらを通してさらに情報を得て、思考を深めることが重要 さまざまなメディアの働きを理解し、適切に利用する能力を高めることも必要 新聞活用について、学習指導要領はこれまで国語や社会など教科レベルで触れていたが、中教審報告が全教科を対象に求めたのは初めて。 毎日新聞 2007年11月26日 東京朝刊 「目安箱」で大学変えます 全入時代に向け広がる(朝日新聞) 庶民の声を施策に生かそうと、江戸時代に将軍徳川吉宗が設けた「目安箱」。その大学版とも言える取り組みが広がり始めた。学長に学生や職員が「直訴」できる仕組みだ。間近に迫る「全入時代」や国立大学の法人化で、一層の経営改善を求められている昨今の大学。享保の改革ならぬ平成の大学改革に、学生らの声を生かせるか。 「学長直行便」。成蹊大(東京都武蔵野市)は05年11月、そう名付けたポスト型の箱を学内3カ所に設置した。 直行便は、栗田恵輔学長の発案で始まった。今や電子メールが全盛の時代。学生の意見をメールで募る大学は珍しくないが、なぜ本物の箱を置いて手書きの意見を投函(とうかん)してもらうのか。栗田学長は「メールだと、あまり深く物事を考えないで惰性で人に意見を伝えることがあると思った。きちんと字を書いてもらうことに意味がある」。 原則記名式で、月に2度回収。これまでに240通が集まった。意見にはすべて栗田学長が目を通し、必要ならば関係部署と相談して回答する。意見と回答は学内のウェブで公表される。 「成蹊大は社会活動やボランティアへの支援策が手薄では」。そんな意見を受け、学内に外部の団体との連絡窓口となる「ボランティアセンター」の設立準備室ができた。「不親切」などの意見が目立った職員の対応を改善したら、学内の調査で学生の不満度がほぼ半減した。成果は表れてきている。 広島経済大(広島市)は03年12月に意見箱「聞いて学長!」を食堂など学内3カ所に設置。「学生の声を改革に生かしたい」という石田恒夫学長の思いを実現させた。これまでに寄せられた意見は約500件。すべて学長が目を通し、回答と一緒に箱の近くなどに掲示するようにしている。 山の中腹にキャンパスがあるため、通学に苦労していた学生から改善を求める意見が多く寄せられ、約500台分の駐車場を整備する大規模事業につながったことも。ただ、これだけ集まれば、単なる「わがまま」のような意見も少なくない。同大はそんな意見にも、「懇切丁寧に、学生でもわかりやすいよう回答しています」(入試広報室)という。 東京大(文京区)は06年7月、小宮山宏総長の発案で目安箱制度を始めた。ウェブ上で書き込む形に加え、象徴の意味も込め、同年8月に本物の箱を三つ設置。 当初は教職員を想定していたが、徐々に学生からの意見も増えてきた。ウェブも含め、これまで寄せられた150件超の意見のうち、学生が寄せた分は約10件。環境保全のため、「冬は20度、夏は28度」という空調設定の徹底を総長に求める意見や、「煙害」への対応を求める意見など様々だ。 ◇ 〈広島経済大の意見箱に寄せられた意見と回答の例〉 ※07年8月回収分、一部省略 ●雨の日にバスを増やして下さい。 (回答)業者契約に基づいて運行されていますので天候によってダイヤを変えるのは不可能です。雨の日は渋滞したり混雑したりするものです。もう少しゆとりをもって大学に来るようにしてください。 ●女子大では、コートが数着入る無料の生徒専用ロッカーが置いてあるので、この大学でも置いてほしい。 (回答)学生数約4000人の個人ロッカーを設置するには、多大な経費と広いスペースが必要となります。設備費と需要のバランスを考慮しても、現段階では計画はありません。コインロッカーを利用してください。 ●なぜ喫煙スペースをいい場所にとり、喫煙者を優遇しているのかわかりません。 (回答)ご意見の通りまだ問題はありますが、決して優遇しているわけではなく、灰皿もかなり減らしましたし、屋根のない喫煙所もあります。喫煙スペースについても双方にとってふさわしい場所があれば、ぜひ学生課まで提案をお願いします。 「食育」重視へ目的転換 学校給食法初の大改正へ(東京新聞) 小中学校で実施されている給食をめぐり、文部科学省が主要目的を従来の「栄養改善」から食の大切さや文化、栄養のバランスなどを学ぶ「食育」に転換する方針を固めたことが25日、分かった。目的の転換やこれに沿った栄養教員の役割などを盛り込んだ学校給食法の改正案を、早ければ来年の通常国会に提出するとしている。 学校給食法の大幅な改正は1954年の施行以来初。当初は戦後の食糧難を背景に不足しがちな栄養を給食で補うことを主目的としたが、食糧事情が改善された上、子どもの食生活の乱れが指摘され2005年に「食育基本法」も成立し、学校給食法も実態に合った内容にする必要があると判断したとみられる。 改正では、目的に関し教科外の「特別活動」とされている給食を、子どもの栄養補給の場とするだけでなく、食材の生産者や生産過程、流通や食文化などを学ぶ場と明確に位置付ける。(共同通信) | ||
| 11月25日 |
東大博士課程が実質タダに、来年度から奨学金支給(読売新聞) 東京大学は、来年度から大学院博士課程の学生ほぼ全員の授業料を実質無料にすることを決めた。 東大でも博士課程の進学者は2004年度をピークに減少するなど、博士離れが進んでおり、経済的負担を減らして優秀な学生を確保するのが狙い。 東大の博士課程には約6000人の学生が在籍している。うち、日本学術振興会から月20万円の奨励金を得ている学生や、国費留学生、研究補助員として支援を受けている学生、休学者を除いた約3000人に、独自の奨学金を支給する。月4万円程度を予定しており、実質的に授業料(年52万800円)を無料化する。 年間約10億円の費用は、外部の研究費から徴収した間接経費、東大基金などの運用益、経営の効率化で工面する。 博士号を取得しても、希望する職に就けない「博士余り」が深刻化しているが、欧米の大学に比べて貧弱な経済支援は、博士離れをさらに加速させる要因になっている。 平尾公彦・副学長は「大学の根本は人材で、学生支援は最優先の課題」と話している。 (2007年11月24日12時17分 読売新聞) 体育教師に武道研修、中学必修化に向け指導力強化 (読売新聞) 政府は、中学校での武道の必修化に向け、公立の中学・高校で武道を担当する体育教師の指導力強化に乗り出す。 体育の教師に武道の未経験者が多い現状を踏まえたものだ。来年度から各都道府県に武道教育の関係者らで構成する「武道振興協議会」を設置するとともに、武道学科を持つ体育系大学や民間の道場に体育教師を派遣して、指導方法を研修させることも検討している。 武道の必修化は、先月30日の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の学習指導要領に関する中間報告に盛り込まれ、早ければ2011年度の実現を想定している。ただし、渡海文科相の意向で、09年度に前倒しされる可能性もある。 しかし、現状では、武道を経験していない体育教師も多く、必ずしも十分な指導ができていないという。 現在、中学校での武道は選択制で、現行の学習指導要領では柔道、剣道、相撲の三つを例示している。なぎなた、空手、弓道などを教えている学校もあるが、主流は剣道、柔道だ。これが、必修化に伴い、女子生徒を中心に、なぎなた、弓道の履修を希望する声が強まると予想されている。 このため、文部科学省は体育教師がより幅広い武道についての専門技術や知識を学ぶ環境整備が必要だと判断した。来年度予算の概算要求に、武道振興協議会の設置や体育系大学での教師の研修などの関連予算として、約5000万円を計上している。 (2007年11月24日8時57分 読売新聞)(コメント ????) 国立大で奨学金制度が充実 (1/2ページ) (産経新聞) 成績優秀者に奨学金を出したり、授業料を免除したりする国立大学が増えている。従来の奨学金は経済的に苦しい学生への支援の意味合いが強かったが、「大学全入時代」を迎え学生の質の低下が懸念されるなか、競争意識を持たせて意欲を引き出すほか、優秀な学生の囲い込みが狙い。国立大が法人化され予算の使途が広がった平成16年以降、こうした支援制度が充実してきている。 横浜国立大は今年度から、工学系大学院(工学府)に、奨学金制度を設けた。年額120万円で、同大では「全国の国立大の中でも最も手厚い制度。経済支援をすることで、安心して研究に専念してもらうために設けた」としている。研究業績をもとに選考する。入学前に支給の内定を出すので、一番経費がかかる入学時に奨学金が受け取れるのも特徴だ。 国立大で奨学金制度が充実 (2/2ページ)(産経新聞) 一橋大は今年度、「学業優秀学生奨学金」の制度を設けた。学部生が対象で、各学部1人に月額8万円を授与する。特に成績が優秀であることが条件で、経済状況は問わない。海外へ留学する場合には奨学金の全額を一括して受け取れるなど、学ぶ意欲を引き出す工夫がされている。 大阪大は17年度から、「教養教育奨学金」を支給している。2年生前期までの成績優秀者が対象で、約50人が20万円を受け取れる。 成績優秀者に対し、年間授業料約50万円を全額免除する大学もある。岡山大が18年度から実施。入学試験の後期日程試験の成績上位1%に適用している。同大は「優秀な学生に来てほしいというメッセージ」と説明している。 島根大や香川大にも、成績優秀者の学費を減免する制度がある。 文部科学省は「大学の魅力づくりとして奨学金の制度を導入するのは一つの手段になっている。寄付金で基金を設立する動きもあり、奨学金を出す大学は増えるだろう」としている。 | ||
| 11月24日 |
「意欲的教職員」550人を表彰 京都市教委 (京都新聞) 京都市教委は22日、本年度の教育実践功績表彰を京都市東山区のホテルで行った。 学校運営や学習・生徒指導、部活動など学校教育活動で「意欲的に取り組んだ教職員」として550人を表彰した。全教職員の約6%にあたる。124人が2度目の受賞で、採用4−10年の若手教職員も93人が受賞した。 | ||
| 11月23日 |
問題行動の子どもを特別指導 京都市教委が教育チーム発足 (京都新聞) 暴力や非行などの問題行動を繰り返す児童、生徒を指導するため、京都市教委は22日、「自律促進教育チーム」を発足させた。問題行動を起こす子どもたちを校内の別室で特別指導したり、地域社会での奉仕活動などで立ち直らせるのが狙い。 市教委によると、問題行動を繰り返す児童、生徒が学校の教育活動を妨げる場合があり、子どもの状況に応じて出席停止などの重い処分も検討するという。同チームは問題行動を起こす児童らの「受け皿」と位置づけ、臨床心理士や警察官ら専門家と、市教委生徒指導課の職員ら12人で構成する。必要に応じて随時、学習支援の非常勤講師や野外活動の指導者らも加わる。 チームは学校の要請を受ければ、学校とともに対応策を検討。児童は自律に向けた具体的なプログラムに取り組み、クラスへの復帰を目指す。 市教委は今年8月、理不尽な要求を突きつけて学校運営に支障をもたらす保護者に対応するために立ち上げた「学校問題解決支援チーム」が活動を始めている。出席停止措置など保護者の理解が必要な場合は自律促進教育チームと連動する。 中京区の市教育相談総合センターで行われた発足式では、門川大作教育長が委員に委嘱状を手渡し、「すべての子どもの学びと育ちを保証するため、専門家の総合力を発揮し、毅然とした指導で臨みたい」と話した。 独自の学力検査結果の一部を開示 愛知・犬山市教委 (朝日新聞) 愛知県犬山市教育委員会は21日までに、独自に市内4中学校で実施した05、06年度の標準学力テスト結果の開示を決めた。今年度以降も、市民が公開を求めれば、結果を明らかにする方針。「標準学力テストの目的をゆがめ、学校間の序列化を促すことにつながり、無意味な学校間の競争をあおる」などとして、同市教委はこれまで開示しておらず、同じような理由から国の全国学力調査(学力テスト)にも市内の公立校が唯一参加していない。 市内の男性(57)が4月、「公平な教育が行われているか」「各中学校間に極端な学力の差はあるか」を知るため、2カ年度の学年別、教科別の結果を公開するよう市教委に請求。しかし、翌月、市教委は非開示を決定した。 その後、男性の不服申し立てを受け、市情報公開審査会が8月、開示するよう答申した。 市教委は答申を受けた後も、05年度分を「保存期間は1年で、廃棄した」と非開示とし、06年度分もなかなか開示しなかったという。そのため、男性から今月2日、「市条例に該当する理由がないのに、非公開にした」として名古屋地裁に非開示処分取り消しを求める訴えが起こされた。 市教委は今月20日の定例会で、開示を決定。これまでの方針を大きく転換した。「同様の訴訟で8月に盛岡地裁が非開示とする判決を出したことなどから、慎重に議論したため決定まで時間がかかった。提訴されたためではない」と話す。 一方、男性が6月、「非公開の決定理由は市教委の教育理念に基づくもので、条例の非公開情報のいずれにもかからない」と不服理由を追加する書面を提出したのに対し、市教委がこの書面を審査会に提出していなかったことが、男性の別の情報公開請求で判明した。市教委は「追加理由の内容は口頭で伝えた」と釈明している。 入試問題入り金庫、農業大学校で盗難…愛知で昨年12月 ( 読売新聞) 愛知県岡崎市の県立農業大学校岡崎キャンパスで、昨年12月、今年度の入試問題を保管した金庫が盗まれていたことがわかった。 同校は急きょ、問題を作り直し、今年2月の入試を実施した。県警岡崎署が窃盗事件として調べている。 同校によると、昨年12月4日朝、中央教育棟1階学務課の金庫(約190キロ)がなくなっているのに出勤した職員が気付いた。金庫内には、入試問題の原本と現金約20万円などが入っていた。犯行時間帯は同3日深夜から4日朝の間とみられる。 同校ではこの金庫盗を含め、昨年12月から今年10月までに学生寮で現金を盗まれるなど計13件の盗難事件が相次いでおり、同署で関連を調べている。 (2007年11月22日11時40分 読売新聞) 給食:穀物や原油高騰、2日分中止−−横浜・荏子田小 ( 毎日新聞) 穀物や原油価格高騰の影響で給食の食材が値上がりしたとして、横浜市青葉区の市立荏子田(えこだ)小(宮部一校長)が、来年1月の冬休み明け2日分の給食を取りやめることを決めた。4〜10月にかかった食材費が昨年度に比べ約1割も高くなり見直しを余儀なくされたという。 横浜市は児童1人当たりの給食費を年間4万700円に設定、各校が自校で調理している。給食を出す基準日数は184日だが、荏子田小は市内で最も多い188日出しており、食材の高騰の影響が強く出たという。1月8、9日分の給食をやめ、午後の授業計3コマも中止する。3コマカットしても授業時間は十分足りているという。給食と授業のカットは17日に保護者に通知した。【池田知広】 毎日新聞 2007年11月21日 東京夕刊 | ||
| 11月22日 |
民主、義務教育教員確保法案を今国会提出へ (朝日新聞) 民主党は21日の「次の内閣」で、十分な人数の教職員を配置できるようにする措置を定めた「教員の人材確保に関する措置法改正案」を今国会に提出する方針を決めた。公務員の純減目標から公立学校の教職員を除外する行政改革推進法改正案も提出する。 人材確保法改正案は少人数の学級編成や複数の教職員による指導の実現が狙い。財務相の諮問機関、財政制度等審議会は08年度予算編成に向け、文部科学省が求める小中学校教職員の増員は「必要ない」との意見書をまとめている。 犬山市教委、2人交代へ 市長「再来年学テ参加も」 (中日新聞) 「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)に唯一参加していない愛知県犬山市で、不参加に全員一致で賛成した5人の教育委員のうち2人が来月退任し、テスト参加を推進する田中志典市長に立場が近い委員が就任する見通しとなったことが21日、分かった。 来年9月にはさらに1人が任期を終える予定で、田中市長は同日、「再来年はテストに参加するかもしれない」と述べた。同市の瀬見井久教育長は来春の不参加を既に表明している。 関係者によると、退任する2人は任期満了や高齢が理由。新たに任命されるのは市体育協会会長の加藤武司氏(67)と元教育委員の林良忠氏(72)で、12月上旬、市議会に人事案を提案、承認される見通し。 加藤氏は「テストに参加した方がいいと思う」と明言、林氏は「参加したいという親が多いが、市教委のこれまでの方針も尊重すべき」と話している。 テニス部員暴力で3人を停学処分 京都工繊大 (京都新聞) 京都工芸繊維大(京都市左京区)のテニス部員に暴力行為があった問題で、同大学は21日、3年の部員1人を停学3カ月、2年の部員2人を停学2カ月の処分にした、と発表した。 同大学によると、処分を受けた3人は、10月16日に学内での練習中、1年の男子部員に対して暴行を加え、全治2週間のけがを負わせた。試合で掲げる「部旗」の扱いをめぐる口論が原因という。練習に参加しながら暴行を止めなかった部員4人に対しても、厳重注意処分にした。 江戸時代の数学者・関孝和、菩提寺の過去帳調査 (朝日新聞) 天才数学者は幼い娘の死を乗り越えて研究に没頭していた――。鎖国時代、欧米の影響を受けずに方程式の解き方や行列式を編みだし「算聖」と称されながら、その暮らしぶりなどが謎に包まれてきた関孝和(1708年没)の横顔の一端が明らかになった。 数学史を専攻する前橋工科大の小林龍彦教授らが、東京・新宿にある関の菩提(ぼだい)寺・浄輪寺所蔵の過去帳などの資料を調べた。 関については、関の養子が不祥事を起こして家が断絶したことなどから生まれ年さえよくわかっていなかったが、今回の調査で、 (1)2人の娘が関の生前に死んでいた (2)その1人は1686年に10歳前くらいで、もう1人は1698年に20歳前くらいでそれぞれ死去していたことなどが判明した。 これを、行列式のアイデアを記した「解伏題之法」(1683年)、方程式の解き方についての「解隠題之法」(1685年)、暦について書いた「二十四気昼夜刻数」(1699年)などの冊子をまとめた時期と重ね合わせたところ、幼い娘とともに、あるいは娘の死を乗り越えて研究に没頭する姿が浮かび上がった。さらに、父親が死んだ年などから、関の生年が1640年前後であることも確実になったという。 小林教授は「関の人間らしい側面が浮かんできた。独創的なアイデアはどのようにして生まれたのか、そのヒントになるかもしれない」と話す。詳細は12月2日に東京理科大(東京都新宿区)で開かれる関の没後300年記念のイベントで発表される。 「学校債」情報開示の試練・1億円以上で企業並みに (日経新聞) 文部科学省は私立大学が資金を調達する学校債を1億円以上発行する場合、企業並みに詳細な財務内容を開示するよう義務付ける方針を決めた。9月末に施行された金融商品取引法が、学校債を規制対象に加えたことを受けた。大学にとってはコスト増になるうえ、そもそも財務開示に不慣れな学校も多く「大規模な発行は事実上不可能になった」との声も出ている。 少子化で事実上の大学全入時代を迎え、大学の経営環境は厳しさを増しており、こうした大学にとって財務基盤の強化は急務。各大学は一段の経営努力が求められそうだ。(07:00) 東大が世界の「TODAI」へ 米名門大と連携 (1/2ページ) (産経新聞) 東大が11月2日、日本の大学としては初めて、米名門エール大に専任教員が常駐する研究室を開設した。日本では名実ともにトップながら国際的には知名度の低い東大。クリントン前大統領、ブッシュ現大統領ら多くの人材を米政財界に送り込んできた名門大との連携により、世界の「TODAI」としてトップ大学入りするのが狙いだ。 「一般の米国人が知っている日本語はカラオケ、スシぐらい。日米間の知的交流は今後の課題だ」。研究室開設にあわせニューヨークで開かれたレセプションで加藤良三駐米大使があいさつすると、約150人の参加者がどっと沸いた。 米国の日本研究は、ライシャワー元駐日大使や文学研究のドナルド・キーン氏など高いレベルで知られてきたが、最近は中国やインドに学生の関心が向き、日本学は「落ち目」(エール大の国際担当者)なのが実情。 こうした中、東大はコネティカット州のエール大本部キャンパス内に研究室を開設。加藤淳子教授(政治学)ら3人を派遣し、日本学の授業や研究、人材交流などに取り組む方針で、小宮山宏・東大学長は「米国でのプレゼンスを高め、世界のトップレベルの大学に入るための“国際化”の先駆け」と抱負を語る。 東大が世界の「TODAI」へ 米名門大と連携 (2/2ページ) (産経新聞) 東大は3年前の独立行政法人化後、国際化を柱に大胆な大学改革に踏み出したが、その背景には国際的な知名度不足からくる人材流出などへの強い危機感がある。 それを象徴したのが、昨年8月の米誌ニューズウィークに掲載された世界の大学ランキングだ。エール大の3位に対し、東大は16位。武内和彦・東大国際連携本部長は「自然科学系の論文数だけでも東大は世界のトップクラスにあり納得できるものではない」と批判するが、ノーベル賞受賞者数を見ると東大出身者は5人で、エール大の3分の1以下だ。 東大では現在、約30ある海外拠点を2009年春までに130カ所に増やす計画で、小宮山学長は「人のネットワークを広げることで優秀な留学生確保や人材の招聘(しょうへい)につなげたい」と説明する。 また、米国への進出で、日本の大学の弱点ともいえる財政問題の“指南”への期待もある。 米国の有力大では寄付金などを基金として、その運用益で経費をまかなうのが主流。国の補助金頼みの日本よりはるかに独立性が確保できる。ちなみにエール大の年間運用益は東大の年間予算2000億円を超える。 東大では事務職員をエール大に派遣し、研修などを通じて運用のノウハウを蓄積していく計画だ。(ニューヨーク 共同) ◇ エール大 米東部の名門私立大学群アイビーリーグ8大学の1つ。創設は1701年。キャンパスはコネティカット州ニューヘブン。学生・大学院生数は約1万1000人。人文・社会科学系に定評があり、とくにロースクール(法科大学院)は難関。1989年以降の3人の米大統領(父親のブッシュ、クリントン、息子のブッシュの各氏)、次期大統領選の有力候補ヒラリー・クリントン氏ら多くの政治家を輩出。現学長はリチャード・レビン氏。基金額は225億ドル(約2兆4850億円)、2006年度の予算は19億6000万ドル。(ニューヨーク 共同) 9月入学:不人気 就職期合わず、授業編成困難 学長裁量で可能に、規則改正へ (毎日新聞) ◇制度変えても無意味の声も 秋入学を4月入学に戻す大学が現れるなど、政府が推進する9月入学は学生に不人気。文部科学省は、各大学が秋入学を導入しやすくしようと、学長裁量で学年の始まる時期と終わる時期を決めることができるように学校教育法施行規則を改正し、12月下旬に施行する方針を固めた。だが、大学関係者からは「実施は難しい」との声も出ている。【高山純二】 9月入学をめぐっては、大学の国際化などを目指して、政府の教育再生会議が今年6月の第2次報告で大幅促進を提言した。政府の「骨太の方針2007」でも「大学の4月入学原則を一層弾力化する」と盛り込まれた。 これを受け、文科省は大学の学年について、学校教育法施行規則の「4月1日に始まり、3月31日に終わる。学年の途中にも入学・卒業させることができる」との規定を「学年の始期および終期は学長が定める」などと改正し、大学の判断で学年のスタート時期を9月にできるようにする。 4月以外の入学を導入している学部は、00年95学部で、2607人が入学した。05年には322学部まで増加したが、逆に入学者数は1569人まで減少した。 大学院は研究科数・入学者数ともに増加しているものの、学部段階では高校卒業や就職時期に合わない9月入学が敬遠されている現状が浮かんでくる。 94年度から順次計3学部で「秋季(10月)入学制度」を導入した東洋大は06年度、募集を停止し、4月入学に戻した。東洋大広報課は「4年で卒業できる学生がもう半年在籍し、4年半で卒業する人が増えた。05年度は日本人の志願者がゼロ。雇用サイクルに合わないことが(志願者減の)一番の原因」と分析している。 また、東京大の小宮山宏学長は「4月入学が『国際化』に支障があるかというと必ずしもそうではない。また、カリキュラムを(4月と9月の)2本走らせることは、ものすごく大きな問題になる」とカリキュラム編成の難しさも指摘する。 大学の事情に詳しい出版社「大学通信」の安田賢治取締役は「入り口(入学)の機会だけが増えても、出口(就職時期など)が変わらなければ普及はしない。(9月入学は)社会全体で考えなければならず、制度だけをいじっても意味がない」と話している。 毎日新聞 2007年11月21日 東京夕刊 | ||
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教え子にセクハラ 阪大教授を解雇 (産経新聞) 大阪大学は20日、医学系研究科の男性教授(47)が教え子の女子学生にセクハラ行為をしたとして諭旨解雇処分にしたと発表した。 阪大によると、教授は昨年12月、指導していた女子学生に対し、研究室内で2回にわたりセクハラ行為を行った。女性が今年1月、大学のセクハラ相談室に訴えて発覚した。女性は3月に卒業している。 阪大は諭旨免職とした理由を「被害者が謝罪を受け入れ示談が成立しているため」としている。阪大の就業規則により、教授が今月26日正午までに退職届を出さない場合は懲戒解雇となる。 阪大では17年4月にも女子学生に対するセクハラで教授が諭旨解雇になっており、鷲田清一総長は「教育者としてあるまじき行為により精神的苦痛を与えたことは誠に遺憾」としている。 京大:入試を前期に一本化 (毎日新聞) 京都大は20日、医学部保健学科に残っていた後期募集20人を09年度入試から前期に一本化すると発表した。全10学部のすべての学科で前期に一本化されることになる。04年度設置の同学科はこれまで後期試験を4回実施したが、前期の入学者に比べて休学率が高いことなどから「前期だけで求める人材は確保できる」と判断した。【鶴谷真】 毎日新聞 2007年11月20日 19時56分 医学部保健学科も前期一本化 京都大、09年度入試から (京都新聞) 京都大は20日、全学の入試で唯一、後期日程でも実施していた医学部保健学科について2009年度から前期日程に一本化する、と発表した。 09年度の保健学科の定員は143人。08年度までは前期123人、後期20人としており、定員の変更はない。 京大は07年度から保健学科を除き、入試を前期日程に統一していた。同学科は04年度から学生の受け入れを始めたばかりだったため、後期を残していた。過去4年度分の入試結果を検討した結果、07年度の後期の出願人数は04年度に比べ半減したことなどから、前期の一本化を決めた。 笹田昌孝・保健学科長は「後期の募集は全国的に定員が少ないこともあり、志のないまま出願して合格したものの、結局転出するという学生の割合が高かった。前期一本化は、そうした弊害もなくすことができる」としている。 いじめ自殺に名大付属高生 文科省認める (産経新聞) 文部科学省が15日に公表した「いじめ調査」で、自殺した児童生徒のうち、いじめを受けたことが判明している6人の中に、名古屋大教育学部付属高校の女子生徒=当時(17)=が含まれていたことを19日、文部科学省が認めた。 文科省などによると、生徒は1年生だった平成16年秋ごろから不登校となり、保護者から高校に「同級生からいじめを受けている」と連絡があった。同校では継続的に対応してきたが、女子生徒は昨年8月、飛び降り自殺した。 文科省では「生徒自ら命を絶ったことは残念。二度と起きないよう国立大付属校にもしっかり指導していきたい」としている。 宿泊体験活動、1週間に延長へ 京都市教委が方針、08年度から (京都新聞) 京都市教委は20日、市内の小学5年を対象に実施している2泊3日の宿泊体験活動を、2008年度から約1週間に延長する方針を決めた。学習指導要領の改定を進めていた文部科学省の中央教育審議会が、7日決めた「審議まとめ」で、体験活動の充実を提言しているのを受けた対応という。 11月定例市議会の代表質問で門川大作教育長が明らかにした。 市教委は今年9月、市内の小中学校の校長会と合同で宿泊体験学習の充実に向けた協議を進めてきた。08年度は約20校をパイロット校に指定して宿泊体験学習の延長を試行し、早期に市内全179小学校で実施する予定。 具体的には、5年生が花背山の家(京都市左京区)で4泊5日、もしくは5泊6日を過ごす。児童が自然の偉大さや美しさ、地域住民との交流などを進めるため、引率教員に加えてボーイスカウトなど野外活動団体や学校運営協議会、学生ボランティアらにも協力してもらい、各校が独自に創意工夫して活動内容の取り組みを考える。 現在の宿泊体験活動は、4年生が花背山の家で1泊2日、5年生が野外教育センター奥志摩みさきの家(三重県志摩市)で2泊3日行っている。 学費滞納は1校12.7人 中退0.6人、私立高調査 (産経新聞) 経済的理由などで学費を3カ月以上滞納している私立高校生は9月末現在で1校当たり12.7人(前年同期14.7人)、中退者は0.6人(同0.4人)と、依然多い傾向が続いていることが20日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査で分かった。全国私教連は「年度末には中退者が増える心配がある。経済格差が広がっており、年収が低い家庭に対しては学費を無償にするといった制度が必要」としている。 調査は毎年実施しており、今年4月以降3カ月以上学費を滞納している生徒数や退学者数などを調べた。今回は28都道府県の私立高校254校(生徒数計20万9469人)と22都道府県の私立中学98校(同3万6735人)が回答。 調査によると、高校生の滞納者は全生徒数の1.5%に当たる3216人で、中退者は0.1%の153人。入学以来学費を払っておらず、30カ月分を滞納している生徒もいた。都道府県別で1校当たりの滞納者が多かったのは、熊本県の29.3人、宮城県の27.7人などとなっている。 連続盗難を通報せず 愛知県立農業大学校(産経新聞) 全寮制の愛知県立農業大学校岡崎キャンパス(岡崎市)で昨年末から今年10月にかけて、学生のお金や学校の金庫がなくなるなどの盗難とみられる事案が13件相次いでいることが、分かった。額は少なくとも約42万円。同校は「学生の希望」として大半を警察に通報していなかった。 同校によると、昨年12月4日に中央教育棟の学務科室から、父母から預かった現金約14万円の入った金庫と、男子寮の未施錠だった居室から2人分の計1万3000円がなくなったのを皮切りに、いずれも寮の居室から今年1月に7件(計22万7000円)、6、8、10月に1件ずつ(計3万8000円)と続いた。 1月の被害には学校祭でのバザー収益金14万円も含まれていた。5月には酪農専攻室の更衣室から生徒が実習に使う作業服と長靴15人分が、林の中に捨てられていたこともあったという。 このうち同校が通報し、学生らが被害届を出したのは、中央教育棟での1件と10月に寮で起きた1件のみ。ほかは「学生が親に知られるのを嫌がった」として、岡崎署に通報していなかった。 男子寮は老朽化で鍵がかからないドアがあり、外部から侵入可能。同校は県に鍵設置の予算を求めている最中という。 同校の石川賢一管理課長は、事案の大半で通報をしなかったことについて「学生の意思を尊重した。被害届を出すよう学生を説得する選択肢もあったかもしれない」と話している | ||
| 11月20日 |
大学進学に資格テスト、教育再生会議が検討 (読売新聞) 政府の教育再生会議(野依良治座長)は20日の合同分科会で、大学進学希望者に「高卒学力テスト」(仮称)を実施し、合格者に大学受験の資格を与える制度の検討に着手する。 受験生の負担増につながるとして、一部委員からは慎重意見も根強く、年末の第3次報告に向けて大きな議論を呼びそうだ。 「高卒学力テスト」は、高校生の学力低下の問題や昨年に全国各地で相次いだ高校の必修科目の未履修問題などを受け、生徒の学力水準や履修状況をチェックするのが狙いだ。 制度設計の素案によれば 〈1〉国公私立や選抜方法を問わず、大学進学を希望する人は必ず受験 〈2〉受験科目は、必修科目から保健体育、芸術などを除いた国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語 〈3〉全科目の合格者に大学進学資格を付与 ――などが主な柱。難易度は「高等学校卒業程度認定試験」(旧・大学入学資格検定)を想定しているという。 だが、大学入試センター試験も引き続き実施するため、受験生の負担増を懸念する声が根強い。そのため、センター試験で一定の点数を取れば、その科目を免除する案も検討する。また、「高等学校卒業程度認定試験」を廃止して、「高卒学力テスト」に合格した人に高校卒業の資格を与える一本化についても今後、議論となりそうだ。 (2007年11月19日15時57分 読売新聞) 教頭や校長から一般教員へ・自ら「降格」最多の84人 (日経新聞) 全国の公立小中高などの校長や教頭らが自主的に一般教員などに“降格”となる「希望降任制度」を2006年度に利用したのは調査開始(2000年度)以来最多の84人に上ったことが19日、文部科学省の調査で明らかになった。 校内業務などで長時間労働が強いられる教頭(東京都などは副校長)からの降格希望が62人と大半を占めており、文科省は「初めて経験する管理業務にストレスを感じたり、向かないと思ったりする人が多いからではないか」と分析している。 調査によると、制度を利用した主な理由として最も多かったのが「健康上の問題」で44人。そのほかは「職務上の問題」が29人、「家庭の事情」が10人などとなっている。 教頭以外の降格希望者は「校長から一般教員」が8人で、「主幹相当の教員から一般教員」が14人。「校長から教頭」はゼロだった。〔共同〕(15:41) 就業体験学生が5万人突破 前年度比35校増の482大 (東京新聞) 企業や官庁などでの就業体験(インターンシップ)を授業科目として2006年度に実施した大学は前年度より35校増え482校に上り、体験学生も約8000人増の5万430人に達したことが20日、文部科学省の調査で分かった。 体験学生は1996年度の調査開始後、初めて5万人を突破し、文科省は「キャリア教育に注目する大学が増えていることが背景にある」と分析し、今後も増加傾向が続くとみている。 調査によると、教育実習や医療実習などの資格取得目的のケースを除き、06年度に就業体験を実施したのは大学で全体の66%、短大は前年度から5校増えて162校(全体の41%)で、高等専門学校が前年度と同じ60校(同98%)。大学と短大、高専の体験学生は計6万3086人だった。 高1自殺、体にあざ 別の生徒に暴行容疑で高2ら逮捕 (朝日新聞) 岡山県警は19日、中学時代の後輩3人を河川敷に呼び出し、1人に暴行してけがを負わせたとして、岡山市の私立高校2年の男子(16)と、同市内に住む土木作業員の少年(18)を傷害の疑いで逮捕した。呼び出された3人のうち、逮捕された男子と同じ高校に通う1年の男子生徒(16)は16日に自宅で首をつって自殺した。遺体に複数のあざや傷があったことから、県警は2人がこの男子生徒にも暴行していなかったかどうかも調べている。 調べでは、2人は15日午後6時半ごろ、岡山市内の河川敷で、自殺した男子生徒と同じ高校の1年の男子生徒に殴るけるの暴行を加え、1週間のけがをさせた疑い。 自殺した男子生徒は16日午後3時ごろ、同市の自宅で首をつっているのが見つかった。遺書が残っていたが、いじめなどを示す記述はなかったという。しかし、司法解剖の結果、全身に時期が異なるとみられるあざや傷が多数みつかり、繰り返し暴行を受けていた疑いが浮かんだという。 私立高校によると、自殺した1年の男子生徒は、14日に保護者から「体調が悪いから休ませる」と電話連絡があり、16日の金曜まで3日間休んでいた。逮捕された2年生男子は、問題行動はなく、19日朝もいつも通り登校したという。副校長は「2人にトラブルがあったとは把握しておらず、逮捕者まで出たことに大きなショックを受けている。ほかの生徒間にもトラブルなどがないか調査したい」と話した。 | ||
| 11月19日 |
自分でやるより全部授業で 大学生4人に3人が回答 (中日新聞) 大学生の4人に3人は「自分で勉強するより、必要なことはすべて授業で扱ってほしい」と考え、授業内容では「最先端の研究」よりも「学問の基礎」を重視している学生の方が多いことが18日、東大研究グループによる調査で分かった。 授業と直接関係のないことを、独自に学ぶのは少数派であることも判明。高度な専門知識を自ら習得するという学生のイメージからは程遠く、受け身の傾向の強い現在の学生像が浮かび上がった。 調査は今年、全国の国公私立127大学の協力を得て実施。約4万5000人の学生が回答した。 調査結果によると、意味があったと思う授業は「教養・共通教育」が44%、「専門教育」は59%。その内容については複数回答で「学問の基礎を教えてくれた」がトップの55%、「実践的な知識や技能」が50%で「最先端の研究成果」は14%だけだった。 新教育の森:部活指導員 熱意ある人材登用 外部委託で教員の負担軽減 (毎日新聞) ◇人材構成は多様化−−予算確保など課題も 部活動の指導を、非常勤講師や地域住民などに任せる動きが活発化している。文部科学省も、仕事の一部を外部に委託することによって、教員の負担を軽減する仕組み作りに乗り出した。今後、学校の人材構成が大きく変わっていく可能性もある。【加藤隆寛】 「もっとスピード上げろ!」。夕暮れのグラウンドに大声が響く。東京都世田谷区立芦花中学校の非常勤講師、川島岳さん(29)はサッカー部のコーチだ。日中は障害のある生徒の介助を担当するほか、週1コマ体育の授業も受け持つ。 ●教員への夢追う 「現場を見ていると、正規教員で顧問もやるのは大変そうだが、どんなに激務でもやりたい」 教員になる夢を追い続けてきた。大学4年生から毎年、教員採用試験を受けたが、8回とも不合格。卒業後、同区スポーツ財団に5年間勤務。産休の教員に代わる「臨時的任用」として区内の中学で1年勤めたが、その後は無職生活。今年9月、介助専門スタッフとして同校で働き始めたところ、けがをした体育教員の代理が必要になり、「特認」と呼ばれる臨時措置で講師になった。 好きなサッカーを教えていると、次の教員採用試験へのモチベーションが高まってくるという。「部活で生徒と泥まみれになって本気でぶつかり合う。そのコミュニケーションを普段の教室に生かしたい。そんな先生に出会ってあこがれたのが、教員を目指したきっかけだから」と笑った。 芦花中の場合、教員20人のうち20代が2人で30代は1人。採用減少傾向が続いたため、年齢構成のいびつな学校が増えた。小規模校ではベテラン教員が複数顧問を掛け持ちすることもある。近くの大学から指導員を呼んだり、生徒の保護者に指導を頼むケースも増えている。 ●顧問嫌がる若手 区内のある中学の40代のテニス部顧問男性は「顧問は好きでなきゃ務まらない。嫌々やっていたら、これほどきついものはない」と漏らす。若い教員が顧問をやりたがらなくなり、特に土日曜日に指導に出るのを嫌がるという。 顧問は「教材研究などで我々の時代よりはるかに多忙。仕方ない面はある。しかも、保護者の要請に応えるため『失敗できない』と大きな心理的負担を感じている」と、若手に同情を寄せる。 文科省の勤務実態調査に携わった国立教育政策研究所の青木栄一研究員(34)は、「採用試験の倍率が上がり、受験学力ですくい取るようになった。若さと熱意、人間的魅力に富んだ人材が滞留しているので、どんどん雇用して現場で生かせばいい」と語る。 ●国庫負担拡大を 今後、パートタイムやボランティアを含め、多様な人材で分業していくスタイルが求められる。ただ、現行法では教職員の給与として国庫から都道府県に配分された予算を、外部人材を雇うためには転用できない。青木研究員は「多様なニーズに対応するためには、国庫負担対象の職種の範囲拡大を検討してもよいのでは」と提言する。 ◇待遇は自治体ごとに格差 部活動を指導した場合の報酬はどうなっているのか。 文科省財務課によると、国立大付属中の教員(国立大学法人化前の03年度まで)が土、日曜日4時間以上、部活を指導すると手当は日額1200円で、各公立中の教員もこれを基準にしていた。04年度以降は各自治体が独自に定めるようになったが、これと同額程度を維持する自治体が多いという。 東京都は現在、土日は日額1600円を支給。手当を受け取らない代わりに、平日に休暇(半日分)を取得することも可能だ。 外部委託の場合はどうか。 世田谷区は、外部からの指導員に区予算から1時間800円(1日の上限4000円)を支払っている。府中市は1時間1500円だが、1日の上限3000円。町田市は1回1000円か2000円を支払うが、小中学校に市が毎年分配する15万円(モデル校は30万円)が原資となる。 外部委託への積極度は自治体によって差があり、待遇面でもばらつきがある。都は「位置付けがあいまいだったため(教員の)部活動に対する考え方、週休日の指導などに課題があった」として、今年4月に学校管理運営規則を改正。「部活指導は校務。校長が所属職員以外の者に委嘱できる」などと明確に規定した。 ◇残業時間半減目指し概算要求−−文科省 文科省による08年度予算の概算要求は、「子どもと向き合う時間の拡充」などを目標に掲げ、教員の仕事の「外部化」を図ろうとしているのが特徴だ。 要求の根拠となったのは、同省が昨年度、40年ぶりに実施した全国の教員の勤務実態調査。ひと月の平均残業時間(7月)は小学校で36時間、中学校で48時間40分に上った。この時間を半分に抑制することを目指しているという。 柱の一つが「学校支援地域本部(仮称)」の設置。教職員とPTA、自治会、NPO法人などが参加し、部活動指導者など教員をサポートする人材の派遣について協議するという。 また、教職員の定数増や部活動手当の拡充、残業手当制度の見直しなども要求。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は増員などに否定的な見解を示しており、年末の予算編成が注目される。 ============== ◇文科省の来年度予算概算要求の主な項目 【人員面】 ・教職員定数を3年間で2万1362人増=初年度167億円 ・非常勤講師を3年間で1万5000校に配置=初年度77億円 ・「学校支援地域本部(仮称)」を4年間で1万カ所に設置=初年度205億円 【給与面】 ・「主幹教諭」など新たな級の創設に伴う給与増=50億円 ・部活動手当の倍増と管理職手当の拡充=50億円 ・一律支給(本給の4%)の残業代見直し=700億円 毎日新聞 2007年11月19日 東京朝刊 「高卒テスト」導入提唱 教育再生会議が素案 (東京新聞) 大学の入学定員と志願者が同数になる「大学全入時代」の到来をにらみ、大学進学者の学力を担保するため「高卒学力テスト(仮称)」導入を提唱した政府の教育再生会議(座長・野依良治理化学研究所理事長)の大学入試制度に関する改革素案が18日、明らかになった。テストに合格しないと大学を受験できなくなる仕組みで、高校未卒業者を対象にした現行の高等学校卒業程度認定試験(旧大検)の衣替えも選択肢に挙げた。 再生会議は来月取りまとめる第3次報告への盛りこみを検討、20日の再生会議合同分科会で本格議論に入る。 背景には、昨年に高校の未履修問題が発覚したことも踏まえ、大学進学者の「質」を担保しないと、日本の大学制度が信頼を失うとの危機感がある。ただ受験生の「負担増」に直結するうえ、少子化の中で定員を確保したい大学側の反発も予想され、導入の是非をめぐり大きな論議を呼びそうだ。 素案は大学全入時代の到来や、書類・面接などで選考するアドミッション・オフィス(AO)入試、推薦入試の拡大に伴い「大学入学時に必要な学力が備わっていない学生が増加している」と指摘し、学力担保策の必要性を強調した。 (共同) 公立校の希望降格最多に 文科省の全国調査 (東京新聞) 全国の公立小中高などの校長や教頭らが自主的に一般教員などに“降格”となる「希望降任制度」を2006年度に利用したのは調査開始(2000年度)以来最多の84人に上ったことが19日、文部科学省の調査で明らかになった。 校内業務などで長時間労働が強いられる教頭(東京都などは副校長)からの降格希望が62人と大半を占めており、文科省は「初めて経験する管理業務にストレスを感じたり、向かないと思ったりする人が多いからではないか」と分析している。 調査によると、制度を利用した主な理由として最も多かったのが「健康上の問題」で44人。そのほかは「職務上の問題」が29人、「家庭の事情」が10人などとなっている。 教頭以外の降格希望者は「校長から一般教員」が8人で、「主幹相当の教員から一般教員」が14人。「校長から教頭」はゼロだった。 希望降任制度は1990年代後半ごろから各地で順次始まり、06年度までに、41都道府県と12政令市が導入。調査開始以来、利用者の大部分を教頭が占める傾向が続いている。 (共同) | ||
| 11月18日 |
大学院でマンガ学問 学習院や東京芸大が専攻開設へ (朝日新聞) マンガやアニメを教える大学、大学院が来春、相次ぎ誕生する。学習院は、大学院にマンガや映像の文化的意味を研究する専攻を設けることを決め、17日に説明会を開いた。東京芸術大学も大学院にアニメ専攻を加える予定だ。日本の文化を語るのに、もはやマンガやアニメは欠かせない、という認識があるようだ。 17日、学習院で、大学院に来春開設される「身体表象文化学専攻」の入試説明会があった。映像・舞台・マンガ・アニメが研究対象。マンガ担当教授に内定しているマンガコラムニストの夏目房之介さん(57)が、講演した。「僕が大学生のとき、大学でマンガを講じるなんて考えられなかった。ましてや自分が先生になるなんて」 なぜ、大学院でマンガを学問するのか。日本のマンガは、文化として世界に認められる基礎ができており、産業としても大きい。「マンガ抜きの表象芸術を論じるのは非現実的」と、中条省平・文学部教授。編集者などの人材育成も目指す。 東京芸大も大学院映像研究科にアニメーション専攻を加える予定。大学院では、大阪電気通信大学大学院(今年度)が、第1号だ。 学部では、名古屋造形芸術大が、造形芸術学部にマンガクラスを設ける。人気漫画家の浦沢直樹さん、ビッグコミックスピリッツ元編集長の長崎尚志さんを客員教授に招く。 入試広報部長の小林亮介教授は、欧州の美術館を訪ねるたび、若い世代の作品に日本のマンガやアニメの影響を感じるという。「私も最初はどうかと考えましたが、海外のアートでそうした表現が出始めている」 少子化のなか、「京都精華大の成功に刺激されて増えた」(河合塾)面もあるようだ。「マンガ」「アニメ」の学部学科に、「コンテンツ」などの名前の学部等で教えている大学を加えると、既に15大学くらいある。 最初が、00年にマンガ学科をつくった京都精華大。06年に学部に昇格。今年度入試でも、人気のコースは実質倍率が15倍を超えた。韓国、中国などから留学生も多い。 もっとも、実際の描き手になる道は厳しい。 米国のアニメーター労組の組合員だった浜野保樹・東大大学院教授(メディア論)は「アートと一緒でリスキーな世界。大学では業界の歴史やバッグラウンドなど技術以外のことも教え、進む道を考えさせるべきだ」という。(大室一也) 高卒認定試験でミス、問題の不備伝え忘れ…鹿児島県会場 (読売新聞) 文部科学省は17日、同日実施した高校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)の鹿児島県会場で、問題に不備があったことを受験生に伝え忘れるミスがあったと発表した。 不備があったのは、「現代社会」の選択問題中の1題。もともと4題中1題を選んで解答する形式だったが、この1題を除いて3題から選ぶ形式に変更、各会場で、試験監督官が試験開始前に伝えることになっていた。 鹿児島県会場でこの問題を選んだ受験生は5人いたという。同省では、「受験生に不利にならないような対応を検討したい」としている。 (2007年11月18日1時21分 読売新聞) 歯科医抑制へ歯大再編促す、政府・与党が対策 (日経新聞) 政府・与党は余剰が目立ってきた歯科医師の数を抑制するための対策をまとめる。歯大や歯学部の統合・再編を促して入学定員を早期に1割削減するほか、国家試験の合格基準を引き上げて合格者を絞り込む。2009年には新基準での試験実施を目指す。 歯科医数は毎年1000人以上増えて全国で9万人強に達したが、少子化で虫歯になりやすい子供の数が減ったため逆に需要は減少。この結果、過当競争に陥り、経営が悪化する歯科が増えている。政府は今後、歯科医の適正数などの調査を実施したうえで、抑制策の詳細をつめる。(07:01) 1冊100円、不用蔵書1万4千冊売り出し 愛知教育大 (朝日新聞) 愛知教育大学(愛知県刈谷市)は、不用となった図書館の蔵書約1万4000冊を、再利用を目的に古書として1冊100円で売り出す。ホームページ上にリストを掲載し、15日から先着順で受け付け始めた。不用図書は古紙回収業者に出して捨てていたが、04年度の国立大学の法人化後、各大学の判断で資産が処分できるようになったためで、全国的には島根大と九州工業大に続くという。 今回の販売対象は、主に1960年代〜80年代発行の教育関係専門書。辞書や文学全集もあり、定価1万円以上の本も。これまで、主に退職教員の返却品を3年ごとにリストアップし、同じ本を和書は2冊、洋書は1冊を図書館で所蔵し、それ以外を希望部署や教職員に配った残りが不用図書となっていた。今回もまず、古書店や教職員に約4000冊が売れた。 リストはHPの付属図書館サイトで見られる。申し込みは窓口持参(21日除く平日)、郵送(〒448・8542愛知県刈谷市井ケ谷町広沢1愛知教育大学図書課受入係)、ファクス(0566・26・2680)、メール(tosyoka@office.aichi−edu.ac.jp)のいずれか。 30日締め切り。同じ日の申し込みは抽選する。確定後に図書館から連絡する。来年1月中旬ごろに現金と引き換えに窓口で渡す。問い合わせは受入係(0566・26・2684)へ。 副校長が女児にわいせつ行為 宇都宮市教委発表(朝日新聞) 宇都宮市教育委員会は17日、同市立小学校の50代の男性副校長が教え子の女子児童の体を触るなどのわいせつ行為を行ったと発表した。同市教委は9月に教員2人が児童買春などで逮捕されたばかりで、校長による面接など再発防止策を取っている最中だった。市教委は「あるまじき行為であり残念でならない」と話し、今後、栃木県教委とともに副校長の懲戒処分などを決めるとしている。 同市教委が開いた記者会見によると、副校長は10月下旬から今月上旬にかけて、体育館でのスポーツ練習の開始前に「身体計測」や「マッサージ」と言って同じ児童の体を3回にわたって触ったという。 今月中旬に児童の保護者が担任に相談し、校長に報告して発覚した。市教委と校長が副校長に確認したところ、副校長は「本当にとんでもないことをした。申し訳ない」などと話し、事実を認めた。市教委と校長は児童の保護者に謝罪した。保護者は同県警に被害届を出していないという。 市教委によると、副校長は16日に退職願を提出し、現在は自宅謹慎をしている。鈴木宗子教育次長は「依願退職ではなく厳しく処分するため、退職願は受理していない」と話した。 同市では、9月に市立中学校の非常勤講師と男性教諭が強制わいせつや児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで相次いで逮捕されたことなどから、教職員の服務規律の徹底に向け、「倫理観の高揚」などを掲げた行動規範を職員会議で唱和することや、市教委が学校を訪問するなどに取り組んできたという。 市教委は一連のわいせつ行為が行われた後、副校長が所属する小学校を訪問していたが、副校長ら学校側からは報告がなかったという。 鈴木次長は「部下に見本を見せるべき副校長がなぜこのようなことをしたのか、正直分からない」と困惑した様子。近く管理職を対象にした研修会を開き、管理職に必要な資質などを再確認するという。また19日に臨時校長会議を開き、教職員の服務規律の徹底を呼びかけるとしている。 管理職の教え子へのわいせつ行為という組織の根本が揺らぐ異常事態にもかかわらず、同日午後の会見に伊藤文雄教育長は出席しなかった。市教委によると、伊藤教育長は午前中まで来庁していたという。 | ||
| 11月17日 |
義務教育は18歳まで 英政府が期間延長の方針 (朝日新聞) 英国政府が義務教育年齢を18歳に引き上げる方針を打ち出した。現行の16歳ではグローバル化時代の技能を身につけられないためとしている。一方で就学、就業、職業訓練のいずれもしていない「ニート」と呼ばれる若者対策でもある。15年までの実現をめざす。 延長される2年間で若者は教室で学科を学習したり、職業訓練を受けたりする。英政府は現在の義務教育だけで社会に出る若者は貧困層の出身者が多く、低収入の仕事を強いられる悪循環の解消も視野に入れている。 違反には保護者や本人への罰金も検討している。 野党や教育専門家からは「早くから学校を離れる若者には家庭環境や本人に問題がある場合も多い。義務教育の延長がどれほどの効果を持つか疑問だ」との声も出る。 渡海文科相、いじめ調査の「改善を検討」 (朝日新聞) 06年度の文部科学省の調査によって全国の学校で12万件余りのいじめが確認されたことについて、渡海文部科学相は16日の会見で、「こういう聴き方、やり方でよかったのか、年内に専門家をまじえて検討し、次回の調査に生かすよう指示した」と調査方法の改善を検討していることを明らかにした。 渡海文科相は06年度調査で「いじめがない」と答えた学校が45%あった点に触れ、「率直に、そんなことはないだろうと思う。都道府県ごとの数も、単にアンケートを取った所と、聞き取りをしっかりやった所とであれだけの差がある。もっと調査に工夫の必要があると感じた」と述べた。 未履修問題、発覚後も継続 福島・白河の県立高校 (朝日新聞) 家庭科の未履修が昨秋発覚した福島県立白河高校で、3年生が卒業するまで日本史の授業で世界史を教え続けていたことが16日、県教育委員会の調べで分かった。今年度も3年生の情報Aで他教科への振り替えが行われていた。県教委は今年度分に関して「授業時間が不足する可能性もある」として是正を命じた。 記者会見した遠藤教之校長は「受験を控えた生徒のためを思って続けていた。再発防止に努めたい」と話している。 県教委によると、昨年度の3年生の日本史B(4単位)の授業で、問題発覚以降も109人に世界史を教えていた。担任や教科担当など多くは未履修と知っていたが、遠藤校長は「知らなかった」と話している。 9月25日に「家庭科以外にも未履修がある」との手紙が県教委に届いて発覚した。県教委は家庭科の問題が判明後に調査に入ったが、「時間割りや教育計画が偽装されていたために見抜けなかった」という。 生徒主導の授業に関心 堀川高で教育研究大会 (京都新聞) 堀川高(京都市中京区)の教育研究大会が16日、同高で始まった。全国から約570人の教育関係者が訪れ、大学への進学実績を上げている専門学科の生徒たちの学習態度や、教員の授業の進め方などに関心を寄せた。 堀川高は探究学科を設けた1999年から、教育活動を深める機会にしようと、公立高では珍しい研究大会を毎年開いている。初日は人間探究科と自然探究科の計6教室で研究授業を行い、普通科I、II類を含む8教室で授業を公開した。 人間探究科2年の研究授業は吉田兼好の「徒然草」を教材に学習した。生徒が用意したレジュメを基に、著者の女性観や漢文引用の効果を分析して自分の考えを発表し、ほかの生徒に意見を求めた後、教師が内容を補足するなど生徒主導で文章を読み込んでいた。 17日は東京大の市川伸一教授を講師に招いて、高校教育の課題について講演と対談が行われる。 国語科教育の研究成果を発表 南丹・平屋小で公開授業 (京都新聞) 国語科教育の研究に取り組んでいる京都府南丹市美山町安掛の平屋小と同市教委が16日、2年間の成果を集大成した研究発表会を同小で開いた。府内外から教諭、教育関係者ら約180人が集まり、公開授業や専門家の講話を通して見識を深めた。 同小は児童数39人、2、3年が複式学級の小規模校。2006、07年度の府教委「京の子ども、夢・未来校(学力向上公募校)」指定を受け、国語科の学習研究を進めた。美山中(同町静原)や、南丹市と地域連携協定を結んでいる佛教大などと協力して、授業に工夫を加えてきた。 具体的には、じっくりと考える時間「思考タイム」と、生き生きと表現する時間「表現タイム」を設け、国語以外の教科の授業でも、国語力を高める視点を取り入れた。 この日の研究発表会では、午後の授業を公開した。府教委の田原博明教育長をはじめ、今年春に採用された新任教諭、保護者らのほか、地域の人たちが熱心に見学した。 この後、体育館で全体の研究発表があり、佛教大教育学部の達富洋二准教授が講話した。同小の出野正校長は「子どもが元気で、(自分の考えを)進んで発言できるよう取り組んできました。同時に、教える側の授業力も高まった」と手応えを感じていた。 合格発表受験番号に誤り 京都工繊大AO入試で (京都新聞) 京都工芸繊維大(京都市左京区)は15日、リポート作成などで合否を決めるAO入試1次選考の合格発表で、先端科学技術課程の1人の受験番号に誤りがあった、と発表した。 大学によると、合格者1人の6けたの受験番号のうち、全受験者共通の上1けたを誤った。合格発表はこの日午前10時に学内の掲示板と、ホームページで行ったが、当該合格者の家族から問い合わせがあり、訂正した。大学入試課は「点検ミスが原因。再発防止に努める」としている。 | ||
| 11月16日 |
学校への苦情、4分類で対応 府教委がマニュアル (京都新聞) 京都府教委は15日、学校に対する苦情対応のマニュアル冊子「信頼ある学校を創(つく)る」を府市町村教育委員会連合会とともに作製した。府総合教育センター(京都市伏見区)に寄せられた電話相談の経験則から、全国で初めて苦情を4タイプに分類、事例も盛り込み苦情対応への姿勢などを解説している。 学校に対する苦情をめぐっては、一方的に理不尽な要求を突きつけて運営に支障をもたらす「モンスターペアレンツ」ともいわれる保護者とのトラブルが全国的に増えているとされる。 冊子は、保護者からの苦情について ▽子どもの様子を客観的にとらえて学校の指導不足などを指摘する「現実正当型」 ▽保護者が責任を棚上げして問題のとらえ方にゆがみのある「理解歪曲(わいきょく)型」 ▽他者を非難することなどで自身の子育てを正当化する「過剰要求型」 ▽学校に責任がなく、実現不可能な要求を持ち込む「解決困難型」 −の4タイプに分けた。 各タイプの要求の違いや留意点を、「遅刻」と「いじめ」の2例で解説。解決困難型の留意点では、心の問題や地域社会から孤立している保護者らの特殊なケースも考え、警察や弁護士らの力を借りることも視野に入れた対応などを助言している。保護者の話を聞く時に「相手の怒りを増幅させないこと」など6つの注意点も添えた。 同センターによると、今年4月から4カ月間で受けた電話教育相談は約650件。うち32・3%の約210件が「学校や教職員の苦情」だった。冊子はA4判22ページで2000部作製。京都市を除く府内の小中学校や市町村教委などに配る。 同センターの山口恭一所長は「冊子は生の情報を基に作製し、保護者や子どもの実情に近い内容となっている。教職員が苦情の聞き方を身につけ信頼ある学校づくりにつなげてほしい」と話している。 定員の半数を地域枠に 旭川医大、道内勤務が条件 (京都新聞) 北海道旭川市の旭川医科大は15日までに、2009年度入試から医学科の定員100人のうち50人を、道内高校出身者の地域枠にすることを決めた。卒業後も道内で勤務することが条件で、深刻な医療過疎問題の解消が狙いだ。文部科学省によると、定員の半数を地元に限るのは全国初。 旭川医科大によると、08年度入試から医師不足が特に深刻な北海道東部、北部の出身者10人の地域推薦枠を設定。この制度に加え、09年度から40人を道内全域の高校出身者枠とする。 卒業後は大学の指定機関で研修、勤務することが条件。強制力はないが、出願時に道内勤務についての確約書を提出してもらう。 文科省医学教育課によると、全国に79ある医学部設置大学のうち、07年度入試では19大学で地域枠を設定しているが、定員に対する割合は最も高いところでも3割程度で、半数というのは例がないという。(共同通信) 来年は4月22日に実施 全国学力テスト (京都新聞) 文部科学省は14日、来年の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)を4月22日に行うことなどを定めた実施要領を作成し、都道府県教育委員会などに通知した。 今年のテストでは、解答用紙に原則として名前を記入させていたが、個人情報の流出を心配する自治体などが相次ぎ、個人番号だけの記入も認めた。来年は最初から名前の記入は求めないとした。 調査対象は今年と同じ国公私立の小学6年生と中学3年生。内容も国語と算数・数学の2教科で、それぞれ知識と活用力を問う出題となる。 結果については、文科省が国全体と都道府県別の状況などを公表。各教委には引き続き、市町村名や学校名を明らかにしないよう求め、自校の結果を公表するかどうかの判断は各学校に委ねた。(共同通信) いじめ、06年度急増12万件 聞き取り重視の結果(朝日新聞) 全国の学校で06年度に確認されたいじめは12万4898件にのぼることが、文部科学省が15日発表した「問題行動」の調査で分かった。05年度の約2万件から一気に約6.2倍に増えた。同省は増加の理由として、子どもを取り巻く状況よりも、いじめの定義や調査方法を今回から変えたことや、学校側の姿勢の変化が大きいとみている。 06年秋にいじめが社会問題化したことを受けて、文科省は、いじめの定義から「一方的に」「継続的」といった限定的な表現を削除。公立校に加え、国立・私立の計約2500校を初めて対象としたほか、アンケートなどで子どもから直接聞く機会を設けることも求めた。 その結果、小・中・高・特殊教育諸学校(現在は特別支援学校)の55%にあたる2万2159校で1件以上のいじめが確認され、約81%の10万1089件は「解消」しているという。 学校別にみると、小学校約6万1000件(05年度の約12倍)、中学約5万1000件(同4倍)、高校約1万2000件(同6倍)、特殊教育諸学校384件(同5倍)。内容では、ひやかしやからかい(66%)、仲間はずれや集団で無視(25%)が多く、パソコンや携帯電話での中傷などは4%だった。 件数は都道府県によって差があり、熊本県では前年の約125倍となる1万1205件を記録。これは全国の1割弱に当たる。1000人あたりでは、熊本の50.3件が最多で、(2)福井(3)岐阜(4)石川(5)大分と続く。熊本と最少の鳥取(2.1件)では、25倍の開きがあった。この差は、調査手法の違いも影響したとみられる。 調査では、いじめ以外の問題行動も調べている。暴力行為は過去最多となり、小中高の総数で4万4621件。神奈川7049件、大阪5816件の両府県で全体の3割近くを占めた。 48大学、「学力」重視で奨学金 支援機構の基準守らず(朝日新聞) 日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金について、全国の48大学が高校時代の成績などの基準を設けて受給者を選んでいたことが15日、わかった。機構は99年に「学ぶ意欲を重視する」として、高校時代の学力を問う旧来の基準を廃止していた。このため、資格があるのに受給できなかった学生が多数いると見られる。渡海文部科学相は「機構の基準が守られていなかったのは遺憾」として、独自の基準をやめるよう各大学を指導する考えを明らかにした。 この日の参院文教科学委員会で公明党の山下栄一氏の質問に、渡海文科相が答えた。外部からの指摘を受けて同機構が今年10月、国公私立の全756大学を調べたところ、全体の6.3%に当たる48校(国立6、公立4、私立38校)が、高校時代の成績など学力を基準に受給できる学生を選抜していた。 文科省VS財務省 教職員増員めぐってバトル (1/2ページ)(産経新聞) いじめ、学力低下、理不尽な要求をする保護者…。教育現場を取り巻く厳しい環境に対応しようと、文部科学省は来年度予算で公立小中学校の教職員約7000人の増員を要求している。教師が多忙で子供と向き合う時間を確保できない現状を、人手を増やすことで是正するのが狙いだが、行政改革法が施行され地方公務員の純減に取り組んでいる最中とあって、予算を握る財務省が反発。年末の予算編成に向け激しいバトルが繰り広げられている。 教職員の定数については、昨年6月施行の行革推進法で削減が決まっている。しかし、その後に教育三法が改正され学校現場に新たなポストが設けられたことなどから、文科省は今後3年間で2万1000人の教員を増やすことを計画した。 財務省を説得したい文科省は、さまざまなデータをもとに増員の必要性を主張している。日本の公教育支出の対GDP比は主要先進国に比べ3.6%で、先進国(G5)平均の4.9%より低いことを示すと、財務省は児童生徒1人当たりの支出額を算出、G5平均を上回ると反論する。 ただ、財務省にも教育現場に問題があるという認識はある。文科省の「教員勤務実態調査」では、昭和41年度の教員の月残業時間は8時間だったが、平成18年度は34時間に上っており、子供に向き合う時間が少ない現実がある。文科省は事務的な業務や生徒指導に時間がとられていると主張するが、財務省は事務のIT化で省力化が可能としている。さらに「文科省や都道府県教委などからの調査やアンケートに忙殺されている現実がある。文科省が先頭に立って改革を行い文書量を減らす努力をすれば、教員が子供に向き合う時間ができるはず」(主計局)と手厳しい。 文科省VS財務省 教職員増員めぐってバトル (2/2ページ)(産経新聞) 文科省は現場の困難さをアピールするため、給食費を払わない保護者が増えているほか、不登校や学校での暴力行為が増えている実態をデータで示している。これに対しても財務省は「OECD学習到達度調査(PISA)」のデータで反論。「授業中は騒がしくて、荒れている」の問いに対し「ほとんどない」の回答が、日本は44.4%(平均19.9%)だったことを挙げる。 財務省は「教員の量を増やすより質を高めるのが先決。義務教育に何を求めるか、学校の役割は何かという問題を整理することも必要だ」(主計局)との立場で文科省との議論は平行線のまま。対する文科省も「厳しい声があることは認識しているが、教育の質の向上には教員の定数を増やさなければならない」(渡海紀三朗文科相)と、原則を崩さない構えでバトルの行方が注目される。 | ||
| 11月15日 |
専修大2月入試、今ごろミス発覚 14人追加合格(朝日新聞) 専修大は14日、2月に実施した入試で日本史の問題に出題ミスがあったと発表した。採点をやり直した結果、14人を追加合格させることを決めた。 10月30日に福岡県内の予備校からミスを指摘されて発覚。2月9日に実施した、1回の試験で全学部に出願できる「全学部試験」の日本史の四者択一の問題で、正解が二つあった。 追加合格が決まった14人のうち5人は、専大の別方式の入試に合格して入学していたが、残る9人はまだ連絡がついていないという。9人が同大に入学を希望した場合は、すでに他大学や予備校に支払った入学金や授業料などを補償する。ただし、残る数カ月で1年分の勉強をするのは無理だと判断し、入学時期は来年4月になる。 大手予備校によると、夏ごろに出版社が入試問題集を出す際に気づいてミスが発覚することがあるが、この時期に発覚するのは珍しいという。 48大学、「学力」重視で奨学金 支援機構の基準守らず(朝日新聞) 日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金について、全国の48大学が高校時代の成績などの基準を設けて受給者を選んでいたことが15日、わかった。機構は99年に「学ぶ意欲を重視する」として、高校時代の学力を問う旧来の基準を廃止していた。このため、資格があるのに受給できなかった学生が多数いると見られる。渡海文部科学相は「機構の基準が守られていなかったのは遺憾」として、独自の基準をやめるよう各大学を指導する考えを明らかにした。 この日の参院文教科学委員会で公明党の山下栄一氏の質問に、渡海文科相が答えた。外部からの指摘を受けて同機構が今年10月、国公私立の全756大学を調べたところ、全体の6.3%に当たる48校(国立6、公立4、私立38校)が、高校時代の成績など学力を基準に受給できる学生を選抜していた。 公立小中の教職員増、民主が今国会に法案提出方針(産経新聞) 民主党は13日、公立小中学校の教職員の増員を盛り込んだ人材確保法改正案と教職員数の純減規定を削除する行政改革推進法改正案を今国会に提出する方針を固めた。14日に予定されている「次の内閣」で両改正案の中間報告を行う。 同党がまとめた要綱案によると、人材確保法の改正案は、「少人数学級や複数の教職員がきめ細かな指導を出来るように十分な教職員の人数を確保する」との規定を新設し、教職員数の増員を目指す。 一方、行革推進法改正案は〈1〉公立小中学校の教職員数の純減規定の削除〈2〉教職員給与の優遇を定めた人材確保法の廃止を含めた見直し規定の削除――などを定めた。 教職員数については、昨年5月に成立した行革推進法は「児童生徒の減少に伴う自然減を上回る純減」を政府や地方自治体に求めている。 (2007年11月14日9時28分 読売新聞))(コメント 文部科学省と共に頑張って) 土曜日はOBが先生(産経新聞) ■兵庫・尼崎市 勉強サポート制度「公立中の信頼回復を」 兵庫県尼崎市は平成16年から公立小中学校を対象に学力調査を行っているが、調査開始以来、全学年・全教科で全国平均を下回り続けている。影響は深刻で、公立校の教育の質が市外転出の理由になるほど。この対策として市教委は今春から、OBの大学生らが後輩の中学生を指導する「土曜チャレンジスクール」を全市立中学校で始めた。キーワードは「公立校の信頼回復」だ。(康本昭赫) 同市立常陽中学校のスクールは毎土曜日の午前に行われている。参加者は1〜3年の生徒約30人。登録制で約50人が参加し、同校卒業生の大学生や田中誠一校長ら計5人で教えている。 教え方は独特だ。黒板を使うことはない。科目は英語と数学だけ。それも数段階の難易度ごとに分かれた問題集を生徒が選んで取り組む。参考書を持参したり、別の問題集を使ってもいい。つまり、あくまで主体は生徒。大学生らは生徒の勉強のサポート役に徹し、質問がある生徒を教えるスタイルだ。 ほぼ毎回参加している3年の若林百合子さん(15)は「楽しいし、よく分かる。成績があがったと実感する」と話す。同じ学年の小沢萌さん(15)は「一人一人に対応してくれて質問もしやすい。英語、数学だけでなく、理科や社会も教えてほしい」と要望する。 市教委は市内の児童、生徒の学力や生活実態を把握しようと、平成16年から学力・生活実態調査を実施。しかし学力テストの平均点は全国平均を下回り、昨年度は中3英語で7・8点、中1数学で6・6点低く、全教科でも全国平均を下回った。 一方で、授業の理解度は、「よくわかる」「だいたいわかる」との回答が全国平均より各学年で2・4〜23・9ポイント高かった。つまり授業はよく分かっていながら、学力は全国より低いのだ。 この矛盾の理由は何か。同市教委は、約30%の生徒が学校外での勉強時間を「ほとんどしない」「30分まで」と回答していることが原因だと判断した。スクールは、同じ中学校出身の身近な大学生が教えることで、勉強に興味を持ち、家庭で学習する習慣を身につけてもらうことが狙いでもある。 開始から約6カ月。その狙いは当たりつつある。田中校長は「これをきっかけに、勉強に対する姿勢が変わった生徒もいる」と言い、「教師役」で参加している神戸女子大4年の浜田奈津子さん(21)も「5月ごろに比べ、進んで難しい問題にチャレンジする生徒が増えた」と生徒の意識の変化を指摘している。 市が16年に実施した調査によると、中学生以下の子供がいて、市外へ転出した家庭の25%は、市内を転居先に選ばなかった理由として「公立学校教育の質」を挙げた。同市は人口流出、財政難が続いており、公立校への信頼回復は市政にとっても急務の課題だ。 市教委学校教育課は「スクールの成果はまだ分からないが、学習習慣が定着することで、学力を向上させたい」と成果に期待している。 学長選、再び色分け投票 滋賀医科大、職種別に用紙(京都新聞) 滋賀医科大(大津市)は12月の次期学長選考で行う意向聴取投票で、職種ごとに色分けした投票用紙を用いることに決めた。「各職種がどの候補を推すか見極めたい」と大学側は説明するが、前回選考で得票が少なかった候補が学長に選ばれた経緯もあり「教員票だけを重んじているのではないか」などと反発の声も上がっている。 学長選考は、学内外の委員でつくる選考会議が決める。滋賀医大によると、選考の参考として、医師らすべての教員、役職のある看護師や技師、職員約460人が投票を行うが、その際、職種ごとに投票用紙を3種類に色分けする。 同じ投票方法は2004年の前回選考でも実施。開票結果で総数は発表したが、職種別の内訳は非公表だった。大学側は「選考会議で総数のみの公表を決めた」として今回も踏襲するという。 これに対し、学内では「不透明」「必然性がない」と批判がある。関係者によると、今月上旬、一部の部署が色分け投票用紙の使用をやめるよう要望書を提出した。 10月の医学科教授会では、前回選考の投票で最多得票しながら落選した野田洋一教授が「『教員票だけが10票差で負けたため落選した』と、ある選考会議委員から聞いた」と発言、同席した複数の委員から否定する意見はなく、波紋を広げた。色分け投票への賛成もあったが、「差別意識の現れだ」「結果をどう使うか明確でないのは問題」などの反対意見も出た、という。 前回選考では、「変革の初期に学長が交代することは得策でない」との理由で、獲得票数が少なかった現職の吉川隆一学長が再選した。野田教授は選考の無効を訴え、大津地裁に提訴したが、地裁は「意向聴取はあくまで参考」として野田教授の訴えを退けている。 ■国立大学の学長選考 2003年施行の国立大学法人法は、学長決定権は学長選考会議にあると定める。選考会議は、学内の教授らで構成する教育研究評議会と学外識者らで構成する経営協議会がそれぞれ同数委員でつくる。法律上は必要ないが、選考の参考とするために投票による意向聴取投票を行うケースがある。滋賀医科大や新潟大、山形大、高知大では、意向聴取結果を覆す選考結果となり、論議を呼んだ。滋賀医科大と新潟大では訴訟に発展した。 | ||
| 11月14日 |
関東知事会、高校の日本史必修化要望 「国益に反する」(毎日新聞) 関東地方知事会は13日、文部科学相あてに高校での日本史を必修科目とするよう要望した。代表の松沢成文神奈川県知事は「若者が日本の歴史を知らないことは国益に反する」と述べた。次期学習指導要領でも世界史は必修科目だが、日本史は選択科目となっている。 教育再生会議:「学校評価機関」見送り 自治体教委が実務(産経新聞) 政府の教育再生会議は13日の合同分科会で、学校を外部から評価・監査するため、1月の第1次報告で提言した「教育水準保障機関」(仮称)設置構想を見送ることで合意した。国は一定の評価基準を示すにとどめ、実務は都道府県や市町村の教育委員会に委ねる方向で検討、12月の第3次報告に盛り込む。 第1次報告は「学校が教育内容について情報開示し、子供や保護者と意思疎通を図りながら運営することが、信頼感を高める」と指摘、厳格な外部評価制度の導入を打ち出した。しかし、学校評議員や学校運営協議会などの制度がすでにあり、この日の合同分科会では「機関の設置は屋上屋になる」といった慎重意見が大勢を占めた。 一方、各教委が教員人事などを自己評価して議会に報告する仕組みが来年4月に始まることを踏まえ、第1次報告で明記した教委に対する外部評価制度の導入も撤回する。こうした判断は、福田康夫内閣のもとで「穏健路線」に転換したことを示すものだ。【佐藤丈一】 毎日新聞 2007年11月14日 東京朝刊 | ||
| 11月14日 |
教員の負担減を検討 週内にも事務削減PT発足 文科省(産経新聞) 学校現場の負担を軽減するため、文部科学省は13日、事務作業の削減を検討するプロジェクトチーム(PT)を週内にも発足させると発表した。教員が子供と接する時間をつくるとともに教員定数増に向けて自己努力をアピールするのがねらい。 PTは、全国連合小学校長会や全国都道府県教育長協議会など6団体から推薦されたメンバーで構成。文科省が行う調査・統計や照会事務、地方教委と重複する調査などについて縮減、精選できるものを検討する。月内にも具体策を提言する予定。 文科省は来年度から3年間で約2万1000人の教員定数増を要求しているが、財務省は財政難を理由に難色を示している。 文科省の教員の勤務実態調査によると、平均して1日10〜25分程度事務作業に充てている。 渡海紀三朗文科相は「自分たちでできる努力を行い、必要なものは要求していきたい」としている。(コメント 文部科学省頑張っているね) 「教職員の増員必要ない」財政審の意見書原案(朝日新聞) 政府の08年度予算編成に向けた財政制度等審議会(財務相の諮問機関、西室泰三会長)の意見書(建議)原案が12日、明らかになった。文部科学省が求める小中学校教職員約2万1000人の増員について、「必要な状況にはない」として認めない姿勢を打ち出している。増員要求は与党内にも根強く、年末にかけ焦点のひとつになりそうだ。 意見書は財政審が19日にまとめるが、財務省が作成に深くかかわり、予算編成に向けた同省の考え方が実質的に示される。 文科省は夏の概算要求で、教職員が子供と向き合う時間を増やす必要があるとして、08年度からの3年で教員を増員するよう求めた。だが、財務省は、06年7月に閣議決定した「骨太の方針06」で、「教職員の定数については5年間で1万人程度の純減を確保する」と定めたことを根拠に、難色を示してきた。 意見書の原案は、子供の減少に伴い児童生徒1人当たりの教職員数は増加しているなどとして、「現状でも対応可能だ」と指摘。授業以外で、教師の事務作業の負担が重くなっているとして、校長や教頭の組織運営力強化やIT(情報技術)化の推進などを求めている。 このほか原案は、揮発油税(ガソリン税)など道路特定財源の上乗せ税率について「維持が不可欠」と結論づけた。また、地方公務員の給与水準の引き下げや、在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)の削減、08年度の診療報酬改定で薬価改定分を除いた「本体部分」を引き下げることなども、盛り込んでいる。 | ||
| 11月13日 |
島根大付、「4・3・4」制へ 学校不適応の解消狙い(朝日新聞) 島根大学教育学部が付属の幼稚園、小学校、中学校で、4歳児〜小2を初等部前期、小3〜小5を初等部後期、小6〜中3を中等部とする「4・3・4」のブロック制を来年度から導入する。学校生活に適応できない小1プロブレムや中1ギャップの解消を図るのがねらいだ。 各校園にいる「校内教頭」が各ブロック主任に就任。現在いる各校園長の代わりに3校園を統括する「専任校長」を新設し3校一体で運営する。 松江市内にある同じキャンパスに3校園がある利点を生かし、各校の教員が授業を横断的に受け持つ。 (1)小学校低学年の教育内容の一部を幼稚園で教える (2)小6で中学校の教科担任制を採用する (3)初等部後期から週1時間程度、英語の授業をする (4)最終学年の中3では高校の指導内容も一部取り入れる ――などが検討されている。 2・6・3年制の枠組みは残し、入試もこれまで通り入園時と小1、中1入学時に実施。一貫教育の再編に合わせ、少人数学級に移行する。幼稚園では3歳児保育を廃止。小学校は1学年約80人(2学級)から60人(2学級)へ、中学校は1学年約160人(4学級)から140人(4学級)へ、それぞれ13年度までに減らす。 1日にあった説明会では、保護者から 「4・3・4制の短所を説明してほしい」 「実験的な試みなのか」 といった質問が出た。 学校側は「短所はまだわからない。効果を検証しながら、良い体制にしたい」などと答えた。 島根大教育学部は05年から幼小中の一貫教育を検討。文部科学省に昨年打診し、今年8月末に認可を得た。高岡信也学部長は「子どもの発達に合わせ、きめ細かな教育が可能になる」と話している。 博士:就職、依然厳しく 企業、扱いにくい?−−今春、文科省調べ(毎日新聞) 大企業の今春の研究開発従事者採用で、学士や修士の採用を増やそうと考えた企業が2〜3割あったのに、博士課程修了者やポスドク(短期の任期付きで大学や研究所で働く博士)を増やそうと考えた企業は1割未満にとどまったことが、文部科学省の調査で分かった。企業側に「博士は専門性にこだわりすぎて視野が狭く、扱いにくい」との思惑があるとみられ、博士の就職難が依然として続いていることが浮き彫りになった。 調査は今年2〜3月、研究開発部門を持つ資本金10億円以上の企業1791社に実施、896社から有効回答を得た。研究開発従事者の採用を増やすと答えた企業が学士は23・6%、修士は30・9%あったが、博士は7・7%、ポスドクは3・0%にとどまった。 一方、これまでに採用した人材については、「期待を下回った」との回答が学士で31・1%に達したが、学歴が上がると割合が下がり、ポスドクでは8・1%だった。 文科省は「採用した博士がたまたま企業のニーズに無関心だったなどの経験があるため、採用を手控える企業が多いようだ。コンスタントに採用している企業ほど博士への評価は高い」と分析している。【西川拓】 毎日新聞 2007年11月8日 東京夕刊 大阪大:教授が架空発注 研究費不正使用−−処分へ(毎日新聞) 大阪大学(大阪府吹田市)は12日、同大学の理系の男性教授(53)が、実験器具の納入業者に対して01年度から04年度までの4年間で計約1150万円相当の架空発注を行い、この金額を業者側に預けた形にして、研究費を不正使用していたと発表した。同日までに文部科学省にも報告した。研究費の内訳は、大学の校費や企業から受けた共同研究費などで、阪大は今後、教授に全額を返還させて、年内にも処分する方針。 阪大は「私的流用はなく、横領には当たらない」と説明。1150万円の使途について「業者側の書類を確認した結果、ビーカーなど実験用の消耗品として納入されたことになっている」と述べるにとどめ、警察に連絡していないことも明らかにした。 発表によると、教授は02年3月、業者幹部の経理担当者に対し、約46万円分の架空納品書の作成を依頼。これを手始めに05年2月まで計27回、総額約1147万円の納品書を作らせたという。 この教授は「(年度内に使う予定のない研究費を)次年度に向けて確保するためだった」と話しているという。【高木昭午】 毎日新聞 2007年11月13日 東京朝刊 | ||
| 11月12日 |
学力向上チーム設置など学力テスト結果で動き出す自治体(1/3ページ)(産経新聞) 43年ぶりに実施され、先月末に結果が公表された全国学力テスト。文部科学省では、意欲的な「学校改善支援プラン」を作成した自治体には予算支援措置を講ずることを明らかにするなど“学テ効果”を期待する。各都道府県教育委員会では緊急の学力向上チームを設置したり、よりきめ細かな指導につなげようと地域別の結果の公表を検討するなど、さまざまな動きが出始めている。 ■庁内に学力向上チーム 文科省は各都道府県や政令市の教育委員会などに対し、学力テストの結果を今後の教育施策に活用するよう、「検証改善委員会」の設置を要請。自治体ごとに調査結果を分析した上で「学校改善支援プラン」を作成するよう求めている。 学力テストの平均正答率が公立小、中いずれも全国で45番目となった大阪府でも改善委を設置、今月中に初会合が開かれる。 これに合わせ府教委では、小中学校課、教職員人事課などの職員でつくる「学力向上チーム」を設置することを決めた。改善に向けた課題が複数の部署にまたがることを踏まえた取り組みで、学校や市町村教委への支援、教員から相談を受ける態勢づくりに取り組む。 今月6日には、綛山(かせやま)哲男教育長らが文科省などに出向き、教育予算の拡充や教員の重点配分を要望。府教委教育政策室は「児童、生徒数に比例して配分するのではなく、課題を多く抱える自治体に集中して配置するよう訴えていく」と話す。 学力向上チーム設置など学力テスト結果で動き出す自治体(2/3ページ)(産経新聞) ■応用力育成テスト模索 小中両方とも平均正答率で47番目という厳しい結果が出た沖縄県。大阪と同様、教育長らが文科省を訪れ、教員の増員配置や文科省の調査官派遣など学力向上に向けた対策への支援を要請した。 県教委義務教育課の山中久司課長は今回の結果に「復帰以来、県をあげて学力向上対策に取り組んできた。成果が表れるだろうと期待していたのだが…」とショックを隠せない。 県はこれまで小6と中2の児童・生徒全員を対象に、国語、算数・数学、英語の「達成度テスト」をするなどの対策を講じてきた。しかし、「達成度テストは基礎的な問題が中心。応用問題に対応しきれないということが今回のテストで分かった」と山中課長。今後、テストの内容の見直しを検討するとしている。 学力向上チーム設置など学力テスト結果で動き出す自治体(3/3ページ)(産経新聞) ■データ生かすため公表 文科省は、地域や学校の序列化を避けるため、市町村や学校ごとのデータは公表しないよう各教委に強く要望。大阪府を始め多くの自治体は、都道府県より細かい単位の発表はしない方針だ。 しかし、自治体によって異なる教育課題を割り出し、よりきめ細かな指導につなげようと地域ごとの成績を公表しようという動きもある。 北海道は道内14支庁ごとのデータ公表を検討中。また、鳥取県は県東部、中部、西部の3エリアごとの平均正答率を今月中にも発表する。 県教委小中学校課は「データはなるべく公表し、今後の指導に役立てるべきだ。学校別でなく、地域別であれば過度な競争にはつながらないと判断した」という。 お茶の水女子大の耳塚寛明教授(教育社会学)は「問題は集めたデータをどう生かすか。学校規模や地域特性などのデータと学力調査の結果を細かくクロスさせて検証すれば、支援が必要な学校や具体的な支援策が見つかるはず」と話している。 東大が低所得家庭の授業料免除 地方大に危機感広がる (1/2ページ)(産経新聞) 東京大学は来年度から、新たな授業料減免制度を導入し、国立大で初めて家庭年収400万円未満の学生の授業料を一律無料にする。金銭的問題から東大進学をあきらめる学生に門戸を広げ、優秀な“頭脳”を確保するのが狙いだ。京都大や大阪大は「同様の制度を導入する予定はない」と静観の構えだが、財政難に頭を悩ませる地方の国立大は「地元に残ろうと思っていた学生まで奪われてしまうかも」と危機感を募らせている。 東大によると、新制度は学部生を対象に授業料53万5800円を免除。入学金(28万2000円)は免除されない。 これまでの減免制度は、世帯収入からさまざまな特別控除額を引いた金額が基準額を下回った学生が対象だった。自宅・下宿や家族の人数の違いで基準額が異なる複雑な算定方式のため、簡素化した新制度を導入した。現行制度も残すという。 東大で授業料を全額免除されている学部生は全学部生の3%未満の370人(平成18年度)。新制度の適用を受ける学生は現在より1、2割程度増え、予算の負担も約9000万円増えるとみている。担当者は「財源は節電などこまめな節約で捻出(ねんしゅつ)する」という。 東大が低所得家庭の授業料免除 地方大に危機感広がる (2/2ページ)(産経新聞) 大学の負担が増える思い切った東大の新制度導入に対し、今年度までの東大と同様の減免制度をもつ京大や阪大は「興味はある」としながらも、現時点で追随はしない。 その理由について、全額免除の学部生が4.7%の阪大は「(東大の新制度は)これまで免除対象だった学生が免除を受けられなくなる可能性が出てくる」、京大は「すでに独自の免除枠を設けている」と説明するが、いずれも財政難の中、新たな負担増を避けたいのが本音のようだ。 さらに深刻なのが地方の国立大。寄付金集めが難しく、産学連携でも地理的に不利な地方大は都市部の大学よりも財政的に厳しいからだ。 中国地方のある国立大関係者は「財政的に豊かな東大だからできた取り組み。このままでは、経済的に地元の大学しか行けないと考えていた優秀な学生が東大に持っていかれてしまうかも」と話す。 別の中国地方の国立大担当者は「授業料免除になったからといって全員が東大を目指すとは思わない」としながらも、「東大ほど予算が潤沢にあればわが校でもやりたい」と打ち明ける。 今後の見通しについて、大手予備校関係者は「地方の優秀な学生の『狙い打ち』が東大の本当の目的だろう。今のところ、新制度によって東大志望に変えるのは各県で1人程度。入学までの経済格差が変わらないのに、入学後の免除だけで多くの学生に効果があるのか疑問」という。 一方、教育評論家の尾木直樹法政大教授は、家庭年収1000万円以上の学生の大学進学率が61%だったのに対し、400万円以下は34%にとどまったとする東大の調査結果を指摘。「経済格差が進学を決めており、今回の東大の取り組みには賛成。財政的に東大と同じ制度の導入が難しい地方大に対しては、国の支援を検討すべきだ」と話している。 出題、事前に知りメール 司法試験考査委員の元慶大教授(朝日新聞) 新司法試験の出題と採点を担当する法務省の「司法試験考査委員」だった元慶応義塾大法科大学院教授の植村栄治氏(58)=8月に依願退職=が、試験1カ月前の今年4月、教え子の学生たちに流したメールの中で「重要判例」と紹介した最高裁判例について、本試験に出題される予定を事前に知っていたことがわかった。別の考査委員から事前に聞いていたことを植村氏が朝日新聞の取材に認めた。同氏は試験問題漏洩(ろうえい)の意図はなかったと否認しているが、多くの法科大学院の教授らは「明らかに秘密漏洩。国家公務員法の守秘義務違反にあたる」と批判している。 植村氏は行政法を専門とし、昨年11月、法務大臣により司法試験(公法系)の考査委員に任命された。今年4月11日、慶応大学の法科大学院の百数十人の学生にメールで「平成18年度重要判例解説」が刊行されたことを紹介。「そのうち行政法関係で重要そうな判例を幾つか選んで判旨ポイントを作りました」と述べて六つの判例を示し、「あと1月(ひとつき)、直前の追い込みをがんばって下さい!」と書き添えた。六つの判例のうち、憲法の租税法律主義と国民健康保険料の関係を論じた昨年3月の最高裁判例が、5月15日に実施された本試験で、短答式の問題の素材となった。 その後、考査委員には自粛するよう要請されている受験指導を植村氏が行っていたことが発覚。6月29日、植村氏は考査委員を解任された。ただ、法務省が出した処分の発表文では、「判例要旨をとりまとめたものなどを受験生に送付したこと」などを解任理由にしているが、植村氏が事前に短答式の問題を知っていたことは触れていなかった。法務省は8月、設問そのものを示したわけではないなどとして、慶応の受験生に有利な結果が出たとは言えないとし、再試験をしないことを決めた。 植村氏は今月8日に朝日新聞の取材に応じ、メールを送った時点で、最高裁判例が本試験に出題される認識があったと認めた。法務省によると、憲法や行政法を出題範囲とする公法系の問題を作る過程で、憲法を専門とする別の考査委員から、その判例を出題すると聞いていたという。 植村氏は4月11日のメールについて、「重要なので試験にかかわらず知っておいて欲しくて紹介したが、『(試験に)出るよ』とは書かなかった」と弁解した。 この問題の正答率は、慶応の受験生が26.57%だったのに対し、慶応以外は4.52ポイント下回る22.05%。公法系の短答式は40問。朝日新聞が入手した前半20問の正答率比較グラフで難問を比べると、この問題での慶応の正答率の高さが目立つ。 こうした事実関係は、法務省も把握しているが「受験生であれば当然知っているべき判例。事前にメールで示しても『出題に関連する』とは明示しておらず、漏洩には当たらない」としている。 複数の法律家は「4人に1人も正解していない。そのような難問で他の受験生よりポイントが高いということは、メールが慶応の受験生に有利に働いたということだ」と指摘する。 8日開かれた参議院法務委員会では、鳩山法相が「出題された問題を見て(判例を)知っているか知らないかは重大な境目。とんでもないメールだ」と答弁し、再調査する意向を示した。同委員会では今後、植村氏の参考人招致を検討する。 植村氏の行為を巡っては、全国の弁護士や大学教員ら33人が8月、「事実関係を明らかにするべきだ」として国家公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで東京地検に告発している。 法務省は今回の問題を受け、08年の考査委員のうち法科大学院教員の数を大幅に減らす方針を決めた。 (コメント 「受験生であれば当然知っているべき」 なら皆良くできていたはずだね) | ||
| 11月11日 |
大学間で学部共同設置を可能に、文科省が法改正へ(読売新聞) 文部科学省は複数の大学が共同で学部や大学院の研究科を設置することを可能にするため、来年の通常国会に学校教育法改正案を提出する方針を固めた。 早ければ2009年度から申請を受け付け、10年度からの入学を認める。少子化時代の到来で地方の小規模な国公立大や私立大が厳しい経営状況にある中、共同設置で費用負担を低く抑え、人材や施設を共用する狙いがある。 現在の学校教育法は「大学には、大学院を置くことができる」などと定めているが、複数の大学が共同で設置することは認めていない。改正案では、同法に共同設置に関する新条項を設ける。 複数の大学が共同で設置した学部や大学院の入学試験は、設置主体の大学が共同で実施し、学位も連名で授与する。国公立大と私立大の組み合わせによる共同設置も可能にすることを検討している。 (2007年11月11日3時5分 読売新聞) 慶応義塾:小中一貫校、横浜市に11年開設(毎日新聞) 慶応義塾(東京都港区)は9日、横浜市青葉区に小中一貫校を新設すると発表した。08年に迎える創立150年記念の一環として11年4月の開校を目指す。慶応義塾の小学校開設は1874年に発足した幼稚舎(東京都渋谷区)以来2校目。 開設先は横浜市青葉区にある市有地で、東急田園都市線江田駅が最寄り。同市が私立校を対象に売却先を公募。応募した3法人から周辺環境に配慮するなどの計画を出した慶応義塾が選ばれた。土地購入額は約53億5800万円。男女共学で、定員は1学年あたり4クラス144人になる見込み。慶応大広報室は「グローバル時代を率先できる人を育成したい」とコメントしている。【池田知広】 毎日新聞 2007年11月10日 東京朝刊 クォーク4個の新粒子? 高エネ研の加速器で発見(京都新聞) 高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)や名古屋大などの国際共同研究グループ「Belle」は9日、物質の基本粒子クォーク4個でできたとみられる新種の粒子を、高エネ研の大型加速器KEKBを使った実験で見つけたと発表した。 見つかったのは、クォークと、電気的性質が反対の「反クォーク」でできた「中間子」の仲間。中間子はクォーク2個、陽子や中性子は3個でできているとされ、4個が結合してできた粒子が確認されれば初めてとなる。物質を構成する基本原理を理解する手掛かりとなりそうだ。 研究グループは、中間子の1種「B中間子」とその反粒子の約6億6000万回分の崩壊を解析。このうち約120回でB中間子が新しい粒子と「K中間子」に崩壊したことを確認した。崩壊の仕方から新しい粒子は中間子の仲間と判断した。(共同通信) | ||
| 11月10日 |
独協医大科研費不正…32人が関与、プール金1億7千万(読売新聞) 栃木県壬生(みぶ)町の独協医大で文部科学省の科学研究費補助金(科研費)などが不正にプールされていた問題で、同大は9日、記者会見し、内部調査結果と関係者の処分を発表した。 不正に関与した教授、准教授ら研究者は計32人に上り、プール金の総額は約1億7200万円。寺野彰学長と副学長2人、事務局長、研究者23人をいずれも減給1か月(10分の1)の懲戒処分としたほか、4人を学長注意とした。寺野学長は給与の自主返納2か月(同)も行う。また、不正に関与した残る5人の研究者のうち4人はすでに退職しており、1人は諭旨退職処分となっている。 プール金は、今年4月に会計検査院の指摘をきっかけに発覚。当初は帳簿や領収書が残る2002年度以降について調査し、約1億円の不正が判明したが、その後、会計検査院の指示などを受けて1998年度までさかのぼって調査した結果、不正額は約1・7倍にふくらんだ。このうち1億980万円は、10月10日付で諭旨退職となった臨床部門の男性准教授によるものだったという。 この准教授を含め、処分された研究者らは、県内の理化学薬品販売業者に架空の発注をし、科研費の余剰金を国に返還せず、プールしていた。 (2007年11月9日23時22分 読売新聞) 「ゆとり教育」見直し、一部内容09年度から…文科相方針(読売新聞) 渡海文部科学相は9日の閣議後の記者会見で、早ければ2011年度としてきた新学習指導要領の実施時期を前倒しし、2009年度から一部の内容を実施する方針を明らかにした。 中央教育審議会は、新指導要領について、既に授業時間増や学習内容拡充などの方針を決めており、学校現場での「脱ゆとり」が予定より早まることになった。 学習指導要領はほぼ10年に1度改定されている。中教審が現在、今年度内の改定に向けて審議を進めており、今月7日には、「ゆとり教育」からの転換を盛り込んだ中間報告「審議のまとめ」を正式決定した。 文科省は、小学校で11年度、中学は12年度、高校は13年度から新指導要領を全面実施する方針だが、保護者などから「4年近く放っておかれるのか」といった声が寄せられていた。前倒しして教える内容は今後詰める。渡海文科相は「新しい方針が決まったのだから、出来るものから早く実施した方がいい」と述べた。 (2007年11月9日15時9分 読売新聞) 【やばいぞ日本】第4部 忘れてしまったもの(4)問題教員、他校に押しつけ(産経新聞) 公立の小中高校などの問題教員が、2000人に1人しかいないという文部科学省のデータがある。まともな授業ができずに「指導力不足」と認定された教員は約90万人のうちの0・05%、450人しかいないという、今年9月に発表された昨年度の調査結果である。 これに首をかしげる教育関係者は少なくない。指導力問題に詳しい北海道紋別市立渚滑中学教頭、長野藤夫氏は「450人は氷山の一角ですらない。現場感覚でいえば20人に1人が指導力不足だ」と話す。「教育委員会関係者は低く見積もっても教員の1割が資質に欠けていると話している」と言うのは京大名誉教授、市村真一氏だ。 なぜ、現状とかけ離れた数字が出るのか。実は教育現場では、問題教員であることを隠して、学校間でたらい回しにするケースが少なくない。 都内のある小学校で数年前、こんなことがあった。 新年度早々、4年生の保護者が校長に苦情を寄せた。「担任の先生が一方的な授業をする。子供はついていけず、嫌がっている」。その教員は転勤してきたばかりの50代のベテランだ。 前任地の小学校から引き継いだ勤務評定書には、経験豊かで指導力があるというAランクの評価がついていた。校長が信じられない思いでのぞいた授業はこうだった。 教員は教科書の内容を、板書しながら早口で説明していた。児童の1人が質問しようとして「先生」と手を挙げた。 だが、「後でね」といって取り合わない。教員はひと通りの説明を終え「ノートに写して」と指示した。数人がノートに書き始める。何もせずにぼんやりしたり、小声でおしゃべりしたりする児童もいるが教員は気にする様子もない。5分たったところで、教員は黒板を消し始めた。まだ写していない児童から、「えーっ」という声が上がる。教員は構わず、再び板書しながら早口で説明を始めた…。 児童とコミュニケーションをとらずに一方的な授業をする、典型的な問題教員だった。「だまされた」。そう思った校長は、前任地の校長に電話で抗議した。返答はこうだった。「どこでもやっていることだ」 教員を指導力不足と認定するには通常、(1)校長の申請(2)市町村教委の検討(3)弁護士ら判定委員会の審査(4)都道府県教委の決定−という手順をとる。 校長はその際、詳細な報告書を作成しなければならない。それに教員は抵抗し、訴訟を起こすこともある。この煩わしさを避けるため、認定手順をとらずに教員を他校に転勤させようと画策する校長が少なくない。だが、指導力不足と分かればどこも引き取ってくれない。それで勤務評定書に悪いことは書かないようになってしまったのだ。 もたれ合いである。学校や教委が実態に即したデータを出そうとせず、文科省がそれをうのみにする。中高生らのいじめ自殺が相次いでいるのに、文科省が7年連続で、いじめ自殺はなかったとするずさんな調査をまとめたのと同じ構図だ。 こうして問題教員は放置され続ける。その結果、「子供たちはやる気を失い、学級崩壊に陥る。学校全体がめちゃめちゃになる」。問題教員の実態に詳しい元東京都教育委員会統括指導主事、鈴木義昭氏の指摘だ。 これでは公立教育への保護者や子供たちの不信感は決定的になり、公立離れにさらなる拍車をかける。 ◇ ■教組に屈し“デタラメ通信簿” 児童生徒とコミュニケーションがとれず、授業が成り立たないといった問題教員が、なぜ目立つのか。 ある教育委員会の指導主事が、自戒を込めて次のように指摘する。 「実は指導力に問題のある教員は昔から少なからずいた。こうした教員の問題に文部科学省や教育委員会が厳しく対応してこなかったツケが、今になって露呈したにすぎない」 きちんと対応しなかった背景には日教組など教職員組合に遠慮してきた面が否めない。端的な例が勤務評定だ。 日教組は1950年代後半、「教育への権力統制の強化だ」として教員の勤務評定に反対する「勤評闘争」を展開した。その結果、評定を処遇に反映させないとする不自然な慣行が全国的にほぼ確立した。 そうである以上、何を書いても構わないと、でたらめな評定でダメ教員を転勤させようとする校長がいるのもこのためだ。 文科省調査で指導力不足と認定された教員の8割以上を40代と50代のベテランが占めるのも、きちんとした勤務評定が行われなかったことが大きいといえる。 これに対し、東京都教委は昨年度から、独自の評価制度をつくって昇給などに反映させるようにした。 大阪府、広島県(管理職のみ)もこうした評価制度を始めた。ただ全国的には以前からあった愛媛県を含め、4都府県にとどまっている。 教育改革を最重要課題に掲げた安倍前内閣の教育再生会議は今年1月、教員免許更新制の導入を提言する第1次報告をまとめた。更新講習の修了認定を厳格にし、問題教員を排除することを念頭に置いていた。 ところが文科省の中央教育審議会はその後、更新制の目的を「教員の資質向上を図る前向きな制度」と位置付けて事実上、骨抜きにしてしまった。 ここでも、更新制に反対する日教組などへの“過剰な配慮”が見え隠れする。 問題教員は採用段階でも排除できるとされるが、前出の長野藤夫氏は「教員の資質を見極める教委の能力にも問題がある」と指摘する。 教員の場合、正式採用になるまでの試用期間が一般の地方公務員より長く、1年間と定められている。教員としての資質を厳格にみるためだが、昨年度に正式採用にならなかったのは、病気による依願退職などを除けば23人で、全体の0・1%にすぎない。制度が機能しているとはとてもいえない。 文科省は来年度予算の概算要求に、今後3年間で公立の小中学校の教員を2万1000人増員する計画を盛り込んだ。少子化で児童生徒が減少しているにもかかわらずである。莫大(ばくだい)な税金を使って、問題教員を増やしているのが現実である。(川瀬弘至)(コメント 前半の論調と最後の結論の間にギャップがあるね) 【やばいぞ日本】第4部 忘れてしまったもの(5)(産経新聞) ■20年前から考える力消失 「夏果てて秋の来るにはあらず」。これは「徒然草」第155段中の文言である。 北海道大学大学院の数学者、本多尚文准教授はこのごろ、この言葉の予見性をかみ締める。 何事にも前兆があり、急にある事態が出現するのではない−。兼好法師はそう言っているのだが、日本の今の若い世代の学力の衰退ぶりに重ね合わせて、本多氏には大いに痛感するところがあるという。「今から考えると、現状への兆しは、20年ほど前からありました」 本多氏は1984年8月に韓国ソウル市で学生を対象に開催された日韓合同の数理科学セミナーを思いだす。 4年後にオリンピックを控えた当時の韓国には、近代化を目指す活気が満ちていた。しかし、乗用車の性能ひとつをとっても、日本との産業・科学技術力には、大きな差があった。 この合同セミナー開催にあたった日本側は広中教育研究所。当時、米ハーバード大と京都大の教授であった広中平祐氏が主宰する民間組織だった。韓国側は明知大学校で、日韓合わせて61人の高校生から大学院生までが集まり、数学やコンピューターなど数理科学の勉強に取り組んだ。 「このとき、日本と韓国の高校生や大学生の間に歴然とした差が表れたのです」 当時、東大の大学院生であった本多氏は、セミナーの運営を手伝うスタッフとして参加していたこともあり、より客観的に見ることができた。 驚いたのは、知識や学力の差ではない。数学や物理の力では日本側が圧倒的に上だった。英語力も韓国側が後れをとっていた。しかし、学生として最も基本的な部分の判断力や、ものを考える力で、日本の参加者が劣っていたのだ。 5泊6日のセミナーが進むにつれて韓国側の教授陣が驚き始めた。交流のための市内見学などの際にも日本の参加者は緩慢だった。相手の意をくみ取り、次を読んで適切に動く韓国の若者たちの行動との間に、際立った差が表れた。 「あのときの日本からの学生は、いわばエリート的な集団でした」と本多氏は補足する。 40人の日本勢は、広中教育研究所が全国から選抜した若者だった。高校生たちは、各都道府県の優秀校でも5〜10年に一人、現れるかどうかという数学の才能の持ち主で、なおかつ活力を備えた男女だった。 才能育成のために、ソウルへの旅費も滞在費も無料という信じられないほどの好条件で選抜された顔ぶれだった。 「隣国同士の同じ関心を持つ若者を集団で見比べることになった結果、次の世代を支える日本人に浸透しつつあった凋落(ちょうらく)傾向が、X線の透過画像のように、はっきりと見えたのです」 自分の頭で考えない。言われたことしかできない。自己本位。確認の甘さ。希薄な責任感…。基本的な部分であまりにも差があった。 「自分を含めて、この世代が社会の中核になる20年後、日本と韓国の力は逆転するのではないかと感じました」 本多氏はソウルの夏を振り返る。明知大学校の教授は「このセミナーで自信を与えられた」と言ったそうである。 それから23年−。日本の停滞傾向は予兆から現実へと変わった。日本での理科離れは、加速して止まらない。 ■3けたの計算なくした「ゆとり」 1970年代、日本の学校教育は、「ゆとり」に舵(かじ)を切った。当時、受験戦争や詰め込み教育への批判が起きるとともに、暗記型から考える力を養う必要性が指摘されていたからだ。 「ゆとりのある授業・楽しい学校」。日教組が1976年5月に発表した教育課程改革試案のねらいだ。試案では小学4年からの「総合学習」新設、「授業時間2〜3割削減」などを提言した。2割を超える授業時間削減は、その後の学習指導要領改定で現実になってしまう。 小、中、高校などの教科内容や授業時間数などを定める学習指導要領改定は、ほぼ10年ごとに行われてきた。1977年改定では、その名もずばりの「ゆとりの時間」(学校裁量の時間)が登場した。この時間は地域や学校の特色を生かした教科外活動などに使われるはずだった。だが「子供たちを遊ばせている」「何もしない時間」などの批判が起きて消えた。 1998年改定の現行指導要領では、完全学校5日制に伴って減る授業時間以上に学習量を減らした。ゆとり教育の象徴として新設された「総合的な学習の時間」(総合学習)は教師の指導力に左右されるなど、効果があいまいだった。次期学習指導要領で削減される。 教育施策の失敗はなかなか目に見えない。しかし、ゆとり教育の弊害は大学生の学力低下に表れた。「分数ができない大学生」の編著者の西村和雄氏(京都大経済研究所長)らが、経済学部の学生が基本的な計算が理解できないなどの実態をもとに警鐘を鳴らした。 2004年12月。3年ごとに行われる経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA、2003年調査)が公表され、世界でトップと思われてきた日本の“学力神話”が揺らいだ。41カ国・地域の15歳を対象としたその調査で、日本の高校1年生の学力は、「数学的能力」が2000年調査の1位から6位に、「読解力」が8位から14位に落ちた。 文科省は、数学的応用力について「統計誤差の範囲でトップグループ」と弁明したものの、読解力不足は「1位グループとは差がある」と認めざるを得なかった。 読解力は文章や地図、グラフからデータを読み取り、回答理由を記述させるなどの問題だった。文章を理解し、分析、評価する考える力を問うもので、ゆとり教育がねらいとしてきたものだ。 数学者の桜美林大教授、芳沢光雄氏は、論理的思考力や読解力が養われていない現状を心配する。ゆとり教育で小学校で3けたの計算がなくなった例を挙げ、「あみだくじを思い浮かべれば2本だけでは、いったり、きたりだけだが、3本以上になると全く変わる。計算問題も2けただけでは数学的思考力を育てる上で問題がある。なのに3けたを安易に消してしまった」と語った。 十分な検証なしで思いつきのようにゆとり教育が進められたことが、考える力を奪い、日本の衰退を招く結果になっている。(沢辺隆雄) | ||
| 11月9日 |
女子大生がセクハラ申告のICU教授、公務停止処分に(読売新聞) 国際基督教大(ICU、東京都三鷹市)が、女子大生からセクハラ行為の被害申告を受け、教養学部理学科の男性教授を今年4月から「公務停止」の処分にしていることが8日、明らかになった。 男性教授は大学側の調査に、セクハラは否定したが、教員として不適切な行為があったことは認めており、来年3月に自主退職する意向を示しているという。 同大広報センターによると、女子大生の申し出で大学の人権調査委員会が調査した結果、教授が不適切な行為を認めて「反省している」と述べたため、処分を決めたという。 (2007年11月8日14時36分 読売新聞) 学習指導要領:中学の選択教科、存続含め検討へ−−中教審部会(毎日新聞) 文部科学相の諮問機関・中央教育審議会教育課程部会は7日、学習指導要領改定の方針を示した「審議のまとめ」(中間まとめ)を正式決定した。当初は中学校の選択教科を「総合的な学習の時間」に一本化し事実上廃止する方針だったが、前回の部会で反対意見も出たことから、存続を含めて検討することになった。 中間まとめは、小中学校で主要教科と体育の授業時間を現行より約1割増加することが柱になっており、現行指導要領の「ゆとり教育」を実質的に見直す内容になっている。また、政府の教育再生会議が求めている道徳の教科化については賛否両論を盛り込み、結論を先送りした。 8日から1カ月間、市民からの意見募集を行うほか、今月末に関係団体からのヒアリングを行い、年明けまでに渡海紀三朗文科相に答申する予定。【高山純二】 毎日新聞 2007年11月8日 東京朝刊 中教審部会『ゆとり』転換正式決定 授業時間増 評価の簡素化も(東京新聞) 学習指導要領の見直しを進めている中央教育審議会教育課程部会は七日、三十年ぶりに授業時間を増やすことを柱とした「審議のまとめ」を正式に決定した。来年一月ごろ答申する。成績をつけるにあたって「知識・理解」などとともに「関心・意欲・態度」も重視して絶対評価を行う現行の方法の簡素化も盛り込んだ。具体的な方法については、同省は答申以降、あらためて中教審に意見を聞き、新指導要領とともに二〇一一年度から実施する方針だ。 一九九二年度からの前指導要領実施とともに「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の四観点での評価が導入された。さらに〇二年度、ゆとり教育を掲げた現行指導要領の実施に伴い、総括的な評価にあたる評定も、小中学校は、集団の中の相対的な位置づけを見る「相対評価」から、目標に対する到達度をみる「絶対評価」に転換。自ら学び自ら考える力を重視するため「関心・意欲・態度」の評価に一層力を入れることが求められた。 これに対し、数値化になじまない側面の評価で、現場の教員の負担が増したとの声も強い。答申案では「一単位時間の授業において四観点のすべてを評価しようとしたり、授業冒頭に『進んで取り組んでいるかどうか』をチェックし、終了後授業に入ったりするなど評価のための評価になっている不適切な事例も見られる」と指摘。小中学校の教員の70−80%が「評価活動が複雑になり余裕がなくなった」とする調査結果も引用。「簡素で効率的な学習評価」の枠組みを検討するとした。 高校生の海外修学旅行、中韓減って米豪伸びる 文科省(東京新聞) 修学旅行で海外渡航する高校生が増える中、行き先として韓国、中国が減り、オーストラリア、アメリカが増えていることが文部科学省が隔年で実施し、8日にまとめた「国際交流の状況」調査で分かった。 全国の公私立高校5370校を対象とした調査によると、06年度に修学旅行で海外へ行ったのは公立464校、私立541校の計1005校で延べ17万7750人。92年度の約7万9000人の倍以上となった。高校生は全国に約350万人いるが、3年間で修学旅行に1回しか行かないと想定すると、約15%が海外へ行っている計算になる。 行き先をみると、最多は豪州の3万8832人で、以下、米国、韓国、シンガポール、中国と続く。このうち、豪、米は増加傾向が続いているが、韓国は96年度以降減少中で、中国は02年度から急激に減った。 文科省国際教育課は「豪州や米国は人気があり、言葉の面でも行動しやすい。中国は新型肺炎SARSや、韓国は韓流ブームが落ち着いたことが影響している可能性がある。ただし、近隣国で渡航費用も安いため、また増えると思う」と分析している 道徳教育の充実に重点 教育振興計画素案で明記(京都新聞) 中教審教育振興基本計画特別部会(部会長・三村明夫新日鉄社長)は8日、政府が今後5カ年に取り組む教育政策の目標を定めた「教育振興基本計画」の素案をまとめた。重点的に取り組む事項として改正教育基本法の理念を反映し、「道徳教育の充実」「伝統・文化に関する教育の充実」などを盛り込んだほか、教職員定数の増加措置も明記した。 中教審は13日に徳島市、19日に千葉県船橋市で公聴会を開き、来年2−3月に基本計画の答申をまとめる。政府は答申を基に本年度内に計画を策定。閣議決定を経て来年度から計画に盛り込んだ重点事項を順次実行に移す。 今回の基本計画素案に盛り込んだ重点事項は、生涯学習、初等中等教育、大学教育、教育環境の整備の4分野で計67項目。(共同通信) | ||
| 11月8日 |
フィンランドで男子高校生が授業中に発砲、7人死亡(日経新聞) 【ロンドン7日共同】フィンランドの通信社STTなどによると、同国の首都ヘルシンキの北方にあるトゥースラのヨケラ高校で7日、男子生徒(18)が授業中の生徒らに向けて銃を発砲し、少なくとも7人が死亡、約10人が負傷した。男子生徒は、学校の建物を取り囲んだ武装警察にも発砲したという。銃撃された被害者の中には校長が含まれているという。同国のメディアは、男子生徒が警察当局に逮捕されたと報じた。 同国メディアによると、男子生徒は犯行前に、動画投稿サイト、ユーチューブで「革命」を呼び掛け、高校での大量殺人を予告していた。 トゥースラの当局者は、事件は終息したと述べた。学校の建物は中学と高校が使用しており、発砲後、校内はパニックとなった。はだしで逃げ出す職員や生徒らもいた。ガラスの破片で多数が負傷した。 目撃者らによると小型の銃器を所持した男子生徒は落ち着いて行動。各教室をノックし、教室の入り口のドアから発砲を続けた。(01:00) 「ゆとり」転換を正式決定 改定指導要領で中教審 (京都新聞) 学習指導要領の改定作業を進めている中教審教育課程部会は7日、約30年ぶりに小中学校の授業時数を増やして「ゆとり教育」を実質転換する「審議のまとめ」を正式決定した。公募した意見などを踏まえ、年明けごろまでに答申する予定。 文部科学省は来年3月をめどに改定学習指導要領を告示、早ければ2011年度から実施する。 審議まとめが示した改定学習指導要領の基本的な考え方は (1)知識を習得し活用する力を確立するための授業時数確保 (2)改正教育基本法を踏まえた伝統や文化の尊重、国を愛する態度の育成 (3)学習意欲の向上−など。 これらを実現するため、小中学校で主要教科を中心に授業時数を増やしたほか、小学校の英語活動や中学校体育での武道を必修化。ゆとり教育の目玉だった総合的な学習の時間は削減した。道徳の教科化は今後の検討事項として実質見送った。 授業時数増への対応や、子どもと向き合う時間を確保するため教員を増やしたり、外部の人材を活用したりすることが必要と条件整備にも言及した。(共同通信) ネコを怖がらないマウス 危険判断する嗅覚回路発見 (中日新聞) 哺乳類が天敵のにおいを怖がるのは危険な目に遭って学習した結果ではなく、生まれながらに嗅覚に備わった神経回路の働きによるものであることを東京大の坂野仁教授や小早川高・特任助教らの研究チームがマウスの実験で発見、8日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。 この回路を壊したマウスは、ネコやキツネのにおいを識別しても怖がらず、逃げ出さなかった。 また、こうしたにおいによる危険の判断は、大脳の高次機能を担う領域ではなく、鼻の奥の細胞からにおいの情報を最初に受け取る「嗅球」と呼ばれる低次の部分で行われていることも判明。外界の情報を処理する脳神経回路の構造解明に役立つ成果だという。 チームは独自に開発した遺伝子操作の手法で、嗅球の一部の機能を失わせたマウスをつくった。腐った食べ物や天敵のキツネのにおいをかがせると、正常なマウスはにおいから逃げたり、すくんだりしたが、遺伝子操作したマウスはにおいを識別しているにもかかわらず逃げなかった。 | ||
| 11月7日 |
新学習指導要領 「ゆとり教育」の反省を生かせ(11月6日付・読売社説)
(読売新聞) 「理念は間違っていないが、やり方に問題があった」。中央教育審議会の“反省の弁”を、一言で言うならこうだろう。 次の学習指導要領についての中間まとめは、「ゆとり教育」が行き詰まった原因を自ら分析し、「授業時数が十分でなかった」などと反省点を列挙する異例の内容だ。 現行の指導要領は、「生きる力」の涵養(かんよう)を理念としている。自ら学び、主体的に判断し、問題を解決する能力、豊かな人間性などを指す言葉だという。中教審は「生きる力は知識基盤社会の中で、ますます重要になっている」として、理念を次の指導要領にも引き継ぐ意向だ。 一方で、理念の実現のためにとってきた具体的手だてについては、不十分だったと明確に認めている。 「詰め込み」教育の反省として、教える内容を3割減らし、授業時間を1割削った。総合学習の時間を新設した。 だが、目指した「ゆとり」は「ゆるみ」を生んだ。かえって基礎知識の習得や思考力・表現力の育成を妨げる結果となり、保護者の「教育不信」を招いた。 その反省を踏まえ、総合学習を減らし、主要教科の授業時間を今より1割以上増やすことにした。中でも、小学校の算数と理科は16%増、中学の理科と英語は33%増となる。「脱ゆとり」の姿勢が数字上も鮮明になった。 今後の改善点としては、真っ先に「各教科での言語力育成」を挙げている。 国際学力調査や、今年の全国学力テスト結果でも、読解力や知識の活用力などに課題があることがわかった。文章を書かせたり、論述させたり、本を読ませたり、言語教育の機会を増やして、学力向上につなげたい。 「道徳教育の充実」も挙げた。教科化は今回、見送られたが、規範意識や民主主義社会の法・ルールを学校教育の中で学ばせることの重要性は変わらない。 小学5、6年では、週1コマの英語授業が正式にスタートする。外国人指導助手らを使い、コミュニケーションを重視する。中学のような文法指導も、数値による成績評価もしないという。 これには、なお疑念が残る。正しい日本語の習得が先ではないか、効果以上に負担が大きいのではないか、早い段階で「英語嫌い」が増えないか――。 新しい指導要領は、早くて2011年度からの実施となる。「ゆとり」と決別する一方で、「生きる力」は継承するという曖昧(あいまい)な折衷策に、教育現場の十分な理解が得られるだろうか。 国は具体的な指導法などを示していくことが必要だろう。 (2007年11月6日1時31分 読売新聞) 学校種越えた人事交流、教員公募 京都市教委、2008年度異動方針(京都新聞) 京都市教委は6日、京都市下京区の市総合教育センターで全市校長・園長会を開き、2008年度の教職員人事異動方針を発表した。校種を越えた人事交流や教員公募を進める。 小中学校でLD(学習障害)などの子どもを支援する中核的教員を育成するため、総合支援学校で2年以内の期限付き勤務の募集を始める。また、幼稚園と小学校教員に限っていた幼稚園教頭は、中高を含めた全校種からの募集に切り替える。 学校側が求める教員を募集する制度では、実施校を昨年度の約1・6倍に当たる108校に拡大。人事面で校長の裁量を増やし、各学校の目標や課題に合った人材を配置するという。方針の説明後、門川大作教育長は「教員の潜在能力が発揮される機会となるよう、校長、教頭は1人1人の教員に向きあい、主体的な取り組みを促してほしい」と話した。 「指導」と女児10数人触る 長崎、33歳教諭を懲戒免職(京都新聞) 長崎県教育委員会は6日、「指導」と称して日常的に女子児童10数人の体を触っていたとして、同県南島原市立小学校の山野井哲朗教諭(33)を懲戒免職処分にした。「ばかなことをしてしまった自分が許せない」と行為を認めているという。 記者会見して処分を発表した県教委の江頭明文義務教育課長は「立場を利用した悪質な行為で、絶対に許されない。被害を受けた児童と保護者に、心からおわびしたい」と陳謝した。 県教委によると、山野井教諭は昨年9月ごろから今年10月にかけ、授業中やスポーツのクラブ活動時に、たびたび女子児童の体を触っていた。ほかの児童の前で触ることもあり、ショックで学校を休んだ児童もいた。 10月上旬、被害児童の1人が担任教諭に相談して発覚。一部の児童は「怖くて言い出せなかった」と話しているという。山野井教諭は生活指導主任を務めていた。(共同通信) 静岡大4年生、女高生を寮に連れ込んでみだら行為(読売新聞) 静岡県警菊川署は6日、静岡市駿河区小鹿、静岡大学教育学部4年迎田(むかいだ)善平容疑者(24)を児童買春・児童ポルノ法(児童ポルノ製造)と県青少年環境整備条例=淫行(いんこう)、深夜同行=違反の疑いで逮捕した。 調べによると、迎田容疑者は4月下旬ごろ、インターネットのゲームサイトで知り合った県東部に住む高校1年生の女子生徒(15)を学生寮内の自室に連れ込み、18歳未満と知りながら、みだらな行為をしたうえ、自分の携帯電話で女子生徒を撮影した疑い。 さらに、9月初旬から中旬ごろ、県中部に住む中学2年生の女子生徒(13)を誘い出し、18歳未満と知りながら深夜のドライブに同行させた疑い。 (2007年11月6日21時48分 読売新聞) 教育再生会議、「少年家庭省」の創設検討で一致(日経新聞) 教育再生会議(野依良治座長)は6日の合同分科会で、児童虐待やいじめなどの問題を抱える子供や家庭を総合的に支援するため少年家庭・教育労働省(仮称)の創設などを検討する方針で一致した。文部科学、厚生労働、法務各省に分散する関係部局を再編し、一元的に対応できるようにする。年末にまとめる第三次報告に盛り込む。 子供の権利保護や紛争解決を図るため、家庭裁判所とは別に少年家庭審判所(仮称)の創設を検討する方向も打ち出した。(23:00) 大阪府各教委も教員増など要望、学力テスト不振で(日経新聞) 10月に結果が公表された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の成績が伸び悩んだ大阪府の各教育委員会は6日、文部科学省に2008年度の教育予算の増額や、教員の増員などを求める緊急要望を提出した。 府教委のほか大阪市、堺市教委、大阪府町村教育長会などが連名で提出した。総務省と財務省にも要望した。 大阪府は8種類の試験があったテストすべての正答率が全国平均を下回った。学力テストの結果を受けて国に教員増などの対応を求めるのは、沖縄県に続き2例目。(23:00) 中学受験塾:初の全国テスト23日に 「ゆとり」逆手に(毎日新聞) 首都圏を拠点とする中学受験塾が、新たな市場を地方に求める動きが加速している。大手進学塾・四谷大塚を運営するナガセ(東京都武蔵野市)は23日、47都道府県に会場を置く業界初の全国統一テストを実施し、08年2月からは地方塾のネットワーク化にも乗り出す。日能研(横浜市)は河合塾(名古屋市)との合弁会社を名古屋市に設立し、これまで手薄だった東海地方に進出する。【加藤隆寛、山本紀子】 ●ゆとりに危機感? テストは3〜5年生対象で参加無料。広告には「さあ、競争だ」と、挑発的なキャッチフレーズを記載した。同社は「競争という言葉はタブー視されがちだが、あえて問題提起のため(広告に)使った」とし、テスト参加者10万人を見込む。 大学受験予備校「東進ハイスクール」を運営してきたナガセは、06年10月に四谷大塚を買収。「東進」でパソコンによる授業配信の仕組みを構築したが、08年2月からこれを小学生向けに応用し、地方の進学塾を「四谷大塚NET」として組織化する。加盟塾は四谷大塚と教材やカリキュラムを共有。約300教室でスタート予定で、今回のテストはその入塾テストも兼ねる。 広報部は「私立中のない地方でも、ゆとり教育への危機感から首都圏のトップレベルを知り競争力を付けたいと願う子や親が増えている」と説明する。 ●東海も私立人気 日能研は今月、河合塾との合弁会社「日能研東海」を12月に設立すると発表。08年2月に名古屋駅前校を、同年内に名古屋市内で1〜2校を新設する予定だ。 日能研は関西や九州にも教室を構えるが東海はなかった。河合塾経営企画部によると、愛知県下の小学生の私立受験率は、00年度5%(9523人)で07年度は6%(1万2980人)。同部は「公立志向の強いエリアだったが『首都圏や近畿に後れを取っているのでは』との不安から私立人気が徐々に高まっている」とみている。 ●「まだ様子見」 参考書大手の学習研究社(東京都大田区)は、塾への販売を想定した小学生用教材の開発を始めた。「直営塾を増やすには莫大(ばくだい)な金がかかる。長く教材に取り組んできた強みを生かしたい」という。 「中学受験図鑑」の著書がある森上展安さんは「全寮制の海陽学園開校(愛知県、06年)や公立中高一貫校の増加で、一定の地方層は中学受験を身近に感じ始めている。合格後に引っ越すケースも珍しくない。地方は少子化が進み、塾も過大な投資をしにくい。教材やネットを手法に様子を見ているのでは」と分析する。 毎日新聞 2007年11月7日 2時30分 | ||
| 11月6日 |
東大、親の年収400万円未満なら授業料ゼロ(朝日新聞) 東京大学が来年度から親の年収(給与所得)が400万円未満の学部生の授業料を無条件でゼロにする。免除になる収入額を事前に示して対象も拡大、経済的に恵まれない家庭からも受験しやすくする。国立大では初めてで、「教育の機会均等を保障したい」としているが、優秀な学生の獲得につなげたいという狙いものぞく。 東大の学部生の授業料は年額53万5800円。これまでは、免除額の合計を授業料収入の一定割合(5.8%)とする国の基準に従っていたため、収入がいくらなら免除になるかは入学後の審査まで決まらなかった。 今年度に全額免除となったのは、4人家族の標準的な家庭で年収350万円程度まで、扶養家族が多い場合などは700万円程度まで。ただ、この方式では自分が免除になるかどうかは事前には分からないため、安心して受験できないという問題があった。 そこで東大は、免除になる収入額を事前に示し、国の基準を上回った部分は東大自身が負担する方式に改める。負担額は2000万〜4000万円程度と見込んでおり、経費の節減などで工面する。 東大の05年の調査によると、親の年収が950万円以上の学生は51%に達するが、450万円未満の学生も14%いる。新方式になれば、経済的な理由から地元の国立大に進んでいた優秀な学生が東大を選びやすくなると予想される。 平尾公彦副学長は「東大生の親は裕福と言われるが必ずしもそうではない。経済的に恵まれない家庭の方にも『あきらめずに受験してほしい』というメッセージを送りたい」と話している。 東大は、大学院博士課程でも来年度から大半の学生の授業料を実質ゼロにすることを決めている。 全国学力テストで最下位の沖縄県、文科省に支援を要請(読売新聞) 今年4月、43年ぶりに実施された全国学力テストで、成績が伸び悩んだ沖縄県の教育委員会が5日、文部科学省を訪れ、学力向上のための支援を要請した。 同県は、小中学校の国語、算数・数学の8種類のテストすべてで平均正答率が全国で最も低かった。 この日は、<1>結果の検証に助言を与える文科省職員の派遣<2>教員OBを配置するための予算増<3>小規模校への教員の増員――などを要請した。 同県教委の仲村守和教育長は、「これまでも独自に学力向上策に取り組んできており、結果はショックだった。教育の機会均等のためにも支援をお願いしたい」と話した。 (2007年11月5日18時57分 読売新聞) 学力テストの結果受け意見交換 京の向上検討委(京都新聞) 京都府教委や学識経験者らで構成する「京の学力向上検討委員会」(座長・田中耕治京都大教授)は5日、第2回の会合を京都市上京区のホテルで開いた。文部科学省が公表した「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果を受け、意見交換や今後の予定を話し合った。 この日は事務局の府教委が10月24日に公表されたテスト結果を小学6年、中学3年の学年ごとや、国語、算数・数学の教科ごとに報告し、委員らが意見を交わした。 田中座長は、「日本の教育レベルはいい意味で平均化されている」とテスト結果を振り返ったうえで、「今後どのくらいの力をつけるか目標を定めるべき」と話し、学校自体の取り組みと、地域など社会環境との視点に分けて学力向上を目指す考えを示した。 全国学力テストの結果分析は府教委が現在進めている。同委員会は本年度中に4回会合を開き、学力改善支援プランを策定し、事業を始める。3月上旬には府内3会場で、事業の具体的な内容を学校関係者向けに説明するフォーラムを開く。 国歌斉唱を拒否して着席、北海道文化賞受賞者(産経新聞) 北海道教委が5日、札幌市内のホテルで行った北海道文化賞贈賞式で、壇上にいた受賞者の1人の演劇演出家、鈴木喜三夫氏(76)と夫人が、国歌斉唱の際いったん起立したものの、国旗に背を向けたまま自席に着席し斉唱に参加しないという一幕があった。 道教委は入学式や卒業式で国歌斉唱の際に起立しない教職員を処分しており、「道教委の行事で国旗・国歌を尊重しない行為があったことは問題だ」との声が上がっている。道教委は「こういう事態は聞いたことがない。事前にこういう考えの人だとは聞いていなかったので、事情を調べる」(吉田洋一教育長)と当惑している。 式典後、鈴木氏は「先の戦争で多くの仲間が特攻隊として死んでいった。とても立って(国歌を)歌う気になれない」と語った。 | ||
| 11月5日 |
学士号急増580種 文科省、ルール化検討へ (朝日新聞) 「カルチュラル・マネジメント学」「情報アーキテクチャ学」「人間環境マネジメント」――。いずれも大学の学部を卒業すると得られる学士号の専攻名だ。その数は少なくとも580で、6割は全国で一つしかない。文部科学相の諮問機関、中央教育審議会などは「名前から何を学んだのか分かりにくく問題だ」などと指摘。文科省は専攻名がこれ以上むやみに増えないよう一定のルールを設ける検討を始めた。 専攻名が急増したきっかけは、91年の大学設置基準の大綱化だ。文学士や法学士など29に限られていた専攻名の縛りがなくなった。折しも少子化が進み、各大学は受験生を集めようと新しい学部や学科を次々と設置。カタカナを使った長い名前も多く出現し、それを専攻名に使うケースが増えた。 00年開学の公立はこだて未来大(北海道函館市)のシステム情報科学部には情報アーキテクチャ学科がある。卒業すると、学科の名前そのままの専攻名が付いた学士号が与えられる。担当者は「コンピューター技術を用いて新しいメディアを提供する情報手段の構築者を『情報アーキテクト』と名付けた」と話す。 しかし、最近、こうした専攻名を問題視する意見が目立ってきた。大学評価・学位授与機構の濱中義隆准教授は「各大学が特色を出そうと工夫するのはいいが、社会や受験生がそこで何を学べるのか分からない専攻名は問題だ」と話す。 中教審は現在、全国唯一の専攻名を使う場合は、設置申請の際に既存の専攻名との違いを大学に説明させることなどを、文科省の役割に位置づけるよう提言することを目指して議論している。ただ、自主性を重んじる大学の学問領域にかかわる問題だけに、国によるルール作りに慎重な意見もある。同じ理由で、現状から数を減らす議論には至っていない。文科省は、日本学術会議や各学会とも連携してルール作りに取り組む方向で検討を始めた。 新教育の森:子どもの学力、現状を聞く ゆとり教育で成績落ちぬ−−有馬朗人・元文相 (毎日新聞) 小中学校の授業時間が30年ぶりに増えることが決まった。やはり子どもの学力は落ちたのかと思いきや、全国学力テストの結果は悪くないという。いったい学力は上がったのか、下がったのか。5年前から行われているゆとり教育はどう影響したのか。東京大学長を退任後、95年から3年間、中央教育審議会会長を務め、ゆとり教育を提唱した有馬朗人・元文相に、学力の実態と課題を尋ねた。【山本紀子】 ◇思考力培う狙い、伝わらなかった −−90年代後半から学力低下が叫ばれ始めた。 大学生については明らかに底力が落ちている。95年に比べ05年の18歳人口が25%減ったにもかかわらず、例えば東大は、定員を14%しか減らしていない。京都大はわずか3%減らしただけ。昔なら入学できない学生が合格しており、レベルは確実に下がっている。 小中学生の義務教育の段階では、学力は下がっていない。01年と03年の教育課程実施状況調査で同じ問題の正答率を比べると、前回より「上回る」解答が43%で、「下回る」のは17%。ゆとり教育を掲げた学習指導要領(注1)の実施は02年だから、ゆとり以後の方が成績がよい。 −−国際的なテストで日本の順位が下がっているといわれる。 国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)で99年と03年を比べると、数学は5位で変わらず、中学理科は4位から6位になったが、平均点は2点上がった。参加国が38カ国から46カ国となり母数が増えたことを考慮すると、順位が下がるのは当然。日本の子どもの学力は国際的に上位にある。ただ、総合的な読解力が下がり、記述問題に弱い傾向があるのは事実だ。 −−学習意欲の低さも指摘されている。 国際的な調査によると、日本はテレビを見る時間が多い半面、宿題をする時間は少ない。努力しても報われないと考える子の比率は、他国と比べ高い。忍耐力や体力も落ちている。理科の実験でナイフを使えない子もおり、生活経験も乏しい。今の子に問題がないと言えば間違いになる。 −−ゆとり教育を提唱した経緯は。 いくら教えても、成人すると知識が「ざる」のように抜け落ちていくことに気づいたのが、きっかけ。大人を対象としたOECD(経済協力開発機構)の科学の理解度調査(91年度)で日本は14カ国中13位、10年後も13位だった。15歳の時に世界のトップクラスでも、後は落ちるばかり。知識が身に着いていない。詰め込みではない「考える力」を培う必要性を痛感した。 ゆとり教育の提唱にあたっては、「自ら調べ自ら考える」という旧制武蔵高校(注2)の理念に影響を受けた。教科の枠にとらわれない「総合的な学習の時間」(注3)も新設した。例えば産業革命を社会と理科の知識を用い総合的に教えるなど、教科を横断して学んでほしいと考えた。 −−中教審で授業時間を増やす方針が決まり、ゆとり教育の見直しを訴える声も多い。 授業が少ないから学力が落ちた、というのはウソ。成績は決して下がっていない。ゆとり批判の大合唱は苦々しく受け止めている。各種の学力調査のデータをきちんと分析して判断すべきだ。 じっくり本を読んだり実験したりする時間を作り、意欲と思考力を培うのが、ゆとり教育の目的だ。しかし、言葉が独り歩きして、ゆとりとは宿題を出さないことだと勘違いした教育長もいた、と聞いている。ゆとり教育が何を目指すのか、現場に説明が行き届かなかったことは、当時の文相として責任を感じる。また総合学習もいきなり週3時間ではなく週1、2時間から始め、教員へのきめ細かい指導が必要だったと思っている。 ◇日本の弱点「記述式」、和田中が克服法 難しい問題はすぐお手上げ−−。読解力が問われる経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で、記述式の無答率が高いことが問題となっている。ところが「総合的な学習の時間」に熱心に取り組む東京都杉並区立和田中では、無答率が日本平均よりはるかに低く、長い文章の記述に慣れていることが明らかになった。 上越教育大の藤田武志准教授が、05年にテストを行い分析した。日本の無答率の平均が41・9%に上ったある記述式の問いでは、和田中の無答率は6・5%。学力ナンバーワンのフィンランドの無答率13・8%よりはるかに低かった。別の記述式の問いの無答率も6・5%で、日本平均22・9%より下回った。 藤田准教授は「和田中の生徒の正答率は決して高くないが、とにかく考え書いてみようとする姿勢が身に着いている。物事を徹底的に考え人に伝える訓練を続けてきたことが影響しているのでは」と分析する。和田中は民間から転職した藤原和博校長が、「よのなか科」と名付けた総合学習で、時事問題をテーマに社会調査や討論を行っている。 ============== ◆注1 ◇学習指導要領 小中高の各学年・各教科で、教える内容や学習時間を定めた基準。中央教育審議会の答申を経て文部科学省が策定、ほぼ10年に1度、改定される。現在改定中の学習指導要領は (1)小中学校で主要教科と体育の授業時間を約1割増やす (2)小学5年生から英語を必修 (3)総合学習の削減 −−などを目指している。 ◆注2 ◇旧制武蔵高校 1922年に7年制高校として創立。48年に新制武蔵高、49年に武蔵中が発足し、東京都内で私立男子校として中高一貫教育を行う。有馬氏のほか故・宮沢喜一元首相を輩出。 ◆注3 ◇総合的な学習の時間 現在の学習指導要領が実施された2002年から、小中高で本格導入された。自然観察やボランティア、社会問題の調査取材・討論などを通し、自主的に課題を見つけ問題解決する新しいタイプの授業。生きる力を養うゆとり教育の目玉的な存在。 ============== ◇国際数学・理科教育動向調査(参加国数) 《算数・数学の成績》 実施年 小学校 中学校 1964 −−−−− 2位(12カ国) 81 −−−−− 1位(20カ国) 95 3位(26カ国) 3位(41カ国) 99 −−−−− 5位(38カ国) 03 3位(25カ国) 5位(46カ国) 《理科の成績》 実施年 小学校 中学校 1970 1位(16カ国) 1位(18カ国) 83 1位(19カ国) 2位(26カ国) 95 2位(26カ国) 3位(41カ国) 99 −−−−− 4位(38カ国) 03 3位(25カ国) 6位(46カ国) 毎日新聞 2007年11月5日 東京朝刊 ネットいじめ、京の学校でも 匿名の中傷「友」襲う (京都新聞) 全国的にインターネットや携帯電話を使った学校でのいじめが問題となる中、京都市伏見区の中学3年の男子生徒が同級生らから悪質な「ネットいじめ」を受け、学校を休んでいることが発覚した。関係機関への相談も急増しているが、仲間内だけのサイトなどを通してのやりとりだけに、表面化するのはまれだ。現状や課題を追った。 「ばか」「キモい」「死ね」…。悪口中傷が携帯の画面いっぱいに並ぶ。男子生徒が伏見区の中学への転校を前に、「友達をつくりたい」と開設したホームページ(HP)。10月の登校初日、そのことを同級生らに伝えた。間もなくHPのブログ(日記)に卑劣な言葉の書き込みが始まった。 相手も分からない腹立たしさと恐怖。メールの返信で注意すると、中傷は過激になった。HP閉鎖や金銭を求める脅迫も交じる。アドレスなどから送信相手を突き止めた。同じクラスの女子生徒ら3人だった。学校や警察への相談を機に、彼女らはようやく詫びたが、男子生徒の傷は癒えない。うつ病と診断され、休学したままだ。 教育相談などを受け付ける全国webカウンセリング協議会(東京都)では、年間約1000件に上るいじめ相談の大半にネットが絡むという。学校単位の「学校裏サイト」での書き込み、他人のメールアドレスをかたる「なりすましメール」、他人に回すよう指示する「チェーンメール」など、自分の正体を隠した陰湿な手法が目立っている。 低年齢化も進む。今年1月、京都市南区の小学6年生(当時)の女子児童は、親友だった女子同級生とささいなことで言い争ったのを機に、複数の同級生から中傷メールを受けた。それまで楽しいやりとりの場だった携帯サイトの掲示板が使われた。「てめぇなんか、同じ中学にくるな」−。卒業を前にふさぎ込む娘に母親が気づき、保護者同士が集まるなどして収まった。「文字だけの世界はいったん行き違いがあると、どんどんひどくなる。恐ろしい」と母親は振り返る。 ■教育現場、危機回避を指導 どうすればよいのか。関係者からは「携帯を持たせるべきでない」との声の一方、「現実的に無理。防犯面でも必要」という意見も多い。 京都府や府教委、府警は今年2月、「情報モラル教育」のサイトを立ち上げ、アクセスを制限する「フィルタリング機能」の設定方法や、迷惑メールの相談窓口の紹介を始めた。京都市教委も近くネットいじめを考える連絡会議を立ち上げる。 下京区の七条中では、1年生に3年生の指導内容を前倒ししてチェーンメールへの対処などを教える。「『○君って態度悪いと思わへん?』。友達からこんなメールが来たらどう返す?」。教師の問いに生徒がパソコンに一斉に返事を書き込む。村上幸一校長は「中学生のネット技術は高く、メールなどのモラルを教えるのに3年生では遅い。小学校で教えてもいい」と実感を込める。 情報モラル教育を研究してきた八幡小(八幡市)の富永直也教頭は「ネットでのいじめをなくすのは、通常のいじめをなくすのと同じく難しい。学校で教えるべきは、命の大切さと危機回避の方法」と指摘する。 深く静かに広がる「顔の見えないいじめ」。接続制限などの対処療法に加え、いじめの根を絶つ地道な対策が迫られている。全国webカウンセリング協の安川雅史理事長は「子どもが携帯電話の着信音を消したり、大人から隠れてメールをチェックするなどの変化を見逃さないで」と、親や教師らが「子どものSOS」を感じ取ることの大切さを訴えている。 ・ネットによるいじめ問題 京都府警によると、ネットによる中傷の相談は2006年度で241件、4年前の3倍近くに上り、中高生の絡む事案も目立つという。京都市教委が6月に実施した抽出調査でも、携帯電話所持率が中学3年70%、小学6年25%に達し、中学生の約1割が「人権侵害のような書き込みをしたり、されたことがある」と答えた。神戸市では今年7月、私立高の男子生徒が多数の生徒から脅迫メールを受けて飛び降り自殺。同級生らが逮捕され、大きな社会問題となった。 | ||
| 11月4日 |
亀岡の詳徳中に奨励賞「馬場賞」 命テーマに国際理解教育 (京都新聞) 「命」をテーマに国際問題と人権の教育を結び付けて授業を展開してきた詳徳中(京都府亀岡市篠町)が、民間財団法人が主催する国際理解教育奨励賞「馬場賞」をこのほど受賞した。外国人講師を招いて貧困の現状を学んだり、生徒たちがユダヤ人虐殺をテーマに討論するなど、継続した学習プログラムが評価された。 全日本中学校長会など教育関係の全国組織が後援する同賞は、国際教育交流馬場財団(横浜市)が1988年に創設、国際理解教育の先駆事例を表彰している。今年は、府内で唯一の同中を含め、全国で3校を選んだ。 同中の表彰は、04年度入学生への3年間の指導に対して。生徒自身の発案から「命」に焦点を合わせ、世界各地で生じている紛争や貧困、飢餓といった人権侵害の状況を学び、各国出身の外部講師から実態を聞いた。 また、さまざまな科目と連動しながら系統立てて行った国際教育も評価された。英語の授業では、以前から文房具を送り支援していたタンザニアの学校に英文のメッセージカードを届けたり、ナチスによるユダヤ人虐殺を社会科で学んだ後、日本人外交官の杉原千畝がユダヤ人に通過ビザを大量発行した行為をめぐって討論を行った。 学習を担当した戸根武志教諭(36)は「人と思いやり、自分を大切にしようとする子どもたちの姿が、学習を通じて見て取れた」と話している。 東大がエール大に研究室 日本初、人材交流狙う (京都新聞) 【ニューヨーク3日共同】東大(東京都文京区)は2日、ブッシュ米大統領やヒラリー・クリントン上院議員らを輩出した米名門エール大(コネティカット州ニューヘブン)に日本学など人文学・社会科学の研究室を正式に開設した。 日本の大学が外国の主要大に研究室を設置するのは初めて。東大は今後、同研究室を拠点に人材交流の拡大などを狙う。 小宮山宏・東大学長とレビン・エール大学長が同日、ニューヨークで、研究室開設などを盛り込んだ協定書に署名。署名後の記者会見で小宮山学長は「若手研究者を中心に人材交流を進める」と強調、レビン学長も「両大の交流には長い歴史があり、研究室受け入れを誇りに思う」と述べた。(共同通信) | ||
| 11月3日 |
岐阜大学で出題ミス、昨年と同じ問題(朝日新聞) 岐阜大学は2日、10月24日にあった社会人特別選抜の小論文で、昨年と同じ出題をするミスがあったと発表した。受験者は2人だけで、2人には謝罪し、改めて小論文の試験を実施することを了承してもらった。 ミスがあったのは、教育学部学校教育講座(教育学)の第3年次編入試験。藤田英典著「教育改革」(抜粋)を読み、自分の考えを記述する問題が、設問の表現以外は全く同じだった。試験後に著作権処理をしていた同大職員が気づいた。 同講座の教員4人が「昨年は受験生がおらず試験を実施していない」と思いこみ、同じ出題を決めたという。実際は昨年も2人が受験し、合格者はいなかった。 盗撮狙った教諭ら8人処分 ドライブの誘いも(京都新聞) 京都府教育委員会は2日、府立高の女子更衣室にビデオカメラを設置し盗撮を試みた教諭ら男性教諭計8人を4月から9月にかけ、停職や減給などの懲戒処分にしたと発表した。 府教委によると、盗撮を試みた男性教諭(41)は8月初旬、部活動の更衣室にビデオカメラを設置したが、生徒がカメラを見つけた。ほとんど何も映っておらず、8月末に停職6カ月の処分を受けた。 また高校教諭(59)は4月、ガソリンスタンドの客が取り忘れた釣り銭約8000円を盗んだとして府警に窃盗容疑で逮捕され、別の高校教諭(43)も5月、女子生徒をドライブに誘うセクハラをし、ともに停職6カ月。 奈良県警が駅前の自転車を盗んだ窃盗容疑で逮捕、停職1カ月となった高校教諭(57)を含め、4人はいずれも処分当日に依願退職している。 教え子の母親襲った51歳独身小学校教諭を免職に 都教委(産経新聞) 教え子の母親に抱きつくなどわいせつな行為をしたとして、東京都教委は2日、多摩地区の小学校男性教諭(51)を諭旨免職処分とした。 都教委によると、教諭は今年4月3日、かつての教え子の母親らと飲食店で飲酒。午後9時半ころ、母親に招き入れられて母親宅に上がり、さらに日本酒をグラス4〜5杯飲んだ。 父親も不在だったことから、4日午前0時をすぎたころ、「自分に気があるのではないか」と思いこんだ教諭は突然、母親に正面から抱きついてキスをした。母親が逃れたところ、教諭は抱きついて倒れ込み、さらにキスをして、服の下から手を入れて両手で胸を触った。 母親が抵抗したため教諭はわれに返り、行為を中断。この事件以降、教諭は病気を理由に休職していた。母親が6月、市の行政相談窓口に訴えたことから事案が発覚した。教諭は「勝手に思い違いをしてしまった。反省している」と話しているという。 教諭は独身。都教委では、状況から「酌むべき事情もある」として、諭旨免職処分とした。 | ||
| 11月2日 |
京都の中3男子、ネットいじめでうつ病に…女子生徒が謝罪(読売新聞) 京都市伏見区の市立中学3年の男子生徒が、インターネット上に開設したブログに同じ中学などの女子生徒から「ばか」「きもい」などと書き込まれる「ネットいじめ」を受けていたことがわかった。 男子生徒はいじめ後にうつ病と診断され、現在、学校を休んでいるという。 市教委などによると、男子生徒がこの中学校に転校した直後の10月上旬、ブログに男子生徒を中傷する書き込みが始まった。男子生徒の携帯電話メールにも、ブログの閉鎖を要求し、応じなければ、「150万円の請求が強いられる」などと脅す匿名メールが送られてきた。 男子生徒の家族がブログに残った書き込み記録を調べ、女子生徒が浮上。学校の聞き取りで、女子生徒3人はいじめを認め、男子生徒に謝罪した。3人は携帯電話からブログに書き込んでいたといい、「おもしろ半分にやった」などと話しているという。 校長は「遊びで書き込むうちに言葉がエスカレートしていった。受け止める側の気持ちを考えられるよう、指導する」としている。 (2007年11月1日13時16分 読売新聞) NOVA余波で講師来ず、小中高で授業打ち切り(読売新聞) 英会話学校最大手の「NOVA」(大阪市)が会社更生法の適用を申請したことで、同社と外国語指導助手(ALT)の派遣契約を結んでいる学校で授業がストップする事態になっている。 同社から講師の派遣を受けていたのは、東京都世田谷区や大阪市など全国11の自治体。各教育委員会はCDで授業をしたり、他の英会話学校に協力を要請したりするなど大わらわで、突然の破綻(はたん)劇に困惑している。 「歌やゲームを通じて、生の英語に触れることができ、児童も授業を楽しみにしていたのに……」。世田谷区立用賀小の内藤信校長は残念そうに話す。 同区教委は、2006年度からNOVAに区立小64校への外国人講師派遣を委託。講師6人が各校を巡回して授業を行い、今年度は年間約2000万円の予算を計上した。 区教委では、同社で講師給与の未払いが表面化したことを受け、今月23日に契約の打ち切りを決定。同社側と条件などを話し合っているさなかの26日、同社が会社更生法の適用を申請した。その直後、担当者から「私では決められないので、保全管理人に聞いてほしい」と連絡があったという。 現在、別の業者に講師の派遣を打診しているが、年度途中とあってメドは立っていない。区教委では、「授業はしばらく中止せざるを得ない。NOVAへの対応は弁護士と相談している」と話す。 区立小中学校計58校で28人の講師が授業を行っていた品川区教委も今月、同社に打ち切りを通告した。 同区教委では、当面はCDの音声を使ったり、地域のボランティアに協力してもらったりして代替授業を行い、来年初めから外国人講師による授業を再開したい考え。担当者は「単価が安く、講師の質も良かったのに、NOVA本体の問題が波及してくるとは」と迷惑顔だ。 都内ではこのほか、目黒区と府中市が同社から派遣を受けていた。米国人男性講師を受け入れていた目黒区立第一中の佐伯英徳校長は、「講師は『給料が出ない』と話していたが、最後まで熱心に授業に取り組んでくれた。これからも同じ講師に来てもらいたい」と話す。 市立小中高校など計335校で講師20人を受け入れていた大阪市教委。今月22日から一部の講師が来なくなり、24日には11人が欠勤した。各校では別の授業に振り替えるなどの対応に追われたといい、「契約解除するしかない」と話す。 同様にNOVAからの講師派遣がストップした栃木県足利市や愛媛県松前町でも対応を検討中だ。 (2007年10月31日15時46分 読売新聞) 教育再生会議、「バウチャー制度」を事実上断念(産経新聞) 政府の教育再生会議は1日、官邸で合同分科会を開き、学校選択を進める教育バウチャー(利用券)制度に関し、今後バウチャーとの言葉を使用しないことを決めた。「金券をばらまくイメージでとらえられては困る」(白石真澄主査)との理由からだが、会議を提唱した安倍晋三前首相はバウチャーを使った学校選択の自由による教育効果を目指していただけに、本来のバウチャー制度は事実上断念したことになる。 分科会では制度の定義について議論した結果、「学校選択を進め、生徒の人数に応じて予算を配分し、がんばる学校に予算がまわり、がんばっていないところが淘汰(とうた)される仕組み」(白石氏)とすることで合意。利用券の活用は除外する方針だ。ただ、過度の学校間競争に対する懸念や、学校選択が限られる地方での導入に批判もあり、今後も議論を続けていく。 国語力向上へ少人数授業 亀岡・畑野小 教諭ら指導法研究 (京都新聞) 京都府教委の国語力向上拠点校に指定されている亀岡市畑野町の畑野小は1日、授業研究の成果を披露する国語科教育研究発表会を同小で開いた。コミュニケーション能力や読解力の向上を目指す少人数授業などが公開され、訪れた教諭たちが効果的な指導の仕方を考えた。 児童の読解力や語彙(ごい)力の低下が指摘される中、同小は「伸ばそう、伝え合う力」を主題に、読書活動の充実や視覚的に理解を促す授業の在り方などを研究している。この日は、1、4、5年生の国語の授業を公開した後、全体会で研究の成果や課題などを報告。市内外から小学校教諭ら約120人が参加した。 4年生27人の公開授業は、児童を2つのグループに分ける少人数方式で進められた。児童たちは、文章の段落ごとに「小見出し」を付けたり、「しかし」「でも」など文中のキーワードに注目しながら、前後の段落関係を図にしていった。訪れた教諭たちは、児童の発言の様子や板書の仕方などを注意深く見つめ、真剣な表情でメモを取っていた。 | ||
| 11月1日 |
学習指導要領:中教審部会・中間まとめ 「生きる力」理念共有 必要な授業時間を確保(毎日新聞) 中央教育審議会教育課程部会が30日に学習指導要領改定に向け大筋で了承した「審議のまとめ」(中間まとめ)の要旨は次の通り。11月7日の次回の同部会で正式決定する予定で、市民からの意見募集などを行った後に渡海紀三朗文部科学相へ答申される。【高山純二】 ◇改定の基本的な考え方 <改正教育基本法を踏まえた改定> 教育基本法が約60年ぶりに改正され、21世紀を切り開く心豊かでたくましい日本人の育成を目指すという観点から、これからの教育の新しい理念が定められた。今回の改定はこの法改正を十分踏まえる必要がある。 教育の基本理念を踏まえるとともに、子どもたちの課題への対応の視点から (1)「生きる力」という理念の共有 (2)基礎的・基本的な知識・技能の習得 (3)思考力・判断力・表現力の育成 (4)確かな学力の確立のために必要な授業時間の確保 (5)学習意欲の向上や学習習慣の確立 (6)豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実 −−がポイントである。 <基礎的な知識・技能の習得> 「生きる力」の理念は基礎的な知識・技能の習得を重視した上で、思考力・判断力・表現力をはぐくむことを目標としている。具体的な方策として、第一に発達や学年の段階に応じた指導を重視。第二に義務教育段階で、基礎的な知識・技能の一層の習得を促す方策として「重点指導事項例」の提示が考えられる。 <思考力・判断力・表現力の育成> 各教科の指導の中で観察・実験やリポートの作成、論述といったそれぞれの教科の知識・技能を活用する学習活動を充実させる必要がある。小・中・高校を通じ、国語のみならず各教科において、記録、要約、説明、論述といった言語活動を発達の段階に応じて行うことが重要である。 <必要な授業時間の確保> 教科において、基礎的な知識・技能の習得とともに、知識・技能を活用する学習活動を行うためには、現在の小・中学校の必修教科の授業時間は十分ではない。このため、特定の必修教科の授業時間を確保する。 ◇教育内容に関する主な改善事項 各教科における言語活動の充実 ▽理数教育の充実 ▽伝統や文化に関する教育の充実▽道徳教育の充実 ▽体験活動の充実 ▽小学校段階における外国語活動(仮称)の導入 −−をする必要がある。 ◇教育課程の枠組み <小中学校の枠組み> 小・中学校は現在、年間約200日(40週相当)の授業が行われている。学校裁量の時間を確保する必要があることから、年間授業週数(35週以上)を増やすことは適当ではない。授業の1単位時間は小学校45分、中学校50分とし、弾力的な時間割を編成できる現在の枠組みを維持する。 ◇小学校 <教科の授業時間> 国語、社会、算数および理科の授業時間を増加させる必要がある。子どもたちの体力が低下する中で、体育の授業時間の増加も必要である。 低学年は国語と算数、体育を増加。中学年は国語、算数、体育に加え理科を増加させる。高学年は算数、理科を重視する。社会は中・高学年で授業時間を若干増加させる。これらの教科を約350時間増加させる。 <年間総授業時間> 6年間で約350時間を増加させるためには、6年間で総授業時間を約280時間増加させる必要がある。以上を踏まえ、総授業時間は低学年で年70時間、中・高学年で年35時間増加させる。 ◇小学校英語 幅広い言語に関する能力や国際感覚の基盤を培うことを目的とする外国語活動(仮称)は、高学年で一定の授業時間(年間35時間)を確保。中学校の文法等の英語教育を前倒しするのではなく、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を目標とする。国際的な汎用性を踏まえれば、英語活動を原則とすることが適当。目標や内容を踏まえれば数値評価はなじまず、教科に位置付けないことが適当と考えられる。 ◇中学校 <教科の授業時間> 選択教科の授業時間を縮減し、国語、社会、数学、理科および外国語といった必修教科の授業時間を増加させる。国語は1、2年での指導を充実させる。社会は3年を中心に授業時間を増加。数学は1年と3年を中心に増加させる。理科は2、3年で授業時間を増加させる。外国語と保健体育は3年間を通して、授業時間を充実させる。これらの教科全体を約230時間増加させる。 <年間総授業時間> 総合的な学習の時間を3年間で105時間縮減し、国語、社会、数学、理科、外国語および体育を3年間で約230時間増加させるためには、3年間で総授業時間を約105時間増加させる必要がある。以上を踏まえ、各学年の総授業時間は各学年で年35時間増加させる必要がある。 ◇高校 <年間の授業週数> 全日制の課程における授業は「年間35週行うことを標準」とする規定は維持。全日制の週当たりの授業時間は、引き続き30単位時間を標準とする。卒業までに修得させる単位数は、引き続き74単位以上とする。 <必履修教科・科目> 現在の必履修とすべき教科の範囲は、現行の教科を基本とする。 必履修科目は、現行の必履修科目の単位数を原則として増加させない。生徒の選択肢の拡大につながる場合などは各学校の裁量を確保し、単位数を増加させる。 <教科改善の方針> 地理歴史、公民、理科は現行どおり選択必履修とする。地理歴史は、小・中学校で日本史や地理の学習が行われている現状を踏まえると、高校での現行の必履修科目の定めに合理性がある。 ◇総合学習 総合的な学習の時間は、体験的な学習活動、教科を横断した課題解決的な学習や探究活動に取り組むことは今後とも重要であり、一定の授業時間を確保する。しかし、これまで期待されていた教科の知識・技能を活用する学習活動を各教科の中で充実させることなどから、小中学校の各学年で約35時間縮減する。高校は授業時間数の弾力的な取り扱いを検討する。 ◇道徳教育の充実 小中高校の段階ごとに取り組むべき重点を明確にし、より効果的に指導が行われるようにする。小学校では生きる上で基盤となる道徳的価値観の形成を図り、中学校では思春期の特質を考慮して人間としての生き方を見つめさせる。高校では社会の一員としての自覚を一層深める指導を充実させる。また、集団宿泊活動や職場体験活動、奉仕体験活動などは極めて重要であり、道徳性の育成にも大いに資する。 教育課程上の位置づけも重要な課題であり、この点も専門的な観点から検討を行っている。この中には「現在の教科とは異なる特別な教科として位置づけ、教科書を作成することが必要」「現在の教育課程上の取り扱いを前提に、その充実を図ることが適当」といった種々の意見が出されていることから、引き続き検討する必要がある。 ◇小・中・高の各教科・科目改定のポイント ■国語 小中に「言語文化と国語の特質に関する事項」を設け、言語文化に親しむ態度を育てる。小学校では、学年別漢字配当表以外の常用漢字も振り仮名を用いて読む機会を持つようにする。 ■社会、地理歴史、公民 小学校で47都道府県の名称と位置、世界の主な大陸や海洋、国の名称と位置などを調べる学習を新たに加え、自分たちの住む都道府県の位置、世界の中での日本の位置をとらえることができるようにする。 ■算数、数学 学年間や学校段階間での内容の一部を重複させ、反復による教育課程を編成できるようにする。中学校では、確率・統計に関する領域「資料の活用」(仮称)を新設。ヒストグラムを用いて全体の傾向をとらえたりすることを指導する。 ■理科 観察・実験や自然体験、科学的な体験を一層充実させる方向で改善。高校に科学の発展、生活の中の科学などで構成する科目「科学と人間生活」を新設。また、研究を継続して実施できるようにするため、新科目「課題研究」を設ける。 ■生活 小学校での教科学習への円滑な接続のための指導を一層充実させ、幼児教育との連携を図って異年齢での教育活動を一層推進する。また、活動や体験したことを振り返り、自分なりに整理する学習活動を充実する。 ■音楽 小中ともに表現領域、鑑賞領域、共通事項で内容を構成する。中学校では表現領域を歌唱、器楽、創作の3分野に分け、音を音楽へ構成していく体験などを重視する。 ■図画工作、美術 小学校図画工作、中学校美術で共通に働く資質や能力を整理し、共通事項として示す。また、美術文化の継承と創造への関心を高めるために、作品のよさや美しさを主体的に味わう活動を一層充実させる。 ■家庭、技術・家庭 少子高齢化や家庭の機能が十分に果たされていないといった状況に対応し、家族と家庭に関する教育と子育て理解のための体験や高齢者との交流を重視する。 ■体育、保健体育 「体つくり運動」は小学校各学年で発達段階に応じた指導内容を取り上げて指導する。中学校では取り扱う時間数の目安を示す。武道は、我が国固有の伝統と文化に、より一層触れることができるよう改善する。 ■外国語 「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の4技能を総合的に育成する指導を充実させるよう改善を図る。中学校は、コミュニケーションにおける使用頻度の高い慣用表現や指導すべき語数を充実させる。 ■総合学習 教育課程の位置づけを明確にし、指導の充実を図るため、趣旨などを総則から取り出し、新たに章立てをする。学習活動の例示は、小学校で文化や伝統に関する活動、中学校で職業や自己の将来に関する活動を加える。 ============== ◇小学校の標準授業時間(案)◇ 1年 2年 3年 4年 5年 6年 計 国語 306 315 245 245 175 175 1461 (272) (280) (235) (235) (180) (175) (1377) 社会 − − 70 90 100 105 365 (−) (−) (70) (85) (90) (100) (345) 算数 136 175 175 175 175 175 1011 (114) (155) (150) (150) (150) (150) (869) 理科 − − 90 105 105 105 405 (−) (−) (70) (90) (95) (95) (350) 生活 102 105 − − − − 207 (102) (105) (−) (−) (−) (−) (207) 音楽 68 70 60 60 50 50 358 (68) (70) (60) (60) (50) (50) (358) 図画工作 68 70 60 60 50 50 358 (68) (70) (60) (60) (50) (50) (358) 家庭 − − − − 60 55 115 (−) (−) (−) (−) (60) (55) (115) 体育 102 105 105 105 90 90 597 (90) (90) (90) (90) (90) (90) (540) 道徳 34 35 35 35 35 35 209 (34) (35) (35) (35) (35) (35) (209) 特別活動 34 35 35 35 35 35 209 (34) (35) (35) (35) (35) (35) (209) 総合学習 − − 70 70 70 70 280 (−) (−) (105) (105) (110) (110) (430) 外国語活動 − − − − 35 35 70 (−) (−) (−) (−) (−) (−) (−) 合計 850 910 945 980 980 980 5645 (782) (840) (910) (945) (945) (945) (5367) ※カッコ内は現行。総合学習は総合的な学習の時間。 ============== ◇中学校の標準授業時間(案)◇ 1年 2年 3年 計 国語 140 140 105 385 (140) (105) (105) (350) 社会 105 105 140 350 (105) (105) (85) (295) 数学 140 105 140 385 (105) (105) (105) (315) 理科 105 140 140 385 (105) (105) (80) (290) 外国語 140 140 140 420 (105) (105) (105) (315) 音楽 45 35 35 115 (45) (35) (35) (115) 美術 45 35 35 115 (45) (35) (35) (115) 保健体育 105 105 105 315 (90) (90) (90) (270) 技術・家庭 70 70 35 175 (70) (70) (35) (175) 道徳 35 35 35 105 (35) (35) (35) (105) 特別活動 35 35 35 105 (35) (35) (35) (105) 総合学習# 50 70 70 190 (70〜100) (70〜105) (70〜130) (210〜335) 選択教科 − − − − (0〜30) (50〜85) (105〜165) (155〜280) 合計 1015 1015 1015 3045 (980) (980) (980) (2940) ※カッコ内は現行。#は、2〜3年生は選択教科(それぞれ上限35時間)を含む。選択教科は1年生で廃止され、2〜3年生は実施しなくてもよい。 ============== ◇高校の教科・科目(案)◇ 教科 科目 標準単位数 必修 国語 国語総合 4 ● 国語表現 3 現代文A 2 現代文B 4 古典A 2 古典B 4 地理歴史 世界史A 2 △ 世界史B 4 △ 日本史A 2 △ 日本史B 4 △ 地理A 2 △ 地理B 4 △ 公民 現代社会 2 △ 倫理 2 △ 政治・経済 2 △ 数学 数学1 3 ● 数学2 4 数学3 5 数学A 2 数学B 2 数学活用 2 理科 科学と人間生活 2 △ 物理基礎 2 △ 物理 4 化学基礎 2 △ 化学 4 生物基礎 2 △ 生物 4 地学基礎 2 △ 地学 4 課題研究 1 保健体育 体育 7〜8 ○ 保健 2 ○ 芸術 音楽1 2 △ 音楽2 2 音楽3 2 美術1 2 △ 美術2 2 美術3 2 工芸1 2 △ 工芸2 2 工芸3 2 書道1 2 △ 書道2 2 書道3 2 外国語 コミュニケーション英語基礎 2 コミュニケーション英語1 3 ● コミュニケーション英語2 4 コミュニケーション英語3 4 英語会話 2 英語表現1 2 英語表現2 4 家庭 家庭基礎 2 △ 家庭総合 4 △ 生活デザイン 4 △ 情報 社会と情報 2 △ 情報の科学 2 △ ※○は必修。●は必修で2単位まで減らせる。△は選択必修。地理歴史は、世界史Aか世界史Bから1科目を、日本史A、日本史B、地理A、地理Bから1科目を選択。公民は、現代社会または倫理・政治経済のいずれかを選択。理科は3科目で、「科学と人間生活」を含む場合は2科目でよい。 毎日新聞 2007年10月31日 東京朝刊 解説:次期学習指導要領 ゆとり教育検証なく 「総合学習」大幅削減を認める(毎日新聞) 中央教育審議会教育課程部会が30日大筋で了承した次期学習指導要領の「中間まとめ」は、ゆとり教育の象徴的な存在である「総合的な学習の時間」(総合学習)の大幅削減を小中学校ともに認めた。教育行政は十分な検証もないまま、ゆとり教育の実質的な見直しに大きくかじを切った形となった。 現行指導要領で総合学習が完全実施されて5年。今回、小学校6年間で430時間から280時間に削減し、中学校でも210〜335時間が190時間に減らされた。 03年度と05年度に行われた文部科学省の教育課程実施状況調査(学力テスト)では連続して学力向上の傾向を示した。このため総合学習の大幅削減について中教審の委員には「学校現場でようやくシステムが整い、動き出したところだ」と慎重論もあった。 24日に公表された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、基礎的な知識を活用する力に課題があると指摘された。中間まとめは、この「活用力」をはぐくむというゆとり教育の理念「生きる力」を残す一方、主要教科の増加時間分で活用力を指導する考えを示している。 しかし、授業時間を総合学習から各教科に移すだけでは、活用力の向上につながる保証はない。中教審委員には「詰め込み教育に戻ることは目に見えている」と懸念する声さえある。文科省は過去の安易な教育に戻らないよう、指導方法などを具体的に例示していく必要がある。【高山純二】 毎日新聞 2007年10月31日 東京朝刊 「学校側、自分で考える習慣乏しい」教育問題で町村長官(朝日新聞) 町村官房長官は31日の記者会見で、中央教育審議会の部会が小中学校の授業時間の増加を大筋で了承したことについて「ゆとり教育は間違っていたとは思わない。ゆとり即ゆるみ、即授業時間の減少ということが、結果として学力低下を生んだ。改めてしっかり基礎基本はやるということを徹底しないといけない」と一定の理解を示した。 一方、総合学習の時間が削られる見通しになったことには疑問を呈し、「教科横断的テーマを考えてみようということなのに、学校現場では自分の頭で考える習慣が誠に乏しく、やり方が分からない」「そういう認識が中教審は足りない」など、学校側や中教審を批判。「官房長官というより、元文部大臣の個人的感想を述べた。ちょっと言い過ぎたかもしれない」と語った。 入学後の教育内容変更 学校に賠償命令 東京高裁(朝日新聞) 茨城県の中高一貫の私立校「江戸川学園取手中・高校」の生徒や卒業生の父母ら31人が学校を相手に起こした訴訟の控訴審で、東京高裁(柳田幸三裁判長)は31日、父母らに慰謝料計480万円を支払うよう同校に命じる判決を言い渡した。学校案内などで紹介していた教育内容を入学後に変更したことで、父母らの「学校選択の自由を不当に侵害した」と判断した。 同校では前任の校長が行っていた「論語」を使った教育を特色として宣伝していた。しかし、04年の前校長解任後に廃止されたため、この教育を評価していた父母らが、一方的に変更されて精神的苦痛を受けたとして約2460万円の損害賠償と教育内容の回復などを求めて提訴していた。 一審・東京地裁は請求をすべて退けたが、高裁判決は「説明内容を信じて入学させた父母の信頼を裏切った」と認定。ただ、教育内容の回復については一審を維持した。 判決について、江戸川学園の木内英仁理事長は「学校の教育の自由にかかわる重要な問題であり、憲法問題として最高裁に判断していただく必要がある」とのコメントを出した。 小学校舎の床、強度不足に36年間気づかず 大阪・交野(朝日新聞) 大阪府交野(かたの)市教委は30日、同市森北1丁目、市立岩船小学校(田中哲男校長、児童398人)の南校舎の一部に床の強度不足が見つかり、11月1日から児童を別校舎に移すと発表した。71年8月の完成以来、建築基準法の基準を満たしていなかったことに気付かなかったという。 市教委によると、同校の南校舎は鉄筋コンクリート3階建て。来年度の耐震工事に向けて2次診断をしていたところ、業者から22日、2階理科室、3階音楽室の床に強度計算の誤りがあると指摘を受けた。 両教室は各階の上下に並び、広さ各約100平方メートル。同法上39センチ必要な床材の厚みが4センチ薄かったという。 市教委は、ひずみなどはなく、今のところ床が抜ける危険はないとしているが、南校舎の使用禁止と補強を決めた。5学年11学級を北校舎の空き教室と特別教室に移し、不足する特別教室は校庭にプレハブを建てて対応する。 高専「脱皮」へ再編 09年、4県8校が4校に(朝日新聞) 国立高等専門学校として初めての統合計画が、このほど発表された。背景には、少子化による志願者減に加え、国からの補助金の減少や産業界のニーズの変化なども重なる。高度成長期にスタートした高専は今、大きな岐路に立っている。 今回統合されるのは、宮城県の宮城工業(名取市)と仙台電波工業(仙台市)、富山県の富山工業(富山市)と富山商船(射水市)、香川県の高松工業(高松市)と詫間電波工業(三豊市)、熊本県の熊本電波工業(合志市)と八代工業(八代市)の8校。同じ県内の2校ずつが09年10月に統合する。キャンパスは残しつつ学科など組織を再編、10年4月から新しい学校のスタートをめざす。 ●地元に不安も 「リカレンジャー」。宮城工業高専自慢の実験器具を積んだトラックの愛称だ。教員らがこのトラックで近隣の小中高校に出向き、子供たちに理科実験などを披露している。市民にも身近な進学先となっている高専に今回、統合計画が持ち上がった。山崎良治事務部長は「今後も少子化が進む中で、質のいい生徒を集めるには再編が必要だと考えた」とする。 しかし、地元の関係者は複雑な気持ちだ。名取市教育委員会の高谷隆夫・学校教育課長は「キャンパスは残るので、大きな心配はしていない。ただ、募集する生徒数が減ったり、人気学科が仙台に移ったりと影響が出ないか不安はある」。 八代工業高専も、熊本市から35キロ離れた八代市にとって、貴重な高等教育機関だ。市教委は「合理化が進んでも、小中学校への出前授業などの取り組みは残してもらいたい」とする。 高専制度の創設は、60年に池田勇人内閣が閣議決定した「国民所得倍増計画」がきっかけだ。計画の実行には技術者の供給が間に合わないと考えられた。大企業では指導的な技術者の補助をし、中小企業では中心的に活躍できる「中堅技術者」の養成をめざしてつくられたのが高専だ。国立高専は62年に12校でスタートし、現在は55校ある。 ●交付金削られ 卒業生の能力は、高度成長期から現在まで評価が高い。06年度の高専卒業生への求人倍率は20倍近く、大学新卒の10倍だ。 しかし、少子化で高専も志願者が減っている。国公私立の高専全校の志願倍率は05年度に初めて2倍を割り、07年度は過去最低の1.78倍まで下がった。 また、国立高専は、国立大と同様に国からの運営費交付金が毎年1%ずつ減らされている。交付金などの国費が収入の8割を占めるため影響は大きく、築25年以上の建物が全体の73%、寄宿舎では78%に達する。産業界が求める人材が、腕のいい技術者よりも、ITを駆使して工程を管理できる人材などに変化してきても、そうしたニーズに応える教育を行うための設備の更新ができずにいる。 多くの学校が同様の問題に悩むことから、国立高専機構は1県に複数ある高専を手始めに再編統合に乗り出すことを決めた。河村潤子理事は「工業と、商船や電波という異なる性質の学校の統合で、各校の資源を集中し補完しあうのがねらい。新しい社会のニーズに対応できる高専に脱皮させるモデルにしたい」と話す。 こうした動きと並行して、文科相の諮問機関の中央教育審議会にも今年度、高専を対象にした特別委員会が16年ぶりに設置された。今月上旬にまとまった中間報告では、機構の計画と同様に、再編・統合を本格的に検討するよう提案している。一方で、委員の間には「団塊世代の大量退職で日本の技術力の継承が心配される今こそ、むしろ高専をもっと増やして技術者を養成すべきだ」といった意見も根強い。特別委は年内にこうした意見を調整し、今後の高専のあり方を示した最終報告書を取りまとめる方針だ。 〈高等専門学校〉 1962年の学校教育法の改正で、工業界、産業界に貢献する実践的な技術者の養成を目的に設立された。機械や電気・電子などのイメージが強いが、学校によっては情報デザインや商船なども学べる。42都道府県に64校(国立55、公立6、私立3)があり、学生数は約5万9千人。国立高専は04年4月に法人化され、国立高等専門学校機構が全校の運営主体となった。 ■統合される国立高等専門学校 ◇仙台電波工業・宮城工業 ◇富山商船・富山工業 ◇高松工業・詫間電波工業 ◇熊本電波工業・八代工業 ■国立高等専門学校の歩み 1960 池田内閣が「所得倍増計画」を策定。計画の実現には約17万人の科学技術者の不足を見込む。 62 学校教育法が改正され、高等専門学校制度を創設。12校でスタート。 67 富山、鳥羽、広島、大島、弓削の5商船高専が開校 71 仙台、詫間、熊本の3電波工業高専が開校 76 主に高専卒業生を受け入れるため長岡、豊橋の両国立技術科学大を設置 91 高専卒業生の進学需要の高まりを受け、5年間の一貫教育後に2年間の専攻科の設置が認められる。 2004 全国55の国立高専の運営を担う独立行政法人の国立高等専門学校機構が設置された。 京大医学部が医療ボランティア実習 医学科1年の全学生対象に(京都新聞) 京都大医学部(京都市左京区)が本年度から、医学科1年の全学生を対象に外来患者の案内などを手伝う医療ボランティア実習を行っている。患者と対話し思いやることの大切さを知り、医療人になるための学びにつなげるのが狙いで、全国でもあまり例のない試みという。 専門教育を受ける前に、地域医療での患者サービスを体験し、患者の視点から医療人として何が必要なのかを理解する。チーム医療や事務職員と協力することの大切さを知ることも狙いという。 8月から京大医学部付属病院を始め府内外の病院約30施設に学生が出向き、それぞれが延べ5日間、外来ボランティアの一員として医療ボランティアを体験している。昨年は医学部や薬学部から希望者が参加、本年度から医学部医学科の1年100人は必修とした。 京大病院の実習では、学生が1階のフロア各所に立ち、自動受付機の操作を補助したり、患者に話しかけて案内したりと、自らが動いて患者の手助けをしている。実習に参加した佃綾乃さん(医学科1年)は、阪神淡路大震災を経験して人の命を救う医療を目指したといい、「ありがとうといわれると、とてもうれしい。患者さんの役に立ちたいという気持ちに改めてなれました」と話していた。 医学研究科医学教育推進センターの平出敦教授は「受け入れてもらった病院も、みんなで学生を育てようと熱心に指導をしていただいている。何のために勉強をするのか、医療人としての姿勢を1年から身につけてほしい」と話している。 | ||