世界の教科書にみる日本ー中国編」


 この「中国編」で取り上げた教科書は、中国の中学校で使用されている歴史教科書「中国歴史」(全4巻)の第三巻第四巻で、国家教育委員会の直轄機関である人民教育出版社により編纂・出版されたものです。第三巻では清朝(17世紀半ば)から国民革命が失敗する(1927年)までの歴史、また第四巻では南京国民政府の成立(1927年)から最近までの歴史が扱われています。

 日本に関しては、第三巻では日清戦争に始まる日本の侵略と中国の抗日運動が記述されており、その量は全体の10分の1程度です。

 

 第四巻では、日本帝国主義の中国への侵略と中国の抗日戦争の勝利および日本の降伏までが詳細に記述されており、全体の約4分の1を占めています。第四巻では、満州事変の発端となった柳条湖での線路爆破の「真相」、南京大虐殺、細菌戦を研究する石井部隊(別名、満州七三一部隊)のことなども、挿絵入りで、具体的に記述されています。


 

 なお、この「中国編」は丸善にて販売しています。(定価2,447円)


 


 

[韓国編][フィリピン編][アメリカ編][ヴィエトナム編]

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「[対訳]世界の教科書にみる日本ー韓国編」

 「韓国編」で取り上げた教科書は、高等学校用歴史教科書「国史(上巻・下巻)」の下巻です。この教科書は、韓国教育部(文部省)の国史編纂委員会・一種図書研究開発委員会により編纂された、「国定」教科書で、韓国で唯一の高等学校用歴史教科書です。この中では、17世紀の朝鮮社会の変化と近代社会への動きから、第24回ソウル・オリンピック大会開催(1988年)までが扱われています。

 日本に関しては、朝鮮への侵略、占領および36年間にわたる植民地統治について詳しく記述されており、その分量は本全体の約3分の1を占めています。

 具体的には、雲揚号(江華島)事件(1875年)による開国、大韓帝国の滅亡、「日帝」の国権被奪(日韓併合)による朝鮮総督府の設置から植民地支配化への過程と統治の様子が詳しく描かれています。また、太平洋戦争勃発による総動員令、創氏改名も含めた皇国臣民化政策、および戦後の国土分断などについても記述されています。

 参考資料として、巻末に、国史年表と中学校用「国史」から転載した2つの囲み記事(堤巌里虐殺事件と日帝の徴用)があります。

 

 なお、この「韓国編」は丸善にて販売しています。(定価2,752円)



 

[中国編][フィリピン編][アメリカ編][ヴィエトナム編]

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「[対訳]世界の教科書にみる日本ーフィリピン編」

 この「フィリピン編」では、フィリピン文部省の関係機関であるインストラクショナル・マテリアルズ・コーポレーションにより編纂された、小学校と中学校の社会科教科書2冊を取り上げました。

さまざまな時期のフィリピン」(JAVEパブリッシング・ハウス出版)

社会科教科書1ーフィリピン国家の成立」(ヴィバル・パブリッシング・ハウス出版)

 どちらも、フィリピン国家の始まりから、スペイン、アメリカ、日本による統治時代を経て、独立し、フィリピン共和国が成立し、現代に至る通史を扱っています。

 

 日本に関しての記述は、太平洋戦争時のフィリピン占領および統治に限られています。アメリカの統治時代に設立したコモンウエルス(独立準備)政府による独立が、日本人の占領により中断され、フィリピン人が多くの困難を経験したこと、また、マッカ−サ−指揮のアメリカ軍によるフィリピン奪還・解放までのフィリピン人の抗日運動の様子などが詳しく記述されています。

 中学校用教科書の中では、特に、占領に際しての日本のプロパガンダ(宣伝)と「大東亜共栄圏」政策や「バタ−ン死の行進」についての記述があります。

 なお、この「フィリピン編」は丸善にて販売しています。(定価2,039円)



 

[中国編][韓国編][アメリカ編][ヴィエトナム編]

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「[対訳]世界の教科書にみる日本ーアメリカ編」

 「アメリカ編」で取り上げた教科書は、アメリカの代表的な社会科教科書出版社3社の、中学校・高等学校用(9学年から12学年)の歴史教科書ー世界史1冊、アメリカ合衆国史2冊ーです。

世界の歴史ー文明の諸型」(プレンティスホール社)

合衆国の歴史(第二巻)ー南北戦争から現在まで」(ホートン・ミフリン社)

アメリカの声ー合衆国の歴史」(スコット・フォアズマン社)

 「世界の歴史ー文明の諸型」の中では、開国から日本の近代化、軍国主義化、太平洋戦争から日本の敗戦、アジアの経済大国化という流れの中で扱われています。囲み記事として、明治時代初期のヨ−ロッパ観(西欧思想への関心と驚きや戸惑い)を描いた福沢諭吉の「福翁自伝」、太平洋戦争の岐路となったミッドウェ−海戦、日本の経済大国化の1つの象徴である「ロボット革命」が取りあげられています。

 「合衆国の歴史(第二巻)ー南北戦争から現在まで」と「アメリカの声ー合衆国の歴史」の中では、アメリカがたどった道筋に沿って、ペリ−来訪から開国、領土拡張、日露戦争、満州侵略、真珠湾攻撃、太平洋戦争、日系アメリカ人への人種差別と強制収容、日系二世部隊、マンハッタン計画、原爆投下、戦争の終結、新しい日本の建設から日米貿易競争、という文脈の中で記述されています。

 

 また、「アメリカの声ー合衆国の歴史」の中では、(1890-1920 年代に)アメリカに渡った日本人「写真花嫁」についての随筆、ペリ−提督が2度目に来訪した時に持参した贈呈品(および日本からのお返し)のリスト、壮絶な戦いが繰り広げられた沖縄戦についてのアメリカ海兵隊員による体験記、(ロ−ズベルト大統領の突然死の後、後継者として)原爆投下を決定したトル−マン大統領の回顧録、日本軍による真珠湾攻撃の朝に体験した「悲しみと恥ずかしさと怒り」を描いた日系アメリカ人、ダニエル・イノウエ上院議員の自伝からの抜粋が掲載されています。なお、「マンハッタン計画」の中では、原爆投下について、賛成と反対に分かれて学生が議論できるように構成されています。


 なお、この「アメリカ編」は丸善にて販売しています。(定価2,854円)



 

[中国編][韓国編][フィリピン編][ヴィエトナム編]

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「[対訳]世界の教科書にみる日本ーヴィエトナム編」

 「ヴィエトナム編」として、8冊の歴史教科書を取り上げました。小学校5年生用「歴史物語」1冊と中学校から高等学校用の「歴史」7冊です。「歴史」の中には、世界史とヴィエトナム国史が含まれています。これら8冊の教科書は、すべてヴィエトナム教育訓練省により編纂・発行された「国定」教科書です。

 小学校(5年生)の教科書の中では、日本に留学した指導者たちの話や(日本降伏後の)ハノイ蜂起による日本軍の撤退のついての記述があります。

 中学校・高等学校用のヴィエトナム国史の中では、日本の富強国化、ヴィエトナム人指導者たちの「東遊(日本への留学)運動」、第二次世界大戦中の日本ファシストのインドシナ進駐と統治、抗日・救国闘争と蜂起など、日本の降伏までの様子が詳細に記述されています。

 世界史の教科書の中では、徳川幕府制度の崩壊から明治維新、日本の帝国主義への移行、中国への侵略戦争、第二次世界大戦の勃発から日本の降伏、戦後の経済・科学技術の発展、戦後の国内政策(民主改革)と政治・軍事面の対外政策などが取りあげられています。

        

特に、戦後日本の経済発展については、敗戦国として、大打撃を負い、植民地を失い、アメリカ軍に占領されながらも、民主改革を行い、「奇跡的な」な発展を遂げたことが記述されています。現在の日本は、世界のあらゆる地域(特に東南アジア地域)で、市場侵入・拡大の方途を求めている「経済帝国」として描かれています。

 なお、この「ヴィエトナム編」は丸善にて販売しています。(定価2,243円)



 

[中国編][韓国編][フィリピン編][アメリカ編]

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