「蝶を吐く人」

  1933年 15.7 × 16.9 cm 小野忠重版画館

 

      不思議な版画です。男が蝶を吐いている。壁には男と蝶の影が映っています。

    正面の障子に映った小さな蝶は、大きな蝶へと近づいています。男の顔は悲しげ

    です。吐いた蝶は男の「思い」なのでしょうか。大きな蝶は「夢」なのでしょうか。

    不気味な題名と構図ではありますが緊張感に溢れた作品で、安規の当時の境遇

    が偲ばれる作品にしあがっています。