「竜の夢」という発想も奇抜ですが、画面いっばいの構成は安規の装飾的コントラクションの才能を、よく示しています。
手描きの絵とは異なる版画がもっている一種の装飾的、抽象表現的な特性を安規はこの作品に見るように最大限に発揮しています。
女性からの愛情に恵まれなかった安規にとって、竜はかれ自身なんでしょうか。まろやかな曲線美の裸女を見つめています。
全てが曲線で描かれている中で、竜の顔だけが直線的に描かれており、フォルムにともなう心理的効果をよく使い分けています。
黒い金魚の不気味さが、せつない愛情の行く末を暗示しているかのようです。
